JP4206808B2 - エアバッグドアのヒンジ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エアバッグドアのヒンジ構造に関し、更に詳細には、車両内装部材の基材に設けたエアバッグドアの裏面に固定される可動支持部材と、前記エアバッグドアを囲繞するドア周辺部位の裏面に固定される筒体状の固定支持部材と、これら可動支持部材および固定支持部材を連結し、膨張するエアバッグの押圧力を受けるヒンジ部とからなるエアバッグドアのヒンジ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年に至り、殆どの自動車では、衝突事故等による衝撃から乗員を保護するために、運転席用のエアバッグ装置および助手席用のエアバッグ装置が標準装備されている。このうち助手席用のエアバッグ装置は、図8および図9に示す如く、乗員室前方に組付けた車両内装部材としてのインストルメントパネル10における助手席側の内部に格納されている。このため前記インストルメントパネル10には、エアバッグ装置22に対応した部位に、当該エアバッグ装置22の作動時に膨張するエアバッグ24の押圧力を受けると乗員室側へ開放するエアバッグドア16が設けられている。
【0003】
前記エアバッグドア16は、図9に例示したように、前記インストルメントパネル10を構成するパネル基材12の所要位置へ一体的に形成して、常には該パネル基材12の一部をなすよう構成することで、開放前は外方から認識されないようにした所謂「インビジブルタイプ」が主流となりつつある。すなわち、前記パネル基材12の外面(裏面)に、エアバッグドア16の外縁ラインに沿って開裂予定線18を延設しておき、エアバッグ装置22の作動により膨張するエアバッグ24が該エアバッグドア16の裏面を押圧した際に、該開裂予定線18で破断が起こるように設定されている。これによりエアバッグドア16は、前記開裂予定線18が破断することでパネル基材12からの分離が許容され、該パネル基材12の外方への開放が可能となる。なお図示の場合は、矩形状の外縁開裂予定線18Aおよびその中央に延設される中央開裂予定線18Bからなる「日」字形の開裂予定線18とすることで、2枚のエアバッグドア16,16からなる両開きタイプのものを例示している。
【0004】
ここで前記パネル基材12は、例えばPP(ポリプロピレン)やASG等の比較的硬質の合成樹脂材料から形成されており、殊に低温時にエアバッグ24の強大な押圧力が加わった場合、該エアバッグドア16および該ドア16を囲繞するドア周辺部位20が破損する虞がある。このため、前記エアバッグドア16およびドア周辺部位20の裏面に、前記エアバッグ装置22に連結されるインサート部材30を装着することで、破損防止および飛散防止等を図る対策が施されている。このインサート部材30は、▲1▼スチール等の金属製とされて、エアバッグドア16およびドア周辺部位20の裏面にカシメ付けされるもの、▲2▼TPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマー)等の合成樹脂製とされて、エアバッグドア16およびドア周辺部位20の裏面に溶着または接着されるもの(図9に例示のもの)、等が好適に実施されている。なお、エアバッグドアの補強に関連する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
図9に例示した合成樹脂製のインサート部材30は、両開きタイプのエアバッグドア16,16に対応することを前提として、これらエアバッグドア16,16の裏面に夫々固定される可動支持部32,32と、前記エアバッグドア16,16を囲繞するドア周辺部位20の裏面に固定される筒体状の固定支持部34と、これら可動支持部32および固定支持部34を連結するヒンジ部36とを一体成形して構成されている。前記固定支持部34は、前記エアバッグドア16,16を囲繞すると共に前記エアバッグ装置22のケース体26に連結される筒体部38と、該筒体部38の端部から外方へ延出形成されて前記ドア周辺部位20の裏面に固定される取付部40とからなっている。また前記ヒンジ部36は、常には横断面形状が略U字形をなす形状に形成され、固定支持部34における筒体部38の内壁面と可動支持部32の端縁部とに接合されている。従ってヒンジ部36は、エアバッグ24の押圧力が可動支持部32に加わって外縁開裂予定線18Aの破断が完了すると、直線状態へ伸張的に変形してエアバッグドア16,16の一体的な浮上を許容し(図9に1点鎖線表示)、前記中央開裂予定線18Bの破断が完了すると、開放する可動支持部32およびエアバッグドア16を固定支持部34に支持させるようにする(図9に2点鎖線表示)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−012116号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図9に例示したインサート部材30のように、前記固定支持部34における筒体部38のパネル基材12に臨む側の開口サイズを、前記エアバッグドア16の外縁ラインより一回り大きい寸法に設定してある場合には、前記筒体部38の内側に前記ドア周辺部位20が部分的に臨むようになる(図9〜図11に符号20Aで示し、以降「延出部分」と称する)。しかも、前記ヒンジ部36の前記筒体部38に対する連結部36Aを、該筒体部38の前記ドア周辺部位20に臨む端縁部38Aに位置させた場合には、図10に示した領域Sの範囲において該連結部36Aは、該ドア周辺部位20の前記延出部分20Aに接触した状態で該筒体部38に連設される構造となる。しかもヒンジ部36は、前述したように横断面形状が略U字形をなす形状に形成され、その屈曲部分36Bが前記エアバッグ装置22におけるケース体26の開口部へ突出した形態となっている。
【0008】
このようなエアバッグドアのヒンジ構造では、エアバッグ装置22が作動してエアバッグ24が膨張を開始した場合、図11に示すように、前記ヒンジ部36の屈曲部分36Bに該エアバッグ24が接触するため、その押圧力が該ヒンジ部36へ直接的に加わるようになる。このように、前記エアバッグ24の押圧力が前記ヒンジ部36に加わった場合には、前記外縁開裂予定線18Aを挟んだ前記エアバッグドア16の端縁部16Aおよび前記ドア周辺部位20の延出部分20Aの各々に当該押圧力が加わるため、この外縁開裂予定線18Aを挟んだ両側部位16A,20Aが同一方向(図示上方)へ押圧されるようになる。従って、前記外縁開裂予定線18Aには適切な剪断力が作用しなくなるため、これに伴って該外縁開裂予定線18Aでの破断遅れが発生してエアバッグドア16,16の開放変位が遅延するようになり、エアバッグ24の膨張展開遅延を招来して該エアバッグ24の乗員保護機能を阻害する虞があった。
【0009】
また、前記ドア周辺部位20の延出部分20Aに押圧力が加わるため、該ドア周辺部位20と前記取付部40との剥離を助長し、場合によってはインサート部材30とパネル基材12とが分離して、ドア周辺部位20の支持が適切になされなくなる虞もあった。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、エアバッグの押圧力がヒンジ部を介してドア周辺部位に作用するのを回避し得るよう構成することで、開裂予定線での適切かつ確実な破断を実現してエアバッグドアを適切に開放させ得るようにしたエアバックドアのヒンジ構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、車両内装部材の基材に設けたエアバッグドアの裏面に固定される可動支持部と、前記基材の前記エアバッグドアを囲繞するドア周辺部位の裏面に固定される筒体部を有する固定支持部と、前記可動支持部および前記筒体部を連結するヒンジ部とからなるエアバッグドアのヒンジ構造において、
前記筒体部は、前記基材に臨む側の開口サイズが前記エアバッグドアの外形サイズより大きく形成され、前記ドア周辺部位に、筒体部の内壁面に整合する基準ラインより開口内側に臨む延出部分を設け、
前記ヒンジ部の前記筒体部に対する連結部を、前記延出部分の裏面から離間した部位に位置させたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るエアバッグドアのヒンジ構造につき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参照しながら以下説明する。本実施例のヒンジ構造は、エアバッグドア16およびドア周辺部位20の裏面に固定したインサート部材30を利用することが前提とされ、該インサート部材30に設けたヒンジ部を変更して構成されている。そこで後述する各実施例では、図9に例示した両開きタイプのエアバッグドア16,16に対応して前記インサート部材30を例示して説明することとする。従って、図8〜図11を引用して説明した従来技術の説明において既出の部材と同一部材に関しては、同一の符号を付して説明する。
【0013】
【第1実施例】
図1は、本発明の第1実施例に係るエアバッグドアのヒンジ構造を示すために、パネル基材12に設けたエアバッグドア16,16の形成部位で破断して示したインストルメントパネル10の要部断面図である。図示のインストルメントパネル10は、ポリプロピレン(PP)等から所要形状に形成された合成樹脂製のパネル基材12と、このパネル基材12の外面に被着された合成樹脂製の表皮材14とからなる2層タイプとされている。そして、車両乗員室の前方に設置した際には、リィンフォースバー等の車体構成部材に強固に固定された前記エアバッグ装置22を全体的に被覆すると共に、パネル基材12に設けた前記エアバッグドア16,16が、該エアバッグ装置22におけるケース体26の開口部に整合するようになっている。
【0014】
このようなインストルメントパネル10においてエアバッグドア16,16は、前記パネル基材12の裏面における該エアバッグ装置22に対応した部位に、外縁開裂予定線18Aおよび中央開裂予定線18Bからなる「日」字形の開裂予定線18を延設することで、パネル基材12に一体的に形成されて常には該パネル基材12の一部を構成している(図8)。そして、各々のエアバッグドア16,16は、前記外縁開裂予定線18Aが破断することでパネル基材12から一体的に分離し、前記中央開裂予定線18Bが破断することで相互に分離するようになる。ここで開裂予定線18は、パネル基材12の裏面にエアバッグドア16,16の外縁ラインに沿って延設した凹溝であって、該エアバッグドア16,16やパネル基材12の一般部位よりも薄肉とすることで、応力集中により剪断力が作用した際に破断し易く設定したものである。
【0015】
前記エアバッグドア16およびドア周辺部位20の裏面に固定されるインサート部材30は、2枚のエアバッグドア16,16からなる両開きタイプに対応するよう形成された合成樹脂(TPO等)製の一体成形部材であり、これらエアバッグドア16,16の裏面に夫々固定される可動支持部32,32と、前記エアバッグドア16,16を囲繞するドア周辺部位20の裏面に固定される筒体状の固定支持部34と、これら可動支持部32および固定支持部34を連結するヒンジ部36とから構成されている。前記固定支持部34は、前記エアバッグドア16,16を囲繞すると共に前記エアバッグ装置22のケース体26に連結される筒体部38と、該筒体部38の端部から外方へ延出形成されて前記ドア周辺部位20の裏面に固定される取付部40とからなっている。また前記ヒンジ部36は、常には横断面形状が略U字形に形成され、固定支持部34の筒体部38と可動支持部32との間で所要長に延設されて、該筒体部38の内壁面42と該可動支持部32の端縁部とに接合されている。従ってヒンジ部36は、エアバッグ24の押圧力が可動支持部32に加わって外縁開裂予定線18Aの破断が完了すると、直線状態へ伸張的に変形してエアバッグドア16,16の一体的な浮上を許容し(図1に1点鎖線表示)、前記中央開裂予定線18Bの破断が完了すると、略直線状態のまま可動支持部32およびエアバッグドア16を支持すると共にその一体的な開放を許容する(図1に2点鎖線表示)。
【0016】
なお、前述したエアバッグドア16,16の開放態様は、前記開裂予定線18が、外縁開裂予定線18A→中央開裂予定線18Bの順序で破断する場合に実現されるが、場合によって該開裂予定線18は、中央開裂予定線18B→外縁開裂予定線18Aの順序で破断したり、或いはこれら外縁開裂予定線18Aおよび中央開裂予定線18Bが略同時に破断することもある。前記開裂予定線18の破断態様が異なった場合には、前記エアバッグドア16,16の開放態様は前述とは多少相異する。
【0017】
このようなインサート部材30を裏面に固定したことを前提とする第1実施例に係るエアバッグドアのヒンジ構造は、図1および図2に例示したように、前記ヒンジ部36の前記固定支持部34に対する連結部36Aを、該固定支持部34より内側に臨む前記ドア周辺部位20の裏面に接触しない部位に位置させてある。すなわち、前記筒体部38の内壁面42に連設された前記ヒンジ部36の連結部36Aは、該内壁面42に整合するラインを基準ラインLとした場合、この基準ラインLより内側に臨むドア周辺部位20の前記延出部分20Aの裏面に接触しないようになっている。具体的に、前記筒体部38の内壁面42に対する前記ヒンジ部36の連結部36Aの連設位置は、該筒体部38の前記ドア周辺部位20に臨む端縁部38Aから所要距離Hだけ離間した位置であって、例えばH=1〜10mm程度とされている。
【0018】
このように構成された第1実施例のヒンジ構造では、図3に例示するように、エアバッグ装置22が作動して膨張を開始した前記エアバッグ24が前記ヒンジ部36の屈曲部分36Bに接触すると、該エアバッグ24の押圧力が該ヒンジ部36に加わり、その押圧力は前記エアバッグドア16の端縁部へのみ加わるようになる。すなわち、ヒンジ部36の連結部36Aにも押圧力が加わるものの、該連結部36Aが前記ドア周辺部位20(延出部分20A)に全く接触していないため、該ヒンジ部36に加わった押圧力が該延出部分20Aへ直接的に加わることはない。
【0019】
従って、エアバッグ24による押圧力は、前記外縁開裂予定線18Aを境界としてエアバッグドア16にのみ加わるようになり、前記延出部分20Aを含むドア周辺部位20は、エアバッグ装置22に係止された固定支持部34に支持されて図示下方へ相対的に引張られるため、前記外縁開裂予定線18Aを挟んだ両側の部位16,20(16A,20A)に作用する力は各々反対方向を指向するようになる。これにより、前記外縁開裂予定線18Aには適切な剪断力が加わるようになるので、該外縁開裂予定線18Aでの破断が適時に発生してエアバッグドア16,16の適切な開放変位が実現され、よってエアバッグ24の膨張展開が円滑になされて該エアバッグ24の乗員保護機能が好適に発揮される。また、前記ドア周辺部位20の延出部分20Aに押圧力が加わらないため、該ドア周辺部位20と前記取付部40との剥離が助長されることもない。
【0020】
【第2実施例】
図4は、本発明の第2実施例に係るエアバッグドアのヒンジ構造を例示した説明断面図である。この第2実施例に係るヒンジ構造は、前記筒体部38の前記ドア周辺部位20に臨む端縁部38Aを、前記取付部40の取付面から所要の後退量Tだけ後退させ、該ドア周辺部位20の裏面に接触しない状態で前記取付部40に連設した構成とすることで、前記ヒンジ部36の前記固定支持部34(筒体部38)に対する連結部36Aを、該筒体部38より内側に臨む前記ドア周辺部位20の延出部分20Aの裏面に接触しない部位に位置させてある。すなわち、前記筒体部38自体が前記ドア周辺部位20の裏面に全く接触していないため、前記筒体部38の前記端縁部38Aに連設した前記ヒンジ部36の連結部36Aは、該筒体部38の内壁面42に整合するラインを基準ラインLとした場合、この基準ラインLより内側に臨むドア周辺部位20の前記延出部分20Aの裏面に接触しないようになっている。なお、前記取付部40の取付面に対する前記筒体部38の端縁部38Aの後退量Tは、例えば0.5〜5mm程度とされている。
【0021】
このように構成された第2実施例のヒンジ構造では、図5に例示するように、エアバッグ装置22が作動して膨張を開始した前記エアバッグ24が前記ヒンジ部36の屈曲部分36Bに接触すると、該エアバッグ24の押圧力が該ヒンジ部36に加わり、その押圧力は前記エアバッグドア16の端縁部へのみ加わるようになる。すなわち、ヒンジ部36の連結部36Aにも押圧力が加わるものの、該連結部36Aが前記ドア周辺部位20(延出部分20A)に全く接触していないため、該ヒンジ部36に加わった押圧力が該延出部分20Aへ直接的に加わることはない。従って、エアバッグ24による押圧力は、前記外縁開裂予定線18Aを境界としてエアバッグドア16にのみ加わるようになり、前記第1実施例のヒンジ構造と同様の効果が得られる。
【0022】
【第3実施例】
図6は、本発明の第3実施例に係るエアバッグドアのヒンジ構造を例示した説明断面図である。この第3実施例に係るヒンジ構造は、前記筒体部38の前記ドア周辺部位20に臨む端縁部38Aに、前記取付部40の側へ変位する傾斜面44を設け、前記ヒンジ部36の前記固定支持部34(筒体部38)に対する連結部36Aを前記傾斜面44を外れた位置に連結することで、該筒体部38より内側に臨む前記ドア周辺部位20の延出部分20Aの裏面に接触しない部位に位置させてある。すなわち、前記筒体部38自体が前記ドア周辺部位20の裏面に全く接触していないため、前記筒体部38の前記端縁部38Aに連設した前記ヒンジ部36の連結部36Aは、該筒体部38の内壁面42に整合するラインを基準ラインLとした場合、この基準ラインLより内側に臨むドア周辺部位20の前記延出部分20Aの裏面に接触しないようになっている。なお、前記ドア周辺部位20の裏面に対する前記傾斜面44の傾斜角度Rは、30度以上となるように設定されている。
【0023】
このように構成された第3実施例のヒンジ構造では、図7に例示するように、エアバッグ装置22が作動して膨張を開始した前記エアバッグ24が前記ヒンジ部36の屈曲部分36Bに接触すると、該エアバッグ24の押圧力が該ヒンジ部36に加わり、その押圧力は前記エアバッグドア16の端縁部へのみ加わるようになる。すなわち、ヒンジ部36の連結部36Aにも押圧力が加わるものの、該連結部36Aが前記ドア周辺部位20(延出部分20A)に全く接触していないため、該ヒンジ部36に加わった押圧力が該延出部分20Aへ直接的に加わることはない。従って、エアバッグ24による押圧力は、前記外縁開裂予定線18Aを境界としてエアバッグドア16にのみ加わるようになり、前記第1実施例および第2実施例のヒンジ構造と同様の効果が得られる。
【0024】
なお前記各実施例では、前記可動支持部32および固定支持部34が前記ヒンジ部36で一体的に形成された合成樹脂製のインサート部材30を例示し、該ヒンジ部36の連結部36Aが筒体部38の内壁面42に一体的に連設される場合を例示したが、このインサート部材30は一体成形したものに限定されるものではない。例えば、前記可動支持部32およびヒンジ部36を一体的に成形すると共に、これらとは別体に前記固定支持部34を成形し、該固定支持部34の筒体部38の内壁面42に前記ヒンジ部36の連結部36Aを連結する形態であってもよい。ここで、筒体部38に対するヒンジ部36の連結は、接着剤による接着、振動溶着による溶着、ボルトおよびナット等の固定部品を利用した締結、等が実施可能である。
【0025】
また前記各実施例では、合成樹脂製のインサート部材30を採用することを前提として説明したが、本願のヒンジ構造は、金属製のインサート部材でも実施可能である。すなわち、金属製のインサート部材であっても、ヒンジ部36を略U字形に形成し得ると共に、該ヒンジ部36の前記固定支持部34(筒体部38)に対する連結部36Aを、該筒体部38より内側に臨む前記ドア周辺部位20(延出部分20A)の裏面に接触しない部位に位置させることが可能である。
【0026】
また実施例では、2枚のエアバッグドア16,16からなる両開きタイプにおけるヒンジ構造を例示したが、本願のヒンジ構造は、1枚のエアバッグドアからなる片開きタイプや、4枚のエアバッグドアからなる4方開きタイプ等にも実施可能である。
【0027】
更に前記実施例では、2層タイプのインストルメントパネル10を例示したが、本願のエアバッグドアのヒンジ構造は、前記パネル基材12のみから構成される単層タイプのインストルメントパネルに設けたエアバッグドアや、パネル基材12、表皮材14およびクッション材からなる3層タイプのインストルメントパネルに設けたエアバッグドアにも実施可能である。
【0028】
更にまた、本願のヒンジ構造を実施可能なエアバッグドアは、前記インストルメントパネル10に設けたものの他に、ドアパネルやピラーガーニッシュ等に設けたもの等も含まれる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るエアバッグドアのヒンジ構造によれば、筒体部の基材に臨む側の開口サイズをエアバッグドアの外形サイズより大きく形成して、筒体部が固定されるドア周辺部位に、該筒体部の開口内側に臨む延出部分を設けたとしても、ヒンジ部の筒体部に対する連結部を延出部分から離間した部位に位置させたことにより、膨張するエアバッグの押圧力が前記ヒンジ部に加わった際に、その押圧力が該ヒンジ部を介して前記ドア周辺部位に作用するのを好適に回避し得る利点がある。これにより、開裂予定線には適切な剪断力が加わるようになるので、該開裂予定線での破断が適時に発生してエアバッグドアの適切な開放変位が実現され、よって前記エアバッグの膨張展開が円滑になされて該エアバッグの乗員保護機能が好適に発揮される有益な効果を奏する。また、固定支持部より内側に臨むドア周辺部位に押圧力が加わらないため、該ドア周辺部位と該固定支持部との剥離を助長しない等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るエアバッグドアのヒンジ構造を示すために、パネル基材に設けたエアバッグドアの形成部位で破断して示したインストルメントパネルの要部断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図であって、エアバッグが膨張を開始した状態を示している。
【図3】膨張するエアバッグの押圧力がヒンジ部に加わった際の説明断面図であって、押圧力が該ヒンジ部を介してドア周辺部位に作用しないことを示している。
【図4】第2実施例に係るエアバッグドアのヒンジ構造を示した要部拡大断面図である。
【図5】膨張するエアバッグの押圧力がヒンジ部に加わった際の説明断面図であって、押圧力が該ヒンジ部を介して前記ドア周辺部位に作用しないことを示している。
【図6】第3実施例に係るエアバッグドアのヒンジ構造を示した要部拡大断面図である。
【図7】膨張するエアバッグの押圧力がヒンジ部に加わった際の説明断面図であって、押圧力が該ヒンジ部を介して前記ドア周辺部位に作用しないことを示している。
【図8】エアバッグドアを設けたインストルメントパネルを、表皮材を省略し一部破断して示した要部斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図であって、従来のエアバッグドアのヒンジ構造を示している。
【図10】図9の要部拡大断面図であって、エアバッグが膨張を開始した状態を示している。
【図11】膨張するエアバッグの押圧力がヒンジ部に加わった際の説明断面図であって、押圧力が該ヒンジ部を介してドア周辺部位に作用して、外縁開裂予定線が適切に破断しなくなる不都合を示している。
【符号の説明】
12 パネル基材(基材)
16 エアバッグドア
18 開裂予定線
18A 外縁開裂予定線
20 ドア周辺部位
22 エアバッグ装置
32 可動支持部
34 固定支持部
36 ヒンジ部
36A 連結部
38 筒体部
38A 端縁部
40 取付部
42 内壁面
44 傾斜面
L 基準ライン
T 後退量

Claims (5)

  1. 車両内装部材の基材(12)に設けたエアバッグドア(16,16)の裏面に固定される可動支持部(32,32)と、前記基材 (12) 前記エアバッグドア(16,16)を囲繞するドア周辺部位(20)の裏面に固定される筒体部 (38) を有する固定支持部(34)と、前記可動支持部(32,32)および前記筒体部 (38)を連結するヒンジ部(36)とからなるエアバッグドアのヒンジ構造において、
    前記筒体部 (38) は、前記基材 (12) に臨む側の開口サイズが前記エアバッグドア (16,16) の外形サイズより大きく形成され、前記ドア周辺部位 (20) に、筒体部 (38) の内壁面 (42) に整合する基準ライン (L) より開口内側に臨む延出部分 (20A) を設け、
    前記ヒンジ部(36)の前記筒体部 (38)に対する連結部(36A)を、前記延出部分 (20A)の裏面から離間した部位に位置させた
    ことを特徴とするエアバッグドアのヒンジ構造。
  2. 前記固定支持部(34)は、前記基材(12)に被覆されたエアバッグ装置(22)に連結される前記筒体部(38)と、該筒体部(38)の端部から外方へ延出形成されて前記ドア周辺部位(20)の裏面に固定される取付部(40)とからなる請求項1記載のエアバッグドアのヒンジ構造。
  3. 前記筒体部(38)前記ドア周辺部位(20)に臨む端縁部(38A)が、前記筒体部 (38) の内壁面 (42) において前記取付部(40)の取付面から所要の後退量(T)だけ後退し、該ドア周辺部位(20)から離間している請求項2記載のエアバッグドアのヒンジ構造。
  4. 前記筒体部(38)前記ドア周辺部位(20)に臨む端縁部(38A)に、前記取付部(40)の側へ近づくにつれて前記内壁面 (42) から離間する方向へ斜めに延在する傾斜面(44)が形成され、該端縁部 (38A) がドア周辺部位 (20) から離間している請求項2記載のエアバッグドアのヒンジ構造。
  5. 前記ヒンジ部(36)は、常には横断面形状が略U字形をなす形状に形成され、前記エアバッグドア(16,16)と前記ドア周辺部位(20)との境界ラインに沿って延設された開裂予定線(18/18A)を跨がるように位置している請求項1〜の何れか一項に記載のエアバッグドアのヒンジ構造。
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