JP2003137056A - エアバッグドアの開放構造 - Google Patents

エアバッグドアの開放構造

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JP2003137056A
JP2003137056A JP2001340974A JP2001340974A JP2003137056A JP 2003137056 A JP2003137056 A JP 2003137056A JP 2001340974 A JP2001340974 A JP 2001340974A JP 2001340974 A JP2001340974 A JP 2001340974A JP 2003137056 A JP2003137056 A JP 2003137056A
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Tomokazu Kudome
智和 久留
Toshihiro Oyama
俊広 大山
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材に一体的に形成されたエアバッグドア
が、エアバッグの押圧力が加わった際に該基材から適切
に分離して開放し得るようにする。 【解決手段】 インサート部材20に設けたヒンジ部2
3の所要位置に、エアバッグドア15の外縁に沿って形
成した開裂予定線16の近傍に先端を臨ませた当接部3
0を設ける。エアバッグドア15の裏面に、開裂予定線
16に隣接するよう延設されて前記当接部30が当接可
能な当接受部31を設ける。エアバッグ装置25のエア
バッグ26がヒンジ部23を押圧した際に、当接部30
が当接受部31に当接してエアバッグドア15をの裏面
端縁部位を押圧することで開裂予定線16が適切に破断
するようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エアバッグドア
の開放構造に関し、更に詳細には、車両内装部材の基材
に一体的に形成されたエアバッグドアと、該基材の裏面
において前記エアバッグドアの外縁ラインに沿って延設
された開裂予定線と、前記エアバッグドアの裏面に固定
したインサート部材に変形可能に設けられたヒンジ部と
からなる開放構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年に至り、殆どの自動車では、衝突事
故等による衝撃から乗員を保護するために、運転席用の
エアバッグ装置および助手席用のエアバッグ装置が標準
的に装備されている。このうち助手席用のエアバッグ装
置は、図9に示す如く、乗員室前方に組付けた車両内装
部材としてのインストルメントパネル10における助手
席側の内部に格納されている。このため前記インストル
メントパネル10には、エアバッグ装置25に対応した
部位に、当該エアバッグ装置25の作動時に膨張するエ
アバッグ26の押圧力を受けると乗員室側へ開放するエ
アバッグドア15が設けられている。
【0003】そして前記エアバッグドア15は、前記イ
ンストルメントパネル10を構成するパネル基材11の
所要位置へ一体的に形成して、常には該基材11の一部
を構成して開放前は外方から認識されないようにした所
謂「インビジブルタイプ」が主流となりつつある。このよ
うなエアバッグドア15は、パネル基材11の裏面にお
いて該ドア15の外縁ラインに沿って延設された開裂予
定線16により形成されており、エアバッグ装置25の
作動時にエアバッグ26の押圧力が裏面に加わった際に
該開裂予定線16が破断することで、前記パネル基材1
1から分離して開放が許容されるようになっている。
【0004】ここで前記パネル基材11は、例えばPP
(ポリプロピレン)やASG等の比較的硬質の合成樹脂材
料から形成されており、殊に低温時にエアバッグ26の
強大な押圧力が加わった際にその衝撃で破損するおそれ
があるため、エアバッグドア15の裏面とエアバッグ装
置25とを連結支持するインサート部材20を装着し
て、該エアバッグドア15およびその周辺部位の破損防
止および飛散防止等を図る対策が施されている。このイ
ンサート部材20は、例えばスチール等の金属製または
TPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマー)等の合成
樹脂製のものが実施に供されている。
【0005】図9では、エアバッグドア15が2枚のド
アパネル15A,15Bからなる両開き式とされている
から、このエアバッグドア15に対応するように形成し
た合成樹脂製のインサート部材20を例示している。こ
のインサート部材20は、前記開裂予定線16の外縁開
裂予定線16bを囲繞する矩形枠状の固定ブラケット部
21と、この固定ブラケット部21の開口部内側で相互
対向するよう形成された可動ブラケット部22,22と
から構成され、夫々の可動ブラケット部22,22はヒ
ンジ部23で固定ブラケット部21に連結されている。
また前記ヒンジ部23は、常には横断面形状が略U字形
とされていて、エアバッグ26の押圧力が可動ブラケッ
ト部22に加わると適宜伸張的(直線的)に変形可能とな
っており、前記開裂予定線16における外縁開裂予定線
16bでの破断を惹起させ、かつ該外縁開裂予定線16
bの破断が完了すると直線状態まで変形してドアパネル
15A,15Bを一体的に浮上させ得るようになってい
る(図10)。そして、夫々のヒンジ部23が完全に伸張
状態まで変形すると、開裂予定線16における中央開裂
予定線16aおよび両可動ブラケット部22,22の境
界ラインに沿って形成された破断予定線24が夫々破断
することで、夫々のドアパネル15A,15Bは対応の
可動ブラケット部22と一体的に開放するようになり、
開放するドアパネル15A,15Bとパネル基材11と
の干渉を回避するようになっている(図11)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、前述したイ
ンサート部材20を装着した従来のエアバッグドアの開
放構造では、図12をもとに要約説明すると、エアバッ
グ装置25が作動してエアバッグ26が膨張を開始する
と(図12(a))、先ず開裂予定線16における外縁開裂
予定線16bが破断して両ドアパネル15A,15Bが
パネル基材11から一体的に分離し(図12(b))、次い
で該開裂予定線16における中央開裂予定線16aおよ
び可動ブラケット部22,22の破断予定線24が夫々
破断し、両ドアパネル15A,15Bが相互に分離して
開放する(図12(c))ようにした開放態様である。しか
しながら図9および図13から明らかなように、前記ヒ
ンジ部23が略U字形に形成されているので夫々の可動
ブラケット部22,22が対応のドアパネル15A,15
Bの裏面端縁部位には接触していない。従って、前記可
動ブラケット部22,22やヒンジ部23,23にエアバ
ッグ26の押圧力が加わったとしても、ドアパネル15
A,15Bの端縁部位にはその押圧力が殆ど作用しない
構造となっていた。このため、開裂予定線16における
外縁開裂予定線16bの破断が適時になされないことが
あり、場合によっては外縁開裂予定線16bの破断より
中央開裂予定線16aの破断が先行してしまい、各ドア
パネル15A,15Bが適切に開放しなくなる不都合が
危惧されていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたもので、車両内装部材の基材に一体的
に形成されて常には該基材の一部を構成するエアバッグ
ドアが、エアバッグの押圧力が加わった際に開裂予定線
が適切かつ確実に破断することで、前記基材から分離し
て適切に開放し得るようにしたエアバッグドアの開放構
造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決して、所
期の目的を達成するため本発明は、車両内装部材の基材
に一体的に形成され、常には該基材の一部を構成するエ
アバッグドアと、該基材の裏面において前記エアバッグ
ドアの外縁ラインに沿って延設され、エアバッグ装置の
作動時に破断して該エアバッグドアを前記基材から分離
させる開裂予定線と、前記エアバッグドア(15/15A,15B)
の裏面に固定したインサート部材に変形可能に設けら
れ、開放する該エアバッグドアを支持するヒンジ部とか
らなる開放構造において、前記ヒンジ部の所要位置に突
設され、前記開裂予定線の近傍に先端を臨ませた当接部
と、前記エアバッグドアの裏面に延設されて前記開裂予
定線に隣接し、前記エアバッグ装置の作動時に前記当接
部が当接可能な当接受部とからなり、前記エアバッグ装
置のエアバッグが前記ヒンジ部を押圧した際に、前記当
接部が当接受部に当接して前記エアバッグドアの裏面を
押圧することで前記開裂予定線が破断し得るよう構成し
たことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るエアバッグド
アの開放構造につき、好適な実施例を挙げ、添付図面を
参照しながら以下説明する。本実施例の開放構造は、エ
アバッグドア15の裏面に固定したインサート部材20
を利用することが前提とされている。そこで実施例で
は、車両内装部材であるインストルメントパネル10の
パネル基材11に設けた2枚のドアパネル15A,15
Bからなる両開き式のエアバッグドア15を例示し、従
来技術の項(図9〜図13)において既出の部材と同一部
材に関しては同一の符号を付して説明する。
【0010】図1は、本発明の好適実施例に係るエアバ
ッグドアの開放構造を、パネル基材11に設けたエアバ
ッグドア15の形成部位で破断して示すインストルメン
トパネル10の要部断面図である。図示のインストルメ
ントパネル10は、ポリプロピレン(PP)等から所要形
状に形成された合成樹脂製のパネル基材11と、このパ
ネル基材11の外面に被着された表皮材12とからなる
2層タイプとされている。そして、車両乗員室の前方に
設置した際に、リィンフォースバー等の車体構成部材に
強固に固定された前記エアバッグ装置25を全体的に被
覆する。
【0011】このようなインストルメントパネル10に
おいてエアバッグドア15は、前記パネル基材11の裏
面における該エアバッグ装置25に対応した部位に中央
開裂予定線16aおよび外縁開裂予定線16bからなる
「日」字形の開裂予定線16を延設することで、パネル基
材11に一体的に形成されて常には該基材11の一部を
構成する2枚のドアパネル15A,15Bから構成され
ている(図12(a))。そして各ドアパネル15A,15
Bは、前記外縁開裂予定線16bが破断することでパネ
ル基材11から一体的に分離し、前記中央開裂予定線1
6aが破断することで相互に分離するようになる。ここ
で開裂予定線16は、パネル基材11の裏面にドアパネ
ル15A,15Bの外縁ラインに沿って凹設した凹溝で
あって、該ドアパネル15A,15Bやパネル基材11
の一般部位よりも厚みを小さくすることで破断し易く設
定したものである。
【0012】前記エアバッグドア15の裏面に固定され
るインサート部材20は、2枚のドアパネル15A,1
5Bからなる両開き式のエアバッグドア15に対応する
よう形成された合成樹脂(TPO等)製の一体成形部材で
あり、前記開裂予定線16における外縁開裂予定線16
bを囲繞する矩形枠状の固定ブラケット部21と、この
固定ブラケット部21の開口部内側に対向的に形成され
た可動ブラケット部22,22とから構成されている。
そして夫々の可動ブラケット部22,22は、常には断
面形状が略U字形とされたヒンジ部23で固定ブラケッ
ト部21に連結され、境界ラインに沿って形成した破断
予定線24が破断することで相互に分離するようになっ
ている。前記各ヒンジ部23は、エアバッグ26の押圧
力が加わって開裂予定線16における外縁開裂予定線1
6bが破断した後に、適宜伸張的(直線的)に変形して可
動ブラケット部22の浮上移動を許容すると共に、該開
裂予定線16における中央開裂予定線16aおよび破断
予定線24が夫々が破断した後に、開放する可動ブラケ
ット部22および該ブラケット部22に固定されたドア
パネル15A,15Bを支持するようになっている。
【0013】このようなインサート部材20を裏面に固
定したことを前提とする本実施例に係るエアバッグドア
の開放構造は、図1および図2に示すように、前記ヒン
ジ部23の所要位置に突設され、前記開裂予定線16に
おける外縁開裂予定線16bの近傍に先端を臨ませた当
接部30と、前記エアバッグドア15におけるドアパネ
ル15A,15Bの裏面に延設されて前記外縁開裂予定
線16bに隣接し、前記エアバッグ装置25の作動時に
前記当接部30が当接可能となっている当接受部31と
を追加して構成されている。そして後述する如く、前記
エアバッグ装置25の作動により膨張を開始したエアバ
ッグ26が前記ヒンジ部23を押圧した際に、当接部3
0が当接受部31に当接して前記エアバッグドア15
(ドアパネル15A,15B)の裏面端縁部位を押圧する
ことで、前記外縁開裂予定線16bが適切かつ確実に破
断し得るようにしたものである。
【0014】前記当接部30は、図2〜図4に示すよう
に、常には前記エアバッグ装置25側へ突出して断面形
状が略U字形に形成された前記ヒンジ部23において、
前記エアバッグドア15側に臨んだ凹部に所要間隔毎に
突設されている。具体的には、ヒンジ部23における可
動ブラケット部22に連設した斜状部分23aに一体的
に形成されており、上面に形成した当接面33および下
面に形成した作用面34とを有する当接体32と、該当
接体32の側面と前記斜状部分23aとを連結する連結
片35とから構成されている。前記当接面33は、前記
当接受部31に設けた当接受面37に整合して当接する
ようになり、また前記作用面34は、前記ヒンジ部23
における曲面部分23bに整合して当接するようにな
る。従って図5に示すように、前記エアバッグ装置25
が作動して膨張を開始したエアバッグ26の押圧力がヒ
ンジ部23の曲面部分23bに作用すると、その押圧力
が当接部30の当接体32に作用するようになる。
【0015】また前記当接部30の当接体32は、図3
および図8に示すように、前記連結片35の屈曲変形ま
たは撓曲変形により、前記当接受部31に対する当接方
向とは異なる方向への傾倒的な変形(図示矢印A方向お
よび矢印B方向)が可能となっている。従って、前記開
裂予定線16における外縁開裂予定線16bおよび中央
開裂予定線16aが破断した後に、開放するドアパネル
15A,15Bがヒンジ部23に対して姿勢変位するに
際し、前記当接体32が傾倒的に変形可能となっている
ことで前記当接受部31との干渉が回避され、該ドアパ
ネル15A,15Bがスムーズに開放するようになって
いる。
【0016】前記当接受部31は、夫々のドアパネル1
5A,15Bの裏面端縁部位において、前記外縁開裂予
定線16bに沿って帯状に突設され、対応するヒンジ部
23における凹部に整合して臨んでいる。そして、当接
受部31の下面において前記当接部30に対応した部位
には、該当接部30における当接体32の当接面33に
整合する当接受面37が形成されており、これら当接面
33および当接受面37が密着的に整合した状態におい
て当接部30の押圧力が当接受部31へ伝達される。な
お前記当接面33および当接受面37は、図5に示すよ
うに、ドアパネル15A,15Bの端縁側へ向けて下り
勾配の傾斜面とされており、当接部30による押圧力は
当接受部31に対して前記外縁開裂予定線16bの方向
へ作用するようになっている。
【0017】
【実施例の作用】次に、前述のように構成された本実施
例に係るエアバッグドアの開放構造の作用につき説明す
る。
【0018】前記インサート部材20は、例えばインジ
ェクション成形技術に基いて、固定ブラケット部21、
可動ブラケット部22、ヒンジ部23および当接部30
が一体的に形成される。またエアバッグドア15は、パ
ネル基材11をインジェクション成形するに際して該パ
ネル基材11と同時に形成され、この際に前記当接受部
31も同時に形成される。そして前記インサート部材2
0は、パネル基材11の裏面(エアバッグドア15の裏
面)に対して例えば振動溶着技術に基いて装着され、固
定ブラケット部21はエアバッグドア15の外周部位に
固定されると共に、可動ブラケット部22,22は対応
のドアパネル15A,15Bに固定される。
【0019】ここで、インサート部材20をパネル基材
11の裏面に装着した状態では、夫々のヒンジ部23,
23に突設した各当接部30における当接体32の当接
面33が、エアバッグドア15のドアパネル15A,1
5Bに突設した当接受部31における当接面37に密着
的に整合している(図1および図2)。
【0020】そして、エアバッグ装置25が作動を開始
したエアバッグ26の膨張初期段階では、図5に示すよ
うに、膨張する該エアバッグ26の上面が各可動ブラケ
ット部22および各ヒンジ部23の曲面部分23bを下
方から押圧するようになる。この際にドアパネル15
A,15Bにおいては、可動ブラケット部22が接触す
る領域では該可動ブラケット部22を介してエアバッグ
26の押圧力を受けるようになり、また外縁開裂予定線
16bに隣接した端縁部位においては、ヒンジ部23、
当接部30の当接体32、当接受部31を介してエアバ
ッグ26の押圧力を受けるようになる。
【0021】ここで、各可動ブラケット部22および各
ヒンジ部23にエアバッグ26の押圧力が加わった時点
では、インサート部材20の破断予定線24が未だ破断
していないので両可動ブラケット部22,22は1枚の
板状に一体的に接合しており、かつ該可動ブラケット部
22,22は固定ブラケット部21に対する移動が規制
されていないことから(ヒンジ部23,23が最大に伸張
していない)、エアバッグ26の押圧により発生する応
力は、中央開裂予定線16aよりも外縁開裂予定線16
bへ集中して作用するようになる。しかもエアバッグ2
6の押圧力が、前述した如く、ヒンジ部23、当接部3
0および当接受部31を介してドアパネル15A,15
Bにおける裏面端縁部位へ直接的に作用するようになる
から、外縁開裂予定線16bが適切かつ確実に破断する
ようになる(図6)。
【0022】そして、外縁開裂予定線16bでの破断が
進行して完了すると、エアバッグドア15はパネル基材
11から分離してフリー状態となると共に、ヒンジ部2
3が未だ最大に伸張変形していないので、エアバッグド
ア15および可動ブラケット部22は、夫々のヒンジ部
23,23が最大に伸張変形するまで一体的に浮上移動
する(図7)。なお、各ヒンジ部23,23が最大に伸張
変形した時点でも、中央開裂予定線16aでの破断は未
だ始まっていない。
【0023】外縁開裂予定線16bでの破断が完了し、
各ヒンジ部23,23が最大に伸張変形して可動ブラケ
ット部22の浮上移動が規制されると、エアバッグ26
の押圧により中央開裂予定線16aおよび破断予定線2
4が夫々破断するようになる。そして、中央開裂予定線
16aおよび破断予定線24での破断が完了すると、エ
アバッグドア15の各ドアパネル15A,15Bおよび
可動ブラケット部22,22の開放変位が許容されるよ
うになる。これにより両可動ブラケット部22,22
は、膨張するエアバッグ26に押圧されながらヒンジ部
23,23を中心として回動し、対応のドアパネル15
A,15Bと共に乗員室側へ一気に開放するようになる
(図8)。
【0024】このとき、エアバッグドア15の各ドアパ
ネル15A,15Bをパネル基材11から浮上させた状
態で前記可動ブラケット部22,22が開放するように
なるから、該可動ブラケット部22,22と一体的に開
放する該ドアパネル15A,15Bの端部がパネル基材
11に干渉するのが好適に回避され、両ドアパネル15
A,15Bの開放がスムーズになされる。しかも、可動
ブラケット部22が対応のヒンジ部23に対して姿勢変
位するに際し、前記当接受部31が前記当接部30の当
接体32に接触したとしても、該当接体32が適宜傾倒
的に変形して当接受部31と当接体32(当接部30)と
の干渉が好適に回避され、ドアパネル15A,15Bの
開放に支障を来すことがない。
【0025】このように本実施例に係るエアバッグドア
の開放構造では、前記ヒンジ部23の所要位置に突設し
た当接部30と、前記エアバッグドア15のドアパネル
15A,15Bの裏面に延設されて前記開裂予定線16
の外縁開裂予定線16bに隣接した当接受部31とによ
り、前記エアバッグ装置25のエアバッグ26が前記ヒ
ンジ部23を押圧した際に、該エアバッグ26の押圧力
がドアパネル15A,15Bの裏面端縁部位に好適に作
用するようになるので、前記開裂予定線16の外縁開裂
予定線16bが適切かつ確実に破断するようになる。従
って、中央開裂予定線16aの破断より外縁開裂予定線
16bの破断が好適に先行するようになり、エアバッグ
ドア15が適切に開放するようになる。
【0026】なお前記実施例では、合成樹脂製のインサ
ート部材20を採用することを前提として、該インサー
ト部材20のヒンジ部23に当接部30を一体的に形成
する場合を例示したが、本実施例の開放構造は金属製の
インサート部材でも実施可能である。すなわち、金属製
のインサート部材であっても、ヒンジ部23を略U字形
に形成し得ると共に、該ヒンジ部23の所要位置に当接
部30を設けることが可能である。
【0027】また実施例では、2枚のドアパネル15
A,15Bからなる両開き式のエアバッグドア15にお
ける開放構造を例示したが、本願の開放構造は、1枚の
ドアパネルからなる片開き式のエアバッグドア、4枚の
ドアパネルからなる4方開き式のエアバッグドア等にも
実施可能である。
【0028】更に前記実施例では、2層タイプのインス
トルメントパネル10を例示したが、本願のエアバッグ
ドアの開放構造は、前記パネル基材11のみから構成さ
れる単層タイプのインストルメントパネルに設けたエア
バッグドア、パネル基材11、表皮材12およびクッシ
ョン材からなる3層タイプのインストルメントパネルに
設けたエアバッグドアにも実施可能である。
【0029】更にまた、本願の開放構造を実施可能なエ
アバッグドアは、前記インストルメントパネル10に設
けたものの他に、ドアパネルやピラーガーニッシュ等に
設けたもの等も含まれる。
【0030】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るエアバ
ッグドアの開放構造によれば、ヒンジ部の所要位置に突
設した当接部と、エアバッグドアの裏面に延設されて開
裂予定線に隣接した当接受部とにより、前記エアバッグ
装置のエアバッグが前記ヒンジ部を押圧した際に該エア
バッグの押圧力がエアバッグドアの裏面に好適に作用す
るようになるので、前記開裂予定線が適切かつ確実に破
断するようになる。従って、開裂予定線が適切かつ確実
に破断するようになるので、エアバッグドアが適切に開
放するようになる有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係るエアバッグドアの開
放構造を、パネル基材に設けたエアバッグドアの形成部
位で破断して示すインストルメントパネルの要部断面図
である。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図であって、当接部にお
ける当接体が傾倒的に変形可能なことを示している。
【図4】インサート部材のヒンジ部に突設した当接部
と、パネル基材に設けたエアバッグドアのドアパネルに
突設した当接受部とを示す概略斜視図である。
【図5】エアバッグの膨張初期段階を示す要部断面図で
あって、該エアバッグの押圧力がヒンジ部、当接部およ
び当接受部を介してドアパネルの裏面端縁部位に加わる
ようになることを示している。
【図6】図5の状態から更にエアバッグが膨張した状態
を示す要部断面図であって、該エアバッグの押圧力がド
アパネルの裏面端縁部位に加わることで外縁開裂予定線
が破断し、ドアパネルおよび可動ブラケット部が一体的
に浮上し始めたことを示している。
【図7】図6の状態から更にエアバッグが膨張した状態
を示す要部断面図であって、ヒンジ部が最大に伸張変形
するまでドアパネルおよび可動ブラケット部が一体的に
浮上したことを示している。
【図8】中央開裂予定線が破断することで、可動ブラケ
ット部とドアパネルとが一体的に開放した状態を示す要
部断面図である。
【図9】従来のエアバッグドアの開放構造を、パネル基
材に設けたエアバッグドアの形成部位で破断して示すイ
ンストルメントパネルの要部断面図である。
【図10】エアバッグの押圧により外縁開裂予定線が破
断して、ヒンジ部が最大に伸張変形するまでドアパネル
および可動ブラケット部が一体的に浮上した状態を示す
説明断面図である。
【図11】中央開裂予定線が破断することで、可動ブラ
ケット部とドアパネルとが一体的に開放する状態を示す
説明断面図である。
【図12】エアバッグドアの開放変位を経時的に示す説
明図であって、(a)は、エアバッグの押圧力がエアバッ
グドアの裏面に適宜加わった状態の斜視図、(b)は、外
縁開裂予定線が破断することでエアバッグドアと可動ブ
ラケット部とが一体的に浮上移動した状態の斜視図、
(c)は、中央開裂予定線が破断することで可動ブラケッ
ト部とドアパネルとが一体的に開放し始めた状態の斜視
図である。
【図13】エアバッグの押圧力がドアパネルの裏面端縁
部位に加わらないことにより、外縁開裂予定線が適切に
破断しない不都合を示す説明断面図である。
【符号の説明】
11 基材, 15 エアバッグ
ドア 15A,15B ドアパネル, 25 エアバッグ
装置 16 開裂予定線, 16b 外縁開裂
予定線 20 インサート部材, 23 ヒンジ部 30 当接部, 31 当接受部 32 当接体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大山 俊広 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 Fターム(参考) 3D044 BA07 BB01 BC07 BC15 3D054 AA03 AA14 BB09 BB10 BB22 BB23 BB24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両内装部材の基材(11)に一体的に形成
    され、常には該基材(11)の一部を構成するエアバッグド
    ア(15/15A,15B)と、該基材(11)の裏面において前記エア
    バッグドア(15/15A,15B)の外縁ラインに沿って延設さ
    れ、エアバッグ装置(25)の作動時に破断して該エアバッ
    グドア(15/15A,15B)を前記基材(11)から分離させる開裂
    予定線(16/16b)と、前記エアバッグドア(15/15A,15B)の
    裏面に固定したインサート部材(20)に変形可能に設けら
    れ、開放する該エアバッグドア(15/15A,15B)を支持する
    ヒンジ部(23)とからなる開放構造において、 前記ヒンジ部(23)の所要位置に突設され、前記開裂予定
    線(16/16b)の近傍に先端を臨ませた当接部(30)と、 前記エアバッグドア(15/15A,15B)の裏面に延設されて前
    記開裂予定線(16/16b)に隣接し、前記エアバッグ装置(2
    5)の作動時に前記当接部(30)が当接可能な当接受部(31)
    とからなり、 前記エアバッグ装置(25)のエアバッグ(26)が前記ヒンジ
    部(23)を押圧した際に、前記当接部(30)が当接受部(31)
    に当接して前記エアバッグドア(15/15A,15B)の裏面を押
    圧することで前記開裂予定線(16/16b)が破断し得るよう
    構成したことを特徴とするエアバッグドアの開放構造。
  2. 【請求項2】 前記当接部(30)は、常には前記エアバッ
    グ装置(25)側へ突出した略U字形に形成された前記ヒン
    ジ部(23)において、前記エアバッグドア(15/15A,15B)側
    に臨んだ凹部に突設されている請求項1記載のエアバッ
    グドアの開放構造。
  3. 【請求項3】 前記当接部(30)の当接体(32)は、前記当
    接受部(31)に対する当接方向とは異なる方向への変形が
    可能であり、前記エアバッグドア(15/15A,15B)が開放す
    る際に該当接受部(31)との干渉を回避し得るようになっ
    ている請求項1または2記載のエアバッグドアの開放構
    造。
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