JP3903248B2 - ドア補強部材の固定構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドア補強部材の固定構造に関し、更に詳細には、エアバッグ装置を格納する車両内装部材に設けたエアバッグドアの裏面に形成した係着突部と、前記エアバッグドアの裏側に固定されるドア補強部材に形成した係着孔とからなり、前記係着孔に挿通した前記係着突部の先端突出部を加熱・圧潰して形成された拡幅係着部により、該エアバッグドアにドア補強部材を係着固定するようにしたドア補強部材の固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年生産される殆どの自動車では、衝突事故等による衝撃から乗員を保護するために、運転席乗員用のエアバッグ装置および助手席乗員用のエアバッグ装置が標準的に装備されている。ここで、前記助手席乗員用のエアバッグ装置は、例えば図10および図11に示す如く、乗員室前方に組付けた車両内装部材としてのインストルメントパネル10における助手席前方の内部に格納されている。このため、前記インストルメントパネル10を構成するパネル基材12では、前記エアバッグ装置50に対応した部位に乗員室側へ開放変位するエアバッグドア14が別体装着または一体成形され、このドア14がパネル基材12から開放変位することで乗員室へ開口したエアバッグ挿通口18を画成するようになっている(図15)。すなわち、衝突による衝撃を感知して前記エアバッグ装置50が作動すると、膨張したエアバッグ52の押圧力を利用することでエアバッグドア14を開放させるようになっている。
【0003】
前記エアバッグドア14は、従来では前記パネル基材12と別体に形成されて装着するものが主流とされていたが、近年に至っては、該パネル基材12に一体的に形成されるものが多くなりつつある。すなわちエアバッグドア14は、図10および図11に示す如く、常にはパネル基材12の一部としてその意匠面を構成しており、エアバッグ装置50が作動して膨張するエアバッグ52の押圧力を受けた際には、パネル基材12に予め設けた開裂予定線20(20a,20b)に沿って破断が生ずることで、該パネル基材12から分離して開放が許容される。なおエアバッグドア14は、開放態様を基準として分類すると、1枚のドアパネルからなる片開き式、2枚のドアパネルからなる両開き式(図示)、4枚のドアパネルからなる4方開き式等に大別される。
【0004】
ここで、エアバッグドア14を一体的に形成する前記パネル基材12は、一般的にポリプロピレン等にマイカ等の強化材を添加した比較的硬質な樹脂材料から成形されたものであるから、殊に低温時(零度以下)にエアバッグ52の強烈な押圧力を受けると、その衝撃でエアバッグドア14およびその周辺部位が大きく破損することが危惧される。このためパネル基材12の裏側において、前記エアバッグドア14の裏面およびその周辺部位には、エアバッグドア14の破損防止および飛散防止等を図るために、例えば金属製のドア補強部材22をカシメ付けして強度アップを図る対策が施されている。
【0005】
このドア補強部材22は、図10および図11に示した2枚のドアパネル16,16からなる両開き式のエアバッグドア14に対応したものでは、図12および図13に示す如く、該ドアパネル16,16の外縁ラインに沿って形成した外縁開裂予定線20aを囲繞するように固定される矩形枠体状の固定ブラケット24と、この固定ブラケット24の開口部内側に対向的に装着される可動ブラケット26,26とから構成されている。前記固定ブラケット24は、前記エアバッグ装置50に係止保持される筒体部28と、この筒体部28に一体成形されてパネル基材12の裏側へ係着固定されるフランジ部30とから構成されている。また夫々の可動ブラケット26,26は、エアバッグドア14の各ドアパネル16,16に対応するもので、前記固定ブラケット24の筒体部28に溶接またはビス着される固定支持パネル32と、この固定支持パネル32にヒンジ部34で開放可能に接合されて対応のドアパネル16,16の裏面に係着固定される可動補強パネル36とから構成されている。
【0006】
このようなドア補強部材22を構成する前記固定ブラケット24および各可動ブラケット26,26は、パネル基材12およびドアパネル16,16に対して公知のカシメ付けにより係着固定されるようになっている。すなわちエアバッグドア14の周辺部位には、複数個の第1係着突片38がパネル基材12に一体成形されていると共に、各ドアパネル16,16の裏面には、複数個の第2係着突片40が該ドアパネル16,16に一体成形されている。一方、前記ドア補強部材22では、前記各第1係着突片38が対応的に挿通可能な第1係着孔42が、前記固定ブラケット24のフランジ部30に穿設されていると共に、前記各第2係着突片40が対応的に挿通可能な第2係着孔44が、各可動補強パネル36,36に穿設されている。これにより固定ブラケット24は、各第1係着孔42へ対応的に挿通した夫々の第1係着突片38における先端突出部を加熱・圧潰して形成された拡幅係着部46により、パネル基材12の裏面にカシメ付け態様で係着固定される一方、夫々の可動ブラケット26,26は、各第2係着孔44へ対応的に挿通した夫々の第2係着突片40における先端突出部を加熱・圧潰して形成された拡幅係着部48により、対応のドアパネル16,16の裏面にカシメ付け態様で係着固定される(図11、図14(a)、図14(b))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した構成のドア補強部材22を装着したパネル基材12では、エアバッグドア14の各ドアパネル16,16および該エアバッグドア14の裏面周辺部位が補強されるので、殊に低温時にエアバッグ52の膨張による強烈な押圧力を受けても破損が好適に防止される。しかしながら、前記第1および第2係着突片38,40の加熱・圧潰によるカシメ付け態様では、殊にエアバッグ52の押圧力を直接的に受ける可動ブラケット26,26に関し、次のような問題が発生することが危惧されていた。
【0008】
先ず、図11から明らかなように、前記第2係着突片40の先端突出部を加熱・圧潰して形成された前記拡幅係着部48は、可動補強パネル36の裏面よりも突出している。このため膨張過程のエアバッグ52は、前記拡幅係着部48に対して可動補強パネル36の裏面に沿った方向から直接的に接触し、該拡幅係着部48を介して可動補強パネル36およびドアパネル16を押圧するようになる。従って、例えば前述とは逆の高温時にエアバッグ装置50が作動した場合は、前記第2係着突片40および拡幅係着部48が適度に柔らかくなっているから、図15に示すように、エアバッグ52の強大かつ瞬間的な押圧力を可動補強パネル36の裏面に沿った方向から受けた当該拡幅係着部48は、強制変位されて第2係着突片40からもぎ取られて飛翔してしまい、この拡幅係着部48が乗員に衝突して2次災害を引き起こすおそれがあった。また、前記拡幅係着部48が第2係着突片40(ドアパネル16)から分離した場合には、可動補強パネル36と該ドアパネル16とのカシメ付け状態が解除されるから該ドアパネル16も飛翔するようになり、このドアパネル16が乗員に衝突して2次災害を引き起こすおそれもあった。
【0009】
一方、前記第2係着突片40および第2係着孔44の形成数を増やして加熱・圧潰による熱カシメ部分を単に増した場合には、ドアパネル16と可動補強パネル36の係着力の向上を図り得るものの、ドアパネル16に対する可動補強パネル36の変形許容部位が少なくなるから、エアバッグ52の押圧による開放変位時に両パネル16,36の間に発生し得る挙動ずれ(剥離等)を吸収できなくなってしまい、結果的に前記拡幅係着部48に過大な応力が加わって該拡幅係着部48の分離を誘発する問題が生ずる。更には、前記第2係着突片40の先端突出部を加熱・圧潰して形成された前記拡幅係着部48の表面にバリや鋭利な部分等があった場合には、該拡幅係着部48に接触しつつ膨張するエアバッグ52に裂けや破れ等が発生する可能性があり、当該エアバッグ52の乗員保護機能を阻害してしまう不都合もあった。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、熱カシメにより形成された拡幅係着部に当接する支持部をドア補強部材に突設することで、当該拡幅係着部の強制変位による分離飛翔防止およびエアバッグドアの飛翔防止や、エアバッグに具有される乗員保護機能の阻害防止等を図り得るようにしたドア補強部材の固定構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、エアバッグ装置を格納する車両内装部材に設けたエアバッグドアの裏面に形成した係着突部と、前記エアバッグドアの裏側に固定されるドア補強部材に形成した係着孔とからなり、前記係着孔に挿通した前記係着突部の先端突出部を加熱・圧潰して形成された拡幅係着部により、該エアバッグドアにドア補強部材を係着固定するようにしたドア補強部材の固定構造において、
前記ドア補強部材における前記係着孔と隣接した部位に、前記拡幅係着部の端縁に当接する支持部を突設し、
前記エアバッグ装置の作動により膨張を開始したエアバッグが前記拡幅係着部に接触した場合に、該エアバッグの押圧力により強制変位される可能性を有する該拡幅係着部を前記支持部で支持するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るドア補強部材の固定構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお本実施例では、図10〜図15をもとに説明した2枚のドアパネル16,16から構成される両開き式のエアバッグドア14に対応したドア補強部材22を例示し、このドア補強部材22をインストルメントパネル10のパネル基材12に固定する構造につき説明する。従って、従来技術の項において既出の部材と同一部材に関しては、同一の符号を付して説明することとする。
【0013】
本実施例のドア補強部材22は、前述した従来のものと基本的構成が同一な金属製であって、図4に基いて概略説明すると、前記ドアパネル16,16の外縁ラインに沿って形成した外縁開裂予定線20aを囲繞するように固定される矩形枠体状の固定ブラケット24と、この固定ブラケット24の開口部内側に対向的に装着される可動ブラケット26,26とから構成されている。前記固定ブラケット24は、前記エアバッグ装置50に係止保持される筒体部28と、この筒体部28に一体成形されてパネル基材12の裏側へ係着固定されるフランジ部30とから構成されている。そして前記フランジ部30には、エアバッグドア14の裏側周辺部位に形成された前記第1係着突片38が対応的に挿通可能な第1係着孔42が穿設されていると共に、前記筒体部28には、前記エアバッグ装置50のケース体に設けた係止片54が対応的に係止可能な係止孔56が穿設されている。
【0014】
また、前記夫々の可動ブラケット26,26は、前記固定ブラケット24の筒体部28に溶接またはビス着される固定支持パネル32と、この固定支持パネル32にヒンジ部34で開放可能に接合されて対応のドアパネル16,16の裏面に係着固定される可動補強パネル36とから構成されている。夫々の可動補強パネル36,36は、長手方向へ等間隔に形成した3つのスリット58により幅狭な連結部62で相互連結された4つの部分パネル60から形成され、夫々の部分パネル60がヒンジ部34を介して前記固定支持パネル32に個別に連結している。そして前記夫々の部分パネル60には、ドアパネル16,16の裏面に形成された前記第2係着突片40が対応的に挿通可能な前記第2係着孔44が、長孔スリット状に穿設されている。
【0015】
なお実施例の可動補強パネル36では、夫々の部分パネル60に合計3個ずつの第2係着孔44が並列的に穿設されており、夫々の第2係着孔44に対して前記第2係着突片40が対応的に整合して挿通するようになる(図4〜図6)。従って、夫々の第2係着孔44に対応的に挿通して相互隣接した3個の第2係着突片40では、該第2係着孔44から延出した夫々の先端突出部を図示しない熱カシメ機により同時に加熱・圧潰することで、夫々の突出部が溶融・結合して固化した1つの大きな拡幅係着部48が形成され、該拡幅係着部48により対応の部分パネル60がドアパネル16に係着固定される(図1〜図3)。従って、夫々の部分パネル60における3個の第2係着突片40を同時に加熱・圧潰して拡幅係着部48を形成することで、4つの各部分パネル60は対応の拡幅係着部48により個別にドアパネル16に係着される。
【0016】
次に、前述したドア補強部材22に実施される本実施例の固定構造につき説明する。図1は、本発明の好適実施例に係るドア補強部材22の固定構造を、熱カシメが完了した状態で示す概略斜視図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII−III線断面図、図5は熱カシメする前の状態を示す概略斜視図である。実施例に係るドア補強部材の固定構造は、可動ブラケット26における可動補強パネル36の各部分パネル60において夫々の第2係着孔44の長手方向端縁に隣接した部位に、第2係着突片40を加熱・圧潰して形成された前記拡幅係着部48の端縁に接触し、該拡幅係着部48を支持可能な支持壁(支持部)64を追加して突設したものとなっている。
【0017】
ここで、前記拡幅係着部48に加わるエアバッグ52の押圧力を観察してみると、膨張する該エアバッグ52の押圧力を受けて可動補強パネル36およびドアパネル16が開放する過程においては、図7および図8から明らかなように、膨張過程にある該エアバッグ52の押圧力が、常には拡幅係着部48に対して開放基端36a(ヒンジ部34側)から開放自由端36b側へ作用するようになる。このことから前記部分パネル60には、エアバッグ52の押圧力が前記拡幅係着部48に加わった際に該拡幅係着部48の強制変位を規制する位置、すなわち第2係着孔44に対して開放自由端36b側に位置する部位に、押圧方向と直交する方向へ所要長に延在する状態で前記支持壁64が突設されている。すなわち支持壁64は、熱カシメにより形成された前記拡幅係着部64の幅と略同一の長さに設定されている。
【0018】
また実施例の固定構造では、前記部分パネル60において、前記夫々の第2係着孔44に対して開放基端36a側に位置する部位に、押圧方向と直交する方向へ所要長に延在する状態で保護壁(保護部)66が突設されている。この保護壁66は、開放基端36aの側に臨む拡幅係着部48の端縁に膨張するエアバッグ52が直接的に接触するのを防止して、該拡幅係着部48へ過大な押圧力が作用することを規制するものである。
【0019】
ここで図2に示すように、前記支持壁64の突出高さh1および保護壁66の突出高さh2は、何れも略同一に設定され、かつ前記拡幅係着部48の厚みwより適宜大きく設定されており、拡幅係着部48の上面よりも支持壁64および保護壁66の頂面がより突出した状態となっている。従って膨張過程のエアバッグ52は、前記拡幅係着部48に接触する前に保護壁66および支持壁64の夫々の頂面に接触するようになり、該エアバッグ52が拡幅係着部48へ直接的に接触することを可能な限り回避する構造となっている(図7および図8)。これにより、拡幅係着部48に加わるエアバッグ52の押圧力の軽減を図り得ると共に、該拡幅係着部48との直接接触によるエアバッグ52の裂けまたは破れが発生するのを防止し得るよう構成されている。
【0020】
また実施例の固定構造では、図1および図3等に示すように、前記夫々の部分パネル60同士の間に形成された前記スリット58に整合し、かつ隣接する部分パネル60同士を連結する前記連結部62に整合する規制片68を追加して形成してある。この規制片68は、成形時のリブ形状のままで実施に供され、ドアパネル16に固定されている可動補強パネル36が、該ドアパネル16の裏面に沿う方向へずれ動くのを規制すると共に、該ドアパネル16の裏面から部分的に剥離するのを許容するようになっている。すなわち可動補強パネル36は、前記夫々の第2係着突片40によりドアパネル16の裏面に沿う方向へのずれ動きが規制されるうえに、更に前記規制片68の追加により裏面に沿う方向へのずれ動きがより一層規制されている。しかしながら可動補強パネル36は、前記拡幅係着部48の形成部位(部分パネル60の中央部位)ではドアパネル16の裏面から剥離することが規制されているものの、前記夫々の規制片68に隣接した連結部62の近傍ではドアパネル16の裏面から剥離することが許容されている(図3に2点鎖線で示す)。なお前記夫々の規制片68の突出高さh3は、エアバッグ52との接触を回避するために、図3に示すように、前記拡幅係着部48の厚みw、保護壁66の突出高さh2(および支持壁64の突出高さh1)より適宜低く設定するのが望ましい。
【0021】
これにより実施例のドア補強部材の固定構造は、可動補強パネル36がドアパネル16の裏面に沿ってずれ動くのを好適に規制する一方、該可動補強パネル36がドアパネル16の裏面から部分的に剥離することを許容するようになっており、エアバッグ52の押圧力を受けて両パネル16,36が一体的に開放変位する際に生ずる部分的な挙動ずれを好適に吸収し得る構造となっている。従って、エアバッグ52の押圧力を受けたドアパネル16および可動補強パネル36が一体的に開放するに際しては、前記夫々の第2係着突片40や拡幅係着部48に過大な応力が加わることが回避され、これにより拡幅係着部48の分離を誘発しないようになっている。
【0022】
【実施例の作用】
次に、前述のように構成された本実施例に係るドア補強部材の固定構造の作用につき説明する。
【0023】
前記パネル基材12は、例えばインジェクション成形により所要形状に一体成形され、この際にエアバッグドア14の各ドアパネル16,16、夫々の第1係着突片38、夫々の第2係着突片40、夫々の規制片68が同時に一体成形される。一方前記ドア補強部材22は、固定ブラケット24および各可動ブラケット26,26が個別に成形され、固定ブラケット24のフランジ部30に夫々の第1係着孔42が穿設されると共に、各可動ブラケット26,26の可動補強パネル36に夫々の第2係着孔44が穿設される。そして、固定ブラケット24の筒体部28に固定支持パネル32を固定することで、夫々の可動ブラケット26が固定ブラケット24に取付けられる。
【0024】
このように成形されたドア補強部材22を、図4に示すように、前記パネル基材12の裏側にセットすることで、前記夫々の第1係着突片38が対応の第1係着孔42に整合して挿通され、前記夫々の第2係着突片40が対応の第2係着孔44に整合して挿通される(図5、図6)。この際に、夫々の第1係着突片38の先端は、対応の第1係着孔42から所要量だけ突出した状態となる一方、夫々の第2係着突片40の先端は、対応の第2係着孔44から所要量だけ突出した状態となる。また夫々の規制片68は、対応のスリット58に整合して連結部62に係止した状態となる。
【0025】
このもとで、図示しない熱カシメ機を利用して、夫々の第1係着突片38の先端突出部および第2係着突片40の先端突出部を加熱・圧潰して拡幅係着部46,48を夫々成形することで、固定ブラケット24がエアバッグドア14の裏面周辺部位にカシメ付けされると共に各可動ブラケット26が該エアバッグドア14のドアパネル16,16にカシメ付けされ、ドア補強部材22がパネル基材12の裏面に係着固定される(図1〜図3)。但し、各拡幅係着部48によりドアパネル16の裏面に係着固定された可動ブラケット26の可動補強パネル36では、各拡幅係着部48により夫々の部分パネル60の中央部位は殆ど変形不能とされ、前記規制片68に隣接した該部分パネル60の周縁部位および連結部62の近傍ではドアパネル16の裏面からの剥離が許容されている(図3)。
【0026】
そして、パネル基材12の裏面にドア補強部材22が係着固定されたもとで前記エアバッグ装置50が作動し、膨張を開始したエアバッグ52の押圧力がドア補強部材22の可動補強パネル36,36を介して夫々のドアパネル16,16に加わると、前記開裂予定線20(外縁開裂予定線20aおよび中央開裂予定線20b)が夫々破断し、破断完了後に両ドアパネル16,16がパネル基材12から分離する。これにより、夫々のドアパネル16,16および可動補強パネル36,36は、一体的に係着固定された状態でエアバッグ52の押圧力を受け、前記ヒンジ部34を介して固定支持パネル32に支持されつつ開放するようになる。
【0027】
このときエアバッグドアの開放前半段階においては、図7に示すように、徐々に膨張するエアバッグ52は、可動ブラケット26における可動補強パネル36に形成した保護壁66および支持壁64の夫々の頂面に接触するようになり、拡幅係着部48へは接触し難くなっている。また、仮にエアバッグ52が拡幅係着部48に接触し、図示の矢印A方向(可動補強パネル36に裏面に沿った方向)へ作用する押圧力が該拡幅係着部48に加わったとしても、前記支持壁64の支持により当該拡幅係着部48は矢印A方向への強制変位が規制され、エアバッグ52の押圧力によって拡幅係着部48がドアパネル16から分離・飛翔することが好適に防止される。また、ドアパネル16と可動補強パネル36との係着状態が保持されるので、該ドアパネル16が飛翔することも防止される。
【0028】
またエアバッグドアの開放後半段階においては、図8に示すように、乗員席側へ膨張展開するエアバッグ52は、引続き可動ブラケット26における可動補強パネル36に形成した保護壁66および支持壁64の夫々の頂面に接触するようになり、拡幅係着部48へは接触し難くなっている。また、仮にエアバッグ52が拡幅係着部48に接触し、図示の矢印A方向(可動補強パネル36の裏面に沿った方向)へ作用する押圧力が該拡幅係着部48に加わったとしても、前記支持壁64の支持により当該拡幅係着部48は矢印A方向への強制変位が規制され、エアバッグ52の押圧力によって拡幅係着部48がドアパネル16から分離・飛翔することが好適に防止される。また、ドアパネル16と可動補強パネル36との係着状態が保持されるので、該ドアパネル16が飛翔することもない。
【0029】
一方、図7および図8に示したエアバッグドアの開放過程において、ドアパネル16と可動補強パネル36との間に挙動ずれが発生した場合には、該可動補強パネル36において、前記夫々の規制片68に隣接した連結部62の近傍が適度に変形(ドアパネル16の裏面から部分的に剥離する等)することにより、前記夫々の第2係着突片40や拡幅係着部48に過大な応力が加わることが回避される。従って、エアバッグドアの開放過程における過大な応力によって拡幅係着部48がドアパネル16から分離・飛翔することも好適に防止される。
【0030】
このように実施例に係るドア補強部材の固定構造では、エアバッグ52の押圧力を受けたドアパネル16および可動補強パネル36が一体的に開放変位するに際し、両パネル16,36を係着固定するための拡幅係着部48がエアバッグ52の押圧力により分離・飛翔することが防止されるので、該拡幅係着部48が乗員に衝突することによる2次災害の発生を好適に防止し得る。そして、これによりドアパネル16と可動補強パネル36との係着状態が解除されることもないので、該ドアパネル16が飛翔して乗員に衝突することによる2次災害の発生も好適に防止することができる。
【0031】
一方、実施例に係るドア補強部材の固定構造では、ドアパネル16の裏面に係着固定される可動補強パネル36の部分的な変形が許容されるので、前述した如く、エアバッグドアの開放過程において、前記夫々の第2係着突片40や拡幅係着部48に過大な応力が加わることが回避され、過大応力による拡幅係着部48の分離・飛翔およびこれに伴うドアパネル16の飛翔も好適に防止することができる。
【0032】
更に、実施例に係るドア補強部材の固定構造では、膨張するエアバッグ52が夫々の拡幅係着部48へ接触するのを可能な限り防止するようになっているので、前記拡幅係着部48にバリや鋭利な部分等があったとしても該エアバッグ52に裂けや破れ等が生ずる可能性が大幅に低減し、当該エアバッグ52の乗員保護機能が阻害されることもない。
【0033】
なお前記実施例では、少なくともエアバッグ52の押圧力が前記拡幅係着部48に加わった際に該拡幅係着部48の押動を規制する位置、すなわち第2係着孔44に対して開放自由端36b側に位置する部位に、押圧方向と直交する方向へ所要長に延在した状態で前記支持壁64を突設した場合を例示したが、例えば図9に示すように、前記拡幅係着部48を囲繞するように前記支持壁64を延在形成するようにしてもよい。但し、この態様では、枠状の支持壁64の一部分が前記保護壁66としても機能する。
【0034】
また、前記実施例では、金属製のドア補強部材につき例示したが、本願の固定構造が対象とするドア補強部材はこれに限定されるものではなく、例えばオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)等を材質とする合成樹脂製のものも対象とされる。
【0035】
更に、エアバッグドアを有する車両内装部材としては、前記インストルメントパネル10の他にドアパネルやピラーガーニッシュ等があり、本発明に係るドア補強部材の固定構造は、これらの車両内装部材に設けたエアバッグドアに係着されるドア補強部材にも好適に実施可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るドア補強部材の固定構造によれば、エアバッグドアおよびドア補強部材を係着固定するための拡幅係着部が、エアバッグの押圧力により強制変位されて分離・飛翔することを防止できるので、該拡幅係着部が乗員に衝突することによる2次災害の発生を防止し得る。また、エアバッグドアとドア補強部材との係着状態が解除されることもないので、該エアバッグドアが飛翔して乗員に衝突することによる2次災害の発生も好適に防止し得る。
そして、膨張するエアバッグが拡幅係着部へ接触するのを可能な限り防止するようになっているので、該エアバッグに裂けや破れ等が生ずる可能性が大幅に低減し、当該エアバッグの乗員保護機能が阻害されない利点もある。
また、エアバッグドアの裏面に係着固定されるドア補強部材の部分的な変形が許容されるので、エアバッグドアの開放過程において拡幅係着部に過大な応力が加わることが回避され、過大応力による拡幅係着部の分離・飛翔およびこれに伴うドアパネルの飛翔も好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係るドア補強部材の固定構造を、熱カシメが完了した状態で示す概略斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】第1係着突片および第2係着突片を突設したパネル基材(エアバッグドア)の裏面に、第1係着孔および第2係着孔を開設したドア補強部材をセットする状態を示す概略斜視図である。
【図5】パネル基材(エアバッグドア)の裏面にドア補強部材をセットすることで、夫々の第2係着孔へ各第2係着突片が対応的に挿通した熱カシメ前の状態を示す概略斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】エアバッグドアの開放前半段階を示す概略断面図である。
【図8】エアバッグドアの開放後半段階を示す概略断面図である。
【図9】変更例に係るドア補強部材の固定構造を、熱カシメが完了した状態で示す概略斜視図である。
【図10】車両内装部材であるインストルメントパネルに設けたエアバッグドアの裏側に係着固定した従来のドア補強部材を、一部破断して示す概略斜視図である。
【図11】図10のX−X線断面図である。
【図12】図10に示したドア補強部材の全体斜視図である。
【図13】第1係着突片および第2係着突片を突設したパネル基材(エアバッグドア)の裏面に、図12に示した従来のドア補強部材をセットする状態を示す概略斜視図である。
【図14】 (a)は、パネル基材(エアバッグドア)の裏面にドア補強部材をセットすることで、夫々の第2係着孔へ各第2係着突片が対応的に挿通した熱カシメ前の状態を示す概略斜視図であり、(b)は、並列的に隣接する夫々の第2係着突片の先端突出部を加熱・圧潰して拡幅係着部を形成した熱カシメ後の状態を示す概略斜視図である。
【図15】エアバッグドアの開放過程において、膨張するエアバッグが拡幅係着部に接触することで、該拡幅係着部がドアパネルから強制変位されて分離・飛翔すると共に、これにより該ドアパネルも飛翔するおそれがあることを示す説明断面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(車両内装部材)
14 エアバッグドア
16 ドアパネル
22 ドア補強部材
36 可動補強パネル
40 第2係着突片(係着突部)
44 第2係着孔(係着孔)
48 拡幅係着部
50 エアバッグ装置
52 エアバッグ
64 支持壁(支持部)
66 保護壁(保護部)
68 規制片
h1 突出高さ(支持壁64の)
h2 突出高さ(保護壁66の)
w 厚み(拡幅係着部の)

Claims (8)

  1. エアバッグ装置(50)を格納する車両内装部材(10)に設けたエアバッグドア(14/16,16)の裏面に形成した係着突部(40)と、前記エアバッグドア(14/16,16)の裏側に固定されるドア補強部材(22/36)に形成した係着孔(44)とからなり、前記係着孔(44)に挿通した前記係着突部(40)の先端突出部を加熱・圧潰して形成された拡幅係着部(48)により、該エアバッグドア(14/16,16)にドア補強部材(22/36)を係着固定するようにしたドア補強部材の固定構造において、
    前記ドア補強部材(22/36)における前記係着孔(44)と隣接した部位に、前記拡幅係着部(48)の端縁に当接する支持部(64)を突設し、
    前記エアバッグ装置(50)の作動により膨張を開始したエアバッグ(52)が前記拡幅係着部(48)に接触した場合に、該エアバッグ(52)の押圧力により強制変位される可能性を有する該拡幅係着部(48)を前記支持部(64)で支持するよう構成した
    ことを特徴とするドア補強部材の固定構造。
  2. 前記支持部(64)は、少なくとも前記拡幅係着部(48)の強制変位を規制するよう支持し得る部位に延在形成されている請求項1記載のドア補強部材の固定構造。
  3. 前記支持部(64)は、前記拡幅係着部(48)を囲繞するように延在形成されている請求項1記載のドア補強部材の固定構造。
  4. 前記支持部(64)の突出高さ(h1)は、前記拡幅係着部(48)の厚み(w)より適宜大きく設定されている請求項1〜3の何れかに記載のドア補強部材の固定構造。
  5. 前記ドア補強部材(22/36)における前記係着孔(44)と隣接した部位に、前記拡幅係着部(48)の端縁に前記エアバッグ(52)が接触するのを防止する保護部(66)を突設した請求項1〜4の何れかに記載のドア補強部材の固定構造。
  6. 前記保護部(66)の突出高さ(h2)は、前記拡幅係着部(48)の厚み(w)より適宜大きく設定されている請求項5記載のドア補強部材の固定構造。
  7. 前記エアバッグドア(14/16,16)の裏側所要位置に、前記ドア補強部材(22/36)の端縁部に係止する規制片(68)を設け、エアバッグドア(14/16,16)に固定されているドア補強部材(22/36)が、該エアバッグドア(14/16,16)の裏面に沿う方向へずれ動くのを規制するようにした請求項1〜6の何れかに記載のドア補強部材の固定構造。
  8. 前記規制片(68)は、前記エアバッグドア(14/16,16)に固定されているドア補強部材(22/36)が、該エアバッグドア(14/16,16)の裏面から部分的に剥離するのを許容するようになっている請求項7記載のドア補強部材の固定構造。
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