JP2003182495A - ドア補強部材の固定構造 - Google Patents
ドア補強部材の固定構造Info
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Abstract
生や、エアバッグの乗員保護機能が阻害されるのを防止
する。 【解決手段】 ドア補強部材22における可動補強パネ
ル36に形成した係着孔44と隣接した部位に、拡幅係
着部48の端縁に当接する支持部64を突設する。エア
バッグ装置50の作動により膨張を開始したエアバッグ
52が拡幅係着部48に接触した場合に、該エアバッグ
52の押圧力により強制変位される可能性を有する該拡
幅係着部48を、前記支持部64で支持するようにす
る。これにより、拡幅係着部48やドアパネル16の飛
翔を防止できる。
Description
固定構造に関し、更に詳細には、エアバッグ装置を格納
する車両内装部材に設けたエアバッグドアの裏面に形成
した係着突部と、前記エアバッグドアの裏側に固定され
るドア補強部材に形成した係着孔とからなり、前記係着
孔に挿通した前記係着突部の先端突出部を加熱・圧潰し
て形成された拡幅係着部により、該エアバッグドアにド
ア補強部材を係着固定するようにしたドア補強部材の固
定構造に関するものである。
事故等による衝撃から乗員を保護するために、運転席乗
員用のエアバッグ装置および助手席乗員用のエアバッグ
装置が標準的に装備されている。ここで、前記助手席乗
員用のエアバッグ装置は、例えば図10および図11に
示す如く、乗員室前方に組付けた車両内装部材としての
インストルメントパネル10における助手席前方の内部
に格納されている。このため、前記インストルメントパ
ネル10を構成するパネル基材12では、前記エアバッ
グ装置50に対応した部位に乗員室側へ開放変位するエ
アバッグドア14が別体装着または一体成形され、この
ドア14がパネル基材12から開放変位することで乗員
室へ開口したエアバッグ挿通口18を画成するようにな
っている(図15)。すなわち、衝突による衝撃を感知し
て前記エアバッグ装置50が作動すると、膨張したエア
バッグ52の押圧力を利用することでエアバッグドア1
4を開放させるようになっている。
パネル基材12と別体に形成されて装着するものが主流
とされていたが、近年に至っては、該パネル基材12に
一体的に形成されるものが多くなりつつある。すなわち
エアバッグドア14は、図10および図11に示す如
く、常にはパネル基材12の一部としてその意匠面を構
成しており、エアバッグ装置50が作動して膨張するエ
アバッグ52の押圧力を受けた際には、パネル基材12
に予め設けた開裂予定線20(20a,20b)に沿って
破断が生ずることで、該パネル基材12から分離して開
放が許容される。なおエアバッグドア14は、開放態様
を基準として分類すると、1枚のドアパネルからなる片
開き式、2枚のドアパネルからなる両開き式(図示)、4
枚のドアパネルからなる4方開き式等に大別される。
成する前記パネル基材12は、一般的にポリプロピレン
等にマイカ等の強化材を添加した比較的硬質な樹脂材料
から成形されたものであるから、殊に低温時(零度以下)
にエアバッグ52の強烈な押圧力を受けると、その衝撃
でエアバッグドア14およびその周辺部位が大きく破損
することが危惧される。このためパネル基材12の裏側
において、前記エアバッグドア14の裏面およびその周
辺部位には、エアバッグドア14の破損防止および飛散
防止等を図るために、例えば金属製のドア補強部材22
をカシメ付けして強度アップを図る対策が施されてい
る。
11に示した2枚のドアパネル16,16からなる両開
き式のエアバッグドア14に対応したものでは、図12
および図13に示す如く、該ドアパネル16,16の外
縁ラインに沿って形成した外縁開裂予定線20aを囲繞
するように固定される矩形枠体状の固定ブラケット24
と、この固定ブラケット24の開口部内側に対向的に装
着される可動ブラケット26,26とから構成されてい
る。前記固定ブラケット24は、前記エアバッグ装置5
0に係止保持される筒体部28と、この筒体部28に一
体成形されてパネル基材12の裏側へ係着固定されるフ
ランジ部30とから構成されている。また夫々の可動ブ
ラケット26,26は、エアバッグドア14の各ドアパ
ネル16,16に対応するもので、前記固定ブラケット
24の筒体部28に溶接またはビス着される固定支持パ
ネル32と、この固定支持パネル32にヒンジ部34で
開放可能に接合されて対応のドアパネル16,16の裏
面に係着固定される可動補強パネル36とから構成され
ている。
記固定ブラケット24および各可動ブラケット26,2
6は、パネル基材12およびドアパネル16,16に対
して公知のカシメ付けにより係着固定されるようになっ
ている。すなわちエアバッグドア14の周辺部位には、
複数個の第1係着突片38がパネル基材12に一体成形
されていると共に、各ドアパネル16,16の裏面に
は、複数個の第2係着突片40が該ドアパネル16,1
6に一体成形されている。一方、前記ドア補強部材22
では、前記各第1係着突片38が対応的に挿通可能な第
1係着孔42が、前記固定ブラケット24のフランジ部
30に穿設されていると共に、前記各第2係着突片40
が対応的に挿通可能な第2係着孔44が、各可動補強パ
ネル36,36に穿設されている。これにより固定ブラ
ケット24は、各第1係着孔42へ対応的に挿通した夫
々の第1係着突片38における先端突出部を加熱・圧潰
して形成された拡幅係着部46により、パネル基材12
の裏面にカシメ付け態様で係着固定される一方、夫々の
可動ブラケット26,26は、各第2係着孔44へ対応
的に挿通した夫々の第2係着突片40における先端突出
部を加熱・圧潰して形成された拡幅係着部48により、
対応のドアパネル16,16の裏面にカシメ付け態様で
係着固定される(図11、図14(a)、図14(b))。
強部材22を装着したパネル基材12では、エアバッグ
ドア14の各ドアパネル16,16および該エアバッグ
ドア14の裏面周辺部位が補強されるので、殊に低温時
にエアバッグ52の膨張による強烈な押圧力を受けても
破損が好適に防止される。しかしながら、前記第1およ
び第2係着突片38,40の加熱・圧潰によるカシメ付
け態様では、殊にエアバッグ52の押圧力を直接的に受
ける可動ブラケット26,26に関し、次のような問題
が発生することが危惧されていた。
2係着突片40の先端突出部を加熱・圧潰して形成され
た前記拡幅係着部48は、可動補強パネル36の裏面よ
りも突出している。このため膨張過程のエアバッグ52
は、前記拡幅係着部48に対して可動補強パネル36の
裏面に沿った方向から直接的に接触し、該拡幅係着部4
8を介して可動補強パネル36およびドアパネル16を
押圧するようになる。従って、例えば前述とは逆の高温
時にエアバッグ装置50が作動した場合は、前記第2係
着突片40および拡幅係着部48が適度に柔らかくなっ
ているから、図15に示すように、エアバッグ52の強
大かつ瞬間的な押圧力を可動補強パネル36の裏面に沿
った方向から受けた当該拡幅係着部48は、強制変位さ
れて第2係着突片40からもぎ取られて飛翔してしま
い、この拡幅係着部48が乗員に衝突して2次災害を引
き起こすおそれがあった。また、前記拡幅係着部48が
第2係着突片40(ドアパネル16)から分離した場合に
は、可動補強パネル36と該ドアパネル16とのカシメ
付け状態が解除されるから該ドアパネル16も飛翔する
ようになり、このドアパネル16が乗員に衝突して2次
災害を引き起こすおそれもあった。
着孔44の形成数を増やして加熱・圧潰による熱カシメ
部分を単に増した場合には、ドアパネル16と可動補強
パネル36の係着力の向上を図り得るものの、ドアパネ
ル16に対する可動補強パネル36の変形許容部位が少
なくなるから、エアバッグ52の押圧による開放変位時
に両パネル16,36の間に発生し得る挙動ずれ(剥離
等)を吸収できなくなってしまい、結果的に前記拡幅係
着部48に過大な応力が加わって該拡幅係着部48の分
離を誘発する問題が生ずる。更には、前記第2係着突片
40の先端突出部を加熱・圧潰して形成された前記拡幅
係着部48の表面にバリや鋭利な部分等があった場合に
は、該拡幅係着部48に接触しつつ膨張するエアバッグ
52に裂けや破れ等が発生する可能性があり、当該エア
バッグ52の乗員保護機能を阻害してしまう不都合もあ
った。
るべく提案されたもので、熱カシメにより形成された拡
幅係着部に当接する支持部をドア補強部材に突設するこ
とで、当該拡幅係着部の強制変位による分離飛翔防止お
よびエアバッグドアの飛翔防止や、エアバッグに具有さ
れる乗員保護機能の阻害防止等を図り得るようにしたド
ア補強部材の固定構造を提供することを目的とする。
期の目的を達成するため本発明は、エアバッグ装置を格
納する車両内装部材に設けたエアバッグドアの裏面に形
成した係着突部と、前記エアバッグドアの裏側に固定さ
れるドア補強部材に形成した係着孔とからなり、前記係
着孔に挿通した前記係着突部の先端突出部を加熱・圧潰
して形成された拡幅係着部により、該エアバッグドアに
ドア補強部材を係着固定するようにしたドア補強部材の
固定構造において、前記ドア補強部材における前記係着
孔と隣接した部位に、前記拡幅係着部の端縁に当接する
支持部を突設し、前記エアバッグ装置の作動により膨張
を開始したエアバッグが前記拡幅係着部に接触した場合
に、該エアバッグの押圧力により強制変位される可能性
を有する該拡幅係着部を前記支持部で支持するよう構成
したことを特徴とする。
の固定構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を
参照しながら以下説明する。なお本実施例では、図10
〜図15をもとに説明した2枚のドアパネル16,16
から構成される両開き式のエアバッグドア14に対応し
たドア補強部材22を例示し、このドア補強部材22を
インストルメントパネル10のパネル基材12に固定す
る構造につき説明する。従って、従来技術の項において
既出の部材と同一部材に関しては、同一の符号を付して
説明することとする。
従来のものと基本的構成が同一な金属製であって、図4
に基いて概略説明すると、前記ドアパネル16,16の
外縁ラインに沿って形成した外縁開裂予定線20aを囲
繞するように固定される矩形枠体状の固定ブラケット2
4と、この固定ブラケット24の開口部内側に対向的に
装着される可動ブラケット26,26とから構成されて
いる。前記固定ブラケット24は、前記エアバッグ装置
50に係止保持される筒体部28と、この筒体部28に
一体成形されてパネル基材12の裏側へ係着固定される
フランジ部30とから構成されている。そして前記フラ
ンジ部30には、エアバッグドア14の裏側周辺部位に
形成された前記第1係着突片38が対応的に挿通可能な
第1係着孔42が穿設されていると共に、前記筒体部2
8には、前記エアバッグ装置50のケース体に設けた係
止片54が対応的に係止可能な係止孔56が穿設されて
いる。
6は、前記固定ブラケット24の筒体部28に溶接また
はビス着される固定支持パネル32と、この固定支持パ
ネル32にヒンジ部34で開放可能に接合されて対応の
ドアパネル16,16の裏面に係着固定される可動補強
パネル36とから構成されている。夫々の可動補強パネ
ル36,36は、長手方向へ等間隔に形成した3つのス
リット58により幅狭な連結部62で相互連結された4
つの部分パネル60から形成され、夫々の部分パネル6
0がヒンジ部34を介して前記固定支持パネル32に個
別に連結している。そして前記夫々の部分パネル60に
は、ドアパネル16,16の裏面に形成された前記第2
係着突片40が対応的に挿通可能な前記第2係着孔44
が、長孔スリット状に穿設されている。
々の部分パネル60に合計3個ずつの第2係着孔44が
並列的に穿設されており、夫々の第2係着孔44に対し
て前記第2係着突片40が対応的に整合して挿通するよ
うになる(図4〜図6)。従って、夫々の第2係着孔44
に対応的に挿通して相互隣接した3個の第2係着突片4
0では、該第2係着孔44から延出した夫々の先端突出
部を図示しない熱カシメ機により同時に加熱・圧潰する
ことで、夫々の突出部が溶融・結合して固化した1つの
大きな拡幅係着部48が形成され、該拡幅係着部48に
より対応の部分パネル60がドアパネル16に係着固定
される(図1〜図3)。従って、夫々の部分パネル60に
おける3個の第2係着突片40を同時に加熱・圧潰して
拡幅係着部48を形成することで、4つの各部分パネル
60は対応の拡幅係着部48により個別にドアパネル1
6に係着される。
れる本実施例の固定構造につき説明する。図1は、本発
明の好適実施例に係るドア補強部材22の固定構造を、
熱カシメが完了した状態で示す概略斜視図、図2は図1
のII−II線断面図、図3は図1のIII−III線断面図、図
5は熱カシメする前の状態を示す概略斜視図である。実
施例に係るドア補強部材の固定構造は、可動ブラケット
26における可動補強パネル36の各部分パネル60に
おいて夫々の第2係着孔44の長手方向端縁に隣接した
部位に、第2係着突片40を加熱・圧潰して形成された
前記拡幅係着部48の端縁に接触し、該拡幅係着部48
を支持可能な支持壁(支持部)64を追加して突設したも
のとなっている。
バッグ52の押圧力を観察してみると、膨張する該エア
バッグ52の押圧力を受けて可動補強パネル36および
ドアパネル16が開放する過程においては、図7および
図8から明らかなように、膨張過程にある該エアバッグ
52の押圧力が、常には拡幅係着部48に対して開放基
端36a(ヒンジ部34側)から開放自由端36b側へ作
用するようになる。このことから前記部分パネル60に
は、エアバッグ52の押圧力が前記拡幅係着部48に加
わった際に該拡幅係着部48の強制変位を規制する位
置、すなわち第2係着孔44に対して開放自由端36b
側に位置する部位に、押圧方向と直交する方向へ所要長
に延在する状態で前記支持壁64が突設されている。す
なわち支持壁64は、熱カシメにより形成された前記拡
幅係着部64の幅と略同一の長さに設定されている。
ル60において、前記夫々の第2係着孔44に対して開
放基端36a側に位置する部位に、押圧方向と直交する
方向へ所要長に延在する状態で保護壁(保護部)66が突
設されている。この保護壁66は、開放基端36aの側
に臨む拡幅係着部48の端縁に膨張するエアバッグ52
が直接的に接触するのを防止して、該拡幅係着部48へ
過大な押圧力が作用することを規制するものである。
の突出高さh1および保護壁66の突出高さh2は、何
れも略同一に設定され、かつ前記拡幅係着部48の厚み
wより適宜大きく設定されており、拡幅係着部48の上
面よりも支持壁64および保護壁66の頂面がより突出
した状態となっている。従って膨張過程のエアバッグ5
2は、前記拡幅係着部48に接触する前に保護壁66お
よび支持壁64の夫々の頂面に接触するようになり、該
エアバッグ52が拡幅係着部48へ直接的に接触するこ
とを可能な限り回避する構造となっている(図7および
図8)。これにより、拡幅係着部48に加わるエアバッ
グ52の押圧力の軽減を図り得ると共に、該拡幅係着部
48との直接接触によるエアバッグ52の裂けまたは破
れが発生するのを防止し得るよう構成されている。
3等に示すように、前記夫々の部分パネル60同士の間
に形成された前記スリット58に整合し、かつ隣接する
部分パネル60同士を連結する前記連結部62に整合す
る規制片68を追加して形成してある。この規制片68
は、成形時のリブ形状のままで実施に供され、ドアパネ
ル16に固定されている可動補強パネル36が、該ドア
パネル16の裏面に沿う方向へずれ動くのを規制すると
共に、該ドアパネル16の裏面から部分的に剥離するの
を許容するようになっている。すなわち可動補強パネル
36は、前記夫々の第2係着突片40によりドアパネル
16の裏面に沿う方向へのずれ動きが規制されるうえ
に、更に前記規制片68の追加により裏面に沿う方向へ
のずれ動きがより一層規制されている。しかしながら可
動補強パネル36は、前記拡幅係着部48の形成部位
(部分パネル60の中央部位)ではドアパネル16の裏面
から剥離することが規制されているものの、前記夫々の
規制片68に隣接した連結部62の近傍ではドアパネル
16の裏面から剥離することが許容されている(図3に
2点鎖線で示す)。なお前記夫々の規制片68の突出高
さh3は、エアバッグ52との接触を回避するために、
図3に示すように、前記拡幅係着部48の厚みw、保護
壁66の突出高さh2(および支持壁64の突出高さh
1)より適宜低く設定するのが望ましい。
造は、可動補強パネル36がドアパネル16の裏面に沿
ってずれ動くのを好適に規制する一方、該可動補強パネ
ル36がドアパネル16の裏面から部分的に剥離するこ
とを許容するようになっており、エアバッグ52の押圧
力を受けて両パネル16,36が一体的に開放変位する
際に生ずる部分的な挙動ずれを好適に吸収し得る構造と
なっている。従って、エアバッグ52の押圧力を受けた
ドアパネル16および可動補強パネル36が一体的に開
放するに際しては、前記夫々の第2係着突片40や拡幅
係着部48に過大な応力が加わることが回避され、これ
により拡幅係着部48の分離を誘発しないようになって
いる。
例に係るドア補強部材の固定構造の作用につき説明す
る。
ション成形により所要形状に一体成形され、この際にエ
アバッグドア14の各ドアパネル16,16、夫々の第
1係着突片38、夫々の第2係着突片40、夫々の規制
片68が同時に一体成形される。一方前記ドア補強部材
22は、固定ブラケット24および各可動ブラケット2
6,26が個別に成形され、固定ブラケット24のフラ
ンジ部30に夫々の第1係着孔42が穿設されると共
に、各可動ブラケット26,26の可動補強パネル36
に夫々の第2係着孔44が穿設される。そして、固定ブ
ラケット24の筒体部28に固定支持パネル32を固定
することで、夫々の可動ブラケット26が固定ブラケッ
ト24に取付けられる。
を、図4に示すように、前記パネル基材12の裏側にセ
ットすることで、前記夫々の第1係着突片38が対応の
第1係着孔42に整合して挿通され、前記夫々の第2係
着突片40が対応の第2係着孔44に整合して挿通され
る(図5、図6)。この際に、夫々の第1係着突片38の
先端は、対応の第1係着孔42から所要量だけ突出した
状態となる一方、夫々の第2係着突片40の先端は、対
応の第2係着孔44から所要量だけ突出した状態とな
る。また夫々の規制片68は、対応のスリット58に整
合して連結部62に係止した状態となる。
して、夫々の第1係着突片38の先端突出部および第2
係着突片40の先端突出部を加熱・圧潰して拡幅係着部
46,48を夫々成形することで、固定ブラケット24
がエアバッグドア14の裏面周辺部位にカシメ付けされ
ると共に各可動ブラケット26が該エアバッグドア14
のドアパネル16,16にカシメ付けされ、ドア補強部
材22がパネル基材12の裏面に係着固定される(図1
〜図3)。但し、各拡幅係着部48によりドアパネル1
6の裏面に係着固定された可動ブラケット26の可動補
強パネル36では、各拡幅係着部48により夫々の部分
パネル60の中央部位は殆ど変形不能とされ、前記規制
片68に隣接した該部分パネル60の周縁部位および連
結部62の近傍ではドアパネル16の裏面からの剥離が
許容されている(図3)。
部材22が係着固定されたもとで前記エアバッグ装置5
0が作動し、膨張を開始したエアバッグ52の押圧力が
ドア補強部材22の可動補強パネル36,36を介して
夫々のドアパネル16,16に加わると、前記開裂予定
線20(外縁開裂予定線20aおよび中央開裂予定線2
0b)が夫々破断し、破断完了後に両ドアパネル16,1
6がパネル基材12から分離する。これにより、夫々の
ドアパネル16,16および可動補強パネル36,36
は、一体的に係着固定された状態でエアバッグ52の押
圧力を受け、前記ヒンジ部34を介して固定支持パネル
32に支持されつつ開放するようになる。
おいては、図7に示すように、徐々に膨張するエアバッ
グ52は、可動ブラケット26における可動補強パネル
36に形成した保護壁66および支持壁64の夫々の頂
面に接触するようになり、拡幅係着部48へは接触し難
くなっている。また、仮にエアバッグ52が拡幅係着部
48に接触し、図示の矢印A方向(可動補強パネル36
に裏面に沿った方向)へ作用する押圧力が該拡幅係着部
48に加わったとしても、前記支持壁64の支持により
当該拡幅係着部48は矢印A方向への強制変位が規制さ
れ、エアバッグ52の押圧力によって拡幅係着部48が
ドアパネル16から分離・飛翔することが好適に防止さ
れる。また、ドアパネル16と可動補強パネル36との
係着状態が保持されるので、該ドアパネル16が飛翔す
ることも防止される。
ては、図8に示すように、乗員席側へ膨張展開するエア
バッグ52は、引続き可動ブラケット26における可動
補強パネル36に形成した保護壁66および支持壁64
の夫々の頂面に接触するようになり、拡幅係着部48へ
は接触し難くなっている。また、仮にエアバッグ52が
拡幅係着部48に接触し、図示の矢印A方向(可動補強
パネル36の裏面に沿った方向)へ作用する押圧力が該
拡幅係着部48に加わったとしても、前記支持壁64の
支持により当該拡幅係着部48は矢印A方向への強制変
位が規制され、エアバッグ52の押圧力によって拡幅係
着部48がドアパネル16から分離・飛翔することが好
適に防止される。また、ドアパネル16と可動補強パネ
ル36との係着状態が保持されるので、該ドアパネル1
6が飛翔することもない。
ドアの開放過程において、ドアパネル16と可動補強パ
ネル36との間に挙動ずれが発生した場合には、該可動
補強パネル36において、前記夫々の規制片68に隣接
した連結部62の近傍が適度に変形(ドアパネル16の
裏面から部分的に剥離する等)することにより、前記夫
々の第2係着突片40や拡幅係着部48に過大な応力が
加わることが回避される。従って、エアバッグドアの開
放過程における過大な応力によって拡幅係着部48がド
アパネル16から分離・飛翔することも好適に防止され
る。
定構造では、エアバッグ52の押圧力を受けたドアパネ
ル16および可動補強パネル36が一体的に開放変位す
るに際し、両パネル16,36を係着固定するための拡
幅係着部48がエアバッグ52の押圧力により分離・飛
翔することが防止されるので、該拡幅係着部48が乗員
に衝突することによる2次災害の発生を好適に防止し得
る。そして、これによりドアパネル16と可動補強パネ
ル36との係着状態が解除されることもないので、該ド
アパネル16が飛翔して乗員に衝突することによる2次
災害の発生も好適に防止することができる。
造では、ドアパネル16の裏面に係着固定される可動補
強パネル36の部分的な変形が許容されるので、前述し
た如く、エアバッグドアの開放過程において、前記夫々
の第2係着突片40や拡幅係着部48に過大な応力が加
わることが回避され、過大応力による拡幅係着部48の
分離・飛翔およびこれに伴うドアパネル16の飛翔も好
適に防止することができる。
造では、膨張するエアバッグ52が夫々の拡幅係着部4
8へ接触するのを可能な限り防止するようになっている
ので、前記拡幅係着部48にバリや鋭利な部分等があっ
たとしても該エアバッグ52に裂けや破れ等が生ずる可
能性が大幅に低減し、当該エアバッグ52の乗員保護機
能が阻害されることもない。
グ52の押圧力が前記拡幅係着部48に加わった際に該
拡幅係着部48の押動を規制する位置、すなわち第2係
着孔44に対して開放自由端36b側に位置する部位
に、押圧方向と直交する方向へ所要長に延在した状態で
前記支持壁64を突設した場合を例示したが、例えば図
9に示すように、前記拡幅係着部48を囲繞するように
前記支持壁64を延在形成するようにしてもよい。但
し、この態様では、枠状の支持壁64の一部分が前記保
護壁66としても機能する。
部材につき例示したが、本願の固定構造が対象とするド
ア補強部材はこれに限定されるものではなく、例えばオ
レフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)等を材質と
する合成樹脂製のものも対象とされる。
材としては、前記インストルメントパネル10の他にド
アパネルやピラーガーニッシュ等があり、本発明に係る
ドア補強部材の固定構造は、これらの車両内装部材に設
けたエアバッグドアに係着されるドア補強部材にも好適
に実施可能である。
強部材の固定構造によれば、エアバッグドアおよびドア
補強部材を係着固定するための拡幅係着部が、エアバッ
グの押圧力により強制変位されて分離・飛翔することを
防止できるので、該拡幅係着部が乗員に衝突することに
よる2次災害の発生を防止し得る。また、エアバッグド
アとドア補強部材との係着状態が解除されることもない
ので、該エアバッグドアが飛翔して乗員に衝突すること
による2次災害の発生も好適に防止し得る。そして、膨
張するエアバッグが拡幅係着部へ接触するのを可能な限
り防止するようになっているので、該エアバッグに裂け
や破れ等が生ずる可能性が大幅に低減し、当該エアバッ
グの乗員保護機能が阻害されない利点もある。また、エ
アバッグドアの裏面に係着固定されるドア補強部材の部
分的な変形が許容されるので、エアバッグドアの開放過
程において拡幅係着部に過大な応力が加わることが回避
され、過大応力による拡幅係着部の分離・飛翔およびこ
れに伴うドアパネルの飛翔も好適に防止することができ
る。
構造を、熱カシメが完了した状態で示す概略斜視図であ
る。
ネル基材(エアバッグドア)の裏面に、第1係着孔および
第2係着孔を開設したドア補強部材をセットする状態を
示す概略斜視図である。
部材をセットすることで、夫々の第2係着孔へ各第2係
着突片が対応的に挿通した熱カシメ前の状態を示す概略
斜視図である。
図である。
図である。
シメが完了した状態で示す概略斜視図である。
に設けたエアバッグドアの裏側に係着固定した従来のド
ア補強部材を、一部破断して示す概略斜視図である。
ある。
パネル基材(エアバッグドア)の裏面に、図12に示した
従来のドア補強部材をセットする状態を示す概略斜視図
である。
にドア補強部材をセットすることで、夫々の第2係着孔
へ各第2係着突片が対応的に挿通した熱カシメ前の状態
を示す概略斜視図であり、(b)は、並列的に隣接する夫
々の第2係着突片の先端突出部を加熱・圧潰して拡幅係
着部を形成した熱カシメ後の状態を示す概略斜視図であ
る。
るエアバッグが拡幅係着部に接触することで、該拡幅係
着部がドアパネルから強制変位されて分離・飛翔すると
共に、これにより該ドアパネルも飛翔するおそれがある
ことを示す説明断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 エアバッグ装置(50)を格納する車両内装
部材(10)に設けたエアバッグドア(14/16,16)の裏面に形
成した係着突部(40)と、前記エアバッグドア(14/16,16)
の裏側に固定されるドア補強部材(22/36)に形成した係
着孔(44)とからなり、前記係着孔(44)に挿通した前記係
着突部(40)の先端突出部を加熱・圧潰して形成された拡
幅係着部(48)により、該エアバッグドア(14/16,16)にド
ア補強部材(22/36)を係着固定するようにしたドア補強
部材の固定構造において、 前記ドア補強部材(22/36)における前記係着孔(44)と隣
接した部位に、前記拡幅係着部(48)の端縁に当接する支
持部(64)を突設し、 前記エアバッグ装置(50)の作動により膨張を開始したエ
アバッグ(52)が前記拡幅係着部(48)に接触した場合に、
該エアバッグ(52)の押圧力により強制変位される可能性
を有する該拡幅係着部(48)を前記支持部(64)で支持する
よう構成したことを特徴とするドア補強部材の固定構
造。 - 【請求項2】 前記支持部(64)は、少なくとも前記拡幅
係着部(48)の強制変位を規制するよう支持し得る部位に
延在形成されている請求項1記載のドア補強部材の固定
構造。 - 【請求項3】 前記支持部(64)は、前記拡幅係着部(48)
を囲繞するように延在形成されている請求項1記載のド
ア補強部材の固定構造。 - 【請求項4】 前記支持部(64)の突出高さ(h1)は、前記
拡幅係着部(48)の厚み(w)より適宜大きく設定されてい
る請求項1〜3の何れかに記載のドア補強部材の固定構
造。 - 【請求項5】 前記ドア補強部材(22/36)における前記
係着孔(44)と隣接した部位に、前記拡幅係着部(48)の端
縁に前記エアバッグ(52)が接触するのを防止する保護部
(66)を突設した請求項1〜4の何れかに記載のドア補強
部材の固定構造。 - 【請求項6】 前記保護部(66)の突出高さ(h2)は、前記
拡幅係着部(48)の厚み(w)より適宜大きく設定されてい
る請求項5記載のドア補強部材の固定構造。 - 【請求項7】 前記エアバッグドア(14/16,16)の裏側所
要位置に、前記ドア補強部材(22/36)の端縁部に係止す
る規制片(68)を設け、エアバッグドア(14/16,16)に固定
されているドア補強部材(22/36)が、該エアバッグドア
(14/16,16)の裏面に沿う方向へずれ動くのを規制するよ
うにした請求項1〜6の何れかに記載のドア補強部材の
固定構造。 - 【請求項8】 前記規制片(68)は、前記エアバッグドア
(14/16,16)に固定されているドア補強部材(22/36)が、
該エアバッグドア(14/16,16)の裏面から部分的に剥離す
るのを許容するようになっている請求項7記載のドア補
強部材の固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001388224A JP3903248B2 (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | ドア補強部材の固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001388224A JP3903248B2 (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | ドア補強部材の固定構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003182495A true JP2003182495A (ja) | 2003-07-03 |
JP3903248B2 JP3903248B2 (ja) | 2007-04-11 |
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JP (1) | JP3903248B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006137344A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Takata Corp | エアバッグ装置及びそのための内装パネル |
-
2001
- 2001-12-20 JP JP2001388224A patent/JP3903248B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4569272B2 (ja) * | 2004-11-12 | 2010-10-27 | タカタ株式会社 | エアバッグ装置 |
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