JP2008037282A - エアバッグドア - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグの押圧力により破断予定部で適切に破断するようになると共に、ドア隣接部位の破損を防止する。
【解決手段】エアバッグドア50は。基材12の一部を構成して該基材12に形成した外縁破断予定部32の内側に位置するドアパネル22,22と、同じく基材12の一部を構成して外縁破断予定部32の外側に位置するドア隣接部位24と、ドア隣接部位24を裏側から補強する補強部材42とを備える。ドアパネル22の肉厚D1をドア隣接部位24の肉厚D2より小さく設定して、これらドアパネル22とドア隣接部位24との境界部分に、外縁破断予定部32に沿った段差部52を形成する。この段差部52は、ドア隣接部位24に接合された補強部材42上に位置する。
【選択図】図3
【解決手段】エアバッグドア50は。基材12の一部を構成して該基材12に形成した外縁破断予定部32の内側に位置するドアパネル22,22と、同じく基材12の一部を構成して外縁破断予定部32の外側に位置するドア隣接部位24と、ドア隣接部位24を裏側から補強する補強部材42とを備える。ドアパネル22の肉厚D1をドア隣接部位24の肉厚D2より小さく設定して、これらドアパネル22とドア隣接部位24との境界部分に、外縁破断予定部32に沿った段差部52を形成する。この段差部52は、ドア隣接部位24に接合された補強部材42上に位置する。
【選択図】図3
Description
本発明は、エアバッグドアに関し、更に詳細には、基材の一部を構成して該基材に形成した破断予定部の内側に位置するドアパネルと、同じく前記基材の一部を構成して前記破断予定部の外側に位置するドア隣接部位と、前記ドア隣接部位を裏側から補強する補強部材とを備えたエアバッグドアに関するものである。
車両の乗員室前方には、車両内装部材であるインストルメントパネルが設置され、このインストルメントパネルにおける助手席側の内部には、助手席乗員の保護を図るためのエアバッグ装置が格納されている。このため図8に示すように、インストルメントパネル10を構成する基材12には、その内側に格納されたエアバッグ装置60に対応する部位に、エアバッグドア20が設けられている。なお、図8に示したインストルメントパネル10は、基材12が乗員室内(外部)へ露出する単層構造となっている。
前述したエアバッグドア20は、基材12の一部を構成して該基材12に形成した破断予定部30の内側に位置するドアパネル22,22と、同じく基材12の一部を構成して破断予定部30の外側に位置するドア隣接部位24と、ドア隣接部位24を裏側から補強する補強部材42とを備えている。また、両ドアパネル22,22の裏側には、ヒンジ部46を介して補強部材42に接合され、対応のドアパネル22,22を裏側から個別に補強しながら支持するドア支持部材44,44を備えている。なお、図8に示したエアバッグドア20は、エアバッグ装置60の作動時に、インストルメントパネル10の前後方向に向け開放する2枚のドアパネル22,22を有した両開きタイプである。従って破断予定部30は、基材12の裏側に形成した凹溝により略「日字形」をなすように形成されており、ドアパネル22とドア隣接部位24との境界ラインに沿って形成された外縁破断予定部32と、両ドアパネル22,22間の境界ラインに沿って形成された中央破断予定部34とから構成される。
前述した基材12は、インストルメントパネル10に要求される剛性を確保するため、例えばPP(ポリプロピレン)やASG等の比較的硬質の合成樹脂材料から形成されており、剛性が高くなっている反面、脆性は低くなっている。このため、このような基材12に設けられるエアバッグドア20は、膨張するエアバッグ66の衝撃を伴った押圧力によりドアパネル22およびドア隣接部位24が破損するおそれがあるため、前述した補強部材42およびドア支持部材44,44が設けられる。補強部材42は、ドア隣接部材24を裏側から補強する枠板状を呈し、ドア支持部材44,44は、補強部材42の内側に位置して、ドアパネル22,22を内側から補強する板状を呈している。これら補強部材42およびドア支持部材44,44は、ヒンジ部46を介して接合されており、単一の成形部材であるインサート部材(「ドア補強部材」とも云う)40として形成されている。なお、補強部材42の裏側には、エアバッグ装置60のケース体62へ係止される角筒状の連結筒部48が一体的に形成されている。
前述したインサート部材40は、図8に示したように、近年では合成樹脂製のものが多く実施されるようになり、例えばTPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマー)等の柔軟性を有する合成樹脂材料から形成することで、エアバッグ66の衝撃を伴った押圧力に対して破損し難くなっている。ここで、基材12およびインサート部材40が何れも相溶性がある合成樹脂材料から形成されているため、補強部材42およびドア支持部材44は、公知の振動溶着技術等を利用して、ドア隣接部位24およびドアパネル22の裏側へ各々熱溶着させることで接合される。なお、ドア隣接部位の裏側を補強部材で補強する構成のエアバッグドアに関しては、例えば特許文献1に開示されている。
特開2004−322934号公報
ところで、前述した従来のエアバッグドア20は、開放前(エアバッグ装置60の作動前)は基材12の一部として構成されているため、図9に示すように、各ドアパネル22の肉厚D1とドア隣接部位24の肉厚D2とを略同一に設定するのが一般的である。このため、ドアパネル22自体の剛性が、ドア隣接部位24の剛性と同一であるから、図10に示すように、エアバッグ66の押圧力がドアパネル22の裏面へ加わると、該ドアパネル22だけに応力が加わるのではなく、ドア隣接部位24にも応力が加わるため、外縁破断予定部32で破断するだけでなく、該外縁破断予定部32以外の箇所、すなわちドア隣接部位24の部分でも破断することがあり得る。このように外縁破断予定部32および該外縁破断予定部32以外(ドア隣接部位24の部分)で破断した場合には、これにより生じた破片がエアバッグ66の押圧力により飛散するおそれがあった。特に、冬期等の低温環境下においては、基材12が「低温脆性」によって脆弱した状態となり、破断予定部32以外での破断を起こし易くなる。更に、ドア隣接部位24と補強部材42との接合(溶着)が弱いと、ドア隣接部位24と補強部材42とが剥離を起こし、剥離後のドア隣接部位24の破損が一段と起こり易くなる。
一方、前述した振動溶着技術等を利用して、基材12の裏側へインサート部材40を熱溶着させて接合する作業工程では、基材12に対するインサート部材40の位置決めに多少の誤差(ずれ)が発生し、補強部材42がドアパネル22,22の裏面へ熱溶着されるおそれがある(各ドアパネル22の肉厚D1とドア隣接部位24の肉厚D2とが略同一であるため)。そこで、エアバッグドア20の外形寸法を、補強部材42の内側開口42Aの開口寸法より一回り小さく設定してある。すなわち、基材12に対してインサート部材40が正確に位置決めされた場合には、図9に示すように、ドアパネル22,22の外縁ラインと補強部材42の内側開口42A端縁との間に、全周に亘って間隔Lが確保されるようになっているため、位置決めに多少の誤差があっても補強部材42がドアパネル22の裏面へ熱溶着されることがない。しかしながら、この態様では、ドア隣接部位24におけるドアパネル22に近接した部位(外縁破断予定部32に隣接した部位)が、間隔Lに亘って補強部材42で補強されていないから、前述した不都合が発生し易くなっていた。
従って本発明では、エアバッグの押圧力により破断予定部で適切に破断するようになると共に、ドア隣接部位の破損を防止するようにしたエアバッグドアを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、
基材の一部を構成して該基材に形成した破断予定部の内側に位置するドアパネルと、同じく前記基材の一部を構成して前記破断予定部の外側に位置するドア隣接部位と、前記ドア隣接部位を裏側から補強する補強部材とを備えたエアバッグドアにおいて、
前記ドアパネルの肉厚を前記ドア隣接部位の肉厚より小さく設定して、これらドアパネルとドア隣接部位との境界部分に、前記破断予定部に沿った段差部を形成し、
前記段差部は、前記ドア隣接部位に接合された前記補強部材上に位置するよう構成したことを要旨とする。
基材の一部を構成して該基材に形成した破断予定部の内側に位置するドアパネルと、同じく前記基材の一部を構成して前記破断予定部の外側に位置するドア隣接部位と、前記ドア隣接部位を裏側から補強する補強部材とを備えたエアバッグドアにおいて、
前記ドアパネルの肉厚を前記ドア隣接部位の肉厚より小さく設定して、これらドアパネルとドア隣接部位との境界部分に、前記破断予定部に沿った段差部を形成し、
前記段差部は、前記ドア隣接部位に接合された前記補強部材上に位置するよう構成したことを要旨とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、膨張するエアバッグの押圧力がドアパネルの裏側に加わった場合、剛性が低い該ドアパネルが撓むように変形するので、破断予定部へ応力が集中して該破断予定部が適切に破断する。また、破断予定部が適切に破断するから、ドア隣接部位が破損したり、これにより生じる破片の飛散が発生し難くなる。
本発明に係るエアバッグドアによれば、エアバッグの押圧力により破断予定部で適切に破断させ得ると共に、ドア隣接部位の破損を好適に防止し得る等の利点がある。
次に、本発明に係るエアバッグドアにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
図1は、図2のI−I線断面図、図2は、本実施例のエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの要部を一部破断して示した部分平面図である。本実施例のエアバッグドア50は、基材12の一部を構成して該基材12に形成した破断予定部30の内側に位置するドアパネル22,22と、同じく基材12の一部を構成して破断予定部30の外側に位置するドア隣接部位24と、ドア隣接部位24を裏側から補強する補強部材42とを備えている。また、両ドアパネル22,22の裏側には、ヒンジ部46を介して補強部材42に接合されて、対応のドアパネル22,22を裏側から個別に補強するドア支持部材44,44を備えている。なお、実施例のエアバッグドア50は、図8に示した従来のエアバッグドア20と同様に、2枚のドアパネル22,22を有した両開きタイプである。
インストルメントパネル10は、ポリプロピレン(PP)等から所要形状に成形された合成樹脂製の基材12を主体とする単層タイプであって、基本的構成は図8に示した従来のインストルメントパネル10と同一である。この基材12は、複雑な凹凸形状および3次元曲面形状を合わせた複雑な外面形状を有し、各部位毎に多少の差異はあるものの、一般部位の肉厚はドア隣接部位24の肉厚D2と略同一の3mm程度とされている。そして基材12は、車両乗員室の前方へ設置した際に、車体を構成する部材に固定されたエアバッグ装置60を被覆すると共に、図示しないメーターパネル、空調操作パネル、オーディオ機器等の種々車両搭載機器が取り付けられる。
破断予定部30は、各ドアパネル22,22とドア隣接部位24との境界ラインに沿って形成された外縁破断予定部32と、両ドアパネル22,22間の境界ラインに沿って形成された中央破断予定部34とからなり、全体的には略「日字形」を呈している。この破断予定部30は、基材12の裏側に所要深さの凹溝を形成したり、または多数の有底孔をミシン目状に形成することで脆弱化された部分であり、基材12をインジェクション成形する際に該基材12へ同時に形成したり、成形後の後工程においてエンドミルやレーザー等により形成される。
ドア隣接部位24は、図2に網掛け表示したように、外縁破断予定部32から外側へ所要距離離間した位置までの幅Wで両ドアパネル22,22を囲繞する領域であって、本実施例では該幅Wが50mm程度とされている。そして、このドア隣接部位24の裏側全面に、前述した補強部材42が接合されている。なお図2では、基材12を一部破断した状態で図示しているため、ドア隣接部位24もその一部が省略されている。
補強部材42およびドア支持部材44,44は、図8に例示した従来のインサート部材40同様に、単一の成形部材であるインサート部材40として構成され、TPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマー)等の柔軟性を有する合成樹脂材料からインジェクション成形される。補強部材42は、基材12に対するインサート部材40の位置決め誤差に起因して、該基材12に対する該インサート部材40の取付位置にずれが生じたとしても、ドア隣接部位24の裏側全面に接合される形状・サイズに形成されており、該ドア隣接部位24の全体を裏側から補強するようになっている。なお、補強部材42に一体的に形成された連結筒部48には、エアバッグ装置60のケース体62に設けた各係止ピン64が対応的に係止される係止口49が設けられている。従って補強部材42は、連結筒部48がエアバッグ装置60のケース体62へ係止されることで、エアバッグ装置60の作動時には該装置60から支持され、ドア隣接部位24の浮き上がりを防止するよう機能する。
そして、本実施例のエアバッグドア50では、図1および図2に示したように、外縁破断予定部32の形成位置を、ドア隣接部位24の裏側に接合された補強部材42上、換言すると補強部材42の内側開口42Aより外側に位置するように設定してある。すなわち、2枚のドアパネル22,22を合わせたエアバッグドア50の外形寸法は、補強部材42の内側開口42Aの開口寸法よりも一回り大きく設定してあり、これらドアパネル22,22のドア隣接部位24に面した外縁部分は、所要の幅に亘って補強部材42にオーバーラップした状態となっている。
なお本実施例の場合、ドアパネル22と補強部材42とのオーバーラップ幅R(図3参照)は、基材12に対してインサート部材40を正確に位置決めした場合、ドア隣接部位24の肉厚D2と略同等となるように設定してある。但し、このオーバーラップ幅Rは、ドア隣接部位24の肉厚D2と同等とすることに限定されるものではなく、基材12(ドア隣接部位24)の外面形状や、ドアパネル22,22の形状、サイズ等に基づいて設定される。特にオーバーラップ幅Rは、基材12に対するインサート部材40の位置決めに際して発生する可能性がある最大誤差を考慮し、該インサート部材40の位置決めに誤差(ずれ)が発生したとしても、段差部52が該インサート部材40の内側開口42Aの内側に位置するのを回避できるように設定するのが望ましい。
また、本実施例のエアバッグドア50では、図3に示したように、両ドアパネル22,22の肉厚D1を、前記ドア隣接部位24の肉厚D2より小さく(D1<D2)設定してある。これにより、ドアパネル22,22とドア隣接部位24との境界部分に、破断予定部30(外縁破断予定部32)に沿った段差部52が形成されている。ここで、両ドアパネル22,22の肉厚D1は1.5mm程度に設定されており、ドア隣接部位24の肉厚D2の1/2程度となっている。また、両ドアパネル22,22は、パネル全体が何れの部位でも同一の厚さに設定されており、これらドアパネル22,22自体の剛性は、ドア隣接部位24の剛性よりも低くなっている。従って、膨張するエアバッグ66の押圧力がドアパネル22,22の裏側に加わった場合には、これらドアパネル22,22がドア隣接部位24よりも変形し易くなっている。
但し、ドアパネル22の肉厚D1の設定は、(1)車両乗員室内において実施に供されている期間中に生ずる熱履歴、(2)乗員が手を着いて体重をかけた場合に生ずる押付力、等の外的要因で変形しないことが前提とされる。
前述した本実施例のエアバッグドア50によれば、ドアパネル22,22とドア隣接部位24との境界部分に、破断予定部30(外縁破断予定部32)に沿った段差部52を形成し、かつ該段差部52を、ドア隣接部位24の裏側に接合された補強部材42上に位置するよう構成したことで、次のような作用効果を奏する。先ず、振動溶着技術等を利用して、ドア隣接部位24およびドアパネル22,22の裏側へインサート部材40(補強部材42およびドア支持部材44,44)を熱溶着する作業工程では、次のような利点がある。すなわち図3に示したように、図示しない振動溶着機での熱溶着作業に先立ち、基材12の裏側へインサート部材40をセットした場合、補強部材42は、ドア隣接部位24の裏側だけに接触し、両ドアパネル22,22の裏側には全く接触しない。しかも、オーバーラップ幅Rを設定してあるため、基材12に対するインサート部材40の位置決めに多少の誤差(ばらつき)があったとしても、補強部材42は、ドア隣接部位24の裏側だけに接触し、両ドアパネル22,22の裏側には接触しない。従って補強部材42は、ドア隣接部位24だけに確実に接合され、ドアパネル22,22の裏側には接合されない。更にドア隣接部位24は、段差部52に臨む部分が全周に亘って補強部材42に接合されるため、ドアパネル22,22の開放時に発生する応力による変形を防止することができる。
また、車両乗員室内において実施に供されている時にエアバッグ装置60が作動した際には、次のような利点がある。すなわち図5に示すように、膨張するエアバッグ66の押圧力が両ドアパネル22,22の裏面に加わると、ドア隣接部位24より剛性が低いドアパネル22,22だけが凸状に撓むように変形し、該ドアパネル22,22より剛性が高くかつ補強部材42に接合されているドア隣接部位24は殆ど変形しない。これにより、段差部52に沿った部位が折曲的に変形するので、外縁破断予定部32へ応力が集中して該外縁破断予定部32が適切に破断し、両ドアパネル22,22がドア隣接部位24(基材12)から適時に分離する。また、外縁破断予定部32が適切に破断することで、ドア隣接部位24と補強部材42との剥離が発生し難くなり、該ドア隣接部位24の破損および破片飛散等も発生しない。
一方、ドアパネル22,22が開放することで、基材12のエアバッグ装置60に整合する位置に形成されるエアバッグ通過口14は、図6に示すように、補強部材42の内側開口42Aより一回り大きく形成されるため、該エアバッグ通過口14の開口端縁は、補強部材42上に位置して該内側開口42Aの内側へ臨まない。このため、内側開口42Aからエアバッグ通過口14を介してインストルメントパネル10の外方へ膨張展開するエアバッグ66が、エアバッグ通過口14の開口端縁に接触することがなく、該エアバッグ66の裂傷等が適切に防止される。また、補強部材42とドア支持部材44とを連結するヒンジ部46が、エアバッグ通過口14の開口端縁に接触することがないから、ドアパネル22,22の開放変位に支障を来たすこともない。
図7は、別形態例に係るエアバッグドアを例示したものである。このエアバッグドア50では、ドアパネル22,22の肉厚D1を基材12の一般部位の肉厚と略同一に設定し、ドア隣接部位24の肉厚D2だけを大きく設定することで、これらドアパネル22,22とドア隣接部位24との境界部分に、破断予定部30(外縁破断予定部32)に沿った段差部52を形成したものである。このような別形態例のエアバッグドア50では、図1に示したエアバッグドア50と比較してドアパネル22,22の剛性が高くなるものの、該ドアパネル22,22の剛性よりもドア隣接部位24の剛性の方が更に高くなっている。また段差部52は、ドア隣接部位24に接合された補強部材42上に位置している。従って、膨張するエアバッグ66の押圧力がドアパネル22,22の裏側に加わった場合は、ドア隣接部位24より剛性が低い両ドアパネル22,22だけが上方へ凸状に撓み、剛性が高くかつ補強部材42で補強されているドア隣接部位24は殆ど変形しないから、段差部52に沿った部位が折曲的に変形して外縁破断予定部32に応力が集中する。これにより、外縁破断予定部32が適切に破断するから、前述した実施例のエアバッグドア50と同等の作用効果が得られる。
なお、本実施例のエアバッグドア50では、前述した振動溶着技術の他に、ホットメルト等の接着剤を使用した接着により、ドアパネル22,22およびドア隣接部位24の裏側にインサート部材40を接合する場合にも有効である。すなわち、ドア隣接部位24の裏側全面(およびドアパネル22,22の裏側全面)に接着剤を塗布したもとでインサート部材40を押し付ければ、補強部材42は、ドア隣接部位24の裏側にだけに接触してドアパネル22,22の裏側には接触しないから、該ドア隣接部位24だけに接着される。従ってドア隣接部位24は、段差部52に臨む部分が全周に亘って補強部材42に接合されるため、ドアパネル22,22の開放時に発生する応力よる変形を防止することができる。また、補強部材42の表側全面(およびドア支持部材44,44の表側全面)に接着剤を塗布したもとでインサート部材40を押し付ければ、補強部材42は、ドア隣接部位24の裏側だけに接触してドアパネル22,22の裏側には接触しないから、該ドア隣接部位24だけに接着される。従ってドア隣接部位24は、段差部52に臨む部分が全周に亘って補強部材42に接合されるため、ドアパネル22,22の開放時に発生する応力よる変形を防止することができる。
本願が対象とするエアバッグドアは、前述した2枚のドアパネル22,22を有する両開きタイプに限定されるものではない。すなわち、1枚のドアパネルを有する片開きタイプや、4枚のドアパネルを有する四方開きタイプ等にも実施可能である。
また前述した実施例では、単層タイプのインストルメントパネル10に設けたエアバッグドアを例示したが、本願のエアバッグドアは、基材の外面に表皮材を貼り込んだ2層タイプのインストルメントパネルに設けたものや、基材、表皮材および発泡体からなる3層タイプのインストルメントパネルに設けたものも対象とされる。
更に、本願が対象とするエアバッグドアは、前述したインストルメントパネルに設けたものに限定されず、例えばフロントドアまたはリアドアの内張内装部材やピラーガーニッシュ等に設けたものも含まれる。
本発明に係るエアバッグドアは、基材の一部を構成して該基材に形成した破断予定部の内側に位置するドアパネルと、同じく基材の一部を構成して破断予定部の外側に位置するドア隣接部位と、ドア隣接部位を裏側から補強する補強部材とから構成されるもので、自動車等の種々車両内装部材に設けたエアバッグドアとして好適に実施可能である。
12 基材,22 ドアパネル,24 ドア隣接部位,30 破断予定部,
32 外縁破断予定部,42 補強部材,52 段差部,
D1 肉厚(ドアパネルの),D2 肉厚(ドア隣接部位の)
32 外縁破断予定部,42 補強部材,52 段差部,
D1 肉厚(ドアパネルの),D2 肉厚(ドア隣接部位の)
Claims (1)
- 基材の一部を構成して該基材に形成した破断予定部の内側に位置するドアパネルと、同じく前記基材の一部を構成して前記破断予定部の外側に位置するドア隣接部位と、前記ドア隣接部位を裏側から補強する補強部材とを備えたエアバッグドアにおいて、
前記ドアパネルの肉厚を前記ドア隣接部位の肉厚より小さく設定して、これらドアパネルとドア隣接部位との境界部分に、前記破断予定部に沿った段差部を形成し、
前記段差部は、前記ドア隣接部位に接合された前記補強部材上に位置するよう構成した
ことを特徴とするエアバッグドア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006214985A JP2008037282A (ja) | 2006-08-07 | 2006-08-07 | エアバッグドア |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8100431B2 (en) | 2009-01-30 | 2012-01-24 | Toyoda Gosei Co., Ltd. | Front passenger seat airbag apparatus |
JP2014094675A (ja) * | 2012-11-09 | 2014-05-22 | Toyota Motor Corp | エアバッグドアを一体に有するインストルメントパネル |
JP2014213749A (ja) * | 2013-04-25 | 2014-11-17 | 日本プラスト株式会社 | エアバッグ |
-
2006
- 2006-08-07 JP JP2006214985A patent/JP2008037282A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
US8100431B2 (en) | 2009-01-30 | 2012-01-24 | Toyoda Gosei Co., Ltd. | Front passenger seat airbag apparatus |
JP2014094675A (ja) * | 2012-11-09 | 2014-05-22 | Toyota Motor Corp | エアバッグドアを一体に有するインストルメントパネル |
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