JP4800003B2 - エアバッグドアのヒンジ構造 - Google Patents

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本発明は、エアバッグドアのヒンジ構造に関し、更に詳細には、基材の所要位置に設けたエアバッグドアおよび該エアバッグドアの外側に設けたドア支持部の境界部分に沿って延設され、エアバッグ装置の作動により開放する前記エアバッグドアを支持するヒンジ部を有するエアバッグドアのヒンジ構造に関するものである。
近年生産される自動車の殆どは、例えば図8に例示するように、助手席乗員の保護を図るためのエアバッグ装置56が、乗員室前方に設置した車両内装部材であるインストルメントパネル10の内部に格納されている。このため、インストルメントパネル10を構成する基材12には、エアバッグ装置56に対応した部位にエアバッグドア20が設けられ、当該エアバッグ装置56の作動時に膨張するエアバッグ58の押圧力を利用して、該エアバッグドア20が乗員室側へ開放するようになっている。なお図8では、2枚のエアバッグドア20,20からなる両開きタイプを例示している。またインストルメントパネル10は、基材12の外側に発泡体14および表皮材16が配設された複層構造をなし、前述したエアバッグドア20,20は、これら発泡体14および表皮材16により被覆され、開放前には外方から視認されないようになっている。
このような複層構造のインストルメントパネル10では、前述したように、エアバッグドア20が外方へ露出しないように設置されるため、柔軟性に富んだTPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマー)等の合成樹脂からエアバッグドア20を成形し、PP(ポリプロピレン)やASG等の比較的硬質の合成樹脂材料から形成された基材12とは別体に形成する場合が多い。すなわちエアバッグドア20は、基材12に設けた設置開口部18に取付固定されるドア支持部22と一体的に形成され、このドア支持部22を利用して基材12に設置される。なおドア支持部22は、基材12に固定される枠状の取付部24と、エアバッグ装置56に係止される支持部26とからなり、この取付部24がエアバッグドア20を囲繞した形態をなしている。
従って、取付部24とエアバッグドア20との境界部分には、該エアバッグドア20の外縁ラインに沿った破断予定部28およびヒンジ部30が形成されている。破断予定部28は、2枚のエアバッグドア20,20からなる両開きタイプの場合、夫々のエアバッグドア20,20の外縁ラインにおける3辺に沿うよう「H字形」に延設され、両エアバッグドア20,20の左右両側に延在する側縁破断予定部28Aと、境界ラインに沿って延在する中央破断予定部28Bとから構成されている。またヒンジ部30は、前述した破断予定部28が形成されていない残りの1辺に沿って延設されている。これによりエアバッグドア20,20は、開放前には基材12の一部をなすよう構成されており、エアバッグ装置56が作動した際には、膨張したエアバッグ58の押圧力により前述した破断予定部28が破断することで、対応のヒンジ部30を中心とした開放変位が許容される。このようなこのようなエアバッグドアのヒンジ構造は、例えば特許文献1および特許文献2等に開示されている。
特開平8−268200号公報 特開2005−212695号公報
ところで前述したヒンジ部30は、エアバッグドア20の外縁ラインにおける一辺に沿った部分を、該エアバッグドア20およびドア支持部22の取付部24よりも薄肉に設定し、エアバッグ58の押圧力がエアバッグドア20の裏面へ加わった際に変形し易くした構造となっている。このようなヒンジ部30としては、(1)エアバッグドア20の表側および裏側に、外縁ラインに沿った凹溝32,34を設けることで薄肉部としたもの(特許文献1;図9)、(2)エアバッグドア20の裏側または表側に、外縁ラインに沿った所要幅の陥凹部36を設けることで薄肉部としたもの(特許文献2;図11)、等が実施されている。(1)のヒンジ部30は、所謂インテグラルヒンジと称されるもので折曲的な変形が可能であり、(2)のヒンジ部30は、幅広に形成されていることから折曲的な変形および/または撓曲的な変形が可能である。
ところが前述したエアバッグドア20は、これを設置した自動車の使用環境が−20℃またはこれ以下の気温となる寒冷地の場合、前述したTPO等の柔軟性に富んだ合成樹脂から形成されていたとしても、所謂「低温脆性」が起こって全体的に脆化してしまう。このため、図9および図11に例示した従来のヒンジ構造は、特に前述したように低温脆性による脆化が起こるとヒンジ部30に亀裂が生じる可能性があり、この亀裂が進行した際にはドア支持部22からエアバッグドア20が分離してしまう問題を内在していた。
これは、図9および図11に例示した各ヒンジ構造が、夫々図10および図12に対応的に例示したように、エアバッグドア20の開放前状態における夫々のヒンジ部30の姿勢(ヒンジ基準線LH)が、エアバッグドア20の姿勢(ドア基準線LD)と略同一方向に延在しているためである。すなわち、開放前状態から全開状態まで開放した際のエアバッグドア20の開放変位角度RDと、これに伴って変形するヒンジ部30の姿勢変位角度RHとが、殆ど同じく(RD=RH)なっている。このため、エアバッグドア20の開放変位に伴うヒンジ部30の変形量が大きくなるから、必然的にヒンジ部30に加わる応力が増大してしまい、特に低温時には該ヒンジ部30の破損が発現され易くなっていた。
従って本発明では、エアバッグの開放変位に伴うヒンジ部の破損を好適に防止するようにしたエアバッグドアのヒンジ構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、基材の所要位置に設けたエアバッグドアおよび該エアバッグドアの外側に設けたドア支持部の境界部分に沿って延設され、エアバッグ装置の作動により開放する前記エアバッグドアを支持するヒンジ部を有するエアバッグドアのヒンジ構造において、
前記エアバッグドアの表側で前記境界部分に沿って形成された第1溝部と、前記エアバッグドアの裏側で前記第1溝部に対し該エアバッグドアの厚み方向で一部重なるよう該エアバッグドア側にずらして前記境界部分に沿って形成された第2溝部とを備え、
前記ヒンジ部は、前記第1溝部における前記ドア支持部側から該エアバッグドア側に向かうにつれて表側に傾斜した傾斜側面部と、前記第2溝部における該エアバッグドア側から前記ドア支持部側に向かうにつれて裏側に傾斜した傾斜側面部との間に形成され、
記ヒンジ部は、前記エアバッグドアの開放前状態において、前記ドア支持部側よりエアバッグドア側が該エアバッグドア放側へ偏倚する傾斜状態で、該エアバッグドアの厚みの範囲内で延在するよう構成したことを特徴とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、第1溝部および第2溝部により形成されたヒンジ部が、エアバッグドアの開放前状態において該エアバッグドアが開放する側へ傾斜した状態に形成されているので、エアバッグドアの開放変位に伴うヒンジ部の姿勢変位角度を該エアバッグドアの開放変位角度より小さくすることができるから、ヒンジ部に加わる応力減少して当該ヒンジ部の破損が発現され難くなる利点がある。また、エアバッグドアの開放前状態におけるヒンジ部は、エアバッグドアの厚みの範囲内で延在するように構成されているので、該エアバッグドアの表側および裏側(エアバッグ装置側)の何れへも突出していないから、省スペースでヒンジ効果を発現させ得る。
請求項2に記載の発明は、前記第1溝部は、前記エアバッグドアの表側からの深さが該エアバッグドアの厚みの1/2に設定されると共に、前記第2溝部は、前記エアバッグドアの裏側からの深さが該エアバッグドアの厚みの1/2に設定され、
前記ヒンジ部は平板状に形成されていることを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、第1溝部の深さおよび第2溝部の深さがエアバッグドアの厚みの1/2に夫々設定され、ヒンジ部が平板状に形成されているので、エアバッグドアの開放変位時に該ヒンジ部に加わる応力を減少させ得る。
請求項3記載の発明は、前記基材および前記エアバッグドアは、該基材の表側および該エアバッグドアの表側で発泡成形した発泡体および該発泡体の外面に被着された表皮材と共に車両内装部材を構成することを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、ヒンジ部が基材およびエアバッグドアの表側へ突出していないから、基材およびエアバックドアの表側において発泡体を発泡成形する場合には、該発泡体の発泡成形を阻害することを防止し得る。
本発明に係るエアバッグドアのヒンジ構造によれば、エアバッグドアの開放変位に伴うヒンジ部の破損を好適に防止することができる有益な効果を奏する。
次に、本発明に係るエアバッグドアのヒンジ構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、図8〜図12に既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付して説明する。
(実施例)
図1は、実施例のヒンジ構造におけるヒンジ部の態様を示した説明断面図である。図示のインストルメントパネル10は、ポリプロピレン(PP)等から所要形状に成形された合成樹脂製の基材12と、この基材12の外面側に所要厚さで形成された発泡体14と、この発泡体14の外面に被着された表皮材16とからなる3層タイプとされている。そして、エアバッグ装置56に整合する部位に、両開きタイプである2枚のエアバッグドア20,20を配設するための設置開口部18が形成されている。
エアバッグドア20,20は、図3に例示するように、その外側に設けられるドア支持部22と共にTPO等の合成樹脂素材から一体的に成形される。そして、両エアバッグドア20,20の境界部分および各エアバッグドア20,20とドア支持部22との境界部分に、側縁破断予定部28Aおよび中央破断予定部28Bからなる「H字形」の破断予定部28を形成することで、相互に区分されている。このような破断予定部28は、例えば裏側から断面V字状の溝38を延設することで薄肉脆弱化された部位であり、エアバッグ装置56の作動時にエアバッグ58の押圧力を受けると適時に破断し得るように設定される。なお符号39は、設置開口部18の開口縁に係止する係止爪である。
そして、両エアバッグドア20,20の外縁ラインにおいて、前述した破断予定部28が形成されていない残りの1辺に、実施例のヒンジ構造をなすヒンジ部40が設けられている。この実施例におけるヒンジ部40は、図1(a),(b)および図3に例示したように、エアバッグドア20の表側において外縁ラインに沿うよう第1溝部42を形成すると共に、該エアバッグドア20の裏側において外縁ラインに沿うよう第2溝部44を形成することで、これら第1溝部42および第2溝部44の間に形成されている。しかも、表側に形成した第1溝部42は、裏側に形成した第2溝部44に対し、所要の間隔Sだけ外側、換言するとエアバッグドア20の開放方向を基準として外側へ偏在している。
第1溝部42は、深さがドア厚Wの1/2程度とされて上方へ開口した拡開U字形状をなし、幅方向の両側において所要角度で傾斜した傾斜側面部42A,42Aおよび曲面状をなす底面部42Bとから構成されている。一方、第2溝部44は、深さがドア厚Wの1/2程度とされて下方へ開口した拡開U字形状をなし、幅方向の両側において所要角度で傾斜した傾斜側面部44A,44Aおよび曲面状をなす底面部44Bとから構成されている。そして、ヒンジ部40の厚さW1は、前述した間隔Sを適切に設定することにより、エアバッグドア20のドア厚Wよりも小さくなっており、具体的にはドア厚Wの1/2程度に設定されている。
従って、実施例のヒンジ部40は、第1溝部42における一方の傾斜側面部42Aおよび第2溝部44における一方の傾斜側面部44Aにより、ドア厚Wと同一寸法内において幅E、厚さW1の略帯状でかつ平板状を呈し、エアバッグドア20の外縁ラインに沿って傾斜状態で延在している。そして、前述した第1溝部42および第2溝部44の夫々の傾斜側面部42A,44Aが所要角度の傾斜面であるから、エアバッグドア20の開放前状態におけるヒンジ部40の姿勢(向き)は、図1(b)および図3に符号LHで示したヒンジ基準線の傾斜状態となっており、同じく図1(b)および図3において開放前状態におけるエアバッグドア20の姿勢(向き)を示したドア基準線LDに対し、角度R1だけ偏倚した状態となっている。換言すると、開放前状態におけるヒンジ部40の姿勢を、同じく開放前状態におけるエアバッグドア20の姿勢に対し、該エアバッグドア20が開放する側へ所要角度だけ偏倚する平板状の傾斜状態としてあり、湾曲状または波板状となっていない。
これにより、エアバッグ装置56が作動してエアバッグドア20が全開状態まで開放する場合、図2に例示するように、当該エアバッグドア20の開放変位角度=RDであるのに対し、ヒンジ部40の姿勢変位角度=RHとなるから、ヒンジ部40の姿勢変位角度RHは、エアバッグドア20の開放変位角度RDから前述した偏倚角度R1を引いた分(RH=RD−R1)となる。すなわち、図9および図10に例示した従来のヒンジ構造におけるヒンジ部30の場合、エアバッグドア20の開放変位角度RDとヒンジ部40の姿勢変位角度RHが略同一(RD=RH)となっていたから、実施例のヒンジ構造の場合、ヒンジ部40の姿勢変位量(姿勢変位角度RH)が小さいにも拘わらず、エアバッグドア20の開放変位角度RDを従来と同等とすることができる。
従って、実施例に係るエアバッグドアのヒンジ構造によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、エアバッグドア20の開放変位に伴うヒンジ部40の姿勢変位角度RHを、該エアバッグドア20の開放変位角度RDより小さくすることができるから、ヒンジ部40に加わる応力を減少させることができて当該ヒンジ部40の破損が発現され難くなる。また、ヒンジ部40がエアバッグドア20のドア厚Wと同一寸法内において形成されているため、発泡体14側およびエアバッグ装置56側の何れの方向へも突出しておらず、よって省スペースでヒンジ効果を発現させ得る一方、発泡体14の発泡成形を阻害することが防止できる等の利点もある。
(参考例)
図4は、参考例に係るヒンジ構造を採用するエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの部分断面図である。なお、参考例では、エアバッグドア20,20、ドア支持部22、破断予定部28の形態は、前述した実施例と基本的に同一であるから、これらの詳細説明は省略する。
参考例のヒンジ構造におけるヒンジ部50は、図4に例示したように、エアバッグドア20の裏側に、外縁ラインに沿った所要幅の陥凹部36を設けることで薄肉部としたものであり、ドア支持部22の上縁部とエアバッグドア20の端縁部とを連設している。そして、ドア支持部22と接合する固定支持点P1より、エアバッグドア20と接合する移動支持点P2がエアバッグ58の膨張方向を基準として前方(エアバッグドア20の開放変位方向)に位置しており、ヒンジ部50はドア支持部22およびエアバッグドア20の間に帯状でかつ平板状の傾斜状態で延設されている。
すなわち、エアバッグドア20の開放前状態におけるヒンジ部50の姿勢(向き)は、図4に符号LHで示したヒンジ基準線の傾斜状態となっており、同じく図4において開放前状態におけるエアバッグドア20の姿勢(向き)を示したドア基準線LDに対し、角度R1だけ偏倚した状態となっている。換言すると、開放前状態におけるヒンジ部50の姿勢を、同じく開放前状態におけるエアバッグドア20の姿勢に対し、該エアバッグドア20が開放する側へ所要角度だけ偏倚する平板状の傾斜状態としてあり、湾曲状または波板状となっていない。
これにより、エアバッグ装置56が作動してエアバッグドア20が全開状態まで開放する場合、図5に例示するように、当該エアバッグドア20の開放変位角度=RDであるのに対し、ヒンジ部50の姿勢変位角度=RHとなるから、ヒンジ部50の姿勢変位角度RHは、エアバッグドア20の開放変位角度RDから前述した偏倚角度R1を引いた分(RH=RD−R1)となる。すなわち、図11および図12に例示した従来のヒンジ構造におけるヒンジ部30の場合、エアバッグドア20の開放変位角度RDとヒンジ部30の姿勢変位角度RHが略同一(RD=RH)となっていたから、参考例のヒンジ構造の場合でも、ヒンジ部50の姿勢変位量(姿勢変位角度RH)が小さいにも拘わらず、エアバッグドア20の開放変位角度RDを従来と同等とすることができる。
従って、参考例に係るエアバッグドアのヒンジ構造によれば、エアバッグドア20の開放変位に伴うヒンジ部50の姿勢変位角度RHを、該エアバッグドア20の開放変位角度RDより小さくすることができるから、ヒンジ部50に加わる応力を減少させることができて当該ヒンジ部50の破損が発現され難くなる等の利点がある。
(参考例の変更例)
図6は、参考例の変更例に係るヒンジ構造を採用するエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの部分断面図である。この変更例のヒンジ構造におけるヒンジ部52は、エアバッグドア20の裏側に、外縁ラインに沿った所要幅の陥凹部36を設けることで薄肉部としたものであり、ドア支持部22の上縁部から下方へ所要距離だけ離間した部位とエアバッグドア20の端縁部とを連設している。そして、ドア支持部22と接合する固定支持点P1より、エアバッグドア20と接合する移動支持点P2がエアバッグ58の膨張方向を基準として前方(エアバッグドア20の開放変位方向)に位置しており、ヒンジ部52はドア支持部22およびエアバッグドア20の間に帯状でかつ平板状の傾斜状態で延設されている。なお、変更例のヒンジ構造では、ヒンジ部52を傾斜状態で延設したとしても、エアバッグドア20の外面レベルと基材12の外面レベルとが略一致した状態となる。
すなわち、エアバッグドア20の開放前状態におけるヒンジ部52の姿勢(向き)は、図6に符号LHで示したヒンジ基準線の傾斜状態となっており、同じく図6において開放前状態におけるエアバッグドア20の姿勢(向き)を示したドア基準線LDに対し、角度R1だけ偏倚した状態となっている。換言すると、開放前状態におけるヒンジ部52の姿勢を、同じく開放前状態におけるエアバッグドア20の姿勢に対し、該エアバッグドア20が開放する側へ所要角度だけ偏倚する平板状の傾斜状態としてあり、湾曲状または波板状となっていない。
これにより、エアバッグ装置56が作動してエアバッグドア20が全開状態まで開放する場合、図7に例示するように、当該エアバッグドア20の開放変位角度=RDであるのに対し、ヒンジ部52の姿勢変位角度=RHとなるから、ヒンジ部52の姿勢変位角度RHは、エアバッグドア20の開放変位角度RDから前述した偏倚角度R1を引いた分(RH=RD−R1)となる。すなわち、図11および図12に例示した従来のヒンジ構造におけるヒンジ部30の場合、エアバッグドア20の開放変位角度RDとヒンジ部30の姿勢変位角度RHが略同一(RD=RH)となっていたから、この変更例のヒンジ構造の場合でも、ヒンジ部52の姿勢変位量(姿勢変位角度RH)が小さいにも拘わらず、エアバッグドア20の開放変位角度RDを従来と同等とすることができる。
従って、参考例の変更例に係るエアバッグドアのヒンジ構造によれば、エアバッグドア20の開放変位に伴うヒンジ部52の姿勢変位角度RHを、該エアバッグドア20の開放変位角度RDより小さくすることができるから、ヒンジ部52に加わる応力を減少させることができて当該ヒンジ部52の破損が発現され難くなる。また、ヒンジ部52が発泡体14側へ突出していないから、発泡体14の発泡成形を阻害することが防止できる等の利点もある。
前述した実施例、参考例および変更例では、2枚のエアバッグドア20,20からなる両開きタイプにおけるヒンジ構造を例示したが、本願のヒンジ構造は、1枚のエアバッグドアからなる片開きタイプや、4枚のエアバッグドアからなる四方開きタイプ等にも好適に実施可能である。
更に、本願のヒンジ構造を実施可能なエアバッグドアは、前述したインストルメントパネル10に設けたものに限定されるものではなく、例えばドアパネルやピラーガーニッシュ等に設けたものも含まれる。
本発明に係るエアバッグドアのヒンジ構造は、基材の所要位置に設けたエアバッグドアおよび該エアバッグドアの外側に設けたドア支持部の境界部分に沿って延設され、エアバッグ装置の作動により開放するエアバッグドアを支持するヒンジ部を有するエアバッグドアのヒンジ構造であって、自動車等の種々車両内装部材に設けたエアバッグドアに好適に実施可能である。
(a)は、実施例のヒンジ構造におけるヒンジ部の態様を示した説明断面図、(b)は、ヒンジ部を拡大した説明断面図。 エアバッグドアの開放変位角度およびヒンジ部の姿勢変位角度を示した説明断面図。 ドア支持部と一体的に形成されたエアバッグドアを破断した状態で示した部分斜視図。 参考例のヒンジ構造におけるヒンジ部の態様を示した説明断面図。 エアバッグドアの開放変位角度およびヒンジ部の姿勢変位角度を示した説明断面図。 参考例の変更例のヒンジ構造におけるヒンジ部の態様を示した説明断面図。 エアバッグドアの開放変位角度およびヒンジ部の姿勢変位角度を示した説明断面図。 インストルメントパネルの所要位置に設けたエアバッグドアを示した一部破断斜視図。 従来のヒンジ構造におけるヒンジ部の態様を示した説明断面図。 図9に示したヒンジ構造において、エアバッグドアの開放変位角度およびヒンジ部の姿勢変位角度を示した説明断面図。 従来の別のヒンジ構造におけるヒンジ部の態様を示した説明断面図。 図11に示したヒンジ構造において、エアバッグドアの開放変位角度およびヒンジ部の姿勢変位角度を示した説明断面図。
符号の説明
12 基材,14発泡体16 表皮材,20 エアバッグドア,22ドア支持部,
40 ヒンジ部,42 第1溝部,42A 傾斜側面部,44 第2溝部,44A傾斜側面部

Claims (3)

  1. 基材(12)の所要位置に設けたエアバッグドア(20)および該エアバッグドア(20)の外側に設けたドア支持部(22)の境界部分に沿って延設され、エアバッグ装置の作動により開放する前記エアバッグドア(20)を支持するヒンジ部(40)を有するエアバッグドアのヒンジ構造において、
    前記エアバッグドア(20)の表側で前記境界部分に沿って形成された第1溝部(42)と、前記エアバッグドア(20)の裏側で前記第1溝部(42)に対し該エアバッグドア(20)の厚み方向で一部重なるよう該エアバッグドア(20)側にずらして前記境界部分に沿って形成された第2溝部(44)とを備え、
    前記ヒンジ部(40)は、前記第1溝部(42)における前記ドア支持部(22)側から該エアバッグドア(20)側に向かうにつれて表側に傾斜した傾斜側面部(42A)と、前記第2溝部(44)における該エアバッグドア(20)側から前記ドア支持部(22)側に向かうにつれて裏側に傾斜した傾斜側面部(44A)との間に形成され、
    記ヒンジ部(40)は、前記エアバッグドア(20)の開放前状態において、前記ドア支持部(22)側よりエアバッグドア(20)側が該エアバッグドア(20)放側へ偏倚する傾斜状態で、該エアバッグドア(20)の厚みの範囲内で延在するよう構成した
    ことを特徴とするエアバッグドアのヒンジ構造。
  2. 前記第1溝部(42)は、前記エアバッグドア(20)の表側からの深さが該エアバッグドア(20)の厚みの1/2に設定されると共に、前記第2溝部(44)は、前記エアバッグドア(20)の裏側からの深さが該エアバッグドア(20)の厚みの1/2に設定され、
    前記ヒンジ部(40)は平板状に形成されている請求項1記載のエアバッグドアのヒンジ構造。
  3. 前記基材(12)および前記エアバッグドア(20)は、該基材(12)の表側および該エアバッグドア(20)の表側で発泡成形した発泡体(14)および該発泡体(14)の外面に被着された表皮材(16)と共に車両内装部材(10)を構成する請求項1または2記載のエアバッグドアのヒンジ構造。
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