JP5305835B2 - エアバッグカバー及びインストルメントパネル - Google Patents

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Description

本発明は、車両に内装されるエアバッグカバーと、エアバッグカバーを備えたインストルメントパネルに関するものである。
昨今の自動車は、エアバッグを装備するものが多い。このエアバッグは、運転席のみならず、助手席にも設けられている。この助手席に設けられるエアバッグのエアバッグカバーには、事故発生時にエアバッグを膨出させるための開裂予定線が設けられている。
すなわち、前記開裂予定線によってエアバッグカバーにはエアバッグドアが区画されており、開裂予定線が開裂し、エアバッグドアが開くことによってエアバッグが膨出できるようになっている。
ここで開裂予定線は、溝やミシン目、あるいは破線状に並んだ溝によって構成する線であり、他の部位に比べて剛性が低いラインである。
エアバックカバーを芯材と発泡層及び表皮を有する三層構造とする場合には、芯材と表皮に開裂予定線が形成される。
従来技術においては、芯材の開裂予定線と、表皮の開裂予定線は同一形状であり、エアバッグカバーを正面側から投影観察すると、芯材の開裂予定線と、表皮の開裂予定線は完全に重なる。
また従来技術のエアバッグドアの形状は、開裂予定線がコの字である1枚扉形状が一般的であった。
しかし、1枚扉形状であると、エアバッグが膨出した際に、エアバッグの膨出力(押圧力)が1枚の扉に集中するため、ヒンジ部分(折れ曲がる部分)を強固に構成する必要があった。
そのため、最近では、エアバッグカバーに観音開き形状のエアバッグドアを形成する開裂予定線を設けたり、一文字形状の開裂予定線を設けることが多い。
例えば、観音開き形状のエアバッグドアを採用する場合には、エアバッグカバーにH字形状の開裂予定線が設けられる。前記した様に芯材と表皮を有するエアバッグカバーであるならば、芯材にH字形状の開裂予定線を設け、表皮にも同一形状(H形)の開裂予定線を設ける。エアバッグが膨出し、エアバッグカバーが前記H字形状の開裂予定線に沿って開裂すると、エアバッグドアが観音開きする。
このように、エアバッグが膨出する際には、通常はエアバッグカバーに設けられた開裂予定線に沿って開裂する。
特開平10−071906号公報
しかし、エアバッグカバーが経年劣化したり、極端に低温の環境下においては、前記開裂予定線の通りに開裂しにくくなり、仮に前記開裂予定線のない箇所が破断すると、表皮の一部が飛散する可能性がある。
H字形状の開裂予定線を採用した場合の不具合を、図7を参照しながら説明する。
図7は、従来のエアバッグカバーの部分平面図である。
図7(a)に示すエアバッグカバーには、破線で示すH字形状の開裂予定線が設けられており、一対の対向する線によって構成される縦列の開裂線100,101と、これらの中間部同士を係合する中心線103を有する。すなわち、縦列の開裂線100,101と、中心線103とは、分岐部Bで繋がっている。
エアバックが膨出すると、中心線103の中央部(初期開裂予定部A)から開裂が開始し、次第に中心線103の全域に開裂が広がる。
ちなみに、エアバッグカバーは、表皮と、発泡層及び芯材を備えており、前記した様に表皮と芯材には同一形状の開裂予定線が設けられており、両者は投影視した図7(a)において重なっている。
エアバッグの膨出力によって、エアバッグカバーの表皮と芯材に設けられた開裂予定線に沿って順に開裂が進んでいくと、分岐部Bに差し掛かる。ここで芯材は硬度が高く延びが少ないので、芯材側の開裂予定線に沿って開裂が進む。即ち開裂が分岐部Bに至ると、開裂の方向を変え、縦列の開裂線100,101に沿って開裂が進む。
これに対して表皮は、軟質であり、且つある程度の延びがある。また、表皮と芯材の間には発泡層があり、表皮は発泡層を介して押される。さらに、表皮は芯材に比べて経年劣化しやすく、温度による硬度の変化も大きい。すなわち、エアバッグカバーが経年劣化したり、極端に低温の環境下においては、エアバッグカバーの表皮が脆弱になる。
そのため本来なら、この分岐部Bから開裂方向が直角方向に分岐されて開裂予定線に沿って表皮を開裂させるべきところ、エアバッグカバーが経年劣化等によって脆弱になると、エアバッグカバーの表皮に設けられた開裂予定線に沿って開裂しにくく、特に開裂方向が直角に変化する分岐部Bでの開裂(すなわち分岐された直角方向への開裂)が難しい。
仮に分岐部Bを越えて符号Cで示す方向に開裂予定線を逸脱して破断し、図7(b)に示す通り、開裂予定線が施されていない符号Dで示す箇所が破断すると、エアバッグカバーの表皮が千切れて飛散する恐れがある。
そこで、前記問題を解決する方法として、特許文献1には、図8の様に開裂予定線の分岐する箇所を斜め線とし、開裂予定線を全体として略X字形状とすることが開示されている。なお特許文献1に開示された構成においても、芯材の開裂予定線と、表皮の開裂予定線は同一形状であり、エアバッグカバーを正面側から投影観察すると、芯材の開裂予定線と、表皮の開裂予定線は完全に重なる。
特許文献1に開示されている構成では、エアバッグ膨出の際に、開裂予定線の分岐する箇所が斜め線であるため、直角に分岐させる場合と比べて、スムーズに開裂する。
ここで特許文献1に開示の開裂予定線に沿ってエアバッグカバーが開裂すると、エアバッグカバーには、4つの扉が形成される。
ところが、扉が4つになると、扉が2つの場合よりも各扉の大きさが小さくなり、エアバッグが膨出して扉を押し広げようとしても、各扉に押圧力が分散され、各扉が開きにくくなったり、各扉の開く速度に差が生じてしまう。そのためバランスよく4つの扉を同時に開くことが困難であり、エアバッグの適切な膨出に支障が出る可能性がある。
そこで本発明は、このような問題点に鑑み、車両の事故時にエアバッグカバーを開裂予定線に沿って開裂させ、素早く、確実にエアバッグを膨出させることができるエアバッグカバーを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、少なくとも芯材と表皮とによりなる層構造のパネルを備え、芯材には他の部位に比べて剛性を低下させた芯材側開裂予定線が設けられ、表皮にも他の部位に比べて剛性を低下させた表皮側開裂予定線が設けられ、前記芯材側開裂予定線は、一対の対向する線によって構成される芯材側対向線と、前記芯材側対向線の中間部同士を実質的に繋ぐ芯材側中間線とを備え、表皮側開裂予定線についても一対の対向する線によって構成される表皮側対向線と、前記表皮側対向線の中間部同士を実質的に繋ぐ表皮側中間線があり、芯材側開裂予定線と表皮側開裂予定線は、互いに形状が異なるものであり、前記芯材側対向線によって囲まれる領域を芯材側破壊予想領域とし、前記表皮側対向線と前記表皮側中間線との実質的結合部を表皮側結合点としたとき、前記表皮側対向線は前記表皮側結合点を基点として芯材側破壊予想領域の外側に向かって広がって行く直線、曲線、又は折れ線を描き、表皮側対向線の各端部はいずれも芯材側破壊予想領域の外側に至っていることを特徴とするエアバッグカバーである。
従来技術のエアバッグカバーでは、芯材に設けた開裂予定線と、表皮側の開裂予定線が同一形状であったが、本発明では、芯材側の開裂予定線と、表皮側の開裂予定線の形状が異なる。
即ち芯材側開裂予定線は、一対の対向する線によって構成される芯材側対向線と、前記芯材側対向線の中間部同士を実質的に繋ぐ芯材側中間線とを備え、略H形を呈するのに対し、表皮側開裂予定線は、表皮側結合点を基点として芯材側破壊予想領域の外側に向かって広がって行く直線、曲線、又は折れ線を描き、芯材側対向線の各端部はいずれも芯材側破壊予想領域の外側に至っている。
そのため請求項1の発明のエアバッグカバーでは、表皮側中間線から表皮側結合点を経て表皮側対向線に至る角度が鈍角に変化し、表皮がスムーズに開裂する。
また、本発明では、表皮側対向線の各端部がいずれも芯材側破壊予想領域の外側に至っており、芯材の観音開き式の扉の大きさよりも、表皮の開裂予定線と前記端部を結ぶ線で囲まれた部分が大きくなる。これにより、エアバッグ展開時に芯材の扉がスムーズに開放される。
なお、表皮の開裂予定線の端部は、芯材の終端同士を結ぶ線の延長線上の対向する位置を越えても良い。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、表皮側対向線の全4個の端部で囲まれる領域を表皮側破壊予想領域としたとき、エアバッグカバーを正面側から投影観察した場合に、前記表皮側破壊予想領域によって芯材側破壊予想領域が囲まれることを特徴とするエアバッグカバーである。
本発明のエアバッグカバーでは、芯材側破壊予想領域よりも表皮側破壊予想領域の方が広い。そのためエアバッグが膨出した際に表皮が千切れにくい。
請求項3に記載の発明は、請求項1の発明において、エアバッグカバーを正面側から投影観察した場合、表皮側中間線の中間部は芯材側破壊予想領域内にあり、前記芯材側対向線と前記芯材側中間線との実質的結合部を芯材側結合点としたとき、前記芯材側結合点と表皮側結合点との距離が30mm未満であり、前記表皮側結合点における、表皮側対向線と表皮側中間線がなす角度が100度〜150度の範囲であることを特徴とするエアバッグカバーである。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2の発明において、エアバッグカバーを正面側から投影観察した場合、表皮側中間線はその一部が芯材側破壊予想領域外に突出し、前記芯材側対向線と前記芯材側中間線との実質的結合部を芯材側結合点としたとき、前記芯材側結合点と表皮側結合点との距離が50mm未満であり、前記表皮側結合点における、表皮側対向線と表皮側中間線がなす角度が100度〜150度の範囲であることを特徴とするエアバッグカバーである。
請求項3,4の発明のエアバッグカバーは、前述のように構成することにより、表皮の開裂予定線の開裂方向が鈍角に変化し、スムーズで確実な開裂が可能となる。
また、エアバッグ展開時に芯材の扉がスムーズに開放される。
表皮の開裂予定線の分岐点から端部に至る部分が、曲線であることが望ましい。
表皮に設けられた分岐点から端部に至る部分が曲線であるならば、表皮の開裂予定線の端部までの距離を短くすることができる。よって、素早く、確実な開裂が可能となる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のエアバッグカバーが、車両に内装されるインストルメントパネルと一体成型されたことを特徴とするインストルメントパネルである。
請求項5の発明のインストルメントパネルは、エアバッグカバーと一体成型されることにより、組立工数等を削減でき、製造のコストダウンを図ることが可能となる。
本発明を実施すると、エアバッグカバーの経年劣化や、極端に低温の環境下においても、エアバッグカバーを開裂予定線に沿って開裂させることができる。その結果、表皮の飛散を防ぐことができる。また素早く、確実にエアバッグを膨出させることができるエアバッグカバーを提供することが可能となる。
次に本発明の具体的な実施形態について説明する。
図1は車両内装インストルメントパネルの斜視図であり、図2はエアバッグカバーの部分平面図であり、図3はエアバッグカバーを裏面側から見た分解斜視図であり、図4はエアバッグカバーが開裂予定線に沿って開裂した状態を示す斜視図である。
また、図5は図2におけるA−A断面図である。
図1に示すように、インストルメントパネル1は、車室内の左右全域に渡って配置されており、その左側、すなわち助手席側にはエアバッグカバー2が設けられている。
なお、本実施の形態では、エアバッグカバー2は、インストルメントパネル1と一体成型される場合を示しているが、エアバッグカバー2はインストルメントパネル1と別に構成し、インストルメントパネル1に装着してもよい。
図5に示すように、エアバッグカバー2は表皮3、緩衝材(発泡層)4、芯材5の3層から構成されている。
すなわち、これら3層は、インストルメントパネルを構成するものである。仮に、エアバッグカバーをインストルメントパネル1と別に構成する場合には、緩衝材4や芯材5は、インストルメントパネル1を構成するものとは別の素材を採用することもできる。ただし、表皮3だけは外観を損なわないように、共通のものを採用するのが好ましい。
具体的には、表皮3は溶融した熱可塑性ウレタンで構成される。
緩衝材4は弾性のある発泡ポリウレタンで構成される。
芯材5はエアバッグ膨出エリアのみ射出成形された熱可塑性オレフィンのエラストマーで構成され、エアバッグ膨出エリア外の箇所はタルクを補強材として混合したポリプロピレンで構成されている。
図5に示すように表皮3の裏面には、溝で形成される表皮側開裂予定線21が設けられている。
表皮側開裂予定線21を構成する溝は、例えばナイフにより形成される。
表皮側開裂予定線21(溝)は、事故発生時には開裂し易く、かつ通常時には少々力が作用しても開裂しないことが求められる。そのため、溝の深さは、表皮3の厚みに対して半分程度にすることが望ましい。
本実施の形態では、表皮3の厚み1mmに対して、表皮側開裂予定線21の溝の深さを0.5mmとしている。
すなわち、表皮側開裂予定線21部分の表皮3の厚みは、0.5mm程度である。
同様に、芯材5の裏面には、溝で形成される芯材側開裂予定線11が設けられている。
芯材側開裂予定線11を構成する溝は、射出成形時に金型によって形成される。
芯材側開裂予定線11(溝)は、事故発生時には開裂し易く、かつ通常時には少々力が作用しても開裂しないことが求められる。そのため、溝の深さは、芯材5の厚みに対して6分の5程度にすることが望ましい。
本実施の形態では、芯材5の厚み3mmに対して、芯材側開裂予定線11の溝の深さを2.5mmとしている。
すなわち、芯材側開裂予定線11部分の芯材5の厚みは、0.5mm程度である。
ちなみに、芯材側開裂予定線11の溝の幅は1mmである。
また、表皮3と芯材5の間に設けた緩衝材4の厚みは5mmである。
図2、図3に示すように、芯材5の裏面には、H字形状の芯材側開裂予定線11が設けられている。即ち芯材側開裂予定線11は、図3の様に一対の平行に対向する直線によって構成される縦線たる芯材側対向線50,51と、芯材側対向線50,51の中心同士を繋ぐ横線たる芯材側中間線52とを備える。芯材側対向線50,51と芯材側中間線52との成す角度は垂直である。
本実施形態では、芯材側開裂予定線11は連続した溝であるから、芯材側対向線50,51と芯材側中間線52とは、芯材側結合点13で結合されている。
しかしながら、例えば破線状に並んだ溝によって芯材側開裂予定線11を形成する場合には芯材側対向線50,51と芯材側中間線52とが厳密に繋がっていない場合もある。この場合は、実質的な結合点たる芯材側中間線52の延長線と芯材側対向線50,51との交点が芯材側結合点13となる。
また、芯材側開裂予定線11の芯材側中間線52の中心部は開裂開始領域12として機能する。芯材側対向線50,51にはそれぞれ終端14a,14b,14c,14dがある。
芯材側開裂予定線11の同じ側の終端14同士を結んだ線を芯材側ヒンジ辺15と称する。
芯材側開裂予定線11と、芯材側ヒンジ辺15とでエアバッグドア10が形成される。よって、芯材5には観音開き式の2枚の扉から成るエアバッグドア10が形成される。芯材側開裂予定線11で囲まれる領域が芯材側破壊予想領域55である。具体的には、芯材側対向線50,51と、芯材側ヒンジ辺15で囲まれる領域が芯材側破壊予想領域55である。すなわち、対向する終端同士を結ぶ直線である2つの芯材側ヒンジ辺15と、2つの芯材側対向線50,51とで囲まれる領域が芯材側破壊予想領域55である。
同じく、エアバッグカバー2の表皮3の裏面には、表皮側開裂予定線21が設けられている。
図3に示すように、表皮側開裂予定線21は、表皮側対向線60,61、及び表皮側中間線62とで構成される。表皮側対向線60は、連続する2つの直線65,66で構成されており、同様に表皮側対向線61は、直線67,68で構成されている。すなわち、各々連続する2つの直線で構成される表皮側対向線60と表皮側対向線61とが一対となって対向している。表皮側対向線60の2つの直線65,66の表皮側結合点63(分岐点23)には表皮側中間線62の一端が接続されている。
表皮側中間線62の他端は、表皮側対向線61の2つの直線67,68の表皮側結合点63(分岐点23)に接続されている。すなわち、表皮側中間線62の両端は、各々分岐点23で分岐している。表皮側開裂予定線21の表皮側結合点63近傍を観察すると、略「Y」形を呈しており、直線65,66は、表皮側結合点63を基点として芯材側破壊予想領域55の外側に向かって広がって行く直線である。
そして表皮側対向線の各端部24a,24b,24c,24dは、いずれも芯材側破壊予想領域55の外側に至っている。
また、表皮側開裂予定線21の表皮側中間線62の中心部は開裂開始領域22として機能する。
表皮側開裂予定線21の同じ側の終端24同士を結んだ線を表皮側ヒンジ辺25と称する。
表皮側開裂予定線21と、表皮側ヒンジ辺25とで表皮ドア20が形成されている。これにより、表皮3には観音開き形状の2枚の扉が形成される。
図2に示すように、表皮3の表皮側開裂予定線21の終端24を、芯材5の芯材側ヒンジ辺15の延長線上を越えることにより、芯材5のエアバッグドア10の大きさよりも、表皮3の表皮ドア20の大きさが投影視で大きくなる。
すなわち、表皮側開裂予定線21で囲まれる領域が表皮側破壊予想領域70(図3)である。具体的には、表皮側芯材側対向線60,61と、表皮側ヒンジ辺25で囲まれる領域が表皮側破壊予想領域70である。
従ってエアバッグカバーを正面側から投影観察した場合、前記表皮側破壊予想領域70によって芯材側破壊予想領域55が囲まれる。
なお、本実施の形態では、表皮3の表皮側開裂予定線21の終端24が、芯材5の芯材側ヒンジ辺15の延長線上を投影視で越えている例を描写しているが、芯材側ヒンジ辺15の延長線上に位置しても良い。
図2に示すように、芯材5の芯材側開裂予定線11と表皮3の表皮側開裂予定線21は、投影視すると、エアバッグ膨出方向に部分的に重なる。具体的には、表皮側中間線62が芯材側中間線52に重なる。ただし表皮側中間線62は芯材側中間線52よりも長く、表皮側中間線62の両端は、芯材側破壊予想領域55外に突出する。
なお、表皮3の表皮側開裂予定線21の分岐点23(表皮側結合点63)では、符号aで示す分岐角度で開裂予定線21は分岐する。投影視で芯材5の芯材側結合点13から、表皮側結合点63までの距離をbとする。これら分岐角度aと距離bは、後述する表1に示す評価結果で詳述する。
次に、本実施形態のエアバッグカバーにおける、エアバッグ膨出時の開裂動作について説明する。
図3において、エアバッグ(図示せず)が膨張すると、エアバッグの膨出力(押圧力)が芯材5に作用する。前記膨出力により、芯材5は、開裂開始領域12がまず開裂(破断)し、そこから開裂予定線11に沿って順に開裂が進み、分岐点(芯材側結合点13)を経て、終端14まで開裂する。さらにエアバッグが膨張を続け、エアバッグドア10は押し開けられ、エアバッグドア10は芯材側ヒンジ辺15を支点に回動して開く。
エアバッグドア10は緩衝材4を破りながら開き、その際、表皮3には押圧力が作用する。前記押圧力により、表皮3は開裂開始領域22がまず開裂し、そこから開裂予定線21に沿って順に開裂が進み、分岐点23(表皮側結合点63)を経て、終端24まで開裂する。さらにエアバッグが膨張を続け、表皮ドア20を押し開き、表皮ドア20は表皮側ヒンジ辺25を支点に回動して開き、エアバッグ(図示せず)は車両室内に飛び出す。
エアバッグ(図示せず)が車両室内に飛び出すと、図4に示すように、エアバッグドア10及び表皮ドア20が開放された状態となる。
ちなみに、エアバッグドア10の大きさは、芯材側開裂予定線11で囲まれる領域である芯材側破壊予想領域55と同一である。また、表皮ドア20の大きさは、表皮側開裂予定線21で囲まれる領域である表皮側破壊予想領域70と同一である。
なお、図4では、緩衝材4の描写は、説明の都合上、省略した。
図6(a)に示すように、表皮3の分岐点23(表皮側結合点63)から終端24に至る表皮側開裂予定線21が、折れ線である場合も考えられる。
また、図6(b)に示すように、表皮3の分岐点23(表皮側結合点63)から終端24に至る表皮側開裂予定線21が、曲線である場合も考えられる。
なお、図6(a)、(b)の表皮側開裂予定線21の内、表皮側対向線60,61は一対の対向線を構成している。
次に、上述のように構成した本実施形態のエアバッグカバーの表皮が経年劣化したり、極端に低温の環境下におかれると、どのように開裂するか、加熱老朽化後の低温環境を再現して実験を行い、評価を行った。
詳しく説明すると、エアバッグカバーを摂氏120度の高温に1000時間さらした後、マイナス40度の低温環境下において、エアバッグ膨出実験を行い、エアバッグカバーの開裂状態を評価した。
評価サンプル数は、本実施形態の実施例においてNo.1〜12までの12個の評価を実施し、従来技術との比較例としてNo.1〜3までの評価を実施した。
なお、比較例No.1〜3の表皮の分岐部形状の欄については、表皮形状を表している。
前記評価結果は表1の通りとなった。
表皮の評価結果として、開裂予定線をオーバーランした場合を×とし、多少オーバーランした場合を△とし、オーバーランしなかった場合を○とした。
実験に使用した芯材側開裂予定線11の形状は、図3の通りであり、「H」状である。また実験に使用した表皮側開裂予定線12の形状は、図3の通りであり、二つの直線67,68を中間部で接合した形状である。二つの直線65,66の接合部分に表皮側中間線62が接続されている。この形状は、分岐部の形状が「Y」形である。
図2に示す通り、直線67,68と表皮側中間線62との間の角度をaとしている。また、芯材5の芯材側結合点13から、表皮側結合点63までの距離をbとしている。
なお、本実施形態の実施例のNo.12は、表皮の開裂予定線の分岐点から終端に至る形状が曲線の評価結果を表している。
比較例は、比較例1を除いて、いずれも芯材側開裂予定線と表皮側開裂予定線が同一形状である。
すなわち、比較例2は、図8で示した略「X」状である。比較例3は、図7で示した「H」状である。
なお、比較例1は、表皮側開裂予定線が一本の直線であり、芯材側開裂予定線は、「H」状である。
Figure 0005305835
表1の評価結果より、従来のエアバッグカバーでは、エアバッグカバーの表皮が経年劣化したり、極端に低温の環境下におかれると、正常にエアバッグの展開がしにくいことがわかる。
詳しく説明すると、比較例1(表皮ドアなしの一文字形状)は、開裂予定線を逸脱して開裂し、表皮が破損した。
比較例2(表皮ドアが4つ)では、4つの表皮ドアの内、比較的小さな2つの扉が開かなかった。
比較例3(表皮ドアが2つ)では、分岐点で開裂予定線を逸脱して開裂し、表皮が破損した。
一方、本発明を実施したエアバッグカバーは、概ね良好な結果を呈している。
表1から、特に表皮3の表皮側開裂予定線21の分岐角度aは、100〜150°が最適であることがわかる。
また、芯材5の芯材側結合点13から、表皮3の分岐点23(表皮側結合点63)までの距離bは、−30〜50mmが最適であることがわかる。
詳細に説明すると、表皮3に設けられた表皮側開裂予定線21のうち、分岐点23から表皮側ヒンジ辺25に向かって延びる線が直線である場合、表皮3の表皮側開裂予定線21の分岐角度aが、100〜150°の範囲であり、かつ芯材5の芯材側結合点13から表皮3の分岐点23までの距離bが、−30〜50mmの範囲である場合に、素早く、正常なエアバッグ展開が出来ることが判明した。
また、図6(b)に示すように、表皮3に設けられた表皮側開裂予定線21のうち、分岐点23から表皮側ヒンジ辺25に向かって延びる線が曲線である場合も、上述の範囲である場合に、素早く、正常なエアバッグ展開が出来る。
なお、分岐点23から延びる線が曲線であるため、分岐点23から20mmの箇所の接線の角度を、角度aとした。
以上より、本発明を実施すると、エアバッグカバーが経年劣化したり、極端に低温の環境下においても、エアバッグカバーの表皮の飛散や破損を防止し、素早く、確実にエアバッグを膨出させることができるエアバッグカバーを提供することが可能となる。
車両内装インストルメントパネルの斜視図である。 エアバッグカバーの部分平面図であり、実験に使用した開裂予定線の形状を示すものである。 裏面側から見たエアバッグカバーの分解斜視図である。 開裂予定線に沿って開裂した状態のエアバッグカバーの斜視図である。 図2におけるエアバッグ膨出エリアのA−A断面図である。 エアバッグカバーの部分平面図であり、(a)は表皮の分岐点(表皮側結合点)から終端に至る開裂予定線が折れ線であり、(b)は分岐点から終端に至る開裂予定線が曲線であり、実験に使用した開裂予定線の形状を示すものである。 従来のエアバッグカバーの部分平面図である。 従来のエアバッグカバーの部分平面図である。
1 インストルメントパネル
2 エアバッグカバー
3 表皮
4 緩衝材
5 芯材
10 エアバッグドア
11 芯材側開裂予定線
12 開裂開始領域
13 芯材側結合点
14 終端
15 芯材側ヒンジ辺
20 表皮ドア
21 表皮側開裂予定線
22 表皮側開裂開始領域
23 分岐点
24 終端
25 表皮側ヒンジ辺
50,51 芯材側対向線
52 芯材側中間線
55 芯材側破壊予想領域
60,61 表皮側対向線
62 表皮側中間線
63 表皮側結合点

Claims (5)

  1. 少なくとも芯材と表皮とによりなる層構造のパネルを備え、芯材には他の部位に比べて剛性を低下させた芯材側開裂予定線が設けられ、表皮にも他の部位に比べて剛性を低下させた表皮側開裂予定線が設けられ、前記芯材側開裂予定線は、一対の対向する線によって構成される芯材側対向線と、前記芯材側対向線の中間部同士を実質的に繋ぐ芯材側中間線とを備え、表皮側開裂予定線についても一対の対向する線によって構成される表皮側対向線と、前記表皮側対向線の中間部同士を実質的に繋ぐ表皮側中間線があり、芯材側開裂予定線と表皮側開裂予定線は、互いに形状が異なるものであり、前記芯材側対向線によって囲まれる領域を芯材側破壊予想領域とし、前記表皮側対向線と前記表皮側中間線との実質的結合部を表皮側結合点としたとき、前記表皮側対向線は前記表皮側結合点を基点として芯材側破壊予想領域の外側に向かって広がって行く直線、曲線、又は折れ線を描き、表皮側対向線の各端部はいずれも芯材側破壊予想領域の外側に至っていることを特徴とするエアバッグカバー。
  2. 表皮側対向線の全4個の端部で囲まれる領域を表皮側破壊予想領域としたとき、エアバッグカバーを正面側から投影観察した場合に、前記表皮側破壊予想領域によって芯材側破壊予想領域が囲まれることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグカバー。
  3. エアバッグカバーを正面側から投影観察した場合、表皮側中間線の中間部は芯材側破壊予想領域内にあり、前記芯材側対向線と前記芯材側中間線との実質的結合部を芯材側結合点としたとき、前記芯材側結合点と表皮側結合点との距離が30mm未満であり、前記表皮側結合点における、表皮側対向線と表皮側中間線がなす角度が100度〜150度の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグカバー。
  4. エアバッグカバーを正面側から投影観察した場合、表皮側中間線はその一部が芯材側破壊予想領域外に突出し、前記芯材側対向線と前記芯材側中間線との実質的結合部を芯材側結合点としたとき、前記芯材側結合点と表皮側結合点との距離が50mm未満であり、前記表皮側結合点における、表皮側対向線と表皮側中間線がなす角度が100度〜150度の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグカバー。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のエアバッグカバーが、車両に内装されるインストルメントパネルと一体成型されたことを特徴とするインストルメントパネル。
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