JP2002012116A - エアバッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法 - Google Patents
エアバッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法Info
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Abstract
ネルを一体化する際に特に工具等を必要とせずに、一体
化することが可能となり、また、エアバッグブラケット
とインストルメントパネルとの接合を強度が高く、イン
ストルメントパネルに引け等の外観不良のないエアバッ
グドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 エアバッグ7が膨出する開口部を閉成
し、前記エアバッグ7作動時の膨張圧力によって展開す
るエアバッグドア10を一体に形成したエアバッグドア
一体型インストルメントパネル1であって、前記エアバ
ッグ7を収納するエアバッグケース6が取り付けられる
取付部3aと、前記エアバッグドア10に接合し、前記
エアバッグドア10を補強する補強部3bが一体に形成
された前記エアバッグドア10の裏側に、エアバッグブ
ラケット3を振動溶着で接合する。
Description
体型インストルメントパネルに関し、特に、助手席前方
に形成されるエアバッグドア一体型インストルメントパ
ネル及びその製造方法に関する。
置が設けられるようになった。このエアバッグ装置は、
エアバッグと当該エアバッグが収納されるエアバッグケ
ースとからなり、助手席の前方のインストルメントパネ
ルの裏側に取り付けられる。エアバッグ装置が設けられ
たインストルメントパネルのエアバッグは、エアバッグ
のための展開開口部を有し、この開口部は平時には前記
インストルメントパネルと同種の外観をもったエアバッ
グドアによって覆われている。そして、一旦衝突などに
よって車両が大きな衝撃を受けた時には、前記エアバッ
グケース内に収納されているエアバッグが作動して膨張
し、このエアバッグドアを内側から押し広げて開口させ
る。
トルメントパネルとしては、インストルメントパネルの
成形後にエアバッグドアを取り付けた後付けタイプと、
インストルメントパネルの成形時に一体にエアバッグド
アを設けた一体型タイプとがあり、成形作業性及びエア
バッグドア周囲の隙間による外観低下等の点から一体型
タイプが好ましいとされている。
ンストルメントパネルには、例えば、特開平11−34
2818号公報に開示されているようなものがある。こ
れは、予め別に成形したエアバッグケースとの取付部及
びエアバッグドアの補強部(ブラケット)を一体に形成
されたエアバッグドアインサートを金型にセットして、
このエアバッグドアインサートと異なる樹脂でインスト
ルメントパネルを射出成形したものである。このよう
に、樹脂の種類が異なるため、成形収縮の違い、熱膨張
量の違いにより、エアバッグドアインサートとインスト
ルメントパネルの接合部分で変形が起こり、外観不良と
なる場合がある。また、予め別に成形したエアバッグド
アインサートを金型にセットしなければならないため、
金型に精密なセット機械が必要となる。したがって、金
型の製造コストが増加の要因の一つとなっている。
とインストルメントパネルを一体化する際に特に工具等
を必要とせずに、一体化することが可能となり、また、
エアバッグブラケットとインストルメントパネルとの接
合を強度が高く、インストルメントパネルに引け等の外
観不良のないエアバッグドア一体型インストルメントパ
ネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
の請求項1の発明は、エアバッグが膨出する開口部を閉
成し、前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開す
るエアバッグドアを一体に形成したエアバッグドア一体
型インストルメントパネルであって、前記エアバッグド
アの裏側に、前記エアバッグを収納するエアバッグケー
スが取り付けられる取付部と、前記エアバッグドアに接
合し、前記エアバッグドアを補強する補強部が一体に形
成されたエアバッグブラケットが振動溶着で接合してい
るエアバッグドア一体型インストルメントパネルであ
る。エアバッグブラケットとインストルメントパネルが
別成形であり、これらが直接振動溶着によって接合して
いるため、インストルメントパネル側の肉厚や樹脂組成
の均一化が可能である。このため、インストルメントパ
ネルの表面にひけやそり等のない外観の良好な成形品を
得ることができる。
ブラケットの前記補強部のエアバッグドアとの接合面側
には複数の凸部が分散し、前記凸部が振動溶着によって
前記エアバッグドアの裏側に接合している請求項1に記
載のエアバッグドア一体型インストルメントパネルであ
る。エアバッグブラケットの接合面側に複数の凸部が分
散し、これら凸部が振動溶着しているため、接合部が分
散して、衝撃力やせん断力等が作用した場合であって
も、これら応力を緩和することができる。
ドアは、前記エアバッグの膨張圧力によって開裂する開
口予定部とヒンジ部とを有し、前記エアバッグブラケッ
トの前記補強部は、前記エアバッグドアのヒンジ部及び
開口予定部に相応する部分に、ヒンジ部及び開口予定部
が形成され、前記ヒンジ部が、エアバッグ側に湾曲して
形成されている請求項1又は2に記載のエアバッグドア
一体型インストルメントパネルである。エアバッグドア
に接合される補強部のヒンジ部がエアバッグ側に湾曲し
ているため、エアバッグドア展開時にヒンジ部で干渉す
ることなくスムーズに展開し、インストルメントパネル
が破損することがなくなる。
ブラケットが、エラストマー製であり、硬度がショアー
A70°〜90°である請求項1〜3のいずれかに記載
のエアバッグドア一体型インストルメントパネルであ
る。エアバッグブラケットの硬度がショアーA70°〜
90°のエラストマー製であるため、エアバッグの膨張
力によっても破損することがなく、インストルメントパ
ネルと一体となって展開する。
出する開口部を閉成し、前記エアバッグ作動時の膨張圧
力によって展開するエアバッグドアを一体に形成したエ
アバッグドア一体型インストルメントパネルの製造方法
であって、前記エアバッグを収納するエアバッグケース
が取り付けられる取付部と、前記エアバッグドアに接合
し、前記エアバッグドアを補強する補強部が一体に形成
されたエアバッグブラケットを振動溶着で接合するエア
バッグドア一体型インストルメントパネルの製造方法で
ある。エアバッグブラケットを直接インストルメントパ
ネルの裏面側に振動溶着するため、インストルメントパ
ネルの成形は従来用いていた金型を使用することができ
る。
の一実施形態例を説明する。図1は、本発明に係るエア
バッグドア一体型インストルメントパネル1の断面概略
図である。図2は、エアバッグブラケットとインストル
メントパネルの振動溶着前の状態を裏面側からみた斜視
図である。
インストルメントパネル1は、図1に示すようにインス
トルメントパネル2のエアバッグドア10が形成されて
いる裏面側にエアバッグブラケット3が直接振動溶着に
よって固定され、このエアバッグブラケット3にエアバ
ッグ7が収納されたエアバッグケース6が固定されてい
るものである。
プロピレン樹脂をタルク、マイカ又はガラス等で補強し
たフィラー入りポリプロピレン樹脂(以下、PPC樹脂
という。)、変性PPO樹脂、ABS樹脂等の樹脂を基
材として、射出成形等で、所定の形状に形成される。
図2に示すように、エアバッグの膨張によって展開する
エアバッグドア10が形成されている。
め、適宜深さのノッチによって薄肉にされた開口予定部
となるティアライン8と、この開裂溝5を境としてその
両側にエアバッグドア10が展開した時に、回転軸とな
るヒンジ部9とで形成されている。
部3aと、エアバッグドア10に接合され、エアバッグ
ドア10を補強する補強部3bが一体に形成されたエア
バッグブラケット3は、エアバッグドア10の裏面側に
振動溶着によって固定されている。このエアバッグブラ
ケット3は、インストルメントパネル2と同一の材質の
PPC樹脂、変性PPO樹脂、ABS樹脂等や、低温脆
化特性に優れた熱可塑性オレフィン(以下、TPOとい
う。)等のエラストマーを使用することが好ましい。そ
して、硬度がショアーA50°〜100°、特に70°
〜90°であるものが好ましい。さらに、曲げ弾性係数
が200〜500MPa、特に250〜350MPaの
ものが好ましい。これによって、溶着後、高い溶着強度
で固定され、低温雰囲気下においても、低温脆化するこ
と無く使用することが可能となる。
は、図1に示すように、エアバッグ7の膨張力によって
開裂する開裂溝5が形成され、この開裂溝5を境とし
て、展開時の回転支持部となるヒンジ部4が形成されて
いる。このヒンジ部4は、エアバッグ7側に突出するよ
うに湾曲していることが好ましい。これによって、展開
時にインストルメントパネル2のヒンジ部9の表面側で
干渉部分が発生することがなくなり、スムーズに展開す
るようになる。
bのインストルメントパネル2との接合部側は、図4に
示すようにその接合面20の表面に凸部21が分散して
形成されていることが好ましい。この凸部21は、図4
(a)に示すように、任意の間隔で接合面20の全体に
分散している。このため、溶着後は、インストルメント
パネル2のエアバッグドア10との溶着部が分散するこ
とになり、接合面に作用する熱応力等の応力や衝撃力が
分散して作用する。
0側には、これら凸部21に相応する部分に、凸部21
の先端面積よりも大きい面積を有する図示しない凹部が
形成されていることが好ましい。これによって、振動溶
着時に生成するバリの逃げを形成することが可能とな
る。このため、エアバッグブラケット3とインストルメ
ントパネル2とが異種材料である場合であっても、熱膨
張率の違いによって接合部が変形や破損することを抑制
することができる。
ンストルメントパネル1におけるエアバッグブラケット
3のインストルメントパネル2への固定方法について説
明する。
インストルメントパネル2のエアバッグドア10を形成
している芯材の上に、エアバッグブラケット3を設置す
る。この時、エアバッグブラケット3の補強部3bに形
成されている開口予定部分と、インストルメントパネル
2のティアライン8及び開裂溝5とを合わせて設置す
る。
(b)に示すように2次元的に振動を加える。この振動
により、エアバッグブラケット3の補強部3の接合面2
0に形成されている凸部21(図4参照)が、振動によ
る摩擦熱によって、溶融し、図3(c)に示すような状
態となって溶着される。この時、溶着部14から外側に
バリ15がはみ出すようになる。このバリ15は、前述
したように、凹部13の面積を凸部12の先端面積より
も大きく形成することで、逃がすことが可能となる。こ
のため、エアバッグブラケット3とインストルメントパ
ネル2の芯材とが熱膨張率が大きく異なる材質でも、熱
履歴を受けたときに伸縮することが可能となり、熱応力
による歪みや破壊を抑止することができる。また、この
凸部12は、図4に示すように円形状をしているため、
接合後の接着面積を広くすることができる。
ッグドア一体型インストルメントパネル1は、インスト
ルメントパネル2の裏面側に形成されたエアバッグドア
10に、エアバッグブラケット3をインストルメントパ
ネル2に直接振動溶着によって固定されたものである。
このように、本実施形態例では、別に成形されたエアバ
ッグブラケット3をインストルメントパネル2に振動溶
着によって固定するため、インストルメントパネル2の
肉厚や樹脂組成の均一化が可能となる。このため、イン
ストルメントパネル2にひけやそりが発生せず、外観が
良好な形成品を得ることができる。
るエアバッグブラケット3は、前述のようにエアバッグ
ドアの展開時に回転軸となるヒンジ部4が、エアバッグ
側に突出して屈曲していると共に、インストルメントパ
ネル2に設けられたヒンジ部9が薄肉となっている。こ
のため、図6に示すように、エアバッグドアが展開した
時、インストルメントパネル2の表面側に干渉が発生せ
ず、エアバッグドアの展開がスムーズに行われる。さら
に、エアバッグケースとの取付部3aが一体に形成され
ているため、エアバッグケースの取付等を容易に行うこ
とが可能となる。
インストルメントパネル1は、前述の実施形態例に示し
たような、エアバッグドアの両開きタイプのものに限定
されるものではなく、例えば、図7に示すような片開き
タイプのものとすることも可能である。
メントパネル側にエアバッグブラケットを直接振動溶着
によって固定するために別途固定部分を形成する必要も
なく、インストルメントパネルの表面にひけ等の外観不
良の発生を防ぐことができる。また、振動溶着であるた
め、高い溶着力でエアバッグブラケットをインストルメ
ントパネルに固定することができるため、エアバッグの
膨張力により、エアバッグドアが展開する時に、インス
トルメントパネルと一体となって展開するため、エアバ
ッグ展開時のインストルメントパネルの変形や破損を防
止することができる。また、エアバッグブラケットが低
温脆化に優れたTPO等によって形成されているため低
温雰囲気下に使用することができる。
メントパネルの実施形態例の一例の断面概略図である。
メントパネルのエアバッグブラケットとインストルメン
トパネルの振動溶着前の状態を説明するための図であ
る。
メントパネルのエアバッグブラケットとインストルメン
トパネルの振動溶着法を説明するための図である。
(a)は組付け前の状態を示す図であり、(b)は振動
溶着時の振動方向を説明するための図であり、(c)は
溶着後の状態を示す図である。
斜視図である。 (b)(a)におけるA−A線断面図である。
メントパネルにおける展開前のヒンジ部の拡大断面図で
ある。
メントパネルにおける展開後のヒンジ部の拡大断面図で
ある。
メントパネルの他の実施形態例の断面概略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開するエア
バッグドアを一体に形成したエアバッグドア一体型イン
ストルメントパネルであって、 前記エアバッグドアの裏側に、前記エアバッグを収納す
るエアバッグケースが取り付けられる取付部と、前記エ
アバッグドアに接合し、前記エアバッグドアを補強する
補強部が一体に形成されたエアバッグブラケットが振動
溶着で接合しているエアバッグドア一体型インストルメ
ントパネル。 - 【請求項2】 前記エアバッグブラケットの前記補強部
のエアバッグドアとの接合面側には複数の凸部が分散
し、前記凸部が振動溶着によって前記エアバッグドアの
裏側に接合している請求項1に記載のエアバッグドア一
体型インストルメントパネル。 - 【請求項3】 前記エアバッグドアは、前記エアバッグ
の膨張圧力によって開裂する開口予定部とヒンジ部とを
有し、前記エアバッグブラケットの前記補強部は、前記
エアバッグドアのヒンジ部及び開口予定部に相応する部
分に、ヒンジ部及び開口予定部が形成され、前記ヒンジ
部が、エアバッグ側に湾曲して形成されている請求項1
又は2に記載のエアバッグドア一体型インストルメント
パネル。 - 【請求項4】 前記エアバッグブラケットが、エラスト
マー製であり、硬度がショアーA70°〜90°である
請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグドア一体型
インストルメントパネル。 - 【請求項5】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開するエア
バッグドアを一体に形成したエアバッグドア一体型イン
ストルメントパネルの製造方法であって、 前記エアバッグドアの裏側に、前記エアバッグを収納す
るエアバッグケースが取り付けられる取付部と、前記エ
アバッグドアに接合し、前記エアバッグドアを補強する
補強部が一体に形成されたエアバッグブラケットを振動
溶着で接合するエアバッグドア一体型インストルメント
パネルの製造方法。
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