JP2002200957A - エアバッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法 - Google Patents

エアバッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法

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JP2002200957A
JP2002200957A JP2000402914A JP2000402914A JP2002200957A JP 2002200957 A JP2002200957 A JP 2002200957A JP 2000402914 A JP2000402914 A JP 2000402914A JP 2000402914 A JP2000402914 A JP 2000402914A JP 2002200957 A JP2002200957 A JP 2002200957A
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airbag door
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door
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Takuya Kurimoto
拓也 栗本
Akira Takenaka
章 竹中
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグドア展開時にエアバッグドア及び
エアバッグが変形や破損することなくエアバッグを膨出
可能なエアバッグドア一体型インストルメントパネル及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくともエアバッグドア5の長手方向
に相対するエアバッグブラケット17の開口部21の長
さBを前記エアバッグドア5の長手方向の長さAよりも
短くしたエアバッグドア一体型インストルメントパネル
及びその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアバッグ一体型
インストルメントパネルに関し、特に、助手席前方に形
成されるエアバッグ一体型インストルメントパネル及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の助手席にもエアバッグ装
置が設けられるようになった。このエアバッグ装置は、
エアバッグと当該エアバッグが収納されるエアバッグケ
ースとからなり、助手席の前方のインストルメントパネ
ルの裏側に取り付けられる。エアバッグ装置が設けられ
たインストルメントパネルのエアバッグは、エアバッグ
のための展開開口部を有し、この開口部は平時には前記
インストルメントパネルと同種の外観をもったエアバッ
グドアによって覆われている。そして、一旦衝突などに
よって車両が大きな衝撃を受けた時には、前記エアバッ
グケース内に収納されているエアバッグが作動して膨張
し、このエアバッグドアを内側から押し広げて開口させ
る。
【0003】これら従来技術にあっては、エアバッグド
アをインストルメントパネルと一体とせず、別部品にて
製造し、後工程にてインストルメントパネルと結合した
り、更に、エアバッグドアとインストルメントパネル本
体の樹脂を異なるものとする2色成型が行われている。
【0004】しかしながら、上記従来の技術には次のよ
うな問題がある。即ち、(1)別部品のエアバッグドア
を設定する場合、外観上、インストルメントパネルとの
一体感が損なわれる。(2)2色成型において材料が異
なることにより、その2種類の材料に接合部が発生し、
一体感が損なわれる。(3)従来のインストルメントパ
ネルに用いられている樹脂材料では、エアバッグドアに
求められる要求性能を満足できない。
【0005】そこで、例えば、本出願人による特開平1
0−44910号公報に提案されているようなエアバッ
グ一体インストルメントパネルがある。ここで提案され
ているエアバッグ一体インストルメントパネルは、図8
及び図9に示すように、エアバッグ一体インストルメン
トパネル51の裏面に所定形状のティアライン55とこ
のインストルメントパネル52のエアバッグドア周辺を
補強するとともにエアバッグドア54となる別部品の補
強板を設定し、該別部品のエアバッグドア54とインス
トルメントパネル52とを補強部材61等を介してビス
62等の締結部材によって結合して一体化したものであ
る。
【0006】また、特開平7−291078号公報に
は、図10に示すようにインストルメントパネル70の
裏面側に熱かしめ用のボス71が一体に突設され、この
熱かしめ用のボス71で補強板72を貫通してこのボス
71でかしめることで、補強板72を固定して裏打ち
し、エアバッグドア周辺部分のインストルメントパネル
70の変形または破損を招くことなく、エアバッグ73
を確実に展開でき、外観の良好なインストルメントパネ
ル70とできるエアバッグドア部の構造が提案されてい
る。
【0007】前者の特開平10−44910号公報によ
るものは、エアバッグドア54が、高い結合力でインス
トルメントパネル52に結合されているため、エアバッ
グの展開時にインストルメントパネル52の変形や破損
を招くことなく、エアバッグドア54はインストルメン
トパネル52と一緒に展開する。ところが、ビス62等
の締結部材と締結するために、図5に示すようにボス部
64等をインストルメントパネルの裏面側に別途形成す
る必要があった。
【0008】また、後者の特開平7−291078号公
報によるものは、熱かしめによってインストルメントパ
ネルに補強板を結合している。熱かしめの場合、固定す
るためのボスを大きくとると、ひけが発生するためボス
を大きくすることが困難であり、そのため、強度のある
固定が難しく、エアバッグドア展開時に熱かしめ部分が
外れ、補強板72とインストルメントパネル70とが一
体でなくなり、エアバッグ73の展開時にインストルメ
ントパネル70が変形や破損するという問題があった。
【0009】さらに、前記エアバッグドア一体インスト
ルメントパネルでは、エアバッグドア開口部の面積と前
記エアバッグを収納するエアバッグケースが取り付けら
れる取付部が一体に形成されたエアバッグブラケットの
開口部の面積がほぼ等しく、その為にエアバッグ膨出時
にエアバッグドア開口部の端部にある芯材と干渉し、エ
アバッグの破損、破れが生じていた。
【0010】この、エアバッグの破れ・破損は、エアバ
ッグドアの開口部(縁部)がエアバッグの展開する範囲
中にあり、展開時に干渉が起こる為である。エアバッグ
に破れが生じるとエアバッグの展開圧が減少し、車両が
衝突してもエアバッグから空気が漏れた状態となり、車
両衝突時に乗員を保護するという目的を十分に満足しな
いことになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、イ
ンストルメントパネルにエアバッグドアを一体に形成す
る際に、エアバッグケースを取り付ける取付部を一体に
形成したエアバッグブラケットの開口部の面積をエアバ
ッグドアの開口部の面積よりも小さくし、さらにエアバ
ッグドア部周辺を補強する補強板を締結するためにイン
ストルメントパネル側に別途締結用の部材を形成するこ
となく、高い結合力でインストルメントパネルに固定で
き、エアバッグドア展開時に変形や破損することなくエ
アバッグを膨出可能なエアバッグドア一体型インストル
メントパネル及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項1は、エアバッグが膨出する開口部を
閉成し、前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開
するエアバッグドアを一体に形成したエアバッグドア一
体型インストルメントパネルであって、前記エアバッグ
ドアの裏側に、前記エアバッグを収納するエアバッグケ
ースが取り付けられる取付部が一体に形成されたエアバ
ッグブラケットが接合しており、前記エアバッグドアの
面積が前記エアバッグブラケットの開口部の面積よりも
大きいエアバッグドア一体型インストルメントパネルに
ある。
【0013】請求項1に記載の発明によれば、前記エア
バッグドアの面積が前記エアバッグブラケットの開口部
の面積よりも大きいエアバッグドア一体型インストルメ
ントパネルとすることによって、エアバッグ膨出時にエ
アバックドア開口部の端部にある芯材と干渉し、エアバ
ッグの破損、破れが生じるようなことはない。
【0014】請求項2に記載の発明は、前記エアバッグ
ドアの短手方向の両端がヒンジ部となっており、長手方
向の両端がティアラインとなっているエアバッグドア一
体型インストルメントパネルであって、少なくとも前記
エアバッグドアの長手方向に相対する前記エアバッグブ
ラケットの開口部の長さを前記エアバッグドアの長手方
向の長さよりも短くした請求項1に記載のエアバッグド
ア一体型インストルメントパネルにある。
【0015】請求項2に記載の発明によると、前記エア
バッグドアの短手方向の両端がヒンジ部となっており、
長手方向の両端がティアラインとなっているエアバッグ
ドア一体型インストルメントパネルであって、少なくと
も前記エアバッグドアの長手方向に相対する前記エアバ
ッグブラケットの開口部の長さを前記エアバッグドアの
長手方向の長さよりも短くした請求項1に記載のエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネルであることか
ら、エアバッグが膨出したときに引き裂かれた後のエア
バッグドアのティアラインによってエアバッグが傷つい
たり破損したりすることは無い。
【0016】請求項3に記載の発明は、前記エアバッグ
ブラケットの長手方向の長さを前記エアバッグドアの長
手方向の長さよりも10mm〜30mm短くした請求項
2に記載のエアバッグドア一体型インストルメントパネ
ルにある。
【0017】請求項3に記載の発明によると、前記エア
バッグドアの短手方向の両端がヒンジ部となっており、
長手方向の両端がティアラインとなっているエアバッグ
ドア一体型インストルメントパネルであって、少なくと
も前記エアバッグドアの長手方向に相対する前記エアバ
ッグブラケットの開口部の長さを前記エアバッグドアの
長手方向の長さよりも短くした請求項2に記載のエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネルであることか
ら、エアバッグが膨出したときに引き裂かれた後のエア
バッグドアのティアラインによってエアバッグが傷つい
たり破損したりすることは無い。
【0018】請求項4に記載の発明は、前記エアバッグ
ドアのエアバッグ側の面に補強板が裏打ちされてなり、
該補強板が、前記エアバッグドアを形成する芯材と裏打
ち材によって挟持され、前記芯材と前記裏打ち材とが振
動溶着することにより固定されている請求項1から3の
いずれかに記載のエアバッグドア一体型インストルメン
トパネルにある。
【0019】請求項4に記載の発明によると、前記エア
バッグドアのエアバッグ側の面に補強板が裏打ちされて
なり、該補強板が、前記エアバッグドアを形成する芯材
と裏打ち材によって挟持され、前記芯材と前記裏打ち材
とが振動溶着することにより固定されている請求項1か
ら3のいずれかに記載のエアバッグドア一体型インスト
ルメントパネルであることから、エアバッグブラケット
とインストルメントパネルが別成形であり、これらが直
接振動溶着によって接合している為、インストルメント
パネル側の肉厚や樹脂組成の均一化が可能である。この
為、インストルメントパネルの表面にひけやそり等の無
い外観の良好な成形品を得ることができる。
【0020】請求項5に記載の発明は、エアバッグが膨
出する開口部を閉成し、前記エアバッグ作動時の膨張圧
力によって展開する、短手方向の両端をヒンジ部に形成
し、長手方向の両端をティアラインに形成したエアバッ
グドアを一体に形成したエアバッグドア一体型インスト
ルメントパネルの製造方法であって、前記エアバッグド
アの裏側に、前記エアバッグを収納するエアバッグケー
スが取り付けられる取付部が一体に形成されたエアバッ
グブラケットを接合し、少なくとも前記エアバッグドア
の長手方向に相対する前記エアバッグブラケットの開口
部の長さを前記エアバッグドアの長手方向の長さよりも
短くし、さらに前記エアバッグドアのエアバッグ側の面
に補強板を裏打ちし、該補強板を、前記エアバッグドア
を形成する芯材と裏打ち材によって挟持し、前記芯材と
前記裏打ち材とを振動溶着することによって固定するエ
アバッグドア一体型インストルメントパネルの製造方法
にある。
【0021】請求項5に記載の発明によると、エアバッ
グが膨出する開口部を閉成し、前記エアバッグ作動時の
膨張圧力によって展開する、短手方向の両端をヒンジ部
に形成し、長手方向の両端をティアラインに形成したエ
アバッグドアを一体に形成したエアバッグドア一体型イ
ンストルメントパネルの製造方法であって、前記エアバ
ッグドアの裏側に、前記エアバッグを収納するエアバッ
グケースが取り付けられる取付部が一体に形成されたエ
アバッグブラケットを接合し、少なくとも前記エアバッ
グドアの長手方向に相対する前記エアバッグブラケット
の開口部の長さを前記エアバッグドアの長手方向の長さ
よりも短くし、さらに前記エアバッグドアのエアバッグ
側の面に補強板を裏打ちし、該補強板を、前記エアバッ
グドアを形成する芯材と裏打ち材によって挟持し、前記
芯材と前記裏打ち材とを振動溶着することによって固定
するエアバッグドア一体型インストルメントパネルの製
造方法であることから、エアバッグが膨出したときに引
き裂かれた後のエアバッグドアのティアラインによって
エアバッグが傷ついたり破損したりすることは無く、さ
らに、インストルメントパネル側の肉厚や樹脂組成の均
一化が可能で、この為、インストルメントパネルの表面
にひけやそり等の無い外観の良好な成形品を得ることが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の一実施形態例を説明する。図1は、本発明に係るエア
バッグドア一体型インストルメントパネル1の構造を裏
面から示した斜視図である。
【0023】インストルメントパネル2の芯材は、ポリ
プロピレン樹脂をタルク、マイカ又はガラス等で補強し
たフィラー入りポリプロピレン樹脂(以下、PPC樹脂
という。)、変性PPO樹脂、ABS樹脂等の樹脂を基
材として、射出成形等で、所定の形状に形成される。そ
して、その裏面側には、図示しないエアバッグの膨張に
よって展開するエアバッグドア5が形成されている。
【0024】このエアバッグドア5は、開裂溝7を含
め、適宜深さのノッチによって薄肉にされた開口予定部
となるティアライン6と、この開裂溝7を境としてその
両側にエアバッグドア5が展開した時に、回転軸となる
ヒンジ部8とで形成されている。また、図示していない
が、後述する裏打ち材4の凸部と接する部分には各凸部
に対応する凹部が形成されている。そして、このエアバ
ッグドア5の裏面側には、エアバッグの膨張力によっ
て、変形したり破損したりしないように、補強板3が固
定される。
【0025】補強板3は、鉄板、アルミニウム等の金属
や、ポリカーボネイト等の樹脂等で形成することができ
る。また、この補強板の厚みは、0.5mm前後とする
ことが好ましい。この、補強板3には、後述する裏打ち
材4の凸部が貫通する穴9が複数形成され、前述のイン
ストルメントパネル2のエアバッグドア部5と一体とな
って展開する時に回転軸となるヒンジ部10が形成され
ている。このヒンジ部10は、図示しないエアバッグ側
に突出するように折り曲げられていることが好ましい。
これによって、展開時にヒンジ部で干渉部分が発生する
ことがなくなり、スムーズに展開する。また、このヒン
ジ部10以外の部分、例えば、端部11のような部分
は、剛性を付与するためにビード加工等で加工しておく
ことが好ましい。
【0026】補強板3の固定に用いられる裏打ち材4
は、インストルメントパネル2の芯材と同質の材料であ
るPPC樹脂、変性PPO樹脂、ABS樹脂等の樹脂を
用いることが好ましい。同質材料を用いることで溶着強
度が高くなる。また、裏打ち材4には、TPOを用いる
こともできる。TPOを用いることで、衝撃力や剪断力
を緩和することが可能になるとともに、低温特性に優れ
るため、低温雰囲気下においても使用することができ
る。
【0027】また、裏打ち材4は、図3に示すように、
インストルメントパネル2の芯材側の面に、補強板3に
形成されている穴9を貫通する凸部12が形成されてい
る。この凸部12は、外径30mm以下、好ましくは2
0mm以下、内径5mm以上、好ましくは10mm以上
の円筒状とすることが好ましい。これによって、溶着部
分に作用する応力を均等に分散することができるととも
に、溶着後のバリを小さくできる。また、凸部12の円
筒内には、樹脂板部20がエアバッグ展開時に前記エア
バッグドアに作用する応力の方向と略同一方向となる方
向性、即ち、中心部より放射状に外側に向かうように形
成されている。これにより、エアバッグの膨張力を均等
に受けることができるようになっている。
【0028】なお、エアバッグブラケット17は、補強
板3を介してインストルメントパネル2に取り付けるこ
とも、また、インストルメントパネル2に直接取り付け
ることもできる。このエアバッグブラケット17は、イ
ンストルメントパネル2と同一の材質のPPC樹脂、変
性PPO樹脂、ABS樹脂等や、低温脆化特性に優れた
熱可塑性オレフィン(以下、TPOという。)等のエラ
ストマーを使用することが好ましい。そして、硬度がシ
ョアーA50°〜100°、特に70°〜90°である
ものが好ましい。さらに、曲げ弾性係数が200〜50
0MPa、特に250〜350MPaのものが好まし
い。これによって、溶着後、高い溶着強度で固定され、
低温雰囲気下においても、低温脆化することなく使用す
ることが可能となる。
【0029】ここで、エアバッグブラケット17の縁1
9が形成する開口部21の面積をエアバッグドア5の面
積よりも大きくする。好ましくは少なくとも前記エアバ
ッグドア5の長手方向25に相対する前記エアバッグブ
ラケット17の開口部21の長さを前記エアバッグドア
5の長手方向25の長さよりも短くする。さらに好まし
くは、前記エアバッグブラケット17の長手方向25の
長さを前記エアバッグドア5の長手方向25の長さより
も10mm〜30mm短くする。
【0030】上記のことによって、エアバッグ27膨出
時にエアバッグドア5開口部の端部にある芯材と干渉
し、エアバッグ27の破損、破れが生じるようなことは
ない。このことから、エアバッグドア5もエアバッグ2
7も共に破損することなく、車両衝突時に乗員を十分に
保護することができる。
【0031】次に図2を参照しつつ本発明に係るエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネル1における補強
板3の固定方法について説明する。図2(a)は組付け
前の状態を示す図であり、(b)は振動溶着時の裏打ち
材の振動方向を説明するための図であり、(c)は溶着
後の状態を示す図である。
【0032】先ず、図2(a)に示すように、インスト
ルメントパネル2のエアバッグドア5を形成している芯
材の上に、補強板3を設置する。この時、補強板3の開
口予定部分と、芯材のティアライン6とを合わせるとと
もに、芯材に形成されている穴9と、エアバッグドア5
に形成されている凹部13とを合わせて設置する。次
に、裏打ち材4の凸部12をそれぞれ補強板3の穴9に
入れ、芯材に形成された凹部13に接するように設置す
る。この時、凸部12の円筒内に形成されている樹脂板
部20の方向が、図3に示すように、中心部より外側に
向かって放射状になるように設置するよう注意する。
【0033】図2に戻り、図2(b)に示すように各部
材を設置すると、裏打ち材4の凸部12の先端を、芯材
の凹部13に接触させながら、図に示すように2次元的
に振動を加える。この振動による裏打ち材4の凸部12
の先端と対峙する芯材の凹部13との摩擦熱により、裏
打ち材4の凸部12の先端と芯材の凹部13とが溶けは
じめ、図2(c)に示すような状態となって溶着するこ
とができる。この時、溶着部14から外側にバリ15が
はみ出すようになる。このバリ15は、前述したよう
に、凹部13の面積を凸部12の先端面積よりも大きく
形成することで、逃がすことが可能となり、図2(c)
に示すように、裏打ち材4と補強板3と芯材との間に隙
間16を残した状態で溶着することが可能となる。この
ため、補強板3が鉄やアルミニウム等の金属のように、
インストルメントパネル2の芯材や裏打ち材4と熱膨張
率が大きく異なる材質でも、熱履歴を受けたときに伸縮
することが可能となり、熱応力による歪みや破壊を抑止
することができる。
【0034】以上のように、本実施形態例に係るエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネルは、インストル
メントパネルの裏面側に形成されたエアバッグドアに、
補強板が裏打ち材とインストルメントパネルの芯材とで
挟持され、この裏打ち材と芯材とが振動溶着されること
で、固定されたものである。このため、補強板は裏打ち
材及び芯材それぞれの面によって挟持されているため、
溶着強度を高くすることができる。また、振動溶着によ
って、裏打ち材と芯材とを溶着するため、裏打ち材の材
質を適宜選択することが可能となる。また、補強板に金
属等の別物を使用することができ、芯材と裏打ち材との
振動溶着によって固定されるため、芯材に補強板を固定
するために別途、固定部分を形成する必要もなくなり、
このため、インストルメントパネルの成形時にインスト
ルメントパネル表面にひけが発生することもなくなる。
【0035】なお、本実施形態例は、補強板として金属
等に別物を使用した場合について説明してきたが、例え
ば、補強板にポリカーボネイト等の機械的特性の高い樹
脂を使用することも可能であり、この場合は、裏打ち材
等を使用しなくても、補強板とインストルメントパネル
の芯材を直接振動溶着して固定することもできる。
【0036】また、金属製の補強板の場合であっても、
補強板面に複数の穴形成し、芯材に直接接触させて、振
動させると、その摩擦熱で芯材を形成する樹脂が溶けだ
して、補強板の穴にはいり込み、溶けた芯材によって、
補強板をかしめるような状態とすることもできる。
【0037】
【実施例】実施例として図 に示すように、前記エアバ
ッグブラケットの長手方向の長さを前記エアバッグドア
の長手方向の長さよりも短くしたものを作製した。その
エアバッグドアの開口部で長手方向の端部とエアバッグ
ブラケットの端部との距離をlmmとした。前記lmm
を何水準かに振ってエアバッグを実際に膨出させて実験
を行った。そして、エアバッグ展開後のエアバッグドア
の割れと展開後のエアバッグの傷付具合等を観察した。
その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果からl=10mm〜30mmと
することによって、エアバッグドアもエアバッグも共に
破損することなく、車両衝突時に乗員を十分に保護する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】以上より、本発明によると、前記エアバ
ッグドアの面積が前記エアバッグブラケットの開口部の
面積よりも大きいエアバッグドア一体型インストルメン
トパネルとすることによって、エアバッグ膨出時にエア
バックドア開口部の端部にある芯材と干渉し、エアバッ
グの破損、破れが生じるようなことはないという効果が
有る。
【0041】請求項2に記載の発明者によると、前記エ
アバッグドアの短手方向の両端がヒンジ部となってお
り、長手方向の両端がティアラインとなっているエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネルであって、少な
くとも前記エアバッグドアの長手方向に相対する前記エ
アバッグブラケットの開口部の長さを前記エアバッグド
アの長手方向の長さよりも短くした請求項1に記載のエ
アバッグドア一体型インストルメントパネルであること
から、エアバッグが膨出したときに引き裂かれた後のエ
アバッグドアのティアラインによってエアバッグが傷つ
いたり破損したりすることは無いという効果が有る。
【0042】請求項3に記載の発明によると、前記エア
バッグドアの短手方向の両端がヒンジ部となっており、
長手方向の両端がティアラインとなっているエアバッグ
ドア一体型インストルメントパネルであって、少なくと
も前記エアバッグドアの長手方向に相対する前記エアバ
ッグブラケットの開口部の長さを前記エアバッグドアの
長手方向の長さよりも短くした請求項2に記載のエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネルであることか
ら、エアバッグが膨出したときに引き裂かれた後のエア
バッグドアのティアラインによってエアバッグが傷つい
たり破損したりすることは無いという効果が有る。
【0043】請求項4に記載の発明によると、前記エア
バッグドアのエアバッグ側の面に補強板が裏打ちされて
なり、該補強板が、前記エアバッグドアを形成する芯材
と裏打ち材によって挟持され、前記芯材と前記裏打ち材
とが振動溶着することにより固定されている請求項1か
ら3のいずれかに記載のエアバッグドア一体型インスト
ルメントパネルであることから、エアバッグブラケット
とインストルメントパネルが別成形であり、これらが直
接振動溶着によって接合している為、インストルメント
パネル側の肉厚や樹脂組成の均一化が可能である。この
為、インストルメントパネルの表面にひけやそり等の無
い外観の良好な成形品を得ることができるという効果が
有る。
【0044】請求項5に記載の発明によると、エアバッ
グが膨出する開口部を閉成し、前記エアバッグ作動時の
膨張圧力によって展開する、短手方向の両端をヒンジ部
に形成し、長手方向の両端をティアラインに形成したエ
アバッグドアを一体に形成したエアバッグドア一体型イ
ンストルメントパネルの製造方法であって、前記エアバ
ッグドアの裏側に、前記エアバッグを収納するエアバッ
グケースが取り付けられる取付部が一体に形成されたエ
アバッグブラケットを接合し、少なくとも前記エアバッ
グドアの長手方向に相対する前記エアバッグブラケット
の開口部の長さを前記エアバッグドアの長手方向の長さ
よりも短くし、さらに前記エアバッグドアのエアバッグ
側の面に補強板を裏打ちし、該補強板を、前記エアバッ
グドアを形成する芯材と裏打ち材によって挟持し、前記
芯材と前記裏打ち材とを振動溶着することによって固定
するエアバッグドア一体型インストルメントパネルの製
造方法であることから、エアバッグが膨出したときに引
き裂かれた後のエアバッグドアのティアラインによって
エアバッグが傷ついたり破損したりすることは無く、さ
らに、インストルメントパネル側の肉厚や樹脂組成の均
一化が可能で、この為、インストルメントパネルの表面
にひけやそり等の無い外観の良好な成形品を得ることが
できるという効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3のエアバッグドア一体型インストルメント
パネルを組み立てたときのA-A断面図である。
【図2】図3のエアバッグドア一体型インストルメント
パネルを組み立てたときのB-B断面図である。
【図3】本発明に係るエアバッグドア一体型インストル
メントパネルの構造の裏面側からの斜視図を示す。
【図4】エアバッグドアティアライン(開口部)とエア
バッグブラケット縁部の比較図である。
【図5】裏打ち材を芯材に振動溶着する方法を説明する
ための図である。(a)は組付け前の状態を示す図であ
り、(b)は振動溶着時の裏打ち材の振動方向を説明す
るための図であり、(c)は溶着後の状態を示す図であ
る。
【図6】裏打ち材の凸部形状を示す図である。
【図7】本発明に係るエアバッグドア一体型インストル
メントパネルでエアバッグが展開した状態を示す模式図
である。
【図8】インストルメントパネルに一例を示す図であ
る。
【図9】従来のエアバッグドア一体型インストルメント
パネルの一例を示す図である。
【図10】従来のエアバッグドア一体型インストルメン
トパネルの他の例を示す図である。
【図11】従来のエアバッグドア一体型インストルメン
トパネルでエアバッグが展開した状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 エアバッグドア一体型インストルメントパネル 2 インストルメントパネル 3 補強板 4 裏打ち材 5 エアバッグドア 6 ティアライン 7 開裂溝 8 ヒンジ部 9 穴 10 ヒンジ部 11 補強板端部 12 凸部 13 凹部 14 溶着部 15 バリ 16 隙間 17 エアバッグブラケット 19 縁 20 樹脂板部 21 開口部 23 短手方向 25 長手方向 27 エアバッグ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
    前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開するエア
    バッグドアを一体に形成したエアバッグドア一体型イン
    ストルメントパネルであって、 前記エアバッグドアの裏側に、前記エアバッグを収納す
    るエアバッグケースが取り付けられる取付部が一体に形
    成されたエアバッグブラケットが接合しており、前記エ
    アバッグドアの面積が前記エアバッグブラケットの開口
    部の面積よりも大きいことを特徴とするエアバッグドア
    一体型インストルメントパネル。
  2. 【請求項2】 前記エアバッグドアの短手方向の両端が
    ヒンジ部となっており、長手方向の両端がティアライン
    となっているエアバッグドア一体型インストルメントパ
    ネルであって、少なくとも前記エアバッグドアの長手方
    向に相対する前記エアバッグブラケットの開口部の長さ
    を前記エアバッグドアの長手方向の長さよりも短くした
    請求項1に記載のエアバッグドア一体型インストルメン
    トパネル。
  3. 【請求項3】 前記エアバッグブラケットの長手方向の
    長さを前記エアバッグドアの長手方向の長さよりも20
    mm〜60mm短くした請求項2に記載のエアバッグド
    ア一体型インストルメントパネル。
  4. 【請求項4】 前記エアバッグドアのエアバッグ側の面
    に補強板が裏打ちされてなり、該補強板が、前記エアバ
    ッグドアを形成する芯材と裏打ち材によって挟持され、
    前記芯材と前記裏打ち材とが振動溶着することにより固
    定されている請求項1から3のいずれかに記載のエアバ
    ッグドア一体型インストルメントパネル。
  5. 【請求項5】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
    前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開する、短
    手方向の両端をヒンジ部に形成し、長手方向の両端をテ
    ィアラインに形成したエアバッグドアを一体に形成した
    エアバッグドア一体型インストルメントパネルの製造方
    法であって、 前記エアバッグドアの裏側に、前記エアバッグを収納す
    るエアバッグケースが取り付けられる取付部が一体に形
    成されたエアバッグブラケットを接合し、少なくとも前
    記エアバッグドアの長手方向に相対する前記エアバッグ
    ブラケットの開口部の長さを前記エアバッグドアの長手
    方向の長さよりも短くし、さらに前記エアバッグドアの
    エアバッグ側の面に補強板を裏打ちし、該補強板を、前
    記エアバッグドアを形成する芯材と裏打ち材によって挟
    持し、前記芯材と前記裏打ち材とを振動溶着することに
    よって固定するエアバッグドア一体型インストルメント
    パネルの製造方法。
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