JP2004161182A - エアバッグドアの支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグドアが車両内装部材またはヒンジ部に接触して破損することを防止し得るようにする。
【解決手段】エアバックドア14を裏側から支持するドア支持部24において、ヒンジ部26に臨むヒンジ側端縁30に端縁支持部32,32を延出的に形成し、前記エアバッグドア14の非支持部14Bを該端縁支持部32,32で裏側から支持するようにする。これによりドア支持部24およびエアバッグドア14が一体的に開放する際に、非支持部14Bがパネル基材12やヒンジ部26に接触した衝撃で支持部14Aから分離しても、前記端縁支持部32,32により支持される結果として飛散することが防止される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エアバッグドアの支持構造に関し、更に詳細には、車両内装部材の所要位置に設けたエアバッグドアと、前記エアバッグドアの外形サイズより小さいサイズに形成され、該エアバッグドアを裏側から支持するドア支持部と、前記エアバッグドアの裏側に接触しない形状に形成され、前記ドア支持部の端縁に連接されて該ドア支持部を開放可能に支持するヒンジ部とからなり、前記エアバッグドアは、前記ドア支持部に支持される支持部と、該ドア支持部に支持されずに前記ヒンジ部に対応位置する非支持部とに分たれるエアバッグドアの支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年生産される殆どの自動車には、衝突事故等の発生時における乗員保護を目的として、ドライバー用のエアバッグ装置およびパッセンジャー用のエアバッグ装置が標準的に装備されている。このうち、パッセンジャー用のエアバッグ装置は、例えば図8および図9に示す如く、乗員室前方に組付けた車両内装部材としてのインストルメントパネル10の内部に格納した状態で搭載されている。このため、前記インストルメントパネル10を構成するパネル基材12には、エアバッグ装置40の作動により膨張を開始したエアバッグ42の押圧力を受けた際に乗員室側へ開放するエアバッグドア14が、該エアバッグ装置40のインフレータ44に対応した部位に設けられており、このエアバッグドア14が開放した結果として該基材12にエアバッグ挿通口18が画成される(図11)。なお図8では、パネル基材12の外側に被着される表皮材13を省略して、該パネル基材12が露出した状態で図示してある。
【0003】
前記エアバッグドア14は、▲1▼パネル基材12と別体に形成されて該パネル基材12に後工程にて組付けるようにした形態、▲2▼パネル基材12に一体的に形成されて常には該パネル基材12の一部として構成される形態、等に大別される。図9は前記▲2▼の形態を例示したもので、エアバッグドア14の外縁ラインに沿って破断予定線16を形成してあり、前記エアバッグ装置40が作動して前記エアバッグ42の押圧力がエアバッグドア14に加わった際に該破断予定線16が破断することで、該エアバッグドア14が前記パネル基材12から分離して開放するようになる。なお図8では、前記破断予定線16を所謂「日字形」に延設して中央破断予定線16Aおよび外縁破断予定線16Bから構成することで、2枚のエアバッグドア14,14から構成される両開きタイプを例示しているが、前記破断予定線16の延設形態により1枚のドアからなる片開きタイプや4枚のドアで構成される4方開きタイプ等とすることも可能となっている。
【0004】
ところで、前記エアバッグ装置40が作動した際にエアバッグ42は瞬時に膨張するため、このエアバッグ42の押圧力を受ける前記エアバッグドア14およびドア周辺部位15には大きな衝撃力が加わるようになり、場合によってはこれらエアバッグドア14およびドア周辺部位15が破損することが危惧される。そこで、例えば図9に例示する如く、前記エアバッグドア14の裏側およびドア周辺部位15の裏側に、前記エアバッグ装置40に連結されるインサート部材20を連結することで、これらエアバッグドア14および/またはドア周辺部位15の破損防止および飛散防止等を図る対策がなされている(関連技術として特許文献1を参照)。「リテーナ」とも称される前記インサート部材20は、例えばスチール等を材質とする金属製のものや、TPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマー)等を材質とする合成樹脂製のものが実施に供されている。
【0005】
ここで図8および図9では、2枚のエアバッグドア14,14からなる両開きタイプであるため、これらエアバッグドア14,14に対応するように形成した合成樹脂製のインサート部材20を例示している。このインサート部材20は、前記開裂予定線16における外縁開裂予定線16Bを囲繞する略矩形枠状の連結支持部22と、この連結支持部22の開口部内側で相互対向するよう形成されて破断予定線28で分離するドア支持部24,24とから構成され、各々のドア支持部24,24はヒンジ部26で連結支持部22の内壁に連結されている。前記ヒンジ部26は、対応のエアバッグドア14,14の長手方向に沿って延在形成され、ドア支持部24の非開放時には縦断面形状が略U字形とされていて、エアバッグ42の押圧力を受けたドア支持部24の開放時には伸張的(直線的)に変形するようになっている。従って、前記開裂予定線16における外縁開裂予定線16Bおよび中央開裂予定線16Aでの破断が完了すると直線状態まで伸張的に変形することで、エアバッグドア14,14の開放変位および上昇変位を許容するようになっている。すなわち各々のエアバッグドア14,14は、前記開裂予定線16の破断が完了すると、先ずその開放基端側がパネル基材12の内側へ沈み込むようになり(図11)、開放変位に従って該開放基端側が該パネル基材12の外側へ上昇するようになる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−46565号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8および図9から明らかなように、前記各々のドア支持部24は、対応のエアバッグドア14の外形サイズより小さいサイズに形成されて該エアバッグドア14を裏側から支持する一方、前記ヒンジ部26は、対応のエアバッグドア14の裏側に接触しない形状(略U字形)に形成されて前記ドア支持部24のヒンジ側端縁に連接されている。従って前記エアバッグドア14は、前記ドア支持部24に支持される支持部14Aと、該ドア支持部24に支持されずに前記ヒンジ部26に対応位置する非支持部14Bとに分たれた構成となっている。このため図11に示すように、エアバッグ装置40の作動により前記ドア支持部24およびエアバッグドア14が一体的に開放する過程において、前記非支持部14Bが、前記パネル基材12またはヒンジ部26に接触することがあり得る。これによりエアバッグドア14は、前記支持部14Aと非支持部14Bとの境界部位で折曲的に変形するようになり、場合によっては非支持部14Bが支持部14Aから破断して分離し、該非支持部14Bにより形成された破片が乗員席側へ飛散して二次災害を引き起こす問題等を内在していた。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、ドア支持部およびエアバッグドアが一体的に開放する過程において、該エアバッグドアが車両内装部材またはヒンジ部に接触して破損することを防止し得るようにしたエアバッグドアの支持構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、車両内装部材の所要位置に設けたエアバッグドアと、前記エアバッグドアの外形サイズより小さいサイズに形成され、該エアバッグドアを裏側から支持するドア支持部と、前記エアバッグドアの裏側に接触しない形状に形成され、前記ドア支持部の端縁に連接されて該ドア支持部を開放可能に支持するヒンジ部とからなり、前記エアバッグドアは、前記ドア支持部に支持される支持部と、該ドア支持部に支持されずに前記ヒンジ部に対応位置する非支持部とに分たれるエアバッグドアの支持構造において、
前記ヒンジ部に臨む前記ドア支持部のヒンジ側端縁に、端縁支持部を延出的に形成し、
エアバッグ装置の作動により前記ドア支持部およびエアバッグドアが一体的に開放する際に、前記非支持部が前記端縁支持部により支持されるよう構成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るエアバッグドアの支持構造につき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0011】
本実施例に係るエアバッグドアの支持構造は、車両内装部材を構成する前記パネル基材12の所要位置に設けたエアバッグドア14およびドア周辺部位15を、前記エアバッグ装置40のインフレータ44に係止支持されるインサート部材20で裏側から支持する構造が前提とされている。そこで本実施例では、図8および図9に例示した従来のものと同様に、車両内装部材であるインストルメントパネル10のパネル基材12に、両開きタイプとされる2枚のエアバッグドア14,14を設けた場合を例示して説明する。従って、従来技術の説明に際して引用した図8〜図11に既出の部材、部位と同一部材、部位に関しては、同一の符号を付して説明する。
【0012】
図1は、本発明の好適実施例に係るエアバッグドアの支持構造を、一部破断して示したインストルメントパネルの要部平面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII−III線断面図である。図示のインストルメントパネル10は、ポリプロピレン(PP)等から所要形状に形成された合成樹脂製のパネル基材12と、このパネル基材12の外面に被着された表皮材13とからなる2層(複層)タイプとされている。そして、車両乗員室の前方に設置した際に、リィンフォースバー等の車体構成部材(図示せず)に強固に固定された前記エアバッグ装置40を全体的に被覆する。なお図1では、パネル基材12の外面に被着される表皮材13を省略して、該パネル基材12が露出した状態で図示してある。
【0013】
前記インストルメントパネル10において前記エアバッグドア14,14は、前記エアバッグ装置40に対応した前記パネル基材12の裏面部位に、中央開裂予定線16Aおよび外縁開裂予定線16Bからなる「日」字形の開裂予定線16を延設することで、パネル基材12に一体的に形成されて常には該パネル基材12の一部を構成すると共に、エアバッグ装置40の作動時にはパネル基材12から破断分離して開放するようになる。すなわち、各々のエアバッグドア14,14は、前記外縁開裂予定線16Bが全体的に破断することでパネル基材12からの分離が許容されると共に、前記中央開裂予定線16Aが破断することで相互の分離が許容される。ここで前記開裂予定線16は、パネル基材12の裏面においてエアバッグドア14,14の外縁ラインに沿って形成した凹溝により、該エアバッグドア14,14およびパネル基材12の一般部位よりも厚みを小さくして破断し易く設定したものである。
【0014】
前記エアバッグドア14,14およびドア周辺部位15の裏面に固定されるインサート部材20は、図4に示すように、両開きタイプとされる2枚のエアバッグドア14,14の開放態様に対応するよう形成された合成樹脂(例えば、オレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)等)製の一体成形部材であり、前記開裂予定線16における外縁開裂予定線16Bを囲繞する矩形枠状の連結支持部22と、この連結支持部22の開口部内側に対向的に形成されたドア支持部24,24とから構成されている。そして、各々のドア支持部24,24は、常には縦断面形状が略U字形とされたヒンジ部26で連結支持部22の内面に連結され、境界ラインに沿って形成した破断予定線28が破断することで相互に分離するようになっている。前記各ヒンジ部26は、エアバッグ42の押圧力が加わって開裂予定線16における中央開裂予定線16Aおよび外縁開裂予定線16Bが破断することで、適宜伸張的(直線的)に変形して対応のドア支持部24の開放変位および浮上移動を許容するようになっている。
【0015】
そして前記各々のドア支持部24,24は、前記ヒンジ部26の存在により対応のエアバッグドア14の外形サイズより小さいサイズに形成され(図1)、また該ヒンジ部26は、上方へ開放した略U字形に形成されているのでエアバッグドア14の裏側に接触しない(図3)。従って前記エアバッグドア14は、前記ドア支持部24に直接的に支持される支持部14Aと、該ドア支持部24に支持されずに前記ヒンジ部26に対応位置する非支持部14Bとに分たれた構成となっている。
【0016】
このようなインサート部材20を裏面に固定したことを前提とする本実施例に係るエアバッグドアの支持構造は、図1および図2に示すように、前記ヒンジ部26に臨む前記ドア支持部24のヒンジ側端縁30に、端縁支持部32を延出的に形成したことを特徴としている。具体的に、前記端縁支持部32は、ドア支持部24の前記ヒンジ側端縁30における両端部位に形成されており、対応のエアバッグドア14における前記非支持部14Bの裏側両端部位に整合して、該非支持部14Bを裏側から支持可能となっている。
【0017】
また前記ヒンジ部26は、前記各々の端縁支持部32とオーバーラップしないように形成されており、前記ドア支持部24およびエアバッグドア14が開放する過程において相互干渉が回避されるよう考慮されている。換言すると、前記ヒンジ部26と各々の端縁支持部32,32とは、相互干渉しない位置に形成配置されている。このようなインサート部材20は、ヒンジ部26と端縁支持部32とが上下にオーバーラップしていないため(重なっていないため)、インジェクション成形するに際して、前記連結支持部22、ヒンジ部26、ドア支持部24および端縁支持部32を一体的に成形することが可能である。
【0018】
このような合成樹脂を材質とするインサート部材20は、前記合成樹脂製のパネル基材12と相溶性があるため、例えば公知の振動溶着技術により該パネル基材12の裏側(エアバッグドア14,14およびドア周辺部位15の裏側)に溶着することが可能である。すなわち、前記連結支持部22がドア周辺部位15の裏側に溶着され、前記各々のドア支持部24,24が各々のエアバッグドア14,14における支持部14Aの裏側略全面に溶着され、更に前記端縁支持部32が対応の非支持部14Bにおける裏側両端部位に溶着される。これにより前記非支持部14Bは、ドア支持部24と一体的に形成されている前記各々の端縁支持部32が裏側に溶着されることで、該ドア支持部24に支持された状態となる。
【0019】
【実施例の作用】
次に、前述のように構成された本実施例に係るエアバッグドアの支持構造の作用につき説明する。
【0020】
前記インサート部材20は、インジェクション成形技術に基いて、連結支持部22、ヒンジ部26、ドア支持部24および端縁支持部32が一体的に成形される。一方、各エアバッグドア14,14は、パネル基材12をインジェクション成形するに際して該パネル基材12と一体的に成形される。そして前記インサート部材20は、例えば前述した振動溶着技術によりパネル基材12の裏側(エアバッグドア14,14およびドア周辺部位15の裏側)に溶着される。これによりエアバッグドア14,14は、前記ドア支持部24および端縁支持部32により裏側から支持・補強され、またドア周辺部位15は、前記連結支持部22により裏側から支持・補強される。
【0021】
そして通常の実施状態において、エアバッグ装置40が作動を開始した場合には、膨張過程のエアバッグ42が前記各々のドア支持部24,24を下方から押圧することで、前記開裂予定線16における中央開裂予定線16Aおよび外縁開裂予定線16Bに夫々応力が集中するようになり、適宜時点でこれら開裂予定線16A,16Bが順次破断するようになる。そして、前記外縁開裂予定線16Bが完全に破断した時点で各々のエアバッグドア14,14がパネル基材12から分離することが許容され、中央開裂予定線16Aが完全に破断した時点で各々のエアバッグドア14,14同士の分離が許容される。
【0022】
各々のエアバッグドア14,14は、前記開裂予定線16の全体的な破断が完了すると、瞬時に膨張するエアバッグ42による強烈な押圧力を受けることで、対応のドア支持部24に支持された状態でインストルメントパネル10の外方へ開放するようになる。このとき、前記ドア支持部24が前記ヒンジ部26を介して前記連結支持部22に支持されているため、開放するエアバッグドア14の前記非支持部14Bは、パネル基材12の裏側へ一旦沈み込むようになり(図5)、場合によっては前記パネル基材12またはヒンジ部26に接触することもある。
【0023】
しかしながら、実施例に係るエアバッグドアの支持構造では、エアバッグドア14の前記非支持部14Bが、ドア支持部24に一体成形された前記端縁支持部32により裏側から支持されているため、該非支持部14Bの変形が規制されるようになる。従って、前記非支持部14Bに過大な応力(負荷)が加わったとしても、この非支持部14Bの変形が抑制されるため、該非支持部14Bと前記支持部14Aとの境界部位等での破断が大幅に規制されるようになる。また万一、破断が発生して非支持部14Bと支持部14Aとが分離したとしても、非支持部14Bは、ドア支持部24に一体的に形成された前記端縁支持部32,32で支持されているから、破片として飛散することが防止される。
【0024】
なお、エアバッグドア14の開放過程においては、前記端縁支持部32とヒンジ部26との干渉が回避されるようになっているため、これらが相互に接触することにより当該エアバッグドア14の開放が規制されることはない。
【0025】
このように、本実施例に係るエアバッグドアの支持構造では、エアバッグ装置40の作動により前記ドア支持部24およびエアバッグドア14が一体的に開放する際に、前記非支持部14Bが前記パネル基材12またはヒンジ部26に接触しても、前記端縁支持部32,32により支持される結果として該非支持部14Bが前記支持部14Aから破断して分離するのを防止し得る。従って、前記非支持部14Bが前記支持部14Aから分離することで形成される破片が乗員席側の乗員へ飛散することが防止され、よって二次災害の発生を好適に回避することができる。
【0026】
(変更例)
図6は、変更例に係るエアバッグドアの支持構造を例示した平面図、図7は、この変更例に実施される合成樹脂製のインサート部材の概略斜視図である。この変更例では、前記端縁支持部32が、ドア支持部24の前記ヒンジ側端縁30に沿って所要間隔毎に複数個(ここでは合計4個)形成されており、対応のエアバッグドア14における前記非支持部14Bの裏側に所要間隔毎に整合するようになっている。また前記ヒンジ部26は、前記各々の端縁支持部32の形成位置に重ならないように各端縁支持部32間に形成されており、前記ドア支持部24およびエアバッグドア14が開放する過程において相互干渉が回避されるよう考慮されている。これによりインサート部材20は、インジェクション成形するに際し、前記連結支持部22、ヒンジ部26、ドア支持部24および端縁支持部32を一体的に成形することが可能である。
【0027】
このような変更例に係るエアバッグドアの支持構造にあっても、エアバッグドア14の前記非支持部14Bが、ドア支持部24に一体成形された前記各々の端縁支持部32により裏側から所要間隔毎に支持されているため、該非支持部14Bの変形が好適に規制されるようになる。従って、前記非支持部14Bに過大な応力(負荷)が加わったとしても、この非支持部14Bの変形が抑制されるため、該非支持部14Bと前記支持部14Aとの境界部位等での破断が大幅に規制されるようになる。また万一、破断が発生して非支持部14Bと支持部14Aとが分離したとしても、非支持部14Bは、ドア支持部24に一体的に形成された前記各端縁支持部32で支持されているから、破片として飛散することが防止される。殊に変更例では、非支持部14Bが長手方向に沿って複数の端縁支持部32で支持されているため、該非支持部14Bの変形および分離が好適に規制される。
【0028】
なお、前記端縁支持部32の配設数および配設位置等は、前記実施例および変更例に例示のものに限定されるものではなく、前記ヒンジ部26の強度等を考慮したもとで適宜変更し得ることは勿論である。
【0029】
また前記実施例および変更例では、合成樹脂製のインサート部材20を使用したエアバッグドアの支持構造を例示したが、本願に係るエアバッグドアの支持構造は、金属製のインサート部材でも実施可能である。
【0030】
また実施例および変更例では、2枚のエアバッグドア14,14からなる両開きタイプを例示したが、本願に係るエアバッグドアの開放構造は、1枚のエアバッグドアからなる片開きタイプや、4枚のエアバックドアからなる4方開きタイプ等にも実施可能である。
【0031】
更に前記実施例では、パネル基材12および表皮材13からなる2層タイプのインストルメントパネル10を例示したが、本願のエアバッグドアの支持構造は、前記パネル基材12のみから構成される単層タイプのインストルメントパネルに設けたエアバッグドア、またはパネル基材12、表皮材13およびクッション材からなる3層タイプのインストルメントパネルに設けたエアバッグドアにも実施可能である。
【0032】
更にまた、本願の支持構造を実施可能なエアバッグドアは、前記インストルメントパネル10に設けたものの他に、ドアパネルやピラーガーニッシュ等の車両内装部材に設けたもの等も含まれる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るエアバッグドアの支持構造によれば、エアバッグ装置の作動により前記ドア支持部およびエアバッグドアが開放する際に、該エアバッグドアの非支持部が、該ドア支持部に形成した端縁支持部により支持される。従って、ドア支持部およびエアバッグドアが開放する際に、前記非支持部が車両内装部材またはヒンジ部に接触しても、端縁支持部により支持される結果として該非支持部が前記支持部から破断して分離するのを好適に防止し得る。これにより、前記非支持部が前記支持部から分離して形成される破片が乗員席側の乗員へ飛散することが防止され、よって二次災害の発生を好適に回避し得る等の有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係るエアバッグドアの支持構造を、一部破断して示したインストルメントパネルの要部平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1に示したインサート部材の概略斜視図である。
【図5】エアバッグドアの開放途中状態を示した説明断面図であって、非支持部が端縁支持部で支持されて破損防止が図られている。
【図6】変更例に係るエアバッグドアの支持構造を示したインストルメントパネルの要部平面図である。
【図7】図6に示したインサート部材の概略斜視図である。
【図8】従来のエアバッグドアの支持構造を示したインストルメントパネルの要部平面図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】図8および図9に示したインサート部材の概略斜視図である。
【図11】従来のエアバッグドアの支持構造におけるエアバッグドアの開放途中状態を示した説明断面図であって、非支持部が支持されていないために変形して破損する可能性があることを示している。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル
14 エアバッグドア
14A 支持部
14B 非支持部
24 ドア支持部
26 ヒンジ部
30 ヒンジ側端縁
32 端縁支持部

Claims (6)

  1. 車両内装部材(10)の所要位置に設けたエアバッグドア(14)と、前記エアバッグドア(14)の外形サイズより小さいサイズに形成され、該エアバッグドア(14)を裏側から支持するドア支持部(24)と、前記エアバッグドア(14)の裏側に接触しない形状に形成され、前記ドア支持部(24)の端縁に連接されて該ドア支持部(24)を開放可能に支持するヒンジ部(26)とからなり、前記エアバッグドア(14)は、前記ドア支持部(24)に支持される支持部(14A)と、該ドア支持部(24)に支持されずに前記ヒンジ部(26)に対応位置する非支持部(14B)とに分たれるエアバッグドアの支持構造において、
    前記ヒンジ部(26)に臨む前記ドア支持部(24)のヒンジ側端縁(30)に、端縁支持部(32)を延出的に形成し、
    エアバッグ装置の作動により前記ドア支持部(24)およびエアバッグドア(14)が一体的に開放する際に、前記非支持部(14B)が前記端縁支持部(32)により支持されるよう構成した
    ことを特徴とするエアバッグドアの支持構造。
  2. 前記ドア支持部(24)およびエアバッグドア(14)が一体的に開放する際に、前記非支持部(14B)が前記車両内装部材(10)またはヒンジ部(26)に接触しても、前記端縁支持部(32)により支持される結果として該非支持部(14B)が前記支持部(14A)から分離して飛散するのを防止し得る請求項1記載のエアバッグドアの支持構造。
  3. 前記端縁支持部(32)は、ドア支持部(24)の前記ヒンジ側端縁(30)における両端部位に形成されている請求項1または2記載のエアバッグドアの支持構造。
  4. 前記端縁支持部(32)は、ドア支持部(24)の前記ヒンジ側端縁(30)に沿って所要間隔毎に複数個形成されている請求項1または2記載のエアバッグドアの支持構造。
  5. 前記端縁支持部(32)および前記ヒンジ部(26)は、前記ドア支持部(24)およびエアバッグドア(14)が開放する過程において、相互干渉しない位置に形成配置されている請求項1〜4の何れかに記載のエアバッグドアの支持構造。
  6. 前記ドア支持部(24)および前記端縁支持部(32)は、合成樹脂製の前記車両内装部材(10)と相溶性を有する合成樹脂を材質とし、対応する前記支持部(14A)および非支持部(14B)の裏側に溶着された状態でこれらを支持するようになっている請求項1〜5の何れかに記載のエアバッグドアの支持構造。
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