JP2008062827A - カーテンエアバッグ装置を備えた車両の後部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の後部構造を提供することである。
【解決手段】本発明による、車両の後部構造は、ルーフトリムの側縁部から後部ピラーの下部まで、サイドウインドガラスを覆うように、所定条件の下、膨張展開されるカーテンエアバッグを備えるカーテンエアバッグ装置と、前記サイドウインドガラスの上縁部の車幅方向内方において前記ルーフトリムの側縁部に設けられた、前記ルーフトリムよりも硬質な合成樹脂で作られたルーフサイドトリムとを有し、該ルーフサイドトリムには、膨張展開する前記カーテンエアバッグにより前記ルーフサイドトリムを所定箇所で変形又は破断させるための変形/破断誘導手段が形成されている、ことを特徴とする。
【選択図】図7
【解決手段】本発明による、車両の後部構造は、ルーフトリムの側縁部から後部ピラーの下部まで、サイドウインドガラスを覆うように、所定条件の下、膨張展開されるカーテンエアバッグを備えるカーテンエアバッグ装置と、前記サイドウインドガラスの上縁部の車幅方向内方において前記ルーフトリムの側縁部に設けられた、前記ルーフトリムよりも硬質な合成樹脂で作られたルーフサイドトリムとを有し、該ルーフサイドトリムには、膨張展開する前記カーテンエアバッグにより前記ルーフサイドトリムを所定箇所で変形又は破断させるための変形/破断誘導手段が形成されている、ことを特徴とする。
【選択図】図7
Description
本発明は、車両の側突時、ロールオーバー(横転)時、或いは、これらが予測されたときに、車内側面を覆うようにエアバッグを展開させて乗員を保護するカーテンエアバッグ装置を備えた車両の後部構造に関する。
車両に搭載されるエアバッグ装置の1つとしてカーテンエアバッグ装置が知られており、このカーテンエアバッグ装置は、下から上にロール状に折り畳んだエアバッグの上縁部を車両のピラー上縁部及びルーフの側縁部に沿って設け、車両の衝突時等にインフレータが発生するガス圧によってエアバッグを膨張させ、この膨張させたエアバッグを、車内側面、具体的にはルーフトリムの車幅方向側縁部から後部ピラーの前部における所定の下方位置にかけた範囲を覆うように、カーテン状に展開させ、これにより、車両の側突時に生ずる衝撃から乗員を保護するというものである。
カーテンエアバッグ装置は、当初、車両の側突時の衝撃から乗員を保護するものとして開発されたが、近年、車両がロールオーバー(横転)した際にも乗員を適切に保護することができるように構成されたもの、すなわち、ロールオーバー対応カーテンエアバッグ装置が開発されている。
例えば、特許文献1は、カーテンエアバッグの前端下方部を前部ピラーに係止するとともに、後端下方部を後部ピラーに係止するように構成されたカーテンエアバッグ装置を開示する。この構造によれば、カーテンエアバッグ展開後にもカーテンエアバッグを適所に保持することができ、カーテンエアバッグ展開後のカーテンエアバッグの捲りあがりを阻止することができ、よって、乗員の上部、例えば頭部が、窓やピラー(トリム)などの車両側部に、或いは、割れた窓から車外の物(例えば道路)に、直接、打ちつけられてしまうのを阻止することができる。
例えば、特許文献1は、カーテンエアバッグの前端下方部を前部ピラーに係止するとともに、後端下方部を後部ピラーに係止するように構成されたカーテンエアバッグ装置を開示する。この構造によれば、カーテンエアバッグ展開後にもカーテンエアバッグを適所に保持することができ、カーテンエアバッグ展開後のカーテンエアバッグの捲りあがりを阻止することができ、よって、乗員の上部、例えば頭部が、窓やピラー(トリム)などの車両側部に、或いは、割れた窓から車外の物(例えば道路)に、直接、打ちつけられてしまうのを阻止することができる。
上記カーテンエアバッグ装置では、カーテンエアバッグは、前部ピラーとこれを覆う前部ピラートリムとの間、ルーフとこれを覆うルーフトリムとの間、及び、後部ピラーとこれを覆う後部ピラートリムとの間に延びるように配置される。
ところで、一般的には、ルーフトリムは、カーテンエアバッグの膨張展開時、カーテンエアバッグの車内への展開を容易に許容する柔らかさの素材で作られるのに対して、前部ピラートリム、後部ピラートリムは、例えばこれらの表面の清掃を可能にする等の要請から、ルーフトリムよりも硬質な合成樹脂材、例えば、ポリブロピレンで作られるのが一般的であり、各ピラートリムが硬質樹脂で作られるのは、上述したロールオーバー対応カーテンエアバッグ装置を備える車両においても同様である。
また、前部ピラーと後部ピラーとの間に配置される中間ピラーと、後部ピラーとの間、例えば、所謂CピラーのトリムとDピラーのトリムとの間に、サイドウインドガラスを設ける車両が知られており、このサイドウインドガラスの上縁部の車幅方向内方においてルーフトリムの側縁部に、上述したピラートリムと同様な硬質な合成樹脂材で作られたルーフサイドトリムが設けられることがある。ルーフサイドトリムは、ルーフトリムの一部を切欠き、この切欠部分に設けられるが、このようにルーフトリムの一部を切欠くことにより、ルーフトリムの車内への取付性を向上させることができる。また、車内からの見映えを向上させる目的でルーフサイドトリムが設けられることもある。
このような硬質なルーフサイドトリムの車両前後方向前端部、後端部は、前述の硬質な中間ピラートリム(Cピラーのトリム)の車両前後方向後端部(上部)、後部ピラートリム(Dピラーのトリム)の車両前後方向前端部(上部)に夫々当接されるため、ルーフサイドトリムがカーテンエアバッグの車内への展開を阻害してしまうという問題がある。
また、硬質樹脂で作られたルーフサイドトリムは、変形し難く、割れ易いため(気温低下時には特に)、膨張展開するカーテンエアバッグによって車内に向って無秩序に飛散してしまう恐れがある。
本発明は、上述した課題を解決するために発明されたものであって、ルーフサイドトリムから車内へのカーテンエアバッグの展開性を、ルーフサイドトリムを無秩序に飛散させることなしに、向上させることができる、車両の後部構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による、車両の後部構造は、車両の天井を構成するルーフトリムよりも硬質な合成樹脂で作られた、前記車両の後部に位置する後部ピラーを覆う後部ピラートリムと、該後部ピラートリムの車両前後方向前方に位置するサイドウインドガラスとを有し、該サイドウインドガラスの上縁部が前記ルーフトリムの側縁部の外方に位置し、前記ルーフトリムの側縁部から前記後部ピラーの下部まで、前記サイドウインドガラスを覆うように膨張展開されるカーテンエアバッグを備えるカーテンエアバッグ装置と、前記サイドウインドガラスの上縁部の車幅方向内方において前記ルーフトリムの側縁部に設けられた、前記ルーフトリムよりも硬質な合成樹脂で作られたルーフサイドトリムとを有し、該ルーフサイドトリムには、膨張展開する前記カーテンエアバッグにより前記ルーフサイドトリムを所定箇所で変形又は破断させるための変形/破断誘導手段が形成されている、ことを特徴とする。
本発明では、ルーフサイドトリムに変形/破断誘導手段を設けることにより、カーテンエアバッグの膨張展開時に、常時、ルーフサイドトリムを所定箇所にて変形又は破断させることができるので、ルーフサイドトリムから車内へのカーテンエアバッグの展開を容易にするとともに、ルーフサイドトリムの無秩序な飛散を防止することができる。
本発明では、前記ルーフサイドトリムの車両前後方向後端部は、前記後部ピラートリムの車両前後方向前端部の上端部に、前記ルーフサイドトリムの車両前後方向後端部が前記後部ピラートリムの車両前後方向前端部の上端部に対して車室内方に位置するように、取り付けられ、前記カーテンエアバッグが、その膨張時に、前記ルーフサイドトリムの車両前後方向後端部と前記後部ピラートリムの車両前後方向前端部の上端部との間から前記サイドウインドガラスに向って展開されるように、構成され、前記変形/破断誘導手段が、前記ルーフサイドトリムを車両前後方向前部と、車両前後方向後部とに分離させるように延びるのが好ましい。
この構成によれば、ルーフサイドトリムを車室内方に移動させ易いので、カーテンエアバッグの車内への展開性を向上させることができる。
この構成によれば、ルーフサイドトリムを車室内方に移動させ易いので、カーテンエアバッグの車内への展開性を向上させることができる。
また、前記ルーフサイドトリムの車室外側面に、前記ルーフサイドトリムを車体に取り付けるのに用いられる台座が設けられ、該台座に前記変形/破断誘導手段が形成されているのが好ましい。
この構成によれば、変形/破断誘導手段をルーフサイドトリムに直接設けた場合に生ずる、ルーフサイドトリムの車室内からの見映えの低下を回避することができる。
この構成によれば、変形/破断誘導手段をルーフサイドトリムに直接設けた場合に生ずる、ルーフサイドトリムの車室内からの見映えの低下を回避することができる。
更に、前記後部ピラーの車両前後方向前方に中間ピラーが設けられ、該中間ピラーが中間ピラートリムによって覆われ、前記ルーフサイドトリムの車両前後方向前端部は、前記中間ピラートリムの車両前後方向後端部の上端部に、前記ルーフサイドトリムの車両前後方向前端部が前記中間ピラートリムの車両前後方向後端部の上端部に対して車室内方に位置するように、取り付けられるのが好ましい。
この構成によれば、ルーフサイドトリムを車室内方に移動させ易いので、カーテンエアバッグの車内への展開性を向上させることができる。
この構成によれば、ルーフサイドトリムを車室内方に移動させ易いので、カーテンエアバッグの車内への展開性を向上させることができる。
本発明によれば、ルーフサイドトリムから車内へのカーテンエアバッグの展開性を、ルーフサイドトリムを無秩序に飛散させることなしに、向上させることができる、車両の後部構造を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を、3列のシートを装備し、Aピラー、Bピラー、Cピラー及びDピラーを有する車両に適用したものである。
図1を参照すると、全体的に参照番号1で示される車両の室内の右半部が車両の長手方向中央平面から概略的に示されている。
車両1は、前部ピラーと、前部ピラーの車両前後方向後方に配置された中間ピラーと、中間ピラーの車両前後方向後方に配置された後部ピラーとを有し、前部ピラーはAピラーによって、中間ピラーはBピラー及び(Bピラーの車両前後方向後方に配置された)Cピラーによって、また、後部ピラーはDピラーによって、夫々、構成され、Aピラー乃至Dピラーは、室内側から、夫々、Aピラートリム2乃至Dピラートリム5によってカバーされている。
Aピラートリム2とBピラートリム3との間には1列目のシート6が、Bピラートリム3とCピラートリム4との間には2列目のシート7が、また、Cピラートリム4とDピラートリム5との間には3列目のシート8が、夫々、配置されている。また、Aピラー乃至Dピラーによってルーフが支持され、このルーフは、ウレタンフォーム材、或いは、発泡ポリエチレンなどの比較的柔軟な素材で作られたルーフトリム9によって室内側からカバーされている。
更に、車両1の側部には、Aピラートリム2とBピラートリム3との間に1列目シート用サイドガラスウインド10が、Bピラートリム3とCピラートリム4との間に2列目シート用サイドガラスウインド11が、そして、Cピラートリム4とDピラートリム5との間に3列目シート用サイドガラスウインド(クォータウインドガラス)12が、夫々、配置されている。
車両1は更にまたカーテンエアバッグ装置を備える。このカーテンエアバッグ装置の構造それ自体は既知のものである。
これを簡単に説明すると、カーテンエアバッグ装置は、カーテンエアバッグ20と、これを膨張させるためのインフレータ21と、カーテンエアバッグ20とインフレータ21とを連結するガス供給パイプ22と、車両1に対する側面衝突又は車両1の横転(ロールオーバー)に関する情報を検出するためのセンサ(図示せず)と、このセンサ(図示せず)とインフレータ21とに電気的に接続された制御装置(図示せず)とを有する。
これを簡単に説明すると、カーテンエアバッグ装置は、カーテンエアバッグ20と、これを膨張させるためのインフレータ21と、カーテンエアバッグ20とインフレータ21とを連結するガス供給パイプ22と、車両1に対する側面衝突又は車両1の横転(ロールオーバー)に関する情報を検出するためのセンサ(図示せず)と、このセンサ(図示せず)とインフレータ21とに電気的に接続された制御装置(図示せず)とを有する。
カーテンエアバッグ20は、AピラーとAピラートリム2との間、ルーフとルーフトリム9との間、及び、DピラーとDピラートリム5との間に延びるように配置される。詳細には、カーテンエアバッグ20の前端部の上縁部、すなわち、前端部上縁部20Aは、ブラケット23を介してAピラーの上端部に取り付けられ、カーテンエアバッグ20の上縁部は、前端部(上縁部)20Aから、ルーフトリム9の側縁部9A(図3参照)に沿って延びるようにブラケット24、25を介してルーフに取り付けられ、後端部(上縁部)20Bは、ブラケット26を介してDピラーの上端部に取り付けられる。上述したように上縁部が支持されたカーテンエアバッグ20は、図3で分かるように、上下方向に折り重なるように蛇腹状に折り畳まれる。
このカーテンエアバッグ装置では、制御装置(図示せず)は、センサ(図示せず)からの情報に基づいて、車両1に対する側面衝突があった、又は、車両1に対する側面衝突が予測される、或いは、車両1が横転した、又は、車両1の横転が予測されると判断したときに、インフレータ21を作動させる。すると、インフレータ21によって作られたガス(圧)がガス供給パイプ22を介してカーテンエアバッグ20に供給され、カーテンエアバッグ20は、図2に示すように、膨張展開して、各サイドウインドガラス10〜12を覆う。カーテンエアバッグ20の前端部の下縁部、すなわち、前端部下縁部20Cにはバンド27の後端部が取り付けられ、バンド27の前端部はAピラーの下端部に取り付けられているので、膨張展開したカーテンエアバッグ20は、少なくとも、カーテンエアバッグ20の前端部下縁部20Cと、後端部上縁部20Bとを結ぶラインよりも上方に位置する部分が、上方に捲りあがるのが阻止される。従って、カーテンエアバッグ膨張展開後にカーテンエアバッグが捲りあがってしまうことによって乗員の上部、例えば頭部が、窓やピラー(トリム)などの車両側部に、或いは、割れた窓から車外の物(例えば道路)に、直接、打ちつけられてしまうのを阻止することができる。
ところで、Aピラートリム2乃至Dピラートリム5は、ルーフトリム9よりも硬質な材料、この実施形態では、ポリプロピレンで作られ、同じく、ルーフトリム9よりも硬質な材料、この実施形態では、ポリプロピレンで作られたルーフサイドトリム30が、図3で良く分かるように、3列目シート用サイドガラスウインド12の上縁部の車幅方向内方においてルーフトリム9の側縁部9Aに隣接して設けられている。
このルーフサイドトリム30は、図4乃至図6に示されるように、車両の長手方向に、Cピラートリム4の上部の車両前後方向後端部4AとDピラートリム5の上部の車両前後方向前端部5Aとの間に延びる。
詳細には、ルーフサイドトリム30の車内方向側縁部30Aは、図3で良く分かるように、ルーフトリム9の側縁部9Aの底面(車室内側面)に当接するように位置決めされ、ルーフサイドトリム30の車両前後方向前端部30B、車両前後方向後端部30Cは、夫々、図5、図6に示すように、Cピラートリム4の上部の車両前後方向後端部4Aの底面(車室内側面)、Dピラートリム5の上部の車両前後方向前端部5Aの底面(車内側面)に当接するように位置決めされる。
図3、図5及び図6に示されるように、ルーフサイドトリム30の頂面(車室外側面)30Dには、ルーフサイドトリム30を車体に取り付けるのに用いられる、コの字状断面の台座40、41が設けられている。台座40、41は、車両の長手方向に間隔を隔ててルーフサイドトリム30と一体成形されている。台座40、41は、ルーフサイドトリム30と別個に形成した後、ルーフサイドトリム30に既知の任意の仕方で固定しても良い。
台座40の頂部には、横方向(内外方向)に撓むクリップ部材40Aが設けられると共に、クリップ部材40Aに対して車両前後方向後方に間隔を隔てて位置決めピン40Bが設けられている。台座40の側面にはクリップ部材40Aに隣接して連結バンド40Cの一方端が固定され、連結バンド40Cの他方端はリング部材40Dに固定されている。
車両1のルーフの側部にはルーフインナーパネル50(図3、図5、図7参照)が支持され、ルーフサイドトリム30のクリップ部材40Aに対向するルーフインナーパネル50の部分には取付穴が形成され、この取付穴にリング部材40Dが取り付けられるようになっている。尚、図3から良く分かるように、インフレータ21、ブラケット(24、)25もまたルーフインナーパネル50で適宜支持される。
台座40のクリップ部材40Aはその高さ方向中間部付近に最大横方向寸法を有し、リング部材40Dの開口部(図7参照)は、無負荷状態のクリップ部材40Aの最大横方向寸法よりも小さく寸法形状決めされている。従って、台座40のクリップ部材40Aをルーフインナーパネル50の下方(車室内側)から、クリップ部材40Aの最大横方向寸法がリング部材40Dの開口部を上方(車室外側)に越えるまで、押し上げることによって、クリップ部材40Aをルーフインナーパネル50に係止することができる。
ルーフインナーパネル50にはまた、台座40の位置決めピン40Bに対向する部分に位置決め穴51(図7参照)が形成され、位置決め穴51は位置決めピン40Bを受け入れるように寸法形状決めされている。
台座41にもまた、台座40におけるのと同様に、その頂部に、横方向(内外方向)に撓むクリップ部材41Aが設けられ、側面には連結バンド41Cの一方端が固定され、連結バンド41Cの他方端はリング部材41Dに固定されている。台座41のクリップ部材41Aはもまた、その高さ方向中間部付近に最大横方向寸法を有し、リング部材41Dの開口部(図7参照)は、無負荷状態のクリップ部材41Aの最大横方向寸法よりも小さく寸法形状決めされ、台座41のクリップ部材41Aをルーフインナーパネル50の下方から、クリップ部材41Aの最大横方向寸法がリング部材41Dの開口部を上方に越えるまで、押し上げることによって、クリップ部材41Aをルーフインナーパネル50に係止することができる。
このように、ルーフサイドトリム30の長手方向に間隔を隔てた台座40、41をルーフインナーパネル50に係止することによって、ルーフサイドトリム30をルーフインナーパネル50に取り付けることができる。
台座40、41を介してルーフインナーパネル50に取り付けられたルーフサイドトリム30は、カーテンエアバッグ20が膨張展開されると、車内に向けて下向きに押圧され、この押圧力が、ルーフインナーパネル50に対する台座40、41のクリップ部材40A、41Aの保持力に打ち勝つことにより、クリップ部材40A、41Aが夫々、ルーフインナーパネル50のリング部材40D、41Dから外れる。しかし、台座40、41は、連結バンド40C、41C、リング部材40D、41Dを介してルーフインナーパネル50に連結されているので、連結バンド40C、41Cの長さ分だけルーフインナーパネル50から離れるに過ぎず、従って、ルーフサイドトリム30がルーフインナーパネル50から完全に脱落することはない。
このようにして、ルーフサイドトリム30がルーフインナーパネル50から、所定距離、車内方向に移動することにより、これらの間からカーテンエアバッグ20が車内に向って膨張展開することができるので、硬質樹脂製のルーフサイドトリム30がカーテンエアバッグ20の膨張展開を阻害することを防止することができ、また、硬質樹脂製のルーフサイドトリム30はルーフインナーパネル50から完全に解放されないので、ルーフサイドトリム30が飛散することによって乗員が損傷してしまうことを回避することができる。
また、ルーフサイドトリム30がカーテンエアバッグ20によって車内に向けて下向きに押圧されることに関連して、ルーフサイドトリム30の車内方向側縁部30A、車両前後方向前端部30B、車両前後方向後端部30Cは、夫々、ルーフトリム9の側縁部9Aの底面(車室内側面)、Cピラートリム4の上部の車両前後方向後端部4Aの底面(車室内側面)、Dピラートリム5の上部の車両前後方向前端部5Aの底面(車内側面)に当接するように位置決めされているので、カーテンエアバッグ20の膨張展開時、ルーフサイドトリム30の移動がルーフトリム9、Cピラートリム4、Dピラートリム5によって妨げられることがなく、よって、カーテンエアバッグ20の展開性を向上させることができる。このことはまた、硬質なルーフサイドトリム30の移動によりによって、これまた硬質なCピラートリム4、Dピラートリム5を大きく変形乃至破損させてしまうことを回避することができる。
尚、ルーフサイドトリム30をルーフインナーパネル50に解放可能に取り付け、カーテンエアバッグ20の膨張展開時に、ルーフサイドトリム30をルーフインナーパネル50から所定距離のみ移動させるための手段として、上述した構造に代えて、例えば特許文献2に開示されている手段を用いても良い。
ルーフサイドトリム30にはまた、膨張展開するカーテンエアバッグ20によりルーフサイドトリム30を所望の箇所で変形させ、或いは、破断させるための変形/破断誘導手段が形成されている。
この変形/破断誘導手段は、この実施形態では、台座40の頂部40E及び側部40F、40Gに形成された脆弱部、すなわち、スリット60によって構成されている。
スリット60は、台座40の頂部40E及び側部40F、40Gに、ルーフサイドトリム30の幅方向(車幅方向)に延びるように、すなわち、ルーフサイドトリム30を車両前後方向前部60Aと、車両前後方向後部60Bとに区画するように、連続して形成されている。
スリット60は、台座40の頂部40E及び側部40F、40Gに、ルーフサイドトリム30の幅方向(車幅方向)に延びるように、すなわち、ルーフサイドトリム30を車両前後方向前部60Aと、車両前後方向後部60Bとに区画するように、連続して形成されている。
ルーフサイドトリム30にこのようなスリット60を設けると、前述したように膨張展開するカーテンエアバッグ20によってルーフサイドトリム30に圧力が加えられると、ルーフサイドトリム30は、先ず、脆弱化された台座40のスリット60に沿って割れ、次いで、残部がスリット60の延長線方向に沿って割れるので、ルーフサイドトリム30を、常時、スリット60(及びその延長方向)に沿って破断させることができる。すなわち、ルーフサイドトリム30を所定の箇所、方向にて破断させるように制御することができる。
このようにルーフサイドトリム30を破断させることにより、上述したカーテンエアバッグ20の展開性を更に向上させることができる。
そして、ルーフサイドトリム30を常時、スリット60(及びその延長方向)に沿って破断させることにより、ルーフサイドトリム30の無秩序な飛散を阻止することができる。すなわち、スリット60を設けないときには、例えば、ルーフサイドトリム30が、車両前後方向前端部30Bと台座40との間で破断されてしまう可能性が有り、この場合、破断されたルーフサイドトリム30の前方部分は車内に向って飛んでしまう恐れがあるが、本実施形態におけるように、ルーフサイドトリム30をスリット60(及びその延長方向)に沿って破断させるときには、破断されたルーフサイドトリム30の車両前後方向前部60A、車両前後方向後部60Bは、夫々、上述したように、台座40、41、連結バンド40C、41C、リング部材40D、41Dによってルーフインナーパネル50に連結されているので、車両前後方向前部60A、車両前後方向後部60Bが車内に向って飛んでしまうのを阻止することができる。
そして、ルーフサイドトリム30を常時、スリット60(及びその延長方向)に沿って破断させることにより、ルーフサイドトリム30の無秩序な飛散を阻止することができる。すなわち、スリット60を設けないときには、例えば、ルーフサイドトリム30が、車両前後方向前端部30Bと台座40との間で破断されてしまう可能性が有り、この場合、破断されたルーフサイドトリム30の前方部分は車内に向って飛んでしまう恐れがあるが、本実施形態におけるように、ルーフサイドトリム30をスリット60(及びその延長方向)に沿って破断させるときには、破断されたルーフサイドトリム30の車両前後方向前部60A、車両前後方向後部60Bは、夫々、上述したように、台座40、41、連結バンド40C、41C、リング部材40D、41Dによってルーフインナーパネル50に連結されているので、車両前後方向前部60A、車両前後方向後部60Bが車内に向って飛んでしまうのを阻止することができる。
スリット60、すなわち、変形/破断誘導手段は、膨張展開するカーテンエアバッグ20によりルーフサイドトリム30を所望の箇所で変形させ、或いは、破断させることができるようにルーフサイドトリム30の一部(所望箇所)を脆弱化させることができれば足りる。従って、変形/破断誘導手段は、台座40の頂部40E及び側部40F、40Gの一部にのみ亘って延びるスリットによって構成しても良いし、スリット60の形態ではなく、一定間隔で台座40に形成された孔や、切欠(スコアライン)によって構成しても良い。
更に、変形/破断誘導手段は、台座40のみではなく、変形又は破断させたい箇所に沿って連続的に、或いは、不連続にルーフサイドトリム30の全幅(車幅方向)に亘って形成した各種脆弱部によって構成しても良い。ルーフサイドトリム30の全幅に亘って各種脆弱部を設けることによって所望箇所でのルーフサイドトリム30の変形、破断の制御をより確実にすることができる。他方、台座40にのみ各種脆弱部を設けることによって、例えば、ルーフサイドトリム30の車室側の面に所謂ヒケが生ずるのを防止し、もってルーフサイドトリム30に対する車室内からの見映えを低下させることを回避することができる。
また、本実施形態においては、図6に示すように、ルーフサイドトリムの車両前後方向後部60Bの後端に、展開するカーテンエアバッグが直接的に押圧することになる。一方、車両前後方向後部60Bは、スリット60から後方に離間した位置にクリップ部材41Aにより車体に支持固定されており、また、車両前後方向前部60Aは、スリット60近傍でクリップ部材40Aにより支持固定される。このような構成により、ルーフサイドトリムは、カーテンエアバッグからの押圧によって、スリット60近傍で応力が集中し易くなるため、スリット60近傍での破断等が促進されることになる。また、スリット60の前後方向における近傍は、台座40により剛性が高められているため、より一層、スリット60に応力が集中して破断が促進され、カーテンエアバッグの展開性を向上させることができる。
最後に、硬質のルーフサイドトリム30と対向するカーテンエアバッグ20の部分は、上述したように、ルーフサイドトリム30がルーフインナーパネル50から離れるように移動され、且つまた、スリット60(及びその延長方向)に沿って変形又は破断されることによって構成された空間を通って、膨張展開することになるが、ルーフトリム9の側縁部9Aに沿って配置されたカーテンエアバッグ20の部分は、ルーフトリム9の側縁部9Aを押しのけて車室内に膨張展開する。また、硬質のAピラートリム2、Dピラートリム5内に配置されたカーテンエアバッグ20の部分は、夫々、Aピラートリム2と1列目シート用サイドガラスウインド10との間、Dピラートリム5と3列目シート用サイドガラスウインド12との間から、車室内に膨張展開することになる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく以下のような種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、3列のシート6〜8、Aピラー〜Dピラーからなる4つのピラーを備える車両に本発明を適用したけれども、2列のシートを備え、3つのピラーからなる車両に本発明を適用することもできる。この場合、車両の最後方のCピラーが後部ピラーを構成し、このCピラー(後部ピラー)とBピラー(中間ピラー)との間に、上述した構成のルーフサイドトリム30を設けても良い。
例えば、上記実施形態では、3列のシート6〜8、Aピラー〜Dピラーからなる4つのピラーを備える車両に本発明を適用したけれども、2列のシートを備え、3つのピラーからなる車両に本発明を適用することもできる。この場合、車両の最後方のCピラーが後部ピラーを構成し、このCピラー(後部ピラー)とBピラー(中間ピラー)との間に、上述した構成のルーフサイドトリム30を設けても良い。
1 車両
5 Dピラートリム(後部ピラートリム)
9 ルーフトリム
9A 側縁部
12 3列目シート用サイドガラスウインド(サイドウインドガラス)
20 カーテンエアバッグ
30 ルーフサイドトリム
60 スリット(変形/破断誘導手段)
5 Dピラートリム(後部ピラートリム)
9 ルーフトリム
9A 側縁部
12 3列目シート用サイドガラスウインド(サイドウインドガラス)
20 カーテンエアバッグ
30 ルーフサイドトリム
60 スリット(変形/破断誘導手段)
Claims (4)
- 車両の後部構造であって、
車両の天井を構成するルーフトリムよりも硬質な合成樹脂で作られた、前記車両の後部に位置する後部ピラーを覆う後部ピラートリムと、
該後部ピラートリムの車両前後方向前方に位置するサイドウインドガラスとを有し、該サイドウインドガラスの上縁部が前記ルーフトリムの側縁部の外方に位置し、
前記ルーフトリムの側縁部から前記後部ピラーの下部まで、前記サイドウインドガラスを覆うように膨張展開されるカーテンエアバッグを備えるカーテンエアバッグ装置と、
前記サイドウインドガラスの上縁部の車幅方向内方において前記ルーフトリムの側縁部に設けられた、前記ルーフトリムよりも硬質な合成樹脂で作られたルーフサイドトリムとを有し、該ルーフサイドトリムには、膨張展開する前記カーテンエアバッグにより前記ルーフサイドトリムを所定箇所で変形又は破断させるための変形/破断誘導手段が形成されている、
車両の後部構造。 - 前記ルーフサイドトリムの車両前後方向後端部は、前記後部ピラートリムの車両前後方向前端部の上端部に、前記ルーフサイドトリムの車両前後方向後端部が前記後部ピラートリムの車両前後方向前端部の上端部に対して車室内方に位置するように、取り付けられ、
前記カーテンエアバッグが、その膨張時に、前記ルーフサイドトリムの車両前後方向後端部と前記後部ピラートリムの車両前後方向前端部の上端部との間から前記サイドウインドガラスに向って展開されるように、構成され、
前記変形/破断誘導手段が、前記ルーフサイドトリムを車両前後方向前部と、車両前後方向後部とに分離させるように延びる、
請求項1記載の車両の後部構造。 - 前記ルーフサイドトリムの車室外側面に、前記ルーフサイドトリムを車体に取り付けるのに用いられる台座が設けられ、該台座に前記変形/破断誘導手段が形成されている、請求項1又は請求項2記載の車両の後部構造。
- 前記後部ピラーの車両前後方向前方に中間ピラーが設けられ、該中間ピラーが中間ピラートリムによって覆われ、
前記ルーフサイドトリムの車両前後方向前端部は、前記中間ピラートリムの車両前後方向後端部の上端部に、前記ルーフサイドトリムの車両前後方向前端部が前記中間ピラートリムの車両前後方向後端部の上端部に対して車室内方に位置するように、取り付けられた、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の車両の後部構造。
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JP2006243896A JP2008062827A (ja) | 2006-09-08 | 2006-09-08 | カーテンエアバッグ装置を備えた車両の後部構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2006-09-08 JP JP2006243896A patent/JP2008062827A/ja active Pending
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