ジスルホニルフロリド化合物の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、ジスルホニルフロリドィ匕合物の効率的な製造方法に関する。
背景技術
[0002] ジスルホニルフロリド化合物の製造方法としては、以下の方法が提案されている。
(1) FSO (CH ) SO Fの電解フッ素化反応によって、 FSO CF CF CF SO Fを
2 2 3 2 2 2 2 2 2 得る方法 (非特許文献 1参照。 ) o
(2)環状テトラフルォロエチレンポリスルフイドを、塩素および過酸化水素を用いて 酸ィ匕的に開環して CISO (CF ) SO C1を得て、つぎにフッ化カリウムを用いてフッ素
2 2 2 2
化して FSO (CF ) SO Fを得る方法 (非特許文献 2参照。 ) 0
2 2 2 2
(3) I (CF ) I (ただし、 pは 3、 4、または 6を示す。)をスルフィン酸ナトリウムおよび
2 p
塩素を用いて CISO (CF ) SO C1に変換して、つぎにフッ化カリウムによってフッ素
2 2 p 2
化して FSO (CF ) SO Fを得る方法 (非特許文献 3参照。 ) 0
2 2 p 2
(4)エチレンと下式 (A)で表される化合物を電解カップリング反応させて、下式 (C) で表される化合物 (ただし、 qは 1または 2を示す。)を得る方法 (非特許文献 4参照。 )
FSO (CF ) OCFCF(CF )COOH (A)
2 2 2 3
FSO (CF ) OCFCF(CF )(CH CH ) CF(CF )0(CF ) SO F (C)。
2 2 2 3 2 2 q 3 2 2 2
また、電解フッ素化で入手した FSO CF CF CF SO Fとアンモニアを反応させて
2 2 2 2 2
環状ペルフルォロ脂肪族ジスルホンイミドアンモ-ゥム塩を得る方法 (特許文献 1参 照。)が知られている。
[0003] 特許文献 1 :特開昭 57— 146766号公報、実施例 3参照
非特許文献 1:「Journal of Fluorine Chemistry」、 1987年、 35卷、 329— 341 頁
非特許文献 2 :「Journal of Fluorine Chemistry」、 1998年、 89卷、 107— 109 頁
非特許文献 3 :「Journal of Fluorine Chemistry」、 1993年、 63卷、 85— 100 頁
非特許文献 4:「Journal of Electoroanalitycal Chemistry」、 1992年、 325卷 、 167— 184頁
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] しかし、前記のジスルホニルフロリドィ匕合物の製造方法には、それぞれ下記の課題 がある。
(1)の方法は、 FSO (CH ) SO Fを製造するために、出発原料の Br (CH ) Brか
2 2 3 2 2 3 ら 3工程の反応が必要であり、煩雑であった。また、(1)の方法で用いる電解フッ素化 反応は、収率が不充分であった。
(2)の方法は、環状テトラフルォロエチレンポリスルフイドの入手が困難であり、かつ 、工程が多ぐ総合収率が低力つた。
(3)の方法は、原料が高価であり、かつ工程が多ぐ総合収率が低力つた。
(4)の方法にぉ 、ては、下式 (B)で表される化合物が収率 30%で副生する。 FSO (CF ) OCF(CF )CF(CF )0(CF ) SO F (B)
2 2 2 3 3 2 2 2
しかし、(4)の方法は、エチレンと式 (A)で表される化合物を電解カップリング反応 して式 (C)で表される化合物を得るのが目的であり、式 (B)で表される化合物のみを 得る場合は、該化合物を単離精製する必要があった。
また、(4)の方法において開示される化合物は、末端構造が— CF (CF ) COOH
3 の化合物のみである。よって、該末端構造以外の、カルボキシル基が結合する末端 構造を有し、かつフルォロスルホ-ル基を有する化合物において、電解カップリング 反応が実施できるか否かは、これまで全く不明であった。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明は、前記課題を解決する目的でなされたものであり、ジスルホニルフロリドィ匕 合物を効率的かつ高収率に製造する方法を提供する。
[0006] すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。
〈1〉下式(1)で表される化合物を、 Yがフッ素原子である場合は光カップリング反応さ
せて、また、 Yが水酸基、 OMa、または— O (Mb) である場合は電解カップリング
1/2
反応させて、下式 (2)で表される化合物を得ることを特徴とする下式 (2)で表される化 合物の製造方法。
FSO -E-CX -COY (1)
2 2
FSO -E-CX -CX— E— SO F (2)
2 2 2 2
ただし、式中の記号は下記の意味を表す。
E :単結合、エーテル性酸素原子、炭素数 1 20のエーテル性酸素原子を含んで いてもよいアルキレン基、または該アルキレン基の水素原子の 1個以上がフッ素原子 および Zまたは塩素原子に置換された基。
X:それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、またはフッ素原子。
Y:フッ素原子、水酸基、 OMa (Maはアルカリ金属原子である。)、または— 0 (Mb ) (Mbはアルカリ土類金属原子である。 )。
1/2
〈2〉上記〈1〉に記載の製造方法によって得られた式(2)で表される化合物と、アンモ ユアとを反応させる下式(3)で表される化合物の製造方法。ただし、式中の記号は前 記と同じ意味を示す。
[化 1]
〈3〉上記〈2〉に記載の製造方法によって得られた式(3)で表される化合物を、プロト ン酸の存在下に加熱する下式 (4)で表される化合物の製造方法。ただし、式中の記 号は前記と同じ意味を表す。
[化 2]
Xし し 2
/ \E
(4)
\ I
02S\ so2
H
〈4〉上記〈2〉に記載の製造方法によって得られた式(3)で表される化合物と、式 Mで
表される n価の金属を含む金属塩とを反応させる下式 (5)で表される化合物の製造 方法。
[0009] [化 3]
ただし、 Eおよび Xは前記と同じ意味を示し、 nは 1 4の整数を示し、 Mは n価の金 属を示し、(M)
n+は n価の金属カチオンを表す。
〈5〉上記〈3〉に記載の製造方法によって得られた式 (4)で表される化合物と、式 Mで 表される n価の金属を含む金属塩とを反応させる下式 (5)で表される化合物の製造 方法。
[0010] [化 4]
ただし、 Εおよび Xは前記と同じ意味を表し、 ηは 1 4の整数を表し、 Μは η価の金 属を表し、(Μ)
η+は η価の金属カチオンを表す。
〈6〉〈3〉に記載の製造方法によって得られた式 (4)で表される化合物と、フッ素とを反 応させる下式 (6)で表される化合物の製造方法。ただし、式中の記号は前記と同じ意 味を表す。
[0011] [化 5] ズ 2 CX
/ \
E\ I (6)
02S S02
〈7〉上記〈4〉または〈5〉に記載の製造方法によって得られた式(5)で表される化合物
と、フッ素とを反応させる下式 (6)で表される化合物の製造方法。ただし、式中の記 号は前記と同じ意味を表す。
[0012] [化 6]
}\2し ズ 2
/ \
E\ (6)
02S、 ノ S02
ヽ h
E.
〈8〉上記〈3〉に記載の製造方法によって得られた式 (4)で表される化合物と、式 i e 表される基を有するアルキル化剤とを反応させる式 (7)で表される化合物の製造方 法。
[0013] [化 7]
(ァ)
R ただし、 Eおよび Xは前記と同じ意味を表し、 Rはエーテル性酸素原子または窒素 原子を含んで 、てもよ 、、炭素数 1〜10のアルキル基を表す。
〈9〉上記〈3〉に記載の製造方法によって得られた式 (4)で表される化合物と、下式 (8 )で表される化合物とを反応させる下式 (9)で表される化合物の製造方法。
[ (Z^ ^R1) (R2) (R3) (R4) ] (L)K_ (8)
k
[0014] [化 8]
X2C CX
\
[(Z1) (R1)(RZ)(R3)(R4)]
02S SO;
N ただし、 Eおよび Xは、前記と同じ意味を表す。 Z
1は、窒素原子またはリン原子を表 す。 R
2、 R
3、および R
4は、それぞれ独立に、エーテル性酸素原子、窒素原子、 およびリン原子力もなる群力も選ばれる 1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数 1 〜10の 1価炭化水素基、または水素原子を表す。または、
R
2、 R
3、および から
選ばれる 2 4個の基は、それぞれ連結して環構造を形成し、環構造を形成しない残 余の基が存在する場合、該残余の基はエーテル性酸素原子、窒素原子、およびリン 原子力もなる群力も選ばれる 1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数 1 10の 1 価炭化水素基、または水素原子を、示す。(L)
k—は、 k価のァ-オンを示す。 kは、 1 または 2を表す。
〈10〉上記〈8〉に記載の製造方法によって得られた式 (7)で表される化合物と、下式( 10)で表される化合物とを反応させる下式(11)で表される化合物の製造方法。
Z2 (R5) (R6) (R7) (10)
[化 9]
R-(Z2) (R5)(R6)( 7)] (11)
ただし、 Eおよび Xは、前記と同じ意味を表す。 ΖΊま、窒素原子またはリン原子を表 す。 R
5 R
6、および R
7は、それぞれ独立に、エーテル性酸素原子、窒素原子、およ びリン原子力もなる群より選ばれる 1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数 1 10 の脂肪族炭化水素基、水素原子、またはァリール基を示す。または、 R
5 R
6、および R
7から選ばれる 2または 3個の基は、それぞれ連結して環構造を形成し、環構造を形 成しない残余の基が存在する場合、該残余の基はエーテル性酸素原子、窒素原子 、およびリン原子力 なる群より選ばれる 1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数 1 10の脂肪族炭化水素基、水素原子、またはァリール基を、表す。
〈11〉Eが、単結合、炭素数 1 20のアルキレン基、または該炭素数 1 20のアルキ レン基の水素原子の 1個以上がフッ素原子および Zまたは塩素原子で置換された基 、である上記〈1〉〜く 10〉の 、ずれかに記載の製造方法。
〈12〉 E力 単結合である上記〈1〉〜く 11〉のいずれかに記載の製造方法。
〈13〉 Yが、水酸基、 OMa(Maはアルカリ金属原子である。)、または 0 (Mb) (
1/2
Mbはアルカリ土類金属原子である。 )である上記〈1〉〜く 12〉の ずれかに記載の製 造方法。
〈14〉 Yが、水酸基または OMa(Maはアルカリ金属原子である。)である上記〈1〉〜 〈13〉のいずれかに記載の製造方法。
〈15〉Xが、フッ素原子である上記〈1〉〜く 14〉の 、ずれかに記載の製造方法。
〈16〉下式(7A)で表される化合物。
[0016] [化 10]
F2C— CF2
02S S02 (7A)
N
I
CH3
〈17〉下式(9A— 1)で表される化合物。
[0017] [化 11]
"
(9A-1)
R10:炭素数 1〜: LOのアルキル基。
R20, R30,および R4G:それぞれ独立に、炭素数 1〜10のアルキル基、水素原子、ま たはァリール基。または、 R2G、 R3G、および R4Gから選ばれる 2〜3つの基は、それぞ れ連結して N+を含む環構造を形成し、環構造を形成しな!ヽ残余の基が存在する場 合、該残余の基は炭素数 1〜10のアルキル基である。
〈18〉窒素原子上に非共有電子対を有する含窒素化合物に下式 (7)で表される化合 物を反応させることにより、該含窒素化合物の窒素原子に式 (7)中の Rが置換した置 換アンモ-ゥムを形成させることを特徴とする、置換アンモ-ゥムの製造方法。ただし 、式中の記号は上記〈8〉に記載したのと同じ意味を表す。
[0018] [化 12]
X2C— CX
/ \
E\ I (7)
、 02
R 発明の効果
[0019] 本発明によれば、合成が困難であったジスルホニルフロリド化合物を、光カップリン グ反応、または電解カップリング反応を用いることにより、簡便かつ効率的に製造でき る。また、ジスルホ -ルフロリドィ匕合物力 種々の有用な化合物を製造できる。
発明を実施するための最良の形態
[0020] 本明細書において、基の定義は特に記載しない限り前記と同義である。本明細書 において、式(1)で表される化合物をィ匕合物 (1)とも記す。 Eで表される基を基 (E)と も記す。他の式で表される化合物および基も同様に記す。また、特に記載のない限り 、圧力はゲージ圧で表す。
本明細書において、 Eが単結合であるとは、本発明における化合物において、スル ホニルフルオリド基(一 SO F)と CXとが、直接結合していることを意味する。
2 2
本明細書において、 Eがエーテル性酸素原子であるとは、本発明における化合物 において、スルホ-ルフルオリド基と CXとが— O を介して結合し、 FSO -O-C
2 2
X になつていることを意味する。エーテル性酸素原子の具体例としては、炭素原
2
子と炭素原子間に存在する C O Cのような酸素原子、ィォゥ原子と炭素原子間に 存在する S— O— Cのような酸素原子が挙げられる。
本明細書にぉ 、て、 Eが炭素数 1〜20のエーテル性酸素原子を含んで 、てもよ ヽ アルキレン基であるとは、本発明における化合物において、 Eが炭素数 1〜20のアル キレン基または炭素数 1〜20のエーテル性酸素原子を含むアルキレン基であること を意味する。これらの基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよぐ直鎖構造 が好ましい。分岐構造を有する場合、分岐部分はメチル基が好ましい。これらの基の 炭素数は、 1〜10が好ましぐ特に 1〜6が好ましい。
[0021] また、 Eがエーテル性酸素原子を含む基である場合、 Eは、エーテル性酸素原子を 、 1または 2個含むのが好ましい。エーテル性酸素原子は、炭素—炭素原子間に存
在しても、 FSOと結合する基 (E)の末端部分に存在していても、 CXと結合する基(
2 2
E)の末端部分に存在して!/、てもよ!/、。
[0022] Eが炭素数 1 20のエーテル性酸素原子を含んで!/、てもよ!/、アルキレン基の水素 原子の 1個以上がフッ素原子および Zまたは塩素原子で置換された基であるとは、 該アルキレン基の水素原子の 1個以上がフッ素原子および Zまたは塩素原子で置換 された基であることをいう。該基は、炭素数 1 20のフッ素原子で置換されたアルキ レン基、または、炭素数 1 20のフッ素原子および塩素原子で置換されたアルキレン 基が好ましぐ炭素数 1 20のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいアルキレン 基中に含まれる水素原子の全てがフッ素原子で置換された基 (すなわち、ペルフル ォロ化された基。)が特に好ましい。
[0023] 該基の好ましい態様としては、下記の基が挙げられる。該基の左右の向きは限定さ れず、いずれの末端が SO—が結合していてもよく CX—が結合していてもよい
2 2
-CF CF OCF CF
2 2 2 2
-CF CF CF OCF CF CF
2 2 2 2 2 2
-CF CF OCF (CF ) CF OCF (CF )
2 2 3 2 3
CF CF OCF (CF ) -
2 2 3
CF CF O
2 2
CF O
2
-CF
2
CF CF
2 2
CF CF CF
2 2 2
CF CF CF CF
2 2 2 2
[0024] 本発明における Eは、単結合、エーテル性酸素原子、炭素数 1 20のアルキレン 基、または、該アルキレン基の水素原子の 1個以上がフッ素原子および塩素原子か らなる群力 選ばれる原子で置換された基が好ましぐ単結合、エーテル性酸素原子 、または炭素数 1 20のペルフルォロアルキレン基が特に好ましぐ単結合が最も好 ましい。
本発明における Xは、それぞれ独立に、塩素原子またはフッ素原子が好ましぐフッ 素原子が特に好ましい。 -CX一部分の構造は、 -CF 一、—CFC1—、または—C
2 2
HFが好ましぐ -CF一が特に好ましい。
2
本発明における Yは、水酸基、 OMa、または OMbが好ましぐ本発明における カップリング反応は電解カップリング反応が好ましい。
Yが OMa(Maはアルカリ金属原子を示す。)である場合の Maは、反応溶媒に対 する化合物(1)の溶解性が高いことから、 Naまたは Kが好ましい。 Yが— 0 (Mb) (
1/2
Mbはアルカリ土類金属原子である。)である場合の Mbは、 Caまたは Mgが好ましい。
[0025] 本発明における化合物(1)の具体例としては、下式で表される化合物が挙げられる 。ここでィ匕合物(1)中の Yがー 0 (Mb) である化合物(1)とは、下式(1 M2)で表
1/2
される化合物である。
FSO -E-CX -COF (1—F)
2 2
FSO -E-CX -COOH (1 OH)
2 2
FSO -E-CX -COOM3 (1 Ml)、
2 2
(FSO -E-CX -COO) Mb (1— M2)。
2 2 2
[0026] 化合物(1)は、下記化合物(1 ' )が好まし!/、。ただし、 E1は、単結合、エーテル性酸 素原子、炭素数 1〜20のペルフルォロアルキレン基、または炭素数 1〜20のエーテ ル性酸素原子を含むペルフルォロアルキレン基を示す。
FSO E1— CX— COY (1,)。
2 2
[0027] 化合物(1 ' )は、 E1が単結合である場合は下記化合物(1A)で表され、 E1がエーテ ル性酸素原子である場合は下記化合物(1B)で表され、 E1が炭素数 1〜10のペルフ ルォロアルキレン基 (以下、 E1Gとも記す。)である場合は下記化合物(1C)で表され、 E1が炭素数 1〜20のエーテル性酸素原子を含むペルフルォロアルキレン基(以下、 E11と記す。)である場合は下記化合物(1D)で表される。
FSO -CX -COY (1A)、
2 2
FSO -O-CX COY (IB)
2 2
FSO -E10-CX -COY (1C)、
2 2
FSO— E11— CX -COY (1D)。
E1Uの炭素数は、 1〜8が好ましい。 E11の炭素数は、 1〜8が好ましい 化合物(1A)〜(1D)の具体例としては、以下の例が挙げられる。 化合物(1A)の例:
FSO - CF COF、
2 2
FSO - CF— COOH、
2 2
FSO - CF— COOMAゝ
2 2
(FSO - CF -COO) MBゝ
2 2 2
FSO - CFC1— COF、
2
FSO - CFC1— COOH、
2
FSO - CFC1— COOMAゝ
2
(FSO - CFC1-COO) MBゝ
FSO — CHF— COF、
FSO— CHF— COOH、
FSO -CHF-COOM1
(FSO CHF -COO) M
化合物(IB)の例
FSO -O-CF COF、
2 2
FSO -O-CF COOH、
2 2
FSO -O-CF COOMAゝ
2 2
(FSO -O-CF COO) MB。
2 2 2
化合物(ic)の例:
FSO CF CF COF、
2 2 2
FSO CF CF COOH、
2 2 2
FSO CF CF COOMAゝ
2 2 2
(FSO -CF CF -COO) MB。
2 2 2 2
FSO CF CF OCF(CF ) COOH、
2 2 2 3
FSO CF CF OCF(CF ) COOMAゝ
2 2 2 3
(FSO— CF CF OCF(CF ) -COO)
2 2 2 3 2
FSO CF CF OCF (CF ) CF OCF (CF ) COOH、
2 2 2 3 2 3
FSO CF CF OCF (CF ) CF OCF (CF ) COOMaゝ
2 2 2 3 2 3
(FSO— CF CF OCF (CF ) CF OCF (CF ) -COO) Mb。
2 2 2 3 2 3 2
化合物(ID)の例:
FSO OCF CF COF、
2 2 2
FSO OCF CF COOH、
2 2 2
FSO OCF CF COOMaゝ
2 2 2
(FSO -OCF CF -COO) Mb。
2 2 2 2
[0029] 本発明の製造方法においては、化合物(1)における Yがフッ素原子である場合に は化合物(1)を光カップリング反応して化合物(2)を得る。 Yが水酸基、 -OM また は O (Mb) である場合には化合物(1)を電解カップリング反応して化合物(2)を
1/2
得る。本発明においては、 1種の化合物(1)を用いてもよぐ 2種以上の化合物(1)を 用いてもよく、 1種の化合物(1)を用いるのが好ま U、。
[0030] 光カップリング反応の手法は、公知の手法を適用できる。光カップリング反応にお いては光照射によってラジカル (FSO -E-CX が発生し、該ラジカルの 2分子が
2 2
カップリング反応して化合物(2)が生成すると考えられる。光照射に用いる光源として は、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯等が挙げられる。反応温度は、 - 50°C 〜 + 100°Cが好ましぐ反応効率の点力も 0°C〜 + 50°Cが特に好ましい。光カツプリ ング反応は、無溶媒で行ってもよぐ光反応に不活性な溶媒 (ペルフルォロカーボン 類、ペルフルォロエーテル類等。)の存在下に行ってもよい。反応圧力は、大気圧、 減圧、または加圧のいずれであってもよぐ大気圧が好ましい。
電解カップリング反応とは、電解脱炭酸によりラジカル (FSO -E-CX を生成
2 2 させ、つぎに該ラジカルの 2分子をカップリングさせる反応をいう。電解カップリング反 応の手法は、公知の手法を適用できる。
[0031] また、電解カップリング反応において、 Yが水酸基である化合物(1)と、 Yがー OMa または— 0 (Mb) である化合物(1)とを併用してもよい。併用する場合、反応効率
1/2
を向上させるために、 Yが水酸基である化合物(1)に対する、 Yがー OMaまたは—O (Mb) である化合物(1)の量は、 0. 01〜: L 00倍モル力好ましく、 0. 01〜0. 10
倍モルが特に好ましい。
[0032] 電解カップリング反応に用いられる電解装置の電極は、酸化還元電位が高い電極
(例えば白金電極等。)が好ましい。電解カップリング反応の電流密度は、 0. 01〜1 . OAZcm2が好ましぐ発熱制御および反応効率の観点から、 0. 02-0. 5A/cm2 が好ましい。
[0033] 電解装置の電槽は、ガラス製電槽または榭脂 (フッ素榭脂等。 )製電槽が好まし 、。
また、電槽本体を陽極として電解カップリング反応を実施してもよい。反応圧力は、大 気圧、減圧、または加圧のいずれであってもよぐ大気圧が好ましい。
[0034] 電解カップリング反応は、無溶媒で行ってもよぐ溶媒の存在下で行ってもよぐ溶 媒の存在下で行うのが好ましい。溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコー ル類;ァセトニトリル等の-トリル類;水等が挙げられる。溶媒は、 1種であってもよぐ 2 種以上力もなる混合溶媒であってもよい。溶媒は、水とァセトニトリルの混合溶媒が好 ましい。
[0035] 電解カップリング反応は、バッチ式で実施してもよぐ化合物(1)を電解装置に連続 的に供給しながら行う連続反応方式で実施してもよぐ効率が良い点から後者が好ま しい。反応温度は、通常 20°C〜 + 100°Cであり、 20°C〜 + 60°Cが好ましい。ま た、化合物(1)における Eがエーテル性酸素原子を含まない場合、反応温度は 10 °C〜+40°Cが好ましい。化合物(1)における Eがエーテル性酸素原子を含む場合、 反応温度は 20°C〜 +40°Cが好まし!/、。
[0036] 本発明の製造方法により得られた化合物(2)を含む反応粗生物は、後処理により 精製してもよい。後処理の方法としては、水洗、抽出、クロマトグラフィー、蒸留等によ る方法が挙げられる。これらの方法力 選ばれる 2種以上の方法を組み合わせてもよ い。
[0037] 本発明における化合物(2)の好ま ヽ具体例としては、下記化合物(2 ' )が挙げら れる。ただし、式中の記号は前記の意味と同じ意味を示す。
FSO -E'-CX -CX -E'-SO F (2' )
2 2 2 2
[0038] 化合物(2' )としては、化合物(1A)〜(1D)に対応する下記化合物(2A)〜(2D) が好ましい。ただし、式中の記号は前記と同じ意味を示す。
FSO -CX -CX SO F (2A)、
2 2 2 2
FSO -O-CX -CX -O-SO F (2B)ゝ
2 2 2 2
FSO E10— CX— CX— E10— SO F (2C)、
2 2 2 2
FSO E11— CX— CX— E11— SO F (2D)。
2 2 2 2
化合物(2A)の具体例:
FSO CF— CF -SO F、
2 2 2 2
FSO CC1F— CC1F— SO F、
2 2
FSO -CHF-CHF-SO F。
2 2
化合物(2B)の具体例:
FSO OCF— CF O-SO F。
2 2 2 2
化合物(2C)の具体例:
FSO CF CF CF CF SO F。
2 2 2 2 2 2
化合物(2D)の具体例:
FSO OCF CF CF CF O-SO F。
2 2 2 2 2 2
[0039] 本発明の製造方法は、製造工程が短ぐ操作も簡便であり、収率も高い。また生成 物(2)は単一の化合物として得られ、不純物の副生も少ないため、複雑な分離工程 を省略できる。特に、化合物(1)の Xがフッ素原子である場合、化合物(1)のラジカル 生成とカップリング反応力 化合物(1)の CFカルベンの生成反応に優先して進行し
2
、 目的とする生成物(2)が収率よく生成することは、予想外の効果であった。
[0040] 本発明の製造方法によって得られた化合物(2)は、種々の化合物の合成原料とし て有用である。化合物(2)を他の化合物に誘導する例としては、化合物(2)を加水分 解して強酸触媒として有用なスルホン酸化合物を得る例、下記スキーム 1に例示され る化合物(2)の誘導体を得る例が挙げられる。スキーム 1中の化合物の記号は前記と 同じ意味を示す。
<スキーム 1 >
[0041] [化 13]
FS
(5) (6)
[0042] すなわち、化合物(2)とアンモニアを反応させて化合物(2)を化合物(3)に誘導す る例,化合物(3)をプロトン酸の存在下で加熱して化合物(3)を化合物 (4)に誘導す る例,化合物(3)または化合物 (4)と式 Mで表される n価の金属を含む金属塩とを反 応させて化合物(3)または化合物 (4)を化合物(5)に誘導する例,化合物 (4)または 化合物(5)とフッ素 (F )とを反応させて化合物 (4)または化合物(5)を化合物 (6)に
2
誘導する例,化合物 (4)と式 Rで表させるアルキル基を有するアルキル化剤とをアル キル化反応させて化合物 (4)を化合物(7)に誘導する例,化合物(7)と式 Z2 (R5) (R 6) (R7)で表される化合物 (ィ匕合物(10) )とを反応させて化合物(7)をィ匕合物(11)に 誘導する例,化合物 ( と式 [ (Z1) + (R1) (R2) (R3) (R4) ] (L)k_で表される化合物(
k
化合物 (8) )とを反応させて化合物 (4)を化合物(9)に誘導する例等の化合物(2)を 他の化合物に誘導する例が挙げられる。
[0043] また、 R5、 R6、および R7力 選ばれる 2または 3個の基が環構造を形成して 、る場 合には、環構造部分は芳香族性の環構造力 なって 、てもよ 、。
[0044] 化合物(2)を化合物(3)に誘導する例は、公知の方法にしたがって実施できる。た とえば、無水ジェチルエーテル溶媒の存在下に、化合物(2)とアンモニアを反応させ る方法が挙げられる。前記方法における、反応温度は 20〜30°Cが好ましぐ反応圧
力は大気圧が好ましい。また、反応温度は 70°C程度、大気圧下にて、液体アンモ ユアを含むテトラヒドロフラン (THF)溶液に、化合物(2)の THF溶液を添加して、化 合物(2)とアンモニアを反応させる方法も挙げられる。
[0045] 化合物(3)を化合物 (4)に誘導する例は、公知の方法にしたがって実施できる。該 方法に用いるプロトン酸は、濃硫酸が好ましい。該反応は、反応温度を 50〜200°C にし、かつ反応圧力を 50〜40000Paにして実施するのが好ましぐ反応温度を 60 〜 120°Cにし、かつ反応圧力を 150〜4000Paにして実施するのが特に好まし!/、。 該反応は、生成した化合物 (4)を連続的に留出させる反応蒸留形式で行うのが好ま しい。
[0046] 化合物(3)または化合物 (4)をィ匕合物(5)に誘導する例は、特表 2000— 506132 号公報に記載の方法に従って実施するのが好まし 、。式 Mで表される n価の金属は 、 n価の金属カチオンを形成しうる n価の金属から選択される。 nは 1が好ましい。前記 金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム、アンチモン 、ハフニウム、ビスマス、希土類、金、銀、および銅塩等が挙げられ、 1価の金属 (nが 1。)であるリチウムが好ましい。
[0047] リチウムを含むリチウム金属塩としては、式 (Li+) (LB)m—で表される塩が挙げられ る。ここで、(LB)m—は m価(ただし、 mは正の整数を示し、 1または 2が好ましい。)のァ -オンを示し、 1〜2価のァ-オンが好ましい。 m値は、式中の Li+の数を示す mの数 と一致する。
[0048] リチウム塩の具体例としては、 LiHCO、 LiORa (Raは水素原子、アルキル基または
3
ァリール基を示す。)、 LiRb (Rbは水素原子、アルキル基またはァリール基を示す。 ) 、 LiN (iso-C H ) 、 LiN (Si(CH ) ) 、 Li COが挙げられ、 LiH、 LiHCO、 Li
3 7 2 3 3 2 2 3 3 2
CO、 LiOHが好ましい。またリチウム塩としては、 Li Oも採用できる。
3 2
[0049] 化合物 (4)または化合物(5)を化合物(6)に誘導する例は、公知のフッ素化反応( たとえば、】. Fluorine. Chem. , 2001年、 112卷、 271— 275ページ記載の方法 等。)にしたがって実施できる。
[0050] 化合物 (4)を化合物(7)に誘導する例におけるアルキル化剤の Rは、炭素数 1〜1 0のアルキル基が好ましぐ 1〜6のアルキル基が特に好ましぐメチル基、ェチル基、
またはプロピル基が特に好ましい。 Rがアルキル基である化合物(7)は、化合物(4) のアルキル化反応により得られる。アルキル化剤は、オルト酢酸トリアルキル、オルト ギ酸トリアルキル、ハロゲン化アルキル、またはジアルキル硫酸が好ましい。アルキル 化反応は、 Chem. Commun. , 2003年, 2334— 2335等に記載の方法に従って 実施できる。
[0051] 化合物 (4)は、超強酸触媒として種々の有機反応に利用できる。また化合物 (4)は 固体として得られるため、反応溶液からの回収も容易である。
[0052] 化合物(7)をィ匕合物(11)に誘導する例における化合物(10)は、下記化合物(10 Α)または下記化合物(10B)が好ましぐ化合物(10A)が特に好ましい。
N (R5) (R6) (R7) (10A)、
P (R5) (R6) (R7) (10B)。
[0053] R5、 R6、および R7は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数 1〜10の脂肪族炭 化水素基が好ましい。または、 R5および R6が連結してアルキレン基を形成し、かつ が水素原子または炭素数 1〜10の 1価脂肪族炭化水素基であるのが好まし。さらに 、化合物(10A)として、窒素原子を有し、かつ芳香族性を有する複素環化合物を用 いてもよい。
[0054] 化合物(10A)の例としては、アンモニア、メチルァミン、ェチルァミン、プロピルアミ ン、ブチルァミン、ジメチルァミン、ジェチルァミン、ジプロピルァミン、ジブチルァミン 、メチルェチルァミン、メチルプロピルァミン、メチルブチルァミン、ェチルプロピルアミ ン、ェチルブチルァミン、プロピルブチルァミン、トリメチルァミン、トリエチルァミン、トリ プロピルァミン、メチルジェチルァミン、ジメチルェチルァミン、トリフエニルァミン、ジメ チルプロピルァミン、ジェチルプロピルァミン、トリブチルァミン、ピロリジン、 N—プロ ピルピロリジン、 N ェチルピロリジン、 N プロピルピぺリジン、イミダゾール、 N ェ チルイミダゾール、 N ブチルイミダゾール、 N へキチルイミダゾール、 N ォクチ ルイミダゾール、 N—デシルイミダゾール、 N ドデシルイミダゾール、 N テトラデシ ルイミダゾール、 N へキサデシルイミダゾール、 N ォクタデシルイミダゾール、 1 ェチル 2—メチルイミダゾール、 1 ブチル 2—メチルイミダゾール、 1 へキチル 2—メチルイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロール、 N メチルピロ
一ノレ、 N—ェチノレピロ一ノレ、 N—プロピノレピローノレ、 N—ブチノレピロ一ノレ、ピぺリジン 、 N—メチルピペリジン、 N—ェチルピペリジン、 N—プロピルピぺリジン、 N—ブチル ピぺリジン、インドール、 N—メチルインドール、 N—ェチルインドール、 N—プロピル インドール、 N—ブチルインドール、へキサメチレンィミン、 N—メチルへキサメチレン ィミン、 N—ェチノレへキサメチレンィミン、 N—プロピノレへキサメチレンィミン、 N—ブチ ルへキサメチレンィミン、ォキサゾリン、 N—メチルォキサゾリン、 N—ェチルォキサゾ リン、 N—プロピルォキサゾリン、 N—ブチルォキサゾリン、モルホリン、 N—メチルモ ルホリン、 N—ェチルモルホリン、 N—プロピルモルホリン、 N—ブチルモルホリン、ピ 口リン、 N—メチノレピロリン、 N—ェチノレピロリン、 N—プロピノレピロリン、 N—ブチノレピ 口リン、へキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
[0055] 化合物(10B)の具体例としては、前記化合物(10A)の具体例中の窒素原子をリン 原子に代えたホスフィンィ匕合物が挙げられる。
[0056] 化合物(7)を化合物(11)に誘導する例は、塩の形成反応として知られる、公知の 反応の手法を採用できる。前記塩の形成反応は、溶媒の存在下に加熱する方法が 好ましい。
[0057] 化合物 (4)を化合物(9)に誘導する例における化合物(8)は、下記化合物(8A)ま たは化合物(8B)が好ましぐ化合物(8A)がより好ましぐ下記化合物(8A— 1)また は化合物(8B— 1)が特に好ま 、。
[N^R1) (R2) (R3) (R4) ] (L)k_ (8A)
k
[P^R1) (R2) (R3) (R4) ] (L)k_ (8B)
k
[N+ (R1) (R2) (R3) (R4) ] (L) _ (8A- 1)
[N+ (R1) (R2) (R3) (R4) ] (L) 2" (8A- 2)
2 。
[0058] 化合物(8A— 1)の好ましい例としては、 R R2、 R3および R4がそれぞれ独立に、 水素原子または炭素数 1〜10の 1価脂肪族炭化水素基である例, R\ R2、 R3および R4が、窒素原子を有し、かつ芳香族性を有する複素環カチオンを形成する例, R\ R2、 R3および R4力 選ばれる 2〜4つの基が連結して脂肪族炭化水素基を形成する 例が挙げられる。この場合、連結して脂肪族炭化水素基を形成しない基が存在する 場合、該基は、水素原子または炭素数 1〜10の 1価脂肪族炭化水素基であるのが好
ましい。
[0059] 化合物(8A)、化合物(8A— 1)および化合物(8A— 2)のカチオン部分の具体例 は、化合物(9A)の例示中に記載する。(L)—の具体例としてはハロゲンァニオン、 O H―、炭酸水素ァニオン、亜硝酸ァニオンが挙げられ、ハロゲンァニオン、 OH—が好 ましい。 (L) 2—の具体例としては、炭酸ァ-オン、硫酸ァ-オン、亜硫酸ァ-オン、硝 酸ァ-オン、、亜リン酸ァ-オン、リン酸ァ-オン等が挙げられ、炭酸ァ-オンまたは 炭酸水素ァニオンが好まし 、。
[0060] 化合物 (4)をィ匕合物(11)に誘導する例は、公知の方法にしたがって実施できる。
反応は、溶媒の存在下に実施することが好ましい。溶媒としては水または有機溶媒が 挙げられる。
[0061] 本発明の製造方法にお!、て、化合物(2)から化合物(3)〜(11)を製造する方法の 好ましい態様としては下記スキーム 2が挙げられる。
<スキーム 2>
[0062] [化 14]
F
すなわち、化合物(2A)とアンモニアを反応させて化合物(2A)を化合物(3A)に誘 導する例,化合物(3A)を濃硫酸の存在下、減圧条件下で加熱して化合物(3A)を 化合物 (4A)に誘導する例,化合物(3A)または化合物 (4A)と水酸化リチウムとを反
応させて化合物(3A)または化合物 (4A)を化合物(5A)に誘導する例,化合物 (4A )または化合物(5A)とフッ素 (F )とを反応させて化合物 (4A)または化合物(5A)を
2
化合物(6A)に誘導する例,化合物 (4A)をオルト酢酸トリメチルとアルキルィ匕反応さ せて化合物 (4A)をィ匕合物(7A)に誘導する例,化合物(7A)と式 Z2 (R5) (R6) (R7) で表される化合物 (ィ匕合物(10A) )とを反応させて化合物(7A)をィ匕合物(11A)に 誘導する例,化合物 (4A)と式 [ (Z1) + (R1) (R2) (R3) (R4) ] (L)k_で表される化合物
k
(化合物 (8) )とを反応させて化合物 (4A)を化合物(9A)に誘導する例等の化合物(
2A)を他の化合物に誘導する例が挙げられる。
[0064] 化合物(7A)は新規ィ匕合物である。また化合物(9A)のうち下記化合物(9A— 1) は新規ィ匕合物である。
[0065] [化 15]
[0066] R1U、 R , RdUおよび R4Uは、それぞれ独立に、炭素数 1〜: LOのアルキル基、水素原 子、またはァリール基を表す。または、 R20, R3Gおよび R4G力も選ばれる 2〜3つの基 は連結して N+を含む環構造を形成していてもよぐ環構造を形成しない残余の基が 存在する場合はアルキル基を表す。 R1C)〜R4C)は全てがアルキル基である場合が好ま しい。
[0067] 化合物(9A— 1)中のカチオン部分 (N+R1GR2C)R3C)R4C))の具体例としては、トリェチ ルメチルアンモニゥム、ジェチルメチルプロピルアンモニゥム、ジメチノレエチノレプロピ ルアンモ-ゥム、 N—メチル N,一ェチルイミダゾリゥム、 N—メチル N プロピル ピロリジ-ゥム、 N—メチルー N ェチルピロリジ-ゥム、テトラエチルアンモ-ゥム、テ トラプチルアンモ -ゥム等が挙げられる。
[0068] 化合物(9A)は、 Eがー CF—である化合物(9)に比べてイオン半径が小さいため
2
、溶液中での移動度が高い。また、化合物(9A)は、塩基に対して安定であるため、 有機溶媒に対する溶解度が高い。さらに、化合物(9A)は、カチオン部分力 SNH +で
4 ある化合物(3A)よりも融点が低く溶媒に溶解した際の粘度が低いため、導電性材料
として優れる。
[0069] 化合物 (4A)は、それ自身が超強酸触媒として有用である。化合物(6A)はフッ素 化試薬 (DesMarteau試薬)として有用である。化合物(11A)は導電性材料、反応 溶媒、熱媒体として有用に用いうる化合物である。
[0070] また、化合物(7A)等の化合物(7)においては、窒素原子上に非共有電子対を有 する含窒素化合物と反応させて、該含窒素化合物の窒素原子に Rが置換した置換ァ ンモ-ゥムを製造できる。すなわち、本発明は置換アンモ-ゥムの製造方法を提供す る。
[0071] 窒素原子上に非共有電子対を有する含窒素化合物としては、脂肪族含窒素化合 物であっても、芳香族含窒素化合物であってもよぐ第一アミン、第二アミン、および 第三アミンカも選ばれるアミンィ匕合物、イミンィ匕合物等が挙げられる。これらの含窒素 化合物に化合物(7)を反応させることにより、ァミンにおいては、該ァミンの窒素原子 に化合物(7)の基 Rが結合したカチオン力 イミンィ匕合物においては、ィミンの窒素 原子に基 Rが置換した置換イミンカチオンが生成する。
実施例
[0072] 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によつ て限定されない。実施例中の化合物の番号は、スキーム 2に示す化合物の番号に対 応する。ガスクロマトグラフィは GC、ガスクロマトグラフ—質量分析法は GC— MS、 G Cのピーク面積比より求まる純度は GC純度、収率は GC収率、テトラメチルシランは T MS、リットルは Lと記す。また、 NMR ^ベクトルデータはみかけの化学シフト範囲とし て示した。 CF C1CF CC1 CF CFは R419と略記する。窒素ガスで 20容量%に希
2 2 2 2 3
釈したフッ素ガスは 20%フッ素ガスと記す。メチル基は Me、ェチル基は Etと記す。
[0073] [例 l]FSO CF CF SO (2八)の合成例(その1)
2 2 2 2
底部に液抜出しバルブを備え、本体に冷媒流通用ジャケットを備えたガラス製セパ ラブルフラスコ(内容積 1. 5L)に、メカ-カルスターラー、ジムロートコンデンサー、原 料フィード用のプランジャーポンプ、およびガラス製鞘管を設置した。ガラス製鞘管に は熱電対を挿入した。電極には 20cm X 10cmの 80メッシュの白金網を使用し、各々 をポリエチレンメッシュの袋に入れて短絡防止したものを筒状に重ね合せ、撹拌翼を
取り囲むように設置した。ジムロートとジャケットには o°cの冷媒を循環させた。
[0074] フラスコに、 FSO CF COOH (205. 4g)、水酸化ナトリウム(6. Og)、ァセトニトリ
2 2
ル(180mL)、およびイオン交換水(1200mL)を仕込み、激しく撹拌しながら、電流 値を 7. 5Aとして通電を開始した。反応の進行とともに生成物が反応器底部に沈降し てきたので、 15mL程度蓄積するたびに底部液抜出しバルブより生成物を抜出した。 通電時間は計 5時間であり(電荷量として 1. 40ファラデーに相当)、通電中の電極間 電圧は 5〜 10 Vであつた。
[0075] 回収した生成物は 93. 3gであった。生成物を GCにより分析したところ、化合物(2 A)を 93. 5%含んでいた。 GC収率は 57%であり、この値から換算すると、 87. 2gの 化合物(2A)が得られた。電流効率は 47%であった。
[0076] [例 2]化合物(2A)の合成例(その 2)
FSO CF COOH (534. Og)、ァセトニトリル(150mL)、およびイオン交換水(10
2 2
OOmL)を仕込み、電流値を 13. OAとし、通電時間を 6. 7時間とする以外は例 1と同 様にして反応を行い、 318. 7gの生成物を回収した。なお、通電中の電極間電圧は 5〜7Vであった。
生成物をイオン交換水(150mL)で 3回洗浄すると、 305. 5gの液が回収された。 該液は、 GCにより分析した結果、化合物(2A)を 99. 3%含んでいた。 GC収率は 76 %であり、電流効率は 71%であった。
[0077] [例 3]FSO CFC1CFC1SO F (化合物(2B) )の合成例
2 2
底部に液抜き出しバルブを備え、本体に冷媒流通用ジャケットを備えたガラス製セ パラブルフラスコ(内容積 50mL)に、メカ-カルスターラーおよびガス出口管を設置 した。電極としては 2cm X 2cmの 80メッシュの白金網を使用し、各々をポリエチレンメ ッシュの袋に入れて短絡防止したものを設置した。本体ジャケットには 0°Cの冷媒を 循環させた。
フラスコに、 FSO CFClCOOH (5. 84g)、水酸化ナトリウム(0. 15g)、ァセトニトリ
2
ル (4. 5mL)、およびイオン交換水(30mL)を仕込み、激しく撹拌しながら、電流値 を 0. 5Aとして通電を開始した。反応の進行とともに生成物が反応器底部に沈降した 。通電時間は 1時間 36分であり(電荷量として 30ミリファラデーに相当)、通電中の極
間電圧は 4. 5〜5Vであった。生成物(3. 10g)を回収し、19 FNMRにより分析したと ころ、化合物(2B)の収率は 17%であった。
[0078] [例 4]化合物(3A)の合成例
内部を減圧に保った 1Lのオートクレーブを— 70°C以下に冷却し、無水 THF (150 mL)を仕込み、続いてアンモニア(150g)を導入した。内温が— 70°C以下になった ら、例 1で得た FO SCF CF SO F (133g)を無水 THF (150mL)に溶解した溶液
2 2 2 2
を 2時間かけてオートクレープ内に徐々に滴下した。全量滴下後、内温のコントロー ルをせずに 12時間撹拌した。
撹拌終了後、過剰のアンモニアを徐々にパージし、圧力計の示す値が OMPaにな つたら撹拌を継続しながら窒素を 1時間流通させて系内の残留アンモニアを除去した その後、オートクレープを開放して白色スラリー状の内容物を回収した。オートタレ ーブ壁面に付着した白色結晶は無水 THF (250mL)を用いて回収した。これらを混 合した後に加圧濾過を行い、濾液を濃縮して結晶を得た。得られた結晶を 40°Cで減 圧乾燥して、化合物(3A) (127. 5g)を得た。収率は 98%であった。
[0079] [例 5]化合物 (4A)の合成例
例 4で得たィ匕合物(3A) (78g)と濃硫酸 (434g)を 500mLの 3つ口フラスコに仕込 み、 400〜533Paに減圧し昇温を開始した。内温が 82°Cとなった時点で、化合物 (4 A)の留出が始まった。内温が 97°Cに達するまで留出を続けた結果、化合物 (4A) ( 67. 5g)を回収した。収率は 93%であった。化合物 (4A)は 25°Cで結晶であった。
[0080] [例 6]化合物(5A)の合成例
例 4と同様の方法で得た化合物(3A) (52. Og)を THF (120mL)に溶解した。そこ に化合物(3A)に対して 1. 1倍モル量の水酸化リチウム一水和物を添カ卩し加熱還流 を行った。 4時間後、反応液を濾過し結晶を回収した。該結晶に、該結晶の 1. 5倍質 量の水を加えて溶解し、該結晶の 0. 2倍質量の活性炭を加えて 3時間加熱還流を 行った。還流終了後、濾過を行い、濾液を減圧濃縮して得た結晶を THFに溶解した 。さらに不溶物を濾過し、濾液を再び減圧濃縮して結晶を得た。得られた結晶を n— へキサン(200mL)を用いて洗浄し、減圧乾燥を 2回繰り返すことによって、化合物(
5A) (47. 8g)を得た。収率は 96%であった。
[0081] [例 7]化合物(7A)の合成例
例 5で得たィ匕合物(4A) (30. Og)をオルト酢酸トリメチル(305g)に氷冷下で溶解し 、 8時間加熱還流を行った。その後、過剰のオルト酢酸トリメチルを大気圧で留去した 後、減圧蒸留を行った。 2Pa、内温 50°Cにて化合物(7A)の留出が始まった。内温 が 63°Cに達するまで留出を続け、無色透明な液体を回収した。得られた液体を— 3 0°Cで 12時間保管したところ結晶が析出したので、減圧濾過を行った。濾紙上に残 つた結晶をドライアイスで冷却した HFC225 (旭硝子社製、商品名:アサヒクリン 225) で洗浄した後に結晶を回収した。この結晶を減圧乾燥して、化合物(7A) (15. Og) を得た。収率は 49%であった。
[0082] [例 8]化合物(6A)の合成例(その 1)
ガス導入口およびガス排出口を設けた 30mLの PFA製反応容器に、化合物 (4A) (0. 46g)を R419 (20mL)に溶解した溶液を仕込んだ。反応容器を 60°Cに加熱し、 20%フッ素ガスを 6. 5mmolZhの速度で 1. 5時間吹き込んだ。反応液 (0. 12g)を 採取し、 1, 3—ビス(トリフルォロメチル)ベンゼンを内部標準物質として19 FNMR分 析を行った。この結果、化合物(6A)が 40% (NMRの面積%)生成していることを確 した 0
19FNMR (283MHz, CDC1 ) :— 13. 6 (br, N— F),一115. 0 (s, CF CF )。
3 2 2
[0083] [例 9]化合物(6A)の合成例(その 2)
ガス導入口およびガス排出口を設けた 200mLのニッケル製反応容器に、化合物( 4A) (3. Og)を R419 (130mL)に溶解した溶液を仕込んだ。反応容器を 60°Cに加 熱し、この中に 20%フッ素ガスを 13mmolZhの速度で 4. 9時間吹き込んだ。反応 液を減圧蒸留して、化合物 (6A) (1. 3g)を得た。
[0084] [例 10]化合物(11A— 1)の合成方法
500mlのフラスコに化合物(7A) (35. 72g、 139mmol)と、 N-ェチルイミダゾール (14. 01g、 146mmol)、溶媒として CF CICF CFCl (200ml)を加え、 6時間還流
2 2 2
させた。冷却後、溶媒と過剰のイミダゾールを留去し、 140°Cに加熱しながら減圧乾 燥させたところ、目的化合物(11A—1)が 48. 9g得られた。単離収率 99%であった
[0085] [化 16]
N (11A-1)
\=J
[0086] [例 11]化合物(11A— 2)の合成方法
50mlのフラスコにィ匕合物(7A) (1. 87g、 7. 3mmol)と、トリエチノレアミン(30ml) を加え、 6時間還流させた。冷却後、過剰のトリェチルアミンを留去し、 140°Cに加熱 しながら減圧乾燥させたところ、目的化合物(11A— 2)が 2. 50g得られた。単離収 率 95%であった。
[0087] [化 17]
(11 A - 2)
[0088] [例 12]化合物(9A— 10)の合成方法
300mlのフラスコにィ匕合物(4A) (20. Og、 82. 3mmol)と、塩ィ匕トリエチノレメチノレ アンモ-ゥム(12. lg、 79. 9mmol)、 CF C1CF CFC1 (120ml)、ァセトニトリル(4
2 2 2
Oml)とをカ卩え、 4時間還流させた。冷却後、溶媒を留去し、 140°Cに加熱しながら減 圧乾燥した。得られた白色結晶を n—ブタノールより再結晶を実施した後真空乾燥し て、 24. 3gの化合物(9A— 10)を得た。単離収率は 85%であった。
[0089] [化 18]
本発明の製造方法は、特別な装置や試薬を必要とせず、簡便にかつ効率よぐジス ルホニルフロリドィ匕合物を製造できる方法であるため、工業的に有用な製造方法とな
りうる。また本発明の製造方法によって得られるジスルホ -ルフロリドィ匕合物は、超強 酸触媒、アルキル化剤等として有用な種々の誘導体に導くことが可能である。よって 、本発明の製造方法はこれらの誘導体を工業的な規模で得る方法としても有用な方 法である。 なお、 2005年 4月 1曰に出願された日本特許出願 2005— 106573号の明細書、 特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開 示として、取り入れるものである。