JP2009041076A - 含フッ素化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】含フッ素化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】含フッ素カルボン酸類(カルボン酸という。)を電極反応によりカップリングせしめてカップリング生成物を得る含フッ素化合物の製造方法において、電極反応槽1と相分離槽2と両槽間に液を一方向に循環させるための2つの配管ライン3、4とを有する循環系を構成し、循環系に極性溶媒を循環させること、循環する極性溶媒にカルボン酸を供給すること、電極反応槽1においてカルボン酸含有極性溶媒中のカルボン酸の少なくとも一部をカップリングせしめてカップリング生成物とカルボン酸含有極性溶媒との混合液を形成し相分離槽2へ循環させること、および、相分離槽2において前記混合液をカップリング生成物相とカルボン酸含有極性溶媒相とに相分離し、カップリング生成物を循環系から取り出しカルボン酸含有極性溶媒を電極反応槽1へ循環させること、からなる含フッ素化合物の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】含フッ素カルボン酸類(カルボン酸という。)を電極反応によりカップリングせしめてカップリング生成物を得る含フッ素化合物の製造方法において、電極反応槽1と相分離槽2と両槽間に液を一方向に循環させるための2つの配管ライン3、4とを有する循環系を構成し、循環系に極性溶媒を循環させること、循環する極性溶媒にカルボン酸を供給すること、電極反応槽1においてカルボン酸含有極性溶媒中のカルボン酸の少なくとも一部をカップリングせしめてカップリング生成物とカルボン酸含有極性溶媒との混合液を形成し相分離槽2へ循環させること、および、相分離槽2において前記混合液をカップリング生成物相とカルボン酸含有極性溶媒相とに相分離し、カップリング生成物を循環系から取り出しカルボン酸含有極性溶媒を電極反応槽1へ循環させること、からなる含フッ素化合物の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、含フッ素カルボン酸類を電極反応によりカップリングせしめる含フッ素化合物の製造方法に関する。
近年、所望の含フッ素化合物を製造する方法として、含フッ素カルボン酸類を電極反応によりカップリングせしめる方法が、注目されている。
特許文献1には、式FSO2CF2COOHで表される含フッ素カルボン酸またはその塩を電極反応によりホモカップリングせしめるFSO2CF2CF2SO2Fの製造方法が記載されている。FSO2CF2CF2SO2Fは、さらにNH3と反応させることにより、電解質材料、イオン性液体等として有用な下式(im)で表される含フッ素環状イミドに誘導できる。
特許文献1には、式FSO2CF2COOHで表される含フッ素カルボン酸またはその塩を電極反応によりホモカップリングせしめるFSO2CF2CF2SO2Fの製造方法が記載されている。FSO2CF2CF2SO2Fは、さらにNH3と反応させることにより、電解質材料、イオン性液体等として有用な下式(im)で表される含フッ素環状イミドに誘導できる。
また、特許文献2には、式CF3CF(OCH3)COOHで表される含フッ素カルボン酸を電極反応によりホモカップリングせしめるCF3CF(OCH3)CF(OCH3)CF3の製造方法が記載されている。CF3CF(OCH3)CF(OCH3)CF3は、溶媒、洗浄剤、乾燥剤等として有用な含フッ素エーテルである。
含フッ素カルボン酸の電極反応によるカップリングは、含フッ素カルボン酸が脱炭酸して生成したラジカル種がカップリングして進行すると考えられる。そのため、電極反応を行う電極反応槽における電極の材質には、酸化還元電位の高い白金が適している。
しかし、含フッ素カルボン酸の電極反応における電流効率は未だ充分でなく、電極反応によりカップリング生成物を効率よく大量生産することはできなかった。たとえば、カップリング生成物を大量生産するために、電極反応槽を大型化する場合は高価な白金が大量に必要になり、大幅なコスト増が見込まれた。
そのため、工業経済的に適した、含フッ素カルボン酸類の電極反応によるカップリング方法が求められていた。
しかし、含フッ素カルボン酸の電極反応における電流効率は未だ充分でなく、電極反応によりカップリング生成物を効率よく大量生産することはできなかった。たとえば、カップリング生成物を大量生産するために、電極反応槽を大型化する場合は高価な白金が大量に必要になり、大幅なコスト増が見込まれた。
そのため、工業経済的に適した、含フッ素カルボン酸類の電極反応によるカップリング方法が求められていた。
すなわち、本発明は下記発明を提供する。
<1> 含フッ素カルボン酸類を電極反応によりカップリングせしめてカップリング生成物を得る含フッ素化合物の製造方法において、電極反応槽と相分離槽と両槽間に液を一方向に循環させるための2つの配管ラインとを有する循環系を構成し、循環系に極性溶媒を循環させること、循環する極性溶媒に含フッ素カルボン酸類を供給すること、電極反応槽において含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒中の含フッ素カルボン酸類の少なくとも一部をカップリングせしめてカップリング生成物と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒との混合液を形成し相分離槽へ循環させること、および、相分離槽において前記混合液をカップリング生成物相と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相とに相分離し、カップリング生成物を循環系から取り出し含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒を電極反応槽へ循環させること、を特徴とする含フッ素化合物の製造方法。
<1> 含フッ素カルボン酸類を電極反応によりカップリングせしめてカップリング生成物を得る含フッ素化合物の製造方法において、電極反応槽と相分離槽と両槽間に液を一方向に循環させるための2つの配管ラインとを有する循環系を構成し、循環系に極性溶媒を循環させること、循環する極性溶媒に含フッ素カルボン酸類を供給すること、電極反応槽において含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒中の含フッ素カルボン酸類の少なくとも一部をカップリングせしめてカップリング生成物と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒との混合液を形成し相分離槽へ循環させること、および、相分離槽において前記混合液をカップリング生成物相と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相とに相分離し、カップリング生成物を循環系から取り出し含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒を電極反応槽へ循環させること、を特徴とする含フッ素化合物の製造方法。
<2> 含フッ素カルボン酸類がFSO2CF2COOHまたはその塩であり、カップリング生成物がFSO2CF2CF2SO2Fである<1>に記載の製造方法。
<3> 極性溶媒が、水と有機極性溶媒を含む混合溶媒である<1>または<2>に記載の製造方法。
<4> 極性溶媒が、水と有機極性溶媒を含む混合溶媒であり、水の総質量に対して有機極性溶媒を0.1〜90質量%含む混合溶媒である<1>〜<3>のいずれかに記載の製造方法。
<5> 有機極性溶媒が、アセトニトリルである<1>〜<4>のいずれかに記載の製造方法。
<4> 極性溶媒が、水と有機極性溶媒を含む混合溶媒であり、水の総質量に対して有機極性溶媒を0.1〜90質量%含む混合溶媒である<1>〜<3>のいずれかに記載の製造方法。
<5> 有機極性溶媒が、アセトニトリルである<1>〜<4>のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法により、含フッ素カルボン酸類を電極反応によりカップリングせしめて所望の含フッ素有機化合物を、工業経済的に効率よく製造することが可能となる。
本明細書において、式(1)で表される化合物を化合物(1)とも記す。また式Xで表される基をXとも記す。他の式で表される化合物と基も同様に記す。
本発明は、含フッ素カルボン酸類を電極反応によりカップリングせしめてカップリング生成物を得る含フッ素化合物の製造方法において、電極反応槽と相分離槽と両槽間に液を一方向に循環させるための2つの配管ラインとを有する循環系を構成し、循環系に極性溶媒を循環させること、循環する極性溶媒に含フッ素カルボン酸類を供給すること、電極反応槽において含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒中の含フッ素カルボン酸類の少なくとも一部をカップリングせしめてカップリング生成物と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒との混合液を形成し相分離槽へ循環させること、および、相分離槽において前記混合液をカップリング生成物相と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相とに相分離し、カップリング生成物を循環系から取り出し含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒を電極反応槽へ循環させること、を特徴とする含フッ素化合物の製造方法を提供する。
本発明における含フッ素カルボン酸類は、特に限定されず、含フッ素カルボン酸またはその塩が好ましく、含フッ素カルボン酸、含フッ素カルボン酸のアルカリ金属塩または含フッ素カルボン酸のアルカリ土類金属塩がより好ましく、含フッ素カルボン酸が特に好ましい。含フッ素カルボン酸のアルカリ金属塩は、含フッ素カルボン酸のナトリウム塩または含フッ素カルボン酸のカリウム塩が好ましい。含フッ素カルボン酸のアルカリ土類金属塩は、含フッ素カルボン酸のカルシウム塩が好ましい。
含フッ素カルボン酸は、下記化合物(1)(ただし、RFは炭素数1〜10の1価含フッ素有機基を示す。)が好ましい。
RFCOOH (1)。
RFは、相分離槽における相分離の観点から高度にフッ素化されている基が好ましく、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルケニル基、ペルフルオロ(クロロアルキル)基およびペルフルオロ(フルオロスルホニルアルキル)基からなる群から選ばれる炭素数1〜6の1価含フッ素有機基がより好ましく、FSO2CF2−が特に好ましい。
含フッ素カルボン酸の具体例としては、FSO2CF2COOHが挙げられる。
RFCOOH (1)。
RFは、相分離槽における相分離の観点から高度にフッ素化されている基が好ましく、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルケニル基、ペルフルオロ(クロロアルキル)基およびペルフルオロ(フルオロスルホニルアルキル)基からなる群から選ばれる炭素数1〜6の1価含フッ素有機基がより好ましく、FSO2CF2−が特に好ましい。
含フッ素カルボン酸の具体例としては、FSO2CF2COOHが挙げられる。
本発明における電極反応は、電極反応により含フッ素カルボン酸類が脱炭酸して生成したラジカル種がカップリングして進行すると考えられる。たとえば、含フッ素カルボン酸類がFSO2CF2COOHである場合には、電極反応によりFSO2CF2・が生成し、つぎにFSO2CF2・の2分子がカップリングして進行すると考えられる。
本発明における電極反応は、1種の含フッ素カルボン酸類を用い同種のラジカル種の2分子をカップリングさせるホモカップリングであってもよく、2種以上の含フッ素カルボン酸類を用い異種のラジカル種を交差的にカップリングさせるヘテロカップリングであってもよい。
したがって、本発明の製造方法で得られるカップリング生成物は、カップリングがホモカップリングである場合には含フッ素カルボン酸類のホモカップリング体であり、カップリングがヘテロカップリングである場合には、異種の含フッ素カルボン酸類のヘテロカップリング体である。
ホモカップリング体としては含フッ素カルボン酸が化合物(1)である場合の下記化合物(2M)のRF−RFが挙げられ、ヘテロカップリング体としては含フッ素カルボン酸が下記化合物(1A)と下記化合物(1B)である場合の下記化合物(2H)(ただし、RFAはRFから選ばれる炭素数1〜10の1価含フッ素有機基を、RFBはRFから選ばれるRFAとは異なる炭素数1〜10の1価含フッ素有機基を、示す。)が好ましい。
したがって、本発明の製造方法で得られるカップリング生成物は、カップリングがホモカップリングである場合には含フッ素カルボン酸類のホモカップリング体であり、カップリングがヘテロカップリングである場合には、異種の含フッ素カルボン酸類のヘテロカップリング体である。
ホモカップリング体としては含フッ素カルボン酸が化合物(1)である場合の下記化合物(2M)のRF−RFが挙げられ、ヘテロカップリング体としては含フッ素カルボン酸が下記化合物(1A)と下記化合物(1B)である場合の下記化合物(2H)(ただし、RFAはRFから選ばれる炭素数1〜10の1価含フッ素有機基を、RFBはRFから選ばれるRFAとは異なる炭素数1〜10の1価含フッ素有機基を、示す。)が好ましい。
RF−RF (2M)、
RFACOOH (1A)、
RFBCOOH (1B)、
RFA−RFB (2H)。
RFACOOH (1A)、
RFBCOOH (1B)、
RFA−RFB (2H)。
より具体的なホモカップリング体としては含フッ素カルボン酸類またはその塩がFSO2CF2COOHである場合のFSO2CF2CF2SO2Fが挙げられる。
本発明における電極反応の電流密度は、0.02〜1.0A/cm2が好ましい。電極反応における温度は、−20℃〜+100℃が好ましく、−20℃〜+60℃が特に好ましい。電極反応における圧力は、特に限定されず、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよい。
本発明の製造方法においては、電極反応槽と相分離槽と両槽間に液を一方向に循環させるための2つの配管ラインとを有する循環系を構成する。
本発明における電極反応槽は、含フッ素カルボン酸類が電極反応する槽であり、少なくとも1対の電極を有する電極反応槽であれば特に限定されない。また、電極反応槽本体が一方の電極を形成していてもよい。電極の材質は、酸化還元電位の高い材料であれば、特に限定されず、白金または炭素材料が好ましい。本発明において、少なくとも1方の電極は、白金製電極であるのが好ましい。電極反応槽の外枠は、ガラス製または樹脂(フッ素樹脂等)製が好ましい。
電極間距離は、電流効率の観点から、狭いのが好ましい。また、電極間の短絡を防止するために、電極を絶縁性メッシュシート(ポリエチレン製メッシュシート、ポリテトラフルオロエチレン製メッシュシート等。)で被覆するのが好ましい。
電極間距離は、電流効率の観点から、狭いのが好ましい。また、電極間の短絡を防止するために、電極を絶縁性メッシュシート(ポリエチレン製メッシュシート、ポリテトラフルオロエチレン製メッシュシート等。)で被覆するのが好ましい。
本発明における相分離槽は、電極反応槽において生成した、カップリング生成物と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒との混合液がカップリング生成物相と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相とに相分離され、カップリング生成物が循環系から取り出され含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒を電極反応槽へ循環される槽である。相分離槽は、カップリング生成物相を取り出すための弁を有するのが好ましい。通常、カップリング生成物は含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相より比重が高いため、前記弁は相分離槽の下部に設置される。
本発明における両槽間に液を一方向に循環させるための2つの配管ラインは、それぞれ電極反応槽と相分離槽との間に接続されている。2つの配管ラインの好ましい接続態様は、一方が電極反応槽下部と相分離槽上部との間に接続され、他方が電極反応槽の上部と相分離槽の上部との間に接続される態様である。この場合の液の循環方向は、電極反応槽上部、電極反応槽下部、相分離槽、電極反応槽を順に経る方向であるのが好ましい。
本発明における極性溶媒は、含フッ素カルボン酸類に対する相溶性が高く、カップリング生成物に対する相溶性が低ければ特に限定されず、水と有機極性溶媒とからなる混合溶媒が好ましい。有機極性溶媒は、アルコール類(メタノール、エタノール等。)、ニトリル類(アセトニトリル等。)が好ましく、ニトリル類がより好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
混合溶媒は、水と有機極性溶媒の総質量に対して、有機極性溶媒を0.1〜90質量%含むのが好ましく、1〜50質量%含むのが特に好ましい。
混合溶媒は、水と有機極性溶媒の総質量に対して、有機極性溶媒を0.1〜90質量%含むのが好ましく、1〜50質量%含むのが特に好ましい。
本発明において極性溶媒は、電極反応における電解液の機能を果たすだけでなく、含フッ素カルボン酸類を抽出する抽出液の機能を果たしている。すなわち、カルボキシル基類を有する含フッ素カルボン酸類は高極性であり極性溶媒に溶解して含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相を形成する。一方、含フッ素カルボン酸類のカルボキシル基が脱炭酸して生成したカップリング生成物は、低極性であり極性溶媒に溶解せずカップリング生成物相を形成する。
そのため、電極反応槽で生成するカップリング生成物と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒との混合液は相分離槽で容易に相分離できる。
そのため、電極反応槽で生成するカップリング生成物と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒との混合液は相分離槽で容易に相分離できる。
本発明の製造方法においては、相分離槽で相分離したカップリング生成物が目的生成物として得られるだけでなく、相分離した含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒を電極反応槽に循環供給される。この際、電極反応槽で消費された分だけ、含フッ素カルボン酸類を新たに極性溶媒に追加供給してもよい。
本発明の製造方法に係る実施形態の1例を、図1のフロー概略図に記載するが、本発明はこれに限定されない。
図1のフロー概略図において循環系は、電極反応槽1と、相分離槽2と、配管ライン3と配管ライン4とから構成されている。配管ライン3は相分離槽2の上部と電極反応槽1の上部との間に接続され、配管ライン4は電極反応槽1の下部と相分離槽1の上部との間に接続されている。さらに、配管ライン4には、液を電極反応槽1から相分離槽2に循環させるための循環ポンプ5が設置されている。
また、相分離槽2の下部にはカップリング生成物相を抜き出すための弁が備え付けられており弁の先にはカップリング生成物の貯蔵相6が接続されている。また、相分離槽2の上部には、含フッ素カルボン酸類の供給槽6が接続されている。
また、相分離槽2の下部にはカップリング生成物相を抜き出すための弁が備え付けられており弁の先にはカップリング生成物の貯蔵相6が接続されている。また、相分離槽2の上部には、含フッ素カルボン酸類の供給槽6が接続されている。
循環ポンプ5により電極反応槽1から相分離槽2の方向に極性溶媒を循環させた状態で、含フッ素カルボン酸類を供給槽6から供給する。含フッ素カルボン酸類は極性溶媒に溶解した状態で配管ライン3を通じて電極反応槽1にいたる。電極反応槽1において含フッ素カルボン酸類の少なくとも一部は電極反応によりカップリングしてカップリング生成物が生成する。生成したカップリング生成物と未反応の含フッ素カルボン酸類と極性溶媒との混合液は配管ライン4を通じて相分離槽2にいたる。相分離槽2において前記混合液はカップリング生成物相と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相とに相分離し、低比重の含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相が上相を形成し、高比重のカップリング生成物相が下相を形成する。カップリング生成物相は相分離槽2の弁から抜き出されてカップリング生成物の貯蔵相7に貯蔵されるとともに、含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相は、配管ライン3を通じて相分離槽2から電極反応槽1に循環供給される。なお、電極反応の進行に伴い消費される含フッ素カルボン酸類を供給槽6から逐次、追加供給してもよい。
このように、本発明の製造方法では、原料の含フッ素カルボン酸類を電極反応槽に循環供給させつつ、目的生成物のカップリング生成物を得るため、含フッ素カルボン酸類の電極反応によるカップリングを効率よく行うことができる。
電極反応槽として、陽極である1枚の白金板(幅20cm、高さ30cm、厚さ2mm)が陰極である2枚の炭素板(幅20cm、高さ30cm、厚さ5mm)に枠(厚さ1cm、ポリテトラフルオロエチレン製)を介して挟まれた構造を有する、陽極陰極対を2組有する電極反応槽を用いた。電極反応槽の上部にはガス抜きラインを設けた。
相分離槽としては、内容積10Lの槽(フッ素樹脂製)を用いた。相分離槽の上部にはガス抜きラインを、相分離槽の下部にはカップリング生成物を抜き出すための弁を、設けた。
電極反応槽の底部と相反応槽の上部とを配管ラインにより接続し、電極反応槽の上部と相分離槽の上部とを配管ラインにより接続することにより循環系を構成した。後者の配管ラインには、相分離槽の上部、電極反応槽の上部、電極反応槽の底部、相分離槽の上部の順に液を循環させるための循環ポンプを設置した。さらに、循環ポンプの出口にはフィルターと熱交換器とを設置した。この循環系にイオン交換水(4745g)とアセトニトリル(2254g)とからなる極性溶媒を循環させた。
相分離槽としては、内容積10Lの槽(フッ素樹脂製)を用いた。相分離槽の上部にはガス抜きラインを、相分離槽の下部にはカップリング生成物を抜き出すための弁を、設けた。
電極反応槽の底部と相反応槽の上部とを配管ラインにより接続し、電極反応槽の上部と相分離槽の上部とを配管ラインにより接続することにより循環系を構成した。後者の配管ラインには、相分離槽の上部、電極反応槽の上部、電極反応槽の底部、相分離槽の上部の順に液を循環させるための循環ポンプを設置した。さらに、循環ポンプの出口にはフィルターと熱交換器とを設置した。この循環系にイオン交換水(4745g)とアセトニトリル(2254g)とからなる極性溶媒を循環させた。
つぎに、FSO2CF2COOH(11875g)をイオン交換水(4745g)とアセトニトリル(2254g)とからなる極性溶媒に溶解させてなる含フッ素カルボン酸溶液を、循環ポンプの液流量が10L/minとなる量だけ、相分離槽に投入した。
熱交換器により循環液温度を10℃以下に保持しながら、電極反応槽に60A電流の通電を開始した(電流密度0.5A/cm2)。通電開始直後から電解反応槽のガス抜きラインからガス発生が確認された。また、しばらくすると相分離槽内での2相分離が確認され、下相が目的生成物であるFSO2CF2CF2SO2Fを含む相であることが確認された。
熱交換器により循環液温度を10℃以下に保持しながら、電極反応槽に60A電流の通電を開始した(電流密度0.5A/cm2)。通電開始直後から電解反応槽のガス抜きラインからガス発生が確認された。また、しばらくすると相分離槽内での2相分離が確認され、下相が目的生成物であるFSO2CF2CF2SO2Fを含む相であることが確認された。
そのまま電流の通電を続け、2時間おきに、相分離槽の下相を抜出して秤量し、電極反応により消費された量だけの含フッ素カルボン酸溶液を相分離槽に追加投入した。この操作を通電開始から20時間行った。その後、相分離槽の下相の抜出しを継続し、抜出分だけイオン交換水を相分離槽に投入する操作を、さらに30時間行った。
その結果、通電終了時の総通電量は107.6Fであり、相分離槽から投入されたFSO2CF2COOHの総量は19902g(111.8mol)であった。相分離槽から抜出した液(11499g)をイオン交換水(3800g)で3回洗浄し、ガスクロマトグラフィー分析した結果、純度99.0%のFSO2CF2CF2SO2F(10914g、40.6mol)を含むことが確認された。また、通電終了時の循環系内の液を19F−NMR分析した結果、FSO2CF2COOH(0.4mol)の溶存のみが確認され、FSO2CF2CF2SO2Fの溶存は確認されなかった。一連の電極反応におけるFSO2CF2COOHの転化率は99.6%であり、FSO2CF2CF2SO2Fの収率72.6%であり、選択率は72.9%であった。
本発明の製造方法により、含フッ素カルボン酸類を電極反応によりカップリングせしめて所望の含フッ素有機化合物を、特に電解質材料、イオン性液体等として有用なFSO2CF2CF2SO2Fを、工業経済的に製造することが可能となる。
1:電極反応槽
2:相分離槽
3:配管ライン
4:配管ライン
5:循環ポンプ
6:カップリング生成物の貯蔵層
7:含フッ素カルボン酸類の供給槽
2:相分離槽
3:配管ライン
4:配管ライン
5:循環ポンプ
6:カップリング生成物の貯蔵層
7:含フッ素カルボン酸類の供給槽
Claims (5)
- 含フッ素カルボン酸類を電極反応によりカップリングせしめてカップリング生成物を得る含フッ素化合物の製造方法において、電極反応槽と相分離槽と両槽間に液を一方向に循環させるための2つの配管ラインとを有する循環系を構成し、循環系に極性溶媒を循環させること、循環する極性溶媒に含フッ素カルボン酸類を供給すること、電極反応槽において含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒中の含フッ素カルボン酸類の少なくとも一部をカップリングせしめてカップリング生成物と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒との混合液を形成し相分離槽へ循環させること、および、相分離槽において前記混合液をカップリング生成物相と含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒相とに相分離し、カップリング生成物を循環系から取り出し含フッ素カルボン酸類含有極性溶媒を電極反応槽へ循環させること、を特徴とする含フッ素化合物の製造方法。
- 含フッ素カルボン酸類がFSO2CF2COOHまたはその塩であり、カップリング生成物がFSO2CF2CF2SO2Fである請求項1に記載の製造方法。
- 極性溶媒が、水と有機極性溶媒を含む混合溶媒である請求項1または2に記載の製造方法。
- 極性溶媒が、水と有機極性溶媒を含む混合溶媒であり、水の総質量に対して有機極性溶媒を0.1〜90質量%含む混合溶媒である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 有機極性溶媒が、アセトニトリルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016536471A (ja) * | 2013-09-24 | 2016-11-24 | セラマテック・インク | 電気化学的脱炭酸プロセスのための溶融カルボキシレート電解質 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0261081A (ja) * | 1988-08-25 | 1990-03-01 | Hoechst Ag | ペルフルオロカルボン酸またはその可溶性塩を電解的に脱カルボキシル化しそしてその際に生じた遊離基を次いで二量体化する方法 |
JPH0711471A (ja) * | 1992-07-01 | 1995-01-13 | Hoechst Ag | ペルフルオロポリエーテルの製造方法 |
WO2006106960A1 (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-12 | Asahi Glass Company, Limited | ジスルホニルフロリド化合物の製造方法 |
-
2007
- 2007-08-09 JP JP2007208023A patent/JP2009041076A/ja not_active Withdrawn
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