明 細 書
ゴムクローラ用芯金
技術分野
[0001] 本発明は、農業作業機械、建設機械、土木作業機械、そして運搬車等の産業車両 の足廻りに用いられて 、る無限軌道走行装置に装着されるゴムクローラに関するもの であり、特にゴムクローラ幅方向端部に生じる耳切れ現象の防止に関するものである 背景技術
[0002] 移動式建設機械車輛等の走行装置に用いられている無限軌道走行装置には、従 来鉄製クローラの他に、ゴムクローラが用いられている。
図 13に示すゴムクローラは、従来のゴムクローラの一例を示している。ゴムクローラ Cは、ゴム弾性体で形成された無端状帯体 Hと、該帯体内に埋設される芯金 Mと引 張補強材 Sにより構成されて!、る。
そして、ゴムクローラ本体である無端状帯体 H内には、複数本の引張補強材 Sをク ローラの周方向に沿ってゴムクローラの幅方向に引き揃えて並べ列状に配列埋設し た引張補強層が形成されている。また、ゴムクローラ本体内の引張補強層内周側に は芯金 Mが一定間隔置きに埋設され、クローラが走行装置力 外れるのを防止する ための芯金 Mのガイド突起 Kがクローラ内周側へ突出形成されている。
なお、図 13Aはゴムクローラ Cの全体側面図、 Bはゴムクローラの構造を説明するた めの一部断面斜視図である。
特許文献 1:特開 2003 - 335275号
特許文献 2:特開平 11 105754号
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] 近年ゴムクローラを装着した走行装置を持つ建設作業機械等は、石の多 ヽ不整地 や、舗装道路の路肩にある縁石付近で作業に従事する事が多くなつてきている。こ の際ゴムクローラが、石や障害物そして縁石等に乗り上げたり(図 14A)、横方向に押
し付けられたり(図 14B)されることにより、ゴムクローラ内に埋設されている芯金の芯 金長手方向(クローラ幅方向)芯金端部には、歪みが集中的に発生し、この部位のゴ ム弾性体が大きく変形させられ、これが繰り返されることにより、ゴム弾性体が疲労破 壊されることがある。
そして、このような状況が繰り返される毎にゴム弾性体の破壊が進行し、ついにはゴ ムクローラ本体に大きな亀裂 Fが発生することになる。従来よりこのような現象は「耳切 れ」と呼ばれ問題となって 、る。
[0004] 更に、このような状況の中でゴムクローラが走行されると、走行装置の転輪がゴムク ローラの芯金ガイド突起上をクローラ周方向(芯金幅方向)一方側から他方側へ転動 する際に、芯金幅方向(クローラ周方向)端部へ歪みが集中しやすぐこの部位にゴ ム亀裂が発生する要因となって!/、る。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明は上記問題点、即ち芯金長手方向(クローラ幅方向)端部周囲に生じる歪 みの集中を改善し、歪みの緩和策を施し、ゴムクローラの耳切れを防止をすることとし た。
本発明のゴムクローラは、ゴム弾性体等により形成された無端状の帯体と、これ〖こ 埋設される複数の芯金と引張補強材により構成されている。
そして、複数本の引張補強材は、ゴムクローラ本体内へクローラの周方向に沿って ゴムクローラの幅方向に引き揃えて並べ列状に配列埋設され、 I張補強層を構成し ている。さらに、ゴムクローラ本体内の引張補強層内周側には芯金が一定間隔置き に埋設され、クローラが走行装置力 外れるのを防止するための芯金のガイド突起が クローラ内周側へ突出形成されている。
そして本発明は、上記芯金長手方向端部付近に生じる歪みの集中の緩和を目的と して、ゴムクローラ本体内に埋設される芯金の芯金長手方向(クローラ幅方向)端部を 芯金幅方向(クローラ周方向)外方へ芯金を延伸し、芯金長手方向端部を芯金幅方 向に幅広としたことを特徴として 、る。
[0006] また、本発明のゴムクローラは、上記ゴムクローラ本体内に埋設する芯金を、芯金長 手方向(クローラ幅方向)端部を延伸し幅広とする事に加え、この幅広とした芯金端
部の肉厚を外端縁に向力つて減少させ、クローラの接地面側となる方向へ部分的( 好ましくは肉厚さの半分以上の厚さ)、又は、全面的に傾斜面を形成し傾斜部を設け るか、或いは、傾斜面が接地面側に向くように反接地面側へ芯金端縁部を折り曲げ る事が好ましい。
なお、本発明の芯金は、ゴム弾性体等の無端状帯体形状である一体式のゴムクロ ーラだけではなぐゴムクローラの基盤が一対のトラックリンクを無端状に連結した連 結トラックリンク、ブロック体と棒体等により形成される骨格部と、履帯パッドにより構成 され、履帯パッドは芯金 (履板)と履帯本体部とから構成されて!、る履帯パッド式ゴム クローラの履体パッド用の芯金として用いることも可能であり、同様に耳切れ現象の防 止ができる。
発明の効果
[0007] 本発明は、ゴムクローラ本体内に埋設される芯金の芯金長手方向(クローラ幅方向 )端部を芯金幅方向(クローラ周方向)外方へ芯金を延伸し芯金長手方向端部を芯 金幅方向に幅広としたことことにより、芯金長手方向端部の単位幅 (単位面積)当たり の荷重を低減することにより耐カット性を向上させ、ゴムクローラに生じる耳切れの発 生を低減しゴムクローラの耐久性を向上することができるものとなった。
[0008] 耳切れの主原因である芯金端部の幅方向前後の両角部を幅広で傾斜面が接地面 側に向くようにして耐耳切れ性を向上させ、さらに芯金端部を、クローラの接地面側と なる方向へ傾斜面が来るように芯金端部の肉厚を外端縁に向力つて減少させ、クロ ーラの接地面側となる方向へ傾斜部を設けたり、傾斜面が接地面側に向くように反 接地面側へ折り曲げた構造としたことにより、より耐久性を向上することができる。 図面の簡単な説明
[0009] [図 1]Aは内周側平面図、 Bは正面図、そして Cは側面図である。 (実施例 1)
[図 2]図 1に示す芯金をゴムクローラに埋設した状態を示す外周側平面図である。 (実 施例 1)
[図 3]Aは内周側平面図、 Bは正面図、そして Cは側面図である。 (実施例 2)
[図 4]ゴムクローラのクローラ幅方向断面図である。(実施例 2)
[図 5]Aはゴムクローラの幅方向端部が縁石に乗り上げた際の歪み率を測定した試験
の状態を説明する断面図、 Bにはゴムクローラの幅方向端部が縁石に乗り上げた際 の歪み率を測定した試験結果を示すグラフである。
[図 6]Aは内周側平面図、 Bは正面図、そして Cは側面図である。(実施例 3)
[図 7]Aは内周側平面図、 Bは正面図、そして Cは側面図である。(実施例 4)
[図 8]Aは内周側平面図、 Bは正面図、そして Cは側面図である。(実施例 5)
[図 9]Aは内周側平面図、 Bは正面図、そして Cは側面図である。(実施例 5の別例)
[図 10]Aは接地面側平面図、 Bは長手方向側面図、 Cは幅方向側面図である。(実施 例 6)
[図 11]Aは接地面側平面図、 Bは長手方向側面図、 Cは幅方向側面図である。(実施 例 6の別例)
[図 12]Aは接地面側平面図、 Bは長手方向側面図、 Cは幅方向側面図である。(実施 例 6)
[図 13]Aはゴムクローラの全体側面図、 Bはゴムクローラの構造を説明するための一 部断面斜視図である。(従来例)
圆 14]ゴムクローラの耳切れ発生状況を説明するゴムクローラ幅方向断面図である。 (従来例)
符号の説明
1 芯金
la 芯金係合部
lb 芯金ガイド突起
lc 芯金翼部
Id 外れ防止突起
2 芯金拡幅部
2a 芯金幅方向屈曲部
2a' への字状屈曲部
2b 芯金長手方向屈曲
2c 芯金舟形屈曲部
3 ゴムクローラ
3a ゴムクローラ本体 (無端状帯体)
3b ラグ
3c 引張補強材 (スチールコード)
4 芯金傾斜部
5 履体ノ ッド
5a 履体ノヽッド本体
5b ボルト孔
6 芯金 (履板)
6a 芯金拡幅部
6b 芯金貫通孔
6c 芯金屈曲部
発明を実施するための最良の形態
本発明のゴムクローラは、ゴムクローラ本体を構成する無端状の帯体と、該帯体内 に埋設される複数の芯金と引張補強材により構成されて 、る。
帯体は、天然ゴムや合成ゴム(IR、 SBR、 BR、 NBR、 CR、 IIR、 EPDM等)、或い はこれらをブレンドした原料ゴムへ、補強剤(カーボンブラック、ホワイトカーボン等)、 老化防止剤、加硫促進助剤、活性剤、粘着付与剤、そして加硫促進剤や、硫黄や有 機過酸化物等の架橋剤等を配合したゴム組成物 (配合ゴム)や、ウレタンゴム、半硬 質'軟質のポリ塩化ビニル榭脂等の熱可塑性榭脂等により形成される。
そして、複数本のスチールコード等の引張補強材を、帯体内へクローラの周方向に 沿ってゴムクローラの幅方向に引き揃えて並べ列状に配列埋設し、帯体内に引張補 強層を形成させている。
また、引張補強層のクローラ内周側には芯金が一定間隔置きに埋設され、クローラ が走行装置から外れるのを防止するための芯金のガイド突起がクローラ内周側へ突 出形成されている。
なお、帯体内に埋設される芯金は、芯金長さ方向中央域に走行装置の駆動装置と 係合する係合部が形成され、係合部の芯金長さ方向外側脇に脱輪防止用のガイド 突起が、そのまた外側に翼部が形成される構成が一般的であり、ゴムクローラの横ズ
レ防止のための外れ防止突起が形成したものもある。
[0012] 本発明の芯金は、芯金翼部の芯金長手方向端部を芯金幅方向外方へ芯金を延伸 し、芯金長手方向端部を芯金幅方向へ幅広としたことを特徴としている。
本発明のゴムクローラは、ゴムクローラ本体である帯体内に、芯金の芯金長手方向 端部を芯金幅方向外方へ芯金を延伸し、芯金長手方向端部の芯金翼部幅を芯金幅 方向へ幅広とした芯金を埋設したことにより、ゴムクローラが石ゃ縁石等に乗り上げた 際、芯金長手方向端部に発生する歪を分散し、歪み集中を緩和することでゴム破壊 を防止し、これに起因する耳切れを効果的に低減することができ、ゴムクローラの耐 久性を向上させることが可能となった。
[0013] また本発明は、芯金端部の幅広とした部位に、クローラの接地面側となる方向へ傾 斜面が来るように芯金端部の肉厚を外端縁に向力つて減少させ、クローラの接地面 側となる方向へ傾斜部を設けたり、傾斜面が接地面側に向くように芯金端部の幅広と した部位を反接地面側へ折り曲げた構造とするのが好ま 、。
傾斜部を設けたり、芯金端縁部を折り曲げた屈曲部を設けるのは、芯金端部の幅 広とした部位の芯金幅方向端部と芯金長手方向のどちらか一方だけでも力まわない 力 芯金幅方向端部と芯金長手方向の両方向端部の両方向端部へ設けるのが好ま L 、く、舟形状に傾斜部や屈曲部を設けるのが望ま 、。
これにより、芯金を幅広とした芯金幅方向前後の両角部の歪みを緩和し更に耳切 れに対する耐久性を向上させることとなった。
実施例 1
[0014] 以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。
図 1は本発明の第 1実施例のゴムクローラに用いる芯金図であり、図 1Aは内周(反 接地面)側平面図であり、図 1Bは正面図、そして図 1Cは側面図である。また、図 2は 本発明の第 1実施例を示すゴムクローラであり、図 1に示す芯金をゴムクローラに埋 設した状態を示す外周 (接地面)側一部平面図である。
第 1実施例の芯金 1は、その中央域に走行装置の駆動装置と係合する係合部 laが 形成され、係合部の芯金長さ方向左右両外側脇には、係合部 laをはさんで一対の 脱輪防止用のガイド突起 lbが千鳥状にずらして配列しており、その両外側に翼部 lc
が形成されている。
なお、図中 Idはゴムクローラの横ズレと捻れを抑制するたに設けられて 、る外れ防 止突起である。
そして、本発明の芯金 1は、芯金翼部 lc先端部を芯金幅方向外方へ芯金を延伸し 、芯金翼部先端部を芯金幅方向外方へ延伸することにより該先端域を幅広とし、芯 金の芯金長手方向両端縁を芯金幅寸法より長い尾鰭状の拡幅部 2を形成している。
[0015] この芯金 1は、図 2に示すようにゴムクローラ 3のゴムクローラ本体内 3aに埋設される 。そして、ゴムクローラ内に芯金 1が埋設された際には、ゴムクローラ幅方向端部(耳 部)に、芯金 1の芯金拡幅部 2が配置されるようにしている。これにより、芯金長手方 向端部の単位幅 (単位面積)当たりの荷重を低減することが可能となり、ゴムクローラ が石や縁石等に乗り上げた際、芯金長手方向端部に発生する歪を分散でき、歪み の集中を緩和することでゴム破壊を防止し、これに起因する耳切れ現象を効果的に 低減することができる。その結果、ゴムクローラの耐久性が向上することとなった。 なお、図中 3bはラグである。
[0016] この際、芯金拡幅部 2の芯金幅寸法 Wは、幅広の方が効果的であるが、芯金埋設
2
間隔(1ピッチ = 1P)よりも長くなると、隣接する芯金の拡幅部と干渉し埋設できなくな るため、芯金埋設間隔よりも芯金拡幅部 2の幅長さ Wを短くする必要がある。また、
2
芯金拡幅部 2の幅寸法 Wをあまり短くすると効果が少なくなるため、好ましくは、芯金
2
翼部 lc幅寸法 W {通常のゴムクローラは、芯金翼部 lcの幅 Wが芯金埋設間隔の半 分(0. 5P)の幅寸法としていることが多い。 }としたとき、 W2は 1. 1W〜1. 8W、好 ましくは 1. 2W〜1. 5Wとするのがよい。
また、芯金拡幅部 2の芯金長さ寸法 Lは、使用条件下で適当な長さ寸法に設定さ れるが、短すぎると拡幅部の芯金翼部より延伸された部位の強度が保てなくなり、こ れに対し、長すぎると芯金の重量が増大し、かつ、ゴムクローラの重量が増大すると 共に、芯金の材料が多く必要となる問題が生じる。
実施例 2
[0017] 図 3は本発明の第 2実施例の芯金を示す図であり、図 3Aは内周側平面図であり、 図 3Bは正面図、そして図 3Cは側面図である。また、図 4は本発明の第 2実施例の芯
金を埋設したゴムクローラを示す図であり、図 4Aはクローラ幅方向断面図、図 4Bは 一部側面図である。
第 2実施例の芯金 1は、芯金翼部 lc先端域を芯金幅方向外方へ芯金中央域の寸 法よりも長い寸法とした芯金拡幅部 2を形成し、この拡幅部 2の芯金肉厚を外端縁に 向かって減少させ、クローラの接地面側となる方向へ部分的 (好ましくは肉厚さ tの半 分(lZ2t)以上の厚さ(本実施例では 3Z4t)に或いは全面的に傾斜面を形成し、 傾斜部 (テーパー) 4を設けて 、る。
図 3に示しているように本第 2実施例では、芯金拡幅部 2の芯金長手方向端縁部 a と芯金幅方向端縁 bの両端縁にも傾斜部 4を形成することが望ましいが、何れか片方 のみ、またそれぞれの端縁で異なる傾斜角度の傾斜部 4を設ける構成としてもょ 、。 図 5は、ゴムクローラの幅方向端部が縁石に乗り上げた際の歪み率を測定した試験 方法と測定結果を示す図であり、図 5Aは試験方法を示すクローラ断面図、図 5Bは 測定した試験結果を示す歪み率を示すグラフである。
歪み試験の水準は、実施例 2に示したゴムクローラ、従来例として図 13に示す従来 の一般的なゴムクローラ、そして比較例として特開平 11— 105754号公報の図 5〜7 に開示されている従来技術の耳切れ対策をした芯金 (芯金長手方向端部先端に折 曲部を形成した芯金)を埋設したゴムクローラにつ!、て測定した。
測定は、図 5Aに示すとおり、芯金長手方向端縁位置から W(10mm)の位置の真 下になるゴムクローラの対応部位に半円形の障害物を置き、芯金に荷重 F (500Kg) を掛けた際の歪み率を測定した。
グラフに示すとおり、従来例ゴムクローラの歪み率が 193%、従来の耳切れ対策技 術を施している比較例のゴムクローラでは歪み率が 102%であるのに対し、本発明の 第 2実施例のゴムクローラでは、歪み率は 60%と従来例の 1Z3の歪みであり、比較 例と比べても歪みが少な 、ことがわかる。
このように本発明は、従来のゴムクローラゃ、従来の耳切れ対策技術を用いたゴム クローラに比べ、異物に乗り上げた際に発生するゴムクローラの幅方向端部の歪み が顕著に改善されており、ゴムクローラに生じる耳切れの発生を低減しゴムクローラの 耐久性を向上するものとなっている。
実施例 3
[0019] 図 6は本発明の第 3実施例の芯金を示す図であり、図 6Aは内周側平面図であり、 図 6Bは正面図、そして図 6Cは側面図である。
第 3実施例の芯金 1は、芯金翼部 lc先端部を芯金幅方向外方へ芯金を延伸し、芯 金翼部先端部を芯金幅方向へ幅広とした芯金拡幅部 2を形成し、この拡幅部 2の芯 金を延伸した延伸部分をクローラの内周側となる方向へ屈曲させ屈曲部 2aを形成し 、屈曲することにより形成される傾斜面が接地面側に向くようにクローラ周方向の芯金 端縁部を折り曲げている。
この際、芯金拡幅部 2を屈曲させているので、芯金拡幅部 2の芯金幅寸法 Wは、ゴ
3 ムクローラの巻き付け基点であるスチールコードより内周側へ大きく離れることとなる ため、芯金埋設間隔(1P)よりも更に短くしなければ隣接する芯金の拡幅部 2同士が 干渉し、ゴムクローラが走行装置の誘導輪や駆動輪に巻き付力なくなってしまう。 即ち、芯金拡幅部 2の芯金幅寸法 Wは、芯金埋設間隔(1P)から、芯金の拡幅部
3
2同士が干渉しない間隔 (p)を引いた寸法よりも短 Wく IP— p)する必要がある。
3
なお、芯金の拡幅部 2同士が干渉しない間隔 pは、スチールコードから芯金拡幅部 2の屈曲部 2a内周側先端までの寸法を h、駆動輪の歯数の数を nとしたとき、 p = 2hs in (180Zn) ° で導かれる。
実施例 4
[0020] 図 7は本発明の第 4実施例の芯金を示す図であり、図 7Aは内周側平面図であり、 図 7Bは正面図、そして図 7Cは側面図である。
第 4実施例の芯金 1は、芯金翼部 lc先端部を芯金幅方向外方へ芯金を延伸し、芯 金翼部先端部を芯金幅方向へ幅広とした芯金拡幅部 2を形成し、この拡幅部 2の芯 金長手方向先端部を、クローラの内周側となる方向へ屈曲させ屈曲部 2bを形成し、 屈曲することにより形成される傾斜面が接地面側に向くようにクローラ幅方向の芯金 端縁部を折り曲げている。
実施例 5
[0021] 図 8は本発明の第 5実施例の芯金を示す図であり、図 8Aは内周側平面図であり、 図 8Bは正面図、そして図 8Cは側面図である。
第 5実施例の芯金 1は、芯金翼部 lc先端部を芯金幅方向外方へ芯金を延伸し、芯 金翼部先端部を芯金幅方向へ幅広とした芯金拡幅部 2を形成し、この拡幅部 2の芯 金長手方向先端部を、クローラの内周側となる方向へ屈曲させ、更に芯金幅方向角 部から芯金長手方向先端部の一部までを屈曲させ、への字上に屈曲部を形成した 屈曲部 2a'を形成させて 、る。
これにより、芯金を幅広とした芯金幅方向前後の両角部の歪みを緩和し更に耳切 れに対する耐久性を向上させることとなった。
この際、図 9に示すとおり、拡幅部 2の芯金長手方向先端部全体を屈曲させて芯金 幅方向両端に形成した両屈曲部を繋がるように屈曲させ芯金翼部 lc先端部が図 9 へ図示するとおり舟形形状になるようにクローラ長手方向とクローラ幅方向、そしてク ローラ長手方向とクローラ幅方向の角部位の芯金端縁部を折り曲げ舟形屈曲部 2cを 形成してちょい。
実施例 6
図 10及び図 11は、一対のトラックリンクを無端状に連結した連結トラックリンクへ履 帯パッドを取り付ける構造を採用している履帯パッド式ゴムクローラである連結リンク 式ゴムクローラに用いる芯金を示す図である。図 10は、本発明の第 6実施例の芯金 を示す図であり、図 10Aは外周(接地面)側平面図、図 10Bは正面図、そして図 10C は側面図である。また、図 11は、第 6実施例の別例の芯金を示す図であり、図 11A は外周(接地面)側平面図、図 11Bは正面図、そして図 11Cは側面図である。なお、 図 12は本発明の図 11に示す第 6実施例の別例の芯金を埋設した連結リンク式ゴム クローラ (履帯パッド式ゴムクローラ)の履体パッドを示す図であり、図 12Aは接地面 側平面図であり、図 12Bは長手方向側面図、そして図 12Cは幅方向側面図である。 図 10に示す第 6実施例の芯金 6は、芯金長手方向端部を芯金幅方向外方へ芯金 を延伸し、芯金端部を芯金幅方向へ幅広とした芯金拡幅部 6aを形成している。なお 、図中 6bは履体パッドを連結トラックリンクへ取り付けるためのボルトが挿入されるボ ルトを通すための貫通孔である。
また、図 11に示す第 6実施例の別例は、の芯金 6は、芯金長手方向端部を芯金幅 方向外方へ芯金を延伸し、芯金端部を芯金幅方向へ幅広とした芯金拡幅部 6aを形
成し、この拡幅部 6aの芯金より拡幅した部位をクローラの内周(反接地面)側となる方 向へ屈曲させ屈曲部 6cを形成し、屈曲することにより形成される傾斜面が接地面側 に向くようにクローラ周方向の芯金端縁部を折り曲げている。
そして図 12に示すとおり、一対のトラックリンクを無端状に連結した連結トラックリン ク(図示せず)へ、履帯パッドを取り付け構造の履帯パッド式ゴムクローラである連結リ ンク式ゴムクローラの履体パッド 5へ、図 11に示す第 6実施例の別例である芯金 (履 板) 6を埋設した状態を示している。また、履体パッド 5の履帯本体部 5aはゴム弾性体 により形成され、芯金 6が履体パッド本体 5a内に埋設されている。
なお、図中 5bは履体パッドを連結トラックリンクへ取り付けるためのボルトが挿入さ れるボルト孔である。