JPH074271U - クローラ用芯金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 鋳造時に鋳ばりの発生を防止することによ
り、鋳仕上作業を廃止して製造原価を低減することがで
き、また曲げ強度および剪断強度を低下させることもな
く、弾性履帯のずれ、剥離、裂傷あるいは破断事故等を
防止することも可能なクローラ用芯金を提供するもので
ある。 ［構成］ 弾性部材に埋入し、鎖車と当接する接触面を
上面の中央部に備え、該接触面の左右に鎖車の歯と係合
する突起を有し、該突起の外方に比較的薄肉の板状部を
有するクローラ用芯金において、上記板状部は下面の周
縁に欠肉部を設けたものであり、必要に応じてこの欠肉
部と対応する上面の周縁に突出部を有することを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、土木機械、農業機械等に使用するクローラの弾性履帯中に埋入して 使用されるクローラ用芯金に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、産業機械に使用されるクローラの無限軌道として弾性履帯が広く用いら れている。この弾性履帯は図７に示すように長手方向に一定の間隔をおいて、あ るいは連続して芯金が埋入され、この芯金は履帯本体内面の中央部に鎖車と当接 する接触面と、この接触面の左右に鎖車の歯と係合する突起を備え、該突起の外 方には比較的薄肉の板状部を有するもので、この芯金よりも下方にスチールワイ ヤによる抗張体が埋入されている。このような芯金は球状黒鉛鋳鉄か、鍛鋼で製 造されており、必要な硬さと強度を確保するために、焼きならし、あるいは焼き 入れ・焼き戻しなどの熱処理が施されているのが一般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

最近では、形状の自由度が高く、しかも熱処理によって組織を自由に改善し、 機械的性質を鋼と同等か、あるいはそれ以上に向上せしめ得ることのできる球状 黒鉛鋳鉄が広く用いられている。ところが球状黒鉛鋳鉄組成の溶湯を鋳型に注入 する際に、鋳型の見切り面に鋳ばりが発生するがこの鋳ばりを除去する鋳仕上作 業に時間がかかり、原価高の原因となっている。一方この鋳ばりを除去せず弾性 履帯中に埋入すると弾性履帯が裂傷して破断事故につながる恐れがあり好ましか らざる結果を招くことになり、業界では新規な技術の開発が強く望まれていたと ころである。

【０００４】 本考案は前述せる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ は、鋳造時に鋳ばりの発生を防止することにより、鋳仕上作業を廃止し製造原価 を低減することのできるクローラ用芯金を提供するものであり、また他の目的は 鋳造時に鋳ばりの発生を防止することにより、鋳仕上作業を廃止し製造原価を低 減するとともに、曲げ強度および剪断強度を低下させることなく、弾性履帯のず れ、剥離、裂傷あるいは破断事故等を防止し得るクローラ用芯金を提供するもの である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のクローラ用芯金は、弾性部材に埋入し、鎖車と当接する接触面を上面 の中央部に備え、該接触面の左右に鎖車の歯と係合する突起を有し、該突起の外 方に比較的薄肉の板状部を有するクローラ用芯金であって、上記板状部は下面の 周縁に欠肉部を設けることを特徴とするものであり、また上記板状部の下面の周 縁に設けた欠肉部と対応する上面の周縁に突出部を有する構成とすることにより さらに優れた効果をもたらすことができるものである。

【０００６】

【実施例１】 以下本考案の実施例を図面に基いてさらに詳細に説明する。図１はクローラ用 芯金の平面図、図２は正面図、図３は図１のＡ〜Ａ断面図、図７は弾性履帯の幅 方向断面図である。

【０００７】 本考案のクローラ用芯金１は、弾性部材２に埋入し、鎖車と当接する接触面３ を上面の中央部に備え、この接触面３の左右に鎖車の歯と係合する突起４を有し 、この突起４の外方に比較的薄肉の板状部５を有するクローラ用芯金１であって 、上記板状部５は下面６の周縁に欠肉部７を設ける構成としたものである。１６ は弾性履帯内に埋入されたスチールワイヤである。

【０００８】 以上の構成により次に作用効果を説明する。板状部５の下面６の周縁に欠肉部 ７を設け、この面を見切り面としたので型締まりが良くなり、その結果鋳ばりの 発生を防止することができた。かりに鋳ばりが発生したとしても、その大きさが きわめて小さいためサンドブラストによる清浄作業の際に容易に除去し得るもの である。

【０００９】

【実施例２】 次ぎに他の実施例を図面に基いて説明する。図４はクローラ用芯金の平面図、 図５は正面図、図６は図４のＢ〜Ｂ断面図である。

【００１０】 クローラ用芯金８は、弾性部材２に埋入し、鎖車と当接する接触面９を上面の 中央部に備え、この接触面９の左右に鎖車の歯と係合する突起１０を有し、この 突起１０の外方に比較的薄肉の板状部１１を有するクローラ用芯金８であって 、上記板状部１１は下面１２の周縁に欠肉部１３を設け、この欠肉部１３と対応 する上面１４の周縁に突出部１５を有する構成としたものである。

【００１１】 本考案のクローラ用芯金は、板状部１１の下面１２の周縁に欠肉部１３を設け るとともに、この欠肉部１３と対応する上面１４の周縁に突出部１５を設けたの で断面積が縮減することはなく、従って曲げ強度および剪断強度を低下させる恐 れもない。さらにクローラ用芯金８を弾性部材２に埋入したとき、この突出部１ ５が弾性部材２と係合するので弾性部材２とのずれ、あるいは剥離等を防止する 効果も兼ね備えるものである。

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように、本考案のクローラ用芯金は板状部の下面の周縁 に欠肉部を設ける構成としたので、鋳造時に鋳ばりの発生を防止することにより 鋳仕上作業を廃止することができたので製造原価を低減することができ、また他 の考案は、この欠肉部と対応する上面の周縁に突出部を有する構成としたので、 鋳仕上作業を廃止するとともに、曲げ強度および剪断強度を低下させることもな く、弾性履帯のずれ、剥離、裂傷あるいは破断事故等を防止し得るもので、耐用 寿命を大幅に増大するなど工業的に多くの優れた効果をもたらすことができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】クローラ用芯金の平面図、

【図２】クローラ用芯金の正面図、

【図３】図１のＡ〜Ａ断面図、

【図４】クローラ用芯金の平面図、

【図５】クローラ用芯金の正面図、

【図６】図４のＢ〜Ｂ断面図、

【図７】弾性履帯の幅方向断面図である。

【符号の説明】

１． ８ クローラ用芯金 ２． 弾性部材 ３． ９ 接触面 ４．１０ 突起 ５．１１ 板状部 ６．１２ 下面 ７．１３ 欠肉部 １４． 上面 １５． 突出部 １６． スチールワイヤ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 角野 守 神奈川県横浜市戸塚区上矢部町710 (72)考案者 大谷 進 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町1274−１

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性部材に埋入し、鎖車と当接する接触
   面を上面の中央部に備え、該接触面の左右に鎖車の歯と
   係合する突起を有し、該突起の外方に比較的薄肉の板状
   部を有するクローラ用芯金において、上記板状部は下面
   の周縁に欠肉部を設けることを特徴とするクローラ用芯
   金。
2. 【請求項２】 上記板状部の下面の周縁に設けた欠肉部
   と対応する上面の周縁に突出部を有することを特徴とす
   る請求項１記載のクローラ用芯金。