WO2006100851A1 - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
踏段ローラ(6、7)を有する複数の踏段(2)と、複数の踏段(2)のそれぞれと連結して循環移動する踏段チェーン(8)と、トラスの中間部に設けられて踏段(2)の踏段ローラ(6、7)を案内するガイドレール(13a、13b、14a、14b)と、前記トラスの中間部に設けられて踏段チェーン(8)に駆動力を伝達する中間駆動装置(12)と、を備えた。踏段(2)の帰路側の移動経路に、踏段(2)の帰路側の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間(Z)を設けた。
Description
明 細 書
乗客コンベア
技術分野
[0001] 本発明は、中間部に駆動装置を設けた乗客コンベアに係り、特に、この駆動装置 の設置空間を確保することのできる乗客コンベアに関する。
背景技術
[0002] エスカレータゃ動く歩道といった乗客コンベアは、前後に踏段ローラが設けられた 複数の踏段を備えている。これらの踏段は、踏段チ ーンによって無端状に連結され 、この踏段チェーンを駆動することによって一方の乗降口と他方の乗降口との間を全 ての踏段が同期して隙間なく循環移動するように構成されている。エスカレータにお いては、各踏段が、往路側の行程ではトラス内に設置された踏段ガイドレールに各口 ーラが支持されつつ案内されることによって、踏板部分が水平に保たれながら、乗口 付近及び降口付近では水平方向に移動し、乗口付近から降口付近に至る中間部で は約 30度程度の昇降勾配方向に移動するようになって 、る。そして上階部又は下階 部の折り返し部で反転レールにより踏段の各ローラが案内されて、踏段の進行方向 及び踏段の姿勢が反転される。帰路側の行程においては、踏段が、トラス内で前記 往路側の踏段ガイドレールよりも下方に設けられた帰路側の踏段ガイドレールより踏 段の各ローラが案内されて移動するようになって 、る。
[0003] 前記踏段を連結する踏段チェーンを駆動する駆動装置としては、上階側の乗口付 近または降口付近の機械室内に設けられ、踏段チ ーンの折り返し端部に設けられ たスプロケットで駆動するタイプの装置が採用されることが多い。
[0004] 別の駆動装置としては、トラスの中間部に設けられ、踏段チェーンと嚙み合うラック などで駆動するタイプのものもある。このトラスの中間部に設けられた駆動装置では、 踏段チェーンの折り返し部でのローラ反力が階高に関係なく一定であり、階高に関わ らず所定の強度の部品を用いることができると 、う利点があるとされて 、る。
[0005] 階高が大きいエスカレータにおいては、前記踏段チェーンの折り返し端部をスプロ ケットで駆動するタイプの駆動装置と、前記トラスの中間部に設けられる駆動装置とを
、組み合わせて用いることも提案されている。これは、階高が大きい場合は、踏段チ エーンにかかる負荷が大きいため、踏段チェーン折り返し端部の駆動装置だけでは 十分な駆動力を伝達できない場合がある力もである。また、階高が大きいエスカレー タのみならず、移動距離の長い動く歩道等においても、踏段チェーン折り返し端部の 駆動装置だけでは十分な駆動力を伝達できない場合があるためである。そこで、この ような場合に、長尺な踏段チェーンおよびこの踏段チェーンに連結された一連の踏 段を動かすために、長い踏段チェーンの途中 (踏段チェーンが方向を変えて折り返 す端部以外の部分)で駆動力を与えることのできる駆動装置を分配配置することが提 案されている。
[0006] このような、トラスの中間部に駆動装置を設けた乗客コンベアについては、例えば特 許文献 1や特許文献 2に開示がある。特許文献 1では、中間部に設けられた駆動装 置の駆動ピ-オンと踏段チェーンのリンクプレート部に形成されたラックとを嚙み合わ せることにより、駆動装置の駆動力を踏段チ ーンに伝達させるようになつている。特 許文献 2では、歯付きチェーンのような特殊なチェーンを用いることなく標準的な踏段 チ ーンを利用して、トラスの中間部に設けられた駆動装置力 駆動力を伝達するた めに、その駆動装置について、回転駆動装置力も偏心軸を介して揺動体が取り付け られている。この揺動体にはトコロイド歯形をもつ転動歯が設けられ、この揺動体が回 転駆動装置の回転運動の伝達により揺動運動しつつ、その転動歯と踏段チ ーンと が嚙み合うことにより、踏段チェーンに推力を与えるようにしている。
[0007] 上述した中間部に駆動装置が設けられるとともに、上階側の端部の機械室内にも 駆動装置が設けられた関連する乗客コンベアについて説明する。この乗客コンベア は、利用者を乗せる踏板と、前記踏板の一端部と接続する蹴上げ板と、前記踏板及 び前記蹴上げ板が取り付けられたフレームに設けられた前輪ローラ及び後輪ローラ と、を備える複数の踏段を備えている。前記踏段の前記各前輪ローラは、無端状の 踏段チェーンに所定ピッチで連結されている。前記踏段チェーンは、上階側に設け られた駆動装置から動力が伝達される駆動輪と、下階側に設けられた従動輪とに卷 きつけられて、前記駆動輪と前記従動輪との間を循環移動する。さらに、モータを有 する中間駆動装置が、前記乗客コンベアの中間傾斜部に設けられ、前記踏段チェ一
ンと係合して動力を伝達している。前記中間駆動装置について、特許文献 2に記載 されているような、転動歯を有する揺動体の揺動運動により、前記踏段チェーンに推 力を与える中間駆動装置を備えて 、る。
[0008] 前記踏段チェーンの循環移動に伴い、前記踏段は、前記前輪ローラが往路側前輪 ガイドレールおよび帰路側前輪ガイドレールに案内され、前記後輪ローラが往路側 後輪ガイドレールおよび帰路側前輪ガイドレールに案内されて、循環移動することに なる。
[0009] 前記中間駆動装置は、往路を移動する前記踏段と帰路を移動する前記踏段との間 に配設される。特に前記モータ及び前記モータの動力を伝達するための減速機構等 は、往路側の前記踏段の前記蹴上げ板下端部と帰路側の前記踏段の前記蹴上げ 板下端部とに挟まれる空間に収められている。
特許文献 1:特開昭 61— 166492号公報
特許文献 2 :特開 2002— 128441号公報
発明の開示
[0010] 高階床の乗客コンベアを構成しょうとしたときに、駆動装置を上階機械室に 1台の みで配設して、その容量を大きくして対応しょうとした場合には、大きな容量の駆動装 置を設けるためには上階機械室のトラス寸法を大きくするなどの必要があり、さらなる 大容量の駆動装置やそれにあわせた強度を有するチ ーンや駆動輪等は汎用性が 無ぐコストや入手性に問題があった。
[0011] そのため、近年では特許文献 1や特許文献 2に提案されるような、乗客コンベアの 中間部に複数台の駆動装置を設置する技術が盛んに開発されている。
[0012] しかし、中間部に駆動装置を設置するためには、前述したように、モータや減速機 などの駆動装置を構成する用品を、往路側を移動する踏段と帰路側を移動する移動 する踏段との間の空間に収めなければならない。
[0013] よって、乗客コンベアの中間部に駆動装置を設置する関連する乗客コンベアにお いては、従来どおりのトラス寸法では、往路側及び帰路側の踏段間の空間に収容可 能な、小さい容量の駆動装置しか収めることができな力つた。そのため、十分な駆動 力を確保するためには中間部に設置する駆動装置の台数を増やすか、トラスの中間
部における深さ方向の寸法を大きくすることで往路及び帰路を移動する踏段の間を 広げて、ある程度容量のある駆動装置を収めるしか方法がな力つた。
[0014] しかしながら、中間部に設置する駆動装置の台数を増やすのではコストの増加を招 き、メンテナンスの作業も増える。一方、トラスの中間部における深さ方向の寸法を大 きくするのでは、新たに設計を変更することを要し、また、既設のエスカレータのトラス 構造を改造するのは困難である。
[0015] 本発明は、上記した関連技術の課題を解決するためになされたものであって、従来 どおりにトラス寸法を変えずに、適度な容量の駆動装置を適当数設置することで、設 置スペースの増加や中間部の駆動装置数の増加によるコスト高等の課題を解決した 、効率のよ!、分散駆動形の乗客コンベアを提供することを目的として!/ヽる。
[0016] 上記目的を達成するために、本発明の一つのアスペクトに係る乗客コンベアは、複 数の踏段と、前記複数の踏段に設けられた踏段ローラと、前記複数の踏段のそれぞ れと連結して、一方の乗降口と他方の乗降口との間を循環移動する踏段チェーンと、 トラスの中間部に前記踏段チェーンの移動経路に沿って設けられ、前記踏段ローラ を案内する、往路側のガイドレール及び帰路側のガイドレールと、前記往路側のガイ ドレール及び前記帰路側のガイドレールに従って移動する往路側における前記踏段 と帰路側における前記踏段との間に設けられ、前記踏段チェーンに駆動力を伝達す る中間駆動装置とを備え、帰路側における前記踏段の移動経路に帰路側において 前記踏段の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間が形成されている。
[0017] 本発明の上記アスペクトに係る乗客コンベアによれば、中間部に駆動装置を設置 する乗客コンベアにおいて、踏段の帰路側の移動経路に、前記踏段の帰路側の姿 勢を変更させる踏段姿勢変更区間が形成されていることにより、従来どおりのトラス寸 法を変えずに、従来よりも大きな、適度な容量の駆動装置を適当数設置することがで きること力ら、設置スペースの増加や中間部の駆動装置数の増加によるコスト高等の 課題を解決した、効率の良い乗客コンベアを構成できる。
図面の簡単な説明
[0018] [図 1]図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係る乗客コンベアの中間部に設けられた 駆動装置付近の要部を示した側面図である。
[図 2]図 2は、本発明の第 1の実施の形態に係る乗客コンベアの踏段姿勢変化区間 における帰路側部分の断面図である。
[図 3]図 3は、本発明の第 2の実施の形態に係る乗客コンベアの踏段姿勢変化区間 における帰路側部分の断面図である。
[図 4]図 4は、本発明の第 3の実施の形態に係る乗客コンベアの踏段姿勢変化区間 における帰路側部分の断面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る乗客コンベアを詳細に説明する 。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付 している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚み の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。
[0020] (第 1の実施の形態)
図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係る乗客コンベアとして、エスカレータの一例 を、その中間部に設けられた駆動装置付近の要部で示した側面図である。
[0021] 図 1に示す乗客コンベア 1は、複数の踏段 2を備えている。踏段 2のそれぞれは、側 面の外形が概略扇形を有するフレーム 3と、フレーム 3に取り付けられ、乗客が乗る踏 面を有する踏板 4と、踏板 4の一端部と接続してフレーム 3の円弧部に取り付けられる 蹴上げ板 5と、フレーム 3に回動可能に取り付けられた踏段ローラとして、フレーム 3の 前端近傍に設けられた前輪ローラ 6及びフレーム 3の後端近傍に設けられた後輪口 ーラ 7とを備えている。これらの踏段 2の各前輪ローラ 6は無端状の踏段チェーン 8に より所定ピッチで連結されて ヽる。
[0022] 図 1で模式的に示している踏段チェーン 8は、ピンローラを有するチェーンであって 、モータ 11より駆動力が伝達された中間駆動装置 12により駆動される。踏段チヱ一 ン 8は、中間駆動装置 12に加えて、図示しない上階側の機械室に設けられた駆動装 置〖こよっても,駆動されるよう〖こすることもできる。
[0023] 中間駆動装置 12は、モータ 11からの回転駆動力が伝達された偏心軸 12aを備え、 偏心軸 12aの回転により中間駆動装置 12全体が踏段チェーン 8のピン間隔と同一量 で揺動するようになっている。そして、中間駆動装置 12の上端部には、トコロイド形状
の歯 12bが前記踏段チェーン 8のピンに嚙み合ように形成されていて、中間駆動装 置 12が偏心軸 12aの回転に伴い揺動することにより、トコロイド形状の歯 12bから、ト コロイド形状の歯 12bと嚙み合う踏段チェーン 8のピンに推進力が伝達されて、踏段 チ ーン 8が駆動される。このような中間駆動装置 12は、特許文献 2に記載されてい るものである。なお、本発明の乗客コンベア 1は、中間駆動装置の駆動機構について は、図 1や特許文献 2に開示されたものに限られず、乗客コンベアの中間駆動装置と して従来力 用いられて 、る他の中間駆動装置を用いることもできる。
[0024] 踏段チェーン 8の循環移動に伴い、踏段チェーン 8と連結している各踏段 2は、往 路側では前輪ローラ 6が前輪ガイドレール 13aにより案内され、後輪ローラ 7が後輪ガ イドレール 14aにより案内されて、各踏段 2の踏板 4が水平に維持された状態で移動 する。帰路側では、各踏段 2は、前輪ローラ 6が前輪ガイドレール 13bに案内され、後 輪ローラ 7が後輪ガイドレール 14bにより案内されて移動する。
[0025] 第 1の実施の形態に係る乗客コンベア 1においては、踏段 2の帰路側の移動経路 に、踏段 2の帰路側の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間 Zが形成されている。踏 段姿勢変更区間 Zは、中間駆動装置 12が設置されている位置の近傍に設けられて いる。より具体的には、後輪ガイドレール 14bについて、トラス内のモータ 11及び中 間駆動装置 12が設けられている近傍の領域、すなわち、図 1に示す踏段姿勢変化 区間 Zにお 、て、帰路側の後輪ガイドレール 14bのトラスの内部における相対的位置 力 踏段姿勢変化区間 Zの両側にある通常区間 Nの高さよりも低い位置に配置されて いる。この帰路側の後輪ガイドレール 14bの低さの程度は、図示した例においては、 帰路側の後輪ガイドレール 14b及び前輪ガイドレール 13bとにより案内されている踏 段 2の踏板 4の表面力 乗客コンベアの傾斜角度とほぼ平行な角度になるような踏段 姿勢になる踏段(図 1の Sの踏段)の後輪ローラ 7の高さにあわせた位置である。さら に、帰路側の後輪ガイドレール 14bは、通常区間 Nと踏段姿勢変化区間 Zとの間を接 続するように、踏段 2の姿勢が移動に伴い次第に移り変わる領域として、緩やかな傾 斜および曲線の組合せで構成されて 、る遷移区間 Tが設けられて 、る。
[0026] 遷移区間 Tは、後輪ローラ 7の踏段姿勢変化区間 Zへの入口と出口に相当し、遷移 区間 Tにおいては、踏段 2の後輪ローラ 7が、後輪ガイドレール 14bの通常区間 Nから
踏段姿勢変化区間 Zへ移行する過程、踏段姿勢変化区間 Zから通常区間 Nへ移行す る過程で、スムーズに移動できるように、後輪ローラ 7上側力 案内するための押さえ レール 15が、後輪ガイドレール 14bと平行に設けられている。
[0027] 図 2に、踏段姿勢変化区間 Zにおける帰路側部分の断面図を示す。図 2において、 踏段 2の前輪ローラ 6は、踏段チェーン 8の循環移動に従い、転動しながら前輪ガイド レール 13b上を案内される。同様に後輪ローラ 7は、転動しながら後輪ガイドレール 1 4b上を案内される。トラス部材 16は乗客コンベアの外枠となるトラス部材である。トラ ス部材 16から、踏段 2の踏板 4の側面に向けて固定部材 17が突設され、固定部材 1 7の先端に、踏板 4の側面に当接又は若干の隙間を有して近接するようにガイドロー ラ 18が設けられている。ガイドローラ 18は、踏板 4の両側面に向けてそれぞれ設けら れ、かつ、踏段の進行方向に沿って単数又は複数個が設けられている。
[0028] 以下に、図 1及び図 2に示した第 1の実施の形態の作用について説明する。
[0029] まず、図 1に示す乗客コンベア 1において、中間駆動装置 12からの駆動力を伝達さ れて踏段チェーン 8が循環移動すると、往路側では、踏段 2が前輪ガイドレール 13a 及び後輪ガイドレール 14aに案内され、踏段 2の踏板 4が常に床面と平行な踏段姿 勢を保ちながら上下階を移動する。
[0030] 一方、帰路側の通常区間 Nでは、踏段 2は帰路側の前輪ガイドレール 13bと後輪ガ イドレール 14bに案内されて、連結されて隣り合う踏段 2は、前輪ガイドレール 13bと 後輪ガイドレール 14bとの位置関係により、一方の踏段 2の踏板 4の先端部と、他方 の踏段 2の踏板 4の後端部とが離隔した状態(図 1の P)の踏段姿勢で移動している。
[0031] 踏段 2が遷移区間 Tを経て踏段姿勢変化区間 Zに移動すると、踏段姿勢変化区間 Z では、帰路側の後輪ガイドレール 14bの高さが、前述のとおり通常区間 Nよりも相対 的に低くなつていることにより、各踏段 2の踏板 4は、乗客コンベア 1の傾斜角度とほ ぼ平行となるように姿勢を変化させ、その姿勢のまま中間駆動装置 12付近を通過す る。
[0032] このとき、後輪ローラ 7は、後輪ガイドレール 14bに案内されるば力りでなぐ遷移区 間 Tに設けられた押さえレール 15にも上側から案内されることにより、強制的に帰路 側の後輪ガイドレール 14bに追従し、踏段 2は確実に姿勢を変化する。
[0033] 踏段姿勢変化区間 Zにおいて、踏段 2は、図 2に示すように踏板 4に当接又は近接 配置されたガイドローラ 18により幅方向に移動できないように拘束されているので、 踏段 2の表面に櫛状に形成された踏板 4力 前後の踏段 2の踏板 4のクリートと常に 嚙み合った状態(図 1の Q)で移動する。
[0034] 以上により、第 1の実施の形態に係る乗客コンベア 1は、踏段姿勢変形区間 Zでは、 通常区間 Nに比べ、往路側の踏段 2と帰路側の踏段 2との間のスペースが、関連する 乗客コンベアに比べて大きくなつている。すなわち、図 1中で関連する乗客コンベア では通常区間 Nにおけるスペースである Yの寸法と同じであったもの力 踏段姿勢変 形区間 Zの寸法 Y'に拡大されることから、中間駆動装置 12及びそれを駆動するモー タ 11のための設置スペースが増加する。したがって、第 1の実施の形態によれば、中 間部に中間駆動装置 12を設置した乗客コンベア 1において、往路側と帰路側の踏 段 2間のスペースを広くとれるので、大きな容量のモータを有する中間駆動装置 12の 設置が可能となり、少ない駆動装置の数でより高い階床の乗客コンベアの踏段を駆 動することができる。これにより、駆動装置の数が少なくなることによるコストの低減、 駆動装置の調整,点検時間の削減などの利点がある。
[0035] トラス深さを大きくする必要がないので設置スペースの増加を防ぐことができ、既存 の乗客コンベアにも適用することができる。
[0036] 踏段姿勢変更区間 Zを、帰路側の前輪ガイドレール 13bの高さは変更することなぐ 後輪ガイドレール 14bの改良で達成することができ、改良に要する作業に対して得ら れる効果が大きい。
[0037] 踏段姿勢変更区間 Zにおける後輪ガイドレール 14bの高さについて、前記後輪ガイ ドレール 14bにより帰路側の後輪ローラ 7が案内される踏段 2の踏板 4表面が、乗客コ ンベア 1の傾斜角度とほぼ平行の踏段姿勢になるような高さとすることにより、既存の 踏段 2をそのまま用いることができる。
[0038] 踏段姿勢変化区間 Zと通常区間 Nとの間に、遷移区間 Tを備えることにより、踏段 2 は、後輪ガイドレール 14bに案内されて、通常区間 Nから踏段姿勢変化区間 Zへと滑 らかに移行することができ、また、踏段姿勢変化区間 Zから通常区間 Nへと滑らかに移 行することができる。
[0039] 押さえレール 15が配置されることにより、踏段姿勢変化区間 Z前後での移行過程で 後輪ローラ 7は強制的に帰路側の後輪ガイドレール 14bに追従し、踏段 2が確実に 姿勢を変化することができる。
[0040] 踏段姿勢変化区間 Zでは、前述したように踏段 2の表面に櫛状に形成された (タリー トが形成された)踏板 4が、前後の踏段 2の踏板 4のクリートと常に嚙み合った状態(図 1の Q)で移動する力 図 2に示すように、前記ガイドローラ 18によって、踏段 2は、踏 段 2の幅方向の変位が拘束されているため、前後の踏段 2が、幅方向に相対移動す ることはなく、よって、嚙み合っている櫛状部分が互いに接触して破損するおそれは ない。
[0041] (第 2の実施の形態)
図 3は、本発明の第 2の実施の形態に係る乗客コンベアの踏段姿勢変化区間 Zに おける帰路側部分の断面図を示して!/、る。
[0042] 図 3において、第 1の実施の形態を図示した図 2と同一部材については同一の符号 を付しており、以下では、重複する説明を省略する。
[0043] 図 3に示す第 2の実施の形態の乗客コンベアにおいては、トラス部材 16から、踏段
2の踏板 4側面に向けて固定部材 17が設けられ、固定部材 17の先端に、踏段 2の踏 板 4側面に当接又は若干の隙間を有して近接するように低摩擦材料である低摩擦榭 脂等で構成されるガイド部材 19が設けられている。ガイド部材 19は、踏段 2の踏板 4 の両側面に向けてそれぞれ設けられ、かつ、踏段 2の進行方向に沿って単数又は複 数個が設けられている。
[0044] 図 3に示す第 2の実施の形態においても、図 1に示すような踏段姿勢変化区間 Zが 設けられおり、踏段姿勢変化区間 Zが設けられていることによって、第 1の実施の形態 と同様の効果が得られる。
[0045] 図 3に示した第 2の実施の形態においては、ガイド部材 19が踏段 2の幅方向の変 位を拘束することから、第 1の実施の形態と同様に、前後の踏段について、嚙み合つ て 、る櫛状部分が互 ヽに接触して破損するおそれはな 、。
[0046] (第 3の実施の形態)
図 4は、本発明の第 3の実施の形態に係る乗客コンベアの踏段姿勢変化区間 Zに
おける帰路側部分の断面図を示す。
[0047] 図 4において、図 2及び図 3と同一の部材については、同一の符号を付して、以下 では重複する記載を省略する。
[0048] 図 4では、帰路側の後輪ガイドレール 14bの側面に、踏段 2の後輪ローラ 7に当接 又は若干の隙間を有して近接するように配置された低摩擦材料である低摩擦榭脂等 で構成されるプレート部材 20が取り付けられている。プレート部材 20は、踏段 2の踏 板 4の両側面に向けてそれぞれ設けられ、かつ、踏段 2の進行方向に沿って単数又 は複数個が設けられている。
[0049] 図 4に示す第 3の実施の形態においても、図 1に示すような踏段姿勢変化区間 Zが 設けられおり、踏段姿勢変化区間 Zが設けられていることによって、第 1の実施の形態 と同様の効果が得られる
プレート部材 20が設けられていることにより、プレート部材 20は、踏段 2の後輪ロー ラ 7を介し、踏段 2の幅方向の変位を拘束する。したがって、第 1の実施の形態及び 第 2の実施の形態と同様に、前後の踏段 2について、嚙み合っている櫛状部分が互
Vヽに接触して破損するおそれはな!/、。
[0050] 上記のように、本発明は第 1乃至第 3の実施の形態によって記載した力 本発明は これに限定されるものではなぐその他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記 の各実施の形態に種々の改変を施すことができる。
産業上の利用の可能性
[0051] 本発明によれば、従来どおりにトラス寸法を変えずに、適度な容量の中間駆動装置 を設置できるようにして、設置スペースの増加や中間部の駆動装置数の増加によるコ スト高等の課題を解決した、効率のょ 、分散駆動形の乗客コンベアを提供することが できる。
Claims
[1] 複数の踏段と、
前記複数の踏段に設けられた踏段ローラと、
前記複数の踏段のそれぞれと連結して、一方の乗降口と他方の乗降口との間を循 環移動する踏段チェーンと、
トラスの中間部に前記踏段チェーンの移動経路に沿って設けられ、前記踏段ローラ を案内する、往路側のガイドレール及び帰路側のガイドレールと、
前記往路側のガイドレール及び前記帰路側のガイドレールに従って移動する往路 側における前記踏段と帰路側における前記踏段との間に設けられ、前記踏段チェ一 ンに駆動力を伝達する中間駆動装置とを備え、
帰路側における前記踏段の移動経路に、帰路側において前記踏段の姿勢を変更 させる踏段姿勢変更区間が形成されている
ことを特徴とする乗客コンベア。
[2] 前記踏段姿勢変化区間は、前記中間駆動装置が設置されている位置の近傍に設 けられている
ことを特徴とする請求項 1に記載の乗客コンベア。
[3] 前記踏段姿勢変化区間は、前記帰路側のガイドレールのうち、前記踏段ローラの 後輪を案内する帰路側のガイドレールの高さを、前記踏段姿勢変化区間でな 、帰路 側の一区間である通常区間の高さよりもトラス内で相対的に低い位置に設置すること により形成されている
ことを特徴とする請求項 1に記載の乗客コンベア。
[4] 前記踏段姿勢変化区間における前記踏段ローラの後輪を案内する帰路側のガイド レールの高さは、当該ガイドレールにより前記踏段ローラの後輪が案内される前記踏 段の踏板表面が乗客コンベアの傾斜角度とほぼ平行の踏段姿勢になる、高さである ことを特徴とする請求項 3に記載の乗客コンベア。
[5] 前記踏段姿勢変化区間と前記通常区間との間に遷移区間を備え、
前記遷移区間において、前記踏段ローラの後輪を案内する帰路側のガイドレール は、前記踏段姿勢変化区間と前記通常区間とを接続する緩やかな傾斜または曲線
状に形成されている
ことを特徴とする請求項 3に記載の乗客コンベア。
[6] 前記踏段姿勢変化区間において、少なくともその入口と出口に、帰路側における 前記踏段ローラの後輪を上側力 案内する押さえレールを設けた
ことを特徴とする請求項 3に記載の乗客コンベア。
[7] 前記踏段姿勢変化区間において、前記踏段の幅方向への変位を防ぐ変位防止機 構を設けた
ことを特徴とする請求項 1に記載の乗客コンベア。
[8] 前記変位防止機構は、前記踏板の側面に当接又は若干の隙間を有して近接して 設けた複数のローラである
ことを特徴とする請求項 7に記載の乗客コンベア。
[9] 前記変位防止機構は、前記踏板の側面に当接または若干の隙間を有して近接し て設けた低摩擦材料を含むガイド部材である
ことを特徴とする請求項 7に記載の乗客コンベア。
[10] 前記変位防止機構は、前輪または後輪の前記踏段ローラに当接または若干の隙 間を有して近接して設けた低摩擦材料を含むプレート部材である
ことを特徴とする請求項 7に記載の乗客コンベア。
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