JP4342215B2 - 中間加速型エスカレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間傾斜部における踏段の移動速度が乗り口付近や降り口付近における踏段の移動速度よりも速い中間加速型のエスカレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動距離の長いエスカレータにおいては、踏段の移動速度を高めて輸送効率の向上や乗客の利便性向上を図る試みがなされている。このように踏段の移動速度を高める場合、特に重要となるのは、乗客の乗り降りの安全性を十分に確保できるようにすることである。このような観点から、乗り口付近や降り口付近では踏段の移動速度を相対的に遅くして、中間傾斜部でのみ踏段が高速移動するような構成とすることが提案されている。
【0003】
このように中間傾斜部における踏段の移動速度が乗り口付近や降り口付近における踏段の移動速度よりも速くなるようにしたエスカレータは、一般に中間加速型エスカレータと呼ばれ、例えば地下鉄の駅舎等に設置されるエスカレータのように移動距離が長いエスカレータとしての適用が期待されている。
【0004】
この種の中間加速型エスカレータとしては、従来、先行する踏段に固定された駆動ローラと後続する踏段に固定された駆動ローラとを、屈曲した形状の第1のリンクと第2のリンクとを用いて連結すると共に、第1のリンクの先端に補助ローラを取り付けて、駆動ローラの移動を駆動ローラ用レールで、補助ローラの移動を補助ローラ用レールでそれぞれ案内させる構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
このような構造の中間加速型エスカレータでは、乗り口や降り口付近において、補助ローラ用レールの軌道が駆動ローラ用レールから離間するように設計されており、第1のリンクの先端に取り付けられた補助ローラがこの補助ローラ用レールに沿って乗り口や降り口付近を移動する過程で、第1のリンクと第2のリンクとが補助ローラを頂点とした山型形状に変位するようになっている。そして、これら第1のリンクと第2のリンクとがなす形状の変化に応じて、先行する踏段に固定された駆動ローラと後続する踏段に固定された駆動ローラとの間の距離が縮まり、その分、踏段の移動速度が、中間傾斜部における移動速度に比べて遅くなるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−2572号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、乗り口や降り口付近において踏段の移動速度を遅くするための機構が複雑な上、隣接する踏段間の距離、すなわち、先行する踏段の駆動ローラと後続する踏段の駆動ローラとの間の距離の精度が、第1のリンク及び第2のリンクの形状や、補助ローラ用レールの形状、取り付け状態等に大きく依存しており、これらに誤差が生じた場合には、隣接する踏段間に大きな隙間が生じたり、隣接する踏段同士が干渉したりすることも懸念される。
【0008】
このため、例えば、隣接する踏段同士が噛み合う櫛歯状のクリートと呼ばれる溝を深目に設計して、この噛み合い部分に余裕を持たせることで、隣接する踏段間の距離の誤差を吸収するといった対応を図ることも検討されるが、クリートを過度に深く設計すると強度の確保が困難になって破損を招く虞もある。
【0009】
また、通常、急いでいる乗客は踏段の片側を歩いて移動して上階まで迅速に到達しようとするが、上述した従来の技術では、踏段が高速移動する中間傾斜部においては、隣接する踏段間の段差が大きくなり、また後続する踏段の前方に先行する踏段の端面が大きく傾斜した状態で現れるため、乗客が踏段上を安全に歩いて移動することが困難となる。このため、急いでいる乗客にとっては、踏段が高速移動していたとしても、その上を歩いて移動できないために却って不満が残るものとなる。
【0010】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、簡素な構造で乗り口や降り口付近における踏段の移動速度を適切に調整して中間加速を実現し、また、踏段間の距離を最適な状態に保つことができ、更には乗客が歩いて移動することを妨げることのない中間加速型エスカレータを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る中間加速型エスカレータは、構造物に取り付けられた踏段ガイドレール及び補助ガイドレールと、前記踏段ガイドレールに沿って移動する前輪及び前記補助ガイドレールに沿って移動する後輪を有する複数の踏段と、複数のピンローラ及びチェーンリンクを有し、前記複数の踏段を連結する踏段チェーンと、前記踏段チェーンを駆動するチェーン駆動機構とを備える。そして、各踏段の後輪近傍と、前輪と後輪との間の中間位置とに、それぞれ前記踏段チェーンのピンローラが固定されて、それぞれ後部固定ピンローラ及び中間部固定ピンローラとされていると共に、先行する踏段の後部固定ピンローラと、後続する踏段の中間部固定ピンローラとが前記チェーンリンクにより連結され、後続する踏段の中間部固定ピンローラが、先行する踏段の後部固定ピンローラを支点として、前記チェーンリンクを半径とする円弧に沿って移動可能とされている。
【0012】
この中間加速型エスカレータでは、チェーン駆動機構によって踏段チェーンが駆動されると、踏段チェーンによって連結されている複数の踏段が踏段ガイドレール及び補助ガイドレールに沿い循環して移動する。このとき、各踏段の前側に回転自在に取り付けられた前輪は踏段ガイドレールに案内され、各踏段の後側に回転自在に取り付けられた後輪は補助ガイドレールに案内されて移動することで、各踏段は所望の姿勢が維持されて、中間傾斜部においては複数の踏段が階段形状に並ぶことになる。
【0013】
また、乗り口や降り口付近では、隣接する踏段間の高さの差が徐々に減少してこれらの踏段が水平面上に並ぶようになるが、このとき、本発明に係る中間加速型エスカレータでは、後続する踏段の中間部固定ピンローラが、先行する踏段の後部固定ピンローラを支点として、これらピンローラ同士を連結するチェーンリンクを半径とする円弧に沿って移動することで、後続する踏段の高さ位置が先行する踏段の高さ位置に近付くようになっている。このため、踏段チェーン全体で見ると、中間傾斜部においては直線状となる踏段チェーンが、乗り口や降り口付近においては、中間部固定ピンローラの移動に応じて屈曲することになる。そして、このように踏段チェーンが屈曲する分、乗り口や降り口付近における踏段の移動速度が、中間傾斜部における移動速度に比べて遅くなる。このとき、隣接する踏段間の距離は、先行する踏段の後部固定ピンローラと後続する踏段の中間部固定ピンローラとを連結するチェーンリンクの長さによって決まるので、これら踏段間の距離に変動を生じさせることなく、最適な状態に保つことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施形態の中間加速型エスカレータにおける踏段の移動を案内する機構を抜粋した模式図であり、図2は本実施形態の中間加速型エスカレータにおける駆動系を抜粋した模式図、図3は本実施形態の中間加速型エスカレータにおける要部を拡大して示す斜視図、図4は各踏段の前輪及び後輪が取り付けられた部分を拡大して示す正面図である。
【0016】
本実施形態の中間加速型エスカレータは、図1に示すように、構造物に取り付けられた踏段ガイドレール1及び補助ガイドレール2を備える。これら踏段ガイドレール1及び補助ガイドレール2は、当該中間加速型エスカレータの中間傾斜部においては、互いに近接して平行な状態で傾斜するように敷設されており、乗り口や降り口付近においては、徐々に離間しながら水平状態へと推移するように敷設されている。
【0017】
また、本実施形態の中間加速型エスカレータは、無端状に連結された複数の踏段3を備えている。これらの踏段3には、それぞれ図1中矢印Aで示す移動方向の前段側に位置して前輪4が回転自在に取り付けられていると共に、移動方向の後段側に位置して後輪5が回転自在に取り付けられている。なお、ここでは本実施形態の中間加速型エスカレータを上昇運転をさせている場合を例に挙げて説明しており、下降運転させる場合には各踏段3の移動方向が逆方向となる。このため、下降運転させる場合には、正確には各踏段3の前輪4と後輪5との位置関係が逆になるが、本明細書においては、本発明の特徴を分かり易く説明するために、上昇運動させている場合の各踏段3の移動方向Aを基準に考えて、各踏段3の移動方向Aの前段側に取り付けられたローラを前輪4と呼び、移動方向Aの後段側に取り付けられたローラを後輪5と呼んで、表記を統一することとする。
【0018】
複数の踏段3は、後述する駆動系の駆動力を受けて、各踏段3の前輪4が踏段ガイドレール1に沿って移動し、各踏段3の後輪5が補助ガイドレール2に沿って移動することで、所望の姿勢を維持したまま、乗り口と降り口との間を循環移動する。このとき、中間傾斜部においては、各踏段3は踏面を水平に保った状態で階段状に並んで移動し、降り口に近付くと踏段ガイドレール1と補助ガイドレール2との相対位置の変化に応じて隣接する踏段3間の高さの差が次第に小さくなって、降り口において隣接する踏段3の踏面同士が水平面上に並んだ状態となる。そして、この状態で各踏段3がコムプレート6の下方に入り込んで折り返し部分に到達し、折り返し部分でスプロケット7に沿って反転されて、復路側の経路を辿って乗り口側へと帰還するようになっている。
【0019】
以上のように循環移動する複数の踏段3は、図2に示すような踏段チェーン10により連結されている。踏段チェーン10は、等間隔に配置された複数のピンローラ11とこれら複数のピンローラ11を連結して一体の索状体を形成するチェーンリンク12とから構成されるものであり、本例では、図3に詳細に示すように、各チェーンリンク12の両端部と中央部の3箇所にそれぞれピンローラ11が取り付けられている。この踏段チェーン10を構成する複数のピンローラ11のうち、チェーンリンク12の両端部に取り付けられるピンローラ11は、踏段3の後輪5近傍と、踏段3の前輪4と後輪5の間の中間位置とにそれぞれ固定されている。本明細書においては、踏段チェーン10を構成する複数のピンローラ11のうち、特に、踏段3の後輪5近傍に固定されるピンローラ11を後部固定ピンローラ11aと呼び、踏段3の前輪4と後輪5との間の中間位置に固定されるピンローラ11を中間部固定ピンローラ11bと呼ぶこととする。
【0020】
本発明を適用した中間加速型エスカレータでは、以上のように、踏段チェーン10を構成する後部固定ピンローラ11aが各踏段3の後輪5近傍位置に固定されると共に、踏段チェーン10を構成する中間部固定ピンローラ11bが各踏段3の前輪4と後輪5との間の中間位置に固定されることで、複数の踏段3が踏段チェーン10によって無端状に連結された構造とされている。そして、踏段チェーン10が詳細を後述するチェーン駆動機構20によって駆動されることで、無端状に連結された複数の踏段3が、上述したように、当該中間加速型エスカレータの乗り口と降り口との間を循環移動するようになっている。
【0021】
ここで、隣接する2つの踏段3に注目すると、先行する踏段3に固定された後部固定ピンローラ11aと、後続する踏段3に固定された中間部固定ピンローラ11bとは、1つのチェーンリンク12の両端部に取り付けられてこのチェーンリンク12によって連結されているので、後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bが、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aを支点として、チェーンリンク12を半径とする円弧に沿って移動できるようになっている。そして、本発明を適用した中間加速型エスカレータにおいては、乗り口や降り口付近で、各踏段3の中間部固定ピンローラ11bを以上のような円弧状の軌跡で移動させることによって、隣接する踏段3間の高さの差を次第に減少させて、乗り口や降り口では隣接する踏段3の踏面同士が水平面上に並んだ状態となるようにしている。
【0022】
具体的に説明すると、例えば図4に示すように、後部固定ピンローラ11aを各踏段3の後輪5と同軸上に配置した場合、各踏段3の後部固定ピンローラ11aは、後輪5と共に補助ガイドレール2に沿って移動することになる。そして、踏段3が中間傾斜部を移動する間は、後部固定ピンローラ11aと中間部固定ピンローラ11bとが直線状に並び、後部固定ピンローラ11aに加えて中間部固定ピンローラ11bも補助ガイドレール2に沿って移動することになる。一方、踏段3が乗り口や降り口付近に差し掛かると、後部固定ピンローラ11aは補助ガイドレール2に沿った移動を継続するが、中間部固定ピンローラ11bは上述した円弧状の軌跡に沿って補助ガイドレール2から離間する方向へと持ち上げられ、これに応じて隣接する踏段3間の高さの差が減少することになる。
【0023】
このとき、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aと後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bとの間の距離は、これらを連結するチェーンリンク12の長さによって決まるので、隣接する踏段3間の距離に大きな変動が生じることはない。また、各踏段3のライザ(蹴上げ)3aを、横方向から見た形状が中間部固定ピンローラ11aの移動軌跡に倣う円弧形状となるように成形しておけば、後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bが持ち上げられて後続する踏段3の高さ位置が変化するときに、この後続する踏段3の動きが先行する踏段3のライザ3aに沿ったものとなり、これら隣接する踏段3間に大きな隙間を生じさせることなく、これらの位置関係が最適な状態に維持されることになる。
【0024】
また、各踏段3を連結している踏段チェーン10に注目すると、この踏段チェーン10は、乗り口や降り口付近において、補助ガイドレール2から離間する方向に持ち上げられた中間部固定ピンローラ11bを頂点として山型に屈曲した形状となる。そして、このように踏段チェーン10が屈曲する分、乗り口や降り口付近における踏段3の移動速度が、中間傾斜部における踏段3の移動速度に比べて遅くなる。その結果、中間傾斜部における踏段3の移動速度が乗り口や降り口付近における踏段3の移動速度よりも速い、いわゆる中間加速が実現されることになる。
【0025】
なお、以上は、後部固定ピンローラ11aを各踏段3の後輪5と同軸上に配置した場合について説明したが、後部固定ピンローラ11aは、補助ガイドレール2に沿って移動できる位置に固定されていれば、後輪5と同軸上に配置されていなくても構わない。ただし、後部固定ピンローラ11aを後輪5と同軸上に配置する構造とすれば、後輪5を踏段3に取り付ける取付軸と後部固定ピンローラ11aを踏段3に取り付ける取付軸とを一体化でき、その分、構造の簡素化を図ることができる。
【0026】
また、本実施形態の中間加速型エスカレータにおいては、図3に示すように、各踏段3の中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aとの間の距離L1が、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aと後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bとの間の距離L2と等しくされていることが望ましい。上述した例のように、踏段チェーン10を構成する各チェーンリンク12の両端部に取り付けられたピンローラ11をそれぞれ後部固定ピンローラ11a及び中間部固定ピンローラ11bとしてそれぞれ踏段3に固定させるようにした場合には、各チェーンリンク12の長さを一定に揃えておくことによって、L1とL2とを容易に等しくすることが可能となる。このように、L1とL2とが等しくなるように各踏段3を踏段チェーン10によって連結するような構成とすれば、乗り口や降り口付近において踏段チェーン10が山型に屈曲した形状となったときと、中間傾斜部において踏段チェーン10が直線状に伸びている状態とで、各踏段3に姿勢の変化が生じなくなり、乗り口や降り口付近において先行する踏段3の後輪5側の端面3aが大きく傾斜した状態で現れて乗客の歩行の妨げとなるといった問題も未然に回避される。
【0027】
本実施形態の中間加速型エスカレータにおいて、踏段チェーン10を駆動するチェーン駆動機構20としては、例えば図2に示すように、中間傾斜部において直線状に並ぶピンローラ11に噛合ってこれに推力を伝達する構造のものが採用される。以下、このチェーン駆動機構20について、具体的に説明する。
【0028】
このチェーン駆動機構20は、中間傾斜部に位置して構造物に取り付けられた電動モータ等の回転駆動装置21を備え、この回転駆動装置21に偏心クランク軸22が連結されている。偏心クランク軸22は、軸線に対して互いに90度ずつ位相をずらして偏心した位置に固定された4つの偏心盤を有しており、回転駆動装置21が駆動されると、これら4つの偏心盤が軸線を中心に偏心旋回するようになっている。
【0029】
偏心クランク軸22の4つの偏心盤には、これら偏心盤の偏心旋回に伴って揺動運動する4枚の揺動板23が、厚み方向に重ね合わされるようにして、それぞれ連結されている。また、これら4枚の揺動板23は、偏心クランク軸22の偏心盤の他に、従動軸24の偏心盤にも連結されており、偏心クランク軸22の偏心盤が偏心旋回したときに、90度ずつ位相がずれた状態を維持しながら安定的に揺動運動できるようになっている。
【0030】
これら4枚の揺動板23の上端部及び下端部には、それぞれ踏段チェーン10のピンローラ11に噛合うトロコイド形状の転動歯25が設けられている。なお、図2においては、チェーン駆動機構20の構造を分かり易く示すために、4枚の揺動板23の上端部及び下端部にそれぞれ設けられた転動歯25のうちの一部のみを図示している。
【0031】
以上のように構成されるチェーン駆動機構20では、回転駆動装置21が駆動されると、この回転駆動装置21の駆動力を受けて偏心クランク軸22の4つの偏心盤がそれぞれ偏心旋回する。そして、これら偏心盤の偏心旋回に伴って、4枚の揺動板23が、互いに90度ずつ位相がずれた状態を維持しながらそれぞれ揺動運動する。その結果、各揺動板23に設けられたトロコイド形状の転動歯25が踏段チェーン10のピンローラ11に順次噛合ってピンローラ11に推力が伝達され、踏段チェーン10が駆動されることになる。
【0032】
本実施形態の中間加速型エスカレータにおいては、以上のように、中間傾斜部において直線状に並ぶピンローラ11に噛合ってこれに推力を伝達する構造のチェーン駆動機構20を採用することにより、乗り口や降り口付近において踏段チェーン10を積極的に屈曲させることができ、中間加速をより効率良く実現することが可能となる。また、以上のような構造のチェーン駆動機構20は、原理的に減速機としての機能を有しているので、回転駆動装置21は減速機が不要であり、偏心クランク軸22で伝達するトルクは比較的小さくすることができる。これにより、チェーン駆動機構20全体のサイズを小型化することが可能となり、狭い設置スペースにも適切に配置でき、踏段チェーン10を確実に駆動させることができる。
【0033】
なお、以上のような中間傾斜部で踏段チェーン10を駆動するチェーン駆動機構20は、踏段チェーン10の折り返し部分でスプロケット7を用いて踏段チェーン10を駆動する構造の、従来一般的に用いられているチェーン駆動機構と併用することも可能である。このように中間傾斜部で踏段チェーン10を駆動するチェーン駆動機構20と折り返し部分で踏段チェーン10を駆動するチェーン駆動機構とを併用した場合には、踏段チェーン10にかかる負担を分散することができるので、特に移動距離の長いエスカレータにおいて極めて有効である。また、図1に示すように、踏段ガイドレール1の折り返し部分への導入部1a,1b及び補助ガイドレール2の折り返し部分への導入部2a,2bの形状を、踏段3の前輪4及び後輪5、踏段チェーン10のピンローラ11を滑らかにスプロケット7に導く最適な形状に設定しておけば、踏段3が反転する際の影響で生じる踏段3間の速度むらを吸収することができ、振動等の発生を有効に抑制することができる。
【0034】
また、以上は、偏心クランク軸22の偏心盤の偏心旋回に伴って揺動する揺動板23の上端部及び下端部にトロコイド形状の転動歯25を設け、この転動歯25を踏段チェーン10のピンローラ11に噛合わせる構造のチェーン駆動機構20を例に挙げて説明したが、このようなチェーン駆動機構20に代えて、例えば図5に示すように、揺動板23と踏段チェーン10との間に揺動板23の揺動運動に従って循環運動する循環索状体31(推力伝達部材)を配設し、この循環索状体31の外周側に設けられた外歯32を踏段チェーン10のピンローラ11に噛合わせる構造のチェーン駆動機構30を用いるようにしてもよい。
【0035】
この図5に示すチェーン駆動機構30では、循環索状体31の内周側にローラ33が設けられ、このローラ33に各揺動板23に設けられたトロコイド形状の転動歯25が噛合うことで、揺動板23の揺動運動が循環索状体31に伝達されて、循環索状体31がレール34に沿って循環運動するようになっている。そして、この循環索状体31の外周側に設けられた外歯32が踏段チェーン10のピンローラ11に噛合うことで、循環索状体31の循環運動が踏段チェーン10に伝達されて、踏段チェーン10が駆動されるようになっている。
【0036】
また、このチェーン駆動機構30においては、揺動板23に設けたトロコイド形状の転動歯25と循環索状体31に設けたローラ33とを逆に配置することも可能である。すなわち、図6に示すように、揺動板23の上端部及び下端部にローラ33を設け、循環索状体31の内周側にトロコイド形状の転動歯25を設けるようにしてもよい。なお、以上のような循環索状体31を有する構造のチェーン駆動機構30については、特願2001−373818号公報に詳細が記載されている。
【0037】
以上のような構造のチェーン駆動機構30を用いて踏段チェーン10を駆動するようにした場合には、チェーン駆動機構20を用いた場合の効果に加えて、踏段チェーン10に対する機械的な噛合い立を高めて踏段チェーン10の振る舞いを安定させ、踏段チェーン10の背面を押さえて噛合いを維持する背面支持機構を不要とし、或いはその構成の簡素化を図ることができると共に、揺動板23の揺動半径を小さくして、振動や騒音の発生を抑制することができるといった特有の効果が得られる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の中間加速型エスカレータでは、簡素な構造で、中間傾斜部においては踏段3が高速で移動し、乗り口や降り口付近では踏段3の移動速度が遅くなる中間加速を実現することができる。しかも、乗り口や降り口付近で踏段3の移動速度の低下を踏段チェーン10の屈曲によって実現し、このときに、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aと後続する中間部固定ピンローラ11bとが1つのチェーンリンク12によって連結されていることで、これらの間の距離をチェーンリンク12の長さで保証するようにしているので、隣接する踏段3間の距離に大きな変動が生じることはなく、隣接する踏段3間に大きな隙間を生じさせたり、隣接する踏段3同士が干渉したりするといった問題が有効に回避できる。
【0039】
また、各踏段3のライザ3aを横方向から見た形状が中間部固定ピンローラ11aの移動軌跡に倣う円弧形状となるように成形しておくことで、後続する踏段3の段差運動が先行する踏段3のライザ3aの形状に沿ったものとなり、これらの位置関係を最適な状態に維持することができる。さらに、各踏段3のライザ3aを外側に膨らむような円弧形状に成形しておけば、例えば車椅子対応機器などを内部収容する場合にも有利となる。
【0040】
また、各踏段3の中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aとの間の距離L1と、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aと後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bとの間の距離L2とが等しくなるようにしておけば、乗り口や降り口付近において踏段チェーン10が山型に屈曲した形状となったときと、中間傾斜部において踏段チェーン10が直線状に伸びている状態とで、各踏段3に姿勢の変化が生じなくなり、乗り口や降り口付近において先行する踏段3のライザ3aが大きく傾斜した状態で現れて乗客の歩行の妨げとなるといった問題も有効に回避することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図7乃至図10を参照して説明する。図7は本実施形態の中間加速型エスカレータにおける駆動系を抜粋した模式図、図8は本実施形態の中間加速型エスカレータにおける要部を拡大して示す斜視図、図9は各踏段の中間部固定ピンローラが固定される部分を拡大して示す模式図、図10は本実施形態の中間加速型エスカレータで使用される踏段チェーンの一部を拡大して示す模式図である。
【0042】
本実施形態の中間加速型エスカレータは、基本構成を上述した第1の実施形態と同様とし、踏段ガイドレール1及び補助ガイドレール2に沿って循環移動する複数の踏段3に対して、踏段チェーン10のピンローラ11が後輪5の近傍及び中間位置の2箇所で固定されて、それぞれ後部固定ピンローラ11a及び中間部固定ピンローラ11bとされている。そして、各踏段3の中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aとの間の距離L1が、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aと後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bとの間の距離L2と等しくされている。但し、本実施形態では、中間部固定ピンローラ11bの踏段3に対する固定位置を、中間部固定ピンローラ11bの回転中心から踏段3の踏み面側に所定のオフセット量δ分だけ偏位した位置とすることで、乗り口や降り口付近における踏段3の移動速度の低下を増大させるようにしている。
【0043】
すなわち、本実施形態の中間加速型エスカレータでは、中間部固定ピンローラ11bの踏段3に対する固定位置を踏段3の踏み面側に偏った位置に設定することで、乗り口や降り口付近における踏段チェーン10の屈曲により誘起される踏段3の変位量を増幅させて、乗り口や降り口付近における踏段3の移動速度の低下を増大させ、乗り口や降り口付近における踏段3の移動速度に対する中間傾斜部における踏段3の移動速度の増速率を高めるようにしている。
【0044】
この場合、乗り口や降り口付近における踏段3の移動速度の低下幅、すなわち、中間傾斜部における踏段3の移動速度の増速率は、踏段3に対する中間部固定ピンローラ11bの固定位置のオフセット量δと比例関係にあり、オフセット量δを大きい値に設定するほど、中間傾斜部における踏段3の増速率は高められることになる。但し、中間部固定ピンローラ11bの踏段3に対する固定位置が踏段3の踏み面側に偏っている関係で、中間部固定ピンローラ11bがチェーンリンク12を半径とした円弧状の軌跡で移動したときには、踏段3が前方側へと移動することになり、オフセット量δをあまり大きな値に設定すると、踏段3が前方側へ移動する量が多くなる。このため、隣接する踏段3同士の干渉を避けるためには各踏段3のライザ3aを大きく傾斜した形状とする必要があり、乗客の歩行の妨げとなることも懸念される。
【0045】
以上の観点から、オフセット量δは、踏段3のライザ3aの傾斜が乗客の歩行の妨げとなる程大きくならない範囲で、十分な増速率が得られる値に設定することが望ましく、本発明者の試算によると、例えば隣接する踏段3間の距離(チェーンリンク12が直線状に伸びた状態での後部固定ピンローラ11a間の距離)が400mmの場合に、オフセット量δがゼロの場合には15.5%程度であった増速率が、オフセット量δを20mm程度に設定すれば22.5%程度にまで高めることができ、また、踏段3のライザ3aの傾斜も、乗客の歩行を妨げない程度に十分小さく抑えられることが分かった。
【0046】
また、中間部固定ピンローラ11bの踏段3に対する固定位置が踏段3の踏み面側に偏っている関係で、中間部固定ピンローラ11bがチェーンリンク12を半径とした円弧状の軌跡で移動したときに、この中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aとを繋ぐチェーンリンク12に圧縮方向の力が加わることになり、この力が過大であるとチェーンリンク12の耐久性の低下等も懸念される。そこで、本実施形態では、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aと後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bとについては、上述した第1の実施形態と同様に、1つの部材のチェーンリンク12で繋ぎ、同一の踏段3に固定されている中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aについては、2つの部材で屈曲可能に構成されたチェーンリンク12で繋ぐ構造を採用した。そして、中間部固定ピンローラ11bがチェーンリンク12を半径とした円弧状の軌跡で移動したときに、図7に示すように、この中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aとを繋ぐチェーンリンク12の2つの部材を谷型に屈曲させることで、ここに加わる圧縮方向の力が吸収されるようにしている。
【0047】
更に、以上のように、同一の踏段3に固定されている中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aとを、2つの部材で屈曲可能に構成されたチェーンリンク12で繋ぐようにした場合、踏段3が折り返す際の軌跡が安定せずに踏段3に振動が生じ、これが後続する踏段3に伝達されて静粛性を損なう要因となることも懸念されるので、本実施形態では、図7に示すように、踏段3の折り返し部分における踏段ガイドレール1及び補助ガイドレール2を、各踏段3の前輪4及び後輪5を把持できる構造にした。
【0048】
本実施形態の中間加速型エスカレータのその他の構成については、上述した第1の実施形態と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略し、以下、本実施形態の特徴的な部分について具体的に説明する。
【0049】
本実施形態の中間加速型エスカレータでは、後部固定ピンローラ11aとなる踏段チェーン10のピンローラ11については、第1の実施形態と同様に、例えば後輪5の取付軸と一体の取付軸を介して各踏段3に取り付けられて固定されるが、中間部固定ピンローラ11bとなる踏段チェーン10のピンローラ11については、図8及び図9に示すように、取付部材41を介して各踏段3に取り付けられて固定されている。
【0050】
取付部材41には、その下端側に位置して、中間部固定ピンローラ11bとなる踏段チェーン10のピンローラ11の回転軸41aが固着されていると共に、その上端側に位置して、連結軸41bが設けられている。そして、この連結軸41bが踏段3の側面部に固着されている。このような取付部材41を介して中間部固定ピンローラ11bとなる踏段チェーン10のピンローラ11を踏段3に固定することによって、踏段3に対する中間部固定ピンローラ11bの固定位置が中間部固定ピンローラ11bの回転中心から偏位した位置となる。そして、このときの取付部材41における回転軸41aと連結軸41b間の距離が、上述したオフセット量δとなる。
【0051】
また、本実施形態の中間加速型エスカレータでは、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aと後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bは1つの部材のチェーンリンク12で繋ぎ、第1の実施形態と同様に、踏段3が乗り口や降り口付近を移動する際に、後続する踏段3の中間部固定ピンローラ11bが、先行する踏段3の後部固定ピンローラ11aを支点として、チェーンリンク12を半径とする円弧に沿って持ち上げられるようにしているが、同一の踏段3に固定されている中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aについては、これらの中間に配置されるピンローラ11を挟んで2つの部材12a,12bが屈曲可能に連結された構造のチェーンリンク12で繋ぐようにしている。そして、中間部固定ピンローラ11bがチェーンリンク12を半径とした円弧状の軌跡で移動したときに、この中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aとを繋ぐチェーンリンク12の2つの部材12a,12bが、これらの間のピンローラ11を頂点とした谷型に屈曲することによって、ここに加わる圧縮方向の力が吸収されるようにしている。
【0052】
このとき、チェーンリンク12の2つの部材12a,12bが山型に屈曲すると、屈曲方向が乗客による荷重が作用する方向に反する方向となって、チェーンリンク12に過度な負担が加わることになる。したがって、チェーンリンク12の2つの部材12a,12bは確実に谷型に屈曲させる必要があり、本実施形態では、これら2つの部材12a,12bを積極的に谷型に屈曲させるための機構を設けている。
【0053】
具体的には、例えば図10に示すように、チェーンリンク12の2つの部材12a,12b間にこれらの屈曲方向を規制する突起42が設けられており、これら2つの部材12a,12bに対して山型に屈曲する方向での力が作用したとしても、この突起42が2つの部材12a,12bの何れかに干渉することで、山型の屈曲が防止されるようになっている。また、これら2つの部材12a,12bの間には弾性部材43が設けられており、この弾性部材43によって2つの部材12a,12bが谷型に屈曲する方向に付勢されるようになっている。
【0054】
以上のような機構を備えた踏段チェーン10では、直線状に伸びた状態となる中間傾斜部においては、チェーン駆動機構20によってチェーンリンク12を引っ張る方向での十分な力が加わっているので、2つの部材12a,12bが弾性部材43の付勢力に抗して直線的に並んだ状態を保っている。一方、乗り口や降り口付近においてチェーンリンク12に圧縮方向の力が加わったときには、2つの部材12a,12bは突起42によって屈曲方向が規制されるとともに、弾性部材42の付勢力が加わることで、谷型に屈曲することになる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態の中間加速型エスカレータでは、第1の実施形態の中間加速型エスカレータと同様に、乗り口や降り口付近において各踏段3の中間部固定ピンローラ11bを持ち上げる方向に移動させて踏段チェーン10を屈曲させることで踏段3の移動速度を低下させるようにしているので、簡素な構造で適切に中間加速を実現することができ、また、隣接する踏段3間に大きな隙間を生じさせたり、隣接する踏段3同士が干渉したりするといった問題を有効に回避できる。
【0056】
更に、本実施形態の中間加速型エスカレータでは、各踏段3に対する中間部固定ピンローラ11bの固定位置を当該中間部固定ピンローラ11bの回転中心から所定のオフセット量δ分だけ踏み面側に偏位した位置に設定しているので、乗り口や降り口付近における踏段3の移動速度に対する中間傾斜部における踏段3の移動速度の増速率を高めることができ、輸送効率の更なる向上を実現することが可能で、乗客にとってより利便性の高いものとすることができる。
【0057】
また、同一の踏段3に固定されている中間部固定ピンローラ11bと後部固定ピンローラ11aとを2つの部材12a,12bよりなるチェーンリンク12で繋ぐようにして、乗り口や降り口付近ではこれら2つの部材12a,12bを谷型に屈曲させるようにしているので、各踏段3に対する中間部固定ピンローラ11bの固定位置を当該中間部固定ピンローラ11bの回転中心から偏位させたことによる影響を、これら2つの部材12a,12bの屈曲によって適切に吸収することができ、踏段チェーン10に過度の力が加わって耐久性の低下を招くといった問題も未然に回避することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明に係る中間加速型エスカレータによれば、簡素な構造で、中間傾斜部においては踏段が高速で移動し、乗り口や降り口付近では踏段の移動速度が遅くなる中間加速を実現することができ、輸送効率の向上や乗客の利便性向上を図ることができる。
【0059】
また、乗り口や降り口付近で踏段が段差運動を行う際に、隣接する踏段間の距離を適切に維持することができるので、隣接する踏段間に大きな隙間を生じさせたり、隣接する踏段同士が干渉したりするといった問題が有効に回避できる。
【0060】
更に、中間傾斜部と乗り口や降り口付近との双方で踏段の姿勢を適切に保つことができるので、踏段のライザが大きく傾斜した状態で現れて乗客の歩行の妨げとなるといった問題も有効に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の中間加速型エスカレータにおける踏段の移動を案内する機構を抜粋して示す模式図。
【図2】第1の実施形態の中間加速型エスカレータにおける駆動系を抜粋して示す模式図。
【図3】第1の実施形態の中間加速型エスカレータにおける要部を拡大して示す斜視図。
【図4】踏段の前輪及び後輪が取り付けられた部分を拡大して示す正面図。
【図5】第1の実施形態の中間加速型エスカレータに用いられるチェーン駆動機構の他の例を示す模式図。
【図6】第1の実施形態の中間加速型エスカレータに用いられるチェーン駆動機構の更に他の例を示す模式図。
【図7】第2の実施形態の中間加速型エスカレータにおける駆動系を抜粋して示す模式図。
【図8】第2の実施形態の中間加速型エスカレータにおける要部を拡大して示す斜視図。
【図9】踏段の中間部固定ピンローラが固定される部分を拡大して示す模式図。
【図10】第2の実施形態の中間加速型エスカレータに用いられる踏段チェーンの一部を拡大して示す模式図。
【符号の説明】
1 踏段ガイドレール
2 補助ガイドレール
3 踏段
4 前輪
5 後輪
10 踏段チェーン
11 ピンローラ
11a 後部固定ピンローラ
11b 中間部固定ピンローラ
12 チェーンリンク
12a,12b 2つの部材
20 チェーン駆動機構
30 チェーン駆動機構
41 取付部材
41a 回転軸
41b 連結軸
Claims (10)
- 構造物に取り付けられた踏段ガイドレール及び補助ガイドレールと、
前記踏段ガイドレールに沿って移動する前輪及び前記補助ガイドレールに沿って移動する後輪を有する複数の踏段と、
複数のピンローラ及びチェーンリンクを有し、前記複数の踏段を連結する踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを駆動するチェーン駆動機構とを備え、
各踏段の後輪近傍と、前輪と後輪との間の中間位置とに、それぞれ前記踏段チェーンのピンローラが固定されて、それぞれ後部固定ピンローラ及び中間部固定ピンローラとされていると共に、先行する踏段の後部固定ピンローラと、後続する踏段の中間部固定ピンローラとが前記チェーンリンクにより連結され、
後続する踏段の中間部固定ピンローラが、先行する踏段の後部固定ピンローラを支点として、前記チェーンリンクを半径とする円弧に沿って移動可能とされていること
を特徴とする中間加速型エスカレータ。 - 各踏段のライザを横方向から見た形状が、前記中間部固定ピンローラの移動軌跡に倣う円弧形状とされていること
を特徴とする請求項1に記載の中間加速型エスカレータ。 - 各踏段の中間部固定ピンローラと後部固定ピンローラとの間の距離が、先行する踏段の後部固定ピンローラと後続する踏段の中間部固定ピンローラとの間の距離と略等しくされていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の中間加速型エスカレータ。 - 前記後部固定ピンローラが前記踏段の後輪と同軸上に配置されていること
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の中間加速型エスカレータ。 - 前記中間部固定ピンローラの前記踏段に対する固定位置が、当該中間部固定ピンローラの回転中心から偏位した位置とされていること
を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の中間加速型エスカレータ。 - 各踏段の中間部固定ピンローラと後部固定ピンローラとが、屈曲可能な2部材のチェーンリンクにより連結されていること
を特徴とする請求項5に記載の中間加速型エスカレータ。 - 前記2部材のチェーンリンクの屈曲方向を規制する規制部材が設けられていること
を特徴とする請求項6に記載の中間加速型エスカレータ。 - 前記2部材のチェーンリンクの屈曲を補助する弾性部材が設けられていること
を特徴とする請求項6又は7に記載の中間加速型エスカレータ。 - 前記チェーン駆動機構が、
前記構造物に取り付けられた回転駆動装置と、
前記回転駆動装置に連結され、前記回転駆動装置の駆動力を受けて偏心旋回する偏心クランク軸と、
前記偏心クランク軸に連結され、前記偏心クランク軸の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動板と、
前記揺動板の端部に設けられ、前記踏段チェーンのピンローラに噛合うトロコイド形状の転動歯とを有すること
を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の中間加速型エスカレータ。 - 前記チェーン駆動機構が、
前記構造物に取り付けられた回転駆動装置と、
前記回転駆動装置に連結され、前記回転駆動装置の駆動力を受けて偏心旋回する偏心クランク軸と、
前記偏心クランク軸に連結され、前記偏心クランク軸の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動板と、
前記揺動板と前記踏段チェーンとの間に配設されて、前記揺動板の揺動運動に従って循環運動して前記踏段チェーンのピンローラに推力を与える推力伝達部材とを有すること
を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の中間加速型エスカレータ。
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