JP3978333B2 - コンベア装置 - Google Patents

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    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B23/00Component parts of escalators or moving walkways
    • B66B23/02Driving gear
    • B66B23/028Driving gear with separate drive chain or belt that engages directly the carrying surface chain

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  • Escalators And Moving Walkways (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレータや動く歩道等のコンベア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エスカレータや動く歩道等のコンベア装置は、前後にガイドローラが設けられた複数の踏段を備えている。これら複数の踏段は、構造物に設置された踏段ガイドレールに各ガイドローラが係合されることによって支持されて、水平を保ちながら、乗口と降口の間を循環移動するようになっている。通常、複数の踏段は踏段チェーンによって連結され、この踏段チェーンを駆動することによって全ての踏段が同期して隙間なく動くように構成されている。
【0003】
踏段チェーンを駆動する駆動機構は、チェーン端部をスプロケットで駆動するタイプのものが一般的であり、このような駆動機構は、乗口付近または降口付近に設けられる。しかしながら、移動距離の長いコンベア装置においては、踏段チェーンにかかる負担が大きいため、チェーン端部の駆動だけでは十分な駆動力を伝達できない場合がある。そこで、移動距離の長いコンベア等においては、長いチェーンの途中(チェーンが方向を変えて折り返す端部以外の部分)で駆動力を与えることのできる駆動機構を分散配置することが提案されている。
【0004】
踏段チェーンの途中で駆動力を与えるこれらの駆動機構は、駆動源となるモータと、駆動力を十数倍に増幅する減速機と、直線状に伸びた踏段チェーンに駆動力を伝達するチェーン駆動力伝達機構とを備えるものが一般的である。ここで、チェーン駆動力伝達機構としてスプロケットを採用すると、当該スプロケットには直線状の踏段チェーンが巻き付かないので、噛合い率が落ちる。そこで、チェーン駆動力伝達機構としては、例えば図8(a)及び図8(b)に示すように、踏段101を連結する踏段チェーンを歯付チェーン102として構成し、ピンローラ103を有する駆動チェーン104で歯付チェーン102を駆動する方式の駆動力伝達機構100が提案されている。
【0005】
しかしながら、このような歯付チェーン102を踏段チェーンとして使用した場合、この歯付チェーン102が方向を変えて折り返す端部では、通常の踏段チェーンに比べて速度ムラがあるため、等速で回転する円形スプロケットで反転させることが困難である。このため、踏段チェーンとして歯付チェーン102を使用した場合には、この歯付チェーン102を擬似円弧形状のガイドレール等を用いて反転させる必要があり、チェーン端部を駆動する駆動機構として、安価で標準的なスプロケットを用いた駆動機構を併用することが難しかった。
【0006】
踏段チェーンとして以上のような歯付きチェーン102を用いることなく、通常の踏段チェーンの直線部分に適切に駆動力を与える駆動機構としては、トロコイド歯形を用いて直線駆動を行うトロコイダル減速機を応用したものが有効であると考えられる。トロコイダル減速機は、例えば、産業用ロボット分野や自動機械分野等で用いられているものである。
【0007】
このようなトロコイダル減速機としては、例えば図9に示すように、モータに連結された偏心クランク111の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動板112が、直動体113に推力を与えてこの直動体113を直線駆動させる構成の減速機110が開示されている。この減速機110では、直動体113の移動方向に沿ってピン113aが等間隔のピッチで取り付けられており、揺動板112に設けられたトロコイド歯形112aが、この直動体113に取り付けられたピン113aに噛み合わされるようになっている。そして、モータに連結された偏心クランク111が1回転すると、揺動板112が1回揺動して、この揺動板112に設けられたトロコイド歯形112aが直動体113に取り付けられたピン113aを1ピッチ分だけ等速度で移動させるようになっている。
【0008】
以上のような減速機110におけるピン113aと同じ機能を踏段チェーンのピンローラに持たせれば、トロコイダル減速機を応用したコンベア装置の駆動機構を構成することができる。このようなトロコイダル減速機を応用して構成された駆動機構は、減速機能を有しているので、従来の分散配置の駆動機構に必須とされてきた減速機を削減できるという利点がある。また、この駆動機構は、コンベア装置の踏段チェーンを直接に駆動できるので、歯付チェーン102のような特殊なチェーンを用いることなく、安価で標準的な踏段チェーンをそのまま用いることができ、チェーン端部を駆動する駆動機構として、安価で標準的なスプロケットを用いた駆動機構を併用することもできる。なお、このようなトロコイダル減速機を応用した駆動機構は、手すりベルトを駆動させるための駆動機構としても有効である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トロコイダル減速機を応用して構成された駆動機構で踏段チェーンを適切に駆動するには、トロコイド歯形による力で踏段チェーンが持ち上げられないような工夫が必要とされる。このため、これまで、例えば、多数の背面支持ローラを並べた背面支持機構を踏段チェーンの背面側、すなわちトロコイド歯形と噛み合う部分の逆側に配置し、この背面支持機構によって踏段チェーンの浮き上がりを確実に防止する等の試みがなされている。
【0010】
しかしながら、以上のような複雑な構成の背面支持機構を設けることは、コンベア装置全体のコストアップにもつながり望ましくない。このため、背面支持機構を設けることなく、或いはその構成を簡素なものとしながら、トロコイド歯形との噛み合いによる踏段チェーンの浮き上がりを確実に防止することが求められるようになってきている。
【0011】
背面支持機構の構成を簡素なものにするには、揺動板の揺動半径を大きくして、トロコイド歯形の踏段チェーンに対する噛合いを深くすることが有効である。すなわち、トロコイド歯形の踏段チェーンに対する噛合いを深くすれば、踏段チェーンの振る舞いが安定して背面支持機構への負担が軽減されるので、簡素な構成の背面支持機構で踏段チェーンの浮き上がりを確実に防止することが可能となる。
【0012】
しかしながら、揺動板の揺動半径を大きくすると、揺動板の慣性力で生じる振動が大きくなるといった問題が生じる。このような振動はコンベア装置の乗り心地を悪化させる要因となるので、可能な限り抑制することが望まれる。
【0013】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、トロコイダル減速機を応用した駆動機構を備えるコンベア装置において、背面支持機構を不要とし、或いはその構成の簡素化を実現しながら、振動を低減させて乗り心地の良さを確保できるようにしたコンベア装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るコンベア装置は、踏段ガイドレールと、前記踏段ガイドレールに沿って移動する複数の踏段と、前記複数の踏段を連結する踏段チェーンと、前記踏段チェーンを駆動するチェーン駆動機構とを有している。そして、前記チェーン駆動機構が、回転駆動装置と、前記回転駆動装置に連結され、前記回転駆動装置の駆動力を受けて偏心旋回する偏心クランク軸と、前記偏心クランク軸に連結され、前記偏心クランク軸の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動部材と、複数の歯付リンクが環状に連結された循環索状体よりなり、前記揺動部材と前記踏段チェーンとの間に配設されて、前記揺動部材の揺動運動に従って循環運動して前記踏段チェーンに推力を与える推力伝達部材とを備えることを特徴としている。
【0015】
このコンベア装置では、チェーン駆動機構が、揺動部材と踏段チェーンとの間に、複数の歯付リンクが環状に連結された循環索状体よりなる推力伝達部材を介在させて、揺動部材の揺動運動を推力伝達部材の循環運動に変換して踏段チェーンに推力を与えるようになっている。したがって、推力伝達部材の踏段チェーン側と、推力伝達部材の揺動部材側とをそれぞれ独立で最適な構造とすることができ、踏段チェーンに対する機械的な噛み合い率を高めて踏段チェーンの振る舞いを安定させ、踏段チェーンの背面を抑えて噛み合いを維持する背面支持機構を不要とし、或いはその構成の簡素化を図ることができると共に、揺動部材の揺動半径を小さくして、振動や騒音の発生を抑制することができる。また、チェーン駆動機構が以上のような構成とされることで、駆動推力が増して減速機としての効果が高まるので、駆動源である回転駆動装置として、小型のモータ(トルクは小さいが定格回転数が高くて出力ワットに対して体積効率のよいモータ)を用いることができる。
【0016】
また、本発明に係る他のコンベア装置は、踏段ガイドレールと、前記踏段ガイドレールに沿って移動する複数の踏段と、前記踏段の両脇に設けられた欄干と、前記欄干に沿って前記踏段と略等しい速度で移動する手すりベルトと、前記手すりベルトを駆動する手すりベルト駆動機構とを有している。そして、前記手すりベルト駆動機構が、回転駆動装置と、前記回転駆動装置に連結され、前記回転駆動装置の駆動力を受けて偏心旋回する偏心クランク軸と、前記偏心クランク軸に連結され、前記偏心クランク軸の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動部材と、複数の歯付リンクが環状に連結された循環索状体よりなり、前記揺動部材と前記手すりベルトとの間に配設されて、前記揺動部材の揺動運動に従って循環運動して前記手すりベルトに推力を与える推力伝達部材とを備えることを特徴としている。
【0017】
このコンベア装置では、手すりベルト駆動機構が、揺動部材と手すりベルトとの間に、複数の歯付リンクが環状に連結された循環索状体よりなる推力伝達部材を介在させて、揺動部材の揺動運動を推力伝達部材の循環運動又は回転運動に変換して手すりベルトに推力を与えるようになっている。したがって、推力伝達部材の手すりベルト側と、推力伝達部材の揺動部材側とをそれぞれ独立で最適な構造とすることができ、手すりベルトの滑りを有効に抑制させることができると共に、揺動部材の揺動半径を小さくして、振動や騒音の発生を抑制することができる。また、手すりベルト駆動機構が以上のような構成とされることで、駆動推力が増して減速機としての効果が高まるので、駆動源であるベルト用回転駆動装置として、小型のモータ(トルクは小さいが定格回転数が高くて出力ワットに対して体積効率のよいモータ)を用いることができる。
【0018】
また、本発明に係る更に他のコンベア装置は、踏段ガイドレールと、前記踏段ガイドレールに沿って移動する複数の踏段と、前記踏段の両脇に設けられた欄干と、前記欄干に沿って前記踏段と略等しい速度で移動する手すりベルトと、前記手すりベルトを駆動する手すりベルト駆動機構とを有している。そして、前記手すりベルト駆動機構が、回転駆動装置と、前記回転駆動装置に連結され、前記回転駆動装置の駆動力を受けて偏心旋回する偏心クランク軸と、前記偏心クランク軸に連結され、前記偏心クランク軸の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動部材と、円環状のプーリよりなり、前記揺動部材と前記手すりベルトとの間に配設されて、前記揺動部材の揺動運動に従って循環運動して前記手すりベルトに推力を与える推力伝達部材とを備えることを特徴としている。
【0019】
このコンベア装置では、手すりベルト駆動機構が、揺動部材と手すりベルトとの間に円環状のプーリよりなる推力伝達部材を介在させて、揺動部材の揺動運動を推力伝達部材の循環運動又は回転運動に変換して手すりベルトに推力を与えるようになっている。したがって、推力伝達部材の手すりベルト側と、推力伝達部材の揺動部材側とをそれぞれ独立で最適な構造とすることができ、手すりベルトの滑りを有効に抑制させることができると共に、揺動部材の揺動半径を小さくして、振動や騒音の発生を抑制することができる。また、手すりベルト駆動機構が以上のような構成とされることで、駆動推力が増して減速機としての効果が高まるので、駆動源であるベルト用回転駆動装置として、小型のモータ(トルクは小さいが定格回転数が高くて出力ワットに対して体積効率のよいモータ)を用いることができる。
【0020】
また、本発明を適用したチェーン駆動機構と手すりベルト駆動機構とを組み合わせ、回転駆動装置として同じものを用いるようにすれば、手すりベルトと踏段の送り速度を容易に一致させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
本発明を適用したコンベア装置の全体構成を図1に概略的に示す。この図1に示すコンベア装置1は、建物の上下階に跨って設置されるエスカレータとして構成されており、自重及び乗客の荷重を支えるトラスと呼ばれる構造物2を備えている。この構造物2の内部には、建物の上下階に亘って周回するように、踏段ガイドレール3が設けられている。そして、この踏段ガイドレール3に沿って、乗客を運搬する複数の踏段4が、建物の上下階に亘って循環移動するようになっている。
【0023】
複数の踏段4は、ピンローラ5aを有する踏段チェーン5によって無端状に連結されている。そして、この踏段チェーン5がチェーン駆動機構10等によって駆動されることで、無端状に連結された複数の踏段4が踏段ガイドレール3に沿って移動するようになっている。
【0024】
また、踏段ガイドレール3に沿って移動する複数の踏段4の左右両側には、一対の欄干6が立設されている。そして、これら一対の欄干6の上部には、この欄干6に沿って複数の踏段4と略等しい速度で移動する手すりベルト7がそれぞれ配設されている。
【0025】
踏段チェーン5を駆動するチェーン駆動機構10は、例えば、略直線に延びる踏段チェーン5の途中に設けられている。なお、コンベア装置1の乗口、降口の踏段チェーン5が折り返す部分には、例えば円形スプロケットで踏段チェーン5を駆動する駆動機構が設けられているが、この折り返し部分で踏段チェーン5を駆動する駆動機構については図示を省略する。
【0026】
略直線に延びる踏段チェーン5を駆動するチェーン駆動機構10はトロコイダル減速機を応用したものであり、図2に示すように、構造物2に取り付けられた電動モータ(回転駆動装置)11を備えている。この電動モータ11は、チェーン駆動機構10の駆動源となるものであり、この電動モータ11には偏心クランク軸12が連結されている。この偏心クランク軸12は、軸線に対して互いに90度ずつ位相をずらして偏心した位置に固定された4つの偏心盤12aを有しており、電動モータ11が駆動されると、これら偏心盤12aが軸線を中心に偏心旋回するようになっている。
【0027】
偏心クランク軸12の4つの偏心盤12aには、これら偏心盤12aの偏心旋回に伴って揺動運動する矩形板状の4枚の揺動板13がそれぞれ連結されている。また、これらの揺動板13は、偏心クランク軸12の偏心盤12aの他に、従動軸14の偏心盤14aにも連結されている。従動軸14は、電動モータ11によって直接駆動されない軸であり、偏心盤14aが、偏心クランク軸12の偏心盤12aが偏心旋回したときに、この偏心盤12aと同じ偏心量で従動的に偏心旋回するようになっている。各揺動板13は、偏心クランク軸12の偏心盤12aの他に従動軸14の偏心盤14aにも連結されることで、その姿勢を維持したまま安定的に揺動運動することになる。
【0028】
4枚の揺動板13は、厚み方向に所定間隔を存して重ね合わされるように配設され、偏心クランク軸12の4つの偏心盤12aの偏心旋回に伴って、各々揺動運動するようになっている。このとき、4つの偏心盤12aは互いに90度ずつ位相がずれているので、4枚の揺動板13は、互いに90度ずつ位相がずれた状態を維持しながら揺動運動することになる。
【0029】
これらの揺動板13には、それぞれ上端側及び下端側の外周部に複数の揺動ローラ13aが回転自在に設けられている。なお、図2においては、チェーン駆動機構10の構造を分かり易く示すために、4枚の揺動板13のぞれぞれに設けられた複数の揺動ローラ13aのうちの一部のみを図示している。
【0030】
これら揺動板13の揺動ローラ13aが設けられた外周部と、上述した踏段チェーン5との間には、揺動板13の揺動運動に従って循環運動して、踏段チェーン5に推力を与える推力伝達部材としての循環索状体15が配設されている。この循環索状体15は、複数のリンクが循環ローラ15aによってキャタピラ状に連結されてなるものである。
【0031】
この循環索状体15の内周部にはトロコイド形状の内歯15bが設けられている。このトロコイド形状の内歯15bは、揺動板13の外周部に設けられた複数の揺動ローラ13aに噛み合わされるようになっている。また、この循環索状体15の外周部には踏段チェーン5のピンローラ5aに対応した形状の外歯15cが設けられている。この外歯15cは、踏段チェーン5のピンローラ5aに噛み合わされるようになっている。
【0032】
そして、この循環索状体15は、その循環経路に沿って構造物2に取り付けられた循環用レール16に循環ローラ15aを係合させることで、この循環用レール16に支持されると共に、揺動板13が揺動運動したときに、この循環用レール16に案内されて、揺動板13の外周部と踏段チェーン5との間を循環運動するようになっている。
【0033】
以上のように構成されるチェーン駆動機構10においては、電動モータ11が駆動されると、この電動モータ11の駆動力を受けて偏心クランク軸12の4つの偏心盤12aがそれぞれ偏心旋回する。そして、これら偏心盤12aの偏心旋回に伴って、4枚の揺動板13が、互いに90度ずつ位相がずれた状態を維持しながらそれぞれ揺動運動する。
【0034】
これら4枚の揺動板13が揺動運動すると、各揺動板13の外周部に設けられ揺動ローラ13aが、循環索状体15の内周部に設けられたトロコイド形状の内歯15bに順次噛み合って、循環索状体15が循環用レール16に沿って循環運動することになる。そして、循環索状体15が循環運動すると、この循環索状体15の外周部に設けられた外歯15cに噛み合うピンローラ5aに推力が伝達され、踏段チェーン5が駆動されることになる。
【0035】
このチェーン駆動機構10では、以上のように、揺動板13と踏段チェーン5との間に推力伝達部材としての循環索状体15が介在し、揺動板13に設けられた揺動ローラ13aが循環索状体15に設けられたトロコイド形状の内歯15bに噛み合わされ、循環索状体15に設けられた外歯15cが踏段チェーン5のピンローラ5aに噛み合わされるようになっている。そして、揺動板13の揺動運動が循環索状体15の循環運動に変換されて、この循環索状体15の循環運動により踏段チェーン5のピンローラ5aに推力が与えられるようになっている。
【0036】
したがって、このようなチェーン駆動機構10を備えるコンベア装置1では、循環索状体15のトロコイド形状の内歯15bと外歯15cとをそれぞれ最適な構造とし、循環索状体15の外歯15cが踏段チェーン5のピンローラ5aに深く噛み合わされるようにすれば、推力伝達時における踏段チェーン5の振る舞いを安定させることができる。特に、循環索状体15は、循環ローラ15aを循環用レール16に係合させることで循環用レール16に支持されているので、循環索状体15の外歯15cと踏段チェーン5のピンローラ5aとの噛み合いが維持されることになり、踏段チェーン5の背面を抑えて噛み合いを維持する背面支持機構を不要とすることができる。また、推力伝達時における踏段チェーン5への負担を軽減させることができるので、踏段チェーン5の信頼性や耐久性を向上させることができる。
【0037】
更に、揺動板13の揺動半径を小さくできるので、振動や騒音の発生を抑制することができ、良好な乗り心地を確保することができる。また、揺動板13の揺動半径が小さい分だけチェーン駆動機構10の駆動推力が増し、減速機としての機能が高まるので、減速機を別途設ける必要がなく、また、駆動源である電動モータ11として小型のモータを用いることができる。
【0038】
なお、以上は、チェーン駆動機構10が備える揺動板13の外周部に揺動ローラ13aが設けられ、循環索状体15の内周部にトロコイド形状の内歯15bが設けられ、これら揺動板13の揺動ローラ13aと循環索状体15のトロコイド形状の内歯15bとが噛み合わされることで、揺動板13の揺動運動が循環索状体15に伝達されて、循環索状体15の循環運動に変換されるようにした例について説明したが、図3に示すように、揺動板13の外周部にトロコイド形状のローラ転動歯17を設け、循環索状体15の内周部にローラ18を設け、これら揺動板13のトロコイド形状のローラ転動歯17と循環索状体15のローラ18とが噛み合わされることで、揺動板13の揺動運動が循環索状体15に伝達されて、循環索状体15の循環運動に変換されるようにしても、上述した例と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、以上説明したコンベア装置1においては、略直線に延びる踏段チェーン5の途中にトロコイダル減速機を応用したチェーン駆動機構10が設けられ、踏段チェーン5が折り返す乗口、降口付近には、円形スプロケットで踏段チェーン5を駆動する駆動機構が設けられているが、踏段チェーン5が折り返す乗口、降口付近にも、上述したようなトロコイダル減速機を応用したチェーン駆動機構10を設けるようにしてもよい。
【0040】
また、以上は、本発明を建物の上下階に跨って設置されるエスカレータに適用した例を説明したが、本発明は、動く歩道等のように、踏段に乗客を乗せて運搬する他のコンベア装置に対しても有効に適用可能である。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0042】
この第2の実施形態のコンベア装置は、踏段チェーンを駆動するチェーン駆動機構10に加えて、手すりベルト7を駆動する手すりベルト駆動機構もトロコイダル減速機を応用した構成としたものである。このトロコイダル減速機を応用した手すりベルト駆動機構は、例えば、略直線に延びる手すりベルト7の途中に位置して、踏段チェーンを駆動するチェーン駆動機構10に並列して配設される。
【0043】
略直線に延びる手すりベルト7を駆動する手すりベルト駆動機構の一例を図4に示す。この図4に示す手すりベルト駆動機構20は、チェーン駆動機構10が備える電動モータ11を駆動源として利用している。すなわち、第2の実施形態のコンベア装置では、チェーン駆動機構10の駆動源と手すりベルト駆動機構20の駆動源とが共通化されている。
【0044】
この電動モータ11にはベルト用偏心クランク軸22が連結されている。このベルト用偏心クランク軸22は、踏段チェーン駆動機構10の偏心クランク軸12と同様に、軸線に対して互いに90度ずつ位相をずらして偏心した位置に固定された4つの偏心盤22aを有しており、電動モータ11が駆動されると、これら偏心盤22aが軸線を中心に偏心旋回するようになっている。
【0045】
ベルト用偏心クランク軸22の4つの偏心盤22aには、これら偏心盤22aの偏心旋回に伴って揺動運動する略半円板状の4枚のベルト用揺動板23がそれぞれ連結されている。また、これらのベルト用揺動板23は、踏段チェーン駆動機構10の揺動板13と同様に、ベルト用偏心クランク軸22の偏心盤22aの他に、従動軸24の偏心盤24aにも連結されている。各ベルト用揺動板23は、ベルト用偏心クランク軸22の偏心盤22aの他に従動軸24の偏心盤24aにも連結されることで、その姿勢を維持したまま安定的に揺動運動することになる。
【0046】
4枚のベルト用揺動板23は、厚み方向に所定間隔を存して重ね合わされるように配設され、ベルト用偏心クランク軸22の4つの偏心盤22aの偏心旋回に伴って、各々揺動運動するようになっている。このとき、4つの偏心盤22aは互いに90度ずつ位相がずれているので、4枚のベルト用揺動板23は、互いに90度ずつ位相がずれた状態を維持しながら揺動運動することになる。
【0047】
これらのベルト用揺動板23には、それぞれ円弧形状とされた下端側の外周部に複数の揺動ローラ23aが回転自在に設けられている。なお、図4においては、手すりベルト駆動機構20の構造を分かり易く示すために、4枚のベルト用揺動板23のぞれぞれに設けられた複数の揺動ローラ23aのうちの一部のみを図示している。
【0048】
これらベルト用揺動板23の揺動ローラ23aが設けられた下端側の外周部と、手すりベルト7との間には、ベルト用揺動板23の揺動運動に従って循環運動して、手すりベルト7に推力を与える推力伝達部材としてのベルト用循環索状体25が配設されている。このベルト用循環索状体25は、複数のリンクが循環ローラ25aによってキャタピラ状に連結されてなるものである。
【0049】
このベルト用循環索状体25の内周部にはトロコイド形状の内歯25bが設けられている。このトロコイド形状の内歯25bは、ベルト用揺動板23の下端側の外周部に設けられた複数の揺動ローラ23aに噛み合わされるようになっている。また、このベルト用循環索状体25の外周部には所定の面粗度を有する当接面25cが設けられている。この当接面25cは、手すりベルト7を円弧形状に撓ませて、所定の摩擦力を生じさせながら手すりベルト7に当接するようになっている。
【0050】
そして、このベルト用循環索状体25は、その循環経路に沿って構造物2に取り付けられた循環用レール26に循環ローラ25aを係合させることで、この循環用レール26に支持されると共に、ベルト用揺動板23が揺動運動したときに、この循環用レール26に案内されて、ベルト用揺動板23の外周部と手すりベルト7との間を循環運動するようになっている。このとき、ベルト用循環索状体25の当接面25cに当接する手すりベルト7は、コンベア装置の乗口や降口の付近で当該手すりベルト7が折返す際の撓み形状の曲率と同等以上の曲率半径Rをもって円弧形状に撓むようになっている。
【0051】
以上のように構成される手すりベルト駆動機構20においては、電動モータ11が駆動されると、この電動モータ11の駆動力を受けてベルト用偏心クランク軸22の4つの偏心盤22aがそれぞれ偏心旋回する。そして、これら偏心盤22aの偏心旋回に伴って、4枚のベルト用揺動板23が、互いに90度ずつ位相がずれた状態を維持しながらそれぞれ揺動運動する。
【0052】
これら4枚のベルト用揺動板23が揺動運動すると、各ベルト用揺動板23の下端側の外周部に設けられ揺動ローラ23aが、ベルト用循環索状体25の内周部に設けられたトロコイド形状の内歯25bに順次噛み合って、ベルト用循環索状体25が循環用レール26に沿って循環運動することになる。そして、ベルト用循環索状体25が循環運動すると、このベルト用循環索状体25の外周部に設けられた当接面25cに円弧形状に撓んだ状態で当接する手すりベルト7に推力が伝達され、手すりベルト7が駆動されることになる。
【0053】
この手すりベルト駆動機構20では、以上のように、ベルト用揺動板23と手すりベルト7との間に推力伝達部材としてのベルト用循環索状体25が介在し、ベルト用揺動板23に設けられた揺動ローラ23aがベルト用循環索状体25に設けられたトロコイド形状の内歯25bに噛み合わされ、ベルト用循環索状体25に設けられた当接面25cが手すりベルト7に当接するようになっている。そして、ベルト用揺動板23の揺動運動がベルト用循環索状体25の循環運動に変換されて、このベルト用循環索状体25の循環運動により手すりベルト7に推力が与えられるようになっている。
【0054】
したがって、このような手すりベルト駆動機構20を備えるコンベア装置では、ベルト用循環索状体25のトロコイド形状の内歯25bと当接面25cとをそれぞれ最適な構造とし、ベルト用循環索状体25の当接面25cと手すりベルト7との間に十分な摩擦力が生じるようにすれば、手すりベルト7の滑りを有効に抑制することができる。特に、ベルト用循環索状体25は、循環ローラ25aを循環用レール26に係合させることで循環用レール26に支持されているので、ベルト用循環索状体25の当接面25cと手すりベルト7との間に十分な摩擦力が生じた状態が維持されることになる。
【0055】
また、手すりベルト7が、コンベア装置の乗口や降口の付近で当該手すりベルト7が折返す際の撓み形状の曲率と同等以上の大きな曲率半径Rをもって円弧形状に撓んだ状態でベルト用循環索状体25の当接面25cに当接するようになっているので、手すりベルト7の曲げ疲労を十分に抑制することができる。
【0056】
更に、ベルト用揺動板23の揺動半径を小さくできるので、振動や騒音の発生を抑制することができ、良好な乗り心地を確保することができる。また、ベルト用揺動板23の揺動半径が小さい分だけ手すりベルト駆動機構20の駆動推力が増し、減速機としての機能が高まるので、減速機を別途設ける必要がなく、また、駆動源である電動モータ11として小型のモータを用いることができる。
【0057】
また、手すりベルト駆動機構20の駆動源がチェーン駆動機構10の駆動源と共通化され、共に駆動源として伝導モータ11が用いられているので、手すりベルト7の移動速度を踏段チェーン5の移動速度、すなわち、この踏段チェーン5により連結された複数の踏段4の移動速度に容易に一致させることができ、乗客に手すりベルト7と踏段4とがずれたような違和感を感じさせる不都合を有効に抑制することができる。
【0058】
なお、以上は、手すりベルト駆動機構20が備えるベルト用揺動板23の下端側の外周部に揺動ローラ23aが設けられ、ベルト用循環索状体25の内周部にトロコイド形状の内歯25bが設けられ、これらベルト用揺動板23の揺動ローラ23aとベルト用循環索状体25のトロコイド形状の内歯25bとが噛み合わされることで、ベルト用揺動板23の揺動運動がベルト用循環索状体25に伝達されて、ベルト用循環索状体25の循環運動に変換されるようにした例について説明したが、図5に示すように、ベルト用揺動板23の下端側の外周部にトロコイド形状のローラ転動歯27を設け、ベルト用循環索状体25の内周部にローラ28を設け、これらベルト用揺動板23のトロコイド形状のローラ転動歯27とベルト用循環索状体25のローラ28とが噛み合わされることで、ベルト用揺動板23の揺動運動がベルト用循環索状体25に伝達されて、ベルト用循環索状体25の循環運動に変換されるようにしても、上述した例と同様の効果を得ることができる。
【0059】
また、以上説明したコンベア装置においては、トロコイダル減速機を応用した手すりベルト駆動機構20が略直線に延びる手すりベルト7の途中に設けられるようになっているが、このようなトロコイダル減速機を応用した手すりベルト駆動機構20を、手すりベルト7が折り返す乗口、降口付近にも設置するようにしてもよい。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0061】
この第3の実施形態のコンベア装置は、第2の実施形態のコンベア装置の手すりベルト駆動機構20に代えて、図6に示すような手すりベルト駆動機構30を備えるものである。
【0062】
この図6に示す手すりベルト駆動機構30は、上述した第2の実施形態のコンベア装置に設けられた手すりベルト駆動機構20が、推力伝達部材としてベルト用循環索状体26を用い、ベルト用揺動板23の揺動運動をベルト用循環索状体26の循環運動に変換して手すりベルト7に推力を与えているのに対して、推力伝達部材として円環状のプーリ31を用い、ベルト用揺動板23の揺動運動を円環状のプーリ31の回転運動に変換して手すりベルト7に推力を与えていることを特徴としている。なお、この手すりベルト駆動機構30において、その他の構成は、第2の実施形態のコンベア装置に設けられた手すりベルト駆動機構20と同様であるので、図中同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
円環状のプーリ31は、上述した手すりベルト駆動機構20のベルト用循環索状体26と同様に、その一部がベルト用揺動板23の揺動ローラ23aが設けられた下端側の外周部と手すりベルト7との間に介在するように配設されている。そして、この円環状のプーリ31は、ベルト用揺動板23が揺動運動したときに、このベルト用揺動板23の揺動運動に従って、構造物2に取り付けられた中心軸31aを回転中心として回転運動するようになっている。
【0064】
この円環状のプーリ31の内周部にはトロコイド形状の内歯31bが設けられている。このトロコイド形状の内歯31bは、ベルト用揺動板23の下端側の外周部に設けられた複数の揺動ローラ23aに噛み合わされるようになっている。また、この円環状のプーリ31の外周部には所定の面粗度を有する当接面31cが設けられている。この当接面31cは、手すりベルト7を曲率半径R(コンベア装置の乗口や降口の付近で当該手すりベルト7が折返す際の撓み形状の曲率と同等以上の大きな曲率半径)の円弧形状に撓ませて、所定の摩擦力を生じさせながら手すりベルト7に当接するようになっている。
【0065】
推力伝達部材として以上のような円環状のプーリ31を用いた手すりベルト駆動機構30においては、電動モータ11の駆動力を受けてベルト用偏心クランク軸22の偏心盤22aが偏心旋回し、偏心盤22aの偏心旋回に伴ってベルト用揺動板23が揺動運動すると、ベルト用揺動板23の下端側の外周部に設けられ揺動ローラ23aが、円環状のプーリ31の内周部に設けられたトロコイド形状の内歯31bに噛み合って、円環状のプーリ31が中心軸31aを回転中心として回転運動することになる。そして、円環状のプーリ31が回転運動すると、この円環状のプーリ31の外周部に設けられた当接面31cに円弧形状に撓んだ状態で当接する手すりベルト7に推力が伝達され、手すりベルト7が駆動されることになる。
【0066】
この手すりベルト駆動機構30では、以上のように、ベルト用揺動板23と手すりベルト7との間に推力伝達部材としての円環状のプーリ31が介在し、ベルト用揺動板23に設けられた揺動ローラ23aが円環状のプーリ31に設けられたトロコイド形状の内歯31bに噛み合わされ、円環状のプーリ31に設けられた当接面31cが手すりベルト7に当接するようになっている。そして、ベルト用揺動板23の揺動運動が円環状のプーリ31の回転運動に変換されて、この円環状のプーリ31の回転運動により手すりベルト7に推力が与えられるようになっている。
【0067】
したがって、このような手すりベルト駆動機構30を備えるコンベア装置では、円環状のプーリ31のトロコイド形状の内歯31bと当接面31cとをそれぞれ最適な構造とし、円環状のプーリ31の当接面31cと手すりベルト7との間に十分な摩擦力が生じるようにすれば、手すりベルト7の滑りを有効に抑制することができる。特に、円環状のプーリ31は、中心軸31aを介して構造物2に支持されているので、円環状のプーリ31の当接面31cと手すりベルト7との間に十分な摩擦力が生じた状態が維持されることになる。
【0068】
また、手すりベルト7が、コンベア装置の乗口や降口の付近で当該手すりベルト7が折返す際の撓み形状の曲率と同等以上の大きな曲率半径Rをもって円弧形状に撓んだ状態で円環状のプーリ31の当接面31cに当接するようになっているので、手すりベルト7の曲げ疲労を十分に抑制することができる。
【0069】
更に、ベルト用揺動板23の揺動半径を小さくできるので、振動や騒音の発生を抑制することができ、良好な乗り心地を確保することができる。また、ベルト用揺動板23の揺動半径が小さい分だけ手すりベルト駆動機構30の駆動推力が増し、減速機としての機能が高まるので、減速機を別途設ける必要がなく、また、駆動源である電動モータ11として小型のモータを用いることができる。
【0070】
また、手すりベルト駆動機構30の駆動源がチェーン駆動機構10の駆動源と共通化され、共に駆動源として伝導モータ11が用いられているので、手すりベルト7の移動速度を踏段チェーン5の移動速度、すなわち、この踏段チェーン5により連結された複数の踏段4の移動速度に容易に一致させることができ、乗客に手すりベルト7と踏段4とがずれたような違和感を感じさせる不都合を有効に抑制することができる。
【0071】
なお、以上は、手すりベルト駆動機構30が備えるベルト用揺動板23の下端側の外周部に揺動ローラ23aが設けられ、円環状のプーリ31の内周部にトロコイド形状の内歯31bが設けられ、これらベルト用揺動板23の揺動ローラ23aと円環状のプーリ31のトロコイド形状の内歯31bとが噛み合わされることで、ベルト用揺動板23の揺動運動が円環状のプーリ31に伝達されて、円環状のプーリ31の回転運動に変換されるようにした例について説明したが、図7に示すように、ベルト用揺動板23の下端側の外周部にトロコイド形状のローラ転動歯27を設け、円環状のプーリ31の内周部にローラ28を設け、これらベルト用揺動板23のトロコイド形状のローラ転動歯27と円環状のプーリ31のローラ28とが噛み合わされることで、ベルト用揺動板23の揺動運動が円環状のプーリ31に伝達されて、円環状のプーリ31の回転運動に変換されるようにしても、上述した例と同様の効果を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】
本発明に係るコンベア装置によれば、チェーン駆動機構が、揺動部材と踏段チェーンとの間に、複数の歯付リンクが環状に連結された循環索状体よりなる推力伝達部材を介在させて、揺動部材の揺動運動を推力伝達部材の循環運動に変換して踏段チェーンに推力を与えるようになっているので、推力伝達部材の踏段チェーン側と、推力伝達部材の揺動部材側とをそれぞれ最適な構造とすることで、踏段チェーンに対する機械的な噛み合い率を高めて踏段チェーンの振る舞いを安定させ、踏段チェーンの背面を抑えて噛み合いを維持する背面支持機構を不要とし、或いはその構成の簡素化を図ることができると共に、揺動部材の揺動半径を小さくして、振動や騒音の発生を抑制することができる。
【0073】
また、本発明に係る他のコンベア装置によれば、手すりベルト駆動機構が、揺動部材と手すりベルトとの間に、複数の歯付リンクが環状に連結された循環索状体よりなる推力伝達部材を介在させて、揺動部材の揺動運動を推力伝達部材の循環運動又は回転運動に変換して手すりベルトに推力を与えるようになっているので、推力伝達部材の手すりベルト側と、推力伝達部材の揺動部材側とをそれぞれ独立で最適な構造とすることで、手すりベルトの滑りを有効に抑制させることができると共に、揺動部材の揺動半径を小さくして、振動や騒音の発生を抑制することができる。
【0074】
また、本発明に係る更に他のコンベア装置によれば、手すりベルト駆動機構が、揺動部材と手すりベルトとの間に円環状のプーリよりなる推力伝達部材を介在させて、揺動部材の揺動運動を推力伝達部材の循環運動又は回転運動に変換して手すりベルトに推力を与えるようになっているので、推力伝達部材の手すりベルト側と、推力伝達部材の揺動部材側とをそれぞれ独立で最適な構造とすることで、手すりベルトの滑りを有効に抑制させることができると共に、揺動部材の揺動半径を小さくして、振動や騒音の発生を抑制することができる。
【0075】
また、このコンベア装置のチェーン駆動機構と手すりベルト駆動機構とを組み合わせ、回転駆動装置として同じものを用いるようにすれば、手すりベルトと踏段の送り速度を容易に一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したコンベア装置の全体構成を概略的に示す模式図。
【図2】第1の実施形態のコンベア装置が備えるチェーン駆動機構を概略的に示す模式図。
【図3】第1の実施形態のコンベア装置が備えるチェーン駆動機構の他の例を概略的に示す模式図。
【図4】第2の実施形態のコンベア装置が備える手すりベルト駆動機構を概略的に示す模式図。
【図5】第2の実施形態のコンベア装置が備える手すりベルト駆動機構の他の例を概略的に示す模式図。
【図6】第3の実施形態のコンベア装置が備える手すりベルト駆動機構を概略的に示す模式図。
【図7】第3の実施形態のコンベア装置が備える手すりベルト駆動機構の他の例を概略的に示す模式図。
【図8】従来のコンベア装置を示す図であり、(a)は従来のコンベア装置の全体構成を概略的に示す模式図、(b)は従来のコンベア装置が備えるチェーン駆動機構を概略的に示す模式図。
【図9】トロコイダル減速機の基本構成を概略的に示す模式図。
【符号の説明】
1 コンベア装置
3 踏段ガイドレール
4 踏段
5 踏段チェーン
5a ピンローラ
6 欄干
7 手すりベルト
10 チェーン駆動機構
11 電動モータ(回転駆動装置)
12 偏心クランク軸
13 揺動板(揺動部材)
15 循環索状体
20 手すりベルト駆動機構
22 ベルト用偏心クランク軸
23 ベルト用揺動板(ベルト用揺動部材)
25 ベルト用環状索状体
30 手すりベルト駆動機構
31 円環状のプーリ

Claims (10)

  1. 踏段ガイドレールと、
    前記踏段ガイドレールに沿って移動する複数の踏段と、
    前記複数の踏段を連結する踏段チェーンと、
    前記踏段チェーンを駆動するチェーン駆動機構とを有するコンベア装置において、
    前記チェーン駆動機構が、
    回転駆動装置と、
    前記回転駆動装置に連結され、前記回転駆動装置の駆動力を受けて偏心旋回する偏心クランク軸と、
    前記偏心クランク軸に連結され、前記偏心クランク軸の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動部材と、
    複数の歯付リンクが環状に連結された循環索状体よりなり、前記揺動部材と前記踏段チェーンとの間に配設されて、前記揺動部材の揺動運動に従って循環運動して前記踏段チェーンに推力を与える推力伝達部材とを備えること
    を特徴とするコンベア装置。
  2. 前記揺動部材の外周部に複数の揺動ローラが回転自在に設けられていると共に、
    前記推力伝達部材の内周部に前記揺動部材の揺動ローラに噛み合うトロコイド形状の内歯が設けられ、前記推力伝達部材の外周部に前記踏段チェーンに設けられたピンローラに噛み合う外歯が設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のコンベア装置。
  3. 前記揺動部材の外周部にトロコイド形状のローラ転動歯が設けられていると共に、
    前記推力伝達部材の内周部に前記揺動部材のローラ転動歯に噛み合うローラが設けられ、前記推力伝達部材の外周部に前記踏段チェーンに設けられたピンローラに噛み合う外歯が設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のコンベア装置。
  4. 前記チェーン駆動機構が、前記推力伝達部材の循環経路に沿って配設された循環用レールを更に備え、
    前記推力伝達部材に、前記循環用レールに係合される循環ローラが設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のコンベア装置。
  5. 踏段ガイドレールと、
    前記踏段ガイドレールに沿って移動する複数の踏段と、
    前記踏段の両脇に設けられた欄干と、
    前記欄干に沿って前記踏段と略等しい速度で移動する手すりベルトと、
    前記手すりベルトを駆動する手すりベルト駆動機構とを有するコンベア装置において、
    前記手すりベルト駆動機構が、
    回転駆動装置と、
    前記回転駆動装置に連結され、前記回転駆動装置の駆動力を受けて偏心旋回する偏心クランク軸と、
    前記偏心クランク軸に連結され、前記偏心クランク軸の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動部材と、
    複数の歯付リンクが環状に連結された循環索状体よりなり、前記揺動部材と前記手すりベルトとの間に配設されて、前記揺動部材の揺動運動に従って循環運動して前記手すりベルトに推力を与える推力伝達部材とを備えること
    を特徴とするコンベア装置。
  6. 踏段ガイドレールと、
    前記踏段ガイドレールに沿って移動する複数の踏段と、
    前記踏段の両脇に設けられた欄干と、
    前記欄干に沿って前記踏段と略等しい速度で移動する手すりベルトと、
    前記手すりベルトを駆動する手すりベルト駆動機構とを有するコンベア装置において、
    前記手すりベルト駆動機構が、
    回転駆動装置と、
    前記回転駆動装置に連結され、前記回転駆動装置の駆動力を受けて偏心旋回する偏心クランク軸と、
    前記偏心クランク軸に連結され、前記偏心クランク軸の偏心旋回に伴って揺動運動する揺動部材と、
    円環状のプーリよりなり、前記揺動部材と前記手すりベルトとの間に配設されて、前記揺動部材の揺動運動に従って回転運動して前記手すりベルトに推力を与える推力伝達部材とを備えること
    を特徴とするコンベア装置。
  7. 前記揺動部材の外周部に複数の揺動ローラが回転自在に設けられていると共に、
    前記推力伝達部材の内周部に前記揺動部材の揺動ローラに噛み合うトロコイド形状の内歯が設けられ、前記推力伝達部材の外周部に前記手すりベルトに当接する当接面が設けられていること
    を特徴とする請求項5又は6に記載のコンベア装置。
  8. 前記揺動部材の外周部にトロコイド形状のローラ転動歯が設けられていると共に、
    前記推力伝達部材の内周部に前記揺動部材のローラ転動歯に噛み合うローラが設けられ、前記推力伝達部材の外周部に前記手すりベルトに当接する当接面が設けられていること
    を特徴とする請求項5又は6に記載のコンベア装置。
  9. 前記手すりベルト駆動機構が、前記推力伝達部材の循環経路に沿って配設された循環用レールを更に備え、
    前記推力伝達部材に、前記循環用レールに係合される循環ローラが設けられていること
    を特徴とする請求項5に記載のコンベア装置。
  10. 前記推力伝達部材の当接面が前記手すりベルトに当接する際に前記手すりベルトに生じる撓み形状が、乗口、降口の付近で前記手すりベルトが折返す際の撓み形状の曲率半径と同等以上の曲率半径となるように、前記推力伝達部材が循環運動すること
    を特徴とする請求項7又は8に記載のコンベア装置。
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