JP5001473B2 - 加減速装置とこれを備えた加減速エスカレータ - Google Patents
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Description
末端がチェーンに揺動可能に取り付けられ、中間部から先端までが互いに平行な2つの部材からなり、その間に細長いU溝を有するU字型部材と、
前記U字型部材のU溝内でスライドする駆動軸を有する被移動体とを備え、
前記被移動体に対する前記U字型部材の角度の変化と、
前記U字型部材のU溝内における前記駆動軸の位置の変化と、により前記被移動体を加速又は減速させる、ことを特徴とする加減速装置が提供される。
該スイングヨークを所定の第2軌跡に沿って案内するスキップレールと、
前記駆動軸を所定の軌跡に沿って案内する走行支持ローラ案内レールとを備え、
前記第1軌跡と第2軌跡との距離と位置関係の変化により前記U字型部材の角度を変化させ、
前記走行支持ローラ案内レールと前記第1軌跡との距離と前記U字型部材の角度により前記駆動軸の位置を変化させる。
前記被移動体はエスカレータ用のパレットであり、
前記駆動軸はパレット駆動軸であり、
前記パレット駆動軸に設けたスライドローラをU字型部材のU溝内でスライドさせながら、前記U字型部材を前記角度に変化させながら、前記チェーンに沿って駆動し、パレットを加速又は減速させる、ことを特徴とする加減速エスカレータが提供される。
前記各パレットを前記配列に沿って案内するガイド装置と、
前記各パレットを、低速又は高速で駆動する駆動装置とを備え、
各パレットを前記第1低速部で所定の第1低速で駆動し、高速部で前記高速で駆動し、前記第2低速部で前記第2低速で駆動する。
前記各パレットは、踏み板に設けられ幅方向外方に延びるパレット駆動軸と、該パレット駆動軸に設けられた走行支持ローラ、スライドローラおよび傾斜板に設けられた姿勢ローラとを有しており、
前記ガイド装置は、前記走行支持ローラを前記配列に沿って案内する走行支持ローラ案内装置と、前記踏み板の上面を水平に保持するように姿勢ローラを案内する姿勢ローラ案内装置と、進行方向の両端部において各パレットを旋回させて反転するパレット反転装置と、からなり、
前記駆動装置は、第1低速部のパレットを前記第1低速で駆動する第1低速チェーン駆動装置と、高速部のパレットを前記高速で駆動する高速チェーン駆動装置と、第2低速部のパレットを前記第2低速で駆動する第2低速チェーン駆動装置と、からなる。
さらに、チェーンやレールの軌跡の変化や位置の変化によって被移動体を加速又は減速するので、アナログ的に加速又は減速しながら、強い駆動力を得ることができる。
また、速度領域毎に駆動する駆動装置により、各パレットを低速部で所定の低速で駆動し、高速部で前記低速より高速で駆動し、加速部で前記低速から高速まで加速し、減速部で高速から低速まで減速するので、乗降口での移動速度を低速にでき、中間部で加速、減速が可能である。
また、駆動装置は速度領域毎に駆動するので、構造が簡単で実現性が高い。
本発明の加減速装置100は、所定の第1軌跡に沿ってエンドレスに案内されたチェーン19と、末端がチェーン19に揺動可能に取り付けられ、中間部から先端までが互いに平行な2つの部材からなり、その間に細長いU溝を有するU字型部材40と、U字型部材40のU溝内でスライドする駆動軸103を有する被移動体102とを備えており、被移動体102に対するU字型部材40の角度の変化と、U字型部材40のU溝内における駆動軸103の位置の変化と、により被移動体102を加速又は減速させる装置である。
すなわち、図1に示した第1実施例の加減速装置において、上側面が加速装置となっており、下側面が減速装置となっている。言い換えると、上側面において、被移動体102が図1の左から右に移動する際に加速する。反対に、下側面において、被移動体102が右から左に移動する際に減速する。
この場合、本実施例のように、第1軌跡と第2軌跡との距離と位置関係の変化により前記U字型部材の角度を変化させ、
走行支持ローラ案内レールと第1軌跡との距離とU字型部材の角度により駆動軸の位置を変化させている。
図2Aは、本発明による加減速エスカレータ101で使用する階段(パレット)の側面図である。図2Bは図2AのB−B矢視図(平面図)、図2Cは図2AのC−C矢視図(背面図)である。また、図2Dは、図2Bにおける(D)の拡大図であり、第1低速部と第2低速部において隣り合うパレット1の凹凸溝の噛み合せを説明する拡大図である。また、図2Eと図2Fは、それぞれ図2DにおけるE−E断面図とF−F断面図である。
図2A、図2Bに示すように、パレット1は、人が乗る水平な踏み板1aと、その踏み板1a端部(進行方向後縁端部)から下方に斜めに延びる傾斜板1bとからなる。踏み板1aと傾斜板1bは一体に成形されている。
また、図2Dと図2Fに示すように、踏み板1aと傾斜板1bの外面には、同一線上に凹凸溝が設けられ、凹凸溝の凸部が、隣接するパレット1の凹部と交互に噛み合っている。これにより、パレット1とパレット1の間に直線状の隙間を無くし、安全性を高めている。
走行支持ローラ50は、パレット駆動軸53の水平軸を中心に回転可能な軸受部材であり、パレット1を両端で支持する機能を有する。また、姿勢ローラ51は、水平軸を中心に回転可能な軸受部材であり、踏み板1aを水平に保持する機能を有する。さらに、パレット駆動軸53は、パレット1を所定の軌道に沿って案内し、かつ走行させる機能を有する。
すなわち、人が乗る上面側は、階下から第1低速部、加速部、高速部、減速部、第2低速部の順で階上まで並び、人が乗らない下面側(戻り側)は階上から第1低速部、加速部、高速部、減速部、第2低速部の順で階下まで並ぶ。また、階下と階上の両端部は反転部である。
本発明ではこれらの各速度領域において、各パレット1はチェーンがそれぞれ独立している。
加速部では、パレット1が一定の勾配で上昇すると共に、パレット1の移動速度が加速され、この加速により踏み板1aの間隔が徐々に広がり、同時に傾斜板1bが露出する。傾斜板1bの傾斜角度は、隣り合うパレット1の間に隙間ができない様、踏み板1aに対し、全て同一角度で急勾配に設定されており、人が傾斜板1bに乗れないようになっている。
高速部では、パレット1が一定の勾配で上昇すると共に、踏み板1aの間隔が最大となり、傾斜板1bの露出量が最大となる。
減速部では、パレット1が一定の曲線で上昇すると共に、パレット1の移動速度が減速され、この減速により隣り合う踏み板1aの間隔が徐々に狭くなると共に、傾斜板1bが利用者の視界から見えなくなる。
階上の第2低速部(降り口)では、踏み板1aが近接しており、人は踏み板1aから上側コム6の上に降りる。
また、第1低速部と第2低速部では、踏み板1aの凸部が隣接する踏み板1aの凸部と交互に噛み合うことにより、隣り合ったパレット1間に隙間ができない。そして、加速部、高速部、減速部においても、踏み板1aの凸部が傾斜板1bの凹部と交互に噛み合い、隣り合ったパレット1間に隙間ができない。
このように、パレット1の進行速度を高速部で高速にし、乗降口のパレットの移動速度を低速にすることができ、それにより高齢者や子供の転倒などの事故を減らすことができる。
この図に示すように、ガイド装置20は、走行支持ローラ50を前記配列に沿って案内する走行支持ローラ案内装置22と、踏み板1aの上面を水平に保持するように姿勢ローラ51を案内する姿勢ローラ案内装置23と、進行方向の両端部において各パレットを旋回させて反転するパレット反転装置24とからなる。
姿勢ローラ案内装置23は、この例では、姿勢ローラ案内レール36、38からなる。姿勢ローラ案内レール36、38は、パレット1の下側をすり抜けて設置され、パレット1と干渉しないようになっている。
パレット反転装置24は、パレット反転ホイール11、姿勢ローラ反転支持レール65およびスライドローラ反転支持レール66からなる。
パレット反転ホイール11は、階下の反転部の両側に2つ、階上の反転部の両側に2つの計4つが、加減速エスカレータ101の進行方向両端部に設けられる。
パレット反転ホイール11は、円板状部材であり、その外周縁にパレット1の走行支持ローラ50と嵌合する凹溝11aが周方向に一定の間隔で設けられている。
また、パレット反転ホイール11の内側面には、リング状に形成されたリングレール58が一体に連結されている。さらに、パレット反転ホイール11は両側の1対が同軸(図示せず)で連結され、それぞれ図示しないホイール駆動装置で回転駆動される。
また、スライドローラ反転支持レール66は、パレット反転ホイール11の外周面に沿って円弧状に設けられおり、パレット1の反転時に、パレット駆動軸53が、パレット反転ホイール11の外周面から落下するのを防止している。
またパレット反転ホイール11でパレット1が反転したときに外れないように、スライドローラ44をスライドローラ反転支持レール66で支え、姿勢ローラ51を姿勢ローラ反転支持レール65で支持している。
また、姿勢ローラ案内レール36、38は、上述した第1低速部、加速部、高速部、減速部、及び第2低速部において、各パレット1の姿勢ローラ51を各踏み板1aが水平を保持するように案内する。パレットの戻り(エスカレータの下部)も同様である。
この図に示すように、駆動装置110は、第1低速部と第2低速部のパレットを所定の第1低速で駆動する低速チェーン駆動装置112と、高速部のパレットを前記高速で駆動する高速チェーン駆動装置114とからなる。また、第1実施例の加減速装置100は、パレット1と接する加速部の上側面が、パレット1を前記第1低速から第1低速より速い高速まで加速し、減速部のパレット1に接する面がパレット1を前記高速から前記高速より遅い所定の第2低速まで減速する。また、各々のチェーン長さは、各チェーンの付属部品取り付けピッチP1,P2,P3の整数倍となっている。
チェーン速度は、第1低速部(乗り口)V1、加速部V2、高速部V3、減速部V2、第2低速部(降り口)V1である。乗り口と降り口の速度V1値は、この例では同じであるが相違してもよい。
スプロケット112cは、パレット1に接する部分のチェーンの両端に位置する4つのスプロケットである。テークアップスプロケット112dは、パレット反転ホイール11側の上下のスプロケット112cの間に設置されている。テークアップスプロケット112eは、第1低速部と加速部との間に上下に設置されたスプロケット112cの間に位置している。
そして、階下の第1低速部の上側と下側に位置する複数のパレット1を水平かつ一定の低速度V1で駆動する。
第1実施例の加減速装置100の詳細は後述する。
また第1実施例の加減速装置100の速度V2は、パレット1の最短ピッチP1(パレットが最も短縮した状態)に対するスライド押し金具(U字型部材)40の取り付けピッチP2の長さ比だけ速い一定速度で走行する。すなわち、加速部と減速部のチェーン速度V2は数式(1)で表すことができる。
V2=V1×(P2/P1) ・・・(1)
これは、第1低速部と加速部との「推力接続点」においてパレット1の最短ピッチP1で一定間隔で送られてくるスライドローラ44とスライド押し金具40のU溝部分が同じタイミングで「推力接続点」で嵌合するためである。
この図において、P1は第1低速チェーン駆動装置112の駆動金具112bのピッチ、P2は第1実施例の加減速装置のスライド押し金具40のピッチ、P3は高速チェーン駆動装置114の駆動金具114bのピッチであり、ピッチP3>P2>P1である。
それぞれの速度域の推力接続点は滑らかに推力を維持させるため、推力接続点で各々のチェーン駆動力を重複させ、順次パレット1を次の速度域に渡していく。
すなわち、スライド押し金具40はパレット1のパレット駆動軸53に装備したスライドローラ44とドッキングした後、U溝内部でスライドさせながらパレット1の推力を維持しつつ進行方向に傾斜しながら走行する。
またパレット1の姿勢ローラ51はレール36、38に沿って走行する。
スプロケット19cは、パレット1に接するチェーンの両端に位置する4つのスプロケットである。テークアップスプロケット19dは、加速部と高速部との間に上下に設置されたスプロケット19cの間に設置されている。加減速装置テークアップスプロケット19eは、第1低速部と加速部との間に上下に設置されたスプロケット19cの間に位置している。
スプロケット112c、19c、114cは、直径の異なるスプロケットも含まれ、各チェーンを所定の軌道に沿って走行させるために設置される。
テークアップスプロケット112dと、加速部と減速部のテークアップスプロケット19dと、高速チェーンテークアップスプロケット114dは、上側面と下側面の両方において、パレット1のピッチとチェーンのピッチを合わせる必要があるために設置される。すなわち、加減速エスカレータ101を組み立てる際に、チェーン112a,19、114aのピッチと各々の位置におけるパレット駆動軸53のピッチとに生じたずれを、テークアップスプロケット112dと、加速部と減速部とのテークアップスプロケット19d、高速チェーンテークアップスプロケット114dの位置を調節することにより整合させる。
その後、テークアップスプロケット112dと、加速部と減速部とのテークアップスプロケット19dと、高速チェーンテークアップスプロケット114dを固定する。反対側のテークアップスプロケット112e、テークアップスプロケット114e、加減速装置テークアップスプロケット19eは、通常のスライドテークアップとして機能する。
チェーン速度は、第1低速部(乗り口)V1、加速部V2、高速部V3、減速部V2、第2低速部(降り口)V1である。乗り口と降り口の速度V1値は、この例では同じであるが相違してもよい。
加速チェーン駆動装置13a、13bの詳細は後述する。
減速チェーン駆動装置15a、15bの詳細は後述する。
この図において、P1は第1低速チェーン駆動装置12の駆動金具12bのピッチ、P2は加速チェーン駆動装置13aのスライド押し金具40のピッチ、P3は高速チェーン駆動装置14の駆動金具14bのピッチであり、ピッチP3>P2>P1である。
それぞれの速度域の推力接続点は滑らかに推力を維持させるため、推力接続点で各々のチェーン駆動力を重複させ、順次パレット1を次の速度域に渡していく。
すなわち、スライド押し金具40はパレット1のパレット駆動軸53に装備したスライドローラ44と嵌合した後、U溝内部でスライドさせながらパレット1の推力を維持しつつ進行方向に傾斜しながら走行する。
なお、第1加速チェーン駆動装置13aのチェーン17は、カテナリ状に湾曲して駆動しているが、これは必ずしも必要ではない。直線にしても可能であるが、押し金具の倒れ角が効率的に劣るため湾曲としている。
またパレット1の姿勢ローラ51はレール36、38に沿って走行する。
なお、図8において、31、32は、正逆点時にスライド押し金具40のU溝開口部にスライドローラ44が嵌合し易くするための接続案内補助レールである。
この図において、P1は第2低速チェーン駆動装置16の駆動金具16bのピッチ、P2は減速チェーン駆動装置15aのスライド押し金具40のピッチ、P3は高速チェーン駆動装置14の駆動金具14bのピッチである。
スライド押し金具40のU字型部材は、高速部と減速部との推力接続点でパレット駆動軸53に設けられたスライドローラ44を挟持し、スライド押し金具40の姿勢変化でパレット1を減速しながら駆動する。
また、スライド押し金具40のU字型部材は、減速部と低速部との推力接続点でその先端部からスライドローラ44が抜ける直前に低速チェーン駆動装置16に引き継ぐようになっている。
また、姿勢ローラ案内レール36、38は断面がコの字型部材であり、姿勢ローラ51は、その上下の部材の間に位置し、姿勢ローラ51が姿勢ローラ案内レール36、38から外れない。
また、第1実施例の低速チェーン駆動装置112の駆動金具112b、または第2実施例の低速チェーン駆動装置12、16の駆動金具12b、16bは、パレット駆動軸53の先端部と嵌合し、複数のパレット1を一定の低速度で駆動するようになっている。
図10に示すように、チェーン走行ローラ47は、加減速チェーン走行レール60により所定の軌道に沿って案内される。また、スライド押し金具40とスイングヨーク41は、連結シャフト42を介して機械的に連結され、軸受43により連結シャフト42を中心に揺動可能になっている。連結シャフト42の嵌合部は強固に嵌合し、ゆるみが発生しないようになっている。
図10に示すように、スライド押し金具40は、U字型部材の間にパレット1のパレット駆動軸53に設けられたスライドローラ44を挟持し、パレット1を駆動するようになっている。スライドローラ44は、ベアリング又は無給油型ブッシュ、樹脂リング等であるのがよい。
また、スキップローラ46は、第1実施例ではエンドレスに案内されたスキップレール25、第2実施例では26・30により所定の軌道に沿って案内される。そして、スキップレール25、26・30とチェーン17、18、19との距離と位置関係により、「推力接続点」にてスライド押し金具40のU溝内に上流側より低速で接近するパレット1のスライドローラ44を確実に嵌合させる。
すなわち、図12に示す通り、上りエスカレータの加速部の加減速装置100の場合、パレット1の速度がチェーン速度V2と等しくなるまで、スライド押し金具40は進行方向と逆方向に傾斜し(減速作用範囲H)、パレット1をV1からV2まで漸増させる。そして、パレット1の速度とチェーン速度V2との差が0になるポイント(J点)から下流側(加速作用範囲I)では、スライド押し金具40が、パレット1の進行方向と同じ方向に傾斜し、V3まで加速させる。
また、逆転時は、加減速装置の機能は減速装置となり逆になるが、減速動作は上記と同じである。
これにより加減速装置100に装備されたスライド押し金具40の取り付けピッチP2は、初速域、終速域のパレット1の取り付けピッチP1より長く、高速部パレット1のピッチP3より短く設定されている。
これは必要とされる加速減速距離に対しスライド押し金具40がパレット1と同じピッチでは、設定された加速減速距離内での加速減速速度とストロークが得られないためである。これは同時にスイングヨーク41の加減速装置100の進行方向に対する傾斜角を、少なく設定させることにもなり、一連のスライド押し金具40が滑らかに走行できることになるためである。
なお、第1実施例の加減速装置では、ガイドローラ45と接続案内補助レール27、28、31、32は必要ない。
また、スライド押し金具40のパレット1の推力発生メカニズムは、第2実施例ではチェーン駆動装置13a、13b、15a、15bの走行力によるものとスイングヨーク41のスキップローラ46がスキップレール26、30に沿って走行するのに対し、チェーン駆動装置13a、13b、15a、15bのチェーン走行ローラ47がレール60内をスキップレール26、30と異なる位置を走行することによって発生するモーメントを利用している。
また、U字型部材のU溝内における駆動軸の位置を変化させる方法もまた、本実施例の方法に限らない。各U字型部材のU溝の根元に駆動軸を上下させるためのアクチュエータを設置しても良い。また、その他の方法を採用しても良い。
また、さらには、本加減速装置を直列に並べれば、本作動原理からさらに大きい加減速速度、および加減速長さが可能となり、利用分野に合わせた形態が可能となる。
なお、α角は、数式(2)で示される。
α=tan−1{Y/(Lp×(T−1)} ・・・(2)
また、nは高速部におけるパレット踏み段Lpの段数である。
パレットの蹴り込み長さLpにおいて、乗り口の水平方向初速度V1に対し、高速部の水平方向速度がT倍とした場合の高速部の水平方向速度V3は、数式(3)で示される。
V3=V1×T ・・・(3)
この速度変化をパレット同士の距離Xに置き換えると、パレット同士の距離Xは数式(4)で示される。
X=Lp×V3/V1 ・・・(4)
また、傾斜板1bの傾斜角度をαとした場合、パレットの垂直方向の高さYは、数式(5)で示される。
Y={Lp×(T−1)}×tanα ・・・(5)
さらに、エスカレータの傾斜角度θ方向においても、通常エスカレータパレットピッチのT倍となる。
図14Aは、加減速装置100の加減速度の加速角βについての説明図である。図14Bは、パレット1の先端と隣り合ったパレットとの接点Aを表したXY座標である。
まず、パレットの倍速度T、加減速域の長さL、パレットの蹴り込み長さLpを設定する。
エスカレータ水平方向において、加減速域Lにおけるパレット間の延び代は、最大でLp・(T−1)となる。
また、加速角βは、数式(6)となる。
加速角β=tan−1{Lp×(T−1)}/L ・・・(6)
また、本発明の加減速装置100は、既設のエスカレータのピット幅内に収めるコンパクト化が可能である。さらに傾斜角、加減速速度、加減速長さは自由に設定可能である。
また、本発明では、パレット1は基本的に一体成型とし、加速変速時の伸縮は床下に隠れた一部分が上面にせり出してくることにより伸縮する方式としている。
それぞれのパレットは「単一ユニット部品」であり、従来のごとくすべてのパレットが駆動チェーンに組込まれた一体化方式ではない。
また、どの部分においてもパレットはいずれかのチェーンに個々に連結されていると共に、走行レール内に挟持されているためパレット1はチェーンから外れない構造としている。
(1) 動力は一般的なチェーンを利用した単純構造である。
(2) チェーン張力が有効に駆動力として利用でき、耐久性が高い。
(3) 加速減速部でのチェーン速度は、全体の連結が最も強調できる押し金具の「効果的な傾斜角」を維持できる配置でチェーンピッチが決定され、速度が設定され、併せて押し金具の一部がチェーンの走行軌跡と異なるスキップレール内を走行することにより、自由な加速減速速度や変化量を発生させる独特な機構である。
(4) 構造が単純であり、メンテナンス費用の削減、軽量化が期待できる。
(5) 水平部パレットのピッチP1よりも加速減速域のチェーンピッチP2が広いことにより、パレットの位置変化量に滑らかに追随しつつ推進力を維持できる。
(6) 高速部のチェーンを変更することにより、機長変更に対応可能である。
(7) 加速部、減速部は個別に加速減速速度を変更することが可能である。
さらに、チェーンやレールの軌跡の変化や位置の変化によって被移動体102を加速又は減速するので、アナログ的に加減速しながら、強い駆動力を得ることができる。
6 上側コム、 10、110 駆動装置、 11 パレット反転ホイール、
11a 凹溝、 12 第1低速チェーン駆動装置、
12a、14a、16a チェーン、12b 駆動金具、
13a、13b 加速チェーン駆動装置、 14 高速チェーン駆動装置、
14b 駆動金具、 15a、15b 減速チェーン駆動装置、
16 第2低速チェーン駆動装置、16b 駆動金具、
17、18、19 チェーン、20 ガイド装置、
22 走行支持ローラ案内装置、23 姿勢ローラ案内装置、
24 パレット反転装置、25、26、30 スキップレール、
27、28、31、32 接続案内補助レール、
35、37 走行支持ローラ案内レール、36、38 姿勢ローラ案内レール、40 スライド押し金具(U字型部材)、41 スイングヨーク、
42 連結シャフト、 44 スライドローラ、45 ガイドローラ、
46 スキップローラ、 47、48 チェーン走行ローラ、
50 走行支持ローラ、 51 姿勢ローラ、 53 パレット駆動軸、
58 リングレール、 59 浮上り防止レール、
60、61 チェーン走行レール、65 姿勢ローラ反転支持レール、
66 スライドローラ反転支持レール、 100 加減速装置、
19cスプロケット、19d テークアップスプロケット、
19e 加減速装置テークアップスプロケット
101 加減速エスカレータ、 102 被移動体、103 駆動軸、
112 低速チェーン駆動装置、 112a チェーン、112b 駆動金具、
112c スプロケット、 112d、112e テークアップスプロケット、
114 高速チェーン駆動装置、114a チェーン、 114b 駆動金具、
114c スプロケット、
114d 高速チェーンテークアップスプロケット、
114e テークアップスプロケット
Claims (6)
- 所定の第1軌跡に沿ってエンドレスに案内されたチェーンと、
末端がチェーンに揺動可能に取り付けられ、中間部から先端までが互いに平行な2つの部材からなり、その間に細長いU溝を有するU字型部材と、
前記U字型部材のU溝内でスライドする駆動軸を有する被移動体とを備え、
前記被移動体に対する前記U字型部材の角度の変化と、
前記U字型部材のU溝内における前記駆動軸の位置の変化と、により前記被移動体を加速又は減速させる、ことを特徴とする加減速装置。 - 前記U字型部材に交差して設けられたスイングヨークと、
該スイングヨークを所定の第2軌跡に沿って案内するスキップレールと、
前記駆動軸を所定の軌跡に沿って案内する走行支持ローラ案内レールとを備え、
前記第1軌跡と第2軌跡との距離と位置関係の変化により前記U字型部材の角度を変化させ、
前記走行支持ローラ案内レールと前記第1軌跡との距離と前記U字型部材の角度により前記駆動軸の位置を変化させる、ことを特徴とする請求項1に記載の加減速装置。 - 請求項1に記載の加減速装置を備え、
前記被移動体はエスカレータ用のパレットであり、
前記駆動軸はパレット駆動軸であり、
前記パレット駆動軸に設けたスライドローラをU字型部材のU溝内でスライドさせながら、前記U字型部材を前記角度に変化させながら、前記チェーンに沿って駆動し、パレットを加速又は減速させる、ことを特徴とする加減速エスカレータ。 - 前記加減速装置は加速部のパレットを第1低速から高速まで加速する加速チェーン駆動装置と、減速部のパレットを前記高速から第2低速まで減速する減速チェーン駆動装置とからなる、ことを特徴とする請求項3に記載の加減速エスカレータ。
- 階下から階上まで、進行方向の順で、第1低速部、加速部、高速部、減速部、第2低速部に区分される速度領域に連続してエンドレスに配列され、それぞれ独立した複数のパレットと、
前記各パレットを前記配列に沿って案内するガイド装置と、
前記各パレットを、低速又は高速で駆動する駆動装置とを備え、
各パレットを前記第1低速部で所定の第1低速で駆動し、高速部で前記高速で駆動し、前記第2低速部で前記第2低速で駆動する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の加減速エスカレータ。 - 前記各パレットは、人が乗る水平な踏み板と、該踏み板の進行方向後縁端部から下方に斜めに延びる傾斜板とからなり、
前記各パレットは、踏み板に設けられ幅方向外方に延びるパレット駆動軸と、該パレット駆動軸に設けられた走行支持ローラ、スライドローラおよび傾斜板に設けられた姿勢ローラとを有しており、
前記ガイド装置は、前記走行支持ローラを前記配列に沿って案内する走行支持ローラ案内装置と、前記踏み板の上面を水平に保持するように姿勢ローラを案内する姿勢ローラ案内装置と、進行方向の両端部において各パレットを旋回させて反転するパレット反転装置と、からなり、
前記駆動装置は、第1低速部のパレットを前記第1低速で駆動する第1低速チェーン駆動装置と、高速部のパレットを前記高速で駆動する高速チェーン駆動装置と、第2低速部のパレットを前記第2低速で駆動する第2低速チェーン駆動装置と、からなる、ことを特徴とする請求項4に記載の加減速エスカレータ。
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