JP5107485B2 - 加減速式手摺駆動装置 - Google Patents
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Description
また、手摺乗継部で手摺から手を離さない場合、柔らかい手袋や袖口が手摺乗継部に巻き込まれるおそれもあった。
特許文献7の手摺装置は、加速及び減速をショックなしに無段階で行うことができ、乗込み口から降り口まで手摺を持ち替える必要がなく、柔らかい手袋や袖口であっても機構部分に巻き込まれるおそれがないものである。
特許文献8の手摺装置は、水平プレートを有する可変速式動く歩道に適用でき、全体として平板状のベルト形状が維持されるので、可変速式ではない従来の動く歩道の手摺ベルトと比較して、違和感が少なく、使い易いものである。
円板形プーリの間にエンドレスに掛けわたされた伸縮リンクチェーンと、
伸縮リンクチェーンの外側に取付けられ、その走行方向に間隔が無段階に伸縮する複数の可撓性手摺ベルト部材と、を備え、
伸縮リンクチェーンは、互いに直列に連結された複数の伸縮リンクからなり、各伸縮リンクは、長さ方向で自在に伸縮可能であり、かつそれぞれピボットを有しており、
さらに、ピボットを加速又は減速する加減速装置を備え、
加減速装置は、所定の第1軌跡に沿ってエンドレスに案内された第1軌跡チェーンと、末端が第1軌跡チェーンに揺動可能に取り付けられ外方に延びる棒状の第1押し金具とを有し、
第1押し金具の先端は、ピボットに着脱可能に係合するようになっており、
ピボットに対する第1押し金具の揺動角度の変化によりピボット間の距離を連続的に変化させて、ピボットを加速又は減速する、ことを特徴とする加減速式手摺駆動装置が提供される。
ピボットに対する揺動角度を変化させながら第1押し金具が第1軌跡に沿って回転することにより、ピボット間の距離を連続的に変化させ、伸縮リンクチェーンの走行方向速度の加速及び減速をショックなしに無段階で行うことができる。
図2Aは、本発明の加減速式手摺駆動装置2の詳細な平面図であり、図2Bは本発明の加減速式手摺駆動装置2の詳細な側面図である。
図3は、本発明の加減速式手摺駆動装置2の部分拡大図である。
図4Aは、第1押し金具128が固定部材123に対して垂直であるときの本発明の押し金具機構126の側面図であり、図4Bは第1押し金具128が固定部材123に対して第2押し金具132の方向に傾くときの本発明の押し金具機構126の側面図である。また、図4Cは第1押し金具128が図4Bの反対側に傾くときの本発明の押し金具機構126の側面図である。
以下、片側の手摺装置2のみを説明する。
さらに、伸縮リンクチェーン8は、互いに直列に連結された複数の伸縮リンク82からなり、ピボット84を有する。
以下、図1、図3、及び図5を使用し、本発明の伸縮リンクチェーン8について説明する。
伸縮リンクチェーン8は、1対の円板形プーリ6の間にエンドレスに掛けわたされ、その間をエンドレスに回転するようになっている。そして、伸縮リンクチェーン8は、互いに直列に連結された複数の伸縮リンク82からなる。各伸縮リンク82は、長さ方向(走行方向)で自在に伸縮可能に構成されている。また、各伸縮リンク82は、それぞれピボット84を有する。そして、ピボット84は可撓性手摺ベルト部材10に沿って平行に走行し、第1押し金具128の先端に着脱可能に係合する。
すなわち、加減速装置12の連結金具134が、伸縮リンク82のピボット84と係合してその走行方向にピボット84間の距離L1,L2,L3,L4を連続的に変化させ、伸縮リンクチェーン8を加速又は減速走行するようになっている。
ピボット84の距離L1,L2,L3,L4は、乗込み口側IN及び降り口側OUT(低速側)が短く、中間部(高速側)に向けて大きくなっている。
駆動リンク86の中央はピボット84と一体であり、上方に延び中央撓みブッシュ92を介して補助リンク88に回転可能に連結する軸83を有している。中央撓みブッシュ92及び端部撓みブッシュ90は、ピボット84間の距離の変化、又は円板形プーリ6の外周に沿って伸縮リンク82が最も縮まった状態で円弧状に曲がる際に生じる駆動リンク86と補助リンク88の連結部の芯ズレΔ1,Δ2,Δn、およびΔa,Δb,Δmを吸収する十分な撓み量を有する。
櫛歯部材104は、走行方向に対して前後に張り出して複数延び、中央が可撓性手摺平板部材102の上面に幅方向に間隔を隔てて一体成型されている。また、櫛歯部材104は、隣接する複数の可撓性手摺平板部材102が近接時に、重ならないように幅方向に互い違いに位置する。すなわち、図6Cに示すように、櫛歯部材104の可撓性手摺平板部材102に固定される位置の違いによって、可撓性手摺ベルト部材10は、可撓性手摺ベルト部材10A,10B,10C,10Dの4種類が存在する。そして、可撓性手摺ベルト部材10は、4種類の可撓性手摺ベルト部材10A,10B,10C,10Dを組み合わせることにより、ベルト形状を形成している。
また、櫛歯部材104の高さ方向の幅は、中央から両端部にかけて漸減することが好ましい。この構造により、円板形プーリ6の周囲を可撓性手摺ベルト部材10が回転する際に、櫛歯部材104の両端が隣接した櫛歯部材104の上面より外側に飛び出すことなく、平坦である。
図7Cは、加速部と減速部の本発明の伸縮リンクチェーン8と可撓性手摺ベルト部材10の幅方向断面図であり、図7Dは、加速部と減速部の本発明の可撓性手摺平板部材102と伸縮リンクチェーン8を上方から見た説明図である。
図7Eは、高速部の本発明の伸縮リンクチェーン8と可撓性手摺ベルト部材10の幅方向断面図であり、図7Fは、高速部の本発明の可撓性手摺平板部材102と伸縮リンクチェーン8を上方から見た説明図である。
可撓性手摺ベルト部材10は、伸縮リンクチェーン8の外側に取付けられ、その走行方向に間隔が無段階に伸縮する。
各可撓性手摺ベルト部材10は、可撓性手摺平板部材102と複数の櫛歯部材104の一体成型品で、可撓性手摺ベルト走行案内フレーム11に案内され走行する。
本発明の可撓性手摺平板部材102は、その下面に走行方向に対する幅方向に延びる長穴103を有し、この長穴103に駆動リンク86から延びる2本の駆動ロッドピン85が嵌合している。駆動ロッドピン85は、伸縮リンクチェーン8の伸縮により、長穴103内で、幅方向にスライドしながら駆動力を伝えることができる。
この構成により、伸縮リンク82の伸縮を許容しながら、可撓性手摺平板部材102を走行方向に常に直交に維持することができる。
図9は、図4AのB−B矢視図である。
以下、図1、図4、図8、及び図9を使用し、本発明の加減速装置12について説明する。
加減速装置12は、ピボット84を加速又は減速する。加減速装置12は、加速部と減速部に備えられ、第1軌跡チェーン走行レール121、第1軌跡チェーン122、スキップレール124、及び複数の押し金具機構126を備える。
また、図1に示すように、本発明の加減速装置12において、下側乗り口では、上側面が加速装置となっており、下側面が減速装置となる。
加減速装置12は、低速部のチェーン速度V1と高速部のチェーン速度V3の速度差を、加減速装置12チェーン速度V2を一定に保ったまま、しかも、滑らかなに加減速されなければならない。その滑らかな動きの加減速は、第1押し金具128の動きによって調整される。
すなわち、図8に示す通り、上りエスカレータの加速部の加減速装置12の場合、ピボット84の速度がチェーン速度V2と等しくなるまで、第1押し金具128は進行方向と逆方向に傾斜し(減速作用範囲H)、ピボット84をV1からV2まで漸増させる。そして、ピボット84の速度とチェーン速度V2との差が0になるポイント(J点)から下流側(加速作用範囲I)では、第1押し金具128が、ピボット84の進行方向と同じ方向に傾斜し、V3まで加速させる。
また、逆転時は、加減速装置の機能は減速装置となり逆になるが、減速動作は上記と同じである。
第1押し金具128は、外方に延びる棒状の金具であり、末端が第1軌跡チェーン122に揺動可能に取り付けられている。
すなわち、第1押し金具128の末端は、手摺装置2の幅方向に延びる連結軸129に、固く連結固定されている。また、連結軸129の一端が第1軌跡チェーン122の固定部材123を回転可能に貫通することにより、第1押し金具128の末端は、固定部材123に揺動可能に取り付けられている。また、連結軸129の一端には、第1押し金具128に交差して、スイングヨーク130が連結固定により設けられている。
また、第1押し金具128の先端には、ピボット84が着脱可能に係合するよう連結金具134が装備されている。そして、連結軸129を中心として第1押し金具128とスイングヨーク130とが一体に回転する。
また、スイングヨーク130の他端には、スキップローラ131が回転自在に備えられている。そして、第1押し金具128は、第1軌跡チェーン走行レール121とスキップレール124との距離と位置関係の変化により、揺動角度を変化させながら、第1軌跡に沿って回転する。それにより、加減速装置12は、ピボット84間の距離を連続的に変化させ、伸縮リンクチェーン8の走行方向速度の加速および減速をショックなしに無段階で行うことができる。
なお、ピボット84は、伸縮リンクチェーン8を構成するため連続しており、全ての連結金具134と係合していない部分があっても、前後に係合したピボット84によって加減速部の所要の駆動力が維持可能である。そのため、加速部と減速部に位置するピボット84の全てが第1押し金具128の先端の連結金具134に係合されていなくても良い。ここでは、図1、図2、及び図3に示すように、3個毎にピボット84が第1押し金具128の先端の連結金具134に係合された場合を例示している。
しかし、これに限らず、4個以上のピボット84毎に係合されていてもよい。
すなわち、連結軸129と平行に延び両端が固定部材123に固定された下部ピン139に、第2押し金具132の末端が揺動可能に取り付けられている。
また、連結金具134は、第1押し金具128の先端と第2押し金具132の先端とをピン137,138で連結し、その上面に、ピボット84が着脱可能に嵌る(以下、嵌合接続とする)窪み136を備える。
すなわち、固定部材123、第1押し金具128、第2押し金具132、及び連結金具134はリンク機構を形成し、スイングヨーク130の傾きの変化によって、第1押し金具128と第2押し金具132の傾きを変化させる。そのため、加減速装置12は、押し金具機構126のリンク機構によって、駆動力をピボット84に対し直角に発生させることができる。
すなわち、等速駆動装置14は、ピボット84を第1低速部で所定の第1低速で駆動し、高速部で高速で駆動し、第2低速部で第2低速で駆動する。
この図に示すように、等速駆動装置14は、第1低速部と第2低速部のピボット84を所定の第1低速で駆動する低速チェーン駆動装置142と、高速部のピボット84を前記高速で駆動する高速チェーン駆動装置144とからなる。
また、この図において、ピボット84が3個毎に加減速装置12の第1押し金具128の先端に係合されているので、P1は第1低速チェーン駆動装置142の駆動金具142bのピッチ、P2は加減速装置12の第1押し金具128のピッチ、P3は高速チェーン駆動装置144の駆動金具144bのピッチであり、ピッチP3>P2/3>P1となっている。
チェーン速度は、第1低速部(乗り口)V1、加速部V2、高速部V3、減速部V2、第2低速部(降り口)V1である。乗り口と降り口の速度V1値は、この例では同じであるが相違してもよい。
すなわち、図1と図2に示されるように、低速チェーン駆動装置142のチェーン142aは、円板形プーリ6と2つのスプロケット142c,142dにエンドレスに掛けられ、低速度V1で回転する。
そして、階下の第1低速部の上側と下側に位置する複数のピボット84を水平かつ一定の低速度V1で駆動する。
また、第1軌跡チェーン122の速度V2は、ピボット84の最短ピッチP1に対する第1押し金具128の取り付けピッチP2の1/3の長さ比だけ速い一定速度で走行する。すなわち、加速部と減速部のチェーン速度V2は数式(1)で表すことができる。
V2=V1×{(P2/3)/P1} ・・・(1)
また、さらには、本加減速装置12を直列に並べれば、本作動原理からさらに大きい加減速速度、および加減速長さが可能となり、利用分野に合わせた形態が可能となる。
ピボット84に対する揺動角度を変化させながら第1押し金具128が第1軌跡に沿って回転することにより、ピボット84間の距離を連続的に変化させ、伸縮リンクチェーン8の走行方向速度の加速及び減速をショックなしに無段階で行うことができる。
4 加減速エスカレータ、6 円板形プーリ、
8 伸縮リンクチェーン、
82 伸縮リンク、83 軸、84 ピボット、
85 駆動ロッドピン、
86 駆動リンク、88 補助リンク、
90 端部撓みブッシュ、92 中央撓みブッシュ、
11 可撓性手摺ベルト走行案内フレーム、
10 可撓性手摺ベルト部材、
102 可撓性手摺平板部材、103 長穴、
104 櫛歯部材、
12 加減速装置、
121 第1軌跡チェーン走行レール、
122 第1軌跡チェーン、
122a,122b,122c スプロケット、
123 固定部材、
124 スキップレール、125 連結部材、
126 押し金具機構、128 第1押し金具、
129 連結軸、
130 スイングヨーク、131 スキップローラ、
132 第2押し金具、134 連結金具、
136 窪み、137,138 ピン、
139 下部ピン、
14 等速駆動装置、
142 低速チェーン駆動装置、
142a チェーン、142b 駆動金具、
142c,142d スプロケット、
144 高速チェーン駆動装置、
144a チェーン、144b 駆動金具、
144c,144d,144e,144f スプロケット、
L1,L2,L3,L4 ピボットの距離、
P1 第1低速チェーン駆動装置の駆動金具のピッチ、
P2 加減速装置の第1押し金具のピッチ、
P3 高速チェーン駆動装置の駆動金具のピッチ、
IN 乗込み口側、OUT 降り口側
Claims (5)
- 乗込み口側と降り口側にそれぞれ設けられ水平軸を中心に回転する1対の円板形プーリと、
円板形プーリの間にエンドレスに掛けわたされた伸縮リンクチェーンと、
伸縮リンクチェーンの外側に取付けられ、その走行方向に間隔が無段階に伸縮する複数の可撓性手摺ベルト部材と、を備え、
伸縮リンクチェーンは、互いに直列に連結された複数の伸縮リンクからなり、各伸縮リンクは、長さ方向で自在に伸縮可能であり、かつそれぞれピボットを有しており、
さらに、ピボットを加速又は減速する加減速装置を備え、
加減速装置は、所定の第1軌跡に沿ってエンドレスに案内された第1軌跡チェーンと、末端が第1軌跡チェーンに揺動可能に取り付けられ外方に延びる棒状の第1押し金具とを有し、
第1押し金具の先端は、ピボットに着脱可能に係合するようになっており、
ピボットに対する第1押し金具の揺動角度の変化によりピボット間の距離を連続的に変化させて、ピボットを加速又は減速する、ことを特徴とする加減速式手摺駆動装置。 - 加減速装置は、第1押し金具に交差して設けられたスイングヨークと、
スイングヨークを所定の第2軌跡に沿って案内するスキップレールと、
末端が第1軌跡チェーンに揺動可能に取り付けられ第1押し金具と平行に揺動する第2押し金具と、
第1押し金具の先端と第2押し金具の先端とを連結し、ピボットが着脱可能に嵌る連結金具と、を備え、
第1軌跡と第2軌跡との距離と位置関係の変化により第1押し金具の揺動角度を変化させる、ことを特徴とする請求項1に記載の加減速式手摺駆動装置。 - 伸縮リンクは、ピボットに中央が回転可能に連結された同一長さの駆動リンク及び補助リンクと、隣接する駆動リンクと補助リンクの端部を回転可能に連結する端部撓みブッシュとからなり、
駆動リンクの中央はピボットと一体であり、上方に延び中央撓みブッシュを介して補助リンクに回転可能に連結する軸を有し、
中央撓みブッシュ及び端部撓みブッシュは、ピボット間の距離の変化、又は円板形プーリの外周に沿って伸縮リンクが最も縮まった状態で円弧状に曲がる際に生じる駆動リンクと補助リンクの連結部の芯ズレを吸収する十分な撓み量を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の加減速式手摺駆動装置。 - 各可撓性手摺ベルト部材は、走行方向に直交して伸縮リンクチェーンの外側に取り付けられ走行方向に対する幅方向両端が下面にむけて湾曲している固定型の可撓性手摺平板部材と、
走行方向に対して前後に張り出して延び中央が可撓性手摺平板部材の上面に幅方向に間隔を隔てて固定される複数の櫛歯部材とからなり、
櫛歯部材は、隣接する複数の可撓性手摺平板部材が近接時に、重ならないように幅方向に互い違いに位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の加減速式手摺駆動装置。 - 各ピボットを、低速又は高速で駆動する等速駆動装置を備え、
ピボットは、階下から階上まで、進行方向の順で、第1低速部、加速部、高速部、減速部、第2低速部に区分される速度領域に連続してエンドレスに配列され、
等速駆動装置は、各ピボットを第1低速部で所定の第1低速で駆動し、高速部で高速で駆動し、第2低速部で第2低速で駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載の加減速式手摺駆動装置。
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