JP2006264872A - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来どおりにトラス寸法を変えずに、適度な容量の中間駆動装置を設置できるようにして、設置スペースの増加や中間部の駆動装置数の増加によるコスト高等の問題を解決した、効率のよい分散駆動形の乗客コンベアを可能とする。
【解決手段】 踏段ローラ6、7を有する複数の踏段2と、複数の踏段2のそれぞれと連結して循環移動する踏段チェーン8と、トラスの中間部に設けられて踏段2の踏段ローラ6、7を案内するガイドレール13a、13b、14a、14bと、トラスの中間部に設けられて踏段チェーン8に駆動力を伝達する中間駆動装置12と、を備える乗客コンベアである。この踏段2の帰路側の移動経路に、前記踏段2の帰路側の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 踏段ローラ6、7を有する複数の踏段2と、複数の踏段2のそれぞれと連結して循環移動する踏段チェーン8と、トラスの中間部に設けられて踏段2の踏段ローラ6、7を案内するガイドレール13a、13b、14a、14bと、トラスの中間部に設けられて踏段チェーン8に駆動力を伝達する中間駆動装置12と、を備える乗客コンベアである。この踏段2の帰路側の移動経路に、前記踏段2の帰路側の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間が形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、中間部に駆動装置を設けた乗客コンベアに係り、特に、この駆動装置の設置空間を確保することのできる乗客コンベアに関する。
エスカレータや動く歩道といった乗客コンベアは、前後に踏段ローラが設けられた複数の踏段を備えている。これらの踏段は、踏段チェーンによって無端状に連結され、この踏段チェーンを駆動することによって一方の乗降口と他方の乗降口との間を全ての踏段が同期して隙間なく循環移動するように構成されている。エスカレータにおいては、各踏段が、往路側の行程ではトラス内に設置された踏段ガイドレールに各ローラが支持されつつ案内されることによって、踏板部分が水平に保たれながら、乗口付近及び降口付近では水平方向に移動し、乗口付近から降口付近に至る中間部では、約30度程度の昇降勾配方向に移動するようになっている。そして上階部又は下階部の折り返し部で反転レールにより踏段の各ローラが案内されて、踏段の進行方向及び踏段の姿勢が反転される。帰路側の行程においては、踏段が、トラス内で前記往路側の踏段ガイドレールよりも下方に設けられた帰路側の踏段ガイドレールより踏段の各ローラが案内されて移動するようになっている。
前記踏段を連結する踏段チェーンを駆動する駆動装置としては、上階側の乗口付近または降口付近の機械室内に設けられ、踏段チェーンの折り返し端部に設けられたスプロケットで駆動するタイプの装置が採用されることが多い。
また、別の駆動装置としては、トラスの中間部に設けられ、踏段チェーンと噛み合うラックなどで駆動するタイプのものもある。このトラスの中間部に設けられた駆動装置では、踏段チェーンの折り返し部でのローラ反力が階高に関係なく一定であり、階高に関わらず所定の強度の部品を用いることができるという利点があるとされている。
さらに、階高が大きいエスカレータにおいては、前記踏段チェーンの折り返し端部をスプロケットで駆動するタイプの駆動装置と、前記トラスの中間部に設けられる駆動装置とを、組み合わせて用いることも提案されている。これは、階高が大きい場合は、踏段チェーンにかかる負荷が大きいため、踏段チェーン折り返し端部の駆動装置だけでは十分な駆動力を伝達できない場合があり、また、階高が大きいエスカレータのみならず、移動距離の長い動く歩道等においても、踏段チェーン折り返し端部の駆動装置だけでは十分な駆動力を伝達できない場合があるためである。そこで、このような場合に、長尺な踏段チェーンおよびこの踏段チェーンに連結された一連の踏段を動かすために、長い踏段チェーンの途中(踏段チェーンが方向を変えて折り返す端部以外の部分)で駆動力を与えることのできる駆動装置を分配配置することが提案されている。
このような、トラスの中間部に駆動装置を設けた乗客コンベアについては、例えば特許文献1や特許文献2に開示がある。特許文献1では、中間部に設けられた駆動装置の駆動ピニオンと踏段チェーンのリンクプレート部に形成されたラックとを噛み合わせることにより、駆動装置の駆動力を、踏段チェーンに伝達させるようになっている。また、特許文献2では、歯付きチェーンのような特殊なチェーンを用いることなく標準的な踏段チェーンを利用して、トラスの中間部に設けられた駆動装置から駆動力を伝達するために、その駆動装置について、回転駆動装置から偏心軸を介して揺動体が取り付けられ、この揺動体にはトコロイド歯形をもつ転動歯が設けられ、この揺動体が回転駆動装置の回転運動の伝達により揺動運動しつつ、その転動歯と踏段チェーンとが噛み合うことにより、踏段チェーンに推力を与えるようにしている。
図5は、上述した中間部に駆動装置が設けられると共に、上階側の端部の機械室内にも駆動装置が設けられた乗客コンベアの概略図である。同図において、乗客コンベア51は、利用者を乗せる踏板52と、この踏板52の一端部と接続する蹴上げ板53と、この踏板52及び蹴上げ板53が取り付けられたフレームに設けられた前輪ローラ54及び後輪ローラ55と、を備える複数の踏段56を備えている。これらの踏段56の各前輪ローラ54は、無端状の踏段チェーン57に所定ピッチで連結されている。踏段チェーン57は、上階側に設けられた駆動装置58から動力が伝達される駆動輪59と、下階側に設けられた従動輪60とに巻きつけられて、前記駆動輪59と前記従動輪60との間を循環移動する。さらに、モータ61を有する中間駆動装置62が、乗客コンベア51の中間傾斜部に設けられ、踏段チェーン57と係合して動力を伝達している。図5では、中間駆動装置62について、特許文献2に記載されているような、転動歯を有する揺動体の揺動運動により、踏段チェーン57に推力を与える中間駆動装置62を示している。
前記踏段チェーン57の循環移動に伴い、踏段56は、前輪ローラ54が往路側前輪ガイドレール63aおよび帰路側前輪ガイドレール63bに案内され、後輪ローラ55が往路側後輪ガイドレール64aおよび帰路側前輪ガイドレール64bに案内されて、循環移動することになる。
前記中間駆動装置62は、往路を移動する踏段56と帰路を移動する踏段56との間に配設され、特にモータ61及びモータ61の動力を伝達するための図示しない減速機構等は、往路側の踏段56の蹴上げ板53下端部と帰路側の踏段66の蹴上げ板53下端部とに挟まれる空間(図のX寸法)に収められている。
特開昭61−166492号公報
特開2002−128441号公報
高階床の乗客コンベアを構成しようとしたときに、駆動装置を上階機械室に1台のみで配設して、その容量を大きくして対応しようとした場合には、大きな容量の駆動装置を設けるためには上階機械室のトラス寸法を大きくするなどの必要があり、さらに大容量の駆動装置やそれにあわせた強度を有するチェーンや駆動輪等は汎用性が無く、コストや入手性に問題があった。
そのため、近年では前掲特許文献1や特許文献2等に提案されるような、乗客コンベアの中間部に複数台の駆動装置を設置する技術が盛んに開発されている。
しかし、中間部に駆動装置を設置するためには、前述したように、モータや減速機などの駆動装置を構成する用品を、往路側を移動する踏段と帰路側を移動する移動する踏段との間の空間に収めなければならない。
よって、乗客コンベアの中間部に駆動装置を設置する従来の乗客コンベアにおいては、従来どおりのトラス寸法では、往路側及び帰路側の踏段間の空間に収容可能な、小さい容量の駆動装置しか収めることができなかった。そのため、十分な駆動力を確保するためには中間部に設置する駆動装置の台数を増やすか、トラスの中間部における深さ方向の寸法を大きくすることで往路及び帰路を移動する踏段の間を広げて、ある程度容量のある駆動装置を収めるしか方法がなかった。
しかしながら、中間部に設置する駆動装置の台数を増やすのではコストの増加を招き、また、メンテナンスの作業も増える。一方、トラスの中間部における深さ方向の寸法を大きくするのでは、新たに設計を変更することを要し、また、既設のエスカレータのトラス構造を改造するのは困難である。
そこで、本発明は、従来どおりにトラス寸法を変えずに、適度な容量の駆動装置を適当数設置することで、設置スペースの増加や中間部の駆動装置数の増加によるコスト高等の問題を解決した、効率のよい分散駆動形の乗客コンベアを可能とする乗客コンベアを提供することを目的としている。
本発明の乗客コンベアは、踏段ローラを有する複数の踏段と、前記複数の踏段のそれぞれと連結して一方の乗降口と他方の乗降口との間を循環移動する踏段チェーンと、前記踏段チェーンの移動経路に沿ってトラスの中間部に設けられ、前記踏段の踏段ローラを案内する往路側及び帰路側のガイドレールと、前記往路側及び帰路側のガイドレールに従って移動する前記踏段の往路側と帰路側との間に設けられ、前記踏段チェーンに駆動力を伝達する中間駆動装置と、を備え、前記踏段の帰路側の移動経路に、前記踏段の帰路側の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、中間部に駆動装置を設置する乗客コンベアにおいて、踏段の帰路側の移動経路に、前記踏段の帰路側の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間が形成されていることにより、従来どおりのトラス寸法を変えずに、従来よりも大きな、適度な容量の駆動装置を適当数設置することができることから、設置スペースの増加や中間部の駆動装置数の増加によるコスト高等の問題を解決し、効率の良い乗客コンベアを構成できる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の乗客コンベアの第1の実施形態として、エスカレータの一例を、その中間部に設けられた駆動装置付近の要部で示した側面図である。
図1は、本発明の乗客コンベアの第1の実施形態として、エスカレータの一例を、その中間部に設けられた駆動装置付近の要部で示した側面図である。
同図に示す乗客コンベア1は、複数の踏段2を備えている。この踏段2のそれぞれは、側面の外形が概略扇形を有するフレーム3と、このフレーム3に取り付けられ、乗客が乗る踏面を有する踏板4と、この踏板4の一端部と接続して前記フレーム3の円弧部に取り付けられる蹴上げ板5と、前記フレーム3に回動可能に取り付けられた踏段ローラとして、フレーム3の前端近傍に設けられた前輪ローラ6及びフレーム3の後端近傍に設けられた後輪ローラ7とを備えている。これらの踏段2の各前輪ローラ6は無端状の踏段チェーン8により所定ピッチで連結されている。
図1で模式的に示している踏段チェーン8は、ピンローラを有するチェーンであって、この踏段チェーン8は、モータ11より駆動力が伝達された中間駆動装置12により駆動される。なお、踏段チェーン8は、前記中間駆動装置12に加えて、図示しない上階側の機械室に設けられた駆動装置によっても駆動されるようにすることもできる。
中間駆動装置12は、モータ11からの回転駆動力が伝達された偏心軸12aをそなえ、この偏心軸の回転により中間駆動装置12全体が踏段チェーン8のピン間隔と同一量で揺動するようになっている。そして、中間駆動装置の上端部には、トコロイド形状の歯12bが前記踏段チェーン8のピンに噛み合ように形成されていて、前記中間駆動装置12が前記偏心軸の回転に伴い揺動することにより、トコロイド形状の歯12bから、この歯12bと噛み合う踏段チェーン8のピンに推進力が伝達されて、踏段チェーン8が駆動される。このような中間駆動装置12は、特許文献2に記載されているものである。なお、本発明の乗客コンベアは、中間駆動装置の駆動機構については、図1や特許文献2に開示されたものに限られず、乗客コンベアの中間駆動装置として従来から用いられている他の中間駆動装置を用いることもできる。
踏段チェーン8の循環移動に伴い、この踏段チェーン8と連結している各踏段2は、往路側では前輪ローラ6が前輪ガイドレール13aにより案内され、後輪ローラ7が後輪ガイドレール14aにより案内されて、各踏段2の踏板4が水平に維持された状態で移動する。また、帰路側では、各踏段2は、前輪ローラ6が前輪ガイドレール13bに案内され、後輪ローラ7が後輪ガイドレール14bにより案内されて移動する。
そして、本実施形態の乗客コンベアにおいては、踏段2の帰路側の移動経路に、前記踏段2の帰路側の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間が形成されている。この踏段姿勢変更区間は、中間駆動装置12が設置されている位置の近傍に設けられている。より具体的には、前記後輪ガイドレール14bについて、トラス内のモータ11及び中間駆動装置12が設けられている近傍の領域、すなわち、図1に示す踏段姿勢変化区間において、帰路側の後輪ガイドレール14bのトラスの内部における相対的位置が、この踏段姿勢変化区間の両側にある通常区間の高さよりも低い位置に配置されている。この帰路側の後輪ガイドレール14bの低さの程度は、図示した例においては、帰路側の後輪ガイドレール14b及び前輪ガイドレール13bとにより案内されている踏段2の踏板4の表面が、乗客コンベアの傾斜角度とほぼ平行な角度になるような踏段姿勢になる踏段(図1のSの踏段)の後輪の高さにあわせた位置である。さらに、帰路側の後輪ガイドレール14bは、通常区間と踏段姿勢変化区間との間を接続するように、踏段2の姿勢が移動に伴い次第に移り変わる領域として、緩やかな傾斜および曲線の組合せで構成されている遷移区間が設けられている。
この遷移区間は、後輪ローラ7の踏段姿勢変化区間への入口と出口に相当し、この遷移区間においては、踏段2の後輪ローラ7が、後輪ガイドレール14bの通常区間から踏段姿勢変化区間へ移行する過程、踏段姿勢変化区間から通常区間へ移行する過程で、スムーズに移動できるように、後輪ローラ7上側から案内するための押さえレール15が、前記後輪ガイドレール14bと平行に設けられている。
図2に、踏段姿勢変化区間における帰路側部分の断面図を示す。図2において、踏段2の前輪ローラ6は、踏段チェーン8の循環移動に従い、転動しながら前輪ガイドレール13b上を案内され、同様に後輪ローラ7は、転動しながら後輪ガイドレール14b上を案内される。符号16は乗客コンベアの外枠となるトラス部材であり、このトラス部材16から、踏段2の踏板4の側面に向けて固定部材17が突設され、この固定部材17の先端に、踏段2の踏板4側面に当接又は若干の隙間を有して近接するようにガイドローラ18が設けられている。このガイドローラ18は、踏段2の踏板4の両側面に向けてそれぞれ設けられ、かつ、踏段の進行方向に沿って単数又は複数個が設けられている。
以下に、図1及び図2に示した本実施形態の作用について説明する。
まず、図1に示す乗客コンベアにおいて、中間駆動装置12からの駆動力を伝達されて踏段チェーン8が循環移動すると、往路側では、踏段2が前輪ガイドレール13a及び後輪ガイドレール14aに案内され、踏段2の踏板4が常に床面と平行な踏段姿勢を保ちながら上下階を移動する。
一方、帰路側の通常区間では、踏段2は帰路側の前輪ガイドレール13bと後輪ガイドレール14bに案内されて、連結されて隣り合う踏段2は、前輪ガイドレール13bと後輪ガイドレール14bとの位置関係により、一方の踏段の踏板4の先端部と、他方の踏段2の踏板4の後端部とが離隔した状態(図1のP)の踏段姿勢で移動している。
踏段2が遷移区間を経て踏段姿勢変化区間に移動すると、この踏段姿勢変化区間では、帰路側の後輪ガイドレール14bの高さが、前述のとおり通常区間よりも相対的に低くなっていることにより、各踏段2の踏板4は、乗客コンベアの傾斜角度とほぼ平行となるように姿勢を変化させ、その姿勢のまま中間駆動装置12付近を通過する。
このとき、後輪ローラ7は、後輪ガイドレール14bに案内されるばかりでなく、遷移区間に設けられた押さえレール15にも上側から案内されることにより、強制的に帰路側の後輪ガイドレール14bに追従し、踏段2は確実に姿勢を変化する。
また、この踏段姿勢変化区間において、踏段2は、図2に示すように踏板4に当接又は近接配置されたガイドローラ18により幅方向に移動できないように拘束されているので、踏段2の表面に櫛状に形成された踏板4が、前後の踏段2の踏板4のクリートと常に噛み合った状態(図1のQ)で移動する。
以上により、本実施形態の乗客コンベアは、踏段姿勢変形区間では、通常区間に比べ、往路側の踏段2と帰路側の踏段2との間のスペースが、従来の乗客コンベアに比べて大きくなっている。すなわち、図1中で従来の乗客コンベアでは通常区間におけるスペースであるYの寸法と同じであったものが、踏段姿勢変形区間の寸法Y’に拡大されることから、中間駆動装置12及びそれを駆動するモータ11のための設置スペースが増加する。したがって、本実施形態によれば、中間部に中間駆動装置12を設置した乗客コンベアにおいて、往路側と帰路側の踏段2間のスペースを広くとれるので、大きな容量のモータを有する中間駆動装置12の設置が可能となり、少ない駆動装置の数でより高い階床の乗客コンベアの踏段を駆動することができる。これにより、駆動装置の数が少なくなることによるコストの低減、駆動装置の調整・点検時間の削減などの利点がある。
また、トラス深さを大きくする必要がないので設置スペースの増加を防ぐことができ、既存の乗客コンベアにも適用することができる。
また、踏段姿勢変更区間を、帰路側の前輪ガイドレール13bの高さは変更することなく、後輪ガイドレール14bの改良で達成することができ、改良に要する作業に対して得られる効果が大きい。
また、踏段姿勢変更区間における後輪ガイドレール14bの高さについて、前記後輪ガイドレール14bにより帰路側の後輪ローラ7が案内される踏段2の踏板4表面が、乗客コンベアの傾斜角度とほぼ平行の踏段姿勢になるような高さとすることにより、既存の踏段2をそのまま用いることができる。
また、踏段姿勢変化区間と通常区間との間に、前記遷移区間を備えることにより、踏段2は、後輪ガイドレール14bに案内されて、通常区間から踏段姿勢変化区間へと滑らかに移行することができ、また、踏段姿勢変化区間から通常区間へと滑らかに移行することができる。
また、押さえレール15が配置されることにより、踏段姿勢変化区間前後での移行過程で後輪ローラ7は強制的に帰路側の後輪ガイドレール14bに追従し、踏段2が確実に姿勢を変化することができる。
また、踏段姿勢変化区間では、前述したように踏段2の表面に櫛状に形成された(クリートが形成された)踏板4が、前後の踏段2の踏板4のクリートと常に噛み合った状態(図1のQ)で移動するが、図2に示すように、前記ガイドローラ18によって、踏段2は、踏段2の幅方向の変位が拘束されているため、前後の踏段2が、幅方向に相対移動することはなく、よって、噛み合っている櫛状部分が互いに接触して破損するおそれはない。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の乗客コンベアの第2の実施形態を示す踏段姿勢変化区間における帰路側部分の断面図を示している。
図3は、本発明の乗客コンベアの第2の実施形態を示す踏段姿勢変化区間における帰路側部分の断面図を示している。
なお、同図において、第1の実施の形態を図示した図2と同一部材については同一の符号を付しており、以下では、重複する説明を省略する。
図3に示す本実施形態の乗客コンベアにおいては、トラス部材16から、踏段2の踏板4側面に向けて固定部材17が設けられ、この固定部材17の先端に、踏段2の踏板4側面に当接又は若干の隙間を有して近接するように低摩擦樹脂等で構成されるガイド部材19が設けられている。このガイド部材19は、踏段2の踏板4の両側面に向けてそれぞれ設けられ、かつ、踏段の進行方向に沿って単数又は複数個が設けられている。
なお、図3に示す本実施形態においても、図1に示すような踏段姿勢変化区間が設けられおり、この踏段姿勢変化区間が設けられていることによって、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図3に示した本実施形態においては、ガイド部材19が踏段の幅方向の変位を拘束することから、第1の実施例と同様に、前後の踏段について、噛み合っている櫛状部分が互いに接触して破損するおそれはない。
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の乗客コンベアの第3の実施形態を示す踏段姿勢変化区間における帰路側部分の断面図を示す。
図4は、本発明の乗客コンベアの第3の実施形態を示す踏段姿勢変化区間における帰路側部分の断面図を示す。
図4において、図2及び図3と同一の部材については、同一の符号を付して、以下では重複する記載を省略する。
同図では、帰路側の後輪ガイドレール14bの側面に、踏段2の後輪ローラ7に当接又は若干の隙間を有して近接するように配置された低摩擦樹脂等で構成されるプレート部材20が取付けられている。プレート部材20は、踏段2の踏板4の両側面に向けてそれぞれ設けられ、かつ、踏段の進行方向に沿って単数又は複数個が設けられている。
なお、図4に示す本実施形態においても、図1に示すような踏段姿勢変化区間が設けられおり、この踏段姿勢変化区間が設けられていることによって、第1の実施形態と同様の効果が得られる
このプレート部材20が設けられていることにより、プレート部材20は、踏段2の後輪ローラ7を介し、踏段2の幅方向の変位を拘束する。したがって、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、前後の踏段について、噛み合っている櫛状部分が互いに接触して破損するおそれはない。
このプレート部材20が設けられていることにより、プレート部材20は、踏段2の後輪ローラ7を介し、踏段2の幅方向の変位を拘束する。したがって、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、前後の踏段について、噛み合っている櫛状部分が互いに接触して破損するおそれはない。
1…乗客コンベア、2…踏段、3…フレーム、4…踏板、5…蹴上げ板、6…前輪ローラ(踏段ローラ)、7…後輪ローラ(踏段ローラ)、8…踏段チェーン、11…モータ、12…中間駆動装置、13a…往路側の前輪ガイドレール、13b…帰路側の前輪ガイドレール、14a…往路側の後輪ガイドレール、14b…帰路側の後輪ガイドレール、15…押さえレール、16…トラス部材、17…固定部材、18…ガイドローラ、19…ガイド部材、20…プレート部材
Claims (10)
- 踏段ローラを有する複数の踏段と、
前記複数の踏段のそれぞれと連結して一方の乗降口と他方の乗降口との間を循環移動する踏段チェーンと、
前記踏段チェーンの移動経路に沿ってトラスの中間部に設けられ、前記踏段の踏段ローラを案内する往路側及び帰路側のガイドレールと、
前記往路側及び帰路側のガイドレールに従って移動する前記踏段の往路側と帰路側との間に設けられ、前記踏段チェーンに駆動力を伝達する中間駆動装置と、を備え、
前記踏段の帰路側の移動経路に、前記踏段の帰路側の姿勢を変更させる踏段姿勢変更区間が形成されていることを特徴とする乗客コンベア。 - 前記踏段姿勢変化区間は、前記中間駆動装置が設置されている位置の近傍に設けられてことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
- 前記踏段姿勢変化区間は、帰路側の後輪の踏段ローラを案内するガイドレールの高さを、トラス内で通常区間の高さよりも相対的に低い位置に設置することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
- 前記踏段姿勢変化区間における前記ガイドレールの高さは、前記ガイドレールにより帰路側の後輪の踏段ローラが案内される踏段の踏板表面が、乗客コンベアの傾斜角度とほぼ平行の踏段姿勢になる高さであることを特徴とする請求項3に記載の乗客コンベア。
- 前記帰路側の後輪の踏段ローラを案内するガイドレールは、前記踏段姿勢変化区間と通常区間との間に遷移区間を備え、この遷移区間は、踏段姿勢変化区間と通常区間とを接続する緩やかな傾斜または曲線で構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の乗客コンベア。
- 前記踏段姿勢変化区間において、少なくともその入口と出口に、後輪の踏段ローラを上側から案内する押さえレールを配置したことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
- 前記踏段姿勢変化区間において、踏段の幅方向への変位を防ぐ変位防止機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベア。
- 前記変位防止機構は、踏板側面に当接又は若干の隙間を有して近接して設けた複数のローラであることを特徴とする請求項7に記載の乗客コンベア。
- 前記変位防止機構は、踏板側面に当接または若干の隙間を有して近接して設けた低摩擦樹脂等で構成されるガイド部材であることを特徴とする請求項7に記載の乗客コンベア。
- 前記変位防止機構は、踏段の前輪または後輪に当接または若干の隙間を有して近接して設けた低摩擦樹脂等で構成されるプレート部材であることを特徴とする請求項7に記載の乗客コンベア。
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