WO2004062022A1

WO2004062022A1 - 電気化学素子およびその製造方法

Info

Publication number: WO2004062022A1
Application number: PCT/JP2003/015755
Authority: WO
Inventors: Ken Nishimura; Naoto Arai; Toru Oshima; Fumio Daio; Munehisa Ikoma; Norio Saito; Hideo Kaiya
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2002-12-27
Filing date: 2003-12-09
Publication date: 2004-07-22
Also published as: US7833656B2; CN1774825A; EP1596459A1; CN100583515C; KR100677020B1; CN1732582A; EP1596459A4; CN1732587B; KR20050094825A; US20060035152A1; CN100356615C; CN1732587A

Abstract

　極板群を有する電気化学素子であって、前記極板群は、（ａ）少なくとも１つの第１電極、（ｂ）少なくとも１つの第２電極、および（ｃ）第１電極と第２電極との間に介在するセパレータからなり、前記第１電極は、第１集電体シートおよびこれに担持された少なくとも１つの第１電極合剤層からなり、前記第２電極は、第２集電体シートおよびこれに担持された少なくとも１つの第２電極合剤層からなり、前記第１集電体シートおよび前記第２集電体シートの少なくとも一方は、導電部と絶縁部とを有する電気化学素子。

Description

明細書電気化学素子およびその製造方法技術分野

本発明は、電気化学素子に関し、特にリチウムイオン二次電池などの高エネルギー密度を有する二次電池の極板群の改良に関する。背景技術

電子 ·電気機器の小型化 ·軽量化に伴い、二次電池などの電気化学素子に対する小型化 ·軽量化への要望が強まってきている。一方、現行の電気化学素子は、内部構造が複雑であり、一定容積あたりの製品が有する電気容量を向上させるには限界がある。

複雑な構造が、電気化学素子の信頼性の向上を妨げている面もある。例えば、電極に接続された集電のためのタブまたはリードが、電極面における均一な電極反応を妨げる場合がある。万一、リードの切断面に通常よりも大きな金属パリが生じた場合には、内部短絡の発生が懸念される。

電気化学素子は、一般に、正極、負極およびセパレ一夕からなる極板群を有する。.極板群には、積層型と捲回型がある。積層型の極板群は、正極と負極とをセパレー夕を介して交互に積層して得られる。また、捲回型の極板群は、長尺の正極と負極とをセパレー夕を介して捲回して得られる。このような極板群から短絡を起こさずに電気を取り出すには、集電のためのタブやリードが必要となる。

そこで、電気化学素子の内部構造を簡略化する観点から、極板群の側面の 1つから正極を突出させ、前記側面とは逆側の側面から負極を突出させ、タブやリードを介さずに、各側面から直接電気を取り出すことが提案されている。

例えば、積層型の極板群を有する電池では、突出させた同一極性の極板を、金属部材を用いて一体接合する技術が提案されている（特開 2 0 0 1 - 1 2 6 7 0 7号公報）。また、捲回型の極板群を有する電池では、突出させた同一極性の極板の芯材と板状の集電板とを接合する技術が提案されている（特開 2 0 0 0— 2 9 4 2 2 2号公報）。

しかし、極板群の側面の 1つから正極を突出させ、前記側面とは逆側の側面から負極を突出させる場合、極板群の製造工程が複雑になるため、 1つずつ極板群を作製しなければならず、複数の極板群を同時に作製することができないという問題がある。発明の開示

本発明は、上記状況を鑑みてなされたものである。本発明によれば、構造が簡略であり、信頼性が高く、高い電気容量を有する電気化学素子を提供することができる。また、本発明によれば、同時に複数の電気化学素子を効率的に製造することができる。

すなわち、本発明は、極板群を有する電気化学素子であって、前記極板群は、（ a ) 少なくとも 1つの第 1電極、（b ) 少なくとも 1つの第 2電極、および（ c ) 第 1電極と第 2電極との間に介在するセパレー夕からなり、第 1電極は、第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、第 2電極は、第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シ一トおよび第 2集電体シ一トの少なくとも一方は、導電部と絶縁部とを有する電気化学素子に関する。

前記電気化学素子は、さらに、第 1集電体シートと電気的に導通する第 1端子、および第 2集電体シ一トと電気的に導通する第 2端子を有し、極板群は、第 1端子が配される第 1側面および第 2端子が配される第 2 側面を有し、第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、第 1集電体シートの導電部は、第 1側面において第 1端子と接続され、第 1集電体シートの絶縁部は、第 2側面に配向しており、第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、第 2集電体シートの導電部は、第 2側面において第 2端子と接続され、第 2集電体シートの絶縁部は、第 1側面に配向していることが好ましい。

第 1側面と第 2側面とは、互いに極板群の反対側に位置することが好ましい。

第 1側面には、第 1端子と第 2電極とを絶縁するための第 1絶縁材料部が設けられており、第 2側面には、第 2端子と第 1電極とを絶縁するための第 2絶縁材料部が設けられていることが好ましい。

第 1側面および第 2側面以外の極板群の側面にも、第 1集電体シートの絶縁部および Zまたは第 2集電体シ一トの絶縁部が配されていてもよい。

導電部と絶縁部とを有する集電体シートは、シート状の絶縁性基材と、その少なくとも一方の面に形成された少なくとも一つの導電層とからなることが好ましい。導電部と絶縁部とを有する集電体シートの絶縁部は、絶縁性基材の一端部からなり、導電部は、導電層からなることが好ましい。

第 1端子および第 2端子は、例えば、第 1側面および第 2側面にそれぞれ金属などの導電性被膜を配することにより設けることができる。第 1集電体シートが絶縁部を有する場合には、その絶縁部を第 2端子に固定することが可能であり、第 2集電体シ一トが絶縁部を有する場合には、その絶縁部を第 1端子に固定することが可能である。本発明は、また、第 1電極と第 2電極とをセパレー夕を介して捲回した極板群を有する電気化学素子であって、第 1電極は、第 1集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、第 2電極は、第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シ一トおよび第 2集電体シ一トの少なくとも一方は、導電部と絶縁部とを有し、第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、第 1集電体シートの導電部は、極板群の第 1底面において第 1端子と接続され、第 1集電体シ一トの絶縁部は、極板群の第 2底面に配され、第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、第 2集電体シートの導電部は、極板群の第 2底面において第 2端子と接続され、第 2集電体シートの絶縁部は、極板群の第 1底面に配されている電気化学素子に関する。

本発明は、また、複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレ一夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ第 1集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ第 2集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シートおよび第 2集電体シートの少なくとも一方は、導電部と絶縁部とを有し、第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、第 1集電体シートの導電部は、極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、第 1集電体シートの絶縁部は、極板群の第 2側面に配され、第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、第 2集電体シートの導電部は、極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、第 2集電体シートの絶縁部は、極板群の第 1側面に配されている電気化学素子に関する。

前記電気化学素子においては、導電部と絶縁部とを有する集電体シ一トが、導電部の一部からなるとともに電極合剤層を担持しない第 1端部を有し、第 1端部において、導電部が第 1端子または第 2端子と接続しており、第 1端部の少なくとも一部は、第 1端子または第 2端子に埋没していることが好ましい。このような構成によれば、高い集電性能を得ることができる。一方、集電板を用い、電極の端部を集電板に接続する構成の場合には、電極と端部との接触面積が小さくなるため、上記構成に比べて、集電性能が低くなる傾向がある。さらに、導電性の低い電極合剤層と集電板とを接触させる場合、上記構成に比べて集電性能が不十分になる傾向がある。

また、導電部と絶縁部とを有する集電体シートが、絶縁部の一部からなるとともに前記電極合剤層を担持しない第 2端部を有し、第 2端部が、第 1側面または第 2側面に配向しており、第 2端部の少なくとも一部は、第 1端子または第 2端子に埋没していることが好ましい。

前記極板群が、さらに、第 3側面および第 4側面を有する場合、第 1 側面、第 2側面、第 3側面および第 4側面のそれぞれにおいて、第 1集電体シ一トの端部、第 2集電体シートの端部およびセパレ一夕の端部が、実質的に面一に配されていることが好ましい。そして、第 1集電体シ一トの片面あたりの面積 S ( 1 ) 、第 2集電体シートの片面あたりの面積 S ( 2 ) およびセパレー夕の片面あたりの面積 S ( s ) が、以下の関係： S ( 1 ) ≤ S ( s ) ≤ S ( 1 ) X I . 0 5、および

S ( 2 ) ≤ S ( s ) ≤ S ( 2 ) X I . 0 5を満たしていることが好ましい。このように簡略で均整のとれた構造によれば、電気化学素子の体積効率が高くなるとともに、信頼性も高くなる。

前記電気化学素子においては、また、第 1電極合剤層および第 2電極合剤層が、それぞれ絶縁材料で被覆された端部を有することが好ましい。そして、絶縁材料で被覆された第 1電極合剤層の端部は、第 2側面に配されており、絶縁材料で被覆された第 2電極合剤層の端部は、第 1側面に配されていることが好ましい。また、第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、第 1集電体シートの絶縁部は、絶縁材料で被覆された第 1電極合剤層の端部に隣接しており、第 2集電体シ一トが、導電部と絶縁部とを有する場合には、第 2集電体シートの絶縁部は、絶縁材料で被覆された第 2電極合剤層の端部に隣接していることが好ましい。このような構成によれば、極板群の側面に端子を設ける際に、短絡を防止することが容易となる。

本発明は、また、前記極板群を収容するケースを有する電気化学素子に関する。前記ケースの内面は、極板群の第 1側面および第 2側面と当接していることが好ましい。

前記ケースは、枠体および 2つの平坦なシートから構成することができる。この場合、枠体が、極板群を囲むとともに、第 1側面および第 2 側面と当接しており、 2つの平坦なシートは、枠体の 2つの開口面を覆つて極板群の上面および下面と当接していることが好ましい。

前記ケースは、また、有底容器および平坦なシートから構成することができる。この場合、容器が、極板群を収容するとともに、第 1側面および第 2側面と当接する側壁ならびに極板群の上面および下面の一方と当接する底部を有しており、平坦なシートは、容器の開口面を覆って極板群の上面および下面の他方と当接していることが好ましい。

第 1端子および第 2端子の少なくとも一方に、リード片が接続されており、リード片がケースの外部に導出されている場合、リード片は、前記枠体もしくは容器の側壁に設けられたスリットからケースの外部に導出されていることが好ましい。

前記電気化学素子においては、第 1端子および第 2端子の少なくとも一方として、以下を用いることができる。 ( a ) 粒子状金属が連続的に接合してなる多孔質金属膜。

( b ) 導電性ペースト。

( c ) 2 5 0 °C以下の融点を有する低融点金属。

ここで、前記導電性ペーストは、樹脂ならびに樹脂に分散した導電性材料からなり、導電性材料は、微粒子状およびまたは繊維状であることが好ましい。

前記電気化学素子において、導電部の一部からなるとともに電極合剤肩を担持しない集電体シ一トの第 1端部の少なくとも一部が、金属リ一ドが溶接されている第 1端子または第 2端子に埋没している場合、集電体シートの第 1端部と前記金属リ一ドとが接触していることが好ましレ最も外側の 2つの電極の集電体シ一卜の少なくとも一方が、両面に導電部を有するとともに、内側の電極と対向する一方の面のみに電極合剤層を担持している場合、他方の面の導電部は、前記第 1端子または前記第 2端子と電気的に導通して、ぞの端子の延長部として機能することができる。

本発明の電気化学素子において、極板群が第 3側面および第 4側面を有する場合、第 3側面および第 4側面の少なくとも 1つが、電子絶縁性の多孔性材料で覆われていることが好ましい。前記多孔性材料は、ポリォレフィン、ポリアルキレンオキサイド、フッ素ポリマーおよびセラミックスよりなる群から選ばれた少なくとも 1種からなることが好ましい。また、前記多孔性材料は、膜状部材またはペーストの塗膜からなることが好ましい。前記多孔性材料で覆われている極板群の側面においては、セパレー夕の端部と多孔性材料とが接合されていることが好ましい。セパレー夕の端部と多孔性材料とが接合される場合、多孔性材料とセパレ —夕とは、互いに同一の材料からなることが好ましい。

電極合剤層の端部が絶縁性材料で被覆されている場合、絶縁性材料は、樹脂塗膜および樹脂テープよりなる群から選択される少なくとも 1種からなることが好ましい。

樹脂塗膜は、絶縁樹脂を含む溶液または分散液を、電極合剤層の端部に塗工し、乾燥することにより、形成することができる。ここで、絶縁樹脂には、ポリエチレンォキシド、ポリプロピレンォキシド、ポリアクリロ二トリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメ夕クリル酸メチルおよびこれらの少なくとも 1つを含むコポリマー、ポリマーァロイもしくはポリマーブレンドよりなる群から選択される少なくとも 1種を用いることが好ましい。

また、樹脂塗膜は、重合性化合物を含む溶液または分散液を、電極合剤層の端部に塗工し、重合性化合物を重合させることにより、形成することができる。ここで、重合性化合物には、ァクリレート基およびメタクリレート基よりなる群から選択される少なくとも 1種の官能基を有する化合物を用いることが好ましい。

樹脂テープは、絶縁基材および前記絶縁基材に担持された絶縁性粘着剤からなることが好ましい。ここで、絶縁基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ夕レート、ポリエチレンナフタレート、ポリフエ二レンサルファイド、ポリイミド、ァラミド樹脂およびこれらの少なくとも 1つを含むコポリマー、ポリマーァロイもしくはポリマーブレンドよりなる群から選択される少なくとも 1種からなることが好ましい。

本発明は、また、（ a ) シ一ト状の絶縁性基材の両面に導電層を設けて第 1集電体シートおよび第 2集電体シートを得る工程、（b ) 前記第 1集電体シ一トおよび前記第 2集電体シートの前記導電層の上に、それぞれ複数個の第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を、平行に並ぶ帯状に間隙を設けて形成し、第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を得る工程、（ C ) セパレー夕を介して前記第 1電極の集合体および前記第 2電極の集合体を、前記第 1電極合剤層および前記第 2電極合剤層の長さ方向に供給して同心円状に捲回し、捲回体を得る工程、（d ) 前記捲回体を、前記間隙において切断することにより、複数個の捲回型極板群を得る工程を含むことを特徴とする電気化学素子の製造方法（製造方法 A ) に関する。

製造方法 Aは、工程（b ) の後、工程（c ) の前に、前記間隙において、導電層上に絶縁材料部を形成する工程を含むことができる。また、製造方法 Aは、前記捲回型極板群の第 1底面および第 2底面を金属で被覆し、第 1端子および第 2端子を形成する工程を含むことができる。本発明は、また、長尺状の第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を、セパレ一夕を介して積層しながら連続的に積層体として供給するェ程と、前記積層体を平板状のボビンで巻き取る工程と、前記ポビンに巻き取られた積層体を切断し、複数個の積層型極板群を得る工程とを含む電気化学素子の製造方法（製造方法 B ) に関する。

製造方法 Bにおいては、シート状の絶縁性基材の両面に所定のパターンに基づいて導電層を設けて第 1集電体シ一トおよび第 2集電体シ一トを得る工程と、前記導電層の上に、それぞれ前記パターンに対応させるとともに間隙を設けて第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を形成する工程とにより、第 1電極および第 2電極を得ることが好ましい。

製造方法 Bは、前記間隙において導電層上に、第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を挟む位置に、絶縁材料部を形成する工程を含むことができる。また、製造方法 Bは、前記積層型極板群の対向する第 1側面および第 2側面を金属で被覆し、第 1端子および第 2端子を形成する工程を含むことができる。

本発明は、また、（ a ) シート状の絶縁性基材の両面に所定のパターンに基づいて導電層を設けて第 1集電体シートおよび第 2集電体シ一トを得る工程、（b ) 前記導電層の上に、それぞれ複数個の第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を、前記パターンに対応させるとともに間隙を設けて形成し、第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を得る工程、 ( c ) 前記第 1電極の集合体および前記第 2電極の集合体をセパレー夕を介して積層し、積層体を得る工程、（d ) 前記積層体を、前記間隙において切断することにより、複数個の積層型極板群を得る工程を含む電気化学素子の製造方法（製造方法 C ) に関する。

製造方法 Bおよび Cにおいて、前記所定のパターンは、マトリクス状または平行に並ぶ帯状であることが好ましい。

製造方法 Cにおいては、工程（b ) の後、工程（c ) の前に、前記間隙において導電層上に、第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を挟む位置に、絶縁材料部を形成する工程を含むことができる。また、製造方法 Cは、前記積層型極板群の対向する第 1側面および第 2側面を金属で被覆し、第 1端子および第 2端子を形成する工程を含むことができる。本発明は、例えば以下の態様を含む。

第 1電極と第 2電極とをセパレー夕を介して捲回した捲回型極板群を有する電気化学素子であって、第 1電極は、導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、第 2電極は、導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シートの導電部が極板群の第 1底面において第 1端子と接続され、第 2集電体シ一卜の導電部が極板群の第 2底面において第 2端子と接続され、第 1集電体シートの絶縁部が第 2底面に配され、第 2集電体シートの絶縁部が第 1底面に配されている電気化学素子。

第 1電極と第 2電極とをセパレー夕を介して捲回した捲回型極板群を有する電気化学素子であって、第 1電極は、導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、第 2電極は、導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シ一卜およびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シ一トの導電部が極板群の第 1底面において第 1端子と接続され、第 2集電体シートの導電部が極板群の第 2底面において第 2端子と接続され、第 1集電体シートの絶縁部が第 2底面に配され、第 2集電体シートの絶縁部が第 1底面に配され、第 1底面には、第 1端子と第 2 電極とを絶縁するための第 1絶縁材料部が設けられており、第 2底面には、第 2端子と第 1電極とを絶縁するための第 2絶縁材料部が設けられている電気化学素子。

複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シートの導電部が極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、第 2集電体シ一トの導電部が極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、第 1集電体シ一卜の絶縁部が第 2側面に配され、第 2集電体シ一トの絶縁部が前記第 1側面に配されている電気化学素子。

複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シートの導電部が極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、第 2集電体シ一トの導電部が極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、第 1集電体シ一卜の絶縁部が第 2側面に配され、第 2集電体シ一トの絶縁部が前記第 1側面に配され、第 1側面には、第 1端子と第 2電極とを絶縁するための第 1絶縁材料部が設けられており、第 2側面には、第 2端子と第 1電極とを絶縁するための第 2絶縁材料部が設けられている電気化学素子。複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シ一卜の導電部が極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、第 2集電体シ一トの導電部が極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、第 1集電体シ一卜の絶縁部が極板群の第 1側面以外の全側面に配され、第 2集電体シ一トの絶縁部が極板群の第 2側面以外の全側面に配されている電気化学素子。

複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレータを介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シートの導電部が前記極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、第 2集電体シ一トの導電部が極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、第 1集電体シートの絶縁部が極板群の第 1側面以外の全側面に配され、第 2集電体シートの絶縁部が極板群の第 2側面以外の全側面に配され、第 1側面には、第 1端子と第 2電極とを絶縁するための第 1絶縁材料部が設けられており、第 2側面には、第 2端子と第 1電極とを絶縁するための第 2 絶縁材料部が設けられている電気化学素子。

第 1電極と第 2電極とをセパレー夕を介して捲回した極板群を有する電気化学素子であって、第 1電極は、表面に導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、第 2電極は、第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シートが、絶縁シートからなり、導電部が絶縁シートの表面に形成された導電層からなり、絶縁部が絶縁シートの表面に残されたその露出部からなり、第 2集電体シートが、導電シートからなり、第 1集電体シートの導電部が極板群の第 1底面において第 1端子と接続され、第 2集電体シ一卜が極板群の第 2底面において第 2端子と接続され、第 1集電体シートの絶縁部が第 2底面に配され、第 2集電体シ一卜の第 1底面に配されている端部が絶縁材料で被覆されている電気化学素子。

複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ表面に導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ第 2集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シ一トの導電部が極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、第 2集電体シートが極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、第 1集電体シートの絶縁部が第 2側面に配され、第 2集電体シ一トの第 1側面に配されている端部が絶縁材料で被覆されている電気化学素子。

第 1電極と第 2電極とをセパレー夕を介して捲回した極板群を有する電気化学素子であって、第 1電極は、導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、第 2電極は、導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、各集電体シートの第 1端部および第 2端部は、電極合剤層の未塗工部であり、第 1端部および第 2端部においては、それぞれ導電部および絶縁部が露出しており、露出している第 1集電体シートの導電部が、極板群の第 1 底面において第 1端子と接続され、露出している第 2集電体シ一トの導電部が、極板群の第 2底面において第 2端子と接続され、露出している第 1集電体シートの絶縁部が、第 2底面に配され、露出している第 2集電体シートの絶縁部が、第 1底面に配されており、露出している第 1集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 1端子に埋没しており、露出している第 2集電体シ一トの導電部の少なくとも一部が、第 2端子に埋没している電気化学素子。

第 1電極と第 2電極とをセパレー夕を介して捲回した極板群を有する電気化学素子であって、第 1電極は、導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、第 2電極は、導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、各集電体シートの第 1端部および第 2端部は、電極合剤層の未塗工部であり、第 1端部および第 2端部においては、それぞれ導電部および絶縁部が露出しており、露出している第 1集電体シートの導電部が、極板群の第 1 底面において第 1端子と接続され、露出している第 2集電体シ一トの導電部が、極板群の第 2底面において第 2端子と接続され、露出している第 1集電体シートの絶縁部が、第 2底面に配され、露出している第 2集電体シートの絶縁部が、第 1底面に配され、第 1底面には、第 1端子と第 2電極とを絶縁するための第 1絶縁材料部が設けられており、第 2底面には、第 2端子と第 1電極とを絶縁するための第 2絶縁材料部が設けられており、露出している第 1集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 1端子に埋没しており、露出している第 2集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 2端子に埋没している電気化学素子。

複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、各集電体シートの第 1端部および第 2端部は、電極合剤層の未塗工部であり、第 1端部および第 2 端部においては、それぞれ導電部および絶縁部が露出しており、露出している第 1集電体シートの導電部が、極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、露出している第 2集電体シートの導電部が、極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、露出している第 1集電体シートの絶縁部が、第 2側面に配され、露出している第 2集電体シートの絶縁部が、第 1側面に配され、露出している第 1集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 1端子に埋没しており、露出している第 2集電体シ一トの導電部の少なくとも一部が、第 2端子に埋没している電気化学素子。複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、各集電体シートの第 1端部および第 2端部は、電極合剤層の未塗工部であり、第 1端部および第 2 端部においては、それぞれ導電部および絶縁部が露出しており、露出している第 1集電体シートの導電部が、極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、露出している第 2集電体シートの導電部が、極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、露出している第 1集電体シ一トの絶縁部が、第 2側面に配され、露出している第 2集電体シートの絶縁部が、第 1側面に配され、第 1側面には、第 1端子と第 2電極とを絶縁するための第 1絶縁材料部が設けられており、第 2側面には、第 2端子と第 1電極とを絶縁するための第 2絶縁材料部が設けられており、露出している第 1集電体シ一トの導電部の少なくとも一部が、第 1端子に埋没しており、露出している第 2集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 2端子に埋没している電気化学素子。

複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、各集電体シートの第 1端部および第 2端部を含む周縁部は、電極合剤層の未塗工部であり、第 1端部においては、導電部が露出しており、第 1端部以外の端部においては、絶縁部が露出しており、露出している第 1集電体シートの導電部が、極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、露出している第 2集電体シートの導電部が、極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、露出している第 1集電体シートの絶縁部が、極板群の第 1側面以外の全側面に配され、露出している第 2集電体シートの絶縁部が、極板群の第 2 側面以外の全側面に配され、露出している第 1集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 1端子に埋没しており、露出している第 2集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 2端子に埋没している電気化学素子。

複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、それぞれ導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、各集電体シートの第 1端部および第 2端部を含む周縁部は、電極合剤層の未塗工部であり、第 1端部においては、導電部が露出しており、第 1端部以外の端部においては、絶縁部が露出しており、露出している第 1集電体シートの導電部が、極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、露出している第 2集電体シートの導電部が、極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、露出している第 1集電体シ一トの絶縁部が、極板群の前記第 1側面以外の全側面に配され、露出している第 2集電体シートの絶緣部が、極板群の第 2側面以外の全側面に配され、第 1側面には、第 1端子と第 2電極とを絶縁するための第 1絶縁材料部が設けられており、第 2側面には、第 2端子と第 1電極とを絶縁するための第 2絶縁材料部が設けられており、露出している第 1集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 1端子に埋没しており、露出している第 2集電体シートの導電部の少なくとも一部が、第 2端子に埋没している電気化学素子。

複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第 1電極は、第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、複数の第 2電極は、第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、第 1集電体シートおよび第 2集電体シートが、それぞれ導電部と絶縁部とを有し、第 1集電体シ一卜の導電部が、極板群の第 1側面において、第 1端子と接続されており、第 2集電体シートの導電部が、極板群の第 2側面において、第 2端子と接続されており、第 1電極合剤層および第 2電極合剤層が、それぞれ絶縁材料で覆われた端部を有し、第 1電極合剤層の絶縁材料で覆われた端部が、第 1集電体シートの絶縁部に隣接しており、第 2電極合剤層の絶縁材料で覆われた端部が、第 2集電体シ一卜の絶縁部に隣接しており、第 1端子と第 2端子とが、互いに極板群の反対側に位置する電気化学素子。

( a ) 少なくとも 1つの第 1電極、（b ) 少なくとも 1つの第 2電極、および（c ) 第 1電極と第 2電極との間に介在するセパレー夕からなる極板群を有し、第 1電極（ a ) は、導電部と絶縁部とを有する第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、第 2電極（b ) は、導電部と絶縁部とを有する第 2集電体シ一卜およびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、各集電体シ一トの第 1端部および第 2端部は、電極合剤層の未塗工部であり、第 1端部および第 2端部においては、それぞれ導電部および絶縁部が露出しており、露出している第 1集電体シートの導電部は、極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、露出している第 2集電体シ一トの導電部は、極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、露出している第 1集電体シートの導電部の少なくとも一部は、第 1端子に埋没しており、露出している第 2集電体シートの導電部の少なくとも部は、第 2端子に埋没している電気化学素子。図面の簡単な説明

図 1は、実施の形態 1に係る積層型極板群の縦断面図である。

図 2は、図 1の極板群の a— a線断面図である。

図 3は、図 1の極板群の別の a— a線断面図である。

図 4は、実施の形態 2に係る捲回型極板群の縦断面概念図である。図 5は、集電体シートの一例の上面図である。

図 6は、第 1電極の集合体と第 2電極の集合体の斜視図である。図 7は、別の第 1電極の集合体と第 2電極の集合体の斜視図である。図 8は、シート状の絶縁性基材に導電層および第 1電極合剤層を所定のパターンで形成し、第 1電極の集合体を得る工程を示す図である。図 9は、シート状の絶縁性基材に導電層および第 2電極合剤層を所定のパターンで形成し、第 2電極の集合体を得る工程を示す図である。図 1 0は、図 1 ( b ) および図 2 ( b ) に示す第 1電極の集合体および第 2電極の集合体をより詳細に表した図である。

図 1 1は、長尺状の第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を、セパレータを介して積層し、連続的に積層体として供給する様子を示す図である。

図 1 2は、図 4の破線 Xで囲まれた部分の拡大図である。

図 1 3は、ボビンに巻き取られるセパレ一夕、第 1電極の集合体、セパレー夕および第 2電極の集合体の積層体の様子を示す図である。図 1 4は、ポビンに巻き取られた積層体の両端部を切断する様子を説明するための図である。

図 1 5は、両端部を切断した後の積層体の様子を示す図である。図 1 6は、実施の形態 4に係る積層型極板群の縦断面図である。図 1 7は、実施の形態 5に係る捲回型極板群の製造工程図である。図 1 8は、図 1 7 ( 2 ) に示す第 1電極の集合体および第 2電極の集合体をより詳細に表した図である。

囪 1 9は、実施の形態 6に係る積層型極板群の縦断面図である。

図 2 0は、図 1 9の極板群の a— a線断面図の一例である。

図 2 1は、実施の形態 6に係る別の積層型極板群の縦断面図である。図 2 2は、実施の形態 7に係る図 1の極板群の a— a線断面図である。図 2 3は、実施の形態 7に係る図 1の極板群の別の a— a線断面図である。

図 2 4は、ケースに収容する前の極板群の一例の上面図である。

図 2 5は、ケースに収容する前の極板群の一例の側面図である。

図 2 6は、極板群を収容する 3つの部品からなるケースの一例の斜視図である。

囟 2 7は、極板群を収容する 2つの部品からなるケースの別の一例の斜視図である。

図 2 8は、開口に対して垂直な方向から見たケースの枠体もしくは容器の断面図の一例である。

図 2 9は、開口に対して平行な一方向から見た 3つの部品からなるケースの断面図の一例である。

図 3 0は、開口に対して平行な一方向から見た 2つの部品からなるケースの断面図の一例である。

図 3 1は、本発明に係る電池の一例の上面図である。

図 3 2は、 3つの部品からなるケースを具備する電池の一例の斜視図である。

図 3 3は、 2つの部品からなるケースを具備する電池の一例の斜視図である。

図 3 4は、実施の形態 9に係る積層型極板群の縦断面図である。図 3 5は、図 34の極板群の製造工程図である。

図 3 6は、実施の形態 9に係る捲回型極板群の製造工程図である。発明を実施するための最良の形態

実施の形態 1

図 1 に、本発明に係る積層型極板群の一例の縦断面図を示す。図 2には、その極板群の a— a線断面図を示す。極板群 1 0は、交互に積層された複数の第 1電極 1 5 aと第 2電極 1 5 bからなり、第 1電極 1 5 a と第 2電極 1 5 bとの間には、セパレ一夕 1 6が介在している。

第 1電極 1 5 aは、第 1集電体シ一ト 1 3 aおよび 2つの第 1電極合剤層 1 4 aからなり、第 1集電体シート 1 3 aは、樹脂シート 1 1 aおよびその両面に設けられた所定の形状パターンを有する導電層 1 2 aからなる。導電層 1 2 aの表面は第 1集電体シートの導電部となり、樹脂シート 1 1 aの露出部は絶縁部となる。

第 1集電体シ一トの端部 l l x、 l l x ' および l l x " を除く全面には導電層 1 2 aが設けられている。導電層 1 2 aの表面は導電部となることから、その上に第 1電極合剤層 1 4 aが設けられている。導電層 1 2 aを有さない第 1集電体シ一トの端部 1 1 X、 l l x ' および l l x " は絶縁部となる。端部 1 1 Xの反対側に位置する端部 1 2 Xには、集電のために用いる導電層 1 2 aの露出部が残されている。

極板群 1 0は、 2種類の第 2電極 1 5 b、 1 5 b ' を含んでいる。 2 つの第 1電極 1 5 aで挟持されている内部の第 2電極 1 5 bは、極板群における配置が逆であること以外、第 1電極 1 5 aと同様の構造を有する。すなわち、内部の第 2電極 1 5 bは、第 2集電体シート 1 3 bおよび 2つの第 2電極合剤層 1 4 bからなり、第 2集電体シ一ト 1 3 bは、樹脂シート 1 1 bおよびその両面に設けられた所定の形状パターンを有する導電層 1 2 bからなる。最も外側の 2つの第 2電極 1 5 b ' は、樹脂シート 1 1 bの両面ではなく、片面に導電層 1 2 bと第 2電極合剤層 1 4 bが設けられていること以外、内部の第 2電極と同様の構造を有する。

第 2集電体シ一トの端部 1 1 y、 1 1 y ' および 1 1 y" を除く全面には導電層 1 2 bが設けられている。導電層 1 2 bの表面は導電部となることから、その上に第 2電極合剤層 1 4 bが設けられている。導電層 1 2 bを有さない第 2集電体シ一トの端部 1 1 y、 1 1 y ' および 1 1 y" は絶縁部となる。端部 1 1 yの反対側に位置する端部 1 2 yには、集電のために用いる導電層 1 2 bの露出部が残されている。

図 1、 2において、極板群 1 0の各側面では、各集電体シートの端部とセパレー夕の端部とが面一に配されており、図 2においても、極板群 1 0の各側面では、各集電体シートの端部とセパレー夕の端部とが面一に配されている。，なお、各側面において各集電体シートの端部とセパレー夕の端部とが完全に面一に配されている必要はないが、実質的に面一に配されていることが好ましい。

各側面において各集電体シ一卜の端部とセパレー夕の端部とが完全に面一に配されている場合には、第 1集電体シ一トの片面あたりの面積 S ( 1 ) と、第 2集電体シートの片面あたりの面積 S ( 2) と、セパレー夕の片面あたりの面積 S ( s ) とは同一となり、 S ( 1 ) = S ( s ) = S (2) が満たされる。

一方、 S ( 1 ) ≤ S ( s ) ≤ S ( 1) X I . 0 5および

S (2) ≤ S ( s ) ≤ S ( 2) X l . 0 5が満たされる場合には、各側面において各集電体シ一トの端部とセパレー夕の端部とが、実質的に面一に配されていると考えることができる。このような極板群においては、その側面からセパレ一タゃ極板の端部が突出していないため、体積効率が高く、高容量を得ることが可能である。このような極板群は、均整のとれた簡略な構造を有するため、信頼性を確保しやすい。しかも、多くの極板群を同時に製造することができるため、製造コストを削減することが可能である。

第 1集電体シ一ト 1 3 aの導電層 1 2 aの露出部（端部 1 2 x ) は、極板群 1 0の第 1側面（図 1左側）に配されており、その反対側の絶縁部（端部 l l x ) は、極板群 1 0の第 2側面（図 1右側）に配されている。一方、第 2集電体シ一ト 1 3 bの導電層 1 2 bの露出部（端部 1 2 y ) は、極板群 1 0の第 2側面に配されており、その反対側の絶縁部（端部 l l y ) は、極板群 1 0の第 1側面に配されている。なお、図 1では、第 1側面と第 2側面とが互いに極板群の反対側に位置しているが、これらの配置は特に限定されない。

上記のように、第 1電極と第 2電極とが、互いに逆向きに配置されている場合、第 1集電体シート 1 3 aの導電層 1 2 aの露出部（端部 1 2 x ) は、セパレー夕 1 6の端部を介して、第 2集電体シ一ト 1 3 b の絶縁部（端部 1 1 y ) と隣接する。第 2集電体シ一ト 1 3 bの導電層 1 2 bの露出部（端部 1 2 y ) は、セパレ一夕 1 6の端部を介して、第 1集電体シート 1 3 aの絶縁部（端部 1 1 X ) と隣接する。このような配置であれば、第 1電極と第 2電極との短絡を防止することが容易であるし、複数の第 1集電体シートまたは第 2集電体シートの導電層の露出部を並列に接続して、高容量の極板群を得ることも容易である。

短絡を確実に防止する観点から、第 1集電体シ一ト 1 3 aの導電層 1 2 aの露出部（端部 1 2 x ) に隣接する第 2集電体シートの絶縁部 (端部 1 1 y ) および第 2集電体シート 1 3 bの導電層 1 2 bの露出部 (端部 1 2 y ) に隣接する第 1集電体シート 1 3 aの絶縁部（端部 1 1 x) は、それぞれ幅 0. 0 0 l mm以上、さらには 0. 1 mm以上とすることが好ましい。

図 1のように複数の第 1集電体シ一ト 1 3 aまたは第 2集電体シ一ト 1 3 bの導電層 1 2 a、 bの露出部を並列に接続して高容量の極板群を得る場合、どのような方法で露出部同士を接続してもよいが、例えば、導電性材料の被膜で第 1側面と第 2側面を被覆する方法を用いることができる。導電性材料の被膜の厚さは、例えば 0. 0 1〜 l mm程度で十分である。こうして得られた導電性材料の被膜は、それぞれ第 1端子 1 7 aおよび第 2端子 1 7 bとして集電に利用することができる。

良好な集電状態を得るためには、導電層 1 2 a、 bの露出部と導電性材料の被膜との接触面積が大きいほど好ましく、導電層 1 2 a、 bの露出部が導電性材料の被膜（端子 1 7 a、 b) の内部に 0. 0 0 1〜1 mmの深さまで埋没していることが好ましく、 0. 0 1〜l mmの深さまで埋没していることが、さらに好ましい。

各集電体シ一トの露出部が各端子に埋没していることから、例えば、極板自体を端子に埋没させる従来の電気化学素子とは異なり、電極合剤層の導電性や集電体シートの厚さに関わらず、高い集電性能を確保できる。そして、突出させた同一極性の極板の芯材と、板状の集電板とを接合する場合のように、芯材と集電板との接触面積を充分に確保できないという問題も生じない。

導電性材料の被膜からなる第 1端子および第 2端子の少なくとも一方は、ある実施形態においては、粒子状金属が連続的に接合してなる多孔質金属膜からなることが好ましい。このような多孔質金属膜は、溶融金属もしくは半溶融状態の金属粒子を、圧搾空気でノズルより吹き出させ、極板群の所定の側面に吹き付けることにより、得ることができる。例えば、いわゆるメタリコン（metalikon) を採用することができる。第 1端子もしくは第 2端子が、正極端子となる場合には、多孔質金属膜は、アルミニウム、アルミニウム合金等からなることが好ましい。第 1端子もしくは第 2端子が、負極端子となる場合には、多孔質金属膜は、銅、銅合金等からなることが好ましい。

導電性材料の被膜からなる第 1 子および第 2端子の少なくとも一方は、別の実施形態においては、導電性べ一ストからなることが好ましレ導電性ペーストには、樹脂と、前記樹脂に分散させた導電性微粒子および導電性繊維よりなる群から選ばれた少なくとも 1種とからなるものを用いることができる。導電性ペーストは、極板群の所定の側面に塗工することが容易であるから、導電性ペーストを用いることにより、極板群の製造工程を簡略化することができる。極板群の所定の側面に塗工された導電性ペーストは、加熱や光照射により、硬化させることが好ましレ^ 導電性ペーストを硬化させることにより、第 1端子もしくは第 2端子の強度を向上させることができる。

樹脂には、熱可塑性樹脂を用いてもよく、熱硬化性樹脂を用いてもよい。

第 1端子もしくは第 2端子が、正極端子となる塲合には、導電性べ一ストの樹脂として、ポリアミドイミドなどを好ましく用いることができる。また、正極端子には、カーボン、アルミニウムなどからなる導電性微粒子や導電性繊維を用いることが好ましい。第 1端子もしくは第 2端子が、負極端子となる場合にも、導電性ペーストの樹脂として、ポリアミドイミドなどを好ましく用いることができる。また、負極端子には、銅、銀、銀メツキされた銅、ニッケル、カーボンなどからなる導電性微粒子や導電性繊維を用いることが好ましい。

導電性粒子の平均粒径は、 1〜 1 0 0 / mであることが好ましい。また、導電性繊維の直径は、 1〜 1 0 0 i mであることが好ましく、繊維の長さは特に限定されない。

導電性ペーストにおける導電性微粒子およびノまたは導電性繊維の含有率は、 5 0〜 9 0重量％であることが好ましい。導電性を高めるためには、導電性微粒子およびまたは導電性繊維の量が多い方が好ましいが、樹脂の含有率があまりに少なくなると、導電性ペーストの調製や塗ェが困難になる。

導電性材料の被膜からなる第 1端子および第 2端子の少なくとも一方は、さらに別の実施形態においては、融点 2 5 0 °C以下、好ましくは 1 8 0 °C以下の低融点金属からなることが好ましい。例えば、低融点金属に、樹脂をフラックスとして添加すると、半田が得られる。半田は取り扱いが容易な上、半田を用いれば、多孔質金属膜や導電性べ一ストに比べて、良好な導電性を有する端子を形成することが可能である。ただし、低融点合金の融点が 2 5 0 °Cを超えると、極板群の所定の側面に低融点金属からなる端子を設ける際に、電気化学素子を劣化させる虞がある。

低融点金属としては、 P b— S n系合金、 P b _ S n — 合金、 P b— S n— S b系合金、 S n— A g— C u系合金、 S n— Z n— B i 系合金等が知られているが、他の組成の金属を用いることもできる。側面に端子を有する極板群 1 0においては、集電のためのタブやリードを必要としないから、均整のとれた簡略な構造をとりやすい。

図 1 、 2では、第 1電極合剤層 1 4 aおよび第 2電極合剤層 1 4 bの端部は、第 3側面および第 4側面より窪んだ位置に配されているが、各電極合剤層の端部が、各集電体シートの導電部もしくは絶縁部の端部およびセパレー夕の端部と面一に配されていてもよい。そのような構造であっても、第 3側面および第 4側面を絶縁性の材料で覆うことにより、充分に短絡を防止することが可能である。樹脂シート 1 1 a、 bの厚さは、例えば 0 . 5〜 5 0 0 mである。平坦な表面を有する通常の樹脂シートを用いてもよく、穿孔体、ラス体、多孔質体、ネット、発泡体、織布、不織布などを用いてもよい。また、表面に凹凸を有する樹脂シートを用いることもできる。

樹脂シート 1 1 a、 bには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのォレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフ夕レート、ポリアリレートなどのエステル系ポリマー、ポリフエ二レンサルフアイドなどのチォエーテル系ポリマー、ポリスチレンなどの芳香族ビエル系ポリマー、ポリイミド、ァラミド樹脂などの窒素含有ポリマ一、ポリ 4フッ化工チレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素ポリマーなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせたコポリマー、ポリマーァロイ、ポリマープレンドなどを用いてもよい。

導電層 1 2 a、 bの厚さは、例えば 0 . 0 1〜： L O O mである。導電層 1 2 a、 bには、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体を特に限定なく用いることができる。第 1電極もしくは第 2電極が正極である場合には、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、炭素などを用いることができ、特に、アルミニゥム、アルミニウム合金などが好ましい。第 1電極もしくは第 2電極が負極である場合には、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、銅合金、チタンなどを用いることができ、特に、銅、銅合金などが好ましい。導電層 1 2 a、 bを形成する方法は特に限定されないが、例えば、導電性材料を樹脂シート 1 1 a、 bの表面に蒸着すれば導電層を得ることができる。所定の形状パターンの蒸着膜を形成するには、樹脂シートに所定形状の開口部を有するマスクを被せてから蒸着を行う。極板群 1 0の第 1側面には、第 1端子 1 7 aと第 2電極 1 5 b、 b ' とを絶縁するための第 1絶縁材料部 1 8 aを設けることができ、第 2側面には.、第 2端子 1 7 bと第 1電極 1 5 aとを絶縁するための第 2絶縁材料部 1 8 bを設けることができる。第 1側面には、第 2集電体シート 1 3 bの絶縁部（端部 1 l y) が配され、第 2側面には、第 1集電体シート 1 3 aの絶縁部（端部 l l x) が配されているため、絶縁材料部を設けなくても短絡を防止することは可能であるが、さらに絶緣材料部 1 8 a、 bを設けることで、短絡の可能性は大幅に低減する。絶縁材料部 1 8 a、 bの厚さは特に限定されないが、 0. 0 0 l mm以上、さらには 0. 0 1 mm以上であることが好ましい。

絶縁材料部 1 8 a、 bを設ける方法は特に限定されないが、予め極板の製造工程において、スクリーン印刷法などにより、ペースト状もしくは液状の絶縁材料を、電極合剤層 1 4 a、 bの周囲の集電体シート 1 3 a、 b上に塗布しておく方法を採用することができる。フィルム状もしくはテープ状の絶縁材料を、電極合剤層 1 4 a、 bの周囲の集電体シ一ト 1 3 a、 b上に貼り付けることにより、絶縁材料部を設けることもできる。

図 2では、極板群 1 0の第 3側面および第 4側面には絶縁材料部が設けられていないが、図 3のように、第 3側面（図 3左側）および第 4側面（図 3右側）に配された電極合剤層の端部を、それぞれ第 3絶縁材料部 1 8 cおよび第 4絶縁材料部 1 8 dで覆うことも可能である。このような構成によれば、確実に短絡を防止することが可能である。

絶縁材料部 1 8 a、 bに用いる絶縁材料としては、樹脂、ガラス組成物、セラミックスなどが挙げられる。また、織布ゃ不織布に樹脂を含浸させた複合物などを用いることもできる。樹脂には、熱可塑性樹脂を用いてもよく、熱硬化性樹脂を用いてもよい。熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂の塗膜を加熱して硬化させる工程を要する。

絶縁材料部 1 8 a、 bに用いることのできる樹脂としては、ポリェチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのォレフィン系ポリマ一、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフ夕レート、ポリアリレ一ト、ポリ力 —ポネー卜などのエステル系ポリマー、ポリエチレンォキシド、ポリプロピレンォキシド、ポリアセ夕一ル、ポリフエ二レンエーテル、ポリエ一テルエ一テルケトン、ポリエーテルィミドなどのエーテル系ポリマー、アクリロニトリル、 A S樹脂、 A B S樹脂などのアクリロニトリル系ポリマー、ポリフエ二レンサルフアイドなどのチォエーテル系ポリマー、ポリスチレンなどの芳香族ビエル系ポリマー、ポリイミド、ァラミド樹脂などの窒素含有ポリマー、ポリ 4フッ化工チレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素ポリマー、ポリメタクリル酸メチルなどのァクリル系ポリマ一などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、 2 種以上を組み合わせたコポリマー、ポリマーァロイ、ポリマーブレンドなどを用いてもよい。また、加熱や U V照射により重合 ·硬化して得られるポリマ一を用いてもよい。

より詳細には、絶縁材料部には、樹脂塗膜や樹脂テープを用いることができる。

樹脂塗膜は、絶縁樹脂を含む溶液または分散液を、電極合剤層の端部に塗工し、乾燥することにより、形成することができる。塗工方法は特に限定されないが、例えばスクリーン印刷法、ダイコート法等により、溶液または分散液を、電極合剤層周囲の集電体シート上に塗工することができる。溶液や分散液は、液状でもペースト状でもよく、これらの粘度は任意に制御すればよい。溶液または分散液に含ませる絶縁樹脂には、ポリエチレンォキシド、ポリプロピレンォキシド、ポリアセタール、ポリフエ二レンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルィミド等のエーテル系樹脂；ポリアクリロニトリル、 A S樹脂、 A B S樹脂等のアクリロニトリル系樹脂；ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂；ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂；これらのポリマーを含むコポリマー、ポリマーァロイもしくはポリマーブレンド等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特に、ポリエチレンォキシド、ポリプロピレンォキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメ夕クリル酸メチル、これらのポリマーを含むコポリマ一、ポリマーァロイもしくはポリマ一プレンド等を用いることが好ましい。

樹脂塗膜は、重合性化合物を含む溶液または分散液を、電極合剤層の端部に塗工し、前記重合性化合物を重合させることにより、形成することもできる。塗工方法は特に限定されないが、例えばスクリーン印刷法により行うことができる。溶液や分散液は、液状でもペースト状でもよく、これらの粘度は任意に制御すればよい。重合性化合物は、熱、紫外線および電子線よりなる群から選択される少なくとも 1種の手段で重合することが好ましい。

重合性化合物は、例えば分子中に 1〜 3個の重合性官能基を有する。重合性官能基は、ァクリレート基およびメタクリレート基よりなる群から選択される少なくとも 1種であることが好ましい。また、重合性官能基以外の部分は、特に限定されないが、例えばポリアルキレンォキシド鎖などであればよい。

重合性化合物を熱で重合させる場合には、ァゾビスイソプチロニトリル、過酸化べンゾィル、過酸化ァセチル等の重合開始剤を用いる。重合性化合物を紫外線で重合させる場合には、ベンジルジメチルケタール、ベンゾィンィソプロピルエーテル等の重合開始剤を用いる。重合性化合物を電子線で重合させる場合には、重合開始剤は特に必要としない。樹脂テープを、電極合剤層周囲の集電体シート上に貼り付けることにより、絶縁材料部を設けることもできる。樹脂テープには、絶縁基材ぉよびそれに担持された絶縁性粘着剤からなるものを用いることができる。絶縁基材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のォレフィン系樹脂；ポリ Xチレンテレフ夕レート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフ夕レート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のエステル系樹脂；ポリエチレンォキシド、ポリプロピレンォキシド、ポリアセタール、ポリフエ二レンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等のエーテル系樹脂；ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂；ポリアクリロニトリル、 A S樹脂、 A B S樹脂等のアクリロニトリル系樹脂；ポリフエ二レンサルフアイド等のチォエーテル系樹脂；ポリスチレン等の芳香族ビニル系樹脂；ポリイミド、ァラミド樹脂等の窒素含有樹脂；ポリテトラフルォロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂；ポリメタクリル酸メチル等のァクリル系樹脂；これらのポリマーを含むコポリマー、ポリマーァロイもしくはポリマ一ブレンド等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ夕レート、ポリエチレンナフタレート、ポリフエ二レンサルフアイド、ポリイミド、ァラミド樹脂、これらのポリマーを含むコポリマ一、ポリマーァロイもしくはポリマ一プレンド等が好ましい。絶縁性粘着剤は、特に限定されないが、例えばアクリル系樹脂、プチルゴム系樹脂などを用いることができる。絶縁基材の厚さは、例えば 1 1 0 0 0 mであり、絶縁性粘着剤の層の厚さは、例えば 0. 1 1 0 0 mである。絶縁性粘着剤は、基材の片面のみに設けてもよく、両面に設けてもよい。

図 1では、第 1電極合剤層 1 4 aに比べて、第 2電極合剤層 1 4 bの方が大きな面積を有している。このような構造は、第 1電極合剤層 1 4 aを正極とし、第 2電極合剤層 1 4 bを負極とするリチウムイオン二次電池の極板群に適する。第 1電極合剤層 1 4 aを負極とし、第 2電極合剤層 1 4 bを正極とする場合には、第 2電極合剤層 1 4 bに比べて第 1 電極合剤層 1 4 aの面積を大きくする。

電極合剤層 1 4 a bの厚さは、例えば 1 1 0 0 0 mであるが、これらの厚さは特に限定されない。

電極合剤は、電極活物質を含み、導電材、結着剤などを任意に含んでもよい。第 1電極または第 2電極がリチウムイオン二次電池の正極である場合、活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物を好ましく用いることができる。リチウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、 L i _xC o O_z L i _xN i 〇_z L i _xMn〇_z

L i xC o _yN i i-yO _z> L i _XC o _fO _z

L i xN i i-yMyO _z (M=T i V Mn F e )

L i xC o _aN i bMcO ₂ (M=T i Mn A し Mg F e Z r ) L i xMn ₂〇₄ L i xMn ₂ (i-y) M_2y0₄ (M=N a , Mg S c Y F e C o N i T i Z r C u Z n A l P b S b ) などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、 X値は電池の充放電により、

0≤ X≤ 1. 2の範囲で変化する。また、 0≤ y≤ l

0. 9≤ f ≤ 0. 9 8 1. 9≤ z≤ 2. 3 a + b + c = l

0≤ a≤ 1 , 0≤ b≤ 1 , 0≤ c < lを満たす。第 1電極または第 2電極がリチウムイオン二次電池の負極である場合、活物質としては、例えば、リチウム、リチウム合金、金属間化合物、炭素材料、リチウムイオンを吸蔵 ·放出可能な有機化合物や無機化合物、金属錯体、有機高分子化合物などを好ましく用いることができる。これらは単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。炭素材料としては、コークス、熱分解炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素、炭素繊維（ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、気相成長系）、不定形炭素、有機化合物焼成体などが挙げられる。これらのうちでは、特に、天然黒鉛や人造黒鉛が好ましい。

導電材には、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、黒鉛などが用いられる。

結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルォロェチレンなどのフッ素樹脂、アクリル系樹脂、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマ一などを用いることができる。

セパレー夕には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのォレフィン系ポリマ一やガラス繊維などからなる織布ゃ不織布を用いることができる。固体電解質やゲル電解質をセパレー夕として用いることもできる。固体電解質には、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンォキサイドなどをマトリクス材料として用いることができる。ゲル電解質としては、例えば、後述の非水電解液をポリマー材料からなるマトリクスに保持させたものを用いることができる。マトリクスを形成するポリマー材料には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとへキサフルォロプロピレンとのコポリマーなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特に、フッ化ビニリデンとへキサフルォロプロピレンとのコポリマー、ポリフッ化ビニリデンとポリエチレンォキサイドとの混合物を用いることが好ましい。

極板群は、一般に、電解液とともに所定のケースに収容して用いられる。電解液の組成は、電気化学素子の種類に応じて異なる。ケースの形状、材質などは特に限定されない。

電気化学素子が、例えばリチウムイオン二次電池の塲合、電解液には、非水溶媒にリチウム塩を溶解させたものが用いられる。電解液におけるリチウム塩濃度は、例えば 0 . 5〜1 . 5 m 0 1 Z Lとすることが好ましい。

非水溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジェチルカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ェチルプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネ一ト、ジプロピルカーボネートなどの非環状カーボネート、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ェチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、ァ—プチロラクトン、 T—バレロラクトンなどの r —ラクトン、 1， 2—ジメトキシェタン、 1 , 2—ジエトキシェタン、ェトキシメトキシェタンなどの非環状エーテル、テトラヒドロフラン、 2—メチルーテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメチルスルホキシド、 1， 3 —ジォキゾラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエヂル、リン酸トリオクチルなどのアルキルリン酸エステルやそれらのフッ化物などを用いることができる。これらは複数種を組み合わせて用いることが好ましい。特に、環状カーボネートと非環状カーボネートを含む混合物、環状カーボネートと非環状カーボネ一トと脂肪族カルボン酸エステルを含む混合物などが好ましい。リチウム塩には、 L i P F₆、 L i B F₄、 L i C l 〇₄、 L i A 1 C 1₄ L i S b F L i S CN、 L i C l、 L i C F ₃S〇₃、 L i C F₃C〇₂、 L i A s F 6 , L i N (C F₃S〇₂) ₂、

L i ₂B ioC 1 to, L i N (C₂F ₅S 0₂) ₂、 L i P F 3 (C F ₃) ₃、 L i P F 3 (C2F 5) ₃などを用いることができる。これら.は単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、電解液は、少なくとも L i P F ₆を含むことが好ましい。実施の形態 2

捲回型極板群の一例について説明する。図 4は、第 1電極を中心に描かれた捲回型極板群 3 0の一部の縦概念断面図である。より外周側の合剤層や集電体シ一卜は省略されている。

捲回型極板群 3 0は、積層され、捲回された第 1電極 3 aと第 2電極 3 bからなり、第 1電極 3 aと第 2電極 3 bとの間には、セパレー夕 3 9が介在している。

第 1電極 3 aは、第 1集電体シ一ト 3 1 aおよびその両面に設けられた 2つの第 1電極合剤層 3 2 aからなり、第 1集電体シ一ト 3 1 aは、樹脂シートおよびその両面に設けられた導電層からなる。導電層の表面は第 1集電体シートの導電部となり、樹脂シートの露出部は絶縁部となる。

第 1集電体シートの端部 3 5 aを除く全面には導電層が設けられている。導電層の表面は導電部となることから、その上に第 1電極合剤層

3 2 aが設けられている。導電層を有さない第 1集電体シ一トの端部

3 5 aは絶縁部となる。端部 3 5 aの反対側に位置する端部 34 aには、集電のために用いる導電層の露出部が残されている。

第 2電極 3 bは、極板群における配置が逆であること以外、第 1電極 3 aと同様の構造を有する。すなわち、内部の第 2電極 3 bは、第 2集電体シート 3 1 bおよびその両面に設けられた 2つの第 2電極合剤層 3 2 bからなり、第 2集電体シ一ト 3 1 bは、樹脂シ一トおよびその両面に設けられた導電層からなる。

第 2集電体シートの端部 3 5 bを除く全面には導電層が設けられている。導電層の表面は導電部となることから、その上に第 2電極合剤層 3 2 bが設けられている。導電層を有さない第 2集電体シ一トの端部 3 5 bは絶縁部となる。端部 3 5 bの反対側に位置する端部 3 4 bには、集電のために用いる導電層の露出部が残されている。

図 4において、極板群の各底面では、各集電体シートの端部とセパレ一夕の端部とが、ほぼ面一に配されている。

第 1集電体シ一ト 3 1 aの導電層の露出部（端部 3 4 a ) は、極板群の第 1底面（図 4上側）に配されており、その反対側の絶縁部（端部 3 5 a ) は、極板群の第 2底面（図 1下側）に配されている。一方、第 2集電体シ一ト 3 1 bの導電層の露出部（端部 3 4 b ) は、極板群の第 2底面に配されており、その反対側の絶縁部（端部 3 5 b ) は、極板群の第 1底面に配されている。

各底面に配されている各集電体シ一卜の絶縁部は、実施の形態 1の極板群と同様に、幅 0 . 0 0 1 mm以上が好ましく、 0 . 1 m m以上がさらに好ましい。

第 1集電体シ一ト 3 1 aまたは第 2集電体シ一ト 3 1 bの導電層の露出部は、それぞれ一体に接続することが好ましい。どのような方法で接続を行ってもよいが、図 4に示すように、例えば 0 . 0 1〜l m m程度の厚さの導電性材料の被膜で、第 1底面と第 2底面を被覆することが好ましい。こうして得られた導電性材料の被膜は、それぞれ第 1端子 3 7 および第 2端子 3 8として集電に利用することができる。導電性材料の被膜は、実施の形態 1の極板群と同様に形成することができる。

導電層の露出部と導電性材料の被膜との接触面積は大きいほど好ましい。実施の形態 1の極板群と同様、導電層の露出部は、導電性材料の被膜（端子 3 7、 3 8 ) の内部に 0 . 0 0 1 〜 1 m mの深さまで埋没していることが好ましい。

極板群の第 1底面には、第 1端子 3 7と第 2電極 3 bとを絶縁するための第 1絶縁材料部 3 6 bを設けることができ、第 2底面には、第 2端子 3 8 と第 1電極 3 aとを絶縁するための第 2絶縁材料部 3 6 aを設けることができる。

第 1底面には、第 2集電体シートの絶縁部（端部 3 5 b ) が配され、第 2底面には、第 1集電体シートの絶縁部（端部 3 5 a ) が配されているため、絶縁材料部を設けなくても短絡を防止することは可能であるが、さらに絶縁材料部 3 6 a、 bを設けることで、短絡の可能性は大幅に低減する。

絶縁材料部は、実施の形態 1の極板群と同様の方法により設けることができる。絶縁材料部の厚さは特に限定されないが、実施の形態 1の極板群と同様に、 0 . 0 0 1 mm以上が好ましく、 0 . 0 1 mm以上であることがさらに好ましい。

このような極板群においては、集電のためのタブやリードを必要としないから、均整のとれた簡略な構造となり、信頼性を確保しやすい。また、体積効率が高く、高容量を得ることが可能である。しかも、このような極板群は、同時にたくさん製造することができるため、製造コストを削減することが可能である。実施の形態 3

複数の積層型極板群を同時に製造する方法の一例について、図 5を参照しながら説明する。以下の方法によれば、例えば、縦 l〜 3 0 0 mm、幅 1〜 3 0 0 mm、厚さ 0. 0 1〜2 0 mmの大きさの極板群を、効率よく製造することができる。

本実施の形態の製造方法は、

( a) シ一ト状の絶縁性基材の両面に所定のパターンに基づいて導電層を設けて第 1集電体シートおよび第 2集電体シ一トを得る工程、

( b ) 第 1集電体シ一卜の導電層および第 2集電体シ一トの導電層の上に、それぞれ複数個の第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を、前記パターンに対応させるとともに間隙を設けて形成し、第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を得る工程、

(c ) 第 1電極の集合体および第 2電極の集合体をセパレー夕を介して積層し、積層体を得る工程、ならびに

(d) 積層体を、前記間隙において切断することにより、複数個の積層型極板群を得る工程を含む。

以下、工程（ a) 〜（d) を、工程順に説明する。また、その他のェ程についても適宜説明する。なお、その他の工程は、電気化学素子の構造および用途などに応じ、当業者であれば適宜選択し、組み合わせて行うことができる。また、積層型極板群の製造法は、以下に限定されるものではない。

工程（ a)

工程（ a) では、シート状の絶縁性基材の両面に所定のパターンで導電層を設けて第 1集電体シ一トおよび第 2集電体シートを得る。

ここでは、所定のパターンとして、図 5に示すような複数行、複数列からなるマトリクス状のパターンを説明する。

まず、所望数の集電体シ一ト 5 0を与え得る大きさのシート状の絶縁性基材である樹脂シート 5 1を準備し、樹脂シート 5 1の両面の同じ位置に、複数の所定のパターンの導電層を設ける。

図 5の場合、樹脂シート 5 1には、電極 2つ分の大きさの導電層 5 2 が複数個形成されている。 2 n個の電極を得ようとするときには、樹脂シートに、片面あたり n個の導電層を形成する。すなわち、電極 2つ分の集電体シート 5 2 ' と、それらの間の中央部 5 3とを、一体に形成する。中央部 5 3は、後の工程により、電極合剤層を担持しない導電層の露出部となる。このようにして第 1集電体シ一ト 5 0を得る。第 2集電体シートも同様にして作製する。

このような導電層は、樹脂シートにマトリクス状のマスクを被覆し、マスクから露出する樹脂シートに金属を蒸着させる方法により得ることができる。マスクで被覆された部分には、樹脂シートの露出部 5 4が残る。

マスクには、マトリクス状の開口部を有するシート、蒸着金属の付着を阻害する目的で樹脂シート上にマトリクス状に塗布されたオイルなどを用いることができる。また、樹脂シートにマトリクス状にインクを印刷し、金属を蒸着した後、インクとインク上の蒸着金属を洗浄 · 除去する方法も採用することができる。さらに、樹脂シートに金属を蒸着した後、レーザーなどの金属除去手段を用いて、所定の形状パターンの導電層を得る方法などもある。ただし、特にこれらの方法に限定されるものではない。

工程（b )

次に、各導電層の上に、それぞれ複数個の第 1電極合剤層または第 2 電極合剤層を、前記パターンに対応させるとともに間隙を設けて形成し、第 1電極の集合体 6 0 aおよび第 2電極の集合体 6 0 bを得る。

図 6の場合、第 1集電体シートの各導電層の上には、第 1電極合剤層 6 1 aが 2つずつ形成されている。 2つの第 1電極合剤層 6 1 aの間には、間隙として合剤を担持しない導電層の露出部 5 3 aが残されている。また、導電層を有さない樹脂シ一トの露出部 5 4 aも残されている。第 1電極合剤層は、第 1電極合剤からなるペーストを、中央部 5 3を除く導電層の全面に塗工することにより形成される。塗工方法は特に限定されないが、スクリーン印刷、パターン塗工などを採用することが好ましい。このときペーストが塗工されなかった導電層の露出部 5 3 aは、極板群の構成後に、第 1端子との接続部 5 3 Xとなる。また、ペーストが塗工されなかった樹脂シートの露出部 5 4 aは、極板群の構成後に、短絡防止のために第 2端子に配される絶縁部 5 4 Xとなる。

図 6には、 3行 3列の電極合剤層が描かれているが、通常はより大きな樹脂シー卜上に、より多くの導電層と電極合剤層が形成される。

第 1電極合剤からなるペーストは、第 1電極の活物質、導電材、結着剤などを、分散媒と混合することにより調製される。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜をローラで圧延して、合剤密度が高められる。

工程（b ) の後、後述する工程（c ) の前に、第 1電極合剤層または第 2電極合剤層の端部を覆う位置に、絶縁材料部を形成する工程を行うことが好ましい。

すなわち、極板群を構成した場合に第 2集電体シ一トの導電層の露出部と隣接することになる第 1電極合剤層の周縁部に沿って、絶縁材料を塗工する。ここでもパターン塗工を行うことが好ましい。

第 1電極合剤層の周縁部のその他の部分にも、絶縁材料を被覆してもよい。ただし、第 1集電体シートの導電層の露出部の全体が覆われないようにする。

図 6のような極板群を得る場合には、少なくとも樹脂シートの露出部 5 4 aに隣接する第 1電極合剤層の端部に、絶緣材料を塗工する。なお、絶縁材料の塗工は必ずしも必要ではなく、任意に行えばよい。ここで塗ェした絶縁樹脂は、極板群において、第 1絶縁材料部を形成する。

第 2電極の集合体も上記第 1電極の集合体と同様に作製すればよい。図 6の場合、第 2集電体シートの各導電層の上には、第 2電極合剤層 6 1 bが 2つずつ形成されている。 2つの第 2電極合剤層 6 1 bの間には、間隙として合剤を担持しない導電層の露出部 5 3 bが残されている。また、導電層を有さない樹脂シー卜の露出部 5 4 bも残されている。第 2電極合剤のペーストが塗工されなかった導電層の露出部 5 3 bは、極板群の構成後に、第 2端子との接続部 5 3 yとなる。また、ペーストが塗工されなかった樹脂シートの露出部 5 4 bは、極板群の構成後に、短絡防止のために第 1端子に配される絶縁部 5 4 yとなる。

積層体の両端部に配する極板として、片面だけに第 1電極合剤層を有する第 1電極の集合体または片面だけに第 2電極合剤層を有する第 2電極の集合体を作製してもよい。これらの電極の集合体は、最外層に電極合剤層を露出させないために用いられる。この場合、積層体の最外層に導電層が露出してもよいが、導電層を設けずに、樹脂シートを露出させてもよい。

工程（ c )

次に、第 1電極の集合体 6 0 aおよび第 2電極の集合体 6 0 bをセパレー夕を介して積層し、積層体を得る。

工程（b ) によって作製された第 1電極の集合体と第 2電極の集合体とを、セパレ一夕を介して積層する。このとき、第 1電極の集合体に含まれる第 1電極合剤層 6 1 aと第 2電極の集合体に含まれる第 2電極合剤層 6 l bとが互いに対面するように、これらを積層する。

第 1電極の集合体における導電層の露出部 5 3 aが、第 2電極の集合体における樹脂シートの露出部 5 4 bと対面し、第 1電極の集合体における樹脂シートの露出部 5 4 aが、第 2電極の集合体における導電層の露出部 5 3 bと対面するように、両極板を配置する。そして、両最外面に、片面だけに電極合剤層を有する一対の電極の集合体を配し、これらで内側の電極の集合体を挟持し、全体をプレスする。その結果、複数の積層型極板群を含む積層体が、得られる。

工程（d )

前記積層体を、電極合剤層の間隙において切断することにより、複数個の積層型極板群を得る。

図 6の楊合、第 1電極の集合体および第 2電極の集合体は、矢印 X、 Y方向に沿って、前記間隙において切断される。導電層の露出部である間隙に対応する集電体シートの切断部は、端子との接続部 5 3 x、 yとなり、その反対側の樹脂シートの露出部に対応する切断部は絶縁部 5 4 X、 yとなる。

従来から一般的に用いられている金属箔からなる集電体の場合、切断時に生じる金属バリが問題となる。金属パリは、セパレー夕を突き破り、内部短絡を引き起こす大きな原因となるからである。従って、金属バリの発生を防ぐことが重要となるが、金属バリを生じることなく金属箔を切断することは著しく困難である。

一方、樹脂シートからなる集電体シートを用いる場合、切断面のほとんどが樹脂で占められているため、金属バリを生じることがない。従つて、電気化学素子の信頼性を大幅に向上させることができる。

続いて、積層型極板群の対向する第 1側面および第 2側面を導電性材料で被覆し、第 1端子および第 2端子を形成する工程を行うことが好ましい。

第 1集電体シートの導電層の露出部（接続部 5 3 x ) と第 2集電体シ一トの絶縁部 5 4 yとが交互に配列する第 1側面を、導電性材料の被膜で被覆すれば、第 1端子が得られる。こうして形成された金属被膜は、. 第 1集電体シートの導電層の露出部とだけ電気的に接続される。第 1側面おいて、第 2電極合剤層の端面に絶縁材料が塗工されている場合には、導電性材料の被膜と第 2電極との短絡は確実に防止される。

第 2集電体シートの導電層の露出部（接続部 5 3 y ) と第 1集電体シ一卜の絶縁部 5 4 Xとが交互に配列する第 2側面についても、上記と同様に導電性材料で被覆すれば、第 2端子を得ることができる。

端子を形成しない極板群の側面は、そのままの状態でもよいが、できれば多孔質な絶縁材料で被覆することが好ましい。

次に、工程（ a ) における所定のパターンが、並行に並ぶ帯（ストリップ）状である場合について、図 7を参照しながら説明する。

まず、第 1電極の集合体 7 0 aと第 2電極の集合体 7 0 bとを作製する。

第 1電極の集合体 7 0 aを得る場合、所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シートの両面の同じ位置に、複数行の帯状の導電層を形成する。このような導電層は、例えば、樹脂シートに帯状のマスクを被せ、マスクから露出する樹脂シート部分に金属を蒸着させることにより、得ることができる。ここでも、 1つの帯状導電層を帯状電極合剤層 2つ分の集電体シートに跨るように形成する。すなわち、 2 n個の帯状集電体シ一トを与え得る大きさの樹脂シートを用いる場合、樹脂シ一卜の片面あたり、 n個の帯状導電層を形成する。

次に、各帯状導電層の上に、帯状の第 1電極合剤層 7 1 aを 2つずつ形成する。 2つの帯状第 1電極合剤層 7 1 aの間には、合剤を担持しない導電層の露出部 5 3 a ' を間隙として残しておく。帯状の第 1電極合剤層 7 l aは、上記と同様の第 1電極合剤からなるペーストを、導電層の中央部を除く全面に塗工することにより形成される。塗工方法は上述の場合と同様である。ペーストが塗工されなかった導電層の露出部 5 3 a ' は、第 1端子との接続部 5 3 X ' となる。

また、第 2電極の集合体 7 0 bを得る場合、所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シートの両面の同じ位置に、複数行の帯状の導電層を設け、各導電層の上に、帯状の第 2電極合剤層 7 1 bを 2つずつ形成する。 2つの帯状の第 2電極合剤層の間には、合剤を担持しない導電層の露出部 5 3 b ' を残しておく。ぺ一ストが塗工されなかった導電層の露出部 5 3 b ' は、極板群の構成後には、第 2端子との接続部

5 3 y ' となる。

このような極板群の集合体である積層体を、図 7に示す矢印 X、 Y方向に沿って、個々の積層型極板群ごとに分割すると、樹脂シートの露出部に対応する切断部は、絶縁部 5 4 x ' 、 y ' を形成する。

他の切断部においては、電極合剤層の断面が露出することになる。電極合剤層の断面が露出する極板群の側面は、多孔質な絶縁材料で封止することが好ましい。実施の形態 4

複数の積層型極板群を同時に製造する他の方法について、図 8〜 1 6 を参照しながら説明する。

本実施の形態の製造法は、

( C ) 長尺状の第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を、セパレー夕を介して積層するとともに連続的に積層体として供給する工程と、

( D ) 前記積層体を平板状のボビンで巻き取る工程と、

( E ) 前記ボビンに巻き取られた積層体を切断し、複数個の積層型極板群を得る工程とを含む。

ここでも、シート状の絶縁性基材の両面に、所定のパターンに基づいて導電層を設けて、第 1集電体シートおよび第 2集電体シ一トを得るェ程（A ) と、前記導電層の上に、それぞれ前記パターンに対応させるとともに間隙を設けて第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を形成するェ程（B ) とにより、第 1電極および第 2電極を得ることが好ましい。以下、工程（A ) 〜（E ) を、工程順に説明する。また、その他のェ程についても適宜説明する。なお、その他の工程は、電気化学素子の構造および用途などに応じ、当業者であれば適宜選択し、組み合わせて行うことができる。

工程（A )

工程（A ) では、図 1 ( a ) に示すように、シート状の絶縁性基材である樹脂シート 8 0 aの両面に導電層 8 1 aを所定のパターンで形成し、第 1集電体シート 8 aを得る。また、図 2 ( a ) に示すように、シート状の絶縁性基材である樹脂シート 8 0 bの両面に導電層 8 1 bを所定のパターンで形成し、第 2集電体シート 8 bを得る。

このとき、所定のパターンは、後述の図 1 6に示すように、最終的に得られる積層型極板群 1 6 0において、第 1集電体シ一ト 8 aの導電層 8 1 aのみが第 1側面に露出し、第 2集電体シ一ト 8 bの導電層 8 1 b のみが第 2側面に露出するように決定する。

なお、図 8、. 9における樹脂シート 8 0 aおよび 8 0 bは、便宜上、一定の長さを有するシート状として表したが、実際には長尺状である。長尺状であれば、例えばフープ状に巻いた原反などから連続して供給することができる。従って、連続してシート上に金属を蒸着させることができ、生産性を向上させることができる。

ここでも、少なくとも 1つの帯状導電層は 2つの帯状のシート状の集電体に跨るように形成する。導電層の形成は、実施の形態 3と同様に行えばよい。また、所定のパターンは、上述のように、最終的に作製する積層型極板群の数に応じて適宜調整すればよい。

工程（B )

次に、図 1 ( b ) および図 2 ( b ) に示すように、第 1集電体シ一ト 8 aおよび第 2集電体シ一ト 8 bの導電層の上に、それぞれ複数個の第 1電極合剤層 8 2 aおよび第 2電極合剤層 8 2 bを、平行に並ぶ帯状に間隙 8 3 aおよび 8 3 bを設けて形成し、第 1電極の集合体 1 4および第 2電極の集合体 1 5を得る。

電極合剤層を担持しない導電層の露出部 8 3 aおよび 8 3 bは、極板群の構成後に、それぞれ第 1端子との接続部 8 3 Xおよび第 2端子との接続部 8 3 x ' となる。また、樹脂シートの露出部 8 4 aおよび 8 4 b は、極板群の構成後に、それぞれ短絡防止のために第 1端子に配される絶縁部 8 4 yおよび第 2端子に配される絶縁部 8 4 y ' となる（図 1 6 参照）。

集電体シートが長尺状であることから、端部から連続して電極合剤を塗工することができ、生産性を向上させることが可能である。集電体シ ―トをフ一プ状にして供給してもよい。

ここでも、片面だけに第 1電極合.剤層を有する第 1電極の集合体または片面だけに第 2電極合剤層を有する第 2電極の集合体を用いることも可能である。

図 1 0に、図 8 ( b ) および図 9 ( b ) に示す第 1電極の集合体 8 5 aおよび第 2電極の集合体 8 5 bをより詳細に表した図を示す。図 1 0の場合、工程（A ) で形成した帯状の各導電層 8 1 aおよび 8 1 b の上に、帯状の第 1電極合剤層 8 2 aおよび第 2電極合剤層 8 2 bが、それぞれ 3つずつ形成されている。

工程（C ) に先だって、第 1電極合剤層 8 2 aおよび第 2電極合剤層 8 2 bの端部に沿って、絶縁材料を塗工して、絶縁材料部 1 6 8 aおよび 1 6 8 bを形成することができる（図 1 6参照）。これにより、最終的に得られる極板群の側面において、第 1電極と第 2電極との短絡を効果的に防ぐことができる。なお、図 8〜 1 0においては、絶縁材料部は省略されている。絶縁材料の塗工は必ずしも必要ではなく、任意に行えばよい。

工程（C )

次に、得られた長尺状の第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を、セパレー夕を介して積層しながら、連続的に積層体として供給する。図 1 1は、その工程の説明図である。

セパレー夕.2 0、第 1電極の集合体 8 5 a、セパレー夕 2 2および第 2電極の集合体 8 5 bは、例えば、それぞれフープ状に巻かれた原反から供給する。そして、これらをローラ 2 4 a、 2 4 bおよび 2 4 cを介して積層しながら連続的に供給する。このとき、第 1電極の集合体 8 5 aの第 1電極合剤層 8 2 aと第 2電極の集合体 8 5 bの第 2電極合剤層 8 2 bとが互いに対面するように、これらを積層する。また、第 1 電極の集合体 8 5 aにおける導電層の露出部 8 3 aが、第 2電極の集合体 8 5 bにおける樹脂シートの露出部 8 4 bと対面し、第 1電極の集合体 8 5 aにおける樹脂シートの露出部 8 4 aが、第 2電極の集合体 8 5 bにおける導電層の露出部 8 3 bと対面するように、両電極の集合体を配置する。

セパレー夕、第 1電極の集合体および第 2電極の集合体の供給方法については、特に制限はないが、得ようとする積層型極板群の構造を考慮する。工程（D ) において、平板状のポビン 2 5で巻き取り易い態様で供給することが好ましい。

ここで、図 1 1の破線 Xで囲まれた部分の拡大図を図 1 2に示す。平板状のボビン 2 5に供給される積層体は、セパレ一夕 2 0、第 1電極の集合体 8 5 a、セパレー夕 2 2および第 2電極の集合体 8 5 bからなり、第 1電極合剤層と第 2電極合剤層とが相対する位置関係を有している。工程（D )

図 1 3に示すように、工程（C ) によって供給される積層体は、上述のように平板状のボビン 2 5で巻き取る。このとき、ボビン 2 5は、第 1電極合剤層および第 2電極合剤層の長さ方向（図 1 2の矢印）に沿つて前記積層体を巻き取る。

最初に巻き取られる積層体の先端部、すなわち図 1 3に示す破線 Yで囲まれた部分は、ボビン 2 5の端部よりも僅かに外側（図 1 3左側）に突出させておくことが好ましい。これは、工程（E ) で説明するように、ポビン 2 5に巻き取られた積層体のうち、両端の折曲部を切断して廃棄するからである。このようにすれば、 Yの部分において、第 1電極と第 2電極とが短絡するのを防止することができる。

工程（E )

次いで、前記ボビンに巻き取られた積層体を切断し、複数個の積層型極板群を得る。図 1 4に示すように、ボビン 2 5に巻き取られた積層体のうち、積層部分 2 6 aおよび 2 6 bは、規則正しい積層構造を有しているため、有効に用いることができる。しかし、矢印および Y ₂で切断される両端の折曲部 2 6 cは、各構成部分が湾曲したり折れ曲がったりしているため、切断して廃棄することが好ましい。なお、図 1 4においては、積層構造の詳細は省略した。

積層部分 2 6 a、 2 6 bの状態を図 1 5に示す。積層部分 2 6 aおよび 2 6 bは、ボビン 2 5上に配置されている。図 1 5に示すように、この積層体においては、間隙 2 8が積層方向において同じ位置に並んでいる。そこで、この間隙 2 8において、電極合剤層の長さ方向（P方向）に前記積層体を切断することによって、図 1 6に示す積層型極板群 1 6 0の前駆体を得ることができる。

また、所望する積層型極板群の寸法や容量に応じて、図 1 5に示す Q 方向においても、所定の位置で前記積層体を切断してもよい。この切断工程は、積層部分 2 6 aおよび 2 6 bをボビン 2 5から分離させてから行うこともできるが、ポビン 2 5上で行うことも可能である。

積層部分 2 6 aおよび 2 6 bは、複数の積層型極板群を含む集合体である。この集合体を個々の積層型極板群ごとに分割すると、導電層の露出部である間隙に対応する集電体シートの切断部は、端子との接続部となり、その反対側の樹脂シートの露出部に対応する切断部は絶縁部となる。

工程（F )

切断工程に続いて、図 1 6に示すように、積層型極板群の対向する第 1側面および第 2側面を、導電性材料で被覆し、第 1端子 1 6 7 aおよび第 2端子 1 6 7 bを形成する工程を行うことが好ましい。端子を形成しない極板群の側面は、そのままの状態でもよいが、多孔質な絶縁材料で被覆することが好ましい。

なお、上記においては、所定のパターンが帯状の場合について説明したが、実施の形態 3で示したような、マトリクス状のパターンにも上記方法を応用することができる。実施の形態 5

複数の捲回型極板群を同時に製造する方法の一例について、図 1 7を参照しながら説明する。

本実施の形態の製造法は、

( a ) シート状の絶縁性基材の両面に導電層を設けて第 1集電体シ一トおよび第 2集電体シ一トを得る工程、 (b) 第 1集電体シ一トおよび第 2集電体シ一トの前記導電層の上に、それぞれ複数個の第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を、平行に並ぶ帯状に間隙を設けて形成し、第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を得る工程、

( c ) セパレ一夕を介して第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を、第 1電極合剤層および第 2電極合剤層の長さ方向に供給して、同心円状に捲回し、捲回体を得る工程、および

(d) 前記捲回体を、前記間隙において切断することにより、複数個の捲回型極板群を得る工程を含む。

以下、工程（ a) 〜（d) を、工程順に説明する。また、その他のェ程についても適宜説明する。なお、その他の工程は、電気化学素子の構造および用途などに応じ、当業者であれば適宜選択し、組み合わせて行うことができる。また、捲回型極板群の製造法は、以下に限定されるものではない。

図 1 7は、本実施の形態の製造法の工程図である。図 1 8は、この製造法において用いる第 1電極の集合体、セパレー夕および第 2電極の集合体の概略斜視図である。図 4は、本実施の形態の製造法において得られる電気化学素子の断面図に相当する。

工程（ a)

図 1 7 ( 1 ) に示すように、まず、樹脂シート 1 7 0 aおよび

1 7 0 bの両面に、それぞれ導電層 1 7 1 aおよび 1 7 1 bを所定のパターンで形成し、第 1集電体シ一ト 1 7 1 Aおよび第 2集電体シ一ト 1 7 1 Bを得る。

第 1集電体シ一ト 1 7 1 Aおよび第 2集電体シ一ト 1 7 1 Bの製造法は、実施の形態 3、 4で説明した通りである。

所定のパターンは、図 1 7 ( 6 ) において、第 1集電体シートの導電層のみが第 1底面に露出し、第 2集電体シートの導電層のみが第 2底面に露出するように決定すればよい。ここでは、樹脂シートの露出部 1 7 4 aおよび 1 7 4 bを残して導電層が形成されている。

なお、図 1 7における集電体シ一ト 1 7 1 Aおよび 1 7 1 Bは、便宜上、一定の長さで表したが、実際には長尺状である。長尺状であれば、フープ状に巻いた原反などから連続して供給することができるからである。

工程（b)

次に、図 1 7 ( 2 ) に示すように、第 1集電体シ一ト 1 7 1 Aおよび第 2集電体シ一ト 1 7 1 Bの前記導電層の上に、それぞれ複数個の第 1 電極合剤層 1 7 2 aおよび第 2電極合剤層 1 7 2 bを、平行に並ぶ帯状に間隙 1 7 3 aおよび 1 7 3 bを設けて形成し、第 1電極の集合体 1 7 5 aおよび第 2電極の集合体 1 7 5 bを得る。

ここで、第 1電極合剤層 1 7 2 aおよび 1 7 2 bの端部に沿つて、絶縁材料を塗工して、絶縁材料部を形成することが好ましい。なお、図 1 7および 1 8においては、絶縁材料部は示していない。これにより、得られる捲回型極板群の底面を導電性材料で被覆する際に、第 1電極と第 2電極との短絡を防ぐことができる。絶縁材料部の形成も、実施の形態 3、 4と同様に行えばよい。

工程（ c )

次いで、図 1 7 ( 3 ) に示すように、第 1電極の集合体 1 7 5 aおよび第 2電極の集合体 1 7 5 bを、セパレー夕 1 7 6を介して積層する。そして、図 1 7 (4) に示すように、積層体 1 7 7を矢印 Xの方向に捲回する。これにより、図 1 7 ( 5) に示すような捲回体 1 7 8を得る。捲回体 1 7 8は、第 1電極合剤層 1 7 2 aおよび第 2電極合剤層

1 7 2 bの数に対応する数の捲回型極板群を含んでおり、各極板群は交互に逆向きに配列している。

長尺状の第 1電極の集合体、セパレー夕および第 2電極の集合体を用いれば、これらを連続的に供給し、積層し、捲回し、適当な位置で切断することによって、連続して複数の捲回体 1 7 8を得ることが可能である。

工程（d) ·

捲回体 1 7 8は、矢印 Yで示されるように、前記間隙 1 7 3 aおよび 1 7 4 bが配列する位置、ならびに間隙 1 7 3 bおよび 1 7 4 aが配列する位置において切断される。その結果、図 1 7 ( 6) で示されるような捲回型極板群 1 7 9が複数個得られる。図 1 7 ( 6 ) では、捲回型極板群 1 7 9の第 1底面（上側）に、第 1集電体シートの導電層の露出部が配されており、第 2底面（下側）に、第 2集電体シートの導電層の露出部が配されている。これらの底面を導電性材料で被覆することにより、第 1端子および第 2端子を設けることができる。実施の形態 6

図 1 9に、本実施の形態に係る積層型極板群 1 0 aの縦断面図を示す。図 2 0には、極板群 1 0 aの a— a線断面図を示す。

ここでは、最も外側の 2つの第 2電極 1 5 b ' は、樹脂シ一ト 1 1 b の両面に導電層 1 2 bを有するが、内側の電極と対向する導電層 1 2 b のみに電極合剤層が担持されている。外側の導電層 1 2 bには、電極合剤層が担持されておらず、導電層 1 2 bが露出している。この部分を他の導電層の端部 1 2 yと接続すれば、第 2端子が拡大されることになり、極板群の側面だけでなく、上下面からも集電が可能となる。

極板群 1 0 aは、最も外側の 2つの電極以外については、実施の形態 1で説明した極板群 1 0と同じ構造を有する。図 2 1に示す極板群 1 0 a ' のように、最も外側の 2つの電極として、それぞれ異なる極性を有する電極を用いることもできる。極板群

1 0 a ' は、先述の極板群 1 0 aとほぽ同様の構造を有しているが、最も外側の電極の一方として、両面に導電層 1 2 aを有するが内側の電極と対向する導電層 1 2 aのみに第 1電極合剤層 1 4 aが担持されている第 1電極 1 5 a ' を有する。

第 1電極合剤層を担持しない導電層 1 2 aを第 1端子と接続すれば、第 1端子が拡大されることになり、第 2電極合剤層を担持しない導電層

1 2 bを第 2端子と接続すれば、第 2端子が拡大されることになる。実施の形態 7

図 2 2に、実施の形態 1に係る積層型極板群 1 0の a— a線断面図の別の態様を示す。

極板群 1 0 bの第 3側面（図 2 2左側）には、第 1集電体シート

1 3 aの絶縁部（端部 1 1 X " ) および第 2集電体シ一ト 1 3 bの絶縁部 (端部 1 l y ' ) が面一に配され、第 4側面（図 2 2右側）には、第 1集電体シート 1 3 aの絶縁部（端部 1 1 x ' ) および第 2集電体シ一ト 1 3 bの絶縁部（端部 1 1 y " ) が面一に配されている。

上述のように、このような構造によれば、第 1電極と第 2電極との短絡を有効に防止することができる。ただし、確実に短絡を防止するには、第 3側面および第 4側面を、それぞれ電子絶縁性材料で被覆することが有効である。また、電気化学素子の信頼性を向上させるとともに、製造工程の複雑化を防ぐには、極板群の第 3側面および第 4側面を、電子絶縁性材料で覆うことが極めて有効である。さらに、極板群に電解液を含浸させる工程を簡易に行えるようにするには、電子絶縁性材料が多孔性であることを必要とする。そこで、極板群 1 0 bにおいては、第 3側面および第 4側面が、それぞれ電子絶縁性の多孔性材料 1 9で被覆されている。また、図 2 2では、多孔性材料 1 9が、セパレー夕の端部と溶着により接合されている。このような構成によれば、電気化学素子の信頼性を、飛躍的に向上させることができる。

例えば、多孔性材料で覆われた側面、加熱した治具を押しつけることにより、多孔性材料とセパレ一夕とを溶着させることができる。セパレー夕の端部と多孔性材料とを溶着させる場合、多孔性材料には、セパレー夕と同一の材料を用いることが好ましい。同一の材料を用いれば、セパレ一夕の端部と多孔性材料とを容易に溶着させることができるとともに、高い溶着強度を得ることができる。

前記多孔性材料には、ポリオレフイン、ポリアルキレンオキサイド、フッ素ポリマー、セラミックスなどを用いることができる。ここで、ポリオレフインには、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができ、ポリアルキレンオキサイドには、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンォキサイドなどを用いることができ、フッ素ポリマーには、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとへキサフルォロプロピレンとのコポリマーなどを用いることができ、セラミックスには、無機フィラ一、ガラス繊維などを用いることができる。これらの材料は、単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。

また、これらの材料からなる膜状部材を用いてもよく、これらの材料を含む原料ペーストの塗膜を用いることもできる。原料ペーストは、分散媒を用いて適度な流動性を付与して用いることが可能である。多孔性材料として、従来からポリマー電池などで用いられているポリマ一電解質を用いることもできる。ポリマー電解質は、例えば、電解液とマトリクス部材とを、混合することにより調製することができる。前記マトリ 3 015755

55 クス部材には、上述のポリアルキレンォキサイドゃフッ素ポリマーなどを用いることができる。

図' 2 3に、実施の形態 1に係る積層型極板群 1 0の a— a線断面図のさらに別の態様を示す。

図 2 3では、極板群 1 0 cの第 3側面および第 4側面が、多孔性材料の原料ペーストの塗膜 1 9 ' で覆われている。多孔性材料の原料ペーストは、流動性を有することから、一般的な塗工装置を用いて容易に極板群の側面に塗工することができる。また、原料ペーストの液面に極板群の側面を付着させるだけでも、その側面を原料ペーストで覆うことが可能である。極板群の側面を覆う原料ペーストから、不要な分散媒を揮散させると、極板群の側面に密着した塗膜を得ることができる。

図 2 2、 2 3では、第 1電極合剤層 1 4 aおよび第 2電極合剤層 1 4 bの端部は、第 3側面および第 4側面より窪んだ位置に配されているが、各電極合剤層の端部が、各集電体シートの絶縁部およびセパレー夕の端部と面一に配されていてもよい。そのような構造であっても、第 3側面および第 4側面を電子絶縁性の多孔性材料で覆うことから、充分に短絡を防止することが可能である。特に、多孔性材料を極板群の側面に配されたセパレー夕の端部と溶着させたり、極板群の側面に密着した多孔性材料の塗膜を形成する場合には、短絡の可能性は大きく低減する。実施の形態 8

次に、上記極板群を収容する簡易なパッケージについて、図 2 4〜 3 3を参照しながら説明する。

図 2 4は、ケースに収容する前の極板群 1 0 1の上面図であり、図 2 5は、その極板群を図 2 4左側から見た側面図である。これらの図に示されるように、ケースに収容する前に、極板群 1 0 1の第 1端子 1 0 2 aおよび第 2端子 1 0 2 bには、それぞれ第 1 リ一ド片 1 0 3 a および第 2 リード片 1 0 3 bを接続する。第 1端子もしくは第 2端子が正極端子となる場合には、アルミニウム等からなるリード片をその端子に接続することが好ましい。また、第 1端子もしくは第 2端子が負極端子となる場合には、銅、 N i等からなるリード片をその端子に接続することが好ましい。各リード片は、各端子に種々の溶接工程により接合することができる。

本発明の電池の好ましい第 1の形態においては、図 2 6に示すような 3つの部品からなるケース 1 8 0に極板群を収容する。

ケース 1 8 0は、枠体 1 0 6、平坦な第 1シート 1 1 0 aおよび平坦な第 2シート 1 1 0 bからなる。枠体 1 0 6は、極板群 1 0 1を囲むとともに、第 1端子 1 0 2 aが設けられた第 1側面および第 2端子

1 0 2 bが設けられた第 2側面と当接している。 2つの平坦なシートは、枠体 1 0 6の 2つの開口面を覆って極板群の上面および下面と当接している。 '

2つのシート 1 1 0 a、 bの周縁部は、それぞれ枠体 1 0 6の一方および他方の開口端部と接合される。枠体 1 0 6と 2つのシート 1 1 0 a、 bの周縁部との接合は、どのような方法で行ってもよい。

枠体 1 0 6には、第 1スリット 1 0 7 aおよび第 2スリット 1 0 7 b が設けられており、第 1 リード片 1 0 3 aおよび第 2リード片 1 0 3 b が、これらのスリットを通過してケースの外部へ導出される。各リード片を導出した後、各スリットの間隙は封止材により埋められる。

本発明の電池の好ましい第 2の形態においては、図 2 7に示すような 2つの部品からなるケース 1 9 0に極板群を収容する。

ケース 1 9 0は、有底容器 1 0 6 ' および平坦なシート 1 1 0 a ' からなる。容器 1 0 6 ' は、極板群 1 0 1を収容する。また、容器 1 0 6 ' は、第 1端子 1 0 2 aが設けられた第 1側面および第 2端子 1 0 2 bが設けられた第 2側面と当接する側壁ならびに極板群 1 0 1の上面および下面の一方と当接する底部を有する。平坦なシート

1 1 0 a ' は、容器 1 0 6 ' の開口面を覆って極板群 1 0 1の上面および下面の他方と当接している。

シート 1 1 0 a ' の周縁部は、容器 1 0 6 ' の開口端部と接合される。容器 1 0 6 ' とシート 1 1 0 a ' の周縁部との接合は、どのような方法で行ってもよい。

容器 1 0 6 ' には、第 1スリット 1 0 7 a ' および第 2スリット 1 0 7 b ' が設けられており、第 1 リ一ド片 1 0 3 aおよび第 2 リード片 1 0 3 bが、これらのスリットを通過してケースの外部へ導出される。各リード片を導出した後、各スリツ卜の間隙は封止材により埋められる。

ケースの形状、材質などは特に限定されないが、少なくとも、極板群の第 1端子を有する第 1側面および第 2端子を有する第 2側面と当接する枠体 1 0 6や容器 1 0 6 ' の内面は、絶縁性を有することが好ましい。例えば、樹脂材料、セラミックスなどの絶縁性材料からなる枠体 1 0 6 や容器 1 0 6 ' を用いることが好ましい。ただし、絶縁性材料は、電解液や水分を透過させる可能性があるため、絶縁性材料からなる第 1の層と、電解液や水分を透過させない金属箔からなる第 2の層を有する枠体 1 0 6や容器 1 0 6 ' を用いることが、さらに好ましい。その場合、第 1の層は、ケースの内側に配置する。また、金属箔の外側に、さらに絶縁性材料からなる第 3の層を設けることもできる。

極板群の第 1側面および第 2側面と当接しないシート 1 1 0 a、 1 1 0 b , 1 1 0 a ' には、金属箔などの導電性材料をそのまま用いることもできるが、当然に枠体 1 0 6、容器 1 0 6 ' と同様の材料を用いることもできる。絶縁性材料からなる第 1の層には、ポリプロピレン層などを用いることができる。電解液を透過させない金属箔からなる第 2の層には、アルミニゥム箔などを用いることができる。枠体 1 0 6や容器 1 0 6 ' における第 1の層の厚さは、 1〜 1 0 0 0 mが好ましく、第 2の層の厚さは、 0. 0 1〜； 1 0 0 mが好ましい。また、シート 1 1 0 a、

1 1 0 b、 1 1 0 a ' における第 1の層の厚さは、 1〜： L O O O HIが好ましく、第 2の層の厚さは、 0. 0 1〜 1 0 0 mが好ましい。

開口に対して垂直な方向から見た枠体 1 0 6もしくは容器 1 0 6 ' の断面図の一例を図 2 8に示す。枠体 1 0 6もしくは容器 1 0 6 ' は、内側の絶縁性材料からなる第 1の層 1 0 4、 1 04 ' および外側の金属箔からなる第 2の層 1 0 5、 1 0 5 ' を有している。また、開口に対して平行な一方向から見たケース 1 8 0およびケース 1 9 0の断面図の一例を、それぞれ図 2 9および図 3 0に示す。

第 1シート 1 1 0 a、 1 1 0 a ' は、内側の絶縁性材料からなる第 1 の層 1 0 8 a、 1 0 8 a ' および外側の金属箔からなる第 2の層

1 0 9 a、 1 0 9 a，を有しており、第 2シート 1 1 0 bは、内側の絶縁性材料からなる第 1の層 1 0 8 bおよび外側の金属箔からなる第 2の層 1 0 9 bを有している。

ケース 1 8 0もしくは 1 9 0に極板群を収容して完成した電池のパッケージの上面図を図 3 1に示す。また、ケース 1 8 0および 1 9 0に極板群を収容して完成した電池のパッケージの斜視図を、それぞれ図 3 2 および図 3 3に示す。

いずれのパッケージにおいても、第 1 リード片 1 0 3 aおよび第 2 リード片 1 0 3 bが、それぞれ外部へ導出されており、各スリッ卜の間隙は封止材 1 1 2 a、 1 1 2 a ' および 1 1 2 b、 1 1 2 b ' により埋められている。封止材には、電解液に対して耐性を有する樹脂材料などが用いられる。

上記のようなパッケージは、部品点数が少ないことから、少ない製造工程数で効率良く得ることが可能であり、しかも極板群自体が簡易な構造を有することから、体積効率が高く、優れた信頼性を有する電池を得ることが可能である。実施の形態 9

図 3 4に、本実施形態に係る極板群 1 0 0の縦断面図を示す。

極板群 1 0 0は、交互に積層された複数の第 1電極 1 1 0と複数の第 2電極 1 2 0からなり、第 1電極 1 1 0と第 2電極 1 2 0との間には、セパレー夕 1 3 0が介在している。

第 1電極 1 1 0は、第 1集電体シ一ト 1 1 2および 2つの第 1電極合剤層 1 1 4からなり、第 1集電体シート 1 1 2は、樹脂シート 1 1 6およびその両面に設けられた導電層 1 1 8からなる。第 1集電体シート 1 1 2は、導電層の形状パターンに応じて導電部と絶縁部とを有する。一方、図 1の極板群には、 2種類の第 2電極 1 2 0 aおよび 1 2 0 b が含まれている。 2つの第 1電極 1 1 0で挟持されている内部の第 2電極 1 2 0 aは、導電シート 1 2 2からなる第 2集電体シ一トおよび 2つの第 2電極合剤層 1 2 4からなる。最外部の 2つの第 2電極 1 2 0 bは、内側片面だけに第 2電極合剤層 1 2 4が設けられていること以外、内部の第 2電極 1 2 0 aと同様の構造を有する。

図 3 4においては、第 2電極が最外部の 2つの電極を構成しているが、第 1集電体シートの内側片面だけに第 1電極合剤層が設けられた第 1電極を最外部の 2つの電極とすることもできる。また、最外部の 2つの電極のうち、片方を第 1電極とし、他方を第 2電極とすることもできる。第 1電極 1 1 0においては、樹脂シートの一端部 1 1 6 Xを除く全面もしくは端部 1 1 6 Xと図 3 4の紙面裏表に位置する端部を除く全面に導電層 1 1 8が設けられている。導電層 1 1 8の上には、第 1電極合剤層 1 1 4が設けられている。図 3 4の第 1集電体シ一ト 1 1 2においては、導電層 1 1 8を有さない樹脂シートの端部 1 1 6 Xもしくは端部 1 1 6 Xと図 3 4の紙面裏表に位置する端部が絶縁部として機能する。端部 1 1 6 Xの反対側に位置する導電層の端部 1 1 8 Xには、導電層 1 1 8の露出部が残されている。

第 2電極 1 2 0を構成する第 2集電体シ一トにおいては、導電シート 1 2 2の一方の端部 1 2 2 Xもしくは端部 1 2 2 Xと図 3 4の紙面裏表に位置する端部が、絶縁材料 1 2 6で被覆されている。また、端部 1 2 2 Xの反対側に位置する導電シ一トの端部 1 2 2 yでは、導電シート 1 2 2が露出している。

導電シート 1 2 2の厚さは、例えば 0 . 5〜5 0 0 i mであることが好ましい。平坦な表面を有する通常の導電シートを用いてもよく、穿孔体、ラス体、多孔質体、ネット、発泡体、織布、不織布などを用いてもよい。また、表面に凹凸を有する導電シートを用いることもできる。導電シ一卜の材質には、第 2電極が正極である場合には、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、炭素などを用いることができ、特に、アルミニウム、アルミニウム合金などが好ましい。また、第 2電極が負極である場合には、例えば、ステンレス鋼、二ッケル、銅、銅合金、チタンなどを用いることができ、特に、銅、銅合金などが好ましい。

絶縁材料 1 2 6の厚さは、例えば 0 . 5〜 5 0 0 ii mであることが好ましい。

絶縁材料 1 2 6には、例えば樹脂塗膜を用いることができる。樹脂塗膜は、絶縁樹脂を含む溶液または分散液を、導電シート 1 2 2の端部に塗工し、乾燥することにより、形成することができる。塗工方法は特に限定されないが、例えばスクリーン印刷法、ダイコート法等を採用することができる。溶液や分散液は、液状でもペースト状でもよく、これらの粘度は任意に制御すればよい。

樹脂塗膜は、重合性化合物を含む溶液または分散液を、電極合剤層の端部に塗工し、前記重合性化合物を重合させることにより、形成することもできる。

樹脂テープで導電シート 1 2 2の端部を被覆することにより、絶縁材料 1 2 6を設けることもできる。

以上の絶縁材料には、電極合剤層の端部に沿って形成する絶縁材料部と同様のものを用いることができる。

第 1集電体シートの導電層の端部 1 1 8 Xは、極板群の第 1側面、すなわち図 3 4左側に配されており、その反対側に位置する樹脂シートの端部 1 1 6 Xは、極板群の第 2側面、すなわち図 3 4右側に配されている。また、導電シート 1 2 2の端部 1 2 2 yは、極板群の第 1側面に配されており、その反対側の絶縁材料 1 2 6で被覆されている端部は、極板群の第 2側面に配されている。

短絡を確実に防止する観点から、樹脂シートの端部 1 1 6 Xの幅は、 0 . 0 0 1 mm以上、好ましくは 0 . 1 mm以上であることが好ましい。絶縁材料 1 2 6で被覆されている導電シートの端部 1 2 2 Xの幅についても、同様である。

電気化学素子の安全性を損なわせる原因の一つは、正極集電体シ一トと負極合剤層との短絡であることから、正極集電体シ一トに絶縁シートからなる第 1集電体シートを用い、負極集電体シートに導電シートからなる第 2集電体シ一トを用いることが好ましい。

次に、図 3 4の極板群 1 0 0の効率的な製造法の一例について、図 3 5および 3 6を参照しながら説明する。

まず、所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シートを準備し、樹脂シー卜の両面の同じ位置に、複数の所定形状の導電層を形成する。この際、樹脂シートの露出部 2 1 0 aを残しておく。

次に、図 3 5 ( a ) に示すように、各導電層の上に、第 1電極合剤層 3 1 0を 2つずつ形成する。 2つの第 1電極合剤層 3 1 0の間には、電極合剤層を担持しない導電層の露出部 2 2 0 aを残しておく。電極合剤層を担持していない導電層の露出部 2 2 0 aは、後に第 1端子との接続部 2 2 0 bとなる。また、樹脂シートの露出部 2 1 0 aは、後に極板群の第 2側面に配される絶縁部 2 1 0 bとなる。

図 3 5には示されていないが、第 1電極合剤層の形成後、極板群において第 2側面に配される第 1電極合剤層の端部を絶縁材料で被覆してもよい。

ここまでの工程は、実施の形態 3 、 4と同様に行うことができる。その後、図 3 ( b ) に示すように、集電体シートの集合体を一列毎に分割する。

一方、第 2電極は、導電シートを用いること以外は、第 1電極とほぼ同様に作製する。すなわち、所望数の電極を与え得る大きさの導電シートの両面の同じ位置に、第 1電極の場合と同様に複数の所定形状の第 2 電極合剤層を形成する。その後、導電シートを電極毎に分割する。

次に、極板群の第 1側面に配される予定の導電シートの端部を絶縁材料で被覆する。また、極板群の第 1側面に配される予定の第 1電極合剤層の端部を絶縁材料で被覆してもよい。

片面だけに第 2電極合剤層を有する第 2電極についても、他方の面に第 2電極合剤層を設けないこと以外、上記と同様の方法で作製することができる。次に、図 3 5 ( c ) に示すように、各第 1電極の第 1電極合剤層 3 1 0 と各第 2電極の第 2電極合剤層 3 2 0とをセパレー夕 3 3 0を介して対向させて積層する。積層数は任意である。また、第 1電極の第 1 端子との接続部 2 2 0 bが、第 2電極の導電シート 3 2 1の端部を被覆する絶縁材料 3 2 2と対面するように、両極板を配置する。そして、両最外面に、片面だけに第 2電極合剤層を有する一対の第 2電極を配し、これらで内側の電極を挟持し、全体をプレスする。

その結果、複数の極板スタックからなる集合体が得られる。最後に、極板スタックからなる集合体を極板スタックごとに分割する。このとき、第 1集電体シ一トの切断面に大きな金属バリが発生することはない。次に、捲回型極板群について説明する。

捲回型極板群の場合、図 3 6 ( a ) に示すような帯状の形状を有する第 1電極 4 1 0および第 2電極 4 2 0を用いる。第 1電極 4 1 0および第 2電極 4 2 0は、形状は異なるが、積層型極板群に用いる第 1電極および第 2電極と同様の構造を有する。従って、第 1電極および第 2電極の製造法は、積層型の場合とほぼ同様である。

図 3 6 ( a ) において、第 1電極 4 1 0の長手方向に沿う一方の端部には、導電層の露出部からなる第 1端子との接続部 4 1 2が設けられている。また、第 1電極 4 1 0の他方の端部には、樹脂シートからなる絶縁部 4 1 3が設けられている。

また、第 2電極 4 2 0の長手方向に沿う一方の端部においては、導電シート 4 2 2の端部が露出しており、導電シ一卜 4 2 2の他方の端部は絶縁材料 4 2 3で被覆されている。

次いで、図 3 6 ( b ) に示すように、第 1電極 4 1 0と第 2電極 4 2 0とをセパレ一夕 4 3 0を介して積層し、捲回する。その結果、図 3 6 ( c ) に示すような捲回型極板群 4 0 0が得られる。このような極板群の一方の底面（第 1底面）には、第 1集電体シートの第 1端子との接続部 4 1 2と第 2集電体シートの絶縁材料 4 2 3とが交互に同心円状に配列しており、他方の底面（第 2底面）には、導電シート 4 2 2の露出部と第 1集電体シ一卜の絶縁部 4 1 3とが交互に同心円状に配列している。従って、第 1底面および第 2底面を、上記と同様にそれぞれ第 1端子および第 2端子で被覆することができる。実施例 1

本実施例では、以下の要領で積層型のリチウムイオン二次電池を作製した。

( a) 第 1電極の作製

横 1 9 8 mm、縦 2 8 2 mm、厚さ Ί mのポリエチレンテレフタレ —ト（以下、 P ETという）のシートを準備した。次いで、マトリクス状の開口部を有するマスクを用いて、 P E Tシ一トの両面の同じ位置に、 3行 6列に配列する複数の矩形（ 6 5 mmX 4 6 mm) の銅の蒸着膜を形成した。銅の蒸着膜の厚さは、 0. l mとした。

活物質の球状黒鉛（黒鉛化メソフェーズ小球体） 1 0 0重量部と、結着剤のスチレンブタジエンゴム 3重量部と、分散媒である適量のカルボキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、第 1電極合剤からなるペーストを調製した。このペーストを各蒸着膜の中央部を除く全面に塗工した。その結果、各蒸着膜の上に、 3 2 111111 4 6 111111の第 1 電極合剤層が 2つずつ形成された。 2つの第 1電極合剤層の間には、幅 1 mmの溝状に、電極合剤層を有さない銅の蒸着膜の露出部を残した。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜を厚さ 7 0 / mになるまでローラで圧延した。

1 0重量部のポリフッ化ビニリデン（以下、 P VD F) を、 9 0重量部の N—メチルー 2—ピロリドン（以下、 NMP) に溶かして、 PVD Fの NMP溶液を調製した。第 1電極合剤層の周縁部のうち、蒸着膜の露出部に隣接する部分の反対側の部分に、上記 NMP溶液をスクリーン印刷法で塗工し、 8 0°Cで乾燥させて、幅 0. 3mm、乾燥後の厚さ

7 0 mのポリフッ化ビニリデンの塗膜を形成し、絶縁材料部とした。こうして両面に 6行 6列の第 1電極合剤層を有する第 1電極の集合体を得た。

(b) 第 2電極の作製

両面に第 2電極合剤層を有する第 2電極を作製した。

横 1 9 8 mm、縦 2 8 2 mm、厚さ 7 ^ 111の？ E Tシ一トを準備した。次いで、マトリクス状の開口部を有するマスクを用いて、 P ETシートの両面の同じ位置に、 3行 6列に配列する複数の矩形（ 64mmX 4 5mm) のアルミニウムの蒸着膜を形成した。 A 1蒸着膜の厚さは、 0. 1 mとした。

活物質のコバルト酸リチウム（L i C o〇₂) 1 0 0重量部と、導電材のアセチレンブラック 3重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン 7重量部と、分散媒である適量のカルボキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、第 2電極合剤からなるペーストを調製した。このべ一ストを各蒸着膜の中央部を除く全面に塗工した。その結果、各蒸着膜の上に、 3 1 mmx 4 5 mmの第 2電極合剤層が 2つずつ形成された。 2つの第 2電極合剤層の間には、幅 2 mmの溝状に、合剤を有さない A 1 の蒸着膜の露出部を残した。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜を厚さ 7 0 imになるまでローラで圧延した。

得られた第 2電極合剤層の周縁部のうち、蒸着膜の露出部に隣接する部分の反対側の部分に、上記 N M P溶液をスクリーン印刷法で塗工し、

8 0 °Cで乾燥させて、幅 0. 3mm、乾燥後の厚さ 7 0 mのポリフッ化ビニリデンの塗膜を形成し、絶縁材料部とした。こうして両面に 6行 6列の第 2電極合剤層を有する第 2電極の集合体を得た。

次に、片面だけに第 2電極合剤層を有する第 2電極を、他方の面に導電層、第 2電極合剤層および絶縁材料を設けないこと以外、上記と同様の方法で作製した。

( c ) 極板群の作製

両面に第 1電極合剤層を有する第 1電極からなる集合体 2つで、両面に第 2電極合剤層を有する第 2電極からなる集合体 1つを、セパレ一夕を介して挟持した。このとき第 1電極合剤層と第 2電極合剤層とを互いに対面させた。また、第 1電極における蒸着膜の露出部およびポリフッ化ビニリデンの塗膜からなる絶縁材料部を、それぞれ第 2電極におけるポリフッ化ビニリデンの塗膜からなる絶縁材料部および蒸着膜の露出部と対面させた。両最外面に、片面だけに第 2電極合剤層を有する一対の第 2電極を配し、これらで内側の電極を挟持し、全体をプレスした。その結果、複数の極板スタックからなる集合体が得られた。

切断位置を、第 1電極における蒸着膜の露出部の中心、第 2電極における蒸着膜の露出部の中心に合わせて、複数の極板スタックからなる集合体を極板スタック毎に分割した。その結果、一連の塗工 ·積層工程により、一度に 3 6個もの極板スタックを得ることができた。こうして得られた極板スタツクの 4つの側面においては、各集電体シ一トの端部とセパレー夕の端部とが面一に配されていた。

1つの側面（第 1側面）には、第 1集電体シートの蒸着膜の露出部と第 2集電体シ一トの P E Tの露出部が交互に配列していた。その反対側の第 2側面には、第 2集電体シ一トの蒸着膜の露出部と第 1集電体シ一トの P E Tの露出部が交互に配列していた。残りの 2つの側面には、各集電体シ一トの P E Tの露出部が配列していた。第 1集電体シ一卜の銅の蒸着膜の露出部と第 2集電体シ一卜の P ET の露出部とが交互に配列する第 1側面に、半溶融状態の銅微粒子を吹き付けた。その結果、第 1側面に、厚さ 0. 5 mmの銅膜が形成された。銅の蒸着膜の露出部は、銅膜の内部に深さ 0. 2mmまで埋没していた。第 1側面に配されている第 2電極合剤層の端面は、ポリフッ化ビニリデンの塗膜で覆われているため、吹き付けにより形成された銅膜と第 2電極とが接触することはなかった。この銅膜はそのまま負極端子として用いた。

第 2集電体シートの A 1 の蒸着膜の露出部と第 1集電体シートの P E Tの露出部とが交互に配列する第 2側面に、半溶融状態のアルミニウム微粒子を吹き付けた。その結果、第 2側面に、厚さ 0. 5 mmのアルミニゥム膜が形成された。 A 1の蒸着膜の露出部は、アルミニウム膜の内部に深さ 0. 2mmまで埋没していた。第 2側面に配されている第 1電極合剤層の端面は、ポリフッ化ビニリデンの塗膜で覆われているため、吹き付けにより形成されたアルミニウム膜と第 1電極とが接触することはなかった。このアルミニウム膜はそのまま正極端子として用いた。

[充放電試験]

得られた極板群の銅膜とアルミニウム膜に、それぞれリード線を接続し、外部の充放電装置を用いて、充放電試験を行った。ここで用いた電解液は、エチレンカーボネート（E C) とェチルメチルカーボネート

(EMC) とを体積比 3 0 : 7 0で混合した混合溶媒に、 L i P F ₆を 1 モル/ Lの濃度で溶解して調製した。

充放電は、 2 0 °C雰囲気中で行った。充電および放電は、それぞれ電極面積に対して 2. 5 mAZ c m²の電流モードで行った。充電終止電圧は 4. 2 Vとした。放電終止電圧は 3. 0 Vとした。上記条件によって得られた電気容量は 9 0 OmAhであった。 [短絡発生率]

同様の電池を 1 0 0個作製し、それらの電池の集電端子付近を金属丸棒で圧壊させ、その後、電池電圧を測定して、内部短絡発生の可能性のある電池の個数を調べた。内部短絡発生の可能性のある電池は 0個であつた。

[耐衝撃性]

実施例 1の極板群を落下させて機械的衝撃を与えても、内部短絡に由来する電圧降下などの異常は認められなかった。比較例 1

従来から用いられている銅箔からなる芯材を用いて、実施例 1 と同じ組成 ·厚さの第 1電極合剤層を有する第 1電極を作製し、アルミニウム箔からなる芯材を用いて、実施例 1と同じ組成 ·厚さの第 2電極合剤層からなる第 2電極を作製し、これらを積層して実施例 1と同じ容量 9 0 0の電池を作製した。極板群の第 1側面からは第 1電極の端部を突出させ、第 1側面の反対側に位置する第 2側面からは第 2電極の端部を突出させた。電極合剤層の端部を覆う絶縁材料部は、第 1電極にも第 2 電極にも設けなかった。同一極性の極板同士をリードで接続し、電池を完成した。得られた電池の容量は実施例 1と同じであつたが、電池の容積は実施例 1の電池の約 1 . 2倍となった。同様の電池を 1 0 0個作製し、短絡発生率を調べたところ、 2個の電池で短絡の発生が確認された。実施例 2

本実施例では、以下の要領で捲回型のリチウムイオン二次電池を作製した。

( a ) 第 1電極の作製横 1 98mm、縦 506 mm、厚さ 7 mのポリエチレンテレフタレート（以下、 PETという）のシートを準備した。次いで、マトリクス状の開口部を有するマスクを用いて、 P E Tシートの両面の同じ位置に、 3列に配列する複数の帯状（6 5mmX 5 06 mm) の銅の蒸着膜を形成した。銅の蒸着膜の厚さは、 0. l ^mとした。

活物質の球状黒鉛（黒鉛化メソフェーズ小球体） 1 0 0重量部と、結着剤のスチレンブタジエンゴム 3重量部と、分散媒である適量のカルボキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、第 1電極合剤からなるペーストを調製した。このペーストを各蒸着膜の中央部を除く全面に塗工し、各蒸着膜の上に、 32 mmx 506 mmの帯状の第 1電極合剤層を 2列ずつ形成した。 2列の帯状の第 1電極合剤層の間には、幅 1 mmの溝状に、第 1電極合剤を有さない銅の蒸着膜の露出部を残した。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜を厚さ 70 になるまでローラで圧延した。

第 1電極合剤層の周縁部のうち、蒸着膜の露出部に隣接する部分の反対側の部分に、実施例 1と同様の方法で、幅 0. 3mm、乾燥後の厚さ 7 0 zmのポリフッ化ビニリデンの塗膜を形成して、絶縁材料部とした。こうして、両面に 6列の帯状の第 1電極合剤層を有する第 1電極の集合体を得た。

(b) 第 2電極の作製

両面に帯状の第 2電極合剤層を有する第 2電極を作製した。

横 1 98 mm, 縦 506 mm、厚さ 7 の PETシ一トを準備した。次いで、マトリクス状の開口部を有するマスクを用いて、 PETシ一卜の両面の同じ位置に、 3列に配列する複数の帯状（64mmX 50 6 m m) のアルミニウムの蒸着膜を形成した。 A 1蒸着膜の厚さは、 0. 1 mとした。活物質のコバルト酸リチウム（L i C o〇₂) 1 0 0重量部と、導電材のアセチレンブラック 3重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン 7重量部と、分散媒である適量のカルボキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、第 2電極合剤からなるペース卜を調製した。このべ一ストを各蒸着膜の中央部を除く全面に塗工し、各蒸着膜の上に、 3 1 mm x 5 0 6 mmの帯状の第 2電極合剤層を 2列ずつ形成した。 2列の第 2電極合剤層の間には、幅 2 mmの溝状に、第 2電極合剤を有さない A 1 の蒸着膜の露出部を残した。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜を厚さ 7 0 になるまでローラで圧延した。

第 2電極合剤層の周縁部のうち、蒸着膜の露出部に隣接する部分の反対側の部分に、実施例 1と同様の方法で、幅 0 . 3 mm、乾燥後の厚さ 7 0 mのポリフッ化ビニリデンの塗膜を形成して、絶縁材料部とした。こうして、両面に 6列の第 2電極合剤層を有する第 2電極の集合体を得た。

( c ) 極板群の作製

第 1電極の集合体と、第 2電極の集合体とを、セパレータを介して重ねてから捲回した。このとき、第 1電極合剤層と第 2電極合剤層とを互いに対面させ、第 1電極における蒸着膜の露出部およびポリフッ化ビ二リデンの塗膜からなる絶縁材料部を、それぞれ第 2電極におけるポリフッ化ビニリデンの塗膜からなる絶縁材料部および蒸着膜の露出部と対面させた。その結果、交互に逆向きに配列した複数の捲回型極板群からなる長尺筒状の集合体が得られた。

こうして得られた集合体は、第 1電極における蒸着膜の露出部の中心、第 2電極における蒸着膜の露出部の中心で切断して、極板群毎に分割した。その結果、一連の塗工 ·捲回工程により、一度に 6個もの極板群を得ることができた。第 1集電体シートの銅の蒸着膜の露出部と第 2集電体シートの P E T 樹脂部とが交互に配列する側面（第 1底面）には、半溶融状態の銅微粒子を吹き付けた。ただし、極板群の内部に電解液を注入するための注入孔を設けるために、該当箇所にマスクを被せた。その結果、第 1底面に、厚さ 0 . 5 mmの銅膜が形成された。このとき、銅の蒸着膜の露出部が、銅膜の内部に深さ 0 . 2 mmまで埋没していた。第 1底面に配されている第 2電極合剤層の端面は、ポリフッ化ビニリデンの塗膜で覆われているため、吹き付けにより形成された銅膜と第 2電極とが接触することはなかった。この銅膜は、そのまま負極端子として用いた。

第 2集電体シ一トの A 1 の蒸着膜の露出部と第 1集電体シートの P E T樹脂部とが交互に配列する側面（第 2底面）には、半溶融状態のアルミニゥム微粒子を吹き付けた。ただし、極板群の内部に電解液を注入するための注入孔を設けるために、該当箇所にマスクを被せた。その結果、第 2底面に、厚さ 0 . 5 mmのアルミニウム膜が形成された。このとき、 A 1 の蒸着膜の露出部が、アルミニウム膜の内部に深さ 0 . 2 m mまで埋没していた。第 2底面に配されている第 1電極合剤層の端面は、ポリフッ化ビニリデンの塗膜で覆われているため、吹き付けにより形成されたアルミニウム膜と第 1電極とが接触することはなかった。このアルミ二ゥム膜は、そのまま正極端子として用いた。

こうして得られた極板群をステンレス鋼製の円筒型電池ケースに収容し、極板群底面の銅膜をケースの内底面に接続した。極板群上面のアルミニゥム膜は、アルミニウムリードを介して、周囲に絶縁ガスケットを配した封口板の裏側に接続した。次いで、電解液をケース内に注ぎ、電解液を極板群の内部に含浸させた。その後、封口板でケースの開口部を封口し、円筒型電池を完成した。ここで用いた電解液は、エチレンカーボネート（E C ) とェチルメチルカーボネート（E M C ) とを体積比 3 0 : 7 0で混合した混合溶媒に、 L i P F ₆を 1モル Z Lの濃度で溶解して調製した。比較例 2

従来と同様の方法で、捲回型のリチウムイオン二次電池を作製した。すなわち、 3 2 X 5 0 6 mmの帯状の銅箔およびその両面に担持された実施例 2と同じ組成 ·厚さの第 1電極合剤層からなる第 1電極を作製し、 3 1 X 5 0 6 m mの帯状のアルミニウム箔およびその両面に担持された実施例 2と同じ組成 ·厚さの第 2極合剤層からなる第 2電極を作製した。それぞれの極板には、集電夕ブを接続するための電極合剤層の未塗工部を設け、そこに集電タブを接続した。これらの第 1電極と第 2電極とを、セパレー夕を介して捲回し、極板群を作製した。

こうして得られた極板群を、実施例 2で用いたものより直径が 1 . 2 倍大きなステンレス鋼製の円筒型電池ケースに収容し、第 2電極リードをケースの内底面に溶接した。また、第 1電極リードは、周囲に絶縁ガスケットを配した封口板の裏側に接続した。次いで、電解液をケース内に注ぎ、実施例 2と同様の電解液を極板群の内部に含浸させた。その後、封口板でケースの開口部を封口し、円筒型電池を完成した。なお、比較例 2で実施例 2よりも大きな電池ケースを要したのは、集電タブが極板群の内部に介在していることから極板群の直径が増加したためである。実施例 2および比較例 2の電池の容量は同じであるが、比較例 2の電池は、実施例 2の電池よりも 1 . 2倍大きくなつた。

[充放電試験]

実施例 2および比較例 2の電池の充放電を、それぞれ 2 0 °C雰囲気中で行った。充電および放電は、それぞれ電極面積に対して 2 . 5 m A / c m²の電流モードで行った。充電終止電圧は 4 . 2 Vとした。放電終止電圧は 3. 0 Vとした。上記条件によって得られた実施例 2および比較例 2の電池の電気容量は、いずれも 9 0 0 mA hであった。 '

[レート特性]

次に、 2 0°C雰囲気中で、実施例 2および比較例 1の電池の充電を、電極面積に対して 2. 5 mA/ c m²の電流モードで充電終止電圧 4. 2 Vまで行い、 0. 2 C ( 0. 5 mA/ c m²) の電流値で放電した。その後、再び実施例 2および比較例 1の電池の充電を、上記と同じ電流モードで、充電終止電圧 4. 2 Vまで行い、 2 C ( 5 mA/c m²) の電流値で放電した。その結果、実施例 2の電池の場合、 2 Cで放電したときの容量は 0. 2 Cで放電したときの容量の 9 0 %であったが、比較例 1の電池の場合、 2 Cで放電したときの容量は 0. 2 Cで放電したときの容量の 8 0 %であった。

[耐衝撃性]

実施例 2の電池を落下させて機械的衝撃を与えても、内部短絡に由来する電圧降下などの異常は認められなかったが、比較例 1の電池では若干の電圧降下が認められた。

[短絡発生率]

実施例 2および比較例 2の電池をそれぞれ 1 0 0個作製し、これらの電池の集電端子付近を圧壊させ、その後、電池電圧を測定して、内部短絡発生の可能性のある電池の個数を調べた。内部短絡発生の可能性のある電池は、実施例 2では 0個であつたが、比較例 2では 2個であった。実施例 3

( a) 極板群の作製

実施例 1 と同様の積層型極板群を作製し、銅膜からなる負極端子には、ニッケル製負極リード（厚さ 1 0 0 ^m、寸法 2 mmX 3 0mm) の一端を溶接により接合した。アルミニウム膜からなる正極端子には、アルミニゥム製正極リード（厚さ 1 0 0 m、寸法 2mmX 3 0mm) の一端を溶接により接合した。各リードの他端は、それぞれ極板群の一側面から 5 mmほど突出させた。

(b) ケースの作製

図 2 6に示されるような 3つの部品からなるケースを作製した。枠体 1 0 6には、ケースの内側に配される厚さ 5 0 0 mのポリプロピレン層と、ケースの外側に配される厚さ 2 0 のアルミニウム箔と、を有する 2層の積層材料を用いた。枠体の外寸は 3 4 mmX 5 0 mmX 5 mmとした。 2つの平坦なシート 1 1 0 a、 bには、ケースの内側に配される厚さ 8 0 mのポリプロピレン層と、ケースの外側に配される厚さ 2 0 mのアルミニウム箔と、を有する 2層の積層材料を用いた。平坦なシートの外寸は、枠体と同じく 3 4 X 5 0とした。枠体の側壁の一つには、幅 1 0 0 mの 2つのスリット 1 0 7 a、 bを形成した。

( c ) 電池の組み立て

極板群に接合された正極リードおよび負極リードの突出部を、それぞれ枠体のスリット 1 0 7 a、 bに通すとともに、極板群を枠体で囲んだ。そして、ポリプロピレン層を内側に配した 2つのシート 1 1 0 a、 bで、枠体と極板群とを一緒に挟持した。シート 1 1 0 a、 bの周縁部を加熱してポリプロピレン層を溶融させ、各シ一トと枠体の開口端部とを溶着させた。ケース内に電解液を注液し、極板群に電解液を充分に含浸させた後、スリットの隙間をピッチで封止した。ここで用いた電解液は、ェチレンカーボネート（E C) とェチルメチルカーボネート（EMC) とを体積比 3 0 ： 7 0で混合した混合溶媒に、 L i P F ₆を 1モル/Lの濃度で溶解して調製した。こうして電池を完成した。

[充放電試験] 得られた電池の充放電試験を 2 0°C雰囲気中で行った。充電および放電は、それぞれ電極面積に対して 2. 5 mA/ c m²の電流モードで行つた。充電終止電圧は 4. 2 Vとした。放電終止電圧は 3. 0 Vとした。上記条件によって得られた電気容量は 9 0 OmAhであった。

[耐衝撃性]

実施例 1の電池を落下させて機械的衝搫を与えても、内部短絡に由来する電圧降下は認められなかった。実施例 4

図 2 7に示されるような 2つの部品からなるケースを作製した。容器 1 0 6 ' には、ケースの内側に配されるポリプロピレン層と、ケースの外側に配される厚さ 2 0 のアルミニウム箔とを有する 2層の積層材料を用いた。容器の側壁におけるポリプロピレン層の厚さは 5 0 0 m、容器の底部におけるポリプロピレン層の厚さは 8 0 inとした。容器の外寸は 3 4 mmX 5 0 mmX 5 mmとした。平坦なシ一ト 1 1 0 a ' には、ケースの内側に配される厚さ 8 0 mのポリプロピレン層と、ケースの外側に配される厚さ 2 0 のアルミニウム箔とを有する 2層の積層材料を用いた。平坦なシートの外寸は、容器開口の外寸と同じく 3 4 X 5 0とした。容器の側壁の一つには、幅 1 0 0 mの 2つのスリット 1 0 7 a ' 、 b ' を形成した。

上記ケースを用いたこと以外、実施例 3と同様に電池を作製した。すなわち、極板群に接合された正極リ一ドおよび負極リ一ドの突出部を、それぞれ容器のスリット 1 0 7 a ' 、 b ' に通すとともに、極板群を容器内に収容した。そして、ポリプロピレン層を内側に配したシート 1 1 0 a ' で容器の開口側から極板群を覆った。シート 1 1 0 a ' の周縁部を加熱してポリプロピレン層を溶融させ、シートと容器の開口端部とを溶着させた。ケース内に上記と同じ組成の電解液を注液し、極板群に電解液を充分に含浸させた後、スリットの隙間をピッチで封止した。得られた電池の容量および電池の容積は実施例 3と同じであった。また、実施例 4の電池を落下させて機械的衝撃を与えても、内部短絡に由来する電圧降下は認められなかった。比較例 3

従来から用いられている銅箔からなる芯材を用いて、実施例 3と同じ組成 ·厚さの第 1電極合剤層を有する第 1電極を作製し、アルミニウム箔からなる芯材を用いて、実施例 1と同じ組成 ·厚さの第 2電極合剤層からなる第 2電極を作製し、これらを積層して実施例 3と同じ容量 9 0 O m A hの電池を作製した。極板群の第 1側面からは第 1電極の端部を突出させ、第 1側面の反対側に位置する第 2側面からは第 2電極の端部を突出させた。各側面から突出する極板の端部に集電板を溶接し、集電板にリ一ドを接続して極板群を完成した。この極板群をセパレー夕で覆った後、従来から用いられているアルミニウム製の角形ケースに収容し、電池を完成した。

得られた電池の容量は、実施例 3と同じであつたが、電池の容積は実施例 3の電池の約 1 . 2倍となった。また、比較例 3の電池を落下させて機械的衝撃を与えたところ、内部短絡に由来する若干の電圧降下が認められた。実施例 5

実施例 1 と同様の極板群を作製し、極板群の第 1端子と第 2端子に、それぞれ二ッケルからなる負極リードとアルミニウムからなる正極リードを超音波溶接により溶接した。各端子と各リ一ドとの接合面積は、 0. 5 cm²とした。リードが接合された極板群は、所定の電解液に浸漬し、極板群内部に充分に電解液を含浸させた。ここで用いた電解液は、エチレンカーボネート（EC) とェチルメチルカーボネート（EMC) とを体積比 3 0 : 7 0で含む混合溶媒に、 L i P F ₆を 1モル/ Lの濃度で溶解して調製した。こうしてリチウムイオン二次電池 Xを完成した。実施例 6

実施例 1と同様の極板スタックを作製した。また、樹脂のポリアミドイミド 30重量部と、導電性微粒子の銅粉末（平均粒径 2 0 m) 7 0 重量部とからなる導電性ペースト Aを調製した。そして、第 1集電体シ ―トの銅の蒸着膜の露出部と第 2集電体シ一トの P ETの露出部とが交互に配列する第 1側面に、導電性ペースト Aを塗工し、 7 0°Cで極板スタックを加熱して樹脂を硬化させた。その結果、第 1側面に、厚さ 0. 5 mmの第 1端子が形成された。銅の蒸着膜の露出部は、第 1端子の内部に深さ 0. 5mmまで埋没していた。また、銅の蒸着膜の露出部は、第 1端子を貫通して外面に露出していた。第 1端子は負極端子として用いた。

樹脂のポリアミドイミド 30重量部と、導電性微粒子のアルミニウム粉末（平均粒径 2 0 m) 70重量部とからなる導電性ペースト Bを調製した。そして、第 2集電体シートの A 1の蒸着膜の露出部と第 1集電体シ一トの P E Tの露出部とが交互に配列する第 2側面に、導電性べ一スト Bを塗工し、 70 °Cで極板スタツクを加熱して樹脂を硬化させた。その結果、第 2側面に、厚さ 0. 5 mmの第 2端子が形成された。 A 1 の蒸着膜の露出部は、第 2端子の内部に深さ 0. 5mmまで埋没していた。また、 A 1の蒸着膜の露出部は、第 2端子を貫通して外面に露出していた。第 2端子は正極端子として用いた。こうして得られた極板群の、銅の蒸着膜の露出部が露出する第 1端子と、 A 1の蒸着膜の露出部が露出する第 2端子に、それぞれニッケルからなる負極リードとアルミニウムからなる正極リードをレーザ溶接により溶接した。各端子と各リードとの接合面積は、 0. 5 c m²とした。リード線が接合された極板群は、所定の電解液に浸潰し、極板群内部に充分に電解液を含浸させた。ここでは実施例 5と同じ電解液を用いた。こうしてリチウムイオン二次電池 Yを完成した。実施例 7

実施例 1 と同様の極板スタックを作製した。また、 P b— S n— B i 系の合金（融点 1 0 0 °C) からなる半田を準備し、浴槽内で溶融させた。そして、第 1集電体シートの銅の蒸着膜の露出部と第 2集電体シ一トの P E Tの露出部とが交互に配列する第 1側面を、この溶融半田の液面と接触させ、直ちに引き上げた。その結果、第 1側面に、厚さ 0. 5mm の第 1端子が形成された。銅の蒸着膜の露出部は、第 1端子の内部に深さ 0. 2mmまで埋没していた。第 1端子は負極端子として用いた。第 2集電体シートの A 1 の蒸着膜の露出部と第 1集電体シートの P E Tの露出部とが交互に配列する第 2側面を、上記溶融半田の液面と接触させ、直ちに引き上げた。その結果、第 2側面に、厚さ 0. 5mmの第 2端子が形成された。 A 1 の蒸着膜の露出部は、第 2端子の内部に深さ 0. 2mmまで埋没していた。第 2端子は正極端子として用いた。

こうして得られた極板群の第 1端子と第 2端子に、それぞれニッケルからなる負極リードとアルミニウムからなる正極リードを抵抗溶接により溶接した。各端子と各リードとの接合面積は、 0. 5 c m²とした。リード線が接合された極板群は、所定の電解液に浸潰し、極板群内部に充分に電解液を含浸させた。ここでは実施例 5と同じ電解液を用いた。こうしてリチウムイオン二次電池 Zを完成した。

[充放電試験]

リチウムイオン二次電池 X、 Yおよび Zの充放電試験を、外部の充放電装置を用いて行った。充放電は、 2 0°C雰囲気中で行った。充電および放電は、それぞれ電極面積に対して 2. 5 mA/ c m²の電流モードで行った。充電終止電圧は 4. 2 Vとした。放電終止電圧は 3. 0 Vとした。上記条件によって得られた電池 X、 Yおよび Zの電気容量は、それぞれ 9 0 0 mAhであった。

[耐衝撃性]

電池 X、 Yおよび Zを落下させて機械的衝撃を与えても、内部短絡に由来する電圧降下などの異常は認められなかった。

[レート特性]

次に、 2 0°C雰囲気中で、電池 X、 Yおよび Zの充電を、電極面積に対して 2. 5 mAZ c m²の電流モードで充電終止電圧 4. 2 Vまで行い、 0. 2 C ( 0. 5 mA/ c m²) の電流値で放電した。その後、再び X、 Yおよび Zの充電を、上記と同じ電流モードで、充電終止電圧 4. 2 V まで行い、 2 C ( 5 mA/ c m²) の電流値で放電した。その結果、電池 Xの場合、 2 Cで放電したときの容量は 0. 2 Cで放電したときの容量の 9 0 %であり、電池 Yの場合、 2 Cで放電したときの容量は 0. 2 C で放電したときの容量の 9 0 %であり、電池 Zの場合、 2 Cで放電したときの容量は 0. 2 Cで放電したときの容量の 8 9 %であった。実施例 8

片面だけに第 2電極合剤層を有する第 2電極として、他方の面に導電層のみを設けた電極を用いたこと以外、実施例 1 と同様の積層型極板群を作製した（図 1 9参照）。前記他方の面には、第 2電極合剤層および絶縁材料は設けなかった。

[充放電試験]

得られた極板群の銅膜とアルミニウム膜に、それぞれリード線を接続し、電池を構成して、外部の充放電装置を用いて、充放電試験を行った。ここで用いた電解液は、エチレンカーボネート（E C) とェチルメチル力一ボネート（EMC) とを体積比 3 0 ： 7 0で混合した混合溶媒に、 L i P F ₆を 1モル/ Lの濃度で溶解して調製した。充放電は、 2 0 °C雰囲気中で行った。充電および放電は、それぞれ電極面積に対して 2. 5 mAZ c m²の電流モードで行った。充電終止電圧は 4. 2 Vとした。放電終止電圧は 3. 0 Vとした。上記条件によって得られた電気容量は 9 0 O mAhであった。

[レ一ト特性]

2 0 °C雰囲気中で、電池の充電を、電極面積に対して 2. 5 ΤΆΚ/ c m²の電流モードで充電終止電圧 4. 2 Vまで行い、 0. 2 C ( 0. 5 mAZ c m²) の電流値で放電した。その後、再び電池の充電を、上記と同じ電流モードで、充電終止電圧 4. 2 Vまで行い、 2 C ( 5 mAノ c m²) の電流値で放電した。その結果、 2 Cで放電したときの容量は 0. 2 Cで放電したときの容量の 9 0 %であった。

[耐衝撃性]

同様の電池を落下させて機械的衝撃を与えても、内部短絡に由来する電圧降下などの異常は認められなかった。実施例 9

実施例 1 と同様の積層型極板群を作製した。そして、各集電体シートの P E Tの露出部およびセパレー夕の端部が配列する第 3側面および第 4側面は、セパレー夕と同一の多孔性材料で完全に被覆した。セパレー夕および前記多孔性材料には、それぞれ厚さ 5 0 mのポリエチレンからなる微多孔膜を用いた。次いで、第 3側面および第 4側面を覆う多孔性材料に、外側から、 1 0 0 °Cに加熱した治具の平坦面を押しつけ、セパレー夕の端部と多孔性材料とを溶着させた。その後、多孔性材料を介して電解液を極板群の内部に充分に浸透させた。ここで用いた電解液は、エチレンカーボネート（E C) とェチルメチルカーボネ一ト（EMC) とを体積比 3 0 : 7 0で混合した混合溶媒に、 L i P F ₆を 1モル/ Lの濃度で溶解して調製した。

[充放電試験]

得られた極板群の銅膜とアルミニウム膜に、それぞれリード線を接続し、電池を構成して、外部の充放電装置を用いて、充放電試験を行った。充放電は、 2 0 °C雰囲気中で行った。充電および放電は、それぞれ電極面積に対して 2. 5 mA/ c m²の電流モードで行った。充電終止電圧は 4. 2 Vとした。放電終止電圧は 3. 0 Vとした。上記条件によって得られた電気容量は 9 0 OmAhであった。

[短絡発生率]

同様の電池を 1 0 0個作製し、それらの電池の第 3、第 4側面付近を圧壊させ、その後、電池電圧を測定して、内部短絡発生の可能性のある電池の個数を調べた。内部短絡発生の可能性のある電池は 0個であった。実施例 1 0

各集電体シ一トの P ETの露出部およびセパレー夕の端部が配列する第 3側面および第 4側面を、多孔性材料の原料ペーストの塗膜で被覆したこと以外、実施例 9と同様の極板群を作製した。すなわち、原料べ一ストで極板群の第 3側面および第 4側面を完全に覆い、乾燥させることにより、各側面を厚さ 5 0 /imの多孔性材料で被覆した。原料ペーストには、アルミナ 1 0重量部と、ポリフッ化ビニリデン 1 0重量部と、メチルェチルケトン 8 0重量部とを混合して調製したものを用いた。

[短絡発生率]

得られた電池の容量および電池の容積は実施例 9と同じであった。同様の電池を 1 0 0個作製し、短絡発生率を調べたところ、内部短絡発生の可能性のある電池は 0個であった。実施例 1 1

1 0 0重量部のポリエチレンォキシドジァクリレートに、 0 . 1重量部のベンジルジメチルケタールを溶かして、紫外線照射により重合を開始するァクリレート溶液を調製した。

P V D Fの N M P溶液の代わりに、第 1電極合剤層および第 2電極合剤層の所定の周縁部に、スクリーン印刷法により、上記ァクリレート溶液を、それぞれ幅 0 . 3 mmで塗工した。その後、最大出力波長 3 6 5 n mの高圧水銀灯を用いて、塗膜に 1分間の紫外線照射を行い、塗膜を硬化させた。硬化後の塗膜の厚さは 7 0 とした。こうして絶縁材料部を設けたこと以外、実施例 1と同様に、極板群を作製した。実施例 1 2

ポリフッ化ビニリデンの塗膜の代わりに、第 1電極合剤層および第 2 電極合剤層の所定の周縁部に、それぞれ幅 0 . 3 mm、厚さ 7 0 ^ mの樹脂テープを貼り付けたこと以外、実施例 1 と同様に、極板群を作製した。ここでは、厚さ 6 0 mのポリプロピレン製の基材と、その両面にそれぞれ担持された厚さ 5 mの粘着剤層からなる樹脂テープを用いた。粘着剤にはァクリル系樹脂を用いた。

[充放電試験] 実施例 1 1、 1 2の電池の充放電を、実施例 1と同様に、それぞれ 20 °C雰囲気中で行った。すなわち、充電および放電は、それぞれ電極面積に対して 2. 5 mAZ c m²の電流モードで行った。充電終止電圧は 4. 2 Vとした。放電終止電圧は 3. 0 Vとした。上記条件によって得られた実施例 1 1、 1 2の電池の電気容量は、いずれも 90 0 mAhであった。

[短絡発生率]

実施例 1 1、 1 2の電池をそれぞれ 1 00偭作製し、これらの電池の集電端子付近を圧壌させ、その後、電池電圧を測定して、内部短絡発生の可能性のある電池の個数を調べた。内部短絡発生の可能性のある電池は、いずれの実施例においても 0個であった。実施例 1 3

(a) 正極の作製

実施例 1と同様の、両面に 6行 6列の正極合剤層を有する正極集合体を得た。この正極集合体を 1列毎に分割した。分割された正極集合体の長手方向に沿う一方の端部には、幅 1 mmの A 1蒸着膜を有する PET シートの端部が存在し、他方の端部には、幅 1 mmの A 1蒸着膜を有さない P E Tシートの端部が存在した。

(b) 負極の作製

横 1 98 mm、縦 282 mm、厚さ 7 mの銅箔を準備した。

次に、活物質の球状黒鉛（黒鉛化メソフェーズ小球体） 1 00重量部と、結着剤のスチレンブタジエンゴム 3重量部と、分散媒である適量のカルポキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、負極合剤からなるペーストを調製した。このペーストを銅箔の両面に正極の場合と同様のパターンで塗工し、乾燥して、 3 2 mmX 4 6 mmの負極合剤層を複数個形成した。その後、負極合剤層を厚さ 7 0 になるまで口ーラで圧延した。

次に、正極端子と隣接する予定の負極合剤層の端部を、幅 0. 3mm の P VD Fの塗膜で被覆した。こうして、両面に 6行 6列の負極合剤層を有する負極集合体を得た。この負極集合体を 1列毎に分割した。分割された負極集合体の長手方向に沿う両端部には、幅 0. 5 mmの銅箔露出部が存在した。

その後、正極端子側に配される予定の銅箔端部の幅 0. 5 mmの領域を厚さ 2 5 mの P VD Fで被覆した。

また、片面だけに負極合剤層を有する負極についても、他方の面に負極合剤層等を設けないこと以外、上記と同様の方法で作製した。

(c ) 極板群の作製

両面に負極合剤層を有する負極集合体 2つで、正極集合体 1つをセパレー夕を介して挾持した。このとき正極合剤層と負極合剤層とを互いに対面させた。また、正極の A 1蒸着膜を有する P ETシートの端部と、負極の銅箔の P VD F塗膜で被覆された端部とを同じ側に配した。そして、両最外面に、片面だけに負極合剤層を有する一対の負極を配し、これらで内側の電極を挟持し、全体をプレスした。その結果、複数の極板ス夕ックからなる集合体が得られた。この集合体は極板スタック毎に分割した。その結果、一連の塗工，積層工程により、一度に 6個の極板スタックを得ることができた。

正極の A 1蒸着膜を有する P E Tシートの端部と、負極の銅箔の P V D F塗膜で被覆された端部とが交互に配列する側面に、半溶融状態の A 1微粒子を吹き付け、厚さ 0. 5mmの A 1膜を形成した。このとき、 A 1蒸着膜が A 1膜の内部に深さ 0. 2 mmまで埋没していた。この A 1膜を正極端子とした。

次に、 A 1蒸着膜を有さない P ETシートの端部と、負極の銅箔の P VD F塗膜で被覆されていない端部とが交互に配列する側面に、半溶融状態の銅微粒子を吹き付け、厚さ 0. 5mmの C u膜を形成した。このとき、銅箔の端部が C u膜の内部に深さ 0. 2mmまで埋没していた。この C u膜を負極端子とした。比較例 4

従来から用いられている厚さ 7 の A 1箔からなる芯材を用いて正極を作製し、この正極を用いたこと以外は実施例 1 3と同様のリチウムイオン二次電池を作製した。ただし、 A 1箔からなる芯材と負極端子との短絡を防ぐために、正極端子との接続部以外は A 1箔の端部を P VD Fの塗膜で被覆した。

[充放電試験]

各電池の A 1膜と C u膜にそれぞれリード線を接続し、外部の充放電装置を用いて、 2 0°C雰囲気中で充放電試験を行った。ここで用いた電解液は、エチレンカーボネート（E C) とェチルメチルカーボネート

(EMC) とを体積比 3 0 ： 7 0で混合した混合溶媒に、 L i P F ₆を 1 モル ZLの濃度で溶解して調製した。

充電および放電は、それぞれ電極面積に対して 2. 5mAZc m²の電流モードで行った。充電終止電圧は 4. 2 Vとした。放電終止電圧は 3. 0 Vとした。上記条件によって得られた電気容量は 9 0 O mAhであった。

[安全性]

実施例 1 3および比較例 4の電池を、さらに以下の手順で評価した。 ( i ) 各電池を、それぞれ 1 0 0個用意し、これらを 9 0 0 m Aで、電池電圧が 4 . 2 Vの充電状態になるまで充電した。

( ii ) 次いで、充電状態の電池に、極板面に対して垂直に釘を貫通させた。

( iii ) 釘を貫通させた後の電池の発熱による最高到達温度を調べた。結果を以下に示す。

実施例 1 3の電池の最高到達温度は、いずれも 4 2 °C以下であった。比較例 4の電池の中には、最高到達温度が 1 1 0 °Cに達するものがあつた産業上の利用の可能性

上述のように、本発明によれば、正極端子や負極端子の構造が簡略であり、集電タブゃ集電リードを用いる必要はないため、小型でも高い電気容量を有し、信頼性の高い電気化学素子を提供することができる。そして、本発明によれば、同時に複数の電気化学素子を効率的に製造することができる。このような電気化学素子を含む非水電解液二次電池を用いることにより、信頼性の高い携帯電話、携帯情報端末機器、カムコーダ、パーソナルコンピュータ、 P D A、携帯音響機器、電気自動車、口一ドレベリング用電源などの機器を提供することが可能となる。

Claims

請求の範囲

1 . 極板群を有する電気化学素子であって、

前記極板群は、

( a ) 少なくとも 1つの第 1電極、

( b ) 少なくとも 1つの第 2電極、および

( c ) 第 1電極と第 2電極との間に介在するセパレー夕からなり、前記第 1電極は、第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、

前記第 2電極は、第 2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、

前記第 1集電体シ一トおよび前記第 2集電体シートの少なくとも一方は、導電部と絶緣部とを有する電気化学素子。

2 . 前記電気化学素子は、さらに、

前記第 1集電体シートと電気的に導通する第 1端子、および

前記第 2集電体シ一トと電気的に導通する第 2端子を有し、前記極板群は、前記第 1端子が配される第 1側面および前記第 2端子が配される第 2側面を有し、

前記第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 1集電体シ一トの導電部は、前記第 1側面において前記第 1端子と接続され、前記第 1集電体シートの絶縁部は、前記第 2側面に配向してお

Ό、

前記第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 2集電体シートの導電部は、前記第 2側面において前記第 2端子と接続され、前記第 2集電体シートの絶縁部は、前記第 1側面に配向している請求の範囲第 1項記載の電気化学素子。

3 . 前記第 1側面と前記第 2側面とが、互いに前記極板群の反対側に位置する請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

4 . 前記第 1側面には、前記第 1端子と前記第 2電極とを絶縁するための第 1絶縁材料部が設けられており、前記第 2側面には、前記第 2端子と前記第 1電極とを絶縁するための第 2絶縁材料部が設けられている請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

5 . 第 1電極と第 2電極とをセパレー夕を介して捲回した極板群を有する電気化学素子であって、

前記第 1電極は、第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、

前記第 1集電体シートおよび前記第 2集電体シートの少なくとも一方は、導電部と絶縁部とを有し、

前記第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 1集電体シ一卜の導電部は、前記極板群の第 1底面において第 1端子と接続され、前記第 1集電体シートの絶縁部は、前記極板群の第 2底面に配され、

前記第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 2集電体シ一トの導電部は、前記極板群の第 2底面において第 2端子と接続され、前記第 2集電体シートの絶縁部は、前記極板群の第 1底面に配されている電気化学素子。

6 . 複数の第 1電極と複数の第 2電極とをセパレー夕を介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、

前記複数の第 1電極は、それぞれ第 1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 1電極合剤層からなり、前記複数の第 2電極は、それぞれ第 2集電体シ一トおよびこれに担持された少なくとも 1つの第 2電極合剤層からなり、

前記第 1集電体シ一トおよび前記第 2集電体シートの少なくとも一方は、導電部と絶縁部とを有し、

前記第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 1集電体シ一トの導電部は、前記極板群の第 1側面において第 1端子と接続され、前記第 1集電体シートの絶縁部は、前記極板群の第 2側面に配され、

前記第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 2集電体シ一トの導電部は、前記極板群の第 2側面において第 2端子と接続され、前記第 2集電体シートの絶縁部は、前記極板群の第 1側面に配されている電気化学素子。

7 . 前記導電部と絶縁部とを有する集電体シートが、前記導電部の一部からなるとともに前記電極合剤層を担持しない第 1端部を有し、前記第 1端部において、前記導電部が前記第 1端子または前記第 2端子と接続しており、前記第 1端部の少なくとも一部は、前記第 1端子または前記第 2端子に埋没している請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

8 . 前記導電部と絶縁部とを有する集電体シートが、前記絶縁部の一部からなるとともに前記電極合剤層を担持しない第 2端部を有し、前記第 2端部が、前記第 1側面または前記第 2側面に配向しており、前記第 2 端部の少なくとも一部は、前記第 1端子または前記第 2端子に埋没している請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

9 . 前記極板群は、さらに、第 3側面および第 4側面を有し、

前記第 1側面、前記第 2側面、前記第 3側面および第 4側面のそれぞれにおいて、前記第 1集電体シートの端部、前記第 2集電体シートの端部および前記セパレー夕の端部が、実質的に面一に配されている請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

1 0. 前記第 1集電体シートの片面あたりの面積 S ( 1 ) 、前記第 2集電体シートの片面あたりの面積 S (2) および前記セパレー夕の片面あたりの面積 S ( s ) が、 '以下の関係：

S ( 1 ) ≤ S ( s ) ≤ S ( 1 ) X I . 0 5、および

S ( 2) ≤ S ( s ) ≤ S ( 2) X I . 0 5

を満たしている請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

1 1. 前記電気化学素子は、さらに、

前記第 1集電体シートと電気的に導通する第 1端子、および前記第 2集電体シ一トと電気的に導通する第 2端子を有し、前記極板群は、前記第 1端子が配される第 1側面および前記第 2端子が配される第 2側面を有し、

Ό、

前記第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 2集電体シ一トの導電部は、前記第 2側面において前記第 2端子と接続され、前記第 2集電体シートの絶縁部は、前記第 1側面に配向してお Ό、

前記第 1電極合剤層および前記第 2電極合剤層が、それぞれ絶縁材料で被覆された端部を有する請求の範囲第 1項記載の電気化学素子。

1 2. 前記絶縁材料で被覆された第 1電極合剤層の端部は、前記第 2側面に配されており、

前記絶縁材料で被覆された第 2電極合剤層の端部は、前記第 1側面に配されている請求の範囲第 1 1項記載の電気化学素子。

1 3 . 前記第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 1集電体シ一トの絶縁部は、前記絶縁材料で被覆された第 1電極合剤層の端部に隣接しており、

前記第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 2集電体シ一トの絶縁部は、前記絶縁材料で被覆された第 2電極合剤層の端部に隣接している請求の範囲第 1 1項記載の電気化学素子。

1 4 . 前記電気化学素子は、さらに、

前記第 1集電体シ一トと電気的に導通する第 1端子、

前記第 2集電体シートと電気的に導通する第 2端子、および前記極板群を収容するケースを有し、

前記極板群は、前記第 1端子が配される第 1側面および前記第 2端子が配される第 2側面を有し、

前記第 1集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 1集電体シ一卜の導電部は、前記第 1側面において前記第 1端子と接続され、前記第 1集電体シートの絶縁部は、前記第 2側面に配向してお Ό、

前記第 2集電体シートが、導電部と絶縁部とを有する場合には、前記第 2集電体シートの導電部は、前記第 2側面において前記第 2端子と接続され、前記第 2集電体シートの絶縁部は、前記第 1側面に配向しており、

前記ケースの内面が、前記第 1側面および前記第 2側面と当接している請求の範囲第 1項記載の電気化学素子。

1 5 . 前記ケースが、枠体および 2つの平坦なシートからなり、前記枠体が、前記極板群を囲むとともに、前記第 1側面および前記第 2側面と当接しており、

前記 2つの平坦なシートは、前記枠体の 2つの開口面を覆って前記極板群の上面および下面と当接している請求項 1 4記載の電気化学素子。

1 6 . 前記ケースが、有底容器および平坦なシートからなり、

前記容器が、前記極板群を収容するとともに、前記第 1側面および前記第 2側面と当接する側壁ならびに前記極板群の上面および下面の一方と当接する底部を有しており、

前記平坦なシートは、前記容器の開口面を覆って前記極板群の上面および下面の他方と当接している請求の範囲第 1 4項記載の電気化学素子。

1 7 . 前記第 1端子および前記第 2端子の少なくとも一方に、リード片が接続されており、前記リード片が、前記ケースの外部に導出されている請求の範囲第 1 4項記載の電気化学素子。

1 8 . 前記第 1端子および前記第 2端子の少なくとも一方に、リード片が接続されており、前記リード片が、前記枠体に設けられたスリットから前記ケースの外部に導出されている請求の範囲第 1 5項記載の電気化学素子。

1 9 . 前記第 1端子および前記第 2端子の少なくとも一方に、リード片が接続されており、前記リード片が、前記側壁に設けられたスリットから前記ケースの外部に導出されている請求の範囲第 1 6項記載の電気化学素子。

2 0 . 前記第 1端子および前記第 2端子の少なくとも一方が、粒子状金属が連続的に接合してなる多孔質金属膜からなる請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

2 1 . 前記第 1端子および前記第 2端子の少なくとも一方が、導電性べ一ストからなり、前記導電性ペーストが、樹脂ならびに前記樹脂に分散した導電性材料からなり、前記導電性材料が、微粒子状および /または繊維状である請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

2 2 . 前記第 1端子および前記第 2端子の少なくとも一方が、 2 5 0 °C 以下の融点を有する低融点金属からなる請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

2 3 . 前記第 1端部の少なくとも一部が埋没している前記第 1端子または前記第 2端子に、金属リードが溶接されており、前記第 1端部と前記金属リ一ドとが接触している請求項 7記載の電気化学素子。

2 4 . 最も外側の 2つの電極の集電体シートの少なくとも一方は、両面に導電部を有するとともに、内側の電極と対向する一方の面のみに電極合剤層を担持しており、他方の面の導電部は、前記第 1端子または前記第 2端子と電気的に導通して、その端子の延長部として機能する請求の範囲第 2項記載の電気化学素子。

2 5 . 前記第 3側面および第 4側面の少なくとも 1つが、電子絶縁性の多孔性材料で覆われている請求の範囲第 9項記載の電気化学素子。

2 6 . 前記多孔性材料が、ポリオレフイン、ポリアルキレンオキサイド、フッ素ポリマーおよびセラミックスよりなる群から選ばれた少なくとも

1種からなる請求の範囲第 2 5項記載の電気化学素子。

2 7 . 前記多孔性材料が、膜状部材またはペーストの塗膜からなる請求の範囲第 2 5項記載の電気化学素子。

2 8 . 前記多孔性材料で覆われている極板群の側面において、前記セパレー夕の端部と前記多孔性材料とが接合されている請求の範囲第 2 5項記載の電気化学素子。

2 9 . 前記多孔性材料と前記セパレー夕とが、互いに同一の材料からなる請求の範囲第 2 8項記載の電気化学素子。

3 0 . 前記絶縁性材料が、樹脂塗膜および樹脂テープよりなる群から選択される少なくとも 1種からなる請求の範囲第 1 1項記載の電気化学素子。

3 1 . 前記樹脂塗膜が、絶縁樹脂を含む溶液または分散液を、前記電極合剤層の端部に塗工し、乾燥することにより、形成されている請求の範囲第 3 0項記載の電気化学素子。

3 2 . 前記絶縁樹脂が、ポリエチレンォキシド、ポリプロピレンォキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチルおよびこれらの少なくとも 1つを含むコポリマー、ポリマーァロィもしくはポリマーブレンドよりなる群から選択される少なくとも 1種からなる請求の範囲第 3 1項記載の電気化学素子。

3 3 . 前記樹脂塗膜が、重合性化合物を含む溶液または分散液を、前記電極合剤層の端部に塗工し、前記重合性化合物を重合させることにより、形成されている請求の範囲第 3 0項記載の電気化学素子。

3 4 . 前記重合性化合物が、ァクリレート基およびメタクリレ一ト基よりなる群から選択される少なくとも 1種の官能基を有する請求の範囲第 3 3項記載の電気化学素子。

3 5 . 前記樹脂テープが、絶縁基材および前記絶縁基材に担持された絶縁性粘着剤からなる請求の範囲第 3 0項記載の電気化学素子。

3 6 . 前記絶縁基材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ夕レート、ポリエチレンナフタレー卜、ポリフエニレンサルファイド、ポリイミド、ァラミド樹脂およびこれらの少なくとも 1つを含むコポリマー、ポリマーァロイもしくはポリマーブレンドよりなる群から選択される少なくとも 1種からなる請求の範囲第 3 5項記載の電気化学素子。

3 7 . ( a ) シート状の絶縁性基材の両面に導電層を設けて第 1集電体シートおよび第 2集電体シートを得る工程、

( b ) 前記第 1集電体シートおよび前記第 2集電体シートの前記導電層の上に、それぞれ複数個の第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を、平行に並ぶ帯状に間隙を設けて形成し、第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を得る工程、

( c ) セパレー夕を介して前記第 1電極の集合体および前記第 2電極の集合体を、前記第 1電極合剤層および前記第 2電極合剤層の長さ方向に供給して同心円状に捲回し、捲回体を得る工程、

( d ) 前記捲回体を、前記間隙において切断することにより、複数個の捲回型極板群を得る工程を含むことを特徴とする電気化学素子の製造方法。

3 8 . 前記工程（b ) の後、前記工程（c ) の前に、前記間隙において、前記導電層上に絶縁材料部を形成する工程を含むことを特徴とする請求の範囲第 3 7項記載の電気化学素子の製造方法。

3 9 . 前記捲回型極板群の第 1底面および第 2底面を金属で被覆し、第 1端子および第 2端子を形成する工程を含むことを特徵とする請求の範囲第 3 7項記載の電気化学素子の製造方法。

4 0 . 長尺状の第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を、セパレー夕を介して積層するとともに連続的に積層体として供給する工程と、前記積層体を平板状のポビンで巻き取る工程と、前記ボビンに巻き取られた積層体を切断し、複数個の積層型極板群を得る工程とを含む電気化学素子の製造方法。

4 1 . シート状の絶縁性基材の両面に所定のパターンに基づいて導電層を設けて第 1集電体シートおよび第 2集電体シートを得る工程と、前記第 1集電体シートおよび第 2集電体シートの前記導電層の上に、それぞれ前記パターンに対応させるとともに間隙を設けて第 1電極合剤層および第 2電極合剤層を形成する工程とにより、前記第 1電極および第 2電極を得ることを特徴とする請求の範囲第 4 0項記載の電気化学素子の製造方法。

4 2 . 前記所定のパターンが、マトリクス状であることを特徴とする請求の範囲第 4 1項記載の電気化学素子の製造方法。

4 3 . 前記所定のパターンが、平行に並ぶ帯状であることを特徴とする請求の範囲第 4 1項記載の電気化学素子の製造方法。

4 4 . 前記間隙において前記導電層上に、前記第 1電極合剤層および前記第 2電極合剤層を挟む位置に、絶縁材料部を形成する工程を含むことを特徴とする請求の範囲第 4 1項記載の電気化学素子の製造方法。

4 5 . 前記積層型極板群の対向する第 1側面および第 2側面を金属で被覆し、第 1端子および第 2端子を形成する工程を含むことを特徴とする請求の範囲第 4 0項記載の電気化学素子の製造方法。

4 6 . ( a ) シート状の絶縁性基材の両面に所定のパターンに基づいて導電層を設けて第 1集電体シートおよび第 2集電体シ一トを得る工程、

( b ) 前記導電層の上に、それぞれ複数個の第 1電極合剤層および第 2 電極合剤層を、前記パターンに対応させるとともに間隙を設けて形成し、第 1電極の集合体および第 2電極の集合体を得る工程、

( c ) 前記第 1電極の集合体および前記第 2電極の集合体をセパレー夕を介して積層し、積層体を得る工程、

( d ) 前記積層体を、前記間隙において切断することにより、複数個の積層型極板群を得る工程を含む電気化学素子の製造方法。

4 7 . 前記所定のパターンが、マトリクス状であることを特徴とする請求の範囲第 4 6項記載の電気化学素子の製造方法。

4 8 . 前記所定のパターンが、平行に並ぶ帯状であることを特徴とする請求の範囲第 4 6項記載の電気化学素子の製造方法。

4 9 . 前記工程（b ) の後、前記工程（c ) の前に、前記間隙において前記導電層上に、前記第 1電極合剤層および前記第 2電極合剤層を挟む位置に、絶縁材料部を形成する工程を含むことを特徴とする請求の範囲第 4 6項記載の電気化学素子の製造方法。

5 0 . 前記積層型極板群の対向する第 1側面および第 2側面を金属で被覆し、第 1端子および第 2端子を形成する工程を含むことを特徵とする請求の範囲第 4 6項記載の電気化学素子の製造方法。