JP4252821B2 - 電気化学素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の第1電極と複数の第2電極とをセパレータを介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子に関し、特にリチウムイオン二次電池などの高エネルギー密度を有する二次電池の極板群の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子・電気機器の小型化・軽量化に伴い、二次電池に対する小型化・軽量化への要望が強まってきている。二次電池の極板群には、積層型と捲回型があり、積層型の極板群は、正極と負極とをセパレータを介して交互に積層して得られる。捲回型の極板群は、長尺の正極と負極とをセパレータを介して捲回して得られる。捲回型の場合、極板群に屈曲部が形成されるため、極板が歪み、反応が不均一になりやすい。積層型の極板群には、極板の歪みの問題はないが、側面での極板間の短絡を防ぐ必要から、正極と負極のいずれよりも面積の大きなセパレータを極板間に介在させた構造を有する。
【0003】
従来の極板群は構造が複雑なため、電池の信頼性や電気容量の向上を妨げている面もある。例えば、電極に接続された集電タブまたは集電リードが、電極面における均一な電極反応を妨げる場合がある。万一、リードの切断面に通常よりも大きな金属バリが生じた場合には、内部短絡の発生も懸念される。そこで、電池の内部構造を簡略化する観点から、積層型の極板群の側面の1つから正極を突出させ、前記側面とは逆側の側面から負極を突出させ、各側面から直接電気を取り出すことが提案されている。例えば、極板群の側面から突出させた同一極性の極板を、所定の金属部材を用いて一体接合する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−126707号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
正極と負極のいずれよりも面積の大きなセパレータを極板間に介在させた構造では、極板群の側面からセパレータの端部が突出するため、体積効率が低くなり、高容量の極板群を得ることが困難である。極板群の側面から同一極性の極板を突出させた構造でも同様に体積効率が低くなる。しかも、これらの構造を有する極板群は、製造工程が複雑になり、信頼性を確保することが困難である。
【0006】
また、極板群の側面から同一極性の極板を突出させた構造では、極板の突出部の導電性が低いために、集電性能も低いという問題がある。例えば、導電性の低い電極合剤層と金属部材との接触によっては、充分な集電が行えないし、電極芯材が薄い場合には、芯材と板状の集電板との接触面積を確保することも困難であり、高出力を達成できないという問題がある。
本発明は、上記状況を鑑みてなされたものであり、体積効率が高く、均整のとれた簡略な構造を有し、信頼性が高く、かつ、集電性能に優れた積層型の電気化学素子を効率良く提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の第1電極と複数の第2電極とをセパレータを介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、複数の第1電極は、それぞれ両面に導電部と絶縁部とを有する第1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも1つの第1電極合剤層からなり、複数の第2電極は、それぞれ両面に導電部と絶縁部とを有する第2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも1つの第2電極合剤層からなり、最も外側の2つの電極の集電体シートは、それぞれ両面に導電部と絶縁部とを有するが、内側の電極と対向する導電部のみに電極合剤層を担持しており、内側の電極の集電体シートは、それぞれ両面の導電部に電極合剤層を担持しており、各第1集電体シートの導電部が、極板群の第1側面において第1端子と接続されており、各第2集電体シートの導電部が、極板群の第2側面において第2端子と接続されており、各集電体シートが、樹脂シートおよびその両面に設けられた所定の形状パターンを有する導電層からなり、導電層が、導電部を形成しており、導電層を有さない樹脂シートの露出部が、絶縁部を形成しており、極板群が、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが、実質的に面一に配されている第1側面、第2側面、第3側面および第4側面を有する電気化学素子に関する。
【0008】
1集電体シートの片面あたりの面積をS(1)、第2集電体シートの片面あたりの面積をS(2)、セパレータの片面あたりの面積をS(s)とするとき、S(1)≦S(s)≦S(1)×1.05、S(2)≦S(s)≦S(2)×1.05が満たされることが好ましい。
【0009】
前記極板群の第3側面および第4側面に配された各集電体シートの端部は、絶縁部からなることが好ましい。前記極板群の第1側面と前記第2側面とは、互いに極板群の反対側に配置することができる。前記極板群の第1側面には、第1端子と第2電極とを絶縁するための第1絶縁材料部を設けることができ、第2側面には、第2端子と第1電極とを絶縁するための第2絶縁材料部を設けることができる。最も外側の2つの電極は、それぞれ同一極性を有することも、それぞれ異なる極性を有することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1に、本実施の形態に係る電気化学素子の積層型極板群の縦断面図を示す。図2には、その極板群のa−a線断面図を示す。
極板群10は、交互に積層された複数の第1電極15aと第2電極15bからなり、第1電極15aと第2電極15bとの間には、セパレータ16が介在している。
【0011】
第1電極15aは、両面に導電部と絶縁部とを有する第1集電体シート13aおよびこれに担持された2つの第1電極合剤層14aからなり、第1集電体シート13aは、樹脂シート11aおよびその両面に設けられた所定の形状パターンを有する導電層12aからなる。導電層12aの表面は第1集電体シートの導電部となり、樹脂シート11aの露出部は絶縁部となる。
【0012】
図1、2においては、第1集電体シートの端部11x、11x’および11x”を除く全面に導電層が設けられている。導電層の表面は導電部となることから、その上に第1電極合剤層が設けられている。導電層を有さないシートの端部11x、11x’および11x”は絶縁部となる。端部11xの反対側に位置するシートの端部12xには、集電のために用いる導電層の露出部が残されている。
【0013】
極板群10は、2種類の第2電極15b、15b’を含んでいる。2つの第1電極15aで挟持されている内部の第2電極15bは、極板群における配置が逆であること以外、第1電極15aと同様の構造を有する。すなわち、内部の第2電極15bは、両面に導電部と絶縁部とを有する第2集電体シート13bおよびこれに担持された2つの第2電極合剤層14bからなり、第2集電体シート13bは、樹脂シート11bおよびその両面に設けられた所定の形状パターンを有する導電層12bからなる。
【0014】
第2集電体シートの端部11y、11y’および11y”を除く全面に導電層が設けられている。導電層の表面は導電部となることから、その上に第2電極合剤層が設けられている。導電層を有さないシートの端部11y、11y’および11y”は絶縁部となる。端部11yの反対側に位置する導電層の端部12yには、集電のために用いる導電層の露出部が残されている。
【0015】
最も外側の2つの第2電極15b’は、樹脂シート11bの両面に導電層12bを有するが、内側の電極と対向する導電層12bのみに電極合剤層が担持されている。外側の導電層12bには、電極合剤層が担持されておらず、導電層12bが露出している。この部分を他の導電層の端部12yと接続すれば、第2端子が拡大されることになり、極板群の側面だけでなく、上下面からも集電が可能となる。
【0016】
図1において、極板群10の各側面では、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されており、図2においても、極板群10の各側面では、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されている。ただし、各側面において各集電体シートの端部とセパレータの端部とが完全に面一に配されている必要はなく、実質的に面一に配されていればよい。各側面において各集電体シートの端部とセパレータの端部とが完全に面一に配されている場合には、第1集電体シートの片面あたりの面積S(1)と、第2集電体シートの片面あたりの面積S(2)と、セパレータの片面あたりの面積S(s)とは同一となるが、S(1)=S(s)=S(2)である必要はなく、S(1)≦S(s)≦S(1)×1.05、S(2)≦S(s)≦S(2)×1.05を満たせばよい。
【0017】
極板群10においては、その側面からセパレータや極板の端部が突出していないため、体積効率が高く、高容量を得ることが可能である。このような極板群は、均整のとれた簡略な構造を有するため、信頼性を確保しやすい。しかも、後述するように、多くの極板群を同時に製造することができるため、製造コストを削減することが可能である。
【0018】
各集電体シートに用いる樹脂シートの厚さは、例えば0.5〜500μmである。導電層の厚さは、例えば0.01〜100μmである。電極合剤層の厚さは、例えば1〜1000μmである。ただしこれらの厚さは特に限定されない。
平坦な表面を有する通常の樹脂シートを用いてもよく、穿孔体、ラス体、多孔質体、ネット、発泡体、織布、不織布などを用いてもよい。また、表面に凹凸を有する樹脂シートを用いることもできる。
【0019】
樹脂シートには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリアリレートなどのエステル系ポリマー、ポリフェニレンサルファィドなどのチオエーテル系ポリマー、ポリスチレンなどの芳香族ビニル系ポリマー、ポリイミド、アラミド樹脂などの窒素含有ポリマー、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素ポリマーなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせたコポリマー、ポリマーアロイ、ポリマーブレンドなどを用いてもよい。
【0020】
導電層には、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体を特に限定なく用いることができる。第1電極が正極である場合には、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、炭素などを用いることができ、特に、アルミニウム、アルミニウム合金などが好ましい。第1電極が負極である場合には、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、銅合金、チタンなどを用いることができ、特に、銅、銅合金などが好ましい。
【0021】
導電層を形成する方法は特に限定されないが、例えば、導電性材料を樹脂シートの表面に蒸着すれば導電層を得ることができる。所定の形状パターンの蒸着膜を形成するには、樹脂シートに所定形状の開口部を有するマスクを被せてから蒸着を行う。
【0022】
第1集電体シートの導電層の端部は、極板群10の第1側面(図1左側)に配されており、その反対側の絶縁部は、極板群10の第2側面(図1右側)に配されている。一方、第2集電体シートの導電層の端部は、極板群10の第2側面に配されており、その反対側の絶縁部は、極板群10の第1側面に配されている。製造が容易であることなどから、第1側面と第2側面とは、互いに極板群の反対側に配置することが好ましいが、特に限定されるわけではない。
【0023】
上記のような第1電極と第2電極の配置によれば、第1集電体シートの導電層の端部は、第2集電体シートの絶縁部と隣接し、第2集電体シートの導電層の端部は、第1集電体シートの絶縁部と隣接する。このような配置であれば、第1電極と第2電極との短絡を防止することが容易である。複数の第1集電体シートまたは第2集電体シートの導電層の端部を並列に接続して高容量の極板群を得ることも容易である。ただし、短絡を確実に防止する観点から、第1集電体シートの導電層の端部に隣接する第2集電体シートの絶縁部および第2集電体シートの導電層の端部に隣接する第1集電体シートの絶縁部は、幅0.001mm以上、好ましくは0.1mm以上とすることが好ましい。
【0024】
極板群10において、第3側面(図2左側)および第4側面(図2右側)には、それぞれ第1集電体シートの絶縁部および第2集電体シートの絶縁部が面一に配されている。このような構造によれば、極板間に集電体シートよりも大きなセパレータを介在させることなく、第1電極と第2電極との短絡を防止することができる。
【0025】
図1のように複数の第1集電体シートまたは第2集電体シートの導電層の端部を並列に接続して高容量の極板群を得る場合、どのような方法で端部同士を接続してもよいが、例えば、導電性材料の被膜で第1側面と第2側面を被覆する方法を用いることができる。導電性材料の被膜の厚さは、例えば0.01〜1mm程度で十分である。こうして得られた導電性材料の被膜は、それぞれ第1端子17aおよび第2端子17bとして集電に利用することができる。良好な集電状態を得るためには、導電層の端部と導電性材料の被膜との接触面積が大きいほど好ましく、導電層の端部が導電性材料の被膜の内部に0.001〜1mmの深さまで埋没していることが好ましい。
【0026】
このような第1端子と第1側面との間および第2端子と第2側面との間には、第1端子と第2電極とを絶縁するための第1絶縁材料部18aおよび第2絶縁材料部18bを設けることができる。第1側面には、第2集電体シートの絶縁部が配され、第2側面には、第1集電体シートの絶縁部が配されているため、絶縁材料部を設けなくても短絡を防止することは可能であるが、さらに絶縁材料部を設けることで、短絡の可能性は大幅に低減する。絶縁材料部の厚さは特に限定されないが、0.001mm以上、さらには0.01mm以上であることが好ましい。
【0027】
絶縁材料部を設ける方法は特に限定されないが、例えばスクリーン印刷法により、ペースト状もしくは液状の絶縁材料を、電極合剤層の周囲の集電体シート上に塗布することにより設けることができる。フィルム状もしくはテープ状の絶縁材料を、電極合剤層の周囲の集電体シート上に貼り付けることにより、絶縁材料部を設けることもできる。図2では、極板群10の第3側面および第4側面には絶縁材料部が設けられていないが、これらの側面にも絶縁材料部を設けることができる。
【0028】
絶縁材料部に用いる絶縁材料としては、樹脂、ガラス組成物、セラミックスなどが挙げられる。また、織布や不織布に樹脂を含浸させた複合物などを用いることもできる。樹脂には、熱可塑性樹脂を用いてもよく、熱硬化性樹脂を用いてもよい。熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂の塗膜を加熱して硬化させる工程を要する。
【0029】
絶縁材料部に用いることのできる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネートなどのエステル系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドなどのエーテル系ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのスルホン系ポリマー、ポリアクリロニトリル、AS樹脂、ABS樹脂などのアクリロニトリル系ポリマー、ポリフェニレンサルファィドなどのチオエーテル系ポリマー、ポリスチレンなどの芳香族ビニル系ポリマー、ポリイミド、アラミド樹脂などの窒素含有ポリマー、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素ポリマー、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系ポリマーなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせたコポリマー、ポリマーアロイ、ポリマーブレンドなどを用いてもよい。また、加熱やUV照射により重合固化して得られるポリマーを用いてもよい。
【0030】
図1では、第1電極合剤層に比べて第2電極合剤層の方が大きな面積を有している。このような構造は、第1電極合剤層を正極とし、第2電極合剤層を負極とするリチウムイオン二次電池の極板群に適する。第1電極合剤層を負極とし、第2電極合剤層を正極とする場合には、第2電極合剤層に比べて第1電極合剤層の面積を大きくする。
【0031】
次に、複数の極板群10を同時に製造する方法の一例について、図3を参照しながら説明する。
(イ)第1電極の作製
所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シート21aを準備する。次いで、樹脂シート21aの両面の同じ位置に、複数の所定の形状パターンの導電層を設ける。例えば、所定形状の導電層を、図3に示すように複数行、複数列に樹脂シート上に形成する。このような導電層は、樹脂シートにマトリックス状の開口部を有するマスクを被せ、開口部から露出する樹脂シート部分に金属を蒸着させることにより得ることができる。
【0032】
図3に示すように、樹脂シート21aには、電極2つ分の大きさの導電層26aを複数個形成する。すなわち2n個の電極を得ようとするときには、樹脂シートに片面あたりn個の導電層を形成する。次に、図4に示すように、各導電層26aの上に、第1電極合剤層22aを2つずつ形成する。2つの第1電極合剤層の間には、合剤を有さない導電層の露出部23aを残しておく。図4には、3行3列の電極合剤層が描かれているが、通常は、より大きな集電体シート上に、より多くの導電層と電極合剤層が形成される。
【0033】
第1電極合剤層は、第1電極合剤からなるペーストを、導電層の中央部を除く全面に塗工することにより形成される。塗工方法は特に限定されないが、スクリーン印刷、パターン塗工などを採用することが好ましい。ペーストが塗工されていない導電層の露出部は、極板群の構成後には、第1端子との接続部24aとなる。第1電極合剤は、第1電極の活物質、導電材、結着剤などを、分散媒と混合することにより調製される。ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜をローラで圧延して、合剤密度が高められる。
【0034】
第1電極がリチウムイオン二次電池の正極である場合、活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物を好ましく用いることができる。リチウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、LixCoOz、LixNiOz、LixMnOz、LixCoyNi1-yz、LixCof1-fz、LixNi1-yyz(M=Ti、V、Mn、Fe)、LixCoaNibcz(M=Ti、Mn、Al、Mg、Fe、Zr)、LixMn24、LixMn2(1-y)2y4(M=Na、Mg、Sc、Y、Fe、Co、Ni、Ti、Zr、Cu、Zn、Al、Pb、Sb)などを挙げることができる。ただし、x値は電池の充放電により、0≦x≦1.2の範囲で変化する。また、0≦y≦1、0.9≦f≦0.98、1.9≦z≦2.3、a+b+c=1、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c<1である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
第1電極がリチウムイオン二次電池の負極である場合、活物質としては、例えば、リチウム、リチウム合金、金属間化合物、炭素材料、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な有機化合物や無機化合物、金属錯体、有機高分子化合物などを好ましく用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。炭素材料としては、コークス、熱分解炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、気相成長系)、不定形炭素、有機化合物焼成体などが挙げられる。これらのうちでは、特に、天然黒鉛や人造黒鉛が好ましい。
【0036】
導電材には、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、黒鉛などが用いられる。また、結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、アクリル系樹脂、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマーなどを用いることができる。
【0037】
極板群において第2集電体シートの導電層の露出部と隣接することになる第1電極合剤層の周縁部、すなわち極板群の第2側面に配されることになる第1電極合剤層の周縁部に沿って絶縁材料を塗工する。ここでもパターン塗工を行うことが好ましい。このような絶縁材料の塗工は必ずしも必要ではなく、任意に行えばよいが、絶縁材料を塗工した方が短絡の可能性を低減することができる。極板群の第3側面および第4側面に配されることになる第1電極合剤層の周縁部にも、絶縁材料を被覆してもよい。塗工された絶縁材料は、極板群において、第1絶縁材料部を形成する。
【0038】
(ロ)第2電極の作製
両面に第2電極合剤層を有する第2電極は、第1電極と同様の方法で作製することができる。すなわち所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シート21bの両面の同じ位置に、複数の所定の形状パターンの導電層を設け、各導電層の上に、第2電極合剤層22bを2つずつ形成する。2つの第2電極合剤層の間には、合剤を有さない導電層の露出部23bを残しておく。ペーストが塗工されていない導電層の露出部は、極板群において第2端子との接続部24bとなる。片面だけに第2電極合剤層を有する第2電極は、他方の面に第2電極合剤層および絶縁材料を設けないこと以外、上記と同様の方法で作製することができる。
【0039】
(ハ)極板群の作製
作製された複数の第1電極からなる集合体と複数の第2電極からなる集合体とを、セパレータを介して積層する。このとき第1電極の第1電極合剤層22aと第2電極の第2電極合剤層22bとを互いに対面させてこれらを積層する。第1電極における導電層の露出部23aおよび絶縁材料は、それぞれ第2電極における絶縁材料および導電層の露出部23bと対面させる。最も外側には、片面だけに第2電極合剤層を有する一対の第2電極を配し、これらで内側の電極を挟持し、全体をプレスする。このようにして複数の極板スタックからなる集合体を得ることができる。
【0040】
セパレータには、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーやガラス繊維などからなる織布や不織布を用いることができる。固体電解質やゲル電解質をセパレータとして用いることもできる。固体電解質には、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどをマトリックス材料として用いることができる。ゲル電解質としては、例えば、後述の非水電解液をポリマー材料からなるマトリックスに保持させたものを用いることができる。マトリックスを形成するポリマー材料には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特に、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、ポリフッ化ビニリデンとポリエチレンオキサイドとの混合物を用いることが好ましい。
【0041】
複数の極板スタックからなる集合体は、極板スタック毎に分割する。第1電極および第2電極は、図4に示す矢印方向に沿って切断される。導電層の露出部は、切断によって端子との接続部24a、24bを形成し、その反対側の樹脂シートの露出部は、切断によって絶縁部25a、25bを形成する。こうして得られた極板スタックの4つの側面においては、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されているが、異なる極性の電極の導電部同士が各側面において対面することはない。
【0042】
従来から一般的に用いられている金属箔を集電体シートとして用いて上記のような方法を適用すると、切断時に生じる金属バリが問題となる。金属バリは、セパレータを突き破り、内部短絡を引き起こす大きな原因となる。そこで、金属バリの発生を防ぐことが重要となるが、金属バリを生じることなく金属箔を切断することは著しく困難である。一方、樹脂シートからなる集電体シートを用いる場合、切断面のほとんどが樹脂で占められているため、金属バリを生じることがない。そのため電気化学素子の信頼性は大幅に向上する。
【0043】
第1集電体シートの導電層の露出部と第2集電体シートの絶縁部とが交互に配列する第1側面を、導電性材料の被膜で被覆すれば、第1端子が得られる。例えば、溶融もしくは半溶融状態の金属微粒子を第1側面に吹き付けることにより、第1側面を金属被膜で被覆することができる。こうして形成された金属被膜は、自動的に第1集電体シートの導電層の露出部と電気的に接続される。第1側面に配された第2電極合剤層の端面には、絶縁材料が塗工されているため、金属被膜と第2電極との短絡は起こらない。第2集電体シートの導電層の露出部と第1集電体シートの絶縁部とが交互に配列する第2側面も、上記と同様に金属被膜で被覆することにより、第2端子を得ることができる。
極板群の第3側面および第4側面は、そのままの状態でもよいが、絶縁材料で被覆することが好ましい。
【0044】
第1端子もしくは第2端子が正極端子となる場合には、導電性材料としてアルミニウムを用いることが好ましい。また、第1端子もしくは第2端子が負極端子となる場合には、導電性材料として銅を用いることが好ましい。
【0045】
図5に示されるような複数の第1電極からなる集合体と複数の第2電極からなる集合体を用いて、極板群の集合体を得ることもできる。このような第1電極からなる集合体を得る場合、所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シート31aの両面の同じ位置に、複数列の帯状の導電層を形成する。このような導電層は、樹脂シートに帯状の開口部を有するマスクを被せ、開口部から露出する樹脂シート部分に金属を蒸着させることにより得ることができる。ここでも集電体シート31aには、電極合剤層2列分の大きさの導電層を複数列形成する。すなわち2n列の電極合剤層を得ようとするときには、樹脂シートに片面あたりn列の導電層を形成する。
【0046】
各帯状導電層の上には、帯状の第1電極合剤層32aを2列ずつ形成する。2列の帯状第1電極合剤層32aの間には、合剤を有さない導電層の露出部33aを残しておく。帯状の第1電極合剤層32aは、上記と同様の第1電極合剤からなるペーストを、導電層の中央部を除く全面に塗工することにより形成される。塗工方法は積層型極板群の場合と同様である。ペーストが塗工されていない導電層の露出部33aは第1端子との接続部34aとなる。
【0047】
第2電極からなる集合体を得る場合にも、所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シート31bの両面の同じ位置に、複数列の帯状の導電層を設け、各導電層の上に、帯状の第2電極合剤層32bを2列ずつ形成する。2列の帯状の第2電極合剤層の間には、合剤を有さない導電層の露出部33bを残しておく。ペーストが塗工されていない導電層の露出部は第2端子との接続部34bとなる。
【0048】
このような極板群の集合体を、図5に示す矢印方向に沿って極板スタックごとに分割すると、導電層の露出部は、切断によって端子との接続部34a、34bを形成し、その反対側の樹脂シートの露出部は、切断によって絶縁部35a、35bを形成する。こうして得られた極板スタックの4つの側面においては、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されているが、第1側面と第2側面においては、異なる極性の電極の導電部同士が各側面において対面することはない。一方、第3側面および第4側面には、電極合剤層の断面が露出することになる。電極合剤層の断面が露出する極板群の第3側面と第4側面は、絶縁材料で被覆することにより、短絡を防止することができる。
【0049】
極板群は、電解液とともに所定のケースに収容することができる。電解液の組成は電池の種類に応じて異なるが、リチウムイオン二次電池を得る場合には、非水溶媒にリチウム塩を溶解させた電解液が用いられる。ケースの形状、材質などは特に限定されない。
【0050】
ケースには、例えば、ステンレス鋼板、アルミニウム板などを所定形状に加工したもの、両面に樹脂被膜を有するアルミニウム箔(アルミニウムラミネートシート)、樹脂ケースなどが用いられる。リチウムイオン二次電池の電解液には、非水溶媒にリチウム塩を溶解させたものが用いられる。電解液におけるリチウム塩濃度は、例えば0.5〜1.5mol/Lである。
【0051】
非水溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの非環状カーボネート、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのγ−ラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタンなどの非環状エーテル、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチルなどのアルキルリン酸エステルやそれらのフッ化物などを用いることができる。これらは複数種を組み合わせて用いることが好ましい。特に、環状カーボネートと非環状カーボネートを含む混合物、環状カーボネートと非環状カーボネートと脂肪族カルボン酸エステルを含む混合物などが好ましい。
【0052】
リチウム塩には、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiN(CF3SO22、Li210Cl10、LiN(C25SO22、LiPF3(CF33、LiPF3(C253などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、少なくともLiPF6を用いることが好ましい。
例えば、縦1〜300mm、幅1〜300mm、厚さ0.01〜20mmの大きさの極板群であれば、上記のような製造法によって効率よく製造することができる。
【0053】
図6に示す極板群10’のように、最も外側の2つの電極として、それぞれ異なる極性を有する電極を用いることもできる。極板群10’は、先述の極板群10とほぼ同様の構造を有しているが、最も外側の電極の一方として、両面に導電層12aを有するが内側の電極と対向する導電層12aのみに第1電極合剤層14aが担持されている第1電極15a’を有する。第1電極合剤層を担持しない導電層12aを第1端子と接続すれば、第1端子が拡大されることになり、第2電極合剤層を担持しない導電層12bを第2端子と接続すれば、第2端子が拡大されることになる。
【0054】
【実施例】
《実施例1》
以下の要領で積層型のリチウムイオン二次電池を作製した。
(イ)第1電極の作製
横198mm、縦282mm、厚さ7μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)のシートを準備した。次いで、マトリックス状の開口部を有するマスクを用いて、PETシートの両面の同じ位置に、3行6列に配列する複数の矩形(65mm×46mm)の銅の蒸着膜を形成した。銅の蒸着膜の厚さは、0.1μmとした。
【0055】
活物質の球状黒鉛(黒鉛化メソフェーズ小球体)100重量部と、結着剤のスチレンブタジエンゴム3重量部と、分散媒である適量のカルボキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、第1電極合剤からなるペーストを調製した。このペーストを各蒸着膜の中央部を除く全面に塗工した。その結果、各蒸着膜の上に、32mm×46mmの第1電極合剤層が2つずつ形成された。2つの第1電極合剤層の間には、幅1mmの溝状に、電極合剤層を有さない銅の蒸着膜の露出部を残した。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜を厚さ70μmになるまでローラで圧延した。
【0056】
得られた第1電極合剤層の周縁部のうち、蒸着膜の露出部に隣接する部分の反対側の部分に、絶縁材料として、幅0.3mmのポリフッ化ビニリデンを塗工した。こうして両面に6行6列の第1電極合剤層を有する第1電極の集合体を得た。
【0057】
(ロ)第2電極の作製
両面に第2電極合剤層を有する第2電極を作製した。
横198mm、縦282mm、厚さ7μmのPETシートを準備した。次いで、マトリックス状の開口部を有するマスクを用いて、PETシートの両面の同じ位置に、3行6列に配列する複数の矩形(64mm×45mm)のアルミニウムの蒸着膜を形成した。Al蒸着膜の厚さは、0.1μmとした。
【0058】
活物質のコバルト酸リチウム(LiCoO2)100重量部と、導電材のアセチレンブラック3重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン7重量部と、分散媒である適量のカルボキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、第2電極合剤からなるペーストを調製した。このペーストを各蒸着膜の中央部を除く全面に塗工した。その結果、各蒸着膜の上に、31mm×45mmの第2電極合剤層が2つずつ形成された。2つの第2電極合剤層の間には、幅2mmの溝状に、合剤を有さないAlの蒸着膜の露出部を残した。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜を厚さ70μmになるまでローラで圧延した。
【0059】
得られた第2電極合剤層の周縁部のうち、蒸着膜の露出部に隣接する部分の反対側の部分に、絶縁材料として、幅0.3mmのポリフッ化ビニリデンを塗工した。こうして両面に6行6列の第2電極合剤層を有する第2電極の集合体を得た。
次に、片面だけに第2電極合剤層を有する第2電極を、他方の面に第2電極合剤層および絶縁材料を設けないこと以外、上記と同様の方法で作製した。
【0060】
(ハ)極板群の作製
両面に第1電極合剤層を有する第1電極からなる集合体2つで、両面に第2電極合剤層を有する第2電極からなる集合体1つを、セパレータを介して挟持した。このとき第1電極合剤層と第2電極合剤層とを互いに対面させ、また、第1電極における蒸着膜の露出部およびポリフッ化ビニリデンを、それぞれ第2電極におけるポリフッ化ビニリデンおよび蒸着膜の露出部と対面させた。最も外側に、片面だけに第2電極合剤層を有する一対の第2電極を配し、これらで内側の電極を挟持し、全体をプレスした。その結果、複数の極板スタックからなる集合体が得られた。
【0061】
切断位置を、第1電極における蒸着膜の露出部の中心、第2電極における蒸着膜の露出部の中心に合わせて、複数の極板スタックからなる集合体を極板スタック毎に分割した。その結果、一連の塗工・積層工程により、一度に36個もの極板スタックを得ることができた。こうして得られた極板スタックの4つの側面においては、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されていた。
【0062】
1つの側面(第1側面)には、第1集電体シートの蒸着膜の露出部と第2集電体シートのPETの露出部が交互に配列していた。その反対側の第2側面には、第2集電体シートの蒸着膜の露出部と第1集電体シートのPETの露出部が交互に配列していた。残りの2つの側面(第3側面と第4側面)には、各集電体シートのPETの露出部が配列していた。
【0063】
第1集電体シートの銅の蒸着膜の露出部と第2集電体シートのPETの露出部とが交互に配列する第1側面に、半溶融状態の銅微粒子を吹き付けた。このとき、極板スタックの上下面にある第2集電体シートのAlの蒸着膜をマスクで覆い、そこへ銅微粒子が付着しないようにした。その結果、第1側面に、厚さ0.5mmの銅膜が形成された。銅の蒸着膜の端部は、銅膜の内部に深さ0.2mmまで埋没していた。この銅膜はそのまま負極端子として用いた。
【0064】
第2集電体シートのAlの蒸着膜の露出部と第1集電体シートのPETの露出部とが交互に配列する第2側面に、半溶融状態のアルミニウム微粒子を吹き付けた。このとき、極板スタックの上下面にある第2集電体シートのAlの蒸着膜にも、Al微粒子を付着させた。その結果、第2側面に、厚さ0.5mmのアルミニウム膜が形成された。Alの蒸着膜の端部は、アルミニウム膜の内部に深さ0.2mmまで埋没していた。このアルミニウム膜および極板スタックの上下面にあるAlの蒸着膜は、そのまま正極端子として用いた。
【0065】
評価
[充放電試験]
得られた極板群の銅膜とアルミニウム膜に、それぞれリード線を接続し、電池を構成して、外部の充放電装置を用いて、充放電試験を行った。ここで用いた電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比30:70で混合した混合溶媒に、LiPF6を1モル/Lの濃度で溶解して調製した。充放電は、20℃雰囲気中で行った。充電および放電は、それぞれ電極面積に対して2.5mA/cm2の電流モードで行った。充電終止電圧は4.2Vとした。放電終止電圧は3.0Vとした。上記条件によって得られた電気容量は900mAhであった。
【0066】
[レート特性]
20℃雰囲気中で、電池の充電を、電極面積に対して2.5mA/cm2の電流モードで充電終止電圧4.2Vまで行い、0.2C(0.5mA/cm2)の電流値で放電した。その後、再び電池の充電を、上記と同じ電流モードで、充電終止電圧4.2Vまで行い、2C(5mA/cm2)の電流値で放電した。その結果、2Cで放電したときの容量は0.2Cで放電したときの容量の90%であった。
【0067】
[耐衝撃性]
同様の電池を落下させて機械的衝撃を与えても、内部短絡に由来する電圧降下などの異常は認められなかった。
【0068】
《参考例1》
極板群の最も外側に配する片面だけに第2電極合剤層を有する第2電極において、他方の面にAl蒸着膜を設けないこと以外、上記と同様の方法で作製した。すなわち、ここでは上下面にAlの蒸着膜を有さないこと以外、実施例1と同様の極板スタックを作製した。
【0069】
評価
得られた電池の容量および電池の容積は実施例1と同じであり、2Cで放電したときの容量は0.2Cで放電したときの容量の90%であった。同様の電池を落下させて機械的衝撃を与えても、内部短絡に由来する電圧降下などの異常は認められなかった。
【0070】
《比較例1》
従来から用いられている銅箔からなる芯材を用いて、実施例1と同じ組成・厚さの第1電極合剤層を有する第1電極を作製し、アルミニウム箔からなる芯材を用いて、実施例1と同じ組成・厚さの第2電極合剤層からなる第2電極を作製し、これらを積層して実施例1と同じ容量900mAhの電池を作製した。極板群の第1側面からは第1電極の端部を突出させ、第1側面の反対側に位置する第2側面からは第2電極の端部を突出させた。電極合剤層の端部を覆う絶縁材料部は、第1電極にも第2電極にも設けなかった。同一極性の極板同士をリードで接続し、電池を完成した。
【0071】
評価
得られた電池の容量は、実施例1と同じであったが、電池の容積は実施例1の電池の約1.2倍となった。2Cで放電したときの容量は0.2Cで放電したときの容量の80%であった。同様の電池を落下させて機械的衝撃を与えたところ、内部短絡に由来する電圧降下が若干認められた。
【0072】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、均整のとれた簡略な構造を有するため信頼性が高く、かつ、体積効率が高いため高容量を有し、しかも集電性能に優れた積層型の電気化学素子を効率良く提供することができる。このような電気化学素子を含む非水電解液二次電池を用いることにより、信頼性の高い携帯電話、携帯情報端末機器、カムコーダ、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯音響機器、電気自動車、ロードレベリング用電源などの機器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型極板群の縦断面図である。
【図2】図1のa−a線断面図である。
【図3】第1電極または第2電極の集合体を得るための集電体シートの上面図である。
【図4】第1電極および第2電極からなる集合体の斜視図である。
【図5】別の第1電極および第2電極からなる集合体の斜視図である。
【図6】本発明に係る別の積層型極板群の縦断面図である。
【符号の説明】
10、10’ 極板群
11a、b 樹脂シート
11x、x’、x” 樹脂シートの端部
11y、y’、y” 樹脂シートの端部
12a、b 導電層
12x、y 導電層の端部
13a 第1集電体シート
13b 第2集電体シート
14a 第1電極合剤層
14b 第2電極合剤層
15a、a’ 第1電極
15b、b’ 第2電極
16 セパレータ
17a 第1端子
17b 第2端子
18a 第1絶縁材料部
18b 第2絶縁材料部
21a、b 樹脂シート
22a 第1電極合剤層
22b 第2電極合剤層
23a、b 導電層の露出部
24a 第1端子との接続部
24b 第2端子との接続部
25a、b 樹脂シートの露出部に対応する絶縁部
26a 導電層
31a、b 樹脂シート
32a 帯状の第1電極合剤層
32b 帯状の第2電極合剤層
33a、b 導電層の露出部
34a 第1端子との接続部
34b 第2端子との接続部
35a、b 樹脂シートの露出部に対応する絶縁部

Claims (7)

  1. 複数の第1電極と複数の第2電極とをセパレータを介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、
    前記複数の第1電極は、それぞれ両面に導電部と絶縁部とを有する第1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも1つの第1電極合剤層からなり、
    前記複数の第2電極は、それぞれ両面に導電部と絶縁部とを有する第2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも1つの第2電極合剤層からなり、
    最も外側の2つの電極の集電体シートは、それぞれ両面に導電部と絶縁部とを有するが、内側の電極と対向する導電部のみに電極合剤層を担持しており、内側の電極の集電体シートは、それぞれ両面の導電部に電極合剤層を担持しており、
    前記各第1集電体シートの導電部が、前記極板群の第1側面において第1端子と接続されており、前記各第2集電体シートの導電部が、前記極板群の第2側面において第2端子と接続されており、
    前記各集電体シートが、樹脂シートおよびその両面に設けられた所定の形状パターンを有する導電層からなり、
    前記導電層が、前記導電部を形成しており、
    前記導電層を有さない樹脂シートの露出部が、前記絶縁部を形成しており、
    前記極板群が、前記各集電体シートの端部と前記セパレータの端部とが、実質的に面一に配されている第1側面、第2側面、第3側面および第4側面を有する電気化学素子。
  2. 前記第1集電体シートの片面あたりの面積をS(1)、前記第2集電体シートの片面あたりの面積をS(2)、前記セパレータの片面あたりの面積をS(s)とするとき、
    S(1)≦S(s)≦S(1)×1.05
    S(2)≦S(s)≦S(2)×1.05
    を満たしている請求項1記載の電気化学素子。
  3. 前記第3側面および第4側面に配された前記各集電体シートの端部が絶縁部からなる請求項1または2のいずれかに記載の電気化学素子。
  4. 前記第1側面と前記第2側面とが、互いに前記極板群の反対側に位置している請求項1〜のいずれかに記載の電気化学素子。
  5. 前記第1側面には、前記第1端子と前記第2電極とを絶縁するための第1絶縁材料部が設けられており、前記第2側面には、前記第2端子と前記第1電極とを絶縁するための第2絶縁材料部が設けられている請求項1〜のいずれかに記載の電気化学素子。
  6. 最も外側の2つの電極が、それぞれ同一極性を有する請求項1〜のいずれかに記載の電気化学素子。
  7. 最も外側の2つの電極が、それぞれ異なる極性を有する請求項1〜のいずれかに記載の電気化学素子。
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