JP4422968B2 - 電気化学素子 - Google Patents

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の第1電極と複数の第2電極とをセパレータを介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子に関し、特にリチウムイオン二次電池などの高エネルギー密度を有する二次電池の極板群の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子・電気機器の小型化・軽量化に伴い、二次電池に対する小型化・軽量化への要望が強まってきている。二次電池の極板群には、積層型と捲回型があり、積層型の極板群は、正極と負極とをセパレータを介して交互に積層して得られる。捲回型の極板群は、長尺の正極と負極とをセパレータを介して捲回して得られる。捲回型の場合、極板群に屈曲部が形成されるため、極板が歪み、反応が不均一になりやすい。積層型の極板群には、極板の歪みの問題はないが、側面での極板間の短絡を防ぐ必要から、正極と負極のいずれよりも面積の大きなセパレータを極板間に介在させた構造を有する。
【0003】
従来の極板群は構造が複雑なため、電池の信頼性や電気容量の向上を妨げている面もある。例えば、電極に接続された集電タブまたは集電リードが、電極面における均一な電極反応を妨げる場合がある。万一、リードの切断面に通常よりも大きな金属バリが生じた場合には、内部短絡の発生も懸念される。そこで、電池の内部構造を簡略化する観点から、積層型の極板群の側面の1つから正極を突出させ、前記側面とは逆側の側面から負極を突出させ、各側面から直接電気を取り出すことが提案されている。例えば、極板群の側面から突出させた同一極性の極板を、所定の金属部材を用いて一体接合する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−126707号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
正極と負極のいずれよりも面積の大きなセパレータを極板間に介在させた構造では、極板群の側面からセパレータの端部が突出するため、体積効率が低くなり、高容量の極板群を得ることが困難である。極板群の側面から同一極性の極板を突出させた構造でも同様に体積効率が低くなる。しかも、これらの構造を有する極板群は、製造工程が複雑になるため、信頼性を確保することが困難であり、極板群に短絡が生じる確率がどうしても高くなる。また、面積の大きなセパレータを極板間に介在させたとしても、極板群の側面が完全にセパレータで覆われるわけではないため、短絡の可能性を完全に払拭することができない。
本発明は、上記状況を鑑みてなされたものであり、体積効率が高く、均整のとれた簡略な構造を有し、かつ、優れた信頼性を有する積層型の電気化学素子を効率良く提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、複数の第1電極と複数の第2電極とをセパレータを介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、前記複数の第1電極は、それぞれ第1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも1つの第1電極合剤層からなり、前記複数の第2電極は、それぞれ第2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも1つの第2電極合剤層からなり、前記極板群が、前記各集電体シートの端部と前記セパレータの端部とが、実質的に面一に配されている第1側面、第2側面、第3側面および第4側面を有し、前記第1側面、第2側面、第3側面および第4側面の少なくとも1つが、電子絶縁性の多孔性材料で覆われており、前記第1側面に配された前記各第1集電体シートの端部が導電部からなり、前記第1側面において第1端子と接続されており、前記第2側面に配された前記各第2集電体シートの端部が導電部からなり、前記第2側面において第2端子と接続されており、かつ、前記各第1集電体シートの前記第2側面に配された端部が絶縁部からなり、前記各第2集電体シートの前記第1側面に配された端部が絶縁部からなる電気化学素子に関する。
【0007】
前記多孔性材料には、ポリオレフィン、ポリアルキレンオキサイド、フッ素ポリマー、セラミックスなどを用いることができる。
【0008】
前記多孔性材料で覆われている極板群の側面においては、前記セパレータの端部と前記多孔性材料とが接合されていることが好ましい。
前記多孔性材料と前記セパレータには、互いに同一の材料を用いることができる。
前記多孔性材料には、前記電子絶縁性材料からなる膜状部材や、前記電子絶縁性材料を含むペーストの塗膜を好ましく用いることができる。
【0009】
記極板群においては、前記第3側面および第4側面に配された前記各集電体シートの端部を絶縁部とすることができる。
記極板群においては、前記第1側面には、前記第1端子と第2電極とを絶縁するための第1絶縁材料部が設けられており、前記第2側面には、前記第2端子と第1電極とを絶縁するための第2絶縁材料部が設けられていることが好ましい。
前記第1側面と前記第2側面とは、互いに前記極板群の反対側に位置していることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に、本実施の形態に係る電気化学素子の積層型極板群の縦断面図を示す。図2には、その極板群のa−a線断面図を示す。極板群10は、交互に積層された複数の第1電極15aと第2電極15bからなり、第1電極15aと第2電極15bとの間には、セパレータ16が介在している。
【0011】
第1電極15aは、第1集電体シート13aおよび2つの第1電極合剤層14aからなり、第1集電体シート13aは、樹脂シート11aおよびその両面に設けられた所定の形状パターンを有する導電層12aからなる。導電層12aの表面は第1集電体シートの導電部となり、樹脂シート11aの露出部は絶縁部となる。
【0012】
第1集電体シートの端部11x、11x’および11x”を除く全面には導電層12aが設けられている。導電層12aの表面は導電部となることから、その上に第1電極合剤層14aが設けられている。導電層12aを有さない第1集電体シートの端部11x、11x’および11x”は絶縁部となる。端部11xの反対側に位置する端部12xには、集電のために用いる導電層12aの露出部が残されている。
【0013】
極板群10は、2種類の第2電極15b、15b’を含んでいる。2つの第1電極15aで挟持されている内部の第2電極15bは、極板群における配置が逆であること以外、第1電極15aと同様の構造を有する。すなわち、内部の第2電極15bは、第2集電体シート13bおよび2つの第2電極合剤層14bからなり、第2集電体シート13bは、樹脂シート11bおよびその両面に設けられた所定の形状パターンを有する導電層12bからなる。最も外側の2つの第2電極15b’は、樹脂シート11bの両面ではなく、片面に導電層12bと第2電極合剤層14bが設けられていること以外、内部の第2電極と同様の構造を有する。
【0014】
第2集電体シートの端部11y、11y’および11y”を除く全面には導電層12bが設けられている。導電層12bの表面は導電部となることから、その上に第2電極合剤層14bが設けられている。導電層12bを有さない第2集電体シートの端部11y、11y’および11y”は絶縁部となる。端部11yの反対側に位置する端部12yには、集電のために用いる導電層12bの露出部が残されている。
【0015】
図1、2において、極板群10の各側面では、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されている。各側面において、各集電体シートの端部とセパレータの端部とは、完全に面一に配されている必要はなく、実質的に面一に配されていればよい。各側面において各集電体シートの端部とセパレータの端部とが完全に面一に配されている場合には、第1集電体シートの片面あたりの面積S(1)と、第2集電体シートの片面あたりの面積S(2)と、セパレータの片面あたりの面積S(s)とは同一となるが、S(1)=S(s)=S(2)である必要はない。S(1)≦S(s)≦S(1)×1.05およびS(2)≦S(s)≦S(2)×1.05が満たされれば、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが実質的に面一であると言える。
【0016】
第1集電体シート13aの導電層12aの露出部(端部12x)は、極板群10の第1側面(図1左側)に配されており、その反対側の絶縁部(端部11x)は、極板群10の第2側面(図1右側)に配されている。一方、第2集電体シート13bの導電層12bの露出部(端部12y)は、極板群10の第2側面に配されており、その反対側の絶縁部(端部11y)は、極板群10の第1側面に配されている。なお、図1では、第1側面と第2側面とが互いに極板群の反対側に位置しているが、これらの配置は特に限定されない。
【0017】
上記のように、第1電極と第2電極とが、互いに逆向きに配置されていることから、第1集電体シート13aの導電層12aの露出部(端部12x)は、第2集電体シート13bの絶縁部(端部11y)と隣接する。第2集電体シート13bの導電層12bの露出部(端部12y)は、第1集電体シート13aの絶縁部(端部11x)と隣接する。このような配置であれば、第1電極と第2電極との短絡を防止することが容易であるし、複数の第1集電体シートまたは第2集電体シートの導電層の露出部を並列に接続して、高容量の極板群を得ることも容易である。短絡を確実に防止する観点から、第1集電体シート13aの導電層12aの露出部(端部12x)に隣接する第2集電体シートの絶縁部(端部11y)および第2集電体シート13bの導電層12bの露出部(端部12y)に隣接する第1集電体シート13aの絶縁部(端部11x)は、幅0.001mm以上、好ましくは0.1mm以上とすることが好ましい。
【0018】
図1のように複数の第1集電体シート13aまたは第2集電体シート13bの導電層12a、bの露出部を並列に接続して高容量の極板群を得る場合、どのような方法で露出部同士を接続してもよいが、例えば、導電性材料の被膜で第1側面と第2側面を被覆する方法を用いることができる。導電性材料の被膜の厚さは、例えば0.01〜1mm程度で十分である。こうして得られた導電性材料の被膜は、それぞれ第1端子17aおよび第2端子17bとして集電に利用することができる。良好な集電状態を得るためには、導電層12a、bの露出部と導電性材料の被膜との接触面積が大きいほど好ましく、導電層12a、bの露出部が導電性材料の被膜(端子17a、b)の内部に0.001〜1mmの深さまで埋没していることが好ましい。
【0019】
極板群10の第3側面(図2左側)には、第1集電体シート13aの絶縁部(端部11x”)および第2集電体シート13bの絶縁部(端部11y’)が面一に配され、第4側面(図2右側)には、第1集電体シート13aの絶縁部(端部11x’)および第2集電体シート13bの絶縁部(端部11y”)が面一に配されている。このような構造によれば、極板間に、各集電体シートよりも大きなセパレータを介在させることなく、第1電極と第2電極との短絡を防止することができる。ただし、確実に短絡を防止するには、第3側面および第4側面を、それぞれ電子絶縁性材料で被覆することが有効である。また、極板群に電解液を含浸させる工程を簡易に行えるようにするには、電子絶縁性材料が多孔性であることを必要とする。
【0020】
前記多孔性材料には、ポリオレフィン、ポリアルキレンオキサイド、フッ素ポリマー、セラミックスなどを用いることができる。ここで、ポリオレフィンには、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができ、ポリアルキレンオキサイドには、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどを用いることができ、フッ素ポリマーには、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーなどを用いることができ、セラミックスには、無機フィラー、ガラス繊維などを用いることができる。これらの材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの材料からなる膜状部材を用いてもよく、これらの材料を含む原料ペーストの塗膜を用いることもできる。原料ペーストは、分散媒を用いて適度な流動性を付与して用いることが可能である。多孔性材料として、従来からポリマー電池などで用いられているポリマー電解質を用いることもできる。ポリマー電解質は、例えば、電解液とマトリックス部材とを、混合することにより調製することができる。前記マトリックス部材には、上述のポリアルキレンオキサイドやフッ素ポリマーなどを用いることができる。
【0021】
上述のように、電気化学素子の信頼性を向上させるとともに、製造工程の複雑化を防ぐには、極板群10の第3側面および第4側面を、絶縁性の多孔性材料で覆うことが極めて有効である。また、図2に示すように、絶縁性の多孔性材料19をセパレータの端部と溶着させるなどして接合することにより、電気化学素子の信頼性を、さらに向上させることができる。例えば、多孔性材料で覆われた側面に、加熱した治具を押しつけることにより、これらを溶着させることができる。セパレータの端部と多孔性材料とを溶着させる場合、多孔性材料には、セパレータと同一の材料を用いることが好ましい。同一の材料を用いれば、セパレータの端部と多孔性材料とを容易に溶着させることができるとともに、高い溶着強度を得ることができる。
【0022】
図3に示すように、極板群10の第3側面および第4側面を、多孔性材料の原料ペーストの塗膜19’で覆う場合、原料ペーストは、流動性を有することから、一般的な塗工装置を用いて容易に極板群の側面に塗工することができる。また、原料ペーストの液面に極板群の側面を付着させるだけでも、その側面を原料ペーストで覆うことが可能である。極板群の側面を覆う原料ペーストから、不要な分散媒を揮散させると、極板群の側面に配された各部に密着した塗膜を得ることができる。
【0023】
図2、3では、第1電極合剤層14aおよび第2電極合剤層14bの端部は、第3側面および第4側面より窪んだ位置に配されているが、各電極合剤層の端部が、各集電体シートの絶縁部およびセパレータの端部と面一に配されていてもよい。そのような構造であっても、第3側面および第4側面を電子絶縁性の多孔性材料で覆うことから、充分に短絡を防止することが可能である。特に、多孔性材料を極板群の側面に配されたセパレータの端部と溶着させたり、極板群の側面に配された各部に密着した多孔性材料の塗膜を形成する場合には、短絡の可能性は大きく低減する。
【0024】
極板群10においては、その側面からセパレータや極板の端部が突出していないため、体積効率が高く、高容量を得ることが可能である。また、このような極板群は、均整のとれた簡略な構造を有するため、信頼性を確保しやすい。しかも、このような極板群は、同時にたくさん製造することができるため、製造コストを削減することが可能である。
【0025】
樹脂シート11a、bの厚さは、例えば0.5〜500μmである。平坦な表面を有する通常の樹脂シートを用いてもよく、穿孔体、ラス体、多孔質体、ネット、発泡体、織布、不織布などを用いてもよい。また、表面に凹凸を有する樹脂シートを用いることもできる。
樹脂シート11a、bには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリアリレートなどのエステル系ポリマー、ポリフェニレンサルファィドなどのチオエーテル系ポリマー、ポリスチレンなどの芳香族ビニル系ポリマー、ポリイミド、アラミド樹脂などの窒素含有ポリマー、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素ポリマーなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせたコポリマー、ポリマーアロイ、ポリマーブレンドなどを用いてもよい。
【0026】
導電層12a、bの厚さは、例えば0.01〜100μmである。
導電層12a、bには、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体を特に限定なく用いることができる。第1電極が正極である場合には、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、炭素などを用いることができ、特に、アルミニウム、アルミニウム合金などが好ましい。第1電極が負極である場合には、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、銅合金、チタンなどを用いることができ、特に、銅、銅合金などが好ましい。
【0027】
導電層12a、bを形成する方法は特に限定されないが、例えば、導電性材料を樹脂シート11a、bの表面に蒸着すれば導電層を得ることができる。所定の形状パターンの蒸着膜を形成するには、樹脂シートに所定形状の開口部を有するマスクを被せてから蒸着を行う。
【0028】
極板群10の第1側面には、第1端子17aと第2電極15b、b’とを絶縁するための第1絶縁材料部18aを設けることができ、第2側面には、第2端子17bと第1電極15aとを絶縁するための第2絶縁材料部18bを設けることができる。第1側面には、第2集電体シート13bの絶縁部(端部11y)が配され、第2側面には、第1集電体シート13aの絶縁部(端部11x)が配されているため、絶縁材料部を設けなくても短絡を防止することは可能であるが、さらに絶縁材料部18a、bを設けることで、短絡の可能性は大幅に低減する。絶縁材料部18a、bの厚さは特に限定されないが、0.001mm以上、さらには0.01mm以上であることが好ましい。
【0029】
絶縁材料部18a、bを設ける方法は特に限定されないが、予め極板の製造工程において、スクリーン印刷法により、ペースト状もしくは液状の絶縁材料を、電極合剤層14a、bの周囲の集電体シート13a、b上に塗布しておく方法を採用することができる。フィルム状もしくはテープ状の絶縁材料を、電極合剤層14a、bの周囲の集電体シート13a、b上に貼り付けることにより、絶縁材料部を設けることもできる。図2では、極板群10の第3側面および第4側面には絶縁材料部が設けられていないが、これらの側面にも絶縁材料部を設けることができる。
【0030】
絶縁材料部18a、bに用いる絶縁材料としては、樹脂、ガラス組成物、セラミックスなどが挙げられる。また、織布や不織布に樹脂を含浸させた複合物などを用いることもできる。樹脂には、熱可塑性樹脂を用いてもよく、熱硬化性樹脂を用いてもよい。熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂の塗膜を加熱して硬化させる工程を要する。
【0031】
絶縁材料部18a、bに用いることのできる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネートなどのエステル系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドなどのエーテル系ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのスルホン系ポリマー、ポリアクリロニトリル、AS樹脂、ABS樹脂などのアクリロニトリル系ポリマー、ポリフェニレンサルファィドなどのチオエーテル系ポリマー、ポリスチレンなどの芳香族ビニル系ポリマー、ポリイミド、アラミド樹脂などの窒素含有ポリマー、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素ポリマー、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系ポリマーなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせたコポリマー、ポリマーアロイ、ポリマーブレンドなどを用いてもよい。また、加熱やUV照射により重合固化して得られるポリマーを用いてもよい。
【0032】
図1では、第1電極合剤層14aに比べて、第2電極合剤層14bの方が大きな面積を有している。このような構造は、第1電極合剤層14aを正極とし、第2電極合剤層14bを負極とするリチウムイオン二次電池の極板群に適する。第1電極合剤層14aを負極とし、第2電極合剤層14bを正極とする場合には、第2電極合剤層14bに比べて第1電極合剤層14aの面積を大きくする。
電極合剤層14a、bの厚さは、例えば1〜1000μmであるが、これらの厚さは特に限定されない。
【0033】
次に、複数の極板群10を同時に製造する方法の一例について、図4を参照しながら説明する。以下の方法によれば、例えば、縦1〜300mm、幅1〜300mm、厚さ0.01〜20mmの大きさの極板群を、効率よく製造することができる。
【0034】
(イ)第1電極の作製
所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シート21aを準備する。次いで、樹脂シート21aの両面の同じ位置に、複数の所定の形状パターンの導電層を設ける。例えば図4に示すように、所定形状の導電層26aを、複数行、複数列に樹脂シート21a上に形成する。導電層26aは、樹脂シート21aにマトリックス状の開口部を有するマスクを被せ、開口部から露出する樹脂シート部分に金属を蒸着させることにより得ることができる。
【0035】
樹脂シート21aには、電極2つ分の大きさの導電層26aを複数個形成する。すなわち2n個の電極を得ようとするときには、樹脂シート21aに片面あたりn個の導電層26aを形成する。次に、図5に示すように、各導電層26aの上に、第1電極合剤層22aを2つずつ形成する。2つの第1電極合剤層22aの間には、第1電極合剤を有さない導電層26aの露出部23aを残しておく。図5には、3行3列の電極合剤層が描かれているが、通常は、より大きな集電体シートの上に、より多くの導電層と第1電極合剤層が形成される。
【0036】
第1電極合剤層22aは、第1電極合剤からなるペーストを、導電層26aの中央部を除く全面に塗工することにより形成される。塗工方法は、特に限定されないが、スクリーン印刷、パターン塗工などを採用することができる。ペーストが塗工されていない導電層の露出部23aは、極板群の構成後には、第1端子との接続部24aとなる。
第1電極合剤は、第1電極の活物質、導電材、結着剤などを、分散媒と混合することにより調製される。ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜をローラで圧延して、合剤密度が高められる。
【0037】
第1電極がリチウムイオン二次電池の正極である場合、活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物を好ましく用いることができる。リチウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、LixCoOz、LixNiOz、LixMnOz、LixCoyNi1-yz、LixCof1-fz、LixNi1-yyz(M=Ti、V、Mn、Fe)、LixCoaNibcz(M=Ti、Mn、Al、Mg、Fe、Zr)、LixMn24、LixMn2(1-y)2y4(M=Na、Mg、Sc、Y、Fe、Co、Ni、Ti、Zr、Cu、Zn、Al、Pb、Sb)などを挙げることができる。ただし、x値は電池の充放電により、0≦x≦1.2の範囲で変化する。また、0≦y≦1、0.9≦f≦0.98、1.9≦z≦2.3、a+b+c=1、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c<1である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
第1電極がリチウムイオン二次電池の負極である場合、活物質としては、例えば、リチウム、リチウム合金、金属間化合物、炭素材料、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な有機化合物や無機化合物、金属錯体、有機高分子化合物などを好ましく用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。炭素材料としては、コークス、熱分解炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、気相成長系)、不定形炭素、有機化合物焼成体などが挙げられる。これらのうちでは、特に、天然黒鉛や人造黒鉛が好ましい。
【0039】
導電材には、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、黒鉛などが用いられる。また、結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、アクリル系樹脂、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマーなどを用いることができる。
【0040】
極板群において、第2集電体シートの導電層の露出部と隣接することになる第1電極合剤層22aの周縁部、すなわち極板群の第2側面に配されることになる第1電極合剤層22aの周縁部に沿って絶縁材料を塗工する。ここでもパターン塗工を行うことが好ましい。このような絶縁材料の塗工は必ずしも必要ではなく、任意に行えばよいが、絶縁材料を塗工した方が短絡の可能性を低減することができる。極板群の第3側面および第4側面に配されることになる第1電極合剤層22aの周縁部にも、絶縁材料を被覆してもよい。塗工された絶縁材料は、極板群において、第1絶縁材料部を形成する。
【0041】
(ロ)第2電極の作製
両面に第2電極合剤層を有する第2電極は、第1電極と同様の方法で作製することができる。すなわち所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シート21bの両面の同じ位置に、複数の所定の形状パターンの導電層を設け、各導電層の上に、第2電極合剤層22bを2つずつ形成する。2つの第2電極合剤層22bの間には、第2電極合剤層を有さない導電層の露出部23bを残しておく。ペーストが塗工されていない導電層の露出部23bは、極板群においては、第2端子との接続部24bとなる。片面だけに第2電極合剤層22bを有する第2電極は、他方の面に導電層、第2電極合剤層および絶縁材料を設けないこと以外、上記と同様の方法で作製することができる。
【0042】
(ハ)極板群の作製
作製された複数の第1電極からなる集合体と複数の第2電極からなる集合体とを、セパレータを介して積層する。このとき第1電極の第1電極合剤層22aと第2電極の第2電極合剤層22bとを互いに対面させてこれらを積層する。第1電極における導電層の露出部23aおよび絶縁材料は、それぞれ第2電極における絶縁材料および導電層の露出部23bと対面させる。両方の最も外側には、片面だけに第2電極合剤層22bを有する一対の第2電極を配し、これらで内側の電極を挟持し、全体をプレスする。このようにして複数の極板スタックからなる集合体を得ることができる。
【0043】
セパレータには、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーやガラス繊維などからなる織布や不織布を用いることができる。固体電解質やゲル電解質をセパレータとして用いることもできる。固体電解質には、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどをマトリックス材料として用いることができる。ゲル電解質としては、例えば、後述の非水電解液をポリマー材料からなるマトリックスに保持させたものを用いることができる。マトリックスを形成するポリマー材料には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特に、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、ポリフッ化ビニリデンとポリエチレンオキサイドとの混合物を用いることが好ましい。
【0044】
複数の極板スタックからなる集合体は、極板スタック毎に分割する。第1電極および第2電極は、図5に示す矢印方向に沿って切断される。導電層の露出部23a、bは、切断によって端子との接続部24a、24bを形成し、その反対側の樹脂シートの露出部は、切断によって絶縁部25a、25bを形成する。こうして得られた極板スタックの4つの側面においては、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されているが、異なる極性の電極の導電部同士が、各側面において互いに対面することはない。
【0045】
従来から一般的に用いられている金属箔を集電体シートとして用いて、上記のような方法で極板群を作製すると、切断時に生じる金属バリが問題となる。金属バリは、セパレータを突き破り、内部短絡を引き起こす大きな原因となる。そこで、金属バリの発生を防ぐことが重要となるが、金属バリを生じることなく金属箔を切断することは著しく困難である。一方、樹脂シートからなる集電体シートを用いる場合、切断面のほとんどが樹脂で占められているため、金属バリを生じることがない。そのため電気化学素子の信頼性は大幅に向上する。
【0046】
第1集電体シートの導電層の露出部23aから形成された接続部24aと第2集電体シートの絶縁部25bとが交互に配列する第1側面を、導電性材料の被膜で被覆すれば、第1端子が得られる。例えば、溶融もしくは半溶融状態の金属微粒子を第1側面に吹き付けることにより、第1側面を金属被膜で被覆することができる。こうして形成された金属被膜は、自動的に第1集電体シートの接続部24aと電気的に接続される。第1側面に配された第2電極合剤層22bの端面には、絶縁材料が塗工されているため、金属被膜と第2電極との短絡は起こらない。第2集電体シートの導電層の露出部23bから形成された接続部24bと第1集電体シートの絶縁部25aとが交互に配列する第2側面も、上記と同様に金属被膜で被覆することにより、第2端子を得ることができる。
【0047】
第1端子もしくは第2端子が正極端子となる場合には、金属被膜をアルミニウムを用いて形成することが好ましい。また、第1端子もしくは第2端子が負極端子となる場合には、金属被膜を銅を用いて形成することが好ましい。
【0048】
極板群の第3側面および第4側面は、絶縁性の多孔性材料で被覆される。例えば、セパレータと同一の材料からなる多孔性材料で第3側面および第4側面を覆い、外面から多孔性材料に加熱された治具を押しつける。多孔性材料として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンからなる織布、不織布もしくは微多孔膜を用いる場合、加熱治具の温度は、80〜130℃である。
フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、ポリフッ化ビニリデンとポリエチレンオキサイドとの混合物などをその分散媒と混合してペーストを調製し、このペーストを第3側面および第4側面に塗工し、50〜80℃で加熱して、分散媒を揮散させてもよい。この場合、乾燥後のペーストの塗膜の厚さは、1〜1000μmであることが好ましいが、塗膜の厚さは任意に制御可能である。
【0049】
図6に示されるような複数の第1電極からなる集合体と複数の第2電極からなる集合体を用いて、極板群の集合体を得ることもできる。このような第1電極からなる集合体を得る場合、所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シート31aの両面の同じ位置に、複数列の帯状の導電層を形成する。このような導電層は、樹脂シート31aに帯状の開口部を有するマスクを被せ、開口部から露出する樹脂シート部分に金属を蒸着させることにより得ることができる。ここでも樹脂シート31aには、電極合剤層2列分の大きさの導電層を複数列形成する。すなわち2n列の電極合剤層を得ようとするときには、樹脂シート31aに片面あたりn列の導電層を形成する。
【0050】
各帯状導電層の上には、帯状の第1電極合剤層32aを2列ずつ形成する。2列の帯状第1電極合剤層32aの間には、第1電極合剤を有さない導電層の露出部33aを残しておく。帯状の第1電極合剤層32aは、上記と同様の第1電極合剤からなるペーストを、導電層の中央部を除く全面に塗工することにより形成される。塗工方法は積層型極板群の場合と同様である。ペーストが塗工されていない導電層の露出部33aは第1端子との接続部34aとなる。
【0051】
第2電極からなる集合体を得る場合にも、所望数の集電体シートを与え得る大きさの樹脂シート31bの両面の同じ位置に、複数列の帯状の導電層を設け、各導電層の上に、帯状の第2電極合剤層32bを2列ずつ形成する。2列の帯状の第2電極合剤層32bの間には、第2電極合剤を有さない導電層の露出部33bを残しておく。導電層の露出部33bは第2端子との接続部34bとなる。
【0052】
このような極板群の集合体を、図6に示す矢印方向に沿って極板スタックごとに分割すると、導電層の露出部33a、33bは、切断によって端子との接続部34a、34bを形成し、その反対側の樹脂シートの露出部は、切断によって絶縁部35a、35bを形成する。こうして得られた極板スタックの4つの側面においては、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されているが、第1側面と第2側面においては、異なる極性の電極の導電部同士が各側面において対面することはない。一方、第3側面および第4側面には、電極合剤層の断面が露出することになるが、上述と同様に、これらの側面を電子絶縁性の多孔性材料で被覆することにより、短絡の可能性を大きく低減することができる。
【0053】
極板群は、電解液とともに所定のケースに収容することができる。
ケースの形状、材質などは特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼板、アルミニウム板などを所定形状に加工したもの、両面に樹脂被膜を有するアルミニウム箔(アルミニウムラミネートシート)、樹脂ケースなどが用いられる。
【0054】
電解液の組成は、電池の種類に応じて異なる。電気化学素子が、例えばリチウムイオン二次電池の場合、電解液には、非水溶媒にリチウム塩を溶解させたものが用いられる。電解液におけるリチウム塩濃度は、例えば0.5〜1.5mol/Lである。
【0055】
非水溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの非環状カーボネート、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのγ−ラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタンなどの非環状エーテル、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチルなどのアルキルリン酸エステルやそれらのフッ化物などを用いることができる。これらは複数種を組み合わせて用いることが好ましい。特に、環状カーボネートと非環状カーボネートを含む混合物、環状カーボネートと非環状カーボネートと脂肪族カルボン酸エステルを含む混合物などが好ましい。
【0056】
リチウム塩には、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiN(CF3SO22、Li210Cl10、LiN(C25SO22、LiPF3(CF33、LiPF3(C253などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、少なくともLiPF6を用いることが好ましい。
【0057】
【実施例】
《実施例1》
以下の要領で積層型のリチウムイオン二次電池を作製した。
(イ)第1電極の作製
横198mm、縦282mm、厚さ7μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)のシートを準備した。次いで、マトリックス状の開口部を有するマスクを用いて、PETシートの両面の同じ位置に、3行6列に配列する複数の矩形(65mm×46mm)の銅の蒸着膜を形成した。銅の蒸着膜の厚さは、0.1μmとした。
【0058】
活物質の球状黒鉛(黒鉛化メソフェーズ小球体)100重量部と、結着剤のスチレンブタジエンゴム3重量部と、分散媒である適量のカルボキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、第1電極合剤からなるペーストを調製した。このペーストを各蒸着膜の中央部を除く全面に塗工した。その結果、各蒸着膜の上に、32mm×46mmの第1電極合剤層が2つずつ形成された。2つの第1電極合剤層の間には、幅1mmの溝状に、電極合剤層を有さない銅の蒸着膜の露出部を残した。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜を厚さ70μmになるまでローラで圧延した。
【0059】
得られた第1電極合剤層の周縁部のうち、蒸着膜の露出部に隣接する部分の反対側の部分に、絶縁材料として、幅0.3mmのポリフッ化ビニリデンを塗工した。こうして両面に6行6列の第1電極合剤層を有する第1電極の集合体を得た。
【0060】
(ロ)第2電極の作製
両面に第2電極合剤層を有する第2電極を作製した。
横198mm、縦282mm、厚さ7μmのPETシートを準備した。次いで、マトリックス状の開口部を有するマスクを用いて、PETシートの両面の同じ位置に、3行6列に配列する複数の矩形(64mm×45mm)のアルミニウムの蒸着膜を形成した。Al蒸着膜の厚さは、0.1μmとした。
【0061】
活物質のコバルト酸リチウム(LiCoO2)100重量部と、導電材のアセチレンブラック3重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン7重量部と、分散媒である適量のカルボキシメチルセルロース水溶液とを混合することにより、第2電極合剤からなるペーストを調製した。このペーストを各蒸着膜の中央部を除く全面に塗工した。その結果、各蒸着膜の上に、31mm×45mmの第2電極合剤層が2つずつ形成された。2つの第2電極合剤層の間には、幅2mmの溝状に、合剤を有さないAlの蒸着膜の露出部を残した。その後、ペーストの塗膜を乾燥し、乾燥後の塗膜を厚さ70μmになるまでローラで圧延した。
【0062】
得られた第2電極合剤層の周縁部のうち、蒸着膜の露出部に隣接する部分の反対側の部分に、絶縁材料として、幅0.3mmのポリフッ化ビニリデンを塗工した。こうして両面に6行6列の第2電極合剤層を有する第2電極の集合体を得た。
次に、片面だけに第2電極合剤層を有する第2電極を、他方の面にAlの蒸着膜、第2電極合剤層および絶縁材料を設けないこと以外、上記と同様の方法で作製した。
【0063】
(ハ)極板群の作製
両面に第1電極合剤層を有する第1電極からなる集合体2つで、両面に第2電極合剤層を有する第2電極からなる集合体1つを、セパレータを介して挟持した。このとき第1電極合剤層と第2電極合剤層とを互いに対面させ、また、第1電極における蒸着膜の露出部およびポリフッ化ビニリデンを、それぞれ第2電極におけるポリフッ化ビニリデンおよび蒸着膜の露出部と対面させた。両方の最も外側に、片面だけに第2電極合剤層を有する一対の第2電極を配し、これらで内側の電極を挟持し、全体をプレスした。その結果、複数の極板スタックからなる集合体が得られた。
【0064】
切断位置を、第1電極における蒸着膜の露出部の中心、第2電極における蒸着膜の露出部の中心に合わせて、複数の極板スタックからなる集合体を極板スタック毎に分割した。その結果、一連の塗工・積層工程により、一度に36個もの極板スタックを得ることができた。こうして得られた極板スタックの4つの側面においては、各集電体シートの端部とセパレータの端部とが面一に配されていた。
【0065】
1つの側面(第1側面)には、第1集電体シートの蒸着膜の露出部と第2集電体シートのPETの露出部が交互に配列していた。その反対側の第2側面には、第2集電体シートの蒸着膜の露出部と第1集電体シートのPETの露出部が交互に配列していた。残りの2つの側面(第3側面と第4側面)には、各集電体シートのPETの露出部が配列していた。
【0066】
第1集電体シートの銅の蒸着膜の露出部と第2集電体シートのPETの露出部とが交互に配列する第1側面に、半溶融状態の銅微粒子を吹き付けた。その結果、第1側面に、厚さ0.5mmの銅膜が形成された。銅の蒸着膜の端部は、銅膜の内部に深さ0.2mmまで埋没していた。この銅膜はそのまま負極端子として用いた。
【0067】
第2集電体シートのAlの蒸着膜の露出部と第1集電体シートのPETの露出部とが交互に配列する第2側面に、半溶融状態のアルミニウム微粒子を吹き付けた。その結果、第2側面に、厚さ0.5mmのアルミニウム膜が形成された。Alの蒸着膜の端部は、アルミニウム膜の内部に深さ0.2mmまで埋没していた。このアルミニウム膜は、そのまま正極端子として用いた。
【0068】
各集電体シートのPETの露出部およびセパレータの端部が配列する第3側面および第4側面は、セパレータと同一の多孔性材料で完全に被覆した。セパレータおよび前記多孔性材料には、それぞれ厚さ50μmのポリエチレンからなる微多孔膜を用いた。次いで、第3側面および第4側面を覆う多孔性材料に、外側から、100℃に加熱した治具の平坦面を押しつけ、セパレータの端部と多孔性材料とを溶着させた。その後、多孔性材料を介して電解液を極板群の内部に充分に浸透させた。ここで用いた電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比30:70で混合した混合溶媒に、LiPF6を1モル/Lの濃度で溶解して調製した。
【0069】
評価
[充放電試験]
得られた極板群の銅膜とアルミニウム膜に、それぞれリード線を接続し、電池を構成して、外部の充放電装置を用いて、充放電試験を行った。充放電は、20℃雰囲気中で行った。充電および放電は、それぞれ電極面積に対して2.5mA/cm2の電流モードで行った。充電終止電圧は4.2Vとした。放電終止電圧は3.0Vとした。上記条件によって得られた電気容量は900mAhであった。
【0070】
[短絡発生率]
同様の電池を100個作製し、それらの電池の第3、第4側面付近を圧壊させ、その後、電池電圧を測定して、内部短絡発生の可能性のある電池の個数を調べた。内部短絡発生の可能性のある電池は0個であった。
【0071】
《実施例2》
各集電体シートのPETの露出部およびセパレータの端部が配列する第3側面および第4側面を、多孔性材料の原料ペーストの塗膜で被覆したこと以外、実施例1と同様の極板群を作製した。すなわち、原料ペーストで極板群の第3側面および第4側面を完全に覆い、乾燥させることにより、各側面を厚さ50μmの多孔性材料で被覆した。原料ペーストには、アルミナ10重量部と、ポリフッ化ビニリデン10重量部と、メチルエチルケトン80重量部とを混合して調製したものを用いた。
【0072】
評価
得られた電池の容量および電池の容積は実施例1と同じであった。同様の電池を100個作製し、短絡発生率を調べたところ、内部短絡発生の可能性のある電池は0個であった。
【0073】
《比較例1》
従来から用いられている銅箔からなる芯材を用いて、実施例1と同じ組成・厚さの第1電極合剤層を有する第1電極を作製し、アルミニウム箔からなる芯材を用いて、実施例1と同じ組成・厚さの第2電極合剤層からなる第2電極を作製し、これらを積層して実施例1と同じ容量900mAhの電池を作製した。極板群の第1側面からは第1電極の端部を突出させ、第1側面の反対側に位置する第2側面からは第2電極の端部を突出させた。電極合剤層の端部を覆う絶縁材料部は、第1電極にも第2電極にも設けなかった。同一極性の極板同士をリードで接続し、電池を完成した。
【0074】
評価
得られた電池の容量は、実施例1と同じであったが、電池の容積は実施例1の電池の約1.2倍となった。同様の電池を100個作製し、短絡発生率を調べたところ、2個の電池で短絡の発生が確認された。
【0075】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、体積効率が高く、均整のとれた簡略な構造を有し、かつ、優れた信頼性を有する積層型の電気化学素子を効率良く提供することができる。このような電気化学素子を含む非水電解液二次電池を用いることにより、信頼性の高い携帯電話、携帯情報端末機器、カムコーダ、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯音響機器、電気自動車、ロードレベリング用電源などの機器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型極板群の縦断面図である。
【図2】図1のa−a線断面図の一例である。
【図3】図1のa−a線断面図の他の一例である。
【図4】第1電極または第2電極の集合体を得るための集電体シートの上面図である。
【図5】第1電極および第2電極からなる集合体の斜視図である。
【図6】別の第1電極および第2電極からなる集合体の斜視図である。
【符号の説明】
10 極板群
11a、b 樹脂シート
11x、x’、x” 樹脂シートの端部
11y、y’、y” 樹脂シートの端部
12a、b 導電層
12x、y 導電層の端部
13a 第1集電体シート
13b 第2集電体シート
14a 第1電極合剤層
14b 第2電極合剤層
15a 第1電極
15b、b’ 第2電極
16 セパレータ
17a 第1端子
17b 第2端子
18a 第1絶縁材料部
18b 第2絶縁材料部
19 多孔性材料
19’ 多孔性材料の原料ペーストの塗膜
21a、b 樹脂シート
22a 第1電極合剤層
22b 第2電極合剤層
23a、b 導電層の露出部
24a 第1端子との接続部
24b 第2端子との接続部
25a、b 樹脂シートの露出部に対応する絶縁部
26a 導電層
31a、b 樹脂シート
32a 帯状の第1電極合剤層
32b 帯状の第2電極合剤層
33a、b 導電層の露出部
34a 第1端子との接続部
34b 第2端子との接続部
35a、b 樹脂シートの露出部に対応する絶縁部

Claims (10)

  1. 複数の第1電極と複数の第2電極とをセパレータを介して交互に積層した極板群を有する電気化学素子であって、
    前記複数の第1電極は、それぞれ第1集電体シートおよびこれに担持された少なくとも1つの第1電極合剤層からなり、
    前記複数の第2電極は、それぞれ第2集電体シートおよびこれに担持された少なくとも1つの第2電極合剤層からなり、
    前記極板群が、前記各集電体シートの端部と前記セパレータの端部とが、実質的に面一に配されている第1側面、第2側面、第3側面および第4側面を有し、
    前記第1側面、第2側面、第3側面および第4側面の少なくとも1つが、電子絶縁性の多孔性材料で覆われており、
    前記第1側面に配された前記各第1集電体シートの端部が導電部からなり、前記第1側面において第1端子と接続されており、前記第2側面に配された前記各第2集電体シートの端部が導電部からなり、前記第2側面において第2端子と接続されており、かつ、前記各第1集電体シートの前記第2側面に配された端部が絶縁部からなり、前記各第2集電体シートの前記第1側面に配された端部が絶縁部からなる電気化学素子。
  2. 前記第1集電体シートの片面あたりの面積をS(1)、前記第2集電体シートの片面あたりの面積をS(2)、前記セパレータの片面あたりの面積をS(s)とするとき、
    S(1)≦S(s)≦S(1)×1.05
    S(2)≦S(s)≦S(2)×1.05
    を満たしている請求項1記載の電気化学素子。
  3. 前記多孔性材料が、ポリオレフィン、ポリアルキレンオキサイド、フッ素ポリマーおよびセラミックスよりなる群から選ばれた少なくとも1種の電子絶縁性材料からなる請求項1または2記載の電気化学素子。
  4. 前記多孔性材料で覆われている極板群の側面において、前記セパレータの端部と前記多孔性材料とが接合されている請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子。
  5. 前記多孔性材料と前記セパレータとが、互いに同一の材料からなる請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学素子。
  6. 前記多孔性材料が、前記電子絶縁性材料からなる膜状部材である請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子。
  7. 前記多孔性材料が、前記電子絶縁性材料を含むペーストの塗膜である請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子。
  8. 前記極板群において、前記第3側面および第4側面に配された前記各集電体シートの端部が絶縁部からなる請求項1〜7のいずれかに記載の電気化学素子。
  9. 前記極板群において、前記第1側面には、前記第1端子と第2電極とを絶縁するための第1絶縁材料部が設けられており、前記第2側面には、前記第2端子と第1電極とを絶縁するための第2絶縁材料部が設けられている請求項1〜8のいずれかに記載の電気化学素子。
  10. 前記第1側面と前記第2側面とが、互いに前記極板群の反対側に位置している請求項1〜のいずれかに記載の電気化学素子。
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