WO2002097017A1

WO2002097017A1 - Transmission oil composition for automobile

Info

Publication number: WO2002097017A1
Application number: PCT/JP2002/005139
Authority: WO
Inventors: Takumaru Sagawa; Takafumi Ueno; Hisayuki Wada; Tooru Aoki
Original assignee: Nissan Motor Co., Ltd.; Nippon Oil Corporation
Priority date: 2001-05-28
Filing date: 2002-05-28
Publication date: 2002-12-05
Also published as: JP4861380B2; CN1297637C; JPWO2002097017A1; CN1535307A; JP4805536B2; EP1405897A1; US20080058233A1; EP1405897A4; US8901052B2; JP2008285682A; US20110092402A1; US7307048B2; US20040209786A1; EP1405897B1

Description

明細書自動車用変速機油組成物技術分野

本発明は自動車用変速機油組成物に関し、詳しくは絶縁性、冷却性及ぴ潤滑性に優れる、電気自動車又はハイブリッド車等の電動モータ装着車に好適に用いられる自動車用変速機油組成物に関する。背景技術

近年の省燃費性能向上のため、自動車用変速機には動力伝達効率の向上や小型軽量化が求められており、変速機構においても手動変速機から自動変速機、最近では無段変速機が一部の車輛に搭載されるに至っている。

一方、鉛畜電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、燃料電池等を搭載し、電動モータを装着した電気自動車、あるいはこれらの電池と内燃機関とを併用したハイプリッド自動車が開発されており、これらの自動車には、変速機油と電動モータ油とが別々に使用されている。

最近、電気自動車又はハイブリッド自動車においては、これらの油の共通化や変速機と電動モータをパッケージ化することによる小型軽量化が要望されつつあり、手動変速機油、自動変速機油又は無段変速機油としての潤滑性能に加え、電動モータ油としての絶縁性及び冷却性を併せ持った新規な油が要望されてきた。

変速機油には、熱 · 酸化安定性、清浄分散性、摩耗防止性、焼付き防止性等が要求される。これらの要求を満たすため、変速機油としては一般に、鉱油系あるいは合成系基油に各種添加剤（酸化防止剤、清浄分散剤、摩耗防止剤、防鲭剤、金属不活性化剤、摩擦調整剤、消泡剤、着色剤、シール膨張剤、粘度指数向上剤等）を添加したものが用いられている。このような変速機油は、体積抵抗率が低く、絶縁性が不十分なため、電動モータ油として使用した場合、電動モータがショートする等の不具合や、動粘度が高いことに起因する冷却性不良や動力ロスが問題となる。

一方、電動モータ油は、絶縁性、冷却性等が要求され、潤滑性は必要とされないため、添加剤はほとんど含有されておらず、変速機に用いた場合、ベアリング、歯車等が著しく摩耗してしまうという問題がある。

すなわち、電気自動車又はハイブリッド自動車等の電動モータ装着車において、変速機油としての焼付き防止性能、摩耗防止性能を有し、かつ絶縁性、冷却性を兼ね備えた自動車用変速機油組成物はこれまで全く存在していない。

発明の開示

本発明の目的は、電動自動車又はハイブリッド車等に搭載される変速機や電動モータ用、あるいはその兼用油、若しくは変速機と電動モータがパッケージ化された、すなわち変速機と電動モータの潤滑システムが共有化された装置用油等として有用な、焼付き防止性能に優れ、かつ絶縁性能、冷却性能等が付与された自動車用変速機油組成物を提供することにある。

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のリン系化合物を有する組成物が、焼付き防止性能に優れ、かつ絶縁性能等を十分有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、鉱油、合成油、及ぴこれらの混合物からなる群より選択される基油と；組成物全体量基準で 0 . 1〜 1 5 . 0質量％の、（A ) 炭化水素基含有ジチォリン酸亜鉛、（B ) トリアリールホスフェート、 ( C ) トリアリールチオホスフェート及ぴこれらの混合物からなる群より選ばれるリン化合物とを含有し；かつ、 8 0 °Cにおける体積抵抗率が 1 X I 0 ⁷ Ω · m以上である自動車用変速機油組成物が提供される。

発明を実施するための形態

本発明の自動車用変速機油組成物は、基油として、鉱油、合成油及ぴこれらの任意の混合油を含む。

鉱油としては、具体的には例えば、原油を常圧蒸留及び/又は減圧蒸留して得られた留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の溶剤又は潤滑油やノルマルパラフィン等が使用でき、特に溶剤精製や水素化精製により塩基性窒素化合物、硫黄化合物、多環芳香族分、樹脂分、含酸素化合物等を除去あるいは異性化した後に、ヮックス分を除去して低温流動性を改善したもの、水分を除去したものが望ましい。精製度を高めることにより、酸化安定性が高く、体積抵抗率の高い自動車用変速機油組成物を与えることができる。なお、これら鉱油の精製過程において、白土処理や硫酸処理を採用すると絶縁性能に極めて優れた基油を得ることができるが、コストや廃棄物処理の観点からは、これらの処理をしない鉱油が好ましい。

合成油としては、特に制限はないが、ポリ一 α—ォレフィン（ 1 一オタテンオリゴマー、 1 ーデセンオリゴマー、エチレン一プロピレンオリゴマ一等）及びその水素化物、イソプテンオリゴマー及ぴその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ァ/レキノレジフエ-ノレェタン、モノィソプロピノレビフエ二/レ、ジメチルシリコーン、ジエステル（ジトリデシルグルタレート、ジ 2—ェチルへキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ 2—ェチルへキシルセパケート等) 、ポリオ一/レエステノレ（トリメチローノレプロ/ ンカプリレート、トリメチロ一ノレプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトーノレ 2—ェチ /レへキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等）、ポリオキシァノレキレングリコーノレ、ジァノレキノレジフエニノレエーテノレ、並ぴにポリフェニルエーテル等の合成系潤滑油及ぴこれらの混合油等が使用できる。これらのうち、ポリ一 α—ォレフィン及ぴその水素化物、イソブテンオリゴマー及ぴその水素化物、ィソパラフィン、ァルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルジフエニルェタン、モノィソプロピルビフエ二ル、ジメチルシリコーン等は 8 0 °Cにおける体積抵抗率が 1 X 1 0 ^{1 3} Ω · m以上であり組成物の絶縁性能を高めるために好ましく用いることができる。また、エステル系化合物は一般に 8 0 °Cにおける体積抵抗率が 1 X 1 0 ⁹ 〜 1 X 1 0 ^{1 3}

Ω · m程度であり、残存水分や不純物を十分除去したものが好ましい o

本発明における合成油としては、上記合成油のうち、ポリ一 α — ォレフィン、ポリ一 a 一ォレフィンの水素化物、ァノレキルベンゼン、エステル系化合物及ぴこれらの混合物からなる群より選択されるものが好ましい。この場合には、使用条件下で低温流動性と低揮発性とをパランス良く維持することができる。

なお、本明細書において 8 0 °Cにおける体積抵抗率とは、 J I S C 2 1 0 1 の 2 4 . (体積抵抗率試験）に準拠して測定されたものを示す。

また、これら基油の粘度指数としては、特に制限はないが、粘度指数が 8 0以上のものを含有することが好ましく、 1 0 0以上のものを含有することがさらに好ましい。

また、これら基油の動粘度は特に制限はなく、通常 8 0 °Cにおける動粘度が l 〜 1 0 0 mm ²/ s の上記鉱油、合成油から任意に選ぶことができ、単独又は混合基油の 8 0 °Cにおける動粘度は、 1 . 5 〜 1 5 mm ²Z s、好ましくは 1 . 5 〜 8 . 0 m m ² / s 、さらに好ましくは 1 . 5 〜 4 . 0 mm ²Z sであることが望ましい。本発明の自動車用変速機油組成物は、（A ) 炭化水素基含有ジチォリン酸亜鉛、（B ) トリアリールホスフェート、（ C ) トリァリ一ルチオホスフエ一ト及ぴこれらの混合物からなる群より選択されるリン化合物を含有する。また、これら（A ) 〜（ C ) 成分に加え、さらに（D ) 無灰分散剤を含有することができる。

( A ) 成分としては、通常、炭素数 2〜 3 0、好ましくは 3〜 2 0の炭化水素基を含有する化合物を用いることができる。

この炭素数 2〜3 0の炭化水素基としては、具体的には、ェチル基、プロピル基、プチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノニル基、デシル基、ゥンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、ォクタデシル基等のアルキル基（これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい）；ブテニル基、ペンテュル基、へキセニル基、ヘプテニル基、オタテニル基、ノネニル基、デセ-ル基、ゥンデセニル基、ドデセ-ル基、トリデセニル基、テトラデセ -ル基、ペンタデセニル基、へキサデセニル基、ヘプタデセニル基、ォクタデセニル基等のアルケニル基（これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である）；シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基等の炭素数 5〜 7のシクロアルキル基；メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチノレエチノレシク口ペンチノレ基、ジェチノレシクロペンチル基、メチノレシク口へキシノレ基、ジメチノレシクロへキシル基、メチルェチルシク口へキシル基、ジェチノレシク口へキシノレ基、メチノレシクロへプチル基、ジメチルシクロへプチル基、メチルェチルシク口へプチル基、ジェチルシクロへプチル基等の炭素数 6〜 1 1 のァノレキ/レシクロアルキノレ基（アルキル基のシク口アルキル基への置換位置も任意である）；フヱニル基、ナフチル基等のァリール基；トリル基、キシリル基、ェチルフエニル基、プロピルフエニル基、プチノレフェニル基、ペンチノレフエエノレ基、へキシノレフエ二ノレ基、ヘプチノレフェニル基、ォクチノレフエュノレ基、ノニノレフエ二ノレ基、デシノレフエニル基、ゥンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数 7〜 1 8 の各アルキルァリール基（アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またァリール基への置換位置も任意である）；ベンジル基、フエ二ルェチノレ基、フエニルプロピル基、フエニルプチル基、フエ二ルペンチル基、フエ二ルへキシル基等の炭素数 7〜 1 2 の各ァリールアルキル基（これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい）等が例示できる。

( A ) 成分として好ましい化合物としては、具体的には、ジプロピルジチォリン酸亜鉛、ジプチルジチォリン酸亜鉛、ジペンチノレジチォリン酸亜鉛、ジへキシルジチォリン酸亜鈴、ジヘプチルジチォリン酸亜鉛、ジォクチルジチオリン酸亜鉛等のジアルキルジチォリン酸亜鉛等が例示できる。なお、これらジアルキルジチォリン酸亜鉛のアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよいが、第 1級又は第 2級アルキル基であることが好ましく、特に第 1級アルキル基が、歯車の摩耗防止性により優れ、体積抵抗率を低下させないことからより好ましく用いられる。

本発明の自動車用変速機油組成物における（A ) 成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で 0 . 1質量％、好ましくは 0 . 5質量％、特に好ましくは 1 . 2質量％とすることができる。一方、（A ) 成分の含有量の上限値は、組成物全量基準で、 1 5 . 0質量％、好ましくは 1 0 . 0質量％、さらに好ましくは 4 . 0質量。 /。、特に好ましくは 3 . 0質量％である。（A ) 成分の含有量を上記下限値以上とすることにより、焼付き防止性を向上させることができる。一方、 ( A ) 成分の含有量を上記上限値以下とすることにより、絶縁性を維持し、スラッジの発生を抑えることができる。

( B ) 成分であるトリアリールホスフェートは、置換基を伴なわないァリール基を有するものでもよく、アルキルァリール基又はァルケニルァリール基等の、置換基を伴なぅァリール基を有するものでもよい。具体的には例えば、フエ-ル基、ナフチル基等のァリール基；トリル基、ェチルフエニル基、プロピルフエニル基、ブチルフエ二ノレ基、ペンチルフエ二ル基、へキシルフェニル基、ヘプチルフエ-ノレ基、ォクチルフエ二ル基、ノ -ノレフエ -ル基、デシノレフエニル基、ゥンデシルフヱニル基、ドデシルフヱニル基、キシリル基、メチルェチルフエ-ル基、ジェチルフエ-ル基、メチルプロピルフェニル基、ジプロピルフエニル基、トリメチルフエニル基、ジメチノレエチノレフェニル基、ジェチルメチノレフエ二/レ基、トリェチノレフエニル基、ェテニルフエニル基、プロべ-ルフヱニル基等の炭素数 7 〜 1 8の各アルキル又はァノレケニルァリール基（アルキル基又はァルケ二ル基は直鎖状でも分枝状でもよく、ァリール基への置換数も任意であり、またァリール基への置換位置も任意である）等を有するトリアリールホスフェートが例示できる。

( B ) 成分として好ましい化合物としては、具体的には、トリフェニノレホスフェート、トリトリレホスフェート ( トリクレジノレホスフェート）、トリキシリルホスフェート、トリ (ェチルフエニル）ホスフェート、トリ（プロピルフエニル）ホスフェート、トリ（プチルフエニル）ホスフェート等が例示できる。

本発明の自動車用変速機油組成物における（B ) 成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で 0 . 1質量％、好ましくは 0 . 2質量％とすることができ、一方その上限値は、組成物全量基準で、 1 5 . 0質量％、好ましくは 2 . 0質量％、特に好ましくは 1 . 0質量％である。（B ) 成分の含有量を上記下限値以上とすることにより、焼付き防止性及び摩耗防止性を向上させることができる。一方、（B ) 成分の含有量を上記上限値以下とすることにより、絶縁性能を維持し、沈殿の発生を抑えることができる。 ( C ) 成分はトリアリールチオホスフェートである。前記トリァリールチオホスフェートは、置換基を伴なわないァリ一ル基を有するものでもよく、置換基を伴なぅァリ一ル基を有するものでもよい。具体的には例えば、（B ) 成分のトリアリールホスフェートが有するものとして上に列挙したものと同様な、各種のァリール基、アルキルァリール基又はアルケニルァリ一ル基等を有するトリァリールチォホスフエ一トが例示できる。

( C ) 成分として好ましい化合物としては、具体的には、トリフェニノレチォホスフェート、トリトリルチオホスフェート（トリクレジルチオホスフェート）、トリキシリルチオホスフェート、トリ（ェチノレフェニノレ）チォホスフェート、トリ (プロピノレフェニノレ）チォホスフェート、トリ (ブチルフエニル) チォホスフェート等が例示できる。

本発明の自動車用変速機油組成物における（C ) 成分の含有量の下限値は組成物全量基準で 0 . 1質量％、好ましくは 0 . 4質量％とすることができ、一方、その上限値は、組成物全量基準で、 1 5 . 0質量％、好ましくは 2 . 0質量％、特に好ましくは 1 . 5質量％である。（C ) 成分の含有量を上記下限値以上とすることにより、焼付き防止性能及び摩耗防止性を向上させることができる。一方、 ( C ) 成分の含有量が上記上限値以下とすることにより、絶縁性能を維持し、沈殿の発生を抑えることができる。

本発明の自動車用変速機油組成物における、（A ) 〜（C ) 成分及びこれらの混合物からなる群より選択されるリン化合物の含有量は、その下限値が組成物全量基準で 0 . 1質量％、好ましくは 0 . 5質量％であり、一方上限値が、組成物全量基準で 1 5 . 0質量％、好ましくは 1 0 . 0質量⁰ /₀、さらに好ましくは 6 . 0質量％、特に好ましくは 4 . 0質量％である。（A ) 〜（C ) 成分の合計の含有量が上記下限値を下回る場合、焼付き防止性能及び摩耗防止性が劣る。一方、（A ) 〜（ C ) 成分の合計の含有量が上記上限値を超える場合、絶縁性能に劣り、沈殿が発生する恐れがある。

なお、上記（A ) 〜（C ) 成分のうち、（B ) 及び/又は（C ) 成分を必須成分として含むものは、摩耗防止性能がさらに優れた自動車用変速機油組成物とすることができる。

本発明の自動車用変速機油組成物が含みうる（D ) 成分は無灰分散剤であり、前記リン化合物と併用することで優れた摩耗防止性能を付与させることができ、特に（A ) 成分と併用した場合、（A ) 成分単独の場合に比べ、極めて摩耗防止性能を改善することができる。

( D ) 無灰分散剤としては、炭素数 1 2〜 4 0 0のアルキル基又はァルケ-ル基を分子中に少なくとも 1個有する含窒素化合物又はその誘導体、あるいはアルケニルコハク酸イミドの変性品等が挙げられる。

このアルキル基又はアルケニル基としては、直鎖状でも分枝状でもよいが、好ましいものとしては、具体的には、プロピレン、 1 一プテン、ィソプチレン等のォレフィンのオリゴマーやエチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基や分枝状アルケニル基等が挙げられる。

このアルキル基又はアルケニル基の数平均分子量としては、その下限値が 1 5 0であることが好ましく、 8 0 0であることがさらに好ましく、一方その上限値が 5 0 0 0であることが好ましく、 2 0 0 0であることがさらに好ましく、 1 2 0 0であることが特に好ましい。

また、無灰分散剤の一例として挙げた含窒素化合物の誘導体としては、具体的には例えば、前述したような含窒素化合物に炭素数 2 〜 3 0のモノカルボン酸（脂肪酸等）ゃシユウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数 2〜 3 0のポリカルボン酸を作用させて、残存するァミノ基及び/又はィミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆる酸変性化合物；前述したような含窒素化合物にホウ酸やホウ酸塩等のホゥ素化合物を作用させて、残存するァミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるホウ素変性化合物；前述したような含窒素化合物に硫黄化合物を作用させた硫黄変性化合物；及び前述したような含窒素化合物に酸変性、 'ホウ素変性、硫黄変性から選ばれた 2種以上の変性を組み合わせた変性化合物等が挙げられる。

(D)成分としてホウ素を含有する無灰分散剤を用いる場合、（D) 成分中のホウ素含有量は、通常 0. 1〜 1 0質量％とすることができるが、摩耗防止性により優れる点から 0. 2〜 6質量％であることが好ましく、 0. 6〜 3質量％であることが特に好ましい。

本発明の自動車用変速機油組成物における（D) 成分の含有量は、組成物の 8 0 °Cにおける体積抵抗率が本発明の規定を満たす限りにおいて、特に制限はないが、組成物全量基準で、その下限値は通常 0. 0 1質量％とすることができ、望ましくは窒素元素換算量において、その下限値は 1 0質量 p p mであることが好ましく、 6 0質量 p p mであることが特に好ましい。一方、その上限値は 1 0質量％とすることができ、望ましくは窒素元素換算量において、その上限値は 2 0 0 0質量 p p mであることが好ましく、 4 0 0質量 p p m であることがさらに好ましく、 1 8 0質量 p p mであることが特に好ましい。（D) 成分の含有量を上記下限値以上とすることにより、良好な摩耗防止性能を得ることができ、一方、上記上限値以下とするこ .とにより、良好な絶縁性能を得ることができる。

本発明の自動車用変速機油組成物の 8 0 °Cにおける体積抵抗率は. 1 X 1 0 ⁷ Ω · πι以上であることが必要であり、 1 Χ 1 0 ⁸ Ω · ΠΙ以上であることが好ましく、 5 Χ ΐ 0 ⁸ Ω · πι以上であることがより好ましく、 1 X 1 0 ⁹ Ω · m以上であることが特に好ましい。組成物の 8 0 °Cにおける体積抵抗率を上記以上とすることで、新油時だけでなく劣化時においても絶縁性能をより高く維持することが可能となり、長期に渡って電動モータがショートする等のトラプルを回避することができる。

本発明の自動車用変速機油組成物は、鉱油、合成油、又はこれらの混合油である基油と上記（A) 〜（C) 成分及ぴこれらの混合物からなる群より選択されるリン化合物とから実質的に成る組成物、あるいは、前記基油と前記リン化合物と上記（D) 成分とから実質的に成る組成物としても良いが、当該組成物には、各種潤滑油、特に手動変速機油、自動変速機油、無段変速機油としての基本的な性能を維持するため、公知の潤滑油用添加剤、例えば、金属系清浄剤、上記（A) 〜 (C) 成分以外の極圧添加剤及び摩耗防止剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、鲭止め剤、帯電防止剤及び腐食防止剤、流動点降下剤、ゴム膨潤剤、消泡剤、着色剤等を単独で、あるいは数種類組み合わせて、本発明の自動車用変速機油組成物の絶縁性が低下しない範囲内で含有させることができる。

金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ土類金属スルフォネート又はフエネ一ト、アルカリ土類金属サリシレート等が挙げられる。アル力リ土類金属としてはマグネシウム、カルシウムが好ましく、カルシウムが特に好ましい。また、これらの金属系清浄剤としては、全塩基価がそれぞれ 0〜 5 0 0 m g KOH/ g、好ましくは 0〜 4 0 O m g KOH/ gのものを適宜選択し、必要に応じて混合使用することができる。なお、金属系清浄剤は組成物の体積抵抗率を著しく下げるため、組成物の体積抵抗率が 1 X 1 0 ⁷ Ω · ir 好ましくは 5 X I 0 ⁸ Ω · mを下回らない範囲で使用可能である。例えば、基油として 8 0 °Cにおける体積抵抗率が 1 X 1 0 ^{1 1} Ω · m程度のものを用いる場合、他の添加剤の含有量にもよるが、組成物全量基準で 1質量％以下、好ましくは 0. 1質量％以下の含有割合で用いることができる。

( A ) 〜（C ) 成分以外の極圧添加剤おょぴ摩耗防止剤としては、例えば、硫黄系化合物やリン系化合物が使用できる。硫黄系化合物としては、例えば、ジスルフイド類、硫化ォレフィン類、硫化油脂類、硫化エステル類が、またリン系化合物としては、例えば、リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、リン酸トリエステル類、亜リン酸モノエステル類、亜リン酸ジエステル類、亜リン酸トリエステル類、及びこれらのエステル類とアミン類、アル力ノールアミン類との塩等が挙げられる。これらは金属系清浄剤ほどではないものの、（A ) 〜（C ) 成分に比べ、体積抵抗率を低下させてしまうため、金属系清浄剤と同様、その配合量には注意が必要であるが、 1 X 1 0 ⁷ Ω . m、好ましくは 5 X 1 0 ⁸ Ω · πιを下回らない範囲で使用可能である。

酸化防止剤としては、フエノール系化合物ゃァミン系化合物等、潤滑油に一般的に使用されているものであれば、いずれも使用可能であって、例えば、 2 , 6—ジー t e r t —ブチルー 4—メチノレフェノール等のアルキルフエノール類、 4， 4ーメチレン一ビス ( 2， 6—ジ一 t e r t 一プチノレ一 4ーメチノレフエノーノレ）等のビスフエノール類、フエ-ルー α—ナフチルアミン等のナフチルアミン類、エステル基含有フエノール類、ジアルキルジフエニルァミン類、フエノチアジン類、（ 3、 5 —ジ一 t e r t —プチル一 4ーヒドロキシフヱニル）脂肪酸（プロピオン酸等）と 1価又は多価アルコール、例えばメタノール、ォクタデカノール、 1、 6へキサジオール'、ネオペンチルグリコール、チォジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等とのエステル等が使用可能であり、中でもフエ-ルー α—ナフチルァミン等のアミン系酸化防止剤が好ましい。

粘度指数向上剤としては、分散型又は非分散型ォレブインコポリマー系、分散型又は非分散型ポリメタクリレート系及びこれらの混合物等が使用できる。

鲭止め剤としては、例えば、ァルケエルコハク酸、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル、石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート等が使用できる。

帯電防止剤兼腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリァゾール系、チアゾール、チアジアゾール系、イミダゾール系の化合物等が使用可能であり、ベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。

流動点降下剤としては、例えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタタリレート系のポリマー等が使用できる。

消泡剤としては、例えば、ジメチルシロキサン、フエニルメチルシロキサン、環状オルガノシロキサン等のシリコーン系化合物が使用可能である。

これらの添加剤の添加量は任意である力 S、通常組成物全量基準で、消泡剤の含有量は 0. 0 0 0 5〜 0. 0 1質量％、粘度指数向上剤の含有量は 0. 0 1〜 2 0質量。/。、腐食防止剤の含有量は 0. 0 0 5〜 0. 2質量％、その他の添加剤の含有量は、それぞれ 0. 0 0 5〜 1 0質量％程度とすることができ、 8 0。Cにおける組成物の体積抵抗率が 1 Χ 1 0 ⁷ Ω · ΠΙ、好ましくは 5 Χ 1 0⁸ Ω ' mを下回らない範囲で添加可能である。

本発明の自動車用変速機油組成物は、その 8 0 °Cにおける動粘度が、 1 . 5〜 1 5 mm ²/ s 、好ましくは 1 . 5〜 8. 0 m m ² / s . さらに好ましくは 1 . 5〜 4. 0 mm ²Z sであることが望ましい。 8 0 °Cにおける動粘度を 1 . 5 mm ²/ s以上とすることにより、焼付き防止性能及び摩耗防止性能に優れた組成物とすることができ 1 5 mm ²/ s以下とすることにより、冷却性能に優れ、電動モータの動力ロスを少なくすることができる。このような動粘度を有する組成物は、配合する基油の動粘度及び配合割合を適宜調節するこ 0205139

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とにより得ることができる。なお、電動モータを冷却する性能を考慮すると、 4 0ででの動粘度が 1 . 0〜 6. 0 mm²/ s、好ましくは 2. 0〜 5. 0 mm²/ sである鉱油及び/又は合成油を 1 0 〜 9 0質量％、好ましくは 2 0〜 8 0質量％含有させ、 8 0 °Cにおける動粘度を 1. 5〜 3. 5 mm ²Z s とした組成物が特に好ましい

本発明の自動車用変速機油組成物の製造方法は、特に限定されず、上記の基油及び添加剤を混合することにより製造することができるな本発明の自動車用変速機油組成物に、水分や不純物が含まれていると、組成物の体積抵抗率を低下させるおそれがあるため、配合する添加剤としてこれらが十分除去されたものを用い、水分や不純物の含有割合の少ない組成物を調製することが望ましい。具体的には、組成物中の水分量は、 1 0 0 0質量 p p m以下であることが好ましく、 1 0 0質量 p p m以下であることがさらに好ましく、 5 0質量 p p m以下であることが特に好ましい。

本発明の自動車用変速機油組成物は、焼付き防止性能に優れ、かつ絶縁性能、冷却性能等に優れた組成物であり、特に電気自動車又はハイプリッド車等の電動モータ装着車における変速機油、電動モータ油、変速機 · 電動モータ兼用油、又は変速機と電動モータがパッケージ化された、すなわち、変速機と電動モータの潤滑システムが共有化された装置用油等の用途に、新規な潤滑油として使用することができる。

特に、本発明の自動車用変速機油組成物のうち、（B) 成分及ぴ /又は（C) 成分を必須に含有する組成物、又は（D) 無灰分散剤を含む組成物の場合は、上記性能に加えて、さらに摩耗防止性能にも極めて優れ、特に優れた潤滑油として使用することができる。

また、本発明は、本発明の自動車用変速機油組成物を含む上記変速機、電動モータ、装置、あるいは本発明の自動車用変速機油組成 PC漏 2/05139

15

物を用いることによる、上記変速機、電動モータ、装置の潤滑方法、絶縁方法、冷却方法を提供することができる。

実施例

以下、本発明の内容を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、本発明の組成物の性能は、以下に示す性能評価試験により評価した。

(体積抵抗率）

J I S C 2 1 0 1の 2 4. (体積抵抗率試験）に準拠し、油温 8 0 °Cにおける組成物の体積抵抗率を測定した。

(動粘度）

J I S K 2 2 8 3に準拠し、 4 0。Cおよび 1 0 0 °Cにおける動粘度を測定し、組成物の 8 0 °Cにおける動粘度を計算により算出した。

( F Z G歯車試験）

D I N 5 1 3 5 4に準拠し、 Aタイプ歯車、油温 9 0 °Cの下で組成物の焼き付き防止性を評価した。試験は定められた 1 2段階の荷重ステージについて、低荷重ステージ側より順番に試験を実施し、焼き付きが発生した段階で終了した。評価は、焼き付きが発生したステージ数で表わし、ステージ数が大きいほど焼き付き防止性に優れることとなる。例えば、焼き付き防止性の最も劣る場合はステ一ジ 1 と表わし、逆に全 1 2ステージにおいて焼き付きが発生しなかつた場合をステージ 1 2以上と表わす。

(シェル高速四球試験）

A S TM D 4 1 7 2に準拠し、回転数 1 2 0 0 r p m、荷重 4 O k g f 、試験時間 l hにて、油温室温における鋼球の摩耗痕径を測定することにより、摩耗防止性能を評価した。

(実施例 1〜 2 6 ) 2/05139

1 6

鉱油又は合成油と添加剤とを表 1及び 2に示す組成で混合し、本発明に係る自動車用変速機油組成物を調製した。これらについて、体積抵抗率及び動粘度の測定、 F Z G歯車試験並びにシェル高速四球摩耗試験を実施した。結果を表 1及び 2に示す。

なお、変速機油としての潤滑性に優れる一般的な自動変速機油（ A T F ) (比較例 6 ) の F Z G歯車試験における焼き付きステージは 9であるので、本発明の組成物の焼き付き防止性に関しては、ステージが 9以上であれば問題ないと判断される。また、シェル高速四球試験の結果における摩耗痕径が 0 . 5 m m以下であれば変速機油としての十分な摩耗防止性能を有しているが、変速機油としての摩耗防止性能に極めて優れる一般的な自動変速機油（A T F ) (比較例 6及び 7 ) のシェル高速四球試験における摩耗痕径が 0 . 4 m m 以下であるので、これと同等の結果が得られれば、極めて優れた摩耗防止性能を有していると言える。

施例

1 9 q

0 4 0 0 7 o o 1 ώ 0 基油（質量 °ノ》)

鉱油 1 50 50 50 50 ― ― 50 50 50 50 50 50 50 50 50 鉱油 2 50 50 50 50 50 一 50 50 50 50 50 50 50 50 50 鉱油 3 ― ― ― 一 50 ― 一 ― ― ― 一一 ― ― ― 鉱油 4 ⁽ 一 ― 一 —— ― 100 —— 一 ― 一一一 ― ― 一添加剤 (質量

(A) ジアルキルジチォ 0.9 1.8 3,6 10 1.8 1.8 一一一 ― 一 1.8 1.8 ― 1.8 リン酸亜鉛

(A) ジアルキルジチォ ― ― 一 ― ― 一 1,8 ― ― ― ― 一一 ― ― リン酸亜鉛 ⁽

(B) トリ（プロピノレフェニノ、レ） ― — 0.2 0.6 0.4 — 0.4 0.4 ホスフエト

Vし J J レンノレ ¾ 0.0 U. o 0. ο U.0 ホスフノエ¹ ~ K

その他添加剤 ^{( 7}〉（質量ぬ 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 試験結果

体積抵抗率（Ω·ηι;80°Ο 2.6 2.6 1.4 1.3 2.2 5.1 2.1 9.2 4.3 4.7 2.1 2.5 2.8 3.9 2.3

X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁸ X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁹ X10⁹ 動粘度（mmVs;80°C) 2.5 2.5 2.5 2.5 5 10 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.6 2.5 2.6

F ZG歯車試験 11 11 11 12 12 12 10 9 11 9 10 11 11 10 11

(ステージ； DIN51354法）

シェル四球摩耗試験（mm) 0.90 0.70 0.90 0.80 0.68 0.68 0.70 0.62 0.41 0.44 0.45 0.46 0.46 0.50 0.50

8

なお、表 1〜 3において、基油の質量％は、基油全量に対する各基油成分の割合を示し、その他の成分の質量％は、組成物全量に対する各成分の割合を示す。また表 1 中の注 1〜 7は、それぞれ以下の事項を示す。

注 1 ) 動粘度（40°C) 3.3匪²/ s

注 2 ) 動粘度（80°C) 3.8mm²/s、粘度指数： 110

注 3 ) 動粘度（80°C) 5.9mmVs_N 粘度指数： 120

注 4 ) 動粘度（80C) 10.2顏 Vs、粘度指数： 130

注 5 ) アルキル基第 1級ォクチル基

注 6 ) アルキル基第 2級ブチル基及び第 2級へキシル基

注 7 ) アミン系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、ポリメタクリレート、ジメチルシリコン等を含む

表 2

実施例

16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 基油（質量％)

鉱油 1 (注" 50 50 50 50 50 50 50 50

鉱油 2 ⁽注 ²⁾ 50 50 50 50 50 50 50 50

合成油 1 (注³) 100

合成油 2 ⁽注 ⁴⁾ 100 合成油 3 ⁵⁾ 100 添加剤（質量％)

(A) ジアルキルジチォリン酸亜鉛（注 ⁶⁾ 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 ― 1.8 1.8 1.8

(B)トリ（プロピルフエニル）ホスフエ一ト ― ― 一 ― ― ― 一 0.6 ― ― 一

(C) トリクレジルチオホスフェート一 ― ― ― ― ― ― 一 ― ― ―

(D) 無灰分散剤 1 ^{( 7)} 0.1 一 ― ― ― ― ― ― ― 一 ―

(D) 無灰分散剤 2 (往 ⁸⁾ ― 0.5 1.0 ― ― ― ― 0.5 0.5 0.5 0.5

(D) 無灰分散剤 3 ^(a9) 一 ― 一 0.6 一一一 ― ― 一 ―

(D) ホウ素含有無灰分散剤 1 ⁽注 ^{1 0)} ― 一 ― ― 0.6 一 ― ― 一 ― ―

(D) ホウ素含有無灰分散剤 2 ⁽注^{1 1}) 一一 ― ― 一 0.5 ― ― ― 一一

(D) ホウ素含有無灰分散剤 3 ²⁾ ― 一 ― ― 一一 1.2 ― 一一一

(D) 成分起因の窒素量（質量 ppm) 30 100 200 50 140 80 220 100 100 100 100 その他添加剤（注 ^{1 3)} 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 試験結果

体積抵抗率（Ω·ηι;80° 2.6 2.6 2.2 3.4 4.3 2.2 3.4 4.3 2.1 2.4 1.3

X10⁹ X10⁹ X10⁸ X10⁸ X10⁹ X10⁹ X10⁸ X10⁹ X10⁹ X10⁸ X10⁹ 動粘度（匪 Vs； 80°C) 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.4 3.0 3.0

F Z G歯車試験 11 11 11 11 11 11 11 11 10 10 10

(ステージ； DIN51354法）

シェル四球摩耗試験 (mm) 0.38 0.37 0.36 0.36 0.36 0.36 0.38 0.38 0.41 0.42 0.41

PC画 2/05139

20

なお、表 2中の注 1 〜 1 3は、それぞれ以下の事項を示す。

注 1 ) 動粘度（40°C) ： 3.3mmVs

注 2 ) 動粘度（80°C) ： 3.8mm²/s、粘度指数： 110

注 3 ) 1 —デセンオリゴマー水素化物、動粘度（80°C) ： 2.5mm²/s、粘度指数： 125

注 4 ) ネオペンチルグリコール 2ェチルへキサン酸エステル、動粘度（80。C) ： 2.9mm^z/s、粘度指数： 61

注 5 ) アルキルベンゼン、動粘度（80°C) ： 3.0mmVs、粘度指数： 19 注 6 ) アルキル基：第 1級ォクチル基

注 7 ) ポリブテュルコハク酸イミド（ポリブテニル基の数平均分子量： 300、窒素含有量： 3.0質量％)

注 8 ) ポリブテニルコハク酸イミド（ポリブテニル基の数平均分子量： 1000、窒素含有量： 2.0質量％)

注 9 ) ポリブテュルコハク酸イミド（ポリブテニル基の数平均分子量： 3000、窒素含有量： 0.9質量 /₀)

注 1 0 ) ポリブテニルコハク酸イミド（ポリブテュル基の数平均分子量： 1000) のホゥ酸変性化合物（ホゥ素含量： 2.0質量％、窒素含有量： 2.3質量％)

注 1 1 ) ポリプテュルコハク酸イミド（ポリプテュル基の数平均分子量： 1000) のホゥ酸変性化合物（ホウ素含量： 0.9質量％、窒素含有量： 1.6質量％)

注 1 2 ) ポリブテニルコハク酸イミド（ポリプテュル基の数平均分子量： 1000のホウ酸変性化合物（ホウ素含量： 0.4質量。/。、窒素含有量： 1.8質量％)

注 1 3 ) アミン系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、ポリメタタリレート、ジメチルシリコン等を含む

表 1及ぴ 2より明らかなように、本発明の組成物は、いずれも 8 0 °Cにおける体積抵抗率が 1 X 1 0 ⁷ Ω · πι以上であって、絶縁性能に優れており、また F Z G歯車試験における焼き付きステージは 9以上であり、良好な焼付き防止性能を有している。さらに冷却性能が高まる変速機油組成物として、 8 0 °Cにおける動粘度を 1. 5 〜 4. 0 mm ² / s と低粘度とした組成物（実施例 1〜 4及び 7〜 2 6 ) であっても、十分な焼付き防止性能を示し良好な結果であつた。なお、基油としてポリ _ αォレフィン水素化物、エステル系化合物、アルキルベンゼンを使用した場合（実施例 2 4〜 2 6 ) においても本発明の優れた効果が認められる。

また、リン化合物として（Α) 成分のみを含有する場合（実施例 1〜 7 ) に比べ、（Β ) 成分及び/又は (C) 成分を含有する場合、又は ( Α) 成分と ( Β ) 成分及び/又は (C) 成分とを組み合わせて含有する場合（実施例 8〜 1 5 ) は、摩耗防止性能が、さらに優れることがわかる。

さらに、（D) 無灰分散剤を含む場合、極めて摩耗防止性能に優れた組成物とすることができることが分かる。特に ( Α) 成分と併用した場合、摩耗痕径を半分以下に改善できるという優れた併用効果が認められる。

なお、基油、（Α) 〜（D) 成分、その他成分の種類、含有量を適宜選択することによって、 8 0 °Cにおける体積抵抗率が 5 X 1 0⁸ Ω · πι以上、特に 1 Χ 1 0⁹Ω · m以上の高い絶縁性を有し、かつ焼き付き防止性に優れ、さらには冷却性能や摩耗防止性能が付与された組成物（実施例 1〜 3、 5〜 2 1、 2 3、 2 4、 2 6 ) を得ることが可能である。

(比較例 1〜 5 )

鉱油及び添加剤の組成を表 3に示す通りとした他は実施例 1〜 2 6 と同様に操作し、自動車用変速機油組成物を調製し、体積抵抗率及び動粘度の測定、 F Z G歯車試験、並びにシェル高速四球試験を実施した。結果を表 3に示す。 . (A) 〜（C) 成分が、本発明で規定する含有量より少ない場合 (比較例 1〜 3 ) 、 8 0 °Cにおける体積抵抗率は 1 X 1 0⁷ Ω . m 以上と高く絶縁性に優れていたが、いずれも焼付き防止性能が低く、歯車、ベアリング等に十分な潤滑性を付与することができなかった。また（B ) 成分の代わりにホスフアイト系化合物（亜リン酸ジエステル）を使用した場合（比較例 4及び 5 ) は、いずれも F Z G歯車試験において 8ステージで焼付きを生じ、焼付き防止性能が不十分であった。

(比較例 6〜： 1 0 )

一般的な A T F、ギヤ油及ぴ絶縁油について、体積抵抗率及ぴ動粘度の測定（比較例 6〜 1 0 ) 並びに F Z G歯車試験（比較例 6、 8、 1 0 ) あるいは高速四球試験（比較例 6、 7、 1 0 ) を実施した。結果を表 3に示す。一般的な AT F及びギヤ油の場合（比較例 6〜 9 ) 、いずれも 8 0 °Cにおける体積抵抗率が低く絶縁性が不十分であった。一般的な絶縁油の場合（比較例 1 0 ) 、 8 0 °Cにおける体積抵抗率は高いが、焼付き防止性能が著しく低く、さらに高速四球試験中に焼付きを起こし、摩耗防止性能に極めて劣っていた。

表 3

レ 1タリ

丄 9 q t 0 o 丄 υ

油質量0)

一的 ― mm一的

O Λ OU OU OU ζ«η し 3 豕 ί田

9 (注 2) trrv

OU OU DU ΛΐΓ Ai

¾由 3 (注³) 、、ャ油

t¾4 (注⁴) .

i ¾ノ JJJ 'J 貝虽ノ

(A) ァノレキノレジチォリン酸亜 l&⁽注 ⁵⁾ 0.05

(B)トリ（プロピルフエニル）ホスフエ一ト 0.05 _ ― _

(C) トリクレジルチオホスフェート 0.05

t ジフェニノレホスフアイ卜 0.6 00

0.6

その他添加剤 ^ffi7) (質量 W 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5

試験結果

体積抵抗率（Ω·ηι;80°Ο 4.0 9.2 7.7 2.4 9.4 2.8 5.8 5.1 2.6 1.0

X10¹⁰ X10¹⁰ IO¹⁰ X10⁸ X10⁷ Χ10⁶ X10⁶ X10⁵ X10⁵ XIO¹²

動粘度 (mm²/s;80°C) 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 11.1 10.9 39.1 37.5 2.6

F Z G歯車試験 5 4 3 8 8 9 12以上 2

(ステージ; MN51354法）

シェル四球摩耗試験（mm) 0.36 0.38 焼付

なお、表 3中の注 1_ 〜 7は、それぞれ以下の事項を示す。

注 1 ) 動粘度（40°C) 3.3mm'/ s

注 2 ) 動粘度（80°C) 3.8匪² 、粘度指数： 110

注 3 ) 動粘度（80°C) 5.9mm²/s、粘度指数： 120

注 4 ) 動粘度（80°C) 10.2mmVs 粘度指数： 130

注 5 ) アルキル基第 1級ォクチル基

注 6 ) アルキル基第 2級プチル基及ぴ第 2級へキシル基

注 7 ) アミン系酸化防止剤、ベンゾトリァゾール、ポリメタクリレート、ジメチルシリコン等を含む

Claims

請求の範囲

1. 鉱油、合成油、及ぴこれらの混合物からなる群より選択される基油と、

組成物全体量基準で 0. 1〜 1 5. 0質量％の、（A) 炭化水素基含有ジチォリン酸亜鉛、（B ) トリアリールホスフェート、（C) トリァリ一ルチオホスフェート及ぴこれらの混合物からなる群より選択されるリン化合物とを含有し、かつ、

8 0 °Cにおける体積抵抗率が 1 X I 0 ⁷ Ω · m以上である自動車用変速機油組成物。

2. 前記リン化合物として、（B ) トリアリールホスフェート、（C) トリァリ一ルチオホスフエ一ト及びこれらの混合物からなる群より選択されるリン化合物を必須に含有する請求項 1 に記載の自動車用変速機油組成物。

3. 更に（D) 無灰分散剤を含有する請求項 1又は 2に記載の自動車用変速機油組成物。

4. 前記基油が、ポリ一 α—ォレフイン、ポリ一 α—ォレフインの水素化物、アルキルベンゼン、エステル系化合物及びこれらの混合物からなる群より選択される合成油からなる請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の自動車用変速機油組成物。

5. 8 0 °Cにおける体積抵抗率が 5 X 1 0 ⁸ Ω · m以上である請求項 1〜 4のいずれか 1項に記載の自動車用変速機油組成物。

6. 8 0 °Cにおける動粘度が 1 . 5〜4. 0 mm ²Z sである請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の自動車用変速機油組成物。

7 . 電気自動車又はハイプリッド自動車に搭載される変速機油、変速機 . 電動モータ兼用油、又は変速機と電動モータの潤滑システムが共有化された装置用油である請求項 1〜 6のいずれか 1項に記載の自動車用変速機油組成物。