JP2928413B2 - 潤滑油 - Google Patents

潤滑油

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JP2928413B2
JP2928413B2 JP3249198A JP24919891A JP2928413B2 JP 2928413 B2 JP2928413 B2 JP 2928413B2 JP 3249198 A JP3249198 A JP 3249198A JP 24919891 A JP24919891 A JP 24919891A JP 2928413 B2 JP2928413 B2 JP 2928413B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、潤滑油に関し、さらに詳
しくは、従来より潤滑性と清浄性の要求が厳しくなった
工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油、
冷凍機用潤滑油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑油に使用可
能な、潤滑性、清浄性および電気絶縁性に優れた潤滑
油、特にフロンR−134a、R−152aなどのオゾ
ン層非破壊性のフルオロカーボン水素添加物(HFC 、Hy
drogenated Fluoro Carbon)、フロンR−22、R−1
23、R−124などのオゾン破壊力(Ozone Depletio
n Potential )が小さいクロロフルオロカーボン水素添
加物(HCFC 、Hydrogenated Chlorofluoro Carbon )、
さらにはこれらの混合物を冷媒として使用する冷凍機用
潤滑油として最適な潤滑油に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】潤滑油の種類としては、工業用ギ
ヤ油、エンジン油、冷凍機用潤滑油、繊維用潤滑油、圧
延用潤滑油などが挙げられる。
【0003】工業用ギヤ油は近年、各種産業機械の使用
環境が一段とシビアになるに従って、潤滑性と清浄性の
より高温域までの維持が要求されてきた。特に、焼付け
塗装工程、食品のベーキング工程では潤滑性と清浄性に
より高い性能が要求されてきた。このような用途には、
従来より合成炭化水素系、カルボン酸エステル系もしく
はグリコール系の潤滑油が使用されてきた。
【0004】しかしながら、合成炭化水素系油およびカ
ルボン酸エステル系油は、潤滑性がまだ不十分なうえ、
長時間の加熱で炭化物が生成し、潤滑油としての役割を
高温下では果すことができないという問題点がある。一
方、グリコール系の潤滑油は、長時間の加熱による炭化
物の生成が少ないという長所はあるものの、潤滑性が不
十分なうえ、吸湿性が強いため、潤滑性および耐吸湿性
の改良が望まれていた。
【0005】エンジン油では、自動車エンジンの高性能
化に伴い、より高温、より長時間の潤滑性と清浄分散性
が要求されてきた。このような要求に対して、添加剤の
選択で対応しようとすると添加剤の使用量が多くなるた
め、たとえばマヨネーズスラッジの沈澱析出が生じると
いうような弊害がある。またベース油として、鉱物油と
合成炭化水素系油やカルボン酸エステル系油とを併用す
る試みが従来よりなされている。しかしながら、高温、
長時間の潤滑性と清浄分散性はともに充分でなかった。
一方、上記の自動車エンジン、すなわち4サイクルエン
ジン用潤滑油と異なり、2サイクルエンジン用潤滑油
は、機構上、ガソリンに添加されて燃焼するため、特に
清浄性が重要である。従来、2サイクルエンジン用潤滑
油として、ひまし油やポリブテンなどが使用されている
が、潤滑性と清浄性がともに充分でない。
【0006】自動車用ギヤ油、特にATF用のギヤ油な
どでは摩擦係数を低くし、かつその経時変化を少なくす
る必要がある。そこで、従来は摩擦低減剤や摩擦調整剤
を使用している。しかしながら、これらの添加剤を含む
自動車用ギヤ油は、摩擦係数の経時変化が大きくなると
いう問題点がある。
【0007】繊維用潤滑油では、従来、カルボン酸エス
テル系やグリコール系の潤滑油が使用されているが、潤
滑性と清浄性をともに満足することができない。圧延用
潤滑油では、従来、牛脂を主成分とする潤滑油が使用さ
れている。このような潤滑油は、潤滑性がよく、圧延効
率に優れるものの、清浄性が極端に悪いため残存する牛
脂の洗浄工程が不可欠である。また圧延用潤滑油とし
て、カルボン酸エステル系潤滑油が使用されているが、
この潤滑油は、清浄性が極めて良好であるものの、潤滑
性が悪く実用性が低い。
【0008】冷凍機用潤滑油では、冷媒ガスがオゾン層
非破壊性フロン(HFC)であるR−134a(CH2
F−CF3)に変更されるに伴い、従来、冷凍機用潤滑
油として使用されてきた鉱物油やアルキルベンゼン類化
合物は、冷媒ガスとの相溶性がないため使用できなくな
った。現在、上記冷媒ガス冷凍機用潤滑油としてグリコ
ールエーテル系潤滑油が開発されている。
【0009】たとえば、米国特許第4,755,316
号明細書には、テトラフルオロエタンと、分子量が30
0〜2,000であり、37℃動粘度が約25〜150
cStであるポリオキシアルキレングリコールとからなる
圧縮冷凍機用組成物が開示されている。
【0010】しかしながら、このようなグリコールエー
テル系潤滑油は、一般に熱安定性が不充分で、吸湿性が
強く、さらにNBRなどのゴムシール材を収縮させ硬度
を高めてしまうという欠点が指摘されている。
【0011】また、近年カーエアコン用冷凍機では、コ
ンプレッサーの小型化と能力アップを可能にしたスルー
ベーン型ロータリーコンプレッサーが用いられており、
このスルーベーン型ロータリーコンプレッサー用潤滑油
としては、シール性と耐摩耗性という性能面より高粘度
の潤滑油が要求される。しかしながら、グリコールエー
テル構造を有する化合物は、一般に分子量が増大して高
粘度化すると、オゾン層非破壊性のフロンR−134a
との相溶性が悪化するため、構造上使用することができ
ない。
【0012】さらに、最近ポリオールエステルおよびヒ
ンダードエステルと称せられるカルボン酸エステル系潤
滑油が、オゾン層非破壊性のフロン(flon=fluorocarb
on)を冷媒として使用する冷凍機の潤滑油として開発さ
れている。しかしながら、これらの潤滑油は、加水分解
もしくは熱分解によりカルボン酸を発生させるため、冷
凍機において、カルボン酸による金属の腐食摩耗あるい
は銅メッキ現象が起こる。したがって、これらの潤滑油
においては、冷凍機の耐久性が問題点として挙げられて
いる。また、加水分解もしくは熱分解により発生したカ
ルボン酸の一部は、過酷な使用条件下で、さらに分解し
て炭酸ガスを発生させる。炭酸ガスは、フロン冷媒を使
用する通常の冷凍機システムでは非凝縮性となるため、
冷凍効率の低下および圧縮過程での温度上昇を招く結果
となり好ましくないとされている。
【0013】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、潤滑性、清浄
性、電気絶縁性、およびオゾン層非破壊性フロン(HF
C)、オゾン破壊力が小さいフロン(HCFC)、さら
にはこれらの混合物との相溶性に優れるとともに、カル
ボン酸および炭酸ガスの発生を防止できるような潤滑油
を提供することを目的としている。
【0014】さらに詳しくは、本発明は、特にオゾン層
非破壊性フロンを冷媒として使用するカーエアコンなど
の冷凍機用潤滑油として、特に好適に使用することがで
きる潤滑油を提供することを目的としている。
【0015】
【発明の概要】本発明に係る新規な第1の潤滑油は、下
記の一般式[I]で表わされるポリカーボネート(イ)
100重量部と、亜燐酸トリエステル化合物(ロ)
0.0002〜5重量部と、燐酸トリエステル化合物
(ハ)、エポキシ化合物(ニ)およびフェノール化合物
(ホ)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合
物 0〜5重量部とを含有してなることを特徴として
いる。
【0016】 Su−O−R …[I] 上記式[I]において、Suは、下式(A)で表わされ
る基であり、Rは、下式(B)、(C)、(D)、
(E)および(F)で表わされる基から選択される基で
ある。
【0017】
【化2】
【0018】上記式(A)、(B)、(C)および
(D)において、R1 は、下式(E)または(F)で表
わされる基である。 −(C36O)n COOR2 …(E) 上記式(E)において、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30
のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nは1〜1
2の整数である。
【0019】 −(C36O)n (C24O)p COOR2 …(F) 上記式(F)において、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30
のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nおよびp
は1〜12の整数である。
【0020】また、本発明に係る新規な第2の潤滑油
は、下記の一般式[II]で表わされるポリカーボネー
ト(イ) 100重量部と、亜燐酸トリエステル化合
物(ロ) 0.0002〜5重量部と、燐酸トリエス
テル化合物(ハ)、エポキシ化合物(ニ)およびフェノ
ール化合物(ホ)からなる群から選ばれる少なくとも1
種類の化合物 0〜5重量部とを含有してなることを
特徴としている。
【0021】 (R1O)CH2[CH(OR1)]mCH2(OR1) …[II] 上記式[II]において、R1 は下式(E)または
(F)で表わされる基であり、mは1〜6の整数であ
る。
【0022】 −(C36O)n COOR2 …(E) 上記式(E)において、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30
のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nは1〜1
2の整数である。
【0023】 −(C36O)n (C24O)p COOR2 …(F) 上記式(F)において、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30
のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nおよびp
は1〜12の整数である。
【0024】本発明に係る潤滑油は、潤滑性、清浄性お
よび電気絶縁性に優れ、また鉱油、エステル系の潤滑油
と比較して、低温での粘度を引き下げることが容易であ
るため、工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用
ギヤ油、カークーラー、電気冷蔵庫などの冷凍機用潤滑
油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油などの用途に広く用い
ることができる。
【0025】また、本発明に係る潤滑油は、上記のよう
な特性に優れるだけでなく、フロンR−134a、R−
152aなどのオゾン層非破壊性フロン、フロンR−2
2、R−123、R−124などのオゾン破壊力が小さ
いクロロフルオロカーボン水素添加物、さらにはこれら
の混合物との相溶性に優れているため、フロンR−13
4a、R−152aなどのオゾン層非破壊性フロン、フ
ロンR−22、R−123、R−124などのオゾン破
壊力が小さいクロロフルオロカーボン水素添加物、さら
にはこれらの混合物を冷媒として使用する冷凍機用潤滑
油として用いることができる。
【0026】また、本発明に係る潤滑油のうち、上記ポ
リカーボネート(イ)、亜燐酸トリエステル化合物
(ロ)、燐酸トリエステル化合物(ハ)、エポキシ化合
物(ニ)およびフェノール化合物(ホ)のほかに、上記
のようなオゾン層非破壊性フロン、オゾン破壊力が小さ
いクロロフルオロカーボン水素添加物、さらにはこれら
の混合物を含有してなる潤滑油もカーエアコンなどの冷
凍機用潤滑油として用いることができる。
【0027】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る潤滑油につい
て具体的に説明する。本発明に係る新規な潤滑油は、特
定のポリカーボネート(イ)と、亜燐酸トリエステル化
合物(ロ)とから構成されている。また、本発明に係る
新規な潤滑油は、上記成分(イ)および(ロ)のほか
に、燐酸トリエステル化合物(ハ)、エポキシ化合物
(ニ)およびフェノール化合物(ホ)からなる群から選
ばれる少なくとも1種類の化合物を構成成分として含む
場合がある。
【0028】まず本発明で潤滑油基油として用いられる
ポリカーボネート(イ)は、下記の一般式[I]または
[II]で表わされる。下記の一般式[I]で表わされ
るポリカーボネートは、シュクロース系ポリカーボネー
ト、シュクロース以外の少糖類系ポリカーボネートおよ
び単糖類系ポリカーボネートである。
【0029】 Su−O−R …[I] 上記一般式[I]において、Suは、下式(A)で表わ
される基であり、Rは、下式(B)、(C)、(D)、
(E)および(F)で表わされる基から選択される基で
ある。
【0030】
【化3】
【0031】上記式(A)、(B)、(C)および
(D)において、R1 は、下式(E)または(F)で表
わされる基である。 −(C36O)n COOR2 …(E) 上記式(E)において、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30
のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nは1〜1
2の整数である。
【0032】 −(C36O)n (C24O)p COOR2 …(F) 上記式(F)において、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30
のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nおよびp
は1〜12の整数である。
【0033】下記一般式[II]で表わされるポリカー
ボネートは、環状構造を有しない糖から誘導されるポリ
カーボネートである。 (R1O)CH2[CH(OR1)]mCH2(OR1) …[II] 上記式[II]において、R1 は下式(E)または
(F)で表わされる基であり、mは1〜6の整数であ
る。
【0034】 −(C36O)n COOR2 …(E) 上記式(E)において、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30
のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nは1〜1
2の整数である。
【0035】 −(C36O)n (C24O)p COOR2 …(F) 上記式(F)において、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30
のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nおよびp
は1〜12の整数である。
【0036】本発明においては、上記式(F)における
nとpとの比(n/p)は0.5〜20、好ましくは1
〜10、さらに好ましくは2〜5の範囲にある。また、
上記式(E)および(F)におけるR2 の炭化水素基と
しては、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族
炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基および一般式 −(R3−O)q−R4 (式中、R3 は、炭素原子数2〜3のアルキレン基であ
り、R4 は炭素原子数28以下の炭化水素基であり、q
は1〜20の整数である)で表わされるグリコールエー
テル基が挙げられる。
【0037】上記R2 における脂肪族炭化水素基の具体
的な例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、
イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル
基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペ
ンチル基、n-ヘキシル基、2,3-ジメチルブチル基、イソ
ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オクチ
ル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基、n-ノニル
基、イソノニル基、n-デシル基、イソデシル基、n-ウン
デシル基、イソウンデシル基、n-ドデシル基、イソドデ
シル基、n-トリデシル基、イソトリデシル基、n-テトラ
デシル基、イソテトラデシル基、n-ペンタデシル基、イ
ソペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、イソヘキサデシ
ル基、n-ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、n-オク
タデシル基、イソオクタデシル基、n-ノニルデシル基、
イソノニルデシル基、n-アイコサニル基、イソアイコサ
ニル基、2-エチルヘキシル基、2-(4-メチルペンチル)
基などを挙げることができる。
【0038】また、R2 における脂環族炭化水素基の具
体的な例としては、シクロヘキシル基、1-シクロヘキセ
ニル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキ
シル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基
などを挙げることができる。
【0039】さらに、R2 における芳香族炭化水素基の
具体的な例としては、フェニル基、o-トリル基、p-トリ
ル基、m-トリル基、2,4-キシリル基、メシチル基、1-ナ
フチル基などを挙げることができる。
【0040】さらにまた、R2 における芳香脂肪族炭化
水素基の具体的な例としては、ベンジル基、メチルベン
ジル基、β- フェニルエチル基(フェネチル基)、1-フ
ェニルエチル基、1-メチル-1- フェニルエチル基、p-メ
チルベンジル基、スチリル基、シンナミル基などを挙げ
ることができる。
【0041】上記R3 におけるアルキレン基の具体的な
例としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレ
ン基を挙げることができる。また、上記R4 における炭
化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素
基および芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの具体
的な例としては、それぞれ上述したR2 における脂肪族
炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基の具
体的な例として列挙した基と同様の基を挙げることがで
きる。
【0042】上記の一般式で表わされるグリコールエー
テル基としては、具体的には、エチレングリコールモノ
メチルエーテル基、エチレングリコールモノブチルエー
テル基、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル
基、トリエチレングリコールモノエチルエーテル基、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル基、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル基、ジプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル基、トリプロピレングリコール
モノn-ブチルエーテル基などを挙げることができる。
【0043】フロンR−134aなどのオゾン層非破壊
性フロンガスを冷媒として使用する冷凍機用潤滑油の場
合には、R2 は、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、n-ブチル基等の低級アルキル基、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル基、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル基、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル基、トリエチレングリコールモノメチルエーテル基、
プロピレングリコールモノメチルエーテル基、プロピレ
ングリコールモノブチルエーテル基、ジプロピレングリ
コールモノエチルエーテル基、トリプロピレングリコー
ルモノn-ブチルエーテル基等のアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル基などが好ましい。
【0044】上記一般式[I]で表わされるポリカーボ
ネートとしては、以下のようなポリカーボネートが挙げ
られる。
【0045】
【化4】
【0046】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH3 [n=1〜3]
【0047】
【化5】
【0048】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH2CH(C25)−(CH23CH3 [n=1.0〜3.0]
【0049】
【化6】
【0050】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH(CH32 [n=1〜3]
【0051】
【化7】
【0052】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH3 [n=1〜3]
【0053】
【化8】
【0054】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH2CH(C25)−(CH23CH3 [n=1.0〜3.0]
【0055】
【化9】
【0056】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH(CH32 [n=1〜3]
【0057】
【化10】
【0058】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH3 [n=1〜3]
【0059】
【化11】
【0060】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH2CH(C25)−(CH23CH3 [n=1.0〜3.0]
【0061】
【化12】
【0062】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH(CH32 [n=1〜3]
【0063】
【化13】
【0064】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH3 [n=1〜3]
【0065】
【化14】
【0066】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH2CH(C25)−(CH23CH3 [n=1.0〜3.0]
【0067】
【化15】
【0068】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH(CH32 [n=1〜3]
【0069】
【化16】
【0070】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n(C24O)COOCH3 [n=1〜3]
【0071】
【化17】
【0072】上記の式中におけるR: -[CH2CH(CH3)O]n(C2H4O)COOCH2CH(C2H5)-(CH2)3CH3 [n=1.0〜3.0]
【0073】
【化18】
【0074】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n(C24O)COOCH(CH32 [n=1〜3] また、上記一般式[II]で表わされるポリカーボネー
トとしては、以下のようなポリカーボネートが挙げられ
る。
【0075】
【化19】
【0076】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH3 [n=1〜3]
【0077】
【化20】
【0078】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOCH(CH32 [n=1〜3]
【0079】
【化21】
【0080】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n (C24O)COOCH3 [n=1〜3]
【0081】
【化22】
【0082】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n (C24O)COOCH(CH32 [n=1〜3] 上記のような一般式[I]および[II]で表わされる
ポリカーボネートは、たとえば以下のような方法により
製造することができる。
【0083】まず、(a)後述する一般式[III]ま
たは[IV]で表わされるポリオール、および (b)一般式[V] R5 OCOOR5 …[V] [式[V]中、R5 は、前記R2 に相当し、それぞれ独
立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子
数2〜30のエーテル結合を含む炭化水素基である]で
表わされ、かつR5 OHの沸点が上記ポリオールの沸点
よりも低く、上記一般式[III]または[IV]で表
わされるポリオールに対するモル比が3〜80の範囲と
なる量のカーボネート化合物を塩基触媒の存在下に加熱
しながら、生成するアルコール(R5 OH)を蒸留によ
って反応系外に除去して、反応率95%以上まで反応さ
せる。なお、上記反応を行なうに際し、反応器内の空気
を窒素置換することが望ましいが、窒素置換しなくても
よい。
【0084】次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反
応の上記カーボネート化合物を蒸留によって反応系外に
除去し、上記一般式[I]または[II]で表わされる
ポリカーボネートを得る。
【0085】なお、この製造方法では、原料であるポリ
オールの全水酸基がカーボネート化されたポリカーボネ
ートだけでなく、このポリオールの全水酸基の一部がカ
ーボネート化されたポリカーボネートが少量生成する可
能性がある。
【0086】上記のポリオールを表わす一般式[II
I]は、次のとおりである。 Su−O−R6 …[III] 上記式[III]において、Suは、下式(G)で表わ
される基であり、R6は、下式(H)、(I)、
(J)、(K)および(L)で表わされる基から選択さ
れる基である。
【0087】
【化23】
【0088】上記式(G)、(H)、(I)および
(J)において、R7 は、下式(K)または(L)で表
わされる基である。 −(C36O)nH …(K) 上記式(K)において、nは1〜12の整数である。
【0089】 −(C36O)n(C24O)pH …(L) 上記式(L)において、nおよびpは1〜12の整数で
ある。上記一般式[III]で表わされるポリオールの
具体的な例としては、以下のような式で表わされるポリ
オールが挙げられる。なお、下記の式において、nは1
〜12の整数である。
【0090】
【化24】
【0091】
【化25】
【0092】上記(1)〜(4)の化学式において、−
(C36O)n H基を−(C36O)n (C24O)p
H基で置換したポリオール。
【0093】また、上記のポリオールを表わす一般式
[IV]は、次の通りである。 (R7O)CH2[CH(OR7)]mCH2(OR7) …[IV] 上記式[IV]において、R7 は、下式(K)または
(L)で表わされる基であり、mは1〜6の整数であ
る。
【0094】 −(C36O)nH …(K) 上記式(K)において、nは1〜12の整数である。 −(C36O)n(C24O)pH …(L) 上記式(L)において、nおよびpは1〜12の整数で
ある。
【0095】上記一般式[IV]で表わされるポリオー
ルの具体的な例としては、以下のような式で表わされる
ポリオールが挙げられる。なお、下記の式において、n
は1〜12の整数である。
【0096】
【化26】
【0097】上記(1)〜(2)の化学式において、−
(C36O)n H基を−(C36O)n (C24O)p
H基で置換したポリオール。
【0098】上記一般式[V]で表わされるカーボネー
ト化合物としては、具体的には、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、
ジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジオ
クチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、
ジ-2- エチルヘキシルカーボネート、ジ(2-メチル- メ
トキシエチル)カーボネートなどが好ましく用いられ
る。
【0099】この方法では、カーボネート化反応で生成
するアルコールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カー
ボネート化反応を進行させるので、この反応で生成する
アルコール、すなわち、R5 OHで表わされるアルコー
ルは、上記ポリオールよりも沸点が低いことが必要であ
る。
【0100】また、カーボネート化合物は、上記一般式
[III]または[IV]で表わされるポリオールに対
するモル比が3〜80、好ましくは3〜50の範囲とな
る量で用いられる。このようにカーボネート化合物の使
用量を制限することにより、高重合度のポリカーボネー
トの生成を抑制することができる。
【0101】この方法においては、反応は、上記のよう
なポリオールとカーボネート化合物を反応容器に仕込
み、塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコ
ールを蒸留によって反応系外に除去して、反応率95%
以上まで反応させ、次いで、上記塩基触媒を除去した
後、未反応の上記カーボネート化合物を蒸留によって反
応系外に除去する。反応率95%以上とは、上記生成す
るアルコールが上記一般式[III]または[IV]で
表わされるポリオールのモル数の0.95倍モル以上生
成するまで、反応させることをいう。
【0102】上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩
や炭酸水素塩、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキ
シド、リチウムメトキシド、セシウムメトキシド等のア
ルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウム、ナトリウ
ムアミド等のアルカリ金属化合物が好ましく用いられ
る。これらのうちでは、特に、アルカリ金属アルコラー
トが好ましい。このほか、たとえば、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、イミダゾール、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキシド等の有機アミ
ノ化合物も用いられる。これら触媒の使用量は、通常、
触媒のモル数/ポリオールのモル数(モル比)が10-1
〜10-7、好ましくは10-2〜10-5となる範囲で用い
られる。
【0103】この方法においては、反応は、通常、50
〜300℃、好ましくは60〜200℃の温度で行なわ
れる。反応時間は、通常、0.5〜200時間、好まし
くは1〜100時間である。
【0104】反応終了後の触媒の除去は、水洗または酸
で中和することによって行なわれる。酸としては、スル
ホン酸型イオン交換樹脂等の固体酸;炭酸、塩化アンモ
ニウム、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、フェノ
ール等の有機酸が用いられる。また、上記水洗において
は、炭酸アンモニウムのような塩を添加してもよい。
【0105】この方法によれば、このように、塩基触媒
を除去した後、未反応のカーボネート化合物を減圧下に
蒸留除去することによって、塩基触媒の存在下で未反応
のカーボネート化合物を蒸留によって除去するときに生
じるポリカーボネートの重合を防止して、高収率にて目
的とするポリカーボネートを得ることができる。
【0106】このようにして得られたポリカーボネート
は、必要に応じて、活性白土、活性炭等の吸着剤にて処
理または水洗して、微量の不純物を除去してもよい。特
に、かかる処理によれば、微量のイオン性化合物や極性
化合物を除去できるので、得られたポリカーボネートを
安定に保持することができる。
【0107】上記のような方法によれば、上記反応にお
いて、カーボネート化合物としてジメチルカーボネート
を用いる場合、メタノールをジメチルカーボネートとの
共沸物として反応系から除去する代わりに、予め反応系
にシクロヘキサン、ベンゼン、ヘキサン等を共沸溶剤と
して加え、メタノールをこれら共沸溶剤との共沸物とし
て、反応系外に除去することもできる。上記共沸溶剤
は、ジメチルカーボネート100重量に対して、通
常、5〜100重量の割合で用いられる。
【0108】この方法によれば、反応において、メタノ
ールを上記共沸溶剤との共沸物として、反応系外に除去
し、反応の終了後、反応混合物から未反応ジメチルカー
ボネートを回収するので、その回収率を高めることがで
きる。
【0109】また、別の方法として、上述したように、
メタノールをジメチルカーボネートとの共沸物として回
収した後、この共沸物に上記共沸溶剤を加え、メタノー
ルをこれら共沸溶剤との共沸物としてジメチルカーボネ
ートから除去して、ジメチルカーボネートを回収するこ
ともできる。
【0110】上記のような方法によれば、ポリオールと
カーボネート化合物との反応の終了後、用いた塩基触媒
を除去した後に、未反応のカーボネート化合物を除去す
るので、目的とするポリカーボネートを高収率にて得る
ことができる。
【0111】また、本発明に係るポリカーボネートの別
の製造方法として、次のような方法がある。 まず、(a)上記一般式[III]または[IV]で表
わされるポリオール、 (b)一般式[VI] R8 OH …[VI] [式[VI]中、R8 は、前記R2 に相当し、炭素原子
数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30のエ
ーテル結合を含む炭化水素基である]で表わされるモノ
アルコール、および (c)一般式[VII] R9 OCOOR9 …[VII] [式[VII]中、R9 は、それぞれ独立に、炭素原子
数1〜2のアルキル基である]で表わされ、かつ、R9
OHの沸点が上記ポリオールおよびモノアルコールの沸
点よりも低く、上記一般式[III]または[IV]で
表わされるポリオールに対するモル比が3〜80の範囲
となる量のカーボネート化合物を塩基触媒の存在下に加
熱しながら、生成するアルコール(R9 OH)を蒸留に
よって反応系外に除去して、反応率95%以上まで反応
させる。なお、上記反応を行なうに際し、反応器内の空
気を窒素置換することが望ましいが、窒素置換しなくて
もよい。
【0112】次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反
応の上記カーボネート化合物を蒸留によって反応系外に
除去し、上記一般式[I]または[II]で表わされる
ポリカーボネートを得る。
【0113】なお、この製造方法においても、原料であ
るポリオールの全水酸基がカーボネート化されたポリカ
ーボネートだけでなく、このポリオールの全水酸基の一
部がカーボネート化されたポリカーボネートが少量生成
する可能性がある。
【0114】この方法では、カーボネート化反応で生成
するアルコールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カー
ボネート化反応を進行させるので、この反応で生成する
アルコール、すなわち、R9 OHで表わされるアルコー
ルは、上記ポリオールおよびモノアルコールよりも沸点
が低いことが必要である。また、カーボネート化合物
は、上記一般式[III]または[IV]で表わされる
ポリオールに対するモル比が3〜80、好ましくは3〜
50の範囲となる量で用いられる。このようにカーボネ
ート化合物の使用量を制限することにより、高重合度の
ポリカーボネートの生成を抑制することができる。
【0115】この方法においては、反応は、上記のよう
なポリオールとモノアルコールとカーボネート化合物を
反応容器に仕込み、塩基触媒の存在下に加熱しながら、
生成するアルコールを蒸留によって反応系外に除去し
て、反応率95%以上まで反応させ、次いで、上記塩基
触媒を除去した後、未反応の上記カーボネート化合物を
蒸留によって反応系外に除去する。反応率95%以上と
は、上記生成するアルコールが上記一般式[III]ま
たは[IV]で表わされるポリオールのモル数の0.9
5倍モル以上生成するまで、反応させることをいう。
【0116】上記塩基触媒、反応温度、反応時間、反応
終了後の触媒除去、不純物の除去および未反応ジメチル
カーボネートの回収については、先の製造方法の場合と
同様である。
【0117】最初に述べたポリカーボネートの製造方法
では、一般式[V]で表わされる、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート以外のカーボネート化合物
は、入手が困難であるため、予め合成する必要がある。
一方、この製造方法では、容易に入手できる一般式[V
II]で表わされるカーボネート化合物(ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボ
ネート)を用いてポリカーボネートを製造することがで
きるので、経済的である。
【0118】また、この方法によれば、先の製造方法の
場合と同様に、高収率にて目的とするポリカーボネート
を得ることができる。本発明に係る潤滑油は、上記のよ
うなポリカーボネート(イ)のほかに、亜燐酸トリエス
テル化合物(ロ)を含有している。
【0119】本発明で用いられる亜燐酸トリエステル化
合物(ロ)としては、具体的には、亜燐酸トリイソデシ
ル、亜燐酸トリオクチル、亜燐酸トリクレジル、亜燐酸
トリフェニル、亜燐酸ジフェニルオクチル、亜燐酸ジフ
ェニルデシルなどが挙げられる。特に亜燐酸トリクレジ
ル、亜燐酸ジフェニルオクチルが好ましく用いられる。
【0120】本発明においては、亜燐酸トリエステル化
合物(ロ)は、上記ポリカーボネート(イ)100重量
部に対して、0.0002〜5重量部、好ましくは0.
01〜3.0重量部、さらに好ましくは0.02〜2.
0重量部の割合で用いられる。
【0121】本発明で潤滑油基油として用いられる炭酸
エステル結合を有するポリカーボネートは、過酷な使用
条件の下で、僅かながら炭酸ガスを発生する。一般に、
炭酸ガスは、フロン冷媒を使用する通常の冷凍機システ
ムでは非凝縮性となるため、冷凍効率の低下および圧縮
過程での温度上昇を招く結果となり好ましくないとされ
ている。本発明者らは、炭酸ガスの発生を防止できる添
加剤を数多く検討した結果、上記のような亜燐酸トリエ
ステル化合物が著しく有効であることが判った。
【0122】本発明に係る潤滑油は、上記のようなポリ
カーボネート(イ)および亜燐酸トリエステル化合物
(ロ)のほかに、燐酸トリエステル化合物(ハ)、エポ
キシ化合物(ニ)およびフェノール化合物(ホ)からな
る群から選ばれる少なくとも1種類の化合物が存在して
いてもよい。
【0123】上記燐酸トリエステル化合物(ハ)として
は、具体的には、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジ
ル、燐酸トリオクチル、1,1,3-トリス(2-メチル-4- ジ
トリデシルホスフェート-5-tert-ブチルフェニル)ブタ
ンなどが挙げられる。特に1,1,3-トリス(2-メチル-4-
ジトリデシルホスフェート-5-tert-ブチルフェニル)ブ
タンが好ましく用いられる。
【0124】本発明においては、上記のような燐酸トリ
エステル化合物(ハ)は、上記ポリカーボネート(イ)
100重量部に対して、0〜5重量部、好ましくは0.
01〜3.0重量部、さらに好ましくは0.02〜2.
0重量部の割合で用いられる。
【0125】上記エポキシ化合物(ニ)としては、具体
的には、フェニルグリシジルエーテル、トリルグリシジ
ルエーテル、キシリルグリシジルエーテル、ブチルグリ
シジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテ
ル、sec-ブチルフェノールグリシジルエーテル、2-メチ
ルオクチルグリシジルエーテル、n-デシルグリシジルエ
ーテル、ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジ
グリシジルエーテル樹脂などのグリシジルエーテル類; 酢酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステ
ル、パルミチン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グ
リシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステルなど
のグリシジルエステル類; エポキシ化大豆油、エポキシ化シクロヘキセン、エポキ
シ化ジシクロペンタジエン、エポキシ化ジヒドロジシク
ロペンタジエンなどのエポキシ化炭化水素類が挙げられ
る。特にフェニルグリシジルエーテル、トリルグリシジ
ルエーテルが好ましく用いられる。
【0126】本発明においては、上記のようなエポキシ
化合物(ニ)は、上記ポリカーボネート(イ)100重
量部に対して、0〜5重量部、好ましくは0.01〜
3.0重量部、さらに好ましくは0.02〜2.0重量
部の割合で用いられる。
【0127】上記フェノール化合物(ホ)としては、具
体的には、t-ブチル化ヒドロキシトルエン、P-ヒドロキ
シアニソール、3-メチル-4- イソプロピルフェノール、
2-t-ブチル-4,6- ジメチルフェノール、2-t-ブチル-4-
メトキシフェノール、2,6-ジ-t- ブチルフェノール、没
食子酸プロピル、スチレン化クレゾール、2-(1-メチル
シクロヘキシル)-4,6- ジメチルフェノール、2,4-ジ-t
-ブチル-5-メチルフェノール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシトルエン、4,4'-チオ-ビス(2-メチル-6-t-ブチ
ルフェノール)、2,2'-チオ-ビス(4-メチル-6-t-ブチ
ルフェノール)などが挙げられる。特にt-ブチル化ヒド
ロキシトルエン、2,6-ジ-t- ブチルフェノール、スチレ
ン化クレゾールが好ましく用いられる。
【0128】本発明においては、上記のようなフェノー
ル化合物(ホ)は、上記ポリカーボネート(イ)100
重量部に対して、0〜5重量部、好ましくは0.01〜
3.0重量部、さらに好ましくは0.02〜2.0重量
部の割合で用いられる。
【0129】本発明者らは、炭酸ガスの発生を防止でき
る添加剤を数多く検討した結果、上記のような燐酸トリ
エステル化合物(ハ)、エポキシ化合物(ニ)およびフ
ェノール化合物(ホ)が可なり有効であることが判っ
た。また、燐酸トリエステル化合物(ハ)、エポキシ化
合物(ニ)およびフェノール化合物(ホ)は、潤滑性の
向上に寄与することが判った。
【0130】本発明に係る潤滑油は、上記のようなポリ
カーボネート(イ)、亜燐酸トリエステル化合物(ロ)
および燐酸トリエステル化合物(ハ)のほかに、他の成
分を含めることができる。
【0131】たとえば、本発明に係る潤滑油を工業用ギ
ヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油として用い
る場合には、ポリカーボネート(イ)、亜燐酸トリエス
テル化合物(ロ)、燐酸トリエステル化合物(ハ)、エ
ポキシ化合物(ニ)およびフェノール化合物(ホ)のほ
かに、他の使用可能な成分として鉱物油、たとえばニュ
ートラルオイルやブライトストックなどが配合されてい
てもよい。また、液状ポリブテンや液状デセンオリゴマ
ーなどのα- オレフィンオリゴマー、アジピン酸ジイソ
オクチル、セバチン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジラ
ウリル、ペンタエリスリトールの2-エチルヘキサン酸テ
トラエステル、トリメチロールプロパンのヘキサン酸ト
リエステルなどのカルボン酸エステル、植物油が潤滑油
に配合されていてもよい。さらに、本発明では、公知の
潤滑油添加剤、たとえば桜井俊男編「石油製品添加剤」
(幸書房、昭和49年発行)などに記載されている清浄
分散剤、酸化防止剤、耐荷重添加剤、油性剤、流動点降
下剤などの潤滑油添加剤を、本発明の目的を損なわない
範囲で、潤滑油に含めることができる。特にオゾン層非
破壊性の冷媒ガスとしてHFCたとえばフロンR−13
4aを用いる冷凍機用潤滑油の場合には、添加できる他
の成分としては、相溶性の点でグリコールエーテル類や
カルボン酸エステル類に限られる。しかしながら、これ
らの成分の添加量は、耐熱性、フロンR−134aとの
相溶性、吸水性を悪化させるため、添加量は潤滑油全量
100重量%に対して60重量%未満とする必要があ
る。さらには、フェノール系安定剤、消泡剤、塩素系冷
媒の混入に対する塩素補足剤としてのエポキシ化合物
を、本発明に係る潤滑油に配合することもできる。ま
た、上述したような公知の潤滑油添加剤が潤滑油に配合
されていてもよい。さらにまた、冷凍機用潤滑油中に、
フロンR−134aなどのオゾン層非破壊性フロン(H
FC)、フロンR−22などのオゾン破壊力が小さいフ
ロン(HCFC)、さらにはこれらの混合物を含有させ
ることもできる。
【0132】また、本発明に係る潤滑油を圧延用潤滑
油、金属加工油、繊維用潤滑油などの用途に用いる場合
には、従来通常に実施されているように、適当な乳化剤
を用いてポリカーボネート(イ)を水とのエマルジョン
にして使用することも可能である。
【0133】
【発明の効果】本発明に係る潤滑油は、潤滑性、清浄性
および電気絶縁性に優れ、また、鉱油、エステル系の潤
滑油と比較して、低温での粘度を引き下げることが容易
であるという効果もある。
【0134】さらに、本発明に係る潤滑油は、ポリカー
ボネートに起因するカルボン酸および炭酸ガスの発生を
防止することができる。したがって、本発明に係る潤滑
油は、工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギ
ヤ油、カーエアコン、電気冷蔵庫などの冷凍機用潤滑
油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油などの用途に広く用い
ることができる。
【0135】また、本発明に係る潤滑油は、上記のよう
な特性に優れるだけでなく、フロンR−134a、R−
152aなどのオゾン層非破壊性フロン(HFC)、フ
ロンR−22、R−123、R−124などのオゾン破
壊力が小さいフロン(HCFC)、さらにはこれらの混
合物との相溶性に優れているため、これらのフロンを冷
媒として使用するカーエアコンなどの冷凍機用潤滑油と
して好適に用いることができる。
【0136】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。実
施例および比較例におけるポリカーボネートおよび対照
品の分析と潤滑油の性能評価は、以下の試験方法によ
る。 (1) 分析方法 a.平均分子量 (株)島津製作所製のGPCシステムを使用し、ポリス
チレン基準にて平均分子量を求めた。測定条件を下記に
示す。
【0137】 カラム:ポリスチレンゲル4本(G-2000HXL+G-2000HXL+
G-3000HXL+G-4000HXL) 検出器:示差屈折計 温度 :40℃ 溶媒 :テトラヒドロフラン 溶出速度:0.7ml/分 b.赤外吸収スペクトル 日本分光製赤外分光計A−302でKBr板間に試料を
塗り付けて測定する。 c.NMR分析 一般式[I]および[II]におけるR1 を表わす式
[E]のn値は、プロトンNMR法[日本電子(株)製
JNM−GX270]により求める。 (2) 評価方法 a.動粘度 JIS K−2283 b.耐荷重値 耐荷重値は、ファレックス(Falex)試験機を用い、2
50 1bfの荷重で5分間慣らし運転した後、加重し
ていき、焼付きが生じたときの荷重値を求め、この値を
耐荷重値とする。 c.摩擦特性 摩擦係数は、オプチモール製SRV摩擦試験機にて下記
条件で測定する。
【0138】 荷重 :100N 温度 :100℃ 時間 :10分 振幅 :1mm 振動数:50Hz 試験片:ともにSUJ−2製の円板と球との組合せ 摩耗痕は、上記試験後の円板の摩耗痕の深さを表面粗度
計(東京精密社製サーフコム 200B )で測定する。 d.熱安定性 容量100ccのビーカーに試料20gを採り、170
℃、6.5時間オーブンで加熱し、試験前後の重量変化
率、100℃動粘度変化率、全酸価をもって熱安定性を
評価する。変化率、全酸価が小さいほど熱安定性に優れ
ている。 e.フロンR−134aとの相溶性 (1) 内径10mm、深さ20cmの試験管に試料1ml
を採り、ドライアイス−アセトン浴で冷却しながら、フ
ロンR−134aをボンベ容器からゆっくり導入し試料
の量より多めに溜める。次にスパチュラーを入れて攪拌
し、−20℃の冷媒浴に移し、試料/フロンR−134
aの容積比が1/1になったときの溶解性を調べる。完
全に均一であれば○とし、溶解しなければ、×とする。 (2) カーボネート生成物とフロンR−134aとの相溶
性を更に詳しく調べるため、潤滑油とフロンR−134
aとを割合を色々変えてガラス管に封入し、両者が相溶
する限界の温度(臨界温度)を求める。 (3) 試料油5gを容量200mlの耐圧ガラスシリンダー
に採り、減圧脱気後、フロンR−134aを95g加え
てよく混合し、15〜−30℃の範囲で透明ならば相溶
性合格と判断した。 f.炭酸ガス濃度 10gの試料油が充填された試験管(内径22mm、深さ
20cm)の開口部に、長さ方向の中央部にガス導入管を
有すると共に一端部にガス採取袋が装着され他端が解放
されたT型のガラス管が挿入されたゴム栓を装着して試
験管を密封する。次いで、ガス導入管から試験管および
ガラス管内の空気を脱気した後、この試験管内に常圧の
窒素ガスを500ml注入する。その試験管を175℃の
恒温油槽を用いて24時間加熱し、24時間後に試験管
内のガスを採取して、試験油が分解することにより発生
したCO2の採取ガス中における濃度をガスクロマトグ
ラフィーにより下記条件にて測定する。
【0139】 カラム:Parapak-Q,3m カラム温度:50℃、キャリアガス:He、40ml/mi
n 検出機:TCD g.体積抵抗率 体積抵抗率は、ASTM D 257に準拠して求め
た。
【0140】
【参考例1】10段シーブトレー式蒸留塔を備えた容量
5リットルの反応器に、平均分子量(Mn)740の、
シュクロースのプロピレンオキサイド付加物[商品名
PPG−多官能シリーズ SU−460、三井東圧化学
(株)製]271g、メチルイソブチルカルビノール1
492g、ジメチルカーボネート1320gおよび28
重量%のNaOCH3 のメタノール溶液0.7g(触
媒)を仕込んだ。
【0141】この混合物を常圧下に120〜180℃
で、13時間反応させた。このようにして得られた反応
混合物に水を加えて触媒を除去した後、ジメチルイソブ
チルカーボネートを留去して、ポリカーボネート460
gを得た。
【0142】得られたポリカーボネートは、粘稠な液体
であり、 1H−NMR分析、13C−NMR分析、IR分
析およびGPC分析の結果から以下のような構造を有す
ることが判った。
【0143】
【化27】
【0144】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOC613 平均n値:約1.1 得られたポリカーボネートを13C−NMRで測定した結
果、チャートに次のようなピークが表われた。なお、こ
の測定の際、溶媒としてCDCl3を用いた。
【0145】 16〜19ppm、20.4ppm、22.3ppm、
22.6ppm、 24.6ppm、45.1ppm、55.4ppm、6
5〜67ppm、 69.5〜73ppm、73.5ppm、73〜77p
pm、 77〜80ppm、80〜81ppm、81〜82pp
m、 82〜83.5ppm、89〜91ppm、103〜1
05ppm、 154〜155.5ppm また、得られたポリカーボネートの赤外吸収スペクトル
のデータを下記に示す。
【0146】 主なピーク νC−H 2800〜3000cm-1 δC−H 1450cm-1 νC=O 1740cm-1 νC−O 1250〜1290cm-1 νC−O−C 1100cm-1 さらに、得られたポリカーボネートのGPC分析結果を
下記に示す。
【0147】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)[GP
C]:1.232 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):1
630 生成物中のナトリウム残存量:0.01ppm以下 生成物中の全酸価:0.01以下 潤滑油基本性能の評価結果を第1表に示す。
【0148】
【参考例2】10段シーブトレー式蒸留塔を備えた容量
5リットルの反応器に、平均分子量(Mn)740の、
ソルビトールのプロピレンオキサイド付加物[商品名
HS−700A、三井東圧化学(株)製]705g、ジ
イソブチルカーボネート2560gおよび28重量%の
NaOCH3 のメタノール溶液3g(触媒)を仕込ん
だ。
【0149】この混合物を減圧(約100mmHg)下
に135℃で、14時間反応させた。このようにして得
られた反応混合物に水を加えて触媒を除去した後、ジイ
ソブチルカーボネートを留去して、ポリカーボネート9
40gを得た。
【0150】得られたポリカーボネートは、粘稠な液体
であり、 1H−NMR分析、13C−NMR分析、IR分
析およびGPC分析の結果から以下のような構造を有す
ることが判った。
【0151】
【化28】
【0152】上記の式中におけるR: −[CH2CH(CH3)O]n COOC49 平均n値:約1.5 得られたポリカーボネートを13C−NMRで測定した結
果、チャートに次のようなピークが表われた。なお、こ
の測定の際、溶媒としてCDCl3を用いた。
【0153】 16.5〜17.5ppm、18.8ppm、27.7
ppm、 70.5〜72ppm、72.5〜74ppm、74.
5〜76ppm、 77〜81ppm、154〜155ppm、 また、得られたポリカーボネートの赤外吸収スペクトル
のデータを下記に示す。
【0154】 主なピーク νC−H 2800〜3000cm-1 δC−H 1460cm-1 νC=O 1740cm-1 νC−O 1240〜1290cm-1 νC−O−C 1100cm-1 得られたポリカーボネートのGPC分析結果を下記に示
す。
【0155】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)[GP
C]:1.544 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):2
682 生成物中のナトリウム残存量:0.01ppm以下 生成物中の全酸価:0.01以下 潤滑油基本性能の評価結果を第1表に示す。
【0156】
【表1】
【0157】
【0158】
【実施例1】潤滑油機油として参考例1のポリカーボネ
ート100重量部、亜燐酸ジフェニルオクチル1.0重
量部、燐酸トリクレジル0.5重量部およびフェニルグ
リシジルエーテル0.5重量部を混合し、得られた混合
物について熱安定性、摩擦特性、フロンR−134aと
の相溶性および炭酸ガス濃度を上記方法に従って評価し
た。
【0159】結果を第2表に示す。
【0160】
【実施例2】実施例1において、亜燐酸ジフェニルオク
チルの配合量を3.0重量部とし、かつ、燐酸トリクレ
ジルおよびフェニルグリシジルエーテルを用いなかった
以外は、実施例1と同様に行なった。
【0161】結果を第2表に示す。
【0162】
【実施例3】潤滑油機油として参考例2のポリカーボネ
ート100重量部および亜燐酸ジフェニルデシル1.0
重量部を混合し、得られた混合物について熱安定性、摩
擦特性、フロンR−134aとの相溶性および炭酸ガス
濃度を上記方法に従って評価した。
【0163】結果を第2表に示す。
【0164】
【実施例4】実施例3において、亜燐酸ジフェニルデシ
ルの代わりに、亜燐酸フェニルジデシルを用いた以外
は、実施例3と同様に行なった。
【0165】結果を第2表に示す。
【0166】
【実施例5】実施例3において、亜燐酸ジフェニルデシ
ルの代わりに、亜燐酸ジフェニルオクチルを用い、さら
にt- ブチル化ヒドロキシトルエン0.5重量部を配合
した以外は、実施例3と同様に行なった。
【0167】結果を第2表に示す。
【0168】
【実施例6】実施例3において、亜燐酸ジフェニルデシ
ルの代わりに、亜燐酸ジフェニルオクチルを用い、さら
に燐酸トリクレジル0.5重量部を配合した以外は、実
施例3と同様に行なった。
【0169】結果を第2表に示す。
【0170】
【比較例1】実施例1において、亜燐酸ジフェニルオク
チル、燐酸トリクレジルおよびフェニルグリシジルエー
テルを用いずに、参考例1のポリカーボネートについて
上記評価を行なった。
【0171】結果を第2表に示す。
【0172】
【比較例2】実施例3において、亜燐酸ジフェニルデシ
ルを用いずに、参考例2のポリカーボネートについて上
記評価を行なった。
【0173】結果を第2表に示す。
【0174】
【比較例3】実施例3において、亜燐酸ジフェニルデシ
ル1.0重量部の代わりに、亜燐酸ジフェニルオクチル
0.0001重量部を用いた以外は、実施例3と同様に
行なった。
【0175】結果を第2表に示す。
【0176】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 129:18 137:02) C10N 30:04 30:06 40:04 40:24 40:25 40:30 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 169/04 C10M 105/48 C10M 129/10 - 129/18 C10M 137/02 - 137/04 C10N 30:04 C10N 30:06 C10N 40:04 C10N 40:24 C10N 40:25 C10N 40:30 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式[I]で表わされるポリカ
    ーボネート(イ)100重量部と、 亜燐酸トリエステル化合物(ロ) 0.0002〜5
    重量部と、 燐酸トリエステル化合物(ハ)、エポキシ化合物(ニ)
    およびフェノール化合物(ホ)からなる群から選ばれる
    少なくとも1種類の化合物 0〜5重量部とを含有し
    てなることを特徴とする潤滑油; Su−O−R …[I] [上記式[I]において、Suは、下式(A)で表わさ
    れる基であり、 Rは、下式(B)、(C)、(D)、(E)および
    (F)で表わされる基から選択される基である; 【化1】 (上記式(A)、(B)、(C)および(D)におい
    て、R1 は、下式(E)または(F)で表わされる基で
    ある) −(C36O)n COOR2 …(E) (上記式(E)において、R2 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜3
    0のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nは1〜
    12の整数である) −(C36O)n (C24O)p COOR2 …(F) (上記式(F)において、R2 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜3
    0のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nおよび
    pは1〜12の整数である)]。
  2. 【請求項2】 前記潤滑油が冷凍機用潤滑油であること
    を特徴とする請求項第1項に記載の潤滑油。
  3. 【請求項3】 オゾン層非破壊性フロンを含有している
    ことを特徴とする請求項第2項に記載の潤滑油。
  4. 【請求項4】 下記の一般式[II]で表わされるポリ
    カーボネート(イ)100重量部と、 亜燐酸トリエステル化合物(ロ) 0.0002〜5
    重量部と、 燐酸トリエステル化合物(ハ)、エポキシ化合物(ニ)
    およびフェノール化合物(ホ)からなる群から選ばれる
    少なくとも1種類の化合物 0〜5重量部とを含有し
    てなることを特徴とする潤滑油; (R1O)CH2[CH(OR1)]mCH2(OR1) …[II] [上記式[II]において、R1は下式(E)または
    (F)で表わされる基であり、mは1〜6の整数であ
    る; −(C36O)n COOR2 …(E) (上記式(E)において、R2 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜3
    0のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nは1〜
    12の整数である) −(C36O)n (C24O)p COOR2 …(F) (上記式(F)において、R2 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜3
    0のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nおよび
    pは1〜12の整数である)]。
  5. 【請求項5】 前記潤滑油が冷凍機用潤滑油であること
    を特徴とする請求項第4項に記載の潤滑油。
  6. 【請求項6】 オゾン層非破壊性フロンを含有している
    ことを特徴とする請求項第5項に記載の潤滑油。
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