JPH06298692A - エーテルおよびその用途 - Google Patents

エーテルおよびその用途

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JPH06298692A
JPH06298692A JP5092937A JP9293793A JPH06298692A JP H06298692 A JPH06298692 A JP H06298692A JP 5092937 A JP5092937 A JP 5092937A JP 9293793 A JP9293793 A JP 9293793A JP H06298692 A JPH06298692 A JP H06298692A
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JP
Japan
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ether
lubricating oil
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JP5092937A
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English (en)
Inventor
Masahide Tanaka
中 正 秀 田
Takashi Hayashi
剛 史 林
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のエーテルは、ソルビトールなどの非
環状構造の糖から誘導される炭酸結合を有することのあ
る、特定のエーテルである。また本発明の潤滑油は、上
記エーテルを含有してなる。 【効果】 本発明のエーテルは、潤滑性に優れ、吸湿性
が低く、清浄性も良好であり、冷凍機用潤滑油、工業用
ギヤ油などに使用することができる。本発明の潤滑油
は、ロータリー式カーエアコンのように、高粘度の潤滑
油を使用するような冷凍機用潤滑油として好適であり、
特にR−134aを冷媒として使用する冷凍機用潤滑油
に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規なエーテルおよびそ
の用途に関し、さらに詳しくは、冷凍機の冷媒として用
いられるR−134aなどのオゾン層非破壊性のフルオ
ロカーボン水素添加物(HFC、Hydrogenated Fluoro Car
bon )との相溶性に優れるとともに、潤滑性に優れた高
粘度のエーテル、およびこのエーテルからなる潤滑油に
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】最近、冷凍機用潤滑油では、冷媒
ガスがオゾン層非破壊性のR−134a(CH2F−C
3)のようなフルオロカーボン水素添加物に変更され
るに伴い、従来、冷凍機用潤滑油として使用されてきた
鉱物油やアルキルベンゼン類化合物は、冷媒ガスとの相
溶性がないため使用できなくなった。そこで、ポリプロ
ピレングリコールやポリプロピレングリコールモノアル
キルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエ
ーテルなどが冷凍機用潤滑油として用いられるようにな
った。しかしながら、上記の化合物はR−134aとの
相溶性が低く、上記化合物のうち、特に100℃におけ
る動粘度が15cSt以上という高粘度の化合物は、R
−134aとの相溶性が低いため、冷凍機用潤滑油、た
とえばロータリー式カーエアコン用潤滑油としての性能
が低いという問題があった。
【0003】また、この問題は、オゾン層非破壊性のフ
ルオロカーボン水素添加物だけでなく、オゾン破壊力
(Ozone Depletion Potential )が小さいクロロフルオ
ロカーボン水素添加物(HCFC、Hydrogenated Chloroflu
oro Carbon)、さらにはフルオロカーボン水素添加物と
クロロフルオロカーボン水素添加物との混合物について
も同様である。上記フルオロカーボン水素添加物の例と
しては、上記R−134aのほか、R−152aが挙げ
られ、また、クロロフルオロカーボン水素添加物の例と
しては、R−22、R−123、R−124が挙げられ
る。
【0004】したがって、潤滑性に優れ、かつ、R−1
34aとの相溶性に優れる化合物の出現が望まれてお
り、また、特にR−134aとの相溶性に優れる高粘度
の化合物を含有させてなる冷凍機用潤滑油の出現が従来
より望まれている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、潤滑性に優
れ、かつ、フルオロカーボン水素添加物、クロロフルオ
ロカーボン水素添加物などとの相溶性に優れるエーテル
を提供することを目的としており、また、特にR−13
4aとの相溶性に優れる高粘度のエーテルを含有させて
なる潤滑油を提供することを目的にしている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る新規なエーテルは、下記の
一般式[I]で表わされるエーテルである。
【0007】 (R1O)CH2[CH(OR1)]mCH2(OR1) ・・・[I] [上記式[I]において、R1 は、下式(A)または
(B)で表わされる基であり、少なくとも1つが(A)
で表わされる基であり、mは1〜6の整数である; −(R0O)n−R2 ・・・(A) −(R0O)n−COOR3 ・・・(B) (上記式(A)、(B)において、R2 、R3 は、それ
ぞれ独立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭
素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基で
あり、R0 は炭素原子数10以下の炭化水素基であり、
nは、1〜24の整数である)]。
【0008】また、本発明に係る潤滑油は、上記一般式
[I]で表わされるエーテルを含有してなることを特徴
としている。上記の潤滑油は、特に冷媒としてR−13
4aのようなオゾン層非破壊性フルオロカーボン水素添
加物を使用する冷凍機の潤滑油に適している。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るエーテルおよ
び潤滑油について具体的に説明する。本発明に係る新規
なエーテルは、下記の一般式[I]で表わされるソルビ
トールなどの非環状構造の糖から誘導されるエーテルで
ある。
【0010】 (R1O)CH2[CH(OR1)]mCH2(OR1) ・・・[I] 上記式[I]において、R1 は、下式(A)または
(B)で表わされる基であり、少なくとも1つが(A)
で表わされる基であり、mは1〜6の整数である。
【0011】 −(R0O)n−R2 ・・・(A) −(R0O)n−COOR3 ・・・(B) 上記式(A)、(B)において、R2 、R3 は、それぞ
れ独立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭素
原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基であ
り、R0 は炭素原子数10以下の炭化水素基であり、n
は、1〜24の整数である。
【0012】上記式(A)で表わされる基は、次の種類
に大別される。 (1) −(C24O)n2 (2) −(C36O)n2 (3) −C24O−基と−C36O−基とがランダム
に結合している基に、−R2 基が結合している基であっ
て、かつ、−C24O−基および−C36O−基の合計
数が2〜24である基。 (4) −(Cx2xO)n2 (5) −Cx2xO−基と−C24O−基または−C3
6O−基とがランダムに結合している基に、−R2
が結合している基であって、かつ、−Cx2xO−基と
−C24O−基または−C36O−基の合計数が2〜2
4である基。
【0013】また、上記式(B)で表わされる基は、次
の種類に大別される。 (6) −(C24O)nCOOR3 (7) −(C36O)nCOOR3 (8) −C24O−基と−C36O−基とがランダム
に結合している基に、−COOR3 基が結合している基
であって、かつ、−C24O−基および−C36O−基
の合計数が2〜24である基。 (9) −(Cx2xO)nCOOR3 (10) −Cx2xO− 基と−C24O−基または−C
36O−基とがランダムに結合している基に、−COO
3 基が結合している基であって、かつ−Cx2xO−
基と−C24O−基または−C36O−基の合計数が2
〜24である基。
【0014】ただし、上記式(1)〜(10)において、
2 、R3 は、それぞれ独立に、炭素原子数30以下の
炭化水素基または炭素原子数2〜30のエーテル結合を
有する炭化水素基であり、nは1〜24の整数であり、
xは4〜10の整数である。
【0015】本発明では、上記式(A)、(B)におい
て、−C24O−基と−C36O−基とがランダムに結
合し、−C24O−基の個数(t)が0でないとき、−
36O− 基の個数(s)と−C24O−基の個数
(t)との比(s/t)は、通常0.5〜20、好まし
くは1〜10、さらに好ましくは2〜6の範囲にある。
また、上記式中のnの個数は、通常1〜24、好ましく
は1〜12、さらに好ましくは1〜8の範囲にある。
【0016】また、上記式(A)、(B)におけるR
2 、R3 の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂
環族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水
素基および一般式 −(R4−O)q−R5 (式中、R4 は、炭素原子数2〜4のアルキレン基であ
り、R5 は炭素原子数28以下の炭化水素基であり、q
は1〜20の整数である)で表わされるグリコールエー
テル基が挙げられる。
【0017】上記R2 、R3 における脂肪族炭化水素基
の具体的な例としては、メチル基、エチル基、n-プロピ
ル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-
ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、
ネオペンチル基、n-ヘキシル基、2,3-ジメチルブチル
基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、
n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基、
n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、イソデシル
基、n-ウンデシル基、イソウンデシル基、n-ドデシル
基、イソドデシル基、n-トリデシル基、イソトリデシル
基、n-テトラデシル基、イソテトラデシル基、n-ペンタ
デシル基、イソペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、イ
ソヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、イソヘプタデシ
ル基、n-オクタデシル基、イソオクタデシル基、n-ノニ
ルデシル基、イソノニルデシル基、n-アイコサニル基、
イソアイコサニル基、2-エチルヘキシル基、2-(4-メチ
ルペンチル)基などを挙げることができる。
【0018】また、R2 、R3 における脂環族炭化水素
基の具体的な例としては、シクロヘキシル基、1-シクロ
ヘキセニル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシク
ロヘキシル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカ
ニル基などを挙げることができる。
【0019】さらに、R2 、R3 における芳香族炭化水
素基の具体的な例としては、フェニル基、o-トリル基、
p-トリル基、m-トリル基、2,4-キシリル基、メシチル
基、1-ナフチル基などを挙げることができる。
【0020】さらにまた、R2 、R3 における芳香脂肪
族炭化水素基の具体的な例としては、ベンジル基、メチ
ルベンジル基、β- フェニルエチル基(フェネチル
基)、1-フェニルエチル基、1-メチル-1- フェニルエチ
ル基、p-メチルベンジル基、スチリル基、シンナミル基
などを挙げることができる。
【0021】上記R4 におけるアルキレン基の具体的な
例としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン
基、ブチレン基を挙げることができる。また、上記R5
における炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環
族炭化水素基および芳香族炭化水素基が挙げられる。こ
れらの具体的な例としては、それぞれ上述したR2 、R
3 における脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香
族炭化水素基の具体的な例として列挙した基と同様の基
を挙げることができる。
【0022】上記の一般式で表わされるグリコールエー
テル基としては、具体的には、エチレングリコールモノ
メチルエーテル基、エチレングリコールモノプロピルエ
ーテル基、エチレングリコールモノブチルエーテル基、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル基、エチレン
グリコールモノエチルエーテル基、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル基、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル基、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル基、プロピレングリコールモノプロピルエーテル
基、プロピレングリコールモノブチルエーテル基、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル基、ジプロピレ
ングリコールモノプロピルエーテル基、ジプロピレング
リコールモノブチルエーテル基、トリプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル基、ブチレングリコールモノメ
チルエーテル基、ブチレングリコールモノブチルエーテ
ル基などを挙げることができる。
【0023】R−134aなどのオゾン層非破壊性のフ
ルオロカーボン水素添加物を冷媒として使用する冷凍機
において、上記一般式[I]で表わされるエーテルを潤
滑油として用いる場合には、上記R2 、R3 としては、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基等の
低級アルキル基、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル基、エチレングリコールモノブチルエーテル基、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル基、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル基、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル基、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル基、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル基、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエー
テル基等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル
基などが好ましい。
【0024】本発明に係るエーテルは、上記一般式
[I]において、全R1 数をy個としたとき、上記式
(B)で表わされる基、すなわち上記(6)〜(10)の
炭酸結合を有する基がz個で、かつ、上記式(A)で表
わされる基、すなわち上記(1)〜(5)のエーテル結
合を有する基が(y−z)個である。ただし、yは3〜
8の整数であり、zは0または1〜7の整数であり、か
つ、y>zである。
【0025】したがって、一般式[I]で表わされるエ
ーテルは、次の4種類に分類することができる。 (1)炭酸結合を全く有しないポリエーテル(z=0) (2)1個の炭酸結合を有し、少なくとも2個のエーテ
ル結合を有するポリエーテル(z=1)[モノカーボネ
ートでもある] (3)1個のエーテル結合を有し、少なくとも2個の炭
酸結合を有するモノエーテル(y−z=1)[ポリカー
ボネートでもある] (4)2個以上の炭酸結合を有し、かつ、2個以上のエ
ーテル結合を有するポリエーテル[ポリカーボネートで
もある] 上記一般式[I]で表わされるエーテルとしては、たと
えば、以下のような式で表わされるエーテルが挙げられ
る。 (1)
【0026】
【化1】
【0027】上記の式中におけるR1 のうち3つ: −[CH2CH(CH3)O]nCH3 [n=1〜8] その他のR1 : −[CH2CH(CH3)O]nCOO[CH(CH3)C
2O]qCH3 [n=1〜8、q=1〜3] (2)
【0028】
【化2】
【0029】上記の式中におけるR1 のうち3つ: −[CH2CH2O][CH2CH(CH3)O]n-1CH3 [n=2〜8] その他のR1 : −[CH2CH2O][CH2CH(CH3)O]n-1CO
O[CH(CH3) −CH2O]qCH3 [n=2〜8、q=1〜3] (3)
【0030】
【化3】
【0031】上記の式中におけるR1 のうち3つ: −[CH2CH(CH3)O]nCH3 [n=1〜8] その他のR1 : −[CH2CH(CH3)O]nCOO[CH(CH3)C
2O]q49 [n=1〜8、q=1〜3] (4)
【0032】
【化4】
【0033】上記の式中におけるR1 のうち3つ: −[CH2CH(CH3)O]nCH3 [n=1〜8] その他のR1 : −[CH2CH(CH3)O]nCOO[CH2CH2O]q
49 [n=1〜8、q=1〜3] (5)
【0034】
【化5】
【0035】上記の式中におけるR1 のうち3つ: −[CH2CH(CH3)O]nCH3 [n=1〜8] その他のR1 : −[CH2CH(CH3)O]nCOOCH(CH32 [n=1〜8] (6)
【0036】
【化6】
【0037】上記の式中におけるR1 のうち3つ: −[CH2CH2O][CH2CH(CH3)O]n-1CH3 [n=2〜8] その他のR1 : −[CH2CH2O][CH2CH(CH3)O]n-1CO
OC49 [n=2〜8] (7)
【0038】
【化7】
【0039】上記の式中におけるすべてのR1 : −[CH2CH(CH3)O]nCH3 [n=1〜8] 上記のような一般式[I]で表わされるエーテルのう
ち、炭酸結合を有するエーテルは、たとえば以下のよう
な方法により製造することができる。
【0040】まず、(a)後述する一般式[II]で表
わされるモノアルコールまたはポリオール(以下、ポリ
オール等と称する)、および(b)一般式[III] R3OCOOR3 ・・・[III] [式[III]中、R3 は、前記式(B)におけるR3
と同じである]で表わされ、かつ、R3 OHの沸点が上
記ポリオール等の沸点よりも低く、上記一般式[II
I]で表わされる、ポリオール等に対するモル比が2〜
200の範囲となる量のカーボネート化合物を塩基触媒
の存在下に加熱しながら、生成するアルコール(R3
H)を蒸留によって反応系外に除去して、反応率90%
以上まで反応させる。なお、上記反応を行なうに際し、
反応器内の空気を窒素置換することが望ましいが、窒素
置換しなくてもよい。
【0041】次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反
応の上記カーボネート化合物を蒸留によって反応系外に
除去し、上記一般式[I]で表わされるエーテルを得
る。なお、この製造方法では、原料であるポリオール等
の全水酸基がエーテル化されたエーテルだけでなく、こ
のポリオール等の全水酸基の一部がエーテル化されたエ
ーテル、さらには、このポリオール等の全水酸基がカー
ボネート化されたポリカーボネートが少量生成する可能
性がある。
【0042】上記ポリオール等は、下記の一般式[I
I]で表わされる。 (R6O)CH2[CH(OR6)]mCH2(OR6) ・・・[II] 上記式[II]において、R6 の少なくとも2つは、下
式(A)と(C)で表わされる基であり、他のR6 は、
下式(A)または(C)で表わされる基であり、mは1
〜6の整数である。
【0043】 −(R0O)n−R2 ・・・(A) −(R0O)nH ・・・(C) この式(A)で表わされる基は、一般式[I]において
上述した式(A)で表わされる基と同じである。
【0044】また、上記式(C)において、R0 は、炭
素原子数10以下の炭化水素基であり、nは、1〜24
の整数である。上記式(C)で表わされる基は、次の種
類に大別される。 (11) −(C24O)nH (12) −(C36O)nH (13) −C24O−基と−C36O−基とがランダム
に結合している基に、水素原子が結合している基であっ
て、かつ、−C24O−基および−C36O−基の合計
数が2〜24である基。 (14) −(Cx2xO)nH (15) −Cx2xO− 基と−C24O−基または−C
36O−基とがランダムに結合している基に、水素原子
が結合している基であって、かつ、−Cx2xO− 基と
−C24O−基または−C36O−基の合計数が2〜2
4である基。
【0045】ただし、上記(11)〜(15)において、n
は、1〜24の整数であり、xは4〜10の整数であ
る。本発明では、上記式(C)において、−C24O−
基の個数(t)が0でないとき、−C36O−基の個数
(s)と−C24O−基の個数(t)との比(s/t)
は、通常0.5〜20、好ましくは1〜10、さらに好
ましくは2〜6の範囲にある。また、上記の−C24
−基の個数(t)が0の場合には、−C36O−基の個
数(s)は、通常1〜24、好ましくは1〜12、さら
に好ましくは1〜8の範囲にある。
【0046】本発明で用いられるポリオール等は、上記
一般式[II]において、全R6 数をy個としたとき、
上記式(A)で表わされる基、すなわち上記(1)〜
(5)のエーテル結合を有する基がz個で、かつ、上記
式(C)で表わされる基、すなわち上記(11)〜(15)
の水酸基を有する基がy−z個ある。ただし、yは3〜
8の整数であり、zは1〜7の整数であり、かつ、y>
zである。
【0047】上記一般式[II]で表わされるポリオー
ルとしては、たとえば、以下のようなポリオールが挙げ
られる。 (1)
【0048】
【化8】
【0049】上記の式中におけるR6 のうち3つ: −[CH2CH(CH3)O]nCH3 [n=1〜8] その他のR6 : −[CH2CH(CH3)O]nH [n=1〜8] (2)
【0050】
【化9】
【0051】上記の式中におけるR6 のうち3つ: −[CH2CH2O][CH2CH(CH3)O]n-1CH3 [n=2〜8] その他のR: −[CH2CH2O][CH2CH(CH3)O]n-1H [n=2〜8] (3)
【0052】
【化10】
【0053】上記の式中におけるR6 のうち3つ: −[CH2CH(CH3)O]n49 [n=1〜8] その他のR6 : −[CH2CH(CH3)O]nH [n=1〜8] (4)
【0054】
【化11】
【0055】上記の式中におけるR6 のうち1つ: −[CH2CH(CH3)O]nCH3 [n=1〜8] その他のR6 : −[CH2CH(CH3)O]nH [n=1〜8] (5)
【0056】
【化12】
【0057】上記の式中におけるR6 のうち3つ: −[CH2CH2O]nCH3 [n=1〜8] その他のR6 : −[CH2CH2O]nH [n=1〜8] (6)
【0058】
【化13】
【0059】上記の式中におけるR6 のうち3つ: −[CH2CH2O][CH2CH(CH3)O]n-13
7 [n=2〜8] その他のR6 : −[CH2CH2O][CH2CH(CH3)O]n-1H [n=2〜8] また、上記一般式[III]で表わされるカーボネート
化合物としては、具体的には、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブ
チルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジオクチ
ルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジ-2
- エチルヘキシルカーボネート、ジ(2-メチル- メトキ
シエチル)カーボネート、ジ(メトキシ- プロポキシ)
カーボネート、ジ(メトキシ- ジプロポキシ)カーボネ
ート、ジ(ブトキシ- プロポキシ)カーボネート、ジ
(フェノキシ- プロポキシ)カーボネートなどが好まし
く用いられる。
【0060】この方法では、カーボネート化反応で生成
するアルコールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カー
ボネート化反応を進行させるので、この反応で生成する
アルコール、すなわち、R6 OHで表わされるアルコー
ルは、上記ポリオール等よりも沸点が低いことが必要で
ある。
【0061】また、カーボネート化合物は、上記一般式
[II]で表わされるポリオール等に対するモル比が2
〜200、好ましくは3〜80、さらに好ましくは3〜
50の範囲となる量で用いられる。このようにカーボネ
ート化合物の使用量を制限することにより、高重合度の
ポリカーボネート(炭酸結合だけでなく、エーテル結合
も有する)の生成を抑制することができる。
【0062】この方法においては、反応は、上記のよう
なポリオール等とカーボネート化合物を反応容器に仕込
み、塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコ
ール(R6 OH)を蒸留によって反応系外に除去して、
反応率90%以上まで反応させ、次いで、上記塩基触媒
を除去した後、未反応の上記カーボネート化合物を蒸留
によって反応系外に除去する。反応率90%以上とは、
上記生成するアルコールが上記一般式[II]で表わさ
れるポリオール等のモル数とその水酸基総数との積の
0.90倍モル以上生成するまで、反応させることをい
う。
【0063】上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩
や炭酸水素塩、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキ
シド、リチウムメトキシド、セシウムメトキシド等のア
ルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウム、ナトリウ
ムアミド等のアルカリ金属化合物が好ましく用いられ
る。これらのうちでは、特に、アルカリ金属アルコラー
トが好ましい。このほか、たとえば、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、イミダゾール、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキシド等の有機アミ
ノ化合物も用いられる。これら触媒の使用量は、通常、
触媒のモル数/ポリオール等のモル数(モル比)が10
-1〜10-7、好ましくは10-2〜10 -5となる範囲で用
いられる。
【0064】この方法においては、反応は、通常、50
〜300℃、好ましくは60〜200℃の温度で行なわ
れる。反応時間は、通常、0.5〜200時間、好まし
くは1〜100時間である。
【0065】反応終了後の触媒の除去は、水洗または酸
で中和することによって行なわれる。酸としては、スル
ホン酸型イオン交換樹脂等の固体酸;炭酸、塩化アンモ
ニウム、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、フェノ
ール等の有機酸が用いられる。また、上記水洗において
は、炭酸アンモニウムのような塩を添加してもよい。
【0066】この方法によれば、このように、塩基触媒
を除去した後、未反応のカーボネート化合物を減圧下に
蒸留除去することによって、塩基触媒の存在下で未反応
のカーボネート化合物を蒸留によって除去するときに生
じるポリカーボネートの重合を防止して、高収率にて目
的とする炭酸結合を有するエーテルを得ることができ
る。
【0067】このようにして得られたエーテルは、必要
に応じて、活性白土、活性炭等の吸着剤にて処理または
水洗して、微量の不純物を除去してもよい。特に、かか
る処理によれば、微量のイオン性化合物や極性化合物を
除去できるので、得られたエーテルを安定に保持するこ
とができる。
【0068】また、上記のような一般式[I]で表わさ
れるエーテルのうち、上記式(B)で表わされる炭酸結
合を有する基を全く有しないエーテルは、たとえば、以
下のような方法により製造することができる。
【0069】まず、ポリオールを炭化水素やエーテル、
アルコール溶媒中でNa、Kなどのアルカリ金属または
アルカリ金属ハライドまたはアルカリ金属アルコキシド
と反応させて、ポリオールのアルカリ金属アルコキシド
を生成させる。
【0070】次いで、このポリオールのアルカリ金属ア
ルコキシドをハロゲン化アルキルおよびジアルキルサル
フェートと反応させて、上記式(B)で表わされる炭酸
結合を有する基を全く有しない、一般式[I]で表わさ
れるエーテルを得る。
【0071】本発明に係る潤滑油は、上記一般式[I]
で表わされるエーテルを含有してなる。上記エーテル
は、従来のグリコールエーテル類と比較して潤滑性に優
れ、吸湿性が低く、清浄性も良好であるという特徴を有
するので、カークーラー、電気冷蔵庫などの冷凍機用潤
滑油、工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギ
ヤ油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑油に使用することがで
きる。
【0072】また、上記エーテルは、潤滑性および清浄
性に優れるとともに、高粘度ではあるがR−134aな
どのオゾン層非破壊性フルオロカーボン水素添加物、R
−22などのオゾン破壊力が小さいクロロフルオロカー
ボン水素添加物、さらにはこれらの混合物との相溶性に
優れている。また、このエーテルは、R−12などのオ
ゾン破壊力が大きいクロロフルオロカーボン(CFC)
とも相溶性が良好である。
【0073】したがって、上記エーテルは、特に冷媒と
して上記のようなオゾン層非破壊性フルオロカーボン水
素添加物を使用し、かつ、たとえばロータリー式カーエ
アコンのように、高粘度の潤滑油を使用するような冷凍
機用潤滑油として利用することができる。
【0074】本発明に係る冷凍機用潤滑油などの潤滑油
は、上記一般式[I]で表わされるエーテルのほかに、
他の成分を含めることができる。すなわち、本発明に係
る潤滑油中には、上記一般式[I]で表わされるエーテ
ルのほかに、他の使用可能な成分として、この炭酸結合
を有するエーテルの製造の際に副生するカーボネートの
オリゴマー、グリコールエーテル類、たとえばエチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドとからなるランダム
共重合体のポリエーテルグリコール、さらにはこのポリ
エーテルグリコールから誘導されるカーボネート、鉱物
油、たとえばニュートラルオイルやブライトストックな
どが配合されていてもよい。また、液状ポリブテンや液
状デセンオリゴマーなどのα- オレフィンオリゴマー、
アジピン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジイソオクチ
ル、セバチン酸ジラウリルなどのカルボン酸エステルや
植物油が潤滑油に配合されていてもよい。特にオゾン層
非破壊性の冷媒としてHFCたとえばR−134aを用
いる冷凍機用潤滑油の場合には、添加できる他の成分と
しては、相溶性の点でグリコールエーテル類やカルボン
酸エステル類に限られる。しかしながら、これらの成分
の添加量は、耐熱性、R−134aとの相溶性、吸水性
を悪化させるため、添加量は潤滑油全量100重量%に
対して60重量%未満とする必要がある。
【0075】またフェノール系安定剤、消泡剤、塩素系
冷媒の混入に対する塩素補足剤としてのエポキシ化合物
を、本発明に係る冷凍機用潤滑油に配合することもでき
る。さらに、本発明では、公知の潤滑油添加剤、たとえ
ば桜井俊男編「石油製品添加剤」(幸書房、昭和49年
発行)などに記載されている清浄分散剤、酸化防止剤、
耐荷重添加剤、油性剤、流動点降下剤などの潤滑油添加
剤を、本発明の目的を損なわない範囲で、冷凍機用潤滑
油に含めることができる。
【0076】さらにまた、冷凍機用潤滑油中に、R−1
34aなどのフルオロカーボン水素添加物、R−22な
どのクロロフルオロカーボン水素添加物、さらにはこれ
らの混合物を含有させることもできる。
【0077】
【発明の効果】本発明に係るエーテルは、グリコールエ
ーテル類と比較して潤滑性に優れ、吸湿性が低く、清浄
性も良好であるという効果を有する。
【0078】したがって、このエーテルを含有してなる
本発明に係る潤滑油は、カークーラー、電気冷蔵庫など
の冷凍機用潤滑油、工業用ギヤ油、自動車用エンジン
油、自動車用ギヤ油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑油に使
用することができる。
【0079】また、このエーテルは、潤滑性および清浄
性に優れるとともに、高粘度ではあるがR−134aな
どのフルオロカーボン水素添加物との相溶性、R−22
などのクロロフルオロカーボン水素添加物との相溶性、
さらにはこれらの混合物との相溶性に優れている。ま
た、このエーテルは、R−12などのオゾン破壊力が大
きいクロロフルオロカーボンとの相溶性が良好である。
したがって、本発明に係る潤滑油は、たとえばロータリ
ー式カーエアコンのように、高粘度の潤滑油を使用する
ような冷凍機用潤滑油として好適であり、特に上記のよ
うなオゾン層非破壊性のフルオロカーボン水素添加物を
冷媒として使用する冷凍機用潤滑油に適している。
【0080】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。実
施例におけるエーテルの分析と潤滑油の性能評価は、以
下の試験方法による。 (1)分析方法 a.平均分子量 (株)島津製作所製のGPCシステムを使用し、ポリス
チレン基準にて平均分子量を求めた。測定条件を下記に
示す。
【0081】カラム:ポリスチレンゲル4本(G-2000HXL
+G-2000HXL+G-3000HXL+G-4000HXL) 検出器:示差屈折計 温 度:40℃ 溶 媒:テトラヒドロフラン 溶出速度:0.7ml/分 (2)評価方法 a.動粘度 JIS K−2283 b.粘度指数 JIS K−2283 c.耐荷重値 耐荷重値は、ファレックス(Falex )試験機を用い、2
50 lbf の荷重で5分間慣らし運転した後、加重し
ていき、焼付きが生じたときの荷重値を求め、この値を
耐荷重値とする。 d.R−134aとの相溶性 (1) 内径10mm、深さ20cmの試験管に試料1ml
採り、ドライアイス−アセトン浴で冷却しながら、R−
134aをボンベ容器からゆっくり導入し試料の量より
多めに溜める。次にスパチュラーを入れて攪拌し、−2
0℃の冷媒浴に移し、試料/R−134aの容積比が1
/1になったときの溶解性を調べる。完全に均一であれ
ば○とし、溶解しなければ、×とする。 (2) エーテル生成物とR−134aとの相溶性を更に詳
しく調べるため、潤滑油とR−134aとを割合を色々
変えてガラス管に封入し、両者が相溶する限界の温度
(臨界温度)を求める。
【0082】
【実施例1】単蒸留塔を備えた容量3リットルのフラス
コに、分子量1772の、ソルビトールのプロピレンオ
キサイド付加・一部メチルエーテル変性品[商品名 S
P−24PM、東邦化学(株)製]503g、ジ(メト
キシ- ジプロポキシ)カーボネート(DMDPC)22
88gおよび28重量%のNaOCH3 のメタノール溶
液4.5gを仕込んだ。
【0083】この混合物を減圧下(30〜5mmHg)
に、110〜150℃で、4時間加熱した。この加熱に
より、留出したジプロピレングリコールモノメチルエー
テルの量は151gであった。
【0084】このようにして得られた反応混合物に水を
加えて触媒を除去した後、DMDPCを蒸留留去してエ
ーテル638gを得た。得られたエーテルは、粘調な液
体であり、 1H−NMR、赤外スペクトル分析およびG
PC分析の結果から以下のような構造を有することが判
った。
【0085】 (R1O)CH2[CH(OR1)]4CH2(OR1) 上記の式中におけるR1 : −(C36O)4CH3 ・・・
(A)、および −(C36O)4COO(C36O)2CH3 ・・・(B) これらの基の平均付加数は、(A)+(B)=2.5+3.5 であ
った。
【0086】得られたエーテル(ポリカーボネートでも
ある)を 1H−NMRで測定した結果、チャートに次の
ようなピークが現れた。なお、この測定の際、溶媒とし
てCDCl3 を用いた。
【0087】1.03〜1.13ppm、1.20〜
1.25ppm、3.20〜3.35ppm、3.35
〜3.67ppm、4.75〜4.90ppm また、得られたエーテルの赤外吸収スペクトルを図1に
示すとともに、そのデータを下記に示す。
【0088】主なピーク νC−H 2800〜3100cm-1 δC−H 1450cm-1 νC=O 1740cm-1 νC−O 1260cm-1 νC−O−C 1100cm-1 さらに、得られたエーテルのGPC分析結果を下記に示
す。なお、生成物中に、一部のポリカーボネート縮合体
の存在が確認された。
【0089】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):1.
18 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):3
220 生成物中のナトリウム残存量:0.02ppm 生成物中の全酸価:0.01以下 得られたエーテルの潤滑油基本性能の評価結果を第1表
に示す。
【0090】
【実施例2】実施例1のソルビトール系原料の使用量を
602g、実施例1のカーボネート化合物の使用量を1
407gおよび28重量%NaOCH3 のメタノール溶
液の使用量を4.4gに変えた以外は、実施例1と同様
に行なってエーテルを得た。
【0091】得られたエーテルは、粘調な液体であり、
1H−NMR、赤外スペクトル分析の結果は、実施例1
と一致しており、したがって、その構造は、実施例1と
同一であることが判った。
【0092】さらに、得られたエーテル(ポリカーボネ
ートでもある)のGPC分析結果を下記に示す。なお、
生成物中に、一部のポリカーボネート縮合体の存在が確
認された。
【0093】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):1.
20 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):3
735 生成物中のナトリウム残存量:0.02ppm 生成物中の全酸価:0.01以下 得られたエーテルの潤滑油基本性能の評価結果を第1表
に示す。
【0094】
【実施例3】10段シーブトレー式蒸留塔を備えた容量
1リットルのフラスコに、実施例1と同じソルビトール
系原料300g、ジイソプロピルカーボネート(DIP
C)621gおよび28重量%のNaOCH3 のメタノ
ール溶液2.2gを仕込んだ。
【0095】この混合物を常圧下に、145〜160℃
で2時間加熱した以外は、実施例1と同様に行ない、エ
ーテル338gを得た。この加熱により、留出したイソ
プロパノールの量は35gであった。
【0096】得られたエーテルは、粘調な液体であり、
1H−NMR、赤外スペクトル分析およびGPC分析の
結果から以下のような構造を有することが判った。 (R1O)CH2[CH(OR)]4CH2(OR1) 上記の式中におけるR1 : −(C36O)4CH3 ・・・(A)、
および −(C36O)4COOCH(CH32 ・・・(B) これらの基の平均付加数は、(A)+(B)=2.5+3.5 であ
った。
【0097】得られたエーテル(ポリカーボネートでも
ある)を 1H−NMRで測定した結果、チャートに次の
ようなピークが現れた。なお、この測定の際、溶媒とし
てCDCl3 を用いた。
【0098】1.05〜1.13ppm、1.20〜
1.27ppm、3.20〜3.40ppm、3.40
〜3.75ppm、4.75〜4.85ppm また、得られたエーテルの赤外吸収スペクトルの主なピ
ークを示す。
【0099】主なピーク νC−H 2800〜3100cm-1 δC−H 1450cm-1 νC=O 1740cm-1 νC−O 1260cm-1 νC−O−C 1100cm-1 さらに、得られたエーテルのGPC分析結果を下記に示
す。なお、生成物中に、一部のポリカーボネート縮合体
の存在が確認された。
【0100】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):1.
11 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):2
889 生成物中のナトリウム残存量:0.03ppm 生成物中の全酸価:0.01以下 得られたエーテルの潤滑油基本性能の評価結果を第1表
に示す。
【0101】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られたエーテルの赤外吸
収スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:18 131:04 105:34) C10N 40:30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式[I]で表わされるエーテ
    ル; (R1O)CH2[CH(OR1)]mCH2(OR1) ・・・[I] [上記式[I]において、R1 は、下式(A)または
    (B)で表わされる基であり、少なくとも1つが(A)
    で表わされる基であり、mは1〜6の整数である; −(R0O)n−R2 ・・・(A) −(R0O)n−COOR3 ・・・(B) (上記式(A)、(B)において、R2 、R3 は、それ
    ぞれ独立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭
    素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基で
    あり、 R0 は炭素原子数10以下の炭化水素基であり、 nは、1〜24の整数である)]。
  2. 【請求項2】下記の一般式[I]で表わされるエーテル
    を含有してなることを特徴とする潤滑油; (R1O)CH2[CH(OR1)]mCH2(OR1) ・・・[I] [上記式[I]において、R1 は、下式(A)または
    (B)で表わされる基であり、少なくとも1つが(A)
    で表わされる基であり、mは1〜6の整数である; −(R0O)n−R2 ・・・(A) −(R0O)n−COOR3 ・・・(B) (上記式(A)、(B)において、R2 、R3 は、それ
    ぞれ独立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭
    素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基で
    あり、 R0 は炭素原子数10以下の炭化水素基であり、 nは、1〜24の整数である)]。
  3. 【請求項3】前記潤滑油が冷凍機用潤滑油であることを
    特徴とする請求項2に記載の潤滑油。
  4. 【請求項4】フルオロカーボン水素添加物(HFC)を
    含有していることを特徴とする請求項3に記載の潤滑
    油。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8835663B2 (en) 2011-08-22 2014-09-16 Korea Institute Of Petroleum Management Lubricity improver

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8835663B2 (en) 2011-08-22 2014-09-16 Korea Institute Of Petroleum Management Lubricity improver

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