JPH05339590A - 潤滑油 - Google Patents

潤滑油

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JPH05339590A
JPH05339590A JP4154755A JP15475592A JPH05339590A JP H05339590 A JPH05339590 A JP H05339590A JP 4154755 A JP4154755 A JP 4154755A JP 15475592 A JP15475592 A JP 15475592A JP H05339590 A JPH05339590 A JP H05339590A
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JP
Japan
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group
compound
lubricating oil
polycarbonate
carbonate
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Application number
JP4154755A
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English (en)
Inventor
Takashi Hayashi
剛 史 林
Kenji Shimamoto
本 健 治 島
Masahide Tanaka
中 正 秀 田
Kazunori Takahata
畑 和 紀 高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Priority to EP96100399A priority patent/EP0711823A2/en
Priority to EP92308663A priority patent/EP0534735B1/en
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Priority to US07/950,838 priority patent/US5326486A/en
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の潤滑油は、下式で表わされるポリカ
ーボネートと、エポキシ化合物、フェノール化合物、硫
黄化合物およびアミン化合物からなる群から選ばれる少
なくとも1種類の化合物とを、特定の割合で含有してな
る。 R1OCOO[(R2O)pCOO]n3 式中、R1 およびR3 は、それぞれ独立に、特定の炭化
水素またはエーテル結合を有する炭化水素基であり、R
2 は、特定のアルキレン基であり、pおよびnは特定の
整数である。 【効果】 本発明の潤滑油は、潤滑性、清浄性および電
気絶縁性に優れ、また低温での粘度を引き下げることが
容易であり、しかもポリカーボネートに起因する炭酸ガ
ス等の発生を防止することができ、特にR−134aを
冷媒として使用するカーエアコンなどの冷凍機用潤滑油
として好適に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、潤滑油に関し、さらに詳
しくは、従来より潤滑性と清浄性の要求が厳しくなった
工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油、
冷凍機用潤滑油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑油に使用可
能な、潤滑性、清浄性および電気絶縁性に優れた潤滑
油、特にフルオロカーボン水素添加物(HFC 、Hydrogen
ated Fluoro Carbon)、クロロフルオロカーボン水素添
加物(HCFC 、Hydrogenated Chlorofluoro Carbon )、
またはこれらの混合物を冷媒として使用する冷凍機用潤
滑油として最適な潤滑油に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】潤滑油の種類としては、工業用ギ
ヤ油、エンジン油、冷凍機用潤滑油、繊維用潤滑油、圧
延用潤滑油などが挙げられる。
【0003】工業用ギヤ油は近年、各種産業機械の使用
環境が一段とシビアになるに従って、潤滑性と清浄性の
より高温域までの維持が要求されてきた。特に、焼付け
塗装工程、食品のベーキング工程では潤滑性と清浄性に
より高い性能が要求されてきた。このような用途には、
従来より合成炭化水素系、カルボン酸エステル系もしく
はグリコール系の潤滑油が使用されてきた。
【0004】しかしながら、合成炭化水素系油およびカ
ルボン酸エステル系油は、潤滑性がまだ不十分なうえ、
長時間の加熱で炭化物が生成し、潤滑油としての役割を
高温下では果すことができないという問題点がある。一
方、グリコール系の潤滑油は、長時間の加熱による炭化
物の生成が少ないという長所はあるものの、潤滑性が不
十分なうえ、吸湿性が強いため、潤滑性および耐吸湿性
の改良が望まれていた。
【0005】エンジン油では、自動車エンジンの高性能
化に伴い、より高温、より長時間の潤滑性と清浄分散性
が要求されてきた。このような要求に対して、添加剤の
選択で対応しようとすると添加剤の使用量が多くなるた
め、たとえばマヨネーズスラッジの沈澱析出が生じると
いうような弊害がある。またベース油として、鉱物油
と、合成炭化水素系油やカルボン酸エステル系油とを併
用する試みが従来よりなされている。しかしながら、高
温、長時間の潤滑性と清浄分散性はともに充分でなかっ
た。一方、上記の自動車エンジン、すなわち4サイクル
エンジン用潤滑油と異なり、2サイクルエンジン用潤滑
油は、機構上、ガソリンに添加されて燃焼するため、特
に清浄性が重要である。従来、2サイクルエンジン用潤
滑油として、ひまし油やポリブテンなどが使用されてい
るが、潤滑性と清浄性がともに充分でない。
【0006】自動車用ギヤ油、特にATF用のギヤ油な
どでは摩擦係数を低くし、かつその経時変化を少なくす
る必要がある。そこで、従来は摩擦低減剤や摩擦調整剤
を使用している。しかしながら、これらの添加剤を含む
自動車用ギヤ油は、摩擦係数の経時変化が大きくなると
いう問題点がある。
【0007】繊維用潤滑油では、従来、カルボン酸エス
テル系やグリコール系の潤滑油が使用されているが、潤
滑性と清浄性をともに満足することができない。圧延用
潤滑油では、従来、牛脂を主成分とする潤滑油が使用さ
れている。このような潤滑油は、潤滑性がよく、圧延効
率に優れるものの、清浄性が極端に悪いため残存する牛
脂の洗浄工程が不可欠である。また圧延用潤滑油とし
て、カルボン酸エステル系潤滑油が使用されているが、
この潤滑油は、清浄性が極めて良好であるものの、潤滑
性が悪く実用性が低い。
【0008】冷凍機用潤滑油では、冷媒ガスがオゾン層
非破壊性のR−134a(CH2 F−CF3 )に変更さ
れるに伴い、従来、冷凍機用潤滑油として使用されてき
た鉱物油やアルキルベンゼン類化合物は、冷媒ガスとの
相溶性がないため使用できなくなった。現在、上記冷媒
ガス冷凍機用潤滑油としてグリコールエーテル系潤滑油
が開発されている。
【0009】たとえば、米国特許第4,755,316
号明細書には、テトラフルオロエタンと、分子量が30
0〜2,000であり、37℃動粘度が約25〜150
cStであるポリオキシアルキレングリコールとからなる
圧縮冷凍機用組成物が開示されている。
【0010】しかしながら、このようなグリコールエー
テル系潤滑油は、一般に熱安定性が不充分で、吸湿性が
強く、さらにNBRなどのゴムシール材を収縮させ硬度
を高めてしまうという欠点が指摘されている。
【0011】また、近年カーエアコン用冷凍機では、コ
ンプレッサーの小型化と能力アップを可能にしたスルー
ベーン型ロータリーコンプレッサーが用いられており、
このスルーベーン型ロータリーコンプレッサー用潤滑油
としては、シール性と耐摩耗性という性能面より高粘度
の潤滑油が要求される。しかしながら、グリコールエー
テル構造を有する化合物は、一般に分子量が増大して高
粘度化すると、オゾン層非破壊性のR−134aとの相
溶性が悪化するため、構造上使用することができない。
【0012】さらに、最近ポリオールエステルおよびヒ
ンダードエステルと称せられるカルボン酸エステル系潤
滑油が、オゾン層非破壊性のフルオロカーボン水素添加
物(HFC)を冷媒として使用する冷凍機の潤滑油とし
て開発されている。しかしながら、これらの潤滑油は、
加水分解もしくは熱分解によりカルボン酸を発生させる
ため、冷凍機において、カルボン酸による金属の腐食摩
耗あるいは銅メッキ現象が起こる。したがって、これら
の潤滑油においては、冷凍機の耐久性が問題点として挙
げられている。また、加水分解もしくは熱分解により発
生したカルボン酸の一部は、過酷な使用条件下で、さら
に分解して炭酸ガスを発生させる。炭酸ガスは、フルオ
ロカーボン、クロロフルオロカーボンまたはこれらの水
素添加物を冷媒として使用する通常の冷凍機システムで
は非凝縮性となるため、冷凍効率の低下および圧縮過程
での温度上昇を招く結果となり好ましくないとされてい
る。
【0013】なお、オゾン層非破壊性のフルオロカーボ
ン水素添加物(HFC)としては、具体的には、上記の
R−134aのほかに、R−152aなどが挙げられ
る。また、オゾン破壊力の小さいクロロフルオロカーボ
ン水素添加物(HCFC)も冷媒として用いられるが、
このようなクロロフルオロカーボン水素添加物として
は、R−22、R−123、R−124などが挙げられ
る。これらのクロロフルオロカーボン水素添加物は、単
独で、または上記のようなフルオロカーボン水素添加物
(HFC)と混合して用いられる。
【0014】本発明者らは、潤滑性、清浄性、電気絶縁
性、フルオロカーボン水素添加物(HFC)との相溶
性、およびクロロフルオロカーボン水素添加物(HCF
C)との相溶性に優れるとともに、カルボン酸および炭
酸ガスの発生を防止できるような潤滑油を得るべく鋭意
研究し、特定のポリカーボネートと、エポキシ化合物、
フェノール化合物、硫黄化合物およびアミン化合物から
なる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物とを特定
の割合で配合すると、上記特性に優れた潤滑油が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、潤滑性、清浄
性、電気絶縁性、フルオロカーボン水素添加物(HF
C)との相溶性、およびクロロフルオロカーボン水素添
加物(HCFC)との相溶性に優れるとともに、カルボ
ン酸および炭酸ガスの発生を防止できるような潤滑油を
提供することを目的としている。
【0016】さらに詳しくは、本発明は、特にオゾン層
非破壊性のフルオロカーボン水素添加物(HFC)を冷
媒として使用するカーエアコンなどの冷凍機用潤滑油と
して、特に好適に使用することができる潤滑油を提供す
ることを目的としている。
【0017】
【発明の概要】本発明に係る潤滑油は、(A)下記の一
般式[I]で表わされるポリカーボネート 100重量
部と、(B)エポキシ化合物、フェノール化合物、硫黄
化合物およびアミン化合物からなる群から選ばれる少な
くとも1種類の化合物 0.0001〜5重量部と、
(C)亜燐酸トリエステル化合物および/または燐酸ト
リエステル化合物0〜5重量部とを含有してなることを
特徴としている。
【0018】 R1OCOO[(R2O)pCOO]n3 …[I] 上記一般式[I]において、R1 およびR3 は、それぞ
れ独立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭素
原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基であ
り、R2 は、炭素原子数2〜24のアルキレン基であ
り、pは1〜100の整数であり、nは1〜10の整数
である。
【0019】本発明に係る潤滑油は、潤滑性、清浄性お
よび電気絶縁性に優れ、また鉱油、エステル系の潤滑油
と比較して、低温での粘度を引き下げることが容易であ
るため、工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用
ギヤ油、カークーラー、電気冷蔵庫などの冷凍機用潤滑
油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油などの用途に広く用い
ることができる。
【0020】また、本発明に係る潤滑油は、上記のよう
な特性に優れるだけでなく、オゾン層非破壊性のフルオ
ロカーボン水素添加物(HFC)との相溶性、オゾン破
壊力の小さいクロロフルオロカーボン水素添加物(HC
FC)との相溶性に優れているため、これらの水素添加
物を単独でまたは組合わせて冷媒として使用する冷凍機
の潤滑油として用いることができる。
【0021】また、本発明に係る潤滑油のうち、上記ポ
リカーボネート(A)、エポキシ化合物、フェノール化
合物、硫黄化合物、アミン化合物、亜燐酸トリエステル
化合物および燐酸トリエステル化合物のほかに、上記の
ようなフルオロカーボン水素添加物(HFC)、クロロ
フルオロカーボン水素添加物(HCFC)、さらにはこ
れらの混合物を含有してなる潤滑油もカーエアコン、電
気冷蔵庫などの冷凍機用潤滑油として用いることができ
る。
【0022】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る潤滑油につい
て具体的に説明する。本発明に係る新規な潤滑油は、特
定のポリカーボネート(A)と、エポキシ化合物、フェ
ノール化合物、硫黄化合物およびアミン化合物からなる
群から選ばれる少なくとも1種類の化合物とから構成さ
れている。また、本発明に係る潤滑油は、これらの成分
のほかに、亜燐酸トリエステル化合物、燐酸トリエステ
ル化合物を含有していてもよい。
【0023】まず本発明で潤滑油基油として用いられる
ポリカーボネート(A)は、下記の一般式[I]で表わ
される。 R1OCOO[(R2O)pCOO]n3 …[I] 上記式[I]において、R1 およびR3 は、それぞれ独
立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子
数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基である。
【0024】上記R1 、R3 の具体的な例としては、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシ
ル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、
イソヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、3-メ
チルヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、
イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル
基、イソデシル基、n-ウンデシル基、イソウンデシル
基、n-ドデシル基、イソドデシル基、n-トリデシル基、
イソトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテトラデシ
ル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n-ヘキ
サデシル基、イソヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、
イソヘプタデシル基、n-オクタデシル基、イソオクタデ
シル基、n-ノナデシル基、イソノナデシル基、n-アイコ
シル基、イソアイコシル基、2-エチルヘキシル基、2-
(4-メチルペンチル)基などの脂肪族炭化水素基;シク
ロヘキシル基、1-シクロヘキセニル基、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロヘキシル基、デカヒドロナフ
チル基、トリシクロデカニル基などの脂環族炭化水素
基;フェニル基、o-トリル基、p-トリル基、m-トリル
基、2,4-キシリル基、メシチル基、1-ナフチル基などの
芳香族炭化水素基;ベンジル基、メチルベンジル基、β
- フェニルエチル基(フェネチル基)、1-フェニルエチ
ル基、1-メチル-1- フェニルエチル基、p-メチルベンジ
ル基、スチリル基、シンナミル基などの芳香脂肪族炭化
水素基;エチレングリコールモノメチルエーテル基、エ
チレングリコールモノブチルエーテル基、ジエチレング
リコールモノn-ブチルエーテル基、トリエチレングリコ
ールモノエチルエーテル基、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル基、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル基、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル
基、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル基
などの下記の一般式で表わされるグリコールエーテル基
が挙げられる。
【0025】−(R4−O)q−R5 上記一般式において、R4 は、炭素原子数2〜3のアル
キレン基であり、具体的には、エチレン基、プロピレン
基、トリメチレン基が挙げられる。また、R5は、炭素
原子数28以下の脂肪族、脂環族および芳香族の炭化水
素基であり、具体的には、R1 およびR3 の具体例とし
て列挙した基と同様の基が挙げられる。また、qは1〜
20の整数である。
【0026】上記一般式[I]におけるR2 は、炭素原
子数2〜24のアルキレン基であり、具体的には、エチ
レン基、プロピレン基、ブチレン基、アミレン基、メチ
ルアミレン基、エチルアミレン基、ヘキシレン基、メチ
ルヘキシレン基、エチルヘキシレン基、オクタメチレン
基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン
基、テトラデカメチレン基などが挙げられる。
【0027】上記一般式[I]におけるpは1〜100
の整数であり、またnは1〜10の整数である。R−1
34aなどのオゾン層非破壊性のフルオロカーボン水素
添加物を冷媒として使用する冷凍機において、上記一般
式[I]で表わされるポリカーボネートを潤滑油に用い
る場合には、上記一般式[I]におけるR1 としては、
n-ブチル基、イソブチル基、イソアミル基、シクロヘキ
シル基、イソヘプチル基、3-メチルヘキシル基、1,3-ジ
メチルブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘ
キシル基等のアルキル基;エチレングリコールモノメチ
ルエーテル基、エチレングリコールモノブチルエーテル
基、ジエチレングリコールモノメチルエーテル基、トリ
エチレングリコールモノメチルエーテル基、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル基、プロピレングリコー
ルモノブチルエーテル基、ジプロピレングリコールモノ
エチルエーテル基、トリプロピレングリコールモノn-ブ
チルエーテル基等のアルキレングリコールモノアルキル
エーテル基などが好ましい。
【0028】上記一般式[I]で表わされるポリカーボ
ネートとしては、以下のようなポリカーボネートが挙げ
られる。 (1)R1OCOO−CH2CH2CH(CH3)CH2
2−OCOOR3 (2)R1OCOO−CH2CH(CH3)(CH26
OCOOR3 (3)R1OCOO−(CH25−OCOOR3 (4)R1OCOO−(CH26−OCOOR3 (5)R1OCOO−(CH29−OCOOR3 (6)R1OCOO−(CH210−OCOOR3 上記(1)〜(6)の式において、R1 およびR3 は、
上記一般式[I]におけるR1 、R3 と同一の基であ
る。
【0029】上記のような一般式[I]で表わされるポ
リカーボネートは、たとえば以下のような方法により製
造することができる。まず、(a)一般式[II] R2(OH)2 ・・・[II] [式[II]中、R2 は、上記一般式[I]におけるR
2 と同一である]で表わされるジオール、および (b)一般式[III] R1OCOOR1またはR3OCOOR3 ・・・[III] [式[III]中、R1 およびR3 は、上記一般式
[I]におけるR1 、R3 と同一である]で表わされ、
かつ、R1OHまたはR3OHの沸点が上記ジオールの沸
点よりも低く、m1 /2m2(式中、m1 はカーボネー
ト化合物のモル数であり、m2 はジオールのモル数であ
る)が0.5〜200の範囲となる量のカーボネート化
合物を塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアル
コール(R1OHまたはR3OH)を蒸留によって反応系
外に除去して、反応収率95%以上まで反応させる。
【0030】なお、上記反応を行なうに際し、反応器内
の空気を窒素置換することが望ましいが、窒素置換しな
くてもよい。次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反
応の上記ポリカーボネート化合物を蒸留によって反応系
外に除去し、上記一般式[I]で表わされるポリカーボ
ネートを得る。
【0031】上記一般式[III]で表わされるカーボ
ネート化合物としては、具体的には、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート、ジー[1,3ー ジメチルブチ
ル]カーボネート、ジイソアミルカーボネート、ジヘキ
シルカーボネート、ジオクチルカーボネート、ジシクロ
ヘキシルカーボネート、ジ-3- メチルヘキシルカーボネ
ート、ジ-2- エチルヘキシルカーボネート、ジ(2-メチ
ル- メトキシエチル)カーボネートなどが好ましく用い
られる。
【0032】この方法では、カーボネート化反応で生成
するアルコールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カー
ボネート化反応を進行させるので、この反応で生成する
アルコール、すなわち、R1OHまたはR3OHで表わさ
れるアルコールは、上記ポリオールよりも沸点が低いこ
とが必要である。
【0033】また、カーボネート化合物は、上記m1
2m2 が0.5〜200となる量で用いられるが、好ま
しくは1〜80、さらに好ましくは1〜50の範囲とな
る量で用いられる。このようにカーボネート化合物の使
用量を制限することにより、高重合度のポリカーボネー
トの生成を抑制することができる。
【0034】この方法においては、反応は、上記のよう
なジオールとカーボネート化合物を反応容器に仕込み、
塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコール
を蒸留によって反応系外に除去して、反応率95%以上
まで反応させ、次いで、上記塩基触媒を除去した後、未
反応の上記カーボネート化合物を蒸留によって反応系外
に除去する。反応率95%以上とは、上記生成するアル
コールが上記2m2 の0.95倍モル以上生成するまで
反応させることをいう。
【0035】上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩
や炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキ
シド、リチウムメトキシド、セシウムメトキシド等のア
ルカリ金属アルコラート;水素化ナトリウム、ナトリウ
ムアミド等のアルカリ金属化合物が好ましく用いられ
る。これらのうちでは、特に、アルカリ金属アルコラー
トが好ましい。このほか、たとえば、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、イミダゾール、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキシド等の有機アミ
ノ化合物も用いられる。これら触媒の使用量は、通常、
触媒のモル数/上記2m2 が10-1〜10-7、好ましく
は10-2〜10-5となる範囲で用いられる。
【0036】この方法においては、反応は、通常50〜
300℃、好ましくは60〜200℃の温度で行なわれ
る。反応時間は、通常0.5〜200時間、好ましくは
1〜100時間である。
【0037】反応終了後の触媒の除去は、水洗または酸
で中和することによって行なわれる。酸としては、スル
ホン酸型イオン交換樹脂等の固体酸;炭酸、塩化アンモ
ニウム、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、フェノ
ール等の有機酸が用いられる。また、上記水洗において
は、炭酸アンモニウムのような塩を添加してもよい。
【0038】この方法によれば、このように、塩基触媒
を除去した後、未反応のカーボネート化合物を減圧下に
蒸留除去することによって、塩基触媒の存在下で未反応
のカーボネート化合物を蒸留によって除去するときに生
じるポリカーボネートの重合を防止して、高収率にて目
的とするポリカーボネートを得ることができる。
【0039】このようにして得られたポリカーボネート
は、必要に応じて、活性白土、活性炭等の吸着剤にて処
理または水洗して、微量の不純物を除去してもよい。特
に、かかる処理によれば、微量のイオン性化合物や極性
化合物を除去できるので、得られたポリカーボネートを
安定に保持することができる。
【0040】上記のような方法によれば、上記反応にお
いて、カーボネート化合物としてジメチルカーボネート
を用いる場合、メタノールをジメチルカーボネートとの
共沸物として反応系から除去する代わりに、予め反応系
にシクロヘキサン、ベンゼン、ヘキサン等を共沸溶剤と
して加え、メタノールをこれら共沸溶剤との共沸物とし
て、反応系外に除去することもできる。上記共沸溶剤
は、ジメチルカーボネート100重量部に対して、通
常、5〜100重量部の割合で用いられる。
【0041】この方法によれば、反応において、メタノ
ールを上記共沸溶剤との共沸物として、反応系外に除去
し、反応の終了後、反応混合物から未反応ジメチルカー
ボネートを回収するので、その回収率を高めることがで
きる。
【0042】また、別の方法として、上述したように、
メタノールをジメチルカーボネートとの共沸物として回
収した後、この共沸物に上記共沸溶剤を加え、メタノー
ルをこれら共沸溶剤との共沸物としてジメチルカーボネ
ートから除去して、ジメチルカーボネートを回収するこ
ともできる。
【0043】上記のような方法によれば、ジオールとカ
ーボネート化合物との反応終了後、用いた塩基触媒を除
去した後に、未反応のカーボネート化合物を除去するの
で、目的とするポリカーボネートを高収率にて得ること
ができる。
【0044】また、上記一般式[I]で表わされるポリ
カーボネートは、次のような方法でも製造することがで
きる。 まず、(a)一般式[II] R2(OH)2 ・・・[II] [式[II]中、R2 は、上記一般式[I]におけるR
2 と同一である]で表わされるジオール、 (b)一般式[IV] R1OHまたはR3OH ・・・[IV] [式[IV]中、R1およびR3は、上記一般式[I]に
おけるR1 、R3 と同一である]で表わされるモノアル
コール、および (c)一般式[V] R6OCOOR6 ・・・[V] [式[V]中、R6 は、それぞれ独立に、炭素原子数1
〜2のアルキル基である]で表わされ、かつ、R6 OH
の沸点が上記ジオールおよびモノアルコールの沸点より
も低く、m1/2m2 (式中、m1 はカーボネート化合
物のモル数であり、m2 はジオールのモル数である)が
0.5〜200の範囲となる量のカーボネート化合物を
塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコール
(R6 OH)を蒸留によって反応系外に除去して、反応
率95%以上まで反応させる。なお、上記反応を行なう
に際し、反応器内の空気を窒素置換することが望ましい
が、窒素置換しなくてもよい。
【0045】次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反
応および最終段階の反応に至らないカーボネート化合物
[R7OCOOR7(式中、R7 は、それぞれ独立に、R
1 、R3 ないしR6 である)]を蒸留によって反応系外
に除去し、上記一般式[I]で表わされるポリカーボネ
ートを得る。
【0046】この方法では、カーボネート化反応で生成
するアルコールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カー
ボネート化反応を進行させるので、この反応で生成する
アルコール、すなわち、R6 OHで表わされるアルコー
ルは、上記ジオールおよびモノアルコールよりも沸点が
低いことが必要である。また、カーボネート化合物は、
上記m1 /2m2 が0.5〜200の範囲となる量で用
いられるが、好ましくは1〜80、さらに好ましくは1
〜50の範囲となる量で用いられる。このようにカーボ
ネート化合物の使用量を制限することにより、高重合度
のポリカーボネートの生成を抑制することができる。
【0047】この方法においては、反応は、上記のよう
なジオールとモノアルコールとカーボネート化合物を反
応容器に仕込み、塩基触媒の存在下に加熱しながら、生
成するアルコールを蒸留によって反応系外に除去して、
反応率95%以上まで反応させ、次いで、上記塩基触媒
を除去した後、未反応の上記カーボネート化合物を蒸留
によって反応系外に除去する。
【0048】上記の「反応率95%以上」、塩基触媒、
反応温度、反応時間、反応終了後の触媒除去、不純物の
除去および未反応ジメチルカーボネートの回収について
は、先の製造方法の場合と同様である。
【0049】最初に述べたポリカーボネートの製造方法
では、一般式[III]で表わされる、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート以外のカーボネート化合
物は、入手が困難であるため、予め合成する必要があ
る。一方、この製造方法では、容易に入手できる一般式
[V]で表わされるカーボネート化合物(ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボ
ネート)を用いてポリカーボネートを製造することがで
きるので、上記のようなカーボネート化合物の合成はな
く、経済的である。
【0050】また、この方法によれば、先の製造方法の
場合と同様に、高収率にて目的とするポリカーボネート
を得ることができる。本発明に係る潤滑油は、上記一般
式[I]で表わされるポリカーボネート(A)のほか
に、エポキシ化合物、フェノール化合物、硫黄化合物お
よびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1
種類の化合物を含有している。
【0051】上記エポキシ化合物としては、具体的に
は、フェニルグリシジルエーテル、トリルグリシジルエ
ーテル、キシリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジ
ルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、se
c-ブチルフェノールグリシジルエーテル、2-メチルオク
チルグリシジルエーテル、n-デシルグリシジルエーテ
ル、ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリ
シジルエーテル樹脂等のグリシジルエーテル類;酢酸グ
リシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パ
ルミチン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジ
ルエステル、オレイン酸グリシジルエステル等のグリシ
ジルエステル類;エポキシ化オクチルステアレート、エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化シクロヘキセン、エポキシ
化ジシクロペンタジエン、エポキシ化ジヒドロジシクロ
ペンタジエン等のエポキシ化炭化水素類が挙げられる。
特にエポキシ化オクチルステアレート、フェニルグリシ
ジルエーテル、トリルグリシジルエーテルが好ましく用
いられる。
【0052】本発明においては、エポキシ化合物は、上
記ポリカーボネート(A)100重量部に対して、0.
0001〜5重量部、好ましくは0.01〜3.0重量
部、さらに好ましくは0.02〜2.0重量部の割合で
用いられる。
【0053】上記フェノール化合物としては、具体的に
は、1,3,5-トリメチル-2,4,6-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシフェニル)メチルベンゼン、テトラ[メチレン
-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン、P-ヒドロキシアニソール、3-メチル
-4- イソプロピルフェノール、2-t-ブチル-4,6- ジメチ
ルフェノール、2-t-ブチル-4- メトキシフェノール、2,
6-ジ-t- ブチルフェノール、没食子酸プロピル、スチレ
ン化クレゾール、2-(1-メチルシクロヘキシル)-4,6-
ジメチルフェノール、2,4-ジ-t- ブチル-5- メチルフェ
ノール、2,6-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシトルエン、3,
5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシトルエン、4,4'- チオ-
ビス(2-メチル-6-t- ブチルフェノール)、2,2'- チオ
- ビス(4-メチル-6-t- ブチルフェノール)などが挙げ
られる。特に3,5-ジ-t- ブチル-4-ヒドロキシトルエ
ン、2,6-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシトルエン、テトラ
[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタンが好ましく用いられる。
【0054】本発明においては、フェノール化合物は、
上記ポリカーボネート(A)100重量部に対して、
0.0001〜5重量部、好ましくは0.01〜3.0
重量部、さらに好ましくは0.02〜2.0重量部の割
合で用いられる。
【0055】上記硫黄化合物としては、具体的には、メ
ルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン、N,N'ー
ジフェニルチオウレア、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、N-オキシジエチレンー2ー ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアミド、N-シクロヘキシルー2ー ベンゾチアゾリルス
ルフェンアミド、2ーメルカプトベンゾチアゾール・シク
ロヘキシルアミン塩、N,N'ー ジイソプロピルー2ー ベンゾ
チアゾリルスルフェンアミド、2ー(N,N-ジエチル チオ
カルボニル チオ)ベンゾチアゾール、テトラエチル
チウラム ジスルフィド、ジベンゾチアゾリル ジスル
フィド、ジンクジエチルジチオカルバメート、ジンク
エチルフェニル ジチオカルバメート、ジンク ジーn-
ブチルチオカルバメート、ジラウリル チオジプロピオ
ネート、ジラウリル チオジー1,1'ーメチルブチレート、
ジミリスチルー3,3'ーチオジプロピオネート、ラウリル
ステアリル チオジプロピオネート、ジステアリル チ
オジプロピオネート、ジステアリル チオジブチレー
ト、ペンタ(エリスリチルー テトラーβーメルカプトラウ
リル)プロピオネート、ジオクタデシル ジスルフィ
ド、4,4'-チオ-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)などが挙げられる。特にジラウリル チオジプロピ
オネート、4,4'-チオ-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェ
ノール)が好ましく用いられる。
【0056】本発明においては、硫黄化合物は、上記ポ
リカーボネート(A)100重量部に対して、0.00
01〜5重量部、好ましくは0.01〜3.0重量部、
さらに好ましくは0.02〜2.0重量部の割合で用い
られる。
【0057】上記アミン化合物としては、具体的には、
フェニル-1-ナフチルアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェ
ニレンジアミン、4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジ
ル)ジフェニルアミン、N,N'-ジ-β-ナフチルーp-フェニ
レンジアミン、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン
メチル メタクリレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル
-4-ピペリジル)オキザレート、1,2,2,6,6-ペンタメチ
ル-4-ピペリジン メチルメタクリレート、ビス(1,2,
2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートなどが
挙げられる。特に4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジ
ル)ジフェニルアミンが好ましく用いられる。
【0058】本発明においては、アミン化合物は、上記
ポリカーボネート(A)100重量部に対して、0.0
001〜5重量部、好ましくは0.01〜3.0重量
部、さらに好ましくは0.02〜2.0重量部の割合で
用いられる。
【0059】また、本発明では、潤滑油中に、上記ポリ
カーボネート(A)、エポキシ化合物、フェノール化合
物、硫黄化合物およびアミン化合物のほかに、亜燐酸ト
リエステル化合物および/または燐酸トリエステル化合
物が存在していてもよい。
【0060】上記亜燐酸トリエステル化合物としては、
具体的には、亜燐酸トリイソデシル、亜燐酸トリオクチ
ル、亜燐酸トリクレジル、亜燐酸トリフェニル、亜燐酸
ジフェニルオクチル、亜燐酸ジフェニルデシル、亜燐酸
フェニルジデシル、1,1,3-トリ(2-メチル-4-ジトリデ
シルホスファイト-5-t-ブチルフェニル)ブタンなどが
挙げられる。特に亜燐酸フェニルジデシル、亜燐酸ジフ
ェニルデシルが好ましく用いられる。
【0061】本発明においては、亜燐酸トリエステル化
合物は、上記ポリカーボネート(A)100重量部に対
して、0.0001〜5重量部、好ましくは0.01〜
3.0重量部、さらに好ましくは0.02〜2.0重量
部の割合で用いられる。
【0062】上記燐酸トリエステル化合物としては、具
体的には、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸
トリオクチルなどが挙げられる。特に燐酸トリフェニ
ル、燐酸トリクレジルが好ましく用いられる。
【0063】本発明においては、燐酸トリエステル化合
物は、上記ポリカーボネート(A)100重量部に対し
て、0.0001〜5重量部、好ましくは0.01〜
3.0重量部、さらに好ましくは0.02〜2.0重量
部の割合で用いられる。
【0064】本発明で潤滑油基油として用いられる炭酸
エステル結合を有するポリカーボネートは、過酷な使用
条件の下で、僅かながら炭酸ガスを発生する。一般に、
炭酸ガスは、フルオロカーボン、クロロフルオロカーボ
ンまたはこれらの水素添加物を冷媒として使用する通常
の冷凍機システムでは非凝縮性となるため、冷凍効率の
低下および圧縮過程での温度上昇を招く結果となり好ま
しくないとされている。本発明者らは、炭酸ガスの発生
を防止できる添加剤を数多く検討した結果、上記のよう
なエポキシ化合物、フェノール化合物、硫黄化合物、ア
ミン化合物、亜燐酸トリエステル化合物および燐酸トリ
エステル化合物が著しく有効であることが判った。
【0065】本発明に係る潤滑油は、上記のようなポリ
カーボネート(A)、エポキシ化合物、フェノール化合
物、硫黄化合物、アミン化合物、亜燐酸トリエステル化
合物および燐酸トリエステル化合物のほかに、他の成分
を含めることができる。
【0066】たとえば、本発明に係る潤滑油を工業用ギ
ヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油として用い
る場合には、上記の他の成分としてニュートラルオイル
やブライトストックなどが配合されていてもよい。ま
た、液状ポリブテンや液状デセンオリゴマーなどのα-
オレフィンオリゴマー、アジピン酸ジイソオクチル、セ
バチン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジラウリル、ペン
タエリスリトールの2-エチルヘキサン酸テトラエステ
ル、トリメチロールプロパンのヘキサン酸トリエステル
などのカルボン酸エステル、植物油が潤滑油に配合され
ていてもよい。さらに、本発明では、公知の潤滑油添加
剤、たとえば桜井俊男編「石油製品添加剤」(幸書房、
昭和49年発行)などに記載されている清浄分散剤、酸
化防止剤、耐荷重添加剤、油性剤、流動点降下剤などの
潤滑油添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で潤滑
油に含めることができる。また、本発明に係る潤滑油を
冷凍機用潤滑油として用いる場合、特にR−134aな
どのフルオロカーボン水素添加物(HFC)を冷媒ガス
として用いる冷凍機においては、上記の他の成分は、相
溶性の点でグリコールエーテル類やカルボン酸エステル
類に限られる。しかしながら、これらの成分の添加量
は、耐熱性、R−134aとの相溶性、吸水性を悪化さ
せるため、添加量は潤滑油全量100重量%に対して6
0重量%未満とする必要がある。また、上述したような
公知の潤滑油添加剤が潤滑油に配合されていてもよい。
さらにまた、冷凍機用潤滑油中に、R−134aなどの
オゾン層非破壊性のフルオロカーボン水素添加物(HF
C)、またはR−22などのオゾン破壊力が小さいクロ
ロフルオロカーボン水素添加物(HCFC)、さらには
これらの水素添加物が存在していてもよい。
【0067】また、本発明に係る潤滑油を圧延用潤滑
油、金属加工油、繊維用潤滑油などの用途に用いる場合
には、従来通常に実施されているように、適当な乳化剤
を用いて上記ポリカーボネート(A)を水とのエマルジ
ョンにして使用することも可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明に係る潤滑油は、潤滑性、清浄性
および電気絶縁性に優れ、また、鉱油、エステル系の潤
滑油と比較して、低温での粘度を引き下げることが容易
であるという効果もある。
【0069】さらに、本発明に係る潤滑油は、ポリカー
ボネートに起因するカルボン酸および炭酸ガスの発生を
防止することができる。したがって、本発明に係る潤滑
油は、工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギ
ヤ油、カーエアコン、電気冷蔵庫などの冷凍機用潤滑
油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油などの用途に広く用い
ることができる。
【0070】また、本発明に係る潤滑油は、上記のよう
な特性に優れるだけでなく、オゾン層非破壊性のフルオ
ロカーボン水素添加物(HFC)との相溶性、およびオ
ゾン破壊力が小さいクロロフルオロカーボン水素添加物
(HCFC)との相溶性に優れているため、これらの水
素添加物を単独でまたは組合わせて冷媒として使用する
カーエアコン、電気冷蔵庫などの冷凍機用潤滑油として
好適に用いることができる。
【0071】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。実
施例および比較例におけるポリカーボネートおよび対照
品の分析と潤滑油の性能評価は、以下の試験方法によ
る。
【0072】[試験方法] a.動粘度 JIS K−2283 b.粘度指数 JIS K−2283 c.耐荷重値 耐荷重値は、ファレックス(Falex )試験機を用い、2
50 1bf の荷重で5分間慣らし運転した後、加重し
ていき、焼付きが生じたときの荷重値を求め、この値を
耐荷重値とする。 d.炭酸ガス濃度の測定法 ガスサンプリングのためにガスクロマトグラフィーの試
料注入口を溶接により上部に取り付けた容量50ccの
オートクレーブに、試料油25gを充填し、窒素雰囲気
下で、オートクレーブを密封する。 次いで、そのオー
トクレーブを175℃の恒温油槽を用いて加熱し、加熱
後7時間のときに、ガスシリンジで、オートクレーブ上
部のガスサンプリング口からオートクレーブ内部の気層
ガス1ccを採取し、ガスクロマトグラフィーにより、
試料油より発生したCO2 濃度を下記条件にて測定す
る。
【0073】カラム:活性炭素カラム6m カラム温度:165℃、 キャリアガス:He、 キャリアガス供給速度:40ml/min 検出器:TCD e.R−134aとの相溶性 (1) 内径10mm、深さ20cmの試験管に試料1ml
を採り、ドライアイス−アセトン浴で冷却しながら、R
−134aをボンベ容器からゆっくり導入し試料の量よ
り多めに溜める。次にスパチュラーを入れて攪拌し、−
20℃の冷媒浴に移し、試料/R−134aの容積比が
1/1になったときの溶解性を調べる。完全に均一であ
れば○とし、溶解しなければ、×とする。
【0074】(2) カーボネート生成物とR−134aと
の相溶性を更に詳しく調べるため、潤滑油とR−134
aとを割合を色々変えてガラス管に封入し、両者が相溶
する限界の温度(臨界温度)を求める。
【0075】(3) 試料油5gを容量200mlの耐圧ガ
ラスシリンダーに採り、減圧脱気後、R−134aを9
5g加えてよく混合し、15〜−30℃の範囲で透明な
らば相溶性合格と判断した。
【0076】
【参考例1】10段シーブトレー式蒸留塔を備えた容量
5リットルのフラスコに、3- メチル-1,5-ペンタン
ジオール588g(4.98モル)、メチルヘキサノー
ル(3- メチル体87%と5- メチル体13%との混合
物)2,500g(21.42モル)、ジメチルカーボ
ネート1,932g(21.45モル)および28重量
%のNaOCH3 のメタノール溶液3.8g(0.02
0モル)を仕込んだ。
【0077】この混合物を常圧下に110〜160℃で
8時間加熱し、生成するメタノールを留出した。メタノ
ール収率は98%であった。次いで、この混合物を減圧
下(130〜10mmHg)、130〜170℃に加熱
して8時間反応させ、メタノール、ジメチルカーボネー
ト、メチルヘキサノールおよびメチルー メチルヘキシル
カーボネートを留去させた。
【0078】このようにして得られた反応混合物に、用
いたNaOCH3 の5倍モル量の炭酸アンモニウムを含
有する水溶液で洗浄、水洗した後、過剰のジー [メチル
ヘキシル]カーボネートを蒸留除去してポリカーボネー
ト1,480gを得た。
【0079】得られたポリカーボネートは、分析した結
果、下記の構造を有するポリカーボネートと、その縮合
物が混在していることが判った。C715OCOOCH2
CH2CH(CH3)CH2CH2OCOOC715得られ
たポリカーボネートの潤滑油基本性能を第1表に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【実施例1】潤滑油基油として参考例1のポリカーボネ
ート100重量部と、2,6-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ
トルエン1.0重量部とを混合し、得られた混合物につ
いて炭酸ガス濃度およびR−134aとの相溶性を上記
方法に従って試験した。
【0082】結果を第2表に示す。
【0083】
【実施例2】実施例1において、2,6-ジ-t- ブチル-4-
ヒドロキシトルエンの代わりに、ジラウリル チオジプ
ロピオネートを用いた以外は、実施例1と同様にして混
合物を得た。
【0084】得られた混合物について炭酸ガス濃度およ
びR−134aとの相溶性を上記方法に従って試験し
た。結果を第2表に示す。
【0085】
【実施例3】実施例1において、2,6-ジ-t- ブチル-4-
ヒドロキシトルエンの配合量を0.05重量部とし、さ
らに亜燐酸フェニルジデシル1.0重量部を用いた以外
は、実施例1と同様にして混合物を得た。
【0086】得られた混合物について炭酸ガス濃度およ
びR−134aとの相溶性を上記方法に従って試験し
た。結果を第2表に示す。
【0087】
【実施例4】実施例3において、亜燐酸フェニルジデシ
ルの代わりに、ジラウリル チオジプロピオネート1.
0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして混合物
を得た。
【0088】得られた混合物について炭酸ガス濃度およ
びR−134aとの相溶性を上記方法に従って試験し
た。結果を第2表に示す。
【0089】
【実施例5】実施例1において、2,6-ジ-t- ブチル-4-
ヒドロキシトルエンの代わりに、エポキシ化オクチルス
テアレートを用いた以外は、実施例1と同様にして混合
物を得た。
【0090】得られた混合物について炭酸ガス濃度およ
びR−134aとの相溶性を上記方法に従って試験し
た。結果を第2表に示す。
【0091】
【実施例6】実施例1において、2,6-ジ-t- ブチル-4-
ヒドロキシトルエンの代わりに、4,4'-ビス(α,α-ジ
メチルベンジル)ジフェニルアミンを用いた以外は、実
施例1と同様にして混合物を得た。
【0092】得られた混合物について炭酸ガス濃度およ
びR−134aとの相溶性を上記方法に従って試験し
た。結果を第2表に示す。
【0093】
【比較例1】実施例1において、亜燐酸フェニルジデシ
ルを用いずに、参考例1のポリカーボネートについて炭
酸ガス濃度およびR−134aとの相溶性を上記方法に
従って試験した。
【0094】結果を第2表に示す。
【0095】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 135:22 133:12 137:04 137:02) C10N 30:00 D 8217−4H 30:02 30:04 30:06 40:16 40:30 70:00 (72)発明者 高 畑 和 紀 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記の一般式[I]で表わされるポ
    リカーボネート100重量部と、 (B)エポキシ化合物、フェノール化合物、硫黄化合物
    およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも
    1種類の化合物 0.0001〜5重量部と、 (C)亜燐酸トリエステル化合物および/または燐酸ト
    リエステル化合物0〜5重量部とを含有してなることを
    特徴とする潤滑油; R1OCOO[(R2O)pCOO]n3 …[I] [式[I]中、R1 およびR3 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜3
    0のエーテル結合を有する炭化水素基であり、 R2 は、炭素原子数2〜24のアルキレン基であり、 pは1〜100の整数であり、nは1〜10の整数であ
    る]。
  2. 【請求項2】前記潤滑油が冷凍機用潤滑油であることを
    特徴とする請求項1に記載の潤滑油。
  3. 【請求項3】フルオロカーボン水素添加物(HFC)を
    含有していることを特徴とする請求項2に記載の潤滑
    油。
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