JP2959793B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JP2959793B2 JP2044839A JP4483990A JP2959793B2 JP 2959793 B2 JP2959793 B2 JP 2959793B2 JP 2044839 A JP2044839 A JP 2044839A JP 4483990 A JP4483990 A JP 4483990A JP 2959793 B2 JP2959793 B2 JP 2959793B2
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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは、従
来より潤滑性と清浄性の要求が厳しくなった工業用ギヤ
油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油、冷凍機用潤
滑油、圧延用潤滑油、遷移用潤滑油に使用可能な潤滑
性、清浄性に優れた潤滑油基油を用いて潤滑油組成物、
特にオゾン層非破壊性のフロンR−134aなどのフルオロ
カーボン水素添加物(HFC、Hydrogenated Fluoro Carbo
n)を冷媒として使用する冷凍機用潤滑油用として最適
な潤滑油基油を用いて潤滑油組成物に関する。
発明の技術的背景 潤滑油の種類としては、工業用ギヤ油、エンジン油、
冷凍機用潤滑油、遷移用潤滑油、圧延用潤滑油などが挙
げられる。
工業用ギヤ油は近年、各種産業機械の使用環境が一段
とシビアになるに従って、潤滑性と清浄性のより高温域
までの維持が要求されてきた。特に、焼付け塗装工程、
食品のベーキング工程では潤滑性と清浄性により高い性
能が要求されてきた。このような用途には、従来より合
成炭化水素系、カルボン酸エステル系もしくはグリコー
ル系の潤滑油が使用されてきた。
しかしながら、合成炭化水素系油およびカルボン酸エ
ステル系油は、潤滑性がまた不十分なうえ、長時間の加
熱で炭化物が生成し、潤滑油としての役割を高温下では
果すことができないという問題点がある。一方、グリコ
ール系の潤滑油は、長時間の加熱による炭化物の生成が
少ないという長所はあるものの、潤滑性が不十分なう
え、吸湿性が強いため、潤滑性および耐吸湿性の改良が
望まれていた。
エンジン油では、自動車エンジンの高性能化に伴い、
より高温、より長時間の潤滑性と清浄分散性が要求され
てきた。このような要求に対して、添加剤の選択で対応
しようとすると添加剤の使用量が多くなるため、たとえ
ばマヨネーズスラッジの沈澱析出が生じるというような
弊害がある。またベース油として、鉱物油と合成炭化水
素系油やカルボン酸エステル系油とを併用する試みが従
来よりなされている。しかしながら、高温、長時間の潤
滑性と清浄分散性はともに充分でなかった。一方、上記
の自動車エンジン、すなわち4サイクルエンジン用潤滑
油と異なり、2サイクルエンジン用潤滑油は、機構上、
ガソリンに添加されて燃焼するため、特に清浄性が重要
である。従来、2サイクルエンジン用潤滑油として、ひ
まし油やポリブテンなどが使用されているが、潤滑性と
清浄性がともに充分でない。
自動車用ギヤ油、特にATF用のギヤ油などでは摩擦係
数を低くし、かつその経時変化を少なくする必要があ
る。そこで、従来は摩擦低減剤や摩擦調整剤を使用して
いる。しかしながら、これらの添加剤を含む自動車用ギ
ヤ油は、摩擦係数の経時変化が大きくなるという問題点
がある。
冷凍機用潤滑油では、冷媒ガスがオゾン層非破壊性HF
CであるフロンR−134a(CH2F-CF3)に変更されるに伴
い、従来、冷凍機用潤滑油として使用されてきた鉱物油
やアルキルベンゼン類化合物は、冷媒ガスとの相溶性が
ないため使用できなくなった。現在上記冷媒ガス冷凍機
用潤滑油としてグリコールエーテル系潤滑油が開発され
ている。
たとえば、米国特許第4,755,316号明細書には、テト
ラフルオロエタンと、分子量が300〜2000であり、37℃
動粘度が約25〜150センチストークスであるポリオキシ
アルキレングリコールとからなる圧縮冷凍機用組成物が
開示されている。
しかしながら、このようなグリコールエーテル系潤滑
油は、一般に熱安定性が不充分で、吸湿性が強く、さら
にNBRなどのゴムシール材を収縮させ硬度を高めてしま
うという欠点が指摘されている。
遷移用潤滑油では、従来、カルボン酸エステル系やグ
リコール系の潤滑油が使用されているが、潤滑性と清浄
性をともに満足することができない。
圧延用潤滑油では、従来、牛脂を主成分とする潤滑油
が使用されている。このような潤滑油は、潤滑性がよ
く、圧延効率に優れるものの、清浄性が極端に悪いため
残存する牛脂の洗浄工程が不可欠である。また圧延用潤
滑油として、カルボン酸エステル系潤滑油が使用されて
いるが、この潤滑油は、清浄性が極めて良好であるもの
の、潤滑性が悪く実用性が低い。
米国特許第3,627,810号明細書では、高級アルコール
の炭酸エステルの製造方法が界磁されており、この炭酸
エステルは作動油、潤滑油、可塑剤として有用であると
されている。
米国特許第3,657,310号明細書では、式ROCOO(AO)
nR′で表わされる炭酸エステルの製造方法が開示され
ており、この炭酸エステルは潤滑油、作動油、可塑剤と
して有用であるとされている。ただし、上記式におい
て、RおよびR′は一価の脂肪族基であり、Aは炭素原
子数2〜4のアルキレン基であり、nは1以上の整数で
ある。
欧州特許第089,709号明細書では、分子量100〜270の
高級アルコールと、低沸点のアルコール炭酸エステルと
のエステル交換によって高級アルコールの炭酸エステル
を製造する方法、およびこのような高級アルコールの炭
酸エステルを含有する潤滑油組成物が開示されている。
特開昭48−37,568号公報では、下記一般式R1O−(X
−O−CO−O)n-X-OR2(式中、R1およびR2は同種もし
くは異種のものであり、そして各々水素原子、脂肪族
基、芳香脂肪族基、もしくは芳香族基、またはアシル
基、アルコキシカルボニル基もしくはアリーロキシ基を
表わし、nは1から10までの数を表わし、そしてXは主
炭素鎖中に少なくとも2個の炭素原子を有するアルキレ
ン基を表わし、該分子鎖は場合によりシクロアルキレン
基、アルアルキレン基もしくはアリーレン基または少な
くとも1個のヘテロ原子を含む) で表わされる炭酸エステルの一つもしくはそれ以上を含
む動力伝達液が開示されている。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、潤滑性および清浄性に優
れ、かつオゾン層非破壊性フロンとの相溶性に優れるよ
うな潤滑油基油を用いて潤滑油組成物を提供することを
目的としている。
発明の要素 本発明に係る潤滑油組成物は、 下記の一般式[I] R1−O−{(R3)O}n−CO−O−R2 …[I] (式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原
子数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の炭
化水素基であり、R3は-CH2CH2基または-CH2CH(CH3)基で
あり、nは2〜100の正の整数である) で表わされるグリコールエーテルカーボネートと、フロ
ンR−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)以外の
オゾン層非破壊性フロンとを含有してなり、フロンR−
134aを含まない冷凍機用潤滑油組成物であることを特徴
としている。
本発明に係るグリコールエーテルカーボネート(潤滑
油基油)は、潤滑性および清浄性に優れ、また鉱油、エ
ステル系の潤滑油と比較して、低温での粘度を引き下げ
ることが容易であるため、工業用ギヤ油、自動車用エン
ジン油、自動車用ギヤ油、冷凍機用潤滑油、繊維用潤滑
油、圧延用潤滑油などの用途に広く用いることができ
る。
また、本発明に係るグリコールエーテルカーボネート
(潤滑油基油)は、上記のような特性に優れるだけでな
く、フロンR−134aなどのオゾン層非破壊性フロンとの
相溶性に優れているため、フロンR−134aなどのオゾン
層非破壊性フロンを冷媒として使用する冷凍機用潤滑油
として用いることができる。
本発明に係る潤滑油組成物は、上記一般式[I]で表
わされるグリコールエーテルカーボネートのほかに、フ
ロンR−134a以外のオゾン層非破壊性フロンを含有し、
フロンR−134aを含まない潤滑油を冷凍機用潤滑油とし
て用いることができる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る潤滑油組成物について具体的に説
明する。
本発明に係る潤滑油組成物は、下記の一般式[I]で
表わされる新規なグリコールエーテルカーボネートと、
フロンR−134a以外のオゾン層非破壊性フロンとを含有
してなる組成物である。
R1−O−{(R3)O}n−CO−O−R2 …[I] ただし、上記一般式[I]において、 R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の脂
肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の炭化水素基であ
り、R3は-CH2CH2基または-CH2CH(CH3)基であり、nは2
〜100の正の整数である。
ここで、R1およびR2における脂肪族炭化水素基の具体
的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、
n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イ
ソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−
ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル
基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシ
ル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソトリデ
シル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n
−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサデ
シル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、イ
ソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソオクタデ
シル基、n−ノニルデシル基、イソノニルデシル基、n
−アイコサニル基、イソアイコサニル基などを挙げるこ
とができる。
また、R1およびR2における脂環族炭化水素基の具体的
な例としては、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニ
ル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシ
ル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基な
どを挙げることができる。
さらに、R1およびR2における芳香族炭化水素基の具体
的な例としては、フェニル基、o−トリル基、p−トリ
ル基、m−トリル基、2,4−キシリル基、メシチル基、
1−ナフチル基などを挙げることができる。
さらにまた、R1およびR2における芳香脂肪族炭化水素
基の具体的な例としては、ベンジル基、メチルベンジル
基、β−フェニルエチル基(フェニネチル基)、1−フ
ェニルエチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、
p−メチルベンジル基、スチリル基、シンナミル基など
を挙げることができる。
本発明においては、上記一般式[I]におけるR1
R2、R3およびnは、目的とする用途に合わせて選択され
る。たとえば、一般式[I]で表わされるグリコールエ
ーテルカーボネートの100℃における動粘度(JIS K−22
83)が8cst近辺になるように、R1、R2、R3およびnを選
択すれば、このようなグリコールエーテルカーボネート
を含有する潤滑油組成物を、フロンR−134aなどのオゾ
ン層非破壊性フロンを冷媒として使用する冷凍機用潤滑
油として好ましく用いることができる。これは、上記の
ようなグリコールエーテルカーボネートが、−20℃とい
う低温下でもまた90℃という高温下でもオゾン層非破壊
性フロンとの相溶性に特に優れているからである。
上記のような一般式[I]で表わされるグリコールエ
ーテルカーボネートは、たとえばポリアルキレングリコ
ールモノアルキルエーテルを、比較的低沸点のアルコー
ルの炭酸エステルの過剰存在下でエステル交換させるこ
とによって製造することができるし、またホスゲン法に
よっても製造することができる。本発明においては、前
者の製造方法が、ホスゲン法のように猛毒ガスを使用す
る必要がないため、安全面で好ましい。
上記ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル
としては、具体的には、エチレングリコールモノアルキ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、テ
トラエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピ
レングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレング
リコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノアルキルエーテル、テトラプロピレングリコー
ルモノアルキルエーテルなどが挙げられる。また、上記
のようなポリアルキレングリコールの製造で副生する、
より高沸点のポリアルキレングリコールやこれらの混合
物を蒸留精製するか、または精製することなくそのまま
使用することも可能である。
さらに、一般式[I]で表わされるグリコールエーテ
ルカーボネートは、ポリアルキレングリコールの炭化水
素基の長さ、ポリアルキレングリコールの重合度を適宜
選択することによって、目的とする用途にあった粘度に
設定することができる。また、さらにポリアルキレング
リコールの炭化水素基、ポリアルキレングリコール基の
構造を選択することによって、低温特性、耐熱性、ゴム
膨潤性などの特性を任意に調整することができる。
上記のようにして得られるグリコールエーテルカーボ
ネートは、グリコールエーテル類と比較して潤滑性に優
れ、吸湿性が低く、清浄性も良好であるという特徴を有
するので、工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車
用ギヤ油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油、冷凍機用潤滑
油に使用することができる。
本発明に係る潤滑油組成物で用いられるグリコールエ
ーテルカーボネートは、潤滑油組成物全量100重量部に
対して、1〜100重量部未満、好ましくは10重量部〜100
重量部未満、さらに好ましくは20重量部〜100重量部未
満の量で存在している。また、本発明においては、上記
のようなグリコールエーテルカーボネート、すなわち、
本発明に係る潤滑油基油を単独で潤滑油として用いるこ
ともできる。
本発明に係る潤滑油組成物は、冷凍機用潤滑油として
用いられるが、特に配管、熱交換器などに銅合金が使用
されると銅腐蝕が起きないことが耐蝕上重要である。特
に銅腐蝕を起さずに、耐荷重性を上げれる添加剤として
は、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリナフチルホスフェート、トリ−α−ナフチル
ホスフェート、トリ−β−ナフチルホスフェートなどの
燐酸エステル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ヘ
キシルフェニルグリシジルエーテルなどのフェニルグリ
シジルエーテル型エポキシ化合物、エポキシ化大豆油、
エポキシ化綿実油などのエポキシ化植物油やエポキシ化
脂肪酸エステルが好ましい。
また、本発明に係る潤滑油組成物を冷凍機用潤滑油と
して用いる場合には、グリコールエーテルカーボネート
のほかに、他の使用可能な成分としてグリコールエーテ
ル類、鉱物油、たとえばニュートラルオイルやブライト
ストックなどが配合されていてもよい。また、液状ポリ
ブテンや液状デセンオリゴマーなどのα−オレフィンオ
リゴマー、アジピン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジイ
ソオクチル、セバチン酸ジラウリルなどのカルボン酸エ
ステルや植物油が配合されていてもよい。特にオゾン層
非破壊性の冷媒ガスとしてHFCたとえばフロンR−134a
(テトラフルオロエタン)を用いる冷凍機用潤滑油の場
合には、添加できる他の成分としては、相溶性の点でグ
リコールエーテル類やカルボン酸エステル類に限られ
る。しかしながら、これらの成分の添加量は、耐熱性、
フロンR−134aとの相溶性、吸水性を悪化させるため、
添加量は潤滑油組成物全量100重量%に対して60重量%
未満とする必要がある。さらに公知の潤滑油添加剤、た
とえば桜井俊男編「石油製品添加剤」(幸書房、昭和49
年発行)などに記載されている清浄分散剤、酸化防止
剤、耐荷重添加剤、油性剤、流動点降下剤などの潤滑油
添加剤が配合されていてもよい。さらにまた、冷凍機用
潤滑油組成物中に、フロンR−134aなどのオゾン層非破
壊性フロンを含有させることもできる。
また、本発明に係る潤滑油組成物を構成するグリコー
ルエーテルカーボネートを圧延用用潤滑油、金属加工
油、繊維用潤滑油などの用途に用いる場合には、従来通
常に実施されているように、適当な乳化剤を用いてグリ
コールエーテルカーボネートを水とのエマルジョンにし
て使用することも可能である。
発明の効果 本発明に係るグリコールエーテルカーボネート(潤滑
油基油)は、潤滑性および清浄性に優れ、また、鉱油、
エステル系の潤滑油と比較して、低温での粘度を引き下
げることが容易であるという効果がある。
したがって、本発明に係るグリコールエーテルカーボ
ネート(潤滑油基油)は、工業用ギヤ油、自動車用エン
ジン油、自動車用ギヤ油、冷凍機用潤滑油、遷移用潤滑
油、圧延用潤滑油などの用途に広く用いることができ
る。
また、本発明に係るグリコールエーテルカーボネート
(潤滑油基油)は、上記のような特性に優れるだけでな
く、フロンR−134aなどのオゾン層非破壊性フロンとの
相溶性に優れているため、フロンR−134aなどのオゾン
層非破壊性フロンを冷媒として使用する冷凍機用潤滑油
として用いることができるし、また冷凍機用潤滑油組成
物の一成分としてフロンR−134a以外のオゾン層非破壊
性フロンを用いることができる。
本発明に係るグリコールエーテルカーボネートおよび
そのカーボネートを含む潤滑油組成物(以下、「潤滑油
組成物等」と称する場合がある)を上記のような潤滑油
として使用した場合の具体的な効果は、以下のとおりで
ある。
(1)工業用ギヤ油 本発明に係る潤滑油組成物等は、一般の工業用ギヤ油
だけでなく、特に優れた清浄性と潤滑性が要求されるチ
ェインオイルにも使用することができる。
(2)自動車用エンジン油 本発明に係る潤滑油組成物等は、潤滑性と清浄性に優
れているため、清浄性を重視する最近のエンジン油の高
性能化の要求に応じることができる。
また本発明に係る潤滑油組成物においては、清浄分散
剤、安定剤などの添加剤の使用量を、従来の自動車エン
ジン油の場合と比較してより減量させることができるた
め、これら添加剤の使用量が多いことが原因と推定され
る。マヨネーズスラッジ保管時の不溶解分の析出といっ
た問題点も解決することができる。
さらに、本発明に係る潤滑油組成物等は、従来の2サ
イクルエンジン用潤滑油と比較して、潤滑性と清浄性が
ともに優れているため、4サイクルエンジンだけでな
く、2サイクルエンジン用のエンジン油としても使用す
ることができる。
(3)自動車用ギヤ油 本発明に係る潤滑油組成物等は、潤滑性および清浄性
に優れ、しかも摩擦係数が低く、かつその経時変化が少
ない。
(4)冷凍機用潤滑油 本発明に係る潤滑油組成物等は、特定のグリコールエ
ーテルカーボネートで構成されているため、冷媒ガスと
して用いられるオゾン層非破壊性のHFCであるフロンR
−134a(CH2F-CF3)に溶解するだけでなく、熱安定性お
よび耐吸湿性に優れ、しかもNBRなどのゴムシール材の
収縮を防止してシール効果を保持することができる。ま
た、本発明に係る潤滑油組成物等は、EPDM、SBRに対し
ても、上記と同様のシール効果を保持することから、EP
DM、SBRをゴムシール材として用いることができる。
(5)繊維用潤滑油 本発明に係る潤滑油組成物等は、従来のグリコールエ
ーテル系潤滑油と比較して、潤滑性に優れ、しかも発煙
性が少ない。
(6)圧延用潤滑油 本発明に係る潤滑油組成物等は、従来の牛脂を生成分
とする圧延用潤滑油と同等以上の潤滑性と圧延性を有す
るとともに、加熱だけで炭化することなく発揮し、しか
も清浄性に優れているため、洗浄工程を省略することが
できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における潤滑油の性能評価は、以
下の試験方法による。
(1)評価方法 a.動粘度 JIS K−2283 b.粘度指数 JIS K−2283 c.低温粘度 ASTM D 2983 d.摩擦特性 摩擦係数は、オプチモール製SRV摩擦試験機にて下記
条件で測定する。
荷重:200N、 温度:50℃、 時間:10分、 振幅:1mm、 振動数:50Hz、 試験片:ともにUSJ−2製の円板と球との組合せ 摩耗痕は、上記試験痕の円板の摩耗痕の深さを表面粗
度計(東京精密社製サーフコム200B)で測定する。
e.熱安定性 100℃ビーカーに試料20g採り100℃、6.5時間オーブン
で加熱し、試験前後の重量変化率をもって熱安定性を評
価する。変化(減少)率が小さい程優れていることを示
す。
f.清浄性 試料1gを直径5cmの軟膏蓋に採り、230℃、48時間また
は300℃、6時間加熱する。試料が残存する場合は、黒
色固形化(炭化状態)している。試験前後の重量を測定
し、試料残存率をスラッジ生成率とし、このスラッジ生
成率をもって清浄性を評価する。
g.吸湿性 100ccビーカーに試料30g採り、25℃、相対湿度75%の
恒温恒湿槽で48時間静置し、試験前後の水分濃度をカー
ルフィッシャー法で測定する。
h.ゴム膨潤性 2種のOリング(P−22)、すなわちニトリルゴム製
のOリング(JIS B 2401の1種B)と弗素ゴム製のOリ
ング(JIS B 2401の4種D)を試料20mlの入ったフラス
コに入れ、コンデンサーをつけて、120℃のオイルバス
に70時間浸漬する。終了痕Oリングを取り出し、付着試
料をよく拭ってから重量変化を求める。
i.フロンR−134aとの相溶性 内径10mm、深さ20cmの試験管に試料1ml採り、ドライ
アイス−アセトン浴で冷却しながら、フロンR−134aを
ボンベ容器からゆっくり導入し試料の量より多めに溜め
る。次にスパチュラーを入れて撹拌し、−20℃の冷媒浴
に移し、試料/フロンR−134aの容積比が1/1になった
ときの溶解性を調べる。完全に均一であれば○とし、溶
解しなければ、×とする。
実施例1 ウィドマー型蒸溜塔、攪拌機および温度計付4つ口フ
ラスコにプロピレンオキシド系グリコールエーテル(
n:1240,w/n:1.1)275g(0.22モル)と炭酸ジメチル
300g(3.3モル)をとり、系内を窒素ガスで置換した。
次いで、ナトリウム メチラート(28%メタノール溶
液)0.99gを注射器で注入して、油浴温度120℃で1時
間、全還流を行ない、生成したメタノールと炭酸ジメチ
ルの共沸組成物(共沸温度64℃)を、フラスコの塔頂よ
り抜き出した。そして、内容物の沸騰状況を見ながら油
浴温度を150℃まで上げていき、内容物のIRスペクトル
を測定し、OH基の吸収が認められなくなったときを反応
の終点とした。
次いで、減圧加熱をすることなく、この内容物に、ト
ルエン250ccとイオン交換樹脂(アンバーリスト 15E)
20gを加えて1時間撹拌した後、濾過を行なった。そし
て、この濾液を150℃、10mmHgの条件で濃縮し、生成物2
84gを得た。
生成物のIR分析の結果、水酸基は検出されなかった。
また、生成物は、GPC分析の結果とNMR分析の結果から以
下の構造を有するグリコールエーテルカーボネートであ
ることが判った。
このグリコールエーテルカーボネートの赤外吸収スペ
クトル図およびGPC図をそれぞれ第1図、第2図に示
す。
このグリコールエーテルカーボネートの潤滑油基本性
能の評価結果を表1に示す。
実施例2 実施例1において、実施例1のプロピレンオキシド系
グリコールエーテルの代わりに、nか1520、w/n
が1.1であるプロピレンオキシド系グリコールエーテル2
75g(0.18モル)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、生成物280gを得た。
生成物のIR分析の結果、水酸基は検出されなかった。
また、生成物は、GPC分析の結果とNMR分析の結果から以
下の構造を有するグリコールエーテルカーボネートであ
ることが判った。
このグリコールエーテルカーボネートの潤滑油基本性
能の評価結果を表1に示す。
比較例1 プロピレンオキシド系グリコールエーテル(n:124
0,w/n:1.1)を使用して試験した。
結果を表1に示す。
比較例2 プロピレンオキシド系グリコールエーテル(n:152
0,w/n:1.1)を使用して試験した。
結果を表1に示す。
表1より、比較例1,2と比較して、各実施例のグリコ
ールエーテルカーボネートは、フロンR−134aとの相溶
性が同様に良好で、吸湿性が少なく、ニトリルゴムの収
縮性がなく弱膨潤性のためシール性が良好であり、膨潤
性も優れていることは明らかである。また、比較例1,2
と比較して、各実施例のグリコールエーテルカーボネー
トは、膨潤性が一段と優れており、清浄性を重視する潤
滑油にも適することは明らかである。
実施例1,2のグリコールエーテルカーボネート潤滑油
およひ比較例1,2のプロピレンオキシド系グリコール
エーテル潤滑油とフロンR−134aとの相溶性を更に詳し
く調べるため、潤滑油とフロンR−134aとを割合を色々
変えてガラス管に封入し、両者が相溶する限界の温度
(臨界温度)を求めた。
その結果を表2に示す。
比較例3 現行のフロン、R−12冷凍機用潤滑油(日本サン石油
製スニソ 331)を使用して試験した。
結果を表1に示す。
この潤滑油は、オゾン層非破壊性のフロンR−134aと
は、相溶しない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られたグリコールエーテルカー
ボネートの赤外吸収スペクトル図であり、第2図は、実
施例1で得られたグリコールエーテルカーボネートのGP
C図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式 R1−O−{(R3)O}n−CO−O−R2 …[I] (式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原
    子数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の炭
    化水素基であり、 R3は、-CH2CH2基または-CH2CH(CH3)基であり、 nは2〜100の正の整数である) で表わされるグリコールエーテルカーボネートと、フロ
    ンR−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)以外の
    オゾン層非破壊性フロンとを含有してなり、フロンR−
    134aを含まない冷凍機用潤滑油組成物であることを特徴
    とする潤滑油組成物。
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