JPH08325205A - モノカーボネートおよびその用途、ならびにこのモノカーボネートを含む組成物の製造方法 - Google Patents

モノカーボネートおよびその用途、ならびにこのモノカーボネートを含む組成物の製造方法

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JPH08325205A
JPH08325205A JP8061480A JP6148096A JPH08325205A JP H08325205 A JPH08325205 A JP H08325205A JP 8061480 A JP8061480 A JP 8061480A JP 6148096 A JP6148096 A JP 6148096A JP H08325205 A JPH08325205 A JP H08325205A
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carbon atoms
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monocarbonate
hydrocarbon group
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JP8061480A
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Masahide Tanaka
正秀 田中
Tetsuo Hayashi
哲雄 林
Takashi Hayashi
剛史 林
Kimiya Mizui
公也 水井
Kunihiko Takeuchi
邦彦 竹内
Hajime Oyoshi
初 大吉
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 式(R1)nPh-O(R2O)m-CO-O-CH2-C(R3)(R4)(R5)
で表わされるモノカーボネート、およびこのモノカーボ
ネートを含有してなる潤滑油、ならびにこのモノカーボ
ネートと、2個の (R5)(R4)(R3)C-CH2- 基が炭酸結合さ
れているモノカーボネートと、2個の(R1)nPh-(OR2)m-
基が炭酸結合されているモノカーボネートとからなる組
成物の製造方法を提供する。 【解決手段】 上記のモノカーボネートは、潤滑性、清
浄性および電気絶縁性に優れ、R−134aなどのフル
オロカーボン水素添加物との相溶性に優れているため、
これらの水素添加物を冷媒として使用する電気冷蔵庫、
ルームエアコンなどの冷凍機用潤滑油として好適に用い
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規なモノカーボネート
およびその用途、ならびにこのモノカーボネートを含む
組成物の製造方法に関し、さらに詳しくは、炭酸結合が
保護されて分解されにくいモノカーボネート、および従
来より潤滑性と清浄性の要求が厳しくなった工業用ギヤ
油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油、冷凍機用潤
滑油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑油に使用可能な、潤滑
性、清浄性および電気絶縁性に優れた潤滑油、特にR−
134aなどのオゾン層非破壊性のフルオロカーボン水
素添加物(HFC 、Hydrogenated Fluoro Carbon)を冷媒
として使用する冷凍機用潤滑油として最適な潤滑油、な
らびにこのモノカーボネートを含む組成物の製造方法に
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】潤滑油の種類としては、工業用ギ
ヤ油、エンジン油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油、冷凍
機用潤滑油、トラクション油などが挙げられる。
【0003】工業用ギヤ油は、近年、各種産業機械の使
用環境が一段とシビアになるに従って、潤滑性と清浄性
のより高温域までの維持が要求されてきた。特に、焼付
け塗装工程、食品のベーキング工程では潤滑性と清浄性
により高い性能が要求されてきた。このような用途に
は、従来より合成炭化水素系、カルボン酸エステル系も
しくはグリコール系の潤滑油が使用されてきた。
【0004】しかしながら、合成炭化水素系油およびカ
ルボン酸エステル系油は、潤滑性がまだ不十分なうえ、
長時間の加熱で炭化物が生成し、潤滑油としての役割を
高温下では果すことができないという問題がある。一
方、グリコール系潤滑油は、長時間の加熱による炭化物
の生成が少ないという長所はあるものの、潤滑性が不十
分なうえ、吸湿性が強いため、潤滑性および耐吸湿性の
改良が望まれていた。
【0005】エンジン油では、自動車エンジンの高性能
化に伴い、より高温、より長時間の潤滑性と清浄分散性
が要求されてきた。このような要求に対して、添加剤の
選択で対応しようとすると添加剤の使用量が多くなるた
め、たとえばマヨネーズスラッジの沈澱析出が生じると
いうような弊害がある。またベース油として、鉱物油と
合成炭化水素系油やカルボン酸エステル系油とを併用す
る試みが従来よりなされている。しかしながら、高温、
長時間の潤滑性と清浄分散性はともに充分でなかった。
【0006】一方、上記の自動車エンジン、すなわち4
サイクルエンジン用潤滑油と異なり、2サイクルエンジ
ン用潤滑油は、機構上、ガソリンに添加されて燃焼する
ため、特に清浄性が重要である。従来、2サイクルエン
ジン用潤滑油として、ひまし油やポリブテンなどが使用
されているが、潤滑性と清浄性がともに充分でない。
【0007】自動車用ギヤ油、特にATF用のギヤ油な
どでは摩擦係数を低くし、かつその経時変化を少なくす
る必要がある。そこで、従来は摩擦低減剤や摩擦調整剤
を使用している。しかしながら、これらの添加剤を含む
自動車用ギヤ油は、摩擦係数の経時変化が大きくなると
いう問題がある。
【0008】繊維用潤滑油では、従来、カルボン酸エス
テル系やグリコール系の潤滑油が使用されているが、潤
滑性と清浄性をともに満足することができない。圧延用
潤滑油では、従来、牛脂からなる潤滑油が使用されてい
る。このような潤滑油は、潤滑性がよく、圧延効率に優
れるものの、清浄性が極端に悪いため残存する牛脂の洗
浄工程が不可欠である。また圧延用潤滑油として、カル
ボン酸エステル系潤滑油が使用されているが、この潤滑
油は、清浄性が極めて良好であるものの、潤滑性が悪く
実用性が低い。
【0009】冷凍機用潤滑油では、冷媒ガスがオゾン層
非破壊性のR−134a(CH2F−CF3 )のよう
なフルオロカーボン水素添加物に変更されるに伴い、従
来、冷凍機用潤滑油として使用されてきた鉱物油やアル
キルベンゼン類化合物は、冷媒ガスとの相溶性がないた
め使用できなくなった。現在、R−134aを冷媒ガス
として使用する冷凍機用潤滑油としてグリコールエーテ
ル系潤滑油が開発されている。
【0010】たとえば、米国特許第 4,755,316号明細書
には、テトラフルオロエタンと、分子量が300〜2,
000であり、37℃動粘度が約25〜150 cStであ
るポリオキシアルキレングリコールとからなる圧縮冷凍
機用組成物が開示されている。
【0011】しかしながら、このようなグリコールエー
テル系潤滑油は、一般に熱安定性が不充分で、吸湿性が
強く、さらにNBRなどのゴムシール材を収縮させ硬度
を高めてしまうという欠点が指摘されている。
【0012】また、近年カーエアコン用冷凍機では、コ
ンプレッサーの小型化と能力アップを可能にしたスルー
ベーン型ロータリーコンプレッサーが用いられており、
このスルーベーン型ロータリーコンプレッサー用潤滑油
としては、シール性と耐摩耗性という性能面より高粘度
の潤滑油が要求される。しかしながら、グリコールエー
テル構造を有する化合物は、一般に分子量が増大して高
粘度化すると、オゾン層非破壊性のフルオロカーボン水
素添加物との相溶性、たとえばR−134aとの相溶性
が悪化するため、構造上使用することができない。この
問題は、オゾン層非破壊性のフルオロカーボン水素添加
物だけでなく、オゾン破壊力(Ozone Depletion Potent
ial )が小さいクロロフルオロカーボン水素添加物(HC
FC、Hydrogenated Chlorofluoro Carbon)、さらにはフ
ルオロカーボン水素添加物とクロロフルオロカーボン水
素添加物との混合物についても同様である。上記フルオ
ロカーボン水素添加物の例としては、上記R−134a
のほか、R−152a(CHF2 −CH3 )、R−12
5(CHF2 −CF3 )、R−32(CH22)が挙げ
られる。またクロロフルオロカーボン水素添加物の例と
しては、R−22(CHClF2 )、R−123(CH
Cl2CF3)、R−124(CHClF−CF3 )が挙
げられる。
【0013】さらに、最近、ポリオールエステルおよび
ヒンダードエステルと称せられるカルボン酸エステル系
潤滑油が、フルオロカーボン水素添加物を冷媒として使
用する冷凍機の潤滑油として開発されている。しかしな
がら、これらの潤滑油は、加水分解もしくは熱分解によ
りカルボン酸を発生させるため、冷凍機において、カル
ボン酸による金属の腐食摩耗あるいは銅メッキ現象が起
こる。したがって、これらの潤滑油においては、冷凍機
の耐久性が問題点として挙げられている。
【0014】また、フルオロカーボン水素添加物を冷媒
として使用する冷凍機の潤滑油として、ポリカーボネー
ト系潤滑油が開発されているが、熱分解および加水分解
により炭酸ガスが発生する問題があった。炭酸ガスは、
フルオロカーボン水素添加物を冷媒として使用する通常
の冷凍機システムでは凝縮しないため、冷凍効率の低下
および圧縮過程での温度上昇を招く結果となり好ましく
ないとされている。
【0015】トラクション油では、従来、脂環式炭化水
素等がトラクションドライブの作動流体として検討され
ているが、トラクション性能や耐久性で充分とは言えな
い。
【0016】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、潤滑性、清浄
性、電気絶縁性、およびオゾン層非破壊性のフルオロカ
ーボン水素添加物との相溶性に優れるとともに、特にカ
ルボン酸および炭酸ガスの発生を抑制できる熱安定性の
高いモノカーボネート、およびこのモノカーボネートを
含有してなる潤滑油、ならびにこのモノカーボネートを
含む組成物の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0017】
【発明の概要】本発明に係る新規なモノカーボネート
は、下記の一般式[I]で表わされることを特徴として
いる。
【0018】
【化12】
【0019】[式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原
子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアル
コキシ基、炭素原子数2〜30のエーテル結合を有する
炭化水素基または炭素原子数1〜10のハロゲン原子を
有する炭化水素基であり、R2 は、それぞれ独立に、炭
素原子数2〜4のアルキレン基であり、R3 、R4 およ
びR5 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化
水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基または炭素
原子数2〜20のエーテル結合を有する炭化水素基であ
り、Phは、芳香族置換基であり、nは1〜5の整数で
あり、mは1〜30の整数である。] 本発明に係る第1の潤滑油は、前記一般式[I]で表わ
されるモノカーボネートを含有してなることを特徴とし
ている。
【0020】また、本発明に係る第1の潤滑油中に、前
記一般式[I]で表わされるモノカーボネートの他に、
下記の一般式[II]で表わされるモノカーボネートを含
有させることができる。
【0021】
【化13】
【0022】[式中、R3 、R4 およびR5 は、それぞ
れ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子
数1〜12のアルコキシ基または炭素原子数2〜20の
エーテル結合を有する炭化水素基である。] さらに、本発明に係る第1の潤滑油中に、前記の一般式
[I]で表わされるモノカーボネートおよび一般式[I
I]で表わされるモノカーボネートの他に、下記の一般
式[III] で表わされるモノカーボネートを含有させる
ことができる。
【0023】
【化14】
【0024】[式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原
子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアル
コキシ基、炭素原子数2〜30のエーテル結合を有する
炭化水素基または炭素原子数1〜10のハロゲン原子を
有する炭化水素基であり、R2 は、それぞれ独立に、炭
素原子数2〜4のアルキレン基であり、Phは、それぞ
れ独立に芳香族置換基であり、nはそれぞれ独立に、1
〜5の整数であり、mはそれぞれ独立に、1〜30の整
数である。] また、本発明に係る第2の潤滑油は、前記の一般式[I
I]で表わされるモノカーボネートと、一般式[III]
で表わされるモノカーボネートとを含有してなることを
特徴としている。
【0025】本発明に係るモノカーボネート組成物の製
造方法は、前記の一般式[I]で表わされるモノカーボ
ネートと、一般式[II]で表わされるモノカーボネート
と、一般式[III] で表わされるモノカーボネートとか
らなる組成物の製造方法であり、(a)一般式[IV] (R1 nPh−O(R2 O)mH ・・・[IV] [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
素基であり、R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜
4のアルキレン基であり、Phは、芳香族置換基であ
り、nは1〜5の整数であり、mは1〜30の整数であ
る]で表わされる芳香環含有モノアルコールと、(b)
一般式[V]
【0026】
【化15】
【0027】[式中、R3 、R4 およびR5 は、それぞ
れ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子
数1〜12のアルコキシ基または炭素原子数2〜20の
エーテル結合を有する炭化水素基である]で表わされる
モノアルコールと、(c)一般式[VI]
【0028】
【化16】
【0029】[式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立
に、炭素原子数1〜8の炭化水素基または炭素原子数2
〜8のエーテル結合を有する炭化水素基である]で表わ
されるモノカーボネートとの混合物を加熱して脱R6
Hおよび/またはR7 OHすることを特徴としている。
【0030】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るモノカーボネ
ートおよびそのモノカーボネートを用いた潤滑油、なら
びにこのモノカーボネートを含む組成物の製造方法につ
いて具体的に説明する。
【0031】まず、本発明に係るモノカーボネートにつ
いて説明する。本発明に係るモノカーボネートは、下記
の一般式[I]で表わされる。
【0032】
【化17】
【0033】式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコ
キシ基、炭素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭
化水素基または炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有
する炭化水素基であり、R2 は、それぞれ独立に、炭素
原子数2〜4のアルキレン基であり、R3 、R4 および
5 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水
素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基または炭素原
子数2〜20のエーテル結合を有する炭化水素基であ
り、Phは、芳香族置換基であり、nは1〜5の整数で
あり、mは1〜30の整数である。
【0034】上記一般式[I]におけるR1 の炭素原
子数1〜20の炭化水素基としては、具体的には、メチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシ
ル基、2,3-ジメチルブチル基、イソヘキシル基、n-ヘプ
チル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキ
シル基、イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、
n-デシル基、イソデシル基、n-ウンデシル基、イソウン
デシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、n-トリデシ
ル基、イソトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテト
ラデシル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、
n-ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n-ヘプタデシ
ル基、イソヘプタデシル基、n-オクタデシル基、イソオ
クタデシル基、n-ノニルデシル基、イソノニルデシル
基、n-アイコサニル基、イソアイコサニル基、2-(4-メ
チルペンチル)基などを挙げることができる。
【0035】また、R1 の炭素原子数1〜12のアルコ
キシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基など
を挙げることができる。
【0036】さらに、R1 の炭素原子数2〜30のエー
テル結合を有する炭化水素基としては、具体的には、エ
チレングリコールモノメチルエーテル基、エチレングリ
コールモノエチルエーテル基、エチレングリコールモノ
プロピルエーテル基、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル基、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
基、ジエチレングリコールモノエチルエーテル基、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル基、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル基、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル基、プロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル基、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル基、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
基、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル基、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル基、トリプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル基、ブチレング
リコールモノメチルエーテル基、ブチレングリコールモ
ノブチルエーテル基などを挙げることができる。
【0037】さらにまた、R1 の炭素原子数1〜10の
ハロゲン原子を有する炭化水素基としては、具体的に
は、Cl3C−基、Cl2HC−基、ClH2C−基、C
3−基、FCH2−基、HCF2CH2−基、HCF2
2CH2O−基、CF3CH2O−基、H(C24)O−
基、H(C242O−基、H(C243O−基、CF
3CHFCF2O−基などを挙げることができる。
【0038】また、一般式[I]におけるR2 のアルキ
レン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン
基およびブチレン基などを挙げることができる。R3
4 およびR5 の炭素原子数1〜20の炭化水素基とし
ては、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル
基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブ
チル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネ
オペンチル基、n-ヘキシル基、2,3-ジメチルブチル基、
イソヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オ
クチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基、1,1,
3,3-テトラメチルブチル基、n-ノニル基、イソノニル
基、n-デシル基、イソデシル基、n-ウンデシル基、イソ
ウンデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、n-トリ
デシル基、イソトリデシル基、n-テトラデシル基、イソ
テトラデシル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル
基、n-ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n-ヘプタ
デシル基、イソヘプタデシル基、n-オクタデシル基、イ
ソオクタデシル基、n-ノニルデシル基、イソノニルデシ
ル基、n-アイコサニル基、イソアイコサニル基、2-エチ
ルヘキシル基、2-(4-メチルペンチル)基などの脂肪族
炭化水素基;シクロヘキシル基、1-シクロヘキセニル
基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル
基、1-エチル-1- シクロヘキシル基、デカヒドロナフチ
ル基、トリシクロデカニル基などの脂環族炭化水素基;
フェニル基、o-トリル基、p-トリル基、m-トリル基、2,
4-キシリル基、メシチル基、p-t-ブチルフェニル基、p-
t-アミルフェニル基、p-オクチルフェニル基、p-ノニル
フェニル基、p-ドデカフェニル基、o,p-ジ-t- ブチルフ
ェニル基、o,p-ジ-t- アミルフェニル基、ベンジル基、
α,α'- ジメチルベンジル基、メチルベンジル基、β-
フェニルエチル基(フェネチル基)、1-フェニルエチル
基、1-メチル-1- フェニルエチル基、p-メチルベンジル
基、スチリル基、シンナミル基などの芳香族炭化水素基
などを挙げることができる。
【0039】R3 、R4 およびR5 の炭素原子数1〜1
2のアルコキシ基の具体例としては、上述したR1 にお
ける炭素原子数1〜12のアルコキシ基の具体例として
列挙した基と同様の基を挙げることができる。
【0040】また、R3 、R4 およびR5 の炭素原子数
2〜20のエーテル結合を有する炭化水素基としては、
たとえば下記の一般式[VII] で表わされる基を挙げる
ことができる。
【0041】 −CH2 −O−(R8 −O)p−R9 ・・・[VII] 式[VII] において、R8 は、炭素原子数1〜4のアル
キレン基であり、R9 は、炭素原子数1〜19の炭化水
素基であり、pは、0または1〜9の整数である。
【0042】上記R8 としては、具体的には、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアル
キレン基を挙げることができる。上記R9 は、脂肪族炭
化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基で
あり、これらの炭化水素基の具体的な例としては、上述
したR3 、R4 、R5 における脂肪族炭化水素基、脂環
族炭化水素基、芳香族炭化水素基の具体的な例として列
挙した基と同様の基を挙げることができる。
【0043】Phとしては、具体的には、フェニレン基
などが挙げられる。上記一般式[I]で表わされるモノ
カーボネートとしては、以下のようなモノカーボネート
が挙げられる。
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】
【化28】
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】
【化31】
【0058】
【化32】
【0059】
【化33】
【0060】(17)〜(24) 上記(1)〜(8)の式におけるR1 がCH3 O−基で
あるモノカーボネート (25)〜(32) 上記(1)〜(8)の式におけるR1 がCF3− 基であ
るモノカーボネート 上記(1)〜(32)の式におけるR3 、R4 、R5 は、
それぞれ上記の一般式[I]におけるR3 、R4 、R5
と同一の基である。また、R9 は、上記一般式[VII]
におけるR9 と同一の基であり、pは上記一般式[VI
I] におけるpと同じである。
【0061】上記のような一般式[I]で表わされるモ
ノカーボネートは、たとえば以下のような方法により製
造することができる。 (a)後述する一般式[II]
【0062】
【化34】
【0063】[式中、R3 、R4 およびR5 は、それぞ
れ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子
数1〜12のアルコキシ基または炭素原子数2〜20の
エーテル結合を有する炭化水素基である]で表わされる
モノカーボネートと、(b)一般式[IV] (R1nPh−O(R2 O)mH ・・・[IV] [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
素基であり、R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜
4のアルキレン基であり、Phは、芳香族置換基であ
り、nは1〜5の整数であり、mは1〜30の整数であ
る]で表わされる芳香環含有モノアルコールとの混合物
を、塩基触媒の存在下に加熱し、生成するモノアルコー
ルを蒸留によって反応系外に除去することにより、目的
とする上記一般式[I]で表わされるモノカーボネート
を得ることができる。
【0064】上記加熱を行なうに際し、反応器内の空気
を窒素置換することが望ましいが、窒素置換しなくても
よい。上記一般式[IV]で表わされる芳香環含有モノア
ルコール(b)としては、具体的には、次のような化合
物が挙げられる。 (1)R1−C64−O(Cx2xO)m−H [R1 =Cn2n+1(n=1〜12)、x=2〜4、m
=1〜12] (2)(R12=C63−O(Cx2xO)m−H [R1=Cn2n+1(n=1〜6)、x=2〜4、m=1
〜12] (3)CH3O−C64−O(Cx2xO)m−H [x=2〜4、m=1〜12] (4)CF3−C64−O(Cx2xO)m−H [x=2〜4、m=1〜12] 上記(1)〜(4)のCn2n+1 、Cx2xO は直鎖状
でも分岐状でもよい。
【0065】上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩
や炭酸水素塩、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキ
シド、リチウムメトキシド、セシウムメトキシド等のア
ルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウム、ナトリウ
ムアミド等のアルカリ金属化合物が好ましく用いられ
る。これらのうちでは、特に、アルカリ金属アルコラー
トが好ましい。このほか、たとえば、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、イミダゾール、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキシド等の有機アミ
ノ化合物も用いられる。これら触媒の使用量は、通常、
触媒のモル数/芳香環含有モノアルコール(b)のモル
数(モル比)が1〜10−7、好ましくは10−1〜1
0−5となる範囲で用いられる。
【0066】この方法においては、反応は、通常、50
〜300℃、好ましくは60〜200℃の温度で行なわ
れる。反応時間は、通常、0.1〜100時間、好まし
くは0.5〜30時間である。
【0067】上記のようにして得られた一般式[I]で
表わされるモノカーボネートは、清浄性、潤滑性に優れ
るとともに、その体積抵抗率が1013〜1014Ω・cm
のオーダーで、従来のポリエーテル系潤滑油と比較して
電気絶縁性が高い。また、このモノカーボネートは、上
述した一般式[I]から明らかなように、アルキル基多
置換型構造を有しているため、耐加水分解性に優れてお
り、また、カルボン酸エステル系潤滑油のようにカルボ
ン酸が発生することがなく、機械装置のカルボン酸によ
る腐食の心配もない。したがって、このモノカーボネー
トは、特に電気絶縁性が要求される潤滑油、電気絶縁油
の用途に好適に利用することができる。
【0068】また、上記のようなアルキル基多置換型構
造をもつモノカーボネートからなる、本発明に係る潤滑
油は、従来のポリカーボネート系潤滑油に比べ、カーボ
ネート化合物の分解に起因する炭酸ガスの発生を抑制す
ることができる。
【0069】したがって、本発明に係る潤滑油は、カー
エアコン、電気冷蔵庫、ルームエアコン等の冷凍機用潤
滑油、工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギ
ヤ油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油、トラクション油な
どの用途に広く用いることができる。
【0070】さらに、本発明に係る潤滑油は、上記のよ
うな特性に優れるだけでなく、R−134aなどのオゾ
ン層非破壊性フルオロカーボン水素添加物(HFC)と
の相溶性に優れている。また、本発明に係る潤滑油は、
R−22などのオゾン破壊力が小さいクロロフルオロカ
ーボン水素添加物(HCFC)との相溶性に優れ、さら
にはフルオロカーボン水素添加物とクロロフルオロカー
ボン水素添加物との混合物に対しても相溶性に優れてい
る。したがって、本発明に係る潤滑油は、上記のような
フルオロカーボン水素添加物、クロロフルオロカーボン
水素添加物、またはこれらの混合物を冷媒として使用す
る電気冷蔵庫、ルームエアコンなどの冷凍機用潤滑油と
して好適に用いることができる。
【0071】ルームエアコン用冷凍機の潤滑油に好まし
く用いられる一般式[I]で表わされるモノカーボネー
トとしては、次のような化合物が挙げられる。
【0072】
【化35】
【0073】
【化36】
【0074】
【化37】
【0075】
【化38】
【0076】
【化39】
【0077】
【化40】
【0078】
【化41】
【0079】
【化42】
【0080】
【化43】
【0081】
【化44】
【0082】
【化45】
【0083】
【化46】
【0084】
【化47】
【0085】
【化48】
【0086】
【化49】
【0087】
【化50】
【0088】
【化51】
【0089】
【化52】
【0090】
【化53】
【0091】
【化54】
【0092】
【化55】
【0093】また、本発明に係る潤滑油中に、前記一般
式[I]で表わされるモノカーボネートの他に、下記の
一般式[II]で表わされるモノカーボネートを含有させ
ることができる。
【0094】
【化56】
【0095】式[II]中、R3 、R4 およびR5 は、前
記一般式[I]におけるR3 、R4、R5 と同じであ
る。上記一般式[II]で表わされるモノカーボネートと
しては、以下のようなモノカーボネートが挙げられる。
【0096】
【化57】
【0097】
【化58】
【0098】
【化59】
【0099】
【化60】
【0100】
【化61】
【0101】
【化62】
【0102】
【化63】
【0103】上記(2)〜(7)の式におけるR3 、R
4 およびR5 は、それぞれ独立に、上記一般式[I]に
おけるR3 、R4 およびR5 と同一の基である。また、
9は、上記一般式[VII] におけるR9 と同一の基で
あり、pは、上記一般式[VII] におけるpと同じであ
る。
【0104】上記のような一般式[II]で表わされるモ
ノカーボネートは、たとえば以下のような方法により製
造することができる。 (a)一般式[V]
【0105】
【化64】
【0106】[式中、R3 、R4 およびR5 は、前記一
般式[II]におけるR3 、R4 およびR5 と同一の基で
ある]で表わされるモノアルコールと、(b)一般式
[VI]
【0107】
【化65】
【0108】[式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立
に、炭素原子数1〜8の炭化水素基または炭素原子数2
〜8のエーテル結合を有する炭化水素基である]で表わ
されるモノカーボネートとの混合物を、塩基触媒の存在
下に加熱し、生成するR6 OHおよび/またはR7OH
と未反応の上記一般式[VI]で表わされるモノカーボネ
ートを蒸留によって反応系外に除去することにより、目
的とする上記一般式[II]で表わされるモノカーボネー
トを得ることができる。
【0109】上記加熱を行なうに際し、反応器内の空気
を窒素置換することが望ましいが、窒素置換しなくても
よい。上記一般式[V]で表わされるモノアルコール
(a)としては、具体的には、次のような化合物が挙げ
られる。CH3−C(CH32−CH2OH、CH3−C
(C252−CH2OH、CH3−C(C372−CH
2OH、CH3−C(C492−CH2OH、C25−C
(C252−CH2OH、C25−C(CH32−CH
2OH、C25−C(C372−CH2OH、C25
C(C492−CH2OH、C37−C(C372
CH2OH、C37−C(C252−CH2OH、C3
7−C(C492−CH2OH、C1021−C(C10
212−CH2OH、C1939−C(C19392−CH2
OH、C2041−C(C20412−CH2OH、CH30
CH2−C(CH32−CH2OH、CH30OCH2−C
(C252−CH2OH、CH3OCH2−C(C37
2−CH2OH、CH3OCH2−C(C492−CH2
H、C25OCH2−C(C252−CH2OH、C2
5OCH2−C(C372−CH2OH、C25OCH2
−C(C492−CH2OH、C37OCH2−C(C3
72−CH2OH、C37OCH2−C(C492
CH2OH、C1021OCH2−C(C10212−CH2
OH、C2041OCH2−C(C20412−CH2
H、CH3OCH2CH2OCH2−C(CH32−CH2
OH、CH3OCH2CH2OCH2−C(C252−C
2OH、CH3OCH2CH2OCH2−C(C372
CH2OH、C25OCH2CH2OCH2−C(C25
2−CH2OH、C25OCH2CH2OCH2−C(C3
72−CH2OH、C37OCH2CH2OCH2−C(C
372−CH2OH、C37OCH2CH2OCH2−C
(C492−CH2OH、CH3−(C25)C(C3
7)−CH2OH、C25−(C37)C(C49)−C
2OH、C37−(C49)C(C511)−CH2
H、C1021−(C1123)C(C1225)−CH2
H、C1837−(C1939)C(C2041)−CH2
H、CH3OCH2−(CH3)C(C25)−CH2
H、CH3OCH2−(C25)C(C37)−CH2
H、CH3OCH2−(C37)C(C49)−CH2
H、CH3OCH2CH2OCH2−(CH3)C(C
25)−CH2OH、CH3OCH2CH2OCH2−(C2
5)C(C37)−CH2OH、C25OCH2CH2
CH2−(C25)C(C37)−CH2OH、C25
CH2CH2OCH2−(C37)C(C49)−CH2
H、C37OCH2CH2OCH2−(C37)C(C4
92−CH2OH、C49O−C(CH32−CH2
H、C511O−C(CH32−CH2OH、C611
O−C(CH32−CH2OH[式中のC611−は、シ
クロヘキシル基である]、C611−CH2−O−C(C
32−CH2OH[式中のC611−は、シクロヘキシ
ル基である]、C610(C25)−CH2−O−C(C
32−CH2OH[式中のC610(C25)−は、シ
クロヘキシル基の1の位置の水素原子がエチル基で置換
されている基である]、C65−CH2−O−C(C
32−CH2OH[式中のC65−は、フェニル基で
ある]、C817−O−C(CH32−CH2OH、C4
9−O−C(C252−CH2OH、C611−O−C
(C252−CH2OH[式中のC611−は、シクロ
ヘキシル基である)、C817−O−C(C252−C
2OH、C49−O−(C25)C(C49)−CH2
OH、C611−O−CH2−(C25)C(C49)−
CH2OH[式中のC611−は、シクロヘキシル基であ
る)、C817−O−CH2−(C25)C(C49)−
CH2OH、(C49OCH22=C(CH3)−CH2
OH、(C49OCH22=C(C25)−CH2
H、(C49OCH23C−CH2OH、(C49OC
2CH2OCH22=C(CH3)−CH2OH、(C4
9OCH2CH2OCH23C−CH2OHなどが挙げら
れる。
【0110】また、上記一般式[VI]で表わされるモノ
カーボネート(b)としては、具体的には、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボ
ネート、ジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネー
ト、ジ-2- エチルヘキシルカーボネート、ジメトキシエ
チルカーボネート、[CH3OC2H4OC2H4O]2CO などが挙げ
られる。中でも、ジメチルカーボネートが好ましく用い
られる。
【0111】上記一般式[V]において、R3 、R4
たはR5 に一般式[VII] のエーテル結合を含むモノア
ルコール(a)の合成は、たとえば下記のような方法で
行なうことができる。
【0112】まず、(c)一般式[VIII]
【0113】
【化66】
【0114】[式中、R8 およびpは、それぞれ上記一
般式[VII] におけるR8 、pと同一であり、qは、1
〜3の整数である。またR10は、上述のR3 、R4 また
はR5と同一で、R10が複数の場合、R10は同一であっ
てもよいし、また異なっていてもよい。]で表わされる
アルコールと、(d)炭素原子数1〜19の前記一般式
[VII] におけるR9 に対応するオレフィンとを酸触媒
の存在下で反応させて、一般式[VIII]の水酸基にこの
オレフィンを付加させる。
【0115】次いで、酸触媒をろ過し、必要であればさ
らにアルカリを用いて中和する。その後、蒸留により上
記一般式[V]で表わされるモノアルコール(a)を得
る。反応時間は0.1〜300時間、好ましくは0.2
〜50時間、さらに好ましくは1〜10時間であり、反
応温度は0〜300℃、好ましくは10〜100℃、さ
らに好ましくは20〜60℃である。
【0116】上記反応に用いられる酸触媒としては、一
般的な無機酸、有機酸、酸性イオン交換樹脂、固体酸お
よびルイス酸が挙げられる。また、溶媒も必要であれば
用いることができる。溶媒は、(溶媒重量)/(上記
(c)のアルコールの重量)の比が0.2〜100、好
ましくは1〜10の範囲内になる量で用いられる。溶媒
は、反応に悪影響を及ぼさない限り、どのような溶媒で
も用いることができる。
【0117】上記(c)のアルコールと上記(d)のオ
レフィンとのモル比は、[(d)のモル数]/
[((c)のモル数)×(q+1)]が0.1〜10、
好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは0.8〜3の
範囲である。
【0118】上記塩基触媒の具体例は、前述した一般式
[I]で表わされるモノカーボネートの製造で用いられ
る塩基触媒の具体例と同じである。触媒の使用量は、通
常、触媒のモル数/上記モノアルコール(a)のモル数
(モル比)が10−1〜10−7、好ましくは10-2
10-5となる範囲で用いられる。
【0119】この方法においては、反応は、通常、50
〜300℃、好ましくは60〜200℃の温度で行なわ
れる。反応時間は、通常、0.5〜200時間、好まし
くは1〜100時間である。
【0120】上記のようにして得られる一般式[II]で
表わされるモノカーボネートは、前述した一般式[I]
で表わされるモノカーボネートと同様の優れた特性を有
している。
【0121】ルームエアコン用冷凍機の潤滑油に好まし
く用いられる一般式[II]で表わされるモノカーボネー
トとしては、次のような化合物が挙げられる。
【0122】
【化67】
【0123】
【化68】
【0124】
【化69】
【0125】
【化70】
【0126】
【化71】
【0127】
【化72】
【0128】
【化73】
【0129】
【化74】
【0130】
【化75】
【0131】
【化76】
【0132】
【化77】
【0133】
【化78】
【0134】
【化79】
【0135】
【化80】
【0136】
【化81】
【0137】
【化82】
【0138】本発明に係る潤滑油が、一般式[I]で表
わされるモノカーボネートと一般式[II]で表わされる
モノカーボネートとを含有している場合、両モノカーボ
ネートの合計量100重量部に対して、一般式[I]で
表わされるモノカーボネートは、98〜5重量部、好ま
しくは95〜10重量部、さらに好ましくは90〜30
重量部の割合で用いられ、一般式[II]で表わされるモ
ノカーボネートは、95〜2重量部、好ましくは90〜
5重量部、さらに好ましくは70〜10重量部の割合で
用いられる。
【0139】さらに、本発明に係る潤滑油中に、前記の
一般式[I]で表わされるモノカーボネートおよび一般
式[II]で表わされるモノカーボネートの他に、下記の
一般式[III] で表わされるモノカーボネートを含有さ
せることができる。
【0140】
【化83】
【0141】式[III] 中、R1 は、それぞれ独立に、
炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12
のアルコキシ基、炭素原子数2〜30のエーテル結合を
有する炭化水素基または炭素原子数1〜10のハロゲン
原子を有する炭化水素基であり、R2 は、それぞれ独立
に、炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、Phは、
それぞれ独立に芳香族置換基であり、nはそれぞれ独立
に、1〜5の整数であり、mはそれぞれ独立に、1〜3
0の整数である。
【0142】上記一般式[III] で表わされるモノカー
ボネートとしては、以下のようなモノカーボネートが挙
げられる。
【0143】
【化84】
【0144】
【化85】
【0145】
【化86】
【0146】
【化87】
【0147】上記(1)〜(4)のCn2n+1 、Cx
2xO は直鎖状でも分岐状でもよい。上記のような一般
式[III] で表わされるモノカーボネートは、たとえば
以下のような方法により製造することができる。 (a)前述した一般式[IV] (R1nPh−O(R2O)mH ・・・[IV] [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
素基であり、R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜
4のアルキレン基であり、Phは、芳香族置換基であ
り、nは1〜5の整数であり、mは1〜30の整数であ
る]で表わされる芳香環含有モノアルコールと、(b)
一般式[VI]
【0148】
【化88】
【0149】[式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立
に、炭素原子数1〜8の炭化水素基または炭素原子数2
〜8のエーテル結合を有する炭化水素基である]で表わ
されるモノカーボネートとの混合物を、塩基触媒の存在
下に加熱しながら、生成するR6 OHおよび/またはR
7 OHと未反応の上記一般式[VI]で表わされるモノカ
ーボネートを蒸留によって反応系外に除去することによ
り、目的とする上記一般式[III] で表わされるモノカ
ーボネートを得ることができる。
【0150】上記加熱を行なうに際し、反応器内の空気
を窒素置換することが望ましいが、窒素置換しなくても
よい。上記一般式[IV]で表わされる芳香環含有モノア
ルコール(a)の具体例は、一般式[I]で表わされる
モノカーボネートの製造で上述した通りである。
【0151】また、上記一般式[VI]で表わされるモノ
カーボネート(b)の具体例は、一般式[II]で表わさ
れるモノカーボネートの製造で上述した通りである。上
記塩基触媒の具体例は、前述した一般式[I]で表わさ
れるモノカーボネートの製造で用いられる塩基触媒の具
体例と同じである。触媒の使用量は、通常、触媒のモル
数/芳香環含有モノアルコール(a)のモル数(モル
比)が10-1〜10-7、好ましくは10-2〜10-5とな
る範囲で用いられる。
【0152】この方法においては、反応は、通常、50
〜300℃、好ましくは60〜200℃の温度で行なわ
れる。反応時間は、通常、0.5〜200時間、好まし
くは1〜100時間である。
【0153】上記のようにして得られる一般式[III]
で表わされるモノカーボネートは、前述した一般式
[I]で表わされるモノカーボネートと同様の優れた特
性を有している。
【0154】ルームエアコン用冷凍機の潤滑油に好まし
く用いられる一般式[III] で表わされるモノカーボネ
ートとしては、次のような化合物が挙げられる。
【0155】
【化89】
【0156】
【化90】
【0157】
【化91】
【0158】
【化92】
【0159】
【化93】
【0160】
【化94】
【0161】
【化95】
【0162】
【化96】
【0163】
【化97】
【0164】
【化98】
【0165】
【化99】
【0166】
【化100】
【0167】
【化101】
【0168】
【化102】
【0169】
【化103】
【0170】
【化104】
【0171】本発明に係る潤滑油が、一般式[I]で表
わされるモノカーボネート、一般式[II]で表わされる
モノカーボネート、および一般式[III] で表わされる
モノカーボネートを含有している場合、この3種類のモ
ノカーボネートの合計量100重量部に対して、一般式
[I]で表わされるモノカーボネートは、94〜5重量
部、好ましくは90〜10重量部、さらに好ましくは8
0〜10重量部の割合で用いられ、一般式[II]で表わ
されるモノカーボネートは、92〜3重量部、好ましく
は85〜5重量部、さらに好ましくは70〜10重量部
の割合で用いられ、一般式[III] で表わされるモノカ
ーボネートは、90〜3重量部、好ましくは80〜5重
量部、さらに好ましくは70〜10重量部の割合で用い
られる。
【0172】また、一般式[I]で表わされるモノカー
ボネートと、一般式[II]で表わされるモノカーボネー
トと、一般式[III] で表わされるモノカーボネートか
らなる組成物は、たとえば以下のような方法により製造
することができる。 (a)前述した一般式[IV] (R1nPh−O(R2O)mH ・・・[IV] [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
素基であり、R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜
4のアルキレン基であり、Phは、芳香族置換基であ
り、nは1〜5の整数であり、mは1〜30の整数であ
る]で表わされる芳香環含有モノアルコールと、(b)
前述した一般式[V]
【0173】
【化105】
【0174】[式中、R3 、R4 およびR5 は、それぞ
れ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子
数1〜12のアルコキシ基または炭素原子数2〜20の
エーテル結合を有する炭化水素基である]で表わされる
モノアルコールと、(c)一般式[VI]
【0175】
【化106】
【0176】[式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立
に、炭素原子数1〜8の炭化水素基または炭素原子数2
〜8のエーテル結合を有する炭化水素基である]で表わ
されるモノカーボネートとの混合物を、塩基触媒の存在
下に加熱しながら、生成するR6 OHおよび/またはR
7 OHと未反応の上記一般式[VI]で表わされるモノカ
ーボネートを蒸留によって反応系外に除去しながら、反
応率90%以上まで反応させる。反応率90%以上と
は、上記生成するR6 OHおよび/またはR7 OHが上
記一般式[IV]で表わされる芳香環含有モノアルコール
(a)のモル数の0.9倍モル以上生成するまで、反応
させることをいう。
【0177】なお、上記反応を行なうに際し、反応器内
の空気を窒素置換することが望ましいが、窒素置換しな
くてもよい。次いで、上記のようにして得られた反応生
成物を水洗し塩基触媒を除去した後、脱水して目的のモ
ノカーボネート組成物を得る。
【0178】一般式[IV]で表わされる芳香環含有モノ
アルコール(a)の具体例、一般式[V]で表わされる
モノアルコール(b)の具体例、および一般式[VI]で
表わされるモノカーボネート(c)については、前述し
た通りである。
【0179】上記塩基触媒の具体例は、前述した一般式
[I]で表わされるモノカーボネートの製造で用いられ
る塩基触媒の具体例と同じである。触媒の使用量は、通
常、触媒のモル数/上記モノアルコール(b)のモル数
(モル比)が10-1〜10-7、好ましくは10-2〜10
-5となる範囲で用いられる。
【0180】この方法においては、反応は、通常、50
〜300℃、好ましくは60〜200℃の温度で行なわ
れる。反応時間は、通常、0.5〜200時間、好まし
くは1〜100時間である。
【0181】反応終了後の触媒の除去は、水洗または酸
で中和することによって行なわれる。酸としては、スル
ホン酸型イオン交換樹脂等の固体酸;炭酸、塩化アンモ
ニウム、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、フェノ
ール等の有機酸が用いられる。また、上記水洗において
は、炭酸アンモニウムのような塩を添加してもよい。
【0182】また、上記のような触媒の除去処理を行な
う前に、塩基性物質を含有しているカーボネート化合物
に、必要に応じて非極性溶媒を加えてもよい。上記の非
極性溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の
芳香族炭化水素化合物、ヘキサン、オクタン等の脂肪族
炭化水素化合物、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素化
合物などが挙げられる。
【0183】この方法によれば、このように、塩基触媒
を除去した後、水ないし上記非極性溶媒および微量の未
反応のジメチルカーボネートを減圧下に蒸留除去するこ
とによって目的とする前記モノカーボネート組成物を得
ることができる。
【0184】本発明に係る潤滑油中に、一般式[II]お
よび[III] で表わされるモノカーボネート以外の他の
モノカーボネートを、本発明の目的を損なわない範囲で
配合することができる。
【0185】このようなモノカーボネートとしては、た
とえば次のような化合物が挙げられる。
【0186】
【化107】
【0187】
【化108】
【0188】
【化109】
【0189】
【化110】
【0190】本発明においては、上述した一般式[II]
で表わされるモノカーボネートと一般式[III] で表わ
されるモノカーボネートとを混合して潤滑油とすること
ができる。本発明に係る潤滑油が、一般式[II]で表わ
されるモノカーボネートと、一般式[III] で表わされ
るモノカーボネートとからなる場合、この2種類のモノ
カーボネートの合計量100重量部に対して、一般式
[II]で表わされるモノカーボネートは、95〜5重量
部、好ましくは90〜10重量部、さらに好ましくは8
5〜15重量部の割合で用いられ、一般式[III] で表
わされるモノカーボネートは、90〜3重量部、好まし
くは80〜10重量部、さらに好ましくは70〜15重
量部の割合で用いられる。
【0191】また、本発明に係る潤滑油は、前述した一
般式[I]で表わされるモノカーボネート、一般式[I
I]で表わされるモノカーボネート、または一般式[II
I] で表わされるモノカーボネートのほかに、他の成分
を含めることができる。
【0192】たとえば、本発明に係る潤滑油を工業用ギ
ヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油として用い
る場合には、他の使用可能な成分として鉱物油、たとえ
ばニュートラルオイル、ブライトストックなどが配合さ
れていてもよい。
【0193】また液状ポリブテン、液状デセンオリゴマ
ー等のα- オレフィンオリゴマー;アジピン酸ジイソオ
クチル、セバチン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジラウ
リル、ペンタエリスリトール等の2-エチルヘキサン酸テ
トラエステル;トリメチロールプロパンのヘキサン酸ト
リエステル等のカルボン酸エステル;植物油などが潤滑
油に配合されていてもよい。
【0194】また、本発明の潤滑油を冷凍機油として使
用する場合において、その耐摩耗性、耐荷重性をさらに
改良するために、リン酸エステル、塩素化リン酸エステ
ル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン
塩、第三級ホスファイト、および第二級ホスファイトか
らなる群から選ばれる少なくとも1種のリン化合物を配
合することができる。これらのリン化合物は、リン酸ま
たは亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコー
ルとのエステルあるいはこの誘導体である。
【0195】リン酸エステルとしては、具体的には、ト
リブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェートなどが挙げられる。塩素化リン
酸エステルとしては、具体的には、トリスクロロエチル
ホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェートな
どが挙げられる。
【0196】酸性リン酸エステルとしては、具体的に
は、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッ
ドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、2-エチ
ルヘキシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホ
スフェート、テトラデシルアシッドホスフェート、ペン
タデシルアシッドホスフェート、ヘキサデシルアシッド
ホスフェート、ヘプタデシルアシッドホスフェート、オ
クタデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッド
ホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェート、
オレイルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
【0197】酸性リン酸エステルのアミン塩としては、
具体的には、前記酸性リン酸エステルのオクチルアミ
ン、オレイルアミン、ココナッツアミン、牛脂アミンな
どが挙げられる。
【0198】第三級ホスファイトとしては、具体的に
は、トリフェニルホスファイト、トリクジルホスファイ
ト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイ
ソデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、
トリラウリルホスファイトなどが挙げられる。
【0199】第二級ホスファイトとしては、具体的に
は、ジ-2- エチルヘキシルハイドロジェンホスファイ
ト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、ジオレイ
ルハイドロジェンホスファイトなどが挙げられる。
【0200】これらのリン化合物は、単独で、または組
合わせて用いることができる。これらのリン化合物は、
潤滑油全量に対し、0.0005〜10.0重量%、好
ましくは0.001〜5.0重量%の割合で配合するこ
とが望ましい。
【0201】さらに、本発明では、公知の潤滑油添加
剤、たとえば桜井俊男編「石油製品添加剤」(幸書房、
昭和49年発行)などに記載されている清浄分散剤、酸
化防止剤、耐荷重添加剤、油性剤、流動点降下剤などの
潤滑油添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で、潤
滑油に含めることができる。特にオゾン層非破壊性の冷
媒ガスとしてHFCたとえばR−134a、R−12
5、R−32等を用いる冷凍機用潤滑油の場合には、添
加できる他の成分としては、相溶性の点でアセタール
類、グリコールエーテル類およびカルボン酸エステル類
に限られる。しかしながら、これらの成分は、耐熱性、
R−134aとの相溶性、吸水性を悪化させるため、こ
れらの成分の添加量は潤滑油全量100重量%に対して
60重量%未満とする必要がある。
【0202】また、塩素系冷媒の混入に対する塩素補足
剤としてのエポキシ化合物、フェノール系安定剤、消泡
剤を、本発明に係る潤滑油に配合することもできる。ま
た、冷凍機用潤滑油中に、R−134aなどのフルオロ
カーボン水素添加物、R−22などのクロロフルオロカ
ーボン水素添加物、さらにはこれらの混合物を含有させ
ることもできる。
【0203】また、本発明に係る潤滑油を圧延用潤滑
油、金属加工油、繊維用潤滑油などの用途に用いる場合
には、従来通常に実施されているように、適当な乳化剤
を用いて一般式[I]、[II]または[III] で表わさ
れるモノカーボネートを水とのエマルジョンにして使用
することも可能である。
【0204】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例におけるカーボネートの分析と
潤滑油の性能評価は、以下の試験方法による。 (1) カーボネート化合物の化学式 IR分析、プロトンNMR分析 (2) 評価方法 a.動粘度 JIS K−2283 b.耐荷重値 耐荷重値は、ファレックス(Falex )試験機を用い、2
50 lbf の荷重で5分間慣らし運転した後、加重し
ていき、焼付きが生じたときの荷重値を求め、この値を
耐荷重値とする。 c.炭酸ガス濃度の測定法 上部にガスクロマトグラフィーの試料注入口をガスサン
プリング口として溶接により取り付けた50ccオート
クレーブに、試料油25gを充填し、窒素雰囲気下で密
封する。
【0205】次いで、そのオートクレーブを200℃の
恒温油槽を用いて加熱し、加熱開始して7時間後に、ガ
スシリンジで、ガスサンプリング口からオートクレーブ
内部の気層ガス1ccを採取し、ガスクロマトグラフィ
ーにより、試験油より発生したCO2 濃度を測定す
る。
【0206】カラム:AC 6M カラム温度:165℃ キャリアガスの種類および供給速度:He、40ml/
分 検出器:TCD(熱伝導度検出器) d.混合フルオロカーボン水素添加物(R−134a/
R−32/R−125=60/30/10の混合ガス)
との相溶性 (1) 内径10mm、深さ20cmの試験管に試料1ml
を採り、ドライアイス−アセトン浴で冷却しながら、上
記混合フルオロカーボン水素添加物をボンベ容器からゆ
っくり導入し試料の量より多めに溜める。次にスパチュ
ラーを入れて攪拌し、−10℃の冷媒浴に移し、試料/
混合フルオロカーボン水素添加物の容積比が1/1にな
ったときの溶解性を調べる。完全に均一であれば○と
し、溶解しなければ、×とする。
【0207】(2) カーボネート生成物と混合フルオロカ
ーボン水素添加物との相溶性を更に詳しく調べるため、
潤滑油と混合フルオロカーボン水素添加物との割合を色
々変えてガラス管に封入し、両者が相溶する限界の温度
(臨界温度)を求める。
【0208】比較例1 平均分子量886のポリプロピレングリコールモノブチ
ルエーテル250gと、30倍モル比、過剰のジエチル
カーボネート999gと、28重量%のNaOCH3
のメタノール溶液(触媒)1.0gとの混合物を80〜
120℃で加熱し、生成するエタノールを留去しながら
反応させて、下記の化学式で表わされるモノカーボネー
ト260gを得た。
【0209】 C49O−(C36O)n−CO−OC25 (平
均n値=14) 得られたモノカーボネートの潤滑油基本性能の評価結果
を第1表に示す。電気冷蔵庫およびルームエアコン用潤
滑油では、電気絶縁性として、体積抵抗率で1012Ω
・cm以上、好ましくは1013Ω・cm以上あること
が要求されている。しかしながら、第1表より明らかな
ように、この比較例1で得られたモノカーボネートは、
体積抵抗率が2×1011Ω・cmで低いため、電気冷
蔵庫およびルームエアコン用潤滑油には適していない。
【0210】比較例2 平均分子量250のパライソオクチルフェノールのエチ
レンオキサイド1モル付加体250gと、10倍モル
比、過剰のジメチルカーボネート900gと、28重量
%のNaOCH3 のメタノール溶液(触媒)1.0g
との混合物を70〜90℃で加熱し、生成するメタノー
ルを留去しながら反応させて、下記の化学式で表わされ
るモノカーボネート255gを得た。
【0211】
【化111】
【0212】得られたモノカーボネートの潤滑油基本性
能の評価結果を第1表に示す。
【0213】比較例3〜比較例8 上記比較例1、2に準じた製法により、各々下記化学式
で表されるカーボネートを得た。
【0214】比較例3のカーボネート、
【化112】
【0215】比較例4のカーボネート、
【化113】
【0216】比較例5のカーボネート、
【化114】
【0217】比較例6のカーボネート、
【化115】
【0218】比較例7のカーボネート、
【化116】
【0219】比較例8のカーボネート、
【化117】
【0220】得られた上記各モノカーボネートの潤滑油
基本性能の評価結果を表1に示す。
【0221】参考例1 容量5リットルのフラスコに、ネオペンチルグリコール
1,510g、ジオキサン2,200g、触媒(オルガ
ノ社製:アンバーリスト15)100gを仕込んだ後、
イソブテンを室温で供給しながら5時間反応を行なっ
た。
【0222】次いで、上記反応終了後に触媒を除去した
後、蒸留分離を行ない、ネオペンチルグリコールモノt-
ブチルエーテル1,200gを得た。次いで、10段
シーブトレー式蒸留装置を備えた容量3リットルのフラ
スコに、ネオペンチルグリコールモノt- ブチルエーテ
ル1,171g(7.3モル)、ジメチルカーボネート
658g(7.3モル)および28重量%のNaOCH
3のメタノール溶液3.1g(0.02モル)を仕込ん
だ。
【0223】次いで、この混合物を常圧下に100〜1
70℃で5時間加熱し、その後700〜11mmHgの
減圧下に170℃で4時間加熱し、生成するメチルアル
コールと未反応のジメチルカーボネートを留出した。続
いて10mmHgの減圧下に180℃で蒸留を継続し、
下記の構造の分解されにくいモノカーボネート(ヒンダ
ード型モノカーボネート)1,180gを得た。
【0224】
【化118】
【0225】得られたモノカーボネートの潤滑油基本性
能の評価結果を表1に示す。
【0226】参考例2 容量5リットルのフラスコに、2-エチル-2- ブチル-1,3
- プロパンジオール1,500g、ジオキサン2,20
0g、触媒(オルガノ社製:アンバーリスト15)10
0gを仕込んだ後、イソブテンを室温で供給しながら5
時間反応を行なった。
【0227】次いで、上記反応終了後に触媒を除去した
後、蒸留分離を行ない、2-エチル-2- ブチル-1,3- プロ
パンジオールモノt-ブチルエーテル1,305gを得
た。次いで、10段シーブトレー式蒸留装置を備えた容
量2リットルのフラスコに、2-エチル-2- ブチル-1,3-
プロパンジオールモノt-ブチルエーテル946g(4.
4モル)、ジメチルカーボネート390g(4.3モ
ル)および28重量%のNaOCH3 のメタノール溶
液1.5g(0.008モル)を仕込んだ。
【0228】次いで、この混合物を300〜10mmH
gの減圧下に180〜190℃で5時間加熱し、生成す
るメチルアルコールと未反応のジメチルカーボネートを
留出した。続いて5mmHgの減圧下に190℃で蒸留
を継続し、下記の構造のモノカーボネート(ヒンダード
型モノカーボネート)908gを得た。
【0229】
【化119】
【0230】得られたモノカーボネートの潤滑油基本性
能の評価結果を表1に示す。
【0231】参考例3 10段シーブトレー式蒸留装置を備えた容量3リットル
のフラスコに、パラ-t- ブチルフェノールのエチレンオ
キサイド1モル付加体703g、ジメチルカーボネート
666gおよび28重量%のNaOCH3 のメタノー
ル溶液1.3gを仕込んだ。
【0232】次いで、この混合物を常圧下に90〜17
0℃で5時間加熱し、その後700〜11mmHgの減
圧下に170℃で4時間加熱し、生成するメチルアルコ
ールと未反応のジメチルカーボネートを留出し、下記の
構造のモノカーボネート726gを得た。
【0233】
【化120】
【0234】得られたモノカーボネートの潤滑油基本性
能の評価結果を表1に示す。
【0235】実施例1 容量5リットルのフラスコに、パラ-t- ブチルフェノー
ルのエチレングリコール1モル付加体721g、参考例
1で合成したヒンダード型モノカーボネート3,868
gおよび28重量%のNaOCH3 のメタノール溶液
3.6gを仕込んだ。
【0236】次いで、この混合物を3mmHgの減圧下
に160〜190℃で5時間加熱し、生成するネオペン
チルグリコールモノt-ブチルエーテルを留出した。反応
率は98%であった。このようにして得られた反応混合
物を水洗し脱触媒した後、過剰の参考例1で合成したヒ
ンダード型モノカーボネートを留去し、下記の構造のモ
ノカーボネートを留出させて927g得た。
【0237】
【化121】
【0238】なお、上記モノカーボネートのIR及び1
H−NMR吸収特性スペクトルは下記の通りであった。1 H−NMR(CDCl3) 0.9ppm 1.3 3.8ー4.2 6.8ー7.5 IR νC−H 2800ー3100cmー1 δC−H 1350ー1510 νC=O 1740 νC−O 1180ー1300 νC−OーC 1080 得られたモノカーボネートの潤滑油基本性能の評価結果
を表1に示す。
【0239】実施例2 容量3リットルのフラスコに、パラ-t- アミルフェノー
ルのエチレングリコール1モル付加体208g、参考例
1で合成したヒンダード型モノカーボネート2,003
gおよび28重量%のNaOCH3 のメタノール溶液
3.2gを仕込んだ。
【0240】次いで、この混合物を3mmHgの減圧下
に160〜190℃で5時間加熱し、生成するネオペン
チルグリコールモノt-ブチルエーテルを留出した。反応
率は98%であった。このようにして得られた反応混合
物を水洗し脱触媒した後、過剰の参考例1で合成したヒ
ンダード型モノカーボネートを留去し、下記の構造のモ
ノカーボネートを留出させて340g得た。
【0241】
【化122】
【0242】なお、上記モノカーボネートのIR及び1
H−NMR吸収特性スペクトルは下記の通りであった。1 H−NMR(CDCl3) 0.9ppm 1.3 1.5ー2.0 3.8ー4.2 6.8ー7.5 IR νC−H 2800ー3100cmー1 δC−H 1350ー1520 νC=O 1740 νC−O 1180ー1300 νC−OーC 1080 得られたモノカーボネートの潤滑油基本性能の評価結果
を表1に示す。
【0243】実施例3 容量3リットルのフラスコに、パラ-sec- ブチルフェノ
ールのエチレングリコール1モル付加体354g、参考
例1で合成したヒンダード型モノカーボネート2,51
8gおよび28重量%のNaOCH3 のメタノール溶液
1.8gを仕込んだ。
【0244】次いで、この混合物を3mmHgの減圧下
に140〜190℃で4時間加熱し、生成するネオペン
チルグリコールモノt-ブチルエーテルを留出した。反応
率は99%であった。このようにして得られた反応混合
物を水洗し脱触媒した後、過剰の参考例1で合成したヒ
ンダード型モノカーボネートを留去し、下記の構造のモ
ノカーボネートを留出させて537g得た。
【0245】
【化123】 なお、上記モノカーボネートのIR及び1H−NMR吸
収特性スペクトルは下記の通りであった。1 H−NMR(CDCl3) 0.9ppm 1.3 1.5ー2.0 3.8ー4.2 6.8ー7.5 IR νC−H 2800ー3100cmー1 δC−H 1350ー1520 νC=O 1740 νC−O 1180ー1300 νC−OーC 1080
【0246】得られたモノカーボネートの潤滑油基本性
能の評価結果を表1に示す。
【0247】実施例4 容量3リットルのフラスコに、メタイソプロピルフェノ
ールのエチレングリコール1モル付加体180g、参考
例1で合成したヒンダード型モノカーボネート1,73
4gおよび28重量%のNaOCH3 のメタノール溶液
2.2gを仕込んだ。
【0248】次いで、この混合物を30〜5mmHgの
減圧下に140〜190℃で4時間加熱し、生成するネ
オペンチルグリコールモノt-ブチルエーテルを留出し
た。反応率は99%であった。このようにして得られた
反応混合物を水洗し脱触媒した後、過剰の参考例1で合
成したヒンダード型モノカーボネートを留去し、下記の
構造のモノカーボネートを留出させて223g得た。
【0249】
【化124】
【0250】なお、上記モノカーボネートのIR及び1
H−NMR吸収特性スペクトルは下記の通りであった。1 H−NMR(CDCl3) 0.9ppm 1.3 1.5ー2.0 3.8ー4.2 6.8ー7.5 IR νC−H 2800ー3100cmー1 δC−H 1350ー1520 νC=O 1740 νC−O 1180ー1300 νC−OーC 1080
【0251】得られたモノカーボネートの潤滑油基本性
能の評価結果を表1に示す。
【0252】実施例5 実施例1で合成したモノカーボネート110gと、実施
例4で合成したモノカーボネート90gとをブレンドし
て下記組成のモノカーボネート組成物を得た。
【0253】
【化125】
【0254】
【化126】
【0255】(1)/(2)=55/45 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表1に示す。
【0256】実施例6 単蒸留装置を備えた容量2リットルのフラスコに、パラ
-t- ブチルフェノールのエチレンオキサイド1モル付加
体400g(2.06モル)、参考例1で合成したヒン
ダード型モノカーボネート857g(2.48モル)お
よび28重量%のNaOCH3 のメタノール溶液1.0
g(0.005モル)を仕込んだ。
【0257】次いで、この混合物を30〜3mmHgの
減圧下に140〜175℃で2.5時間加熱し、生成す
るネオペンチルグリコールモノt-ブチルエーテルを留出
した。反応率は98%であった。
【0258】このようにして得られた反応混合物を水洗
し脱触媒した後、脱水して下記の組成のモノカーボネー
ト組成物810gを得た。
【0259】
【化127】
【0260】
【化128】
【0261】
【化129】
【0262】 (1)/(2)/(3)=23.5/51.0/22.9 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表1に示す。
【0263】実施例7 参考例1で合成したモノカーボネート267gと、実施
例1で合成したモノカーボネート493gと、参考例3
で合成したモノカーボネート184gとをブレンドして
下記組成のモノカーボネート組成物を得た。
【0264】
【化130】
【0265】
【化131】
【0266】
【化132】
【0267】 (1)/(2)/(3)=24.8/49.8/20.2 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表1に示す。
【0268】実施例8 10段シーブトレー式蒸留装置を備えた容量3リットル
のフラスコに、パラ-t- ブチルフェノールのエチレンオ
キサイド1モル付加体489g、ネオペンチルグリコー
ルモノt-ブチルエーテル565g、ジメチルカーボネー
ト823g、および28重量%のNaOCH3のメタノ
ール溶液2.8gを仕込んだ。
【0269】次いで、この混合物を常圧下に90〜18
0℃で5時間加熱し、生成するメチルアルコールと未反
応のジメチルカーボネートを留出し、その後300〜3
mmHgの減圧下に170℃で4時間加熱し、生成する
中間体のモノカーボネートが留出した。
【0270】このようにして得られた反応混合物を水洗
し脱触媒した後、脱水して下記の組成のモノカーボネー
ト組成物996gを得た。
【0271】
【化133】
【0272】
【化134】
【0273】
【化135】
【0274】 (1)/(2)/(3)=22.5/50.4/20.6 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表1に示す。
【0275】実施例9 単蒸留装置を備えた容量5リットルのフラスコに、パラ
-t- ブチルフェノールのエチレンオキサイド1モル付加
体995g(5.12モル)、参考例1で合成したヒン
ダード型モノカーボネート3,621g(10.54モ
ル)、および28重量%のNaOCH3 のメタノール溶
液5.3g(0.005モル)を仕込んだ。
【0276】次いで、この混合物を30〜3mmHgの
減圧下に140〜175℃で2.5時間加熱し、生成す
るネオペンチルグリコールモノt-ブチルエーテルを留出
した。反応率は98%であった。
【0277】このようにして得られた反応混合物を水洗
し脱触媒した後、脱水して、さらに未反応のヒンダード
型モノカーボネート1,990gを留去して、下記の組
成のモノカーボネート組成物1,780gを得た。
【0278】
【化136】
【0279】
【化137】
【0280】
【化138】
【0281】 (1)/(2)/(3)=15.3/72.0/12.1 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表1に示す。
【0282】実施例10 参考例1で合成したモノカーボネート13gと、実施例
1で合成したモノカーボネート238gとをブレンドし
て下記組成のモノカーボネート組成物を得た。
【0283】
【化139】
【0284】
【化140】
【0285】(1)/(2)=7.2/91.4 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表1に示す。
【0286】実施例11 単蒸留装置を備えた容量3リットルのフラスコに、パラ
-t- ブチルフェノールのエチレンオキサイド1モル付加
体396g(2.04モル)、参考例1で合成したヒン
ダード型モノカーボネート1,296g(3.75モ
ル)、および28重量%のNaOCH3 のメタノール溶
液1.0g(0.005モル)を仕込んだ。
【0287】次いで、この混合物を30〜3mmHgの
減圧下に140〜175℃で2.5時間加熱し、生成す
るネオペンチルグリコールモノ-t- ブチルエーテルを留
出した。反応率は99%であった。
【0288】このようにして得られた反応混合物を水洗
し脱触媒した後、脱水して下記の組成のモノカーボネー
ト組成物1,309gを得た。
【0289】
【化141】
【0290】
【化142】
【0291】
【化143】
【0292】 (1)/(2)/(3)=43.1/44.4/11.1 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表2に示す。
【0293】実施例12 10段シーブトレー式蒸留装置を備えた容量3リットル
のフラスコに、パラ-t- ブチルフェノールのエチレンオ
キサイド1モル付加体300g、ネオペンチルグリコー
ルモノt-ブチルエーテル565g、ジメチルカーボネー
ト584g、および28重量%のNaOCH3 のメタノ
ール溶液2.1gを仕込んだ。
【0294】次いで、この混合物を常圧下に90〜18
0℃で5時間加熱し、生成するメチルアルコールと未反
応のジメチルカーボネートを留出し、その後300〜3
mmHgの減圧下に170℃で4時間加熱し、生成する
中間体のモノカーボネートを一部留出させた。
【0295】このようにして得られた反応混合物を水洗
し脱触媒した後、脱水して下記の組成のモノカーボネー
ト組成物948gを得た。
【0296】
【化144】
【0297】
【化145】
【0298】
【化146】
【0299】 (1)/(2)/(3)=44.5/44.8/8.7 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表2に示す。
【0300】実施例13 容量5リットルのフラスコに、パラ-t- アミルフェノー
ルのエチレングリコール1モル付加体208g、参考例
1で合成したヒンダード型モノカーボネート1,731
g、および28重量%のNaOCH3 のメタノール溶液
2.2gを仕込んだ。
【0301】次いで、この混合物を3mmHgの減圧下
に160〜190℃で5時間加熱し、生成するネオペン
チルグリコールモノt-ブチルエーテルを留出し、下記の
構造(2)のモノカーボネート284gを得た。
【0302】次いで、このモノカーボネートに、参考例
1で合成したモノカーボネート62gをブレンドして下
記組成のモノカーボネート組成物346gを得た。
【0303】
【化147】
【0304】
【化148】
【0305】(1)/(2)=18/82 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表2に示す。
【0306】実施例14 単蒸留装置を備えた容量1リットルのフラスコに、パラ
-t- アミルフェノールのエチレンオキサイド1モル付加
体102g(0.49モル)、参考例1で合成したヒン
ダード型モノカーボネート306g(0.94モル)、
および28重量%のNaOCH3 のメタノール溶液0.
4g(0.002モル)を仕込んだ。
【0307】次いで、この混合物を30〜3mmHgの
減圧下に140〜175℃で2.5時間加熱し、生成す
るネオペンチルグリコールモノt-ブチルエーテルを留出
した。反応率は99%であった。
【0308】このようにして得られた反応混合物を水洗
し脱触媒した後、脱水して下記の組成のモノカーボネー
ト組成物1,368gを得た。
【0309】
【化149】
【0310】
【化150】
【0311】
【化151】
【0312】 (1)/(2)/(3)=38.2/45.9/7.8 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表2に示す。
【0313】実施例15 単蒸留装置を備えた容量3リットルのフラスコに、パラ
- ジ-t- アミルフェノールのエチレンオキサイド1モル
付加体355g、ジ(メトキシ−エチル)カーボネート
1,600g、および28重量%のNaOCH3 のメタ
ノール溶液2.4gを仕込んだ。
【0314】次いで、この混合物を60〜30mmHg
の減圧下に100〜145℃で2.0時間加熱し、生成
するエチレングリコールモノメチルエーテルを留出し
た。反応率は99%であった。
【0315】このようにして得られた反応混合物を水洗
し脱触媒した後、脱水して下記のモノカーボネート
(2)を390g得た。このモノカーボネート227g
に参考例1で合成したヒンダード型モノカーボネート6
5gをブレンドして下記組成のモノカーボネート組成物
を得た。
【0316】
【化152】
【0317】
【化153】
【0318】(1)/(2)=32.3/67.7 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表2に示す。
【0319】実施例16 参考例1で合成したモノカーボネート44gと、実施例
4で合成したモノカーボネート156gとをブレンドし
て下記組成のモノカーボネート組成物を得た。
【0320】
【化154】
【0321】
【化155】
【0322】(1)/(2)=22/78 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表2に示す。
【0323】実施例17 参考例2で合成したモノカーボネート80gと、実施例
4で合成したモノカーボネート120gとをブレンドし
て下記組成のモノカーボネート組成物を得た。
【0324】
【化156】
【0325】
【化157】
【0326】(1)/(2)=40/60 (重量%) 得られたモノカーボネート組成物の潤滑油基本性能の評
価結果を表2に示す。
【0327】上記実施例1〜17においては、比較例
1、2よりCO2 の発生量が減少し、熱安定性の改善効
果が立証され、かつ、ファレックス潤滑性が良好であ
り、熱安定性と潤滑性とのバランスが優れている。
【0328】実施例18 実施例8で合成したモノカーボネート組成物にトリクレ
ジルホスフェート(TCP)を1重量%配合した。
【0329】上記のようにして得られた潤滑油の潤滑油
基本性能の評価結果を表2に示す。
【0330】実施例19 実施例8で合成したモノカーボネート組成物にトリフェ
ニルホスフェート(TPP)を1重量%配合した。
【0331】上記のようにして得られた潤滑油の潤滑油
基本性能の評価結果を表2に示す。
【0332】実施例20 実施例12で合成したモノカーボネート組成物にトリフ
ェニルホスフェート(TPP)を1重量%配合した。
【0333】上記のようにして得られた潤滑油の潤滑油
基本性能の評価結果を表2に示す。上記実施例18〜2
0において、配合したリン化合物の潤滑性および熱安定
性の向上効果が認められた。
【0334】
【表1】
【0335】
【表2】
【0336】
【発明の効果】本発明に係るモノカーボネートは、アル
キル基多置換型のモノカーボネートであるので、炭酸結
合が保護されている。
【0337】本発明に係る潤滑油は、このようなアルキ
ル基多置換型のモノカーボネートを含有してなるので、
潤滑性、清浄性および電気絶縁性に優れ、しかも、カル
ボン酸エステル系潤滑油のように分解してカルボン酸を
発生することがなく、また従来のポリカーボネート系潤
滑油に比べ、カーボネート化合物の分解に起因する炭酸
ガスの発生を抑制することができる。
【0338】したがって、本発明に係る潤滑油は、カー
エアコン、電気冷蔵庫、ルームエアコン等の冷凍機用潤
滑油、工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギ
ヤ油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油、トラクション油な
どの用途に広く用いることができる。
【0339】また、本発明に係る潤滑油は、上記のよう
な特性に優れるだけでなく、R−134aなどのフルオ
ロカーボン水素添加物との相溶性、R−22などのクロ
ロフルオロカーボン水素添加物との相溶性、さらにはこ
れらの混合物との相溶性に優れているため、これらの水
素添加物を冷媒として使用する電気冷蔵庫、ルームエア
コンなどの冷凍機用潤滑油として好適に用いることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129/84 C10M 129/84 145/38 145/38 // C10N 20:00 40:16 40:30 (72)発明者 水井 公也 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内 (72)発明者 竹内 邦彦 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内 (72)発明者 大吉 初 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式[I]で表わされるモノカー
    ボネート; 【化1】 [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
    の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
    素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
    たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
    素基であり、 R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜4のアルキレ
    ン基であり、 R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立に、炭素原子数
    1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキ
    シ基または炭素原子数2〜20のエーテル結合を有する
    炭化水素基であり、 Phは、芳香族置換基であり、 nは1〜5の整数であり、mは1〜30の整数であ
    る]。
  2. 【請求項2】下記の一般式[I]で表わされるモノカー
    ボネートを含有してなることを特徴とする潤滑油; 【化2】 [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
    の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
    素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
    たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
    素基であり、 R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜4のアルキレ
    ン基であり、 R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立に、炭素原子数
    1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキ
    シ基または炭素原子数2〜20のエーテル結合を有する
    炭化水素基であり、 Phは、芳香族置換基であり、 nは1〜5の整数であり、mは1〜30の整数であ
    る]。
  3. 【請求項3】前記一般式[I]で表わされるモノカーボ
    ネートの他に、下記の一般式[II]で表わされるモノカ
    ーボネートを含有していることを特徴とする請求項2に
    記載の潤滑油; 【化3】 [式中、R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12の
    アルコキシ基または炭素原子数2〜20のエーテル結合
    を有する炭化水素基である]。
  4. 【請求項4】前記の一般式[I]で表わされるモノカー
    ボネートおよび一般式[II]で表わされるモノカーボネ
    ートの他に、下記の一般式[III] で表わされるモノカ
    ーボネートを含有していることを特徴とする請求項3に
    記載の潤滑油; 【化4】 [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
    の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
    素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
    たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
    素基であり、 R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜4のアルキレ
    ン基であり、 Phは、それぞれ独立に芳香族置換基であり、 nはそれぞれ独立に、1〜5の整数であり、mはそれぞ
    れ独立に、1〜30の整数である]。
  5. 【請求項5】前記潤滑油が冷凍機用潤滑油であることを
    特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の潤滑油。
  6. 【請求項6】フルオロカーボン水素添加物(HFC)を
    含有していることを特徴とする請求項5に記載の冷凍機
    用潤滑油。
  7. 【請求項7】下記の一般式[II]で表わされるモノカー
    ボネートと、下記の一般式[III]で表わされるモノカ
    ーボネートとを含有してなることを特徴とする潤滑油; 【化5】 [式中、R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12の
    アルコキシ基または炭素原子数2〜20のエーテル結合
    を有する炭化水素基である]。 【化6】 [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
    の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
    素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
    たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
    素基であり、 R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜4のアルキレ
    ン基であり、 Phは、それぞれ独立に芳香族置換基であり、 nはそれぞれ独立に、1〜5の整数であり、mはそれぞ
    れ独立に、1〜30の整数である]。
  8. 【請求項8】前記潤滑油が冷凍機用潤滑油であることを
    特徴とする請求項7に記載の潤滑油。
  9. 【請求項9】フルオロカーボン水素添加物(HFC)を
    含有していることを特徴とする請求項8に記載の冷凍機
    用潤滑油。
  10. 【請求項10】下記の一般式[I]で表わされるモノカ
    ーボネートと、下記の一般式[II]で表わされるモノカ
    ーボネートと、下記の一般式[III] で表わされるモノ
    カーボネートとからなる組成物の製造方法であり、
    (a)一般式[IV] (R1)Ph−O(R2O)mH ・・・[IV] [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
    の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
    素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
    たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
    素基であり、 R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜4のアルキレ
    ン基であり、 Phは、芳香族置換基であり、 nは1〜5の整数であり、mは1〜30の整数である]
    で表わされる芳香環含有モノアルコールと、(b)一般
    式[V] 【化7】 [式中、R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜12の
    アルコキシ基または炭素原子数2〜20のエーテル結合
    を有する炭化水素基である]で表わされるモノアルコー
    ルと、(c)一般式[VI] 【化8】 [式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立に、炭素原子
    数1〜8の炭化水素基または炭素原子数2〜8のエーテ
    ル結合を有する炭化水素基である]で表わされるモノカ
    ーボネートとの混合物を加熱して脱R6 OHおよび/ま
    たはR7 OHすることを特徴とするモノカーボネート組
    成物の製造方法; 【化9】 [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20
    の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭
    素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基ま
    たは炭素原子数1〜10のハロゲン原子を有する炭化水
    素基であり、 R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜4のアルキレ
    ン基であり、 R3 、R4 およびR5 は同一または異なってもよい、炭
    素原子数1乃至20の炭化水素基、炭素原子数1乃至1
    2のアルコキシ基または炭素数2乃至20のエーテル結
    合を有する炭化水素基であり、 Phは、芳香族置換基であり、 nは1乃至5の整数であり、mは1乃至30の整数であ
    る]、 【化10】 [式中、R3 、R4 およびR5 は、同一または異なって
    もよい、炭素原子数1乃至20の炭化水素基、炭素原子
    数1乃至12のアルコキシ基または炭素数2乃至20の
    エーテル結合を有する炭化水素基である]、 【化11】 [式中、R1 は、それぞれ独立に、炭素原子数1乃至2
    0の炭化水素基、炭素原子数1乃至12のアルコキシ
    基、炭素原子数2乃至30のエーテル結合を有する炭化
    水素基または炭素原子数1乃至10のハロゲン原子を有
    する炭化水素基であり、 R2 は、それぞれ独立に、炭素原子数2乃至4のアルキ
    レン基であり、 Phは、それぞれ独立に芳香族置換基であり、 nはそれぞれ独立に、1乃至5の整数であり、mはそれ
    ぞれ独立に、1乃至30の整数である]
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