JP3001622B2 - 冷凍機用潤滑油組成物およびこの組成物を構成するポリアルキレングリコールポリカーボネート - Google Patents

冷凍機用潤滑油組成物およびこの組成物を構成するポリアルキレングリコールポリカーボネート

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JP3001622B2 JP2-261273A JP26127390A JP3001622B2 JP 3001622 B2 JP3001622 B2 JP 3001622B2 JP 26127390 A JP26127390 A JP 26127390A JP 3001622 B2 JP3001622 B2 JP 3001622B2
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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、潤滑油組成物およびこの組成物を構成する
ポリアルキレングリコールポリカーボネートに関し、さ
らに詳しくは、従来より潤滑性と清浄性の要求が厳しく
なった工業用ギヤ油、自動車用エンジン油、自動車用ギ
ヤ油、冷凍機用潤滑油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑油に
使用可能な潤滑性、清浄性に優れた潤滑油組成物、特に
オゾン層非破壊性のフロンR−134aなどのフルオロカー
ボン水素添加物(HFC、Hydrogenated Fluoro Carbon)
を冷媒として使用する冷凍機用潤滑油として最適な潤滑
油組成物およびこの組成物を構成するポリアルキレング
リコールポリカーボネートに関する。
発明の技術的背景 潤滑油の種類としては、工業用ギヤ油、エンジン油、
冷凍機用潤滑油、繊維用潤滑油、圧延用潤滑油などが挙
げられる。
工業用ギヤ油は近年、各種産業機械の使用環境が一段
とシビアになるに従って、潤滑性と清浄性のより高温域
までの維持が要求されてきた。特に、焼付け塗装工程、
食品のベーキング工程では潤滑性と清浄性により高い性
能が要求されてきた。このような用途には、従来より合
成炭化水素系、カルボン酸エステル系もしくはグリコー
ル系の潤滑油が使用されてきた。
しかしながら、合成炭化水素系油およびカルボン酸エ
ステル系油は、潤滑性がまだ不十分なうえ、長時間の加
熱で炭化物が生成し、潤滑油としての役割を高温下では
果すことができないという問題点がある。一方、グリコ
ール系の潤滑油は、長時間の加熱による炭化物の生成が
少ないという長所はあるものの、潤滑性が不十分なう
え、吸湿性が強いため、潤滑性および耐吸湿性の改良が
望まれていた。
エンジン油では、自動車エンジンの高性能化に伴い、
より高温、より長時間の潤滑性と清浄分散性が要求され
てきた。このような要求に対して、添加剤の選択で対応
しようとすると添加剤の使用量が多くなるため、たとえ
ばマヨネーズスラッジの沈澱析出が生じるというような
弊害がある。またベース油として、鉱物油と合成炭化水
素系油やカルボン酸エステル系油とを併用する試みが従
来よりなされている。しかしながら、高温、長時間の潤
滑性と清浄分散性はともに充分でなかった。一方、上記
の自動車エンジン、すなわち4サイクルエンジン用潤滑
油と異なり、2サイクルエンジン用潤滑油は、機構上、
ガソリンに添加されて燃焼するため、特に清浄性が重要
である。従来、2サイクルエンジン用潤滑油として、ひ
まし油やポリブテンなどが使用されているが、潤滑性と
清浄性がともに充分でない。
自動車用ギヤ油、特にATF用のギヤ油などでは摩擦係
数を低くし、かつその経時変化を少なくする必要があ
る。そこで、従来は摩擦低減剤や摩擦調整剤を使用して
いる。しかしながら、これらの添加剤を含む自動車用ギ
ヤ油は、摩擦係数の経時変化が大きくなるという問題点
がある。
冷凍機用潤滑油では、冷媒ガスがオゾン層非破壊性HF
CであるフロンR−134a(CH2F−CF3)に変更されるに伴
い、従来、冷凍機用潤滑油として使用されてきた鉱物油
やアルキルベンゼン類化合物は、冷媒ガスとの相溶性が
ないため使用できなくなった。現在上記冷媒ガス冷凍機
用潤滑油としてグリコールエーテル系潤滑油が開発され
ている。
たとえば、米国特許第4,755,316号明細書には、テト
ラフルオロエタンと、分子量が300〜2000であり、37℃
動粘度が約25〜150センチストークスであるポリオキシ
アルキレングリコールとからなる圧縮冷凍機用組成物が
開示されている。
しかしながら、このようなグリコールエーテル系潤滑
油は、一般に熱安定性が不充分で、吸湿性が強く、さら
にNBRなどのゴムシール材を収縮させ硬度を高めてしま
うという欠点が指摘されている。
繊維用潤滑油では、従来、カルボン酸エステル系やグ
リコール系の潤滑油が使用されているが、潤滑性と清浄
性をともに満足することができない。
圧延用潤滑油では、従来、牛脂を主成分とする潤滑油
が使用されている。このような潤滑油は、潤滑性がよ
く、圧延効率に優れるものの、清浄性が極端に悪いため
残存する牛脂の洗浄工程が不可欠である。また圧延用潤
滑油として、カルボン酸エステル系潤滑油が使用されて
いるが、この潤滑油は、清浄性が極めて良好であるもの
の、潤滑性が悪く実用性が低い。
米国特許第3,627,810号明細書では、高級アルコール
の炭酸エステルの製造方法が開示されており、この炭酸
エステルは作動油、潤滑油、可塑剤として有用であると
されている。
米国特許第3,657,310号明細書では、式ROCOO(AO)
nR′で表わされる炭酸エステルの製造方法が開示されて
いる。この炭酸エステルは、分子末端がアルキル基であ
り、分子鎖内にポリオキシアルキレン基を有するモノカ
ーボネートであって、潤滑油、作動油、可塑剤として有
用であるとされている。ただし、上記式において、Rお
よびR′は一価の脂肪族基であり、Aは炭素原子数2〜
4のアルキレン基であり、nは1以上の整数である。
欧州特許第089,709号明細書では、分子量100〜270の
高級アルコールと、低沸点のアルコール炭酸エステルと
のエステル交換によって高級アルコールの炭酸エステル
を製造する方法、およびこのような高級アルコールの炭
酸エステルを含有する潤滑油組成物が開示されている。
特開昭48−37,568号公報では、下記一般式 R1O−(X−O−CO−O)−X−OR2 (式中、R1およびR2は同種もしくは異種のものであり、
そして各々水素原子、脂肪族基、芳香脂肪族基、もしく
は芳香族基、またはアシル基、アルコキシカルボニル基
もしくはアリーロキシ基を表わし、nは1から10までの
数を表わし、そしてXは主炭素鎖中に少なくとも2個の
炭素原子を有するアルキレン基を表わし、該分子鎖は場
合によりシクロアルキレン基、アルアルキレン基もしく
はアリーレン基または少なくとも1個のヘテロ原子を含
む) で表わされる炭酸エステルの一つもしくはそれ以上を含
む動力伝達液が開示されている。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、潤滑性および清浄性に優
れ、かつオゾン層非破壊性フロンとの相溶性に優れるよ
うな冷凍機用潤滑油組成物を提供することを目的として
いる。さらに詳しくは、本発明は、オゾン層非破壊性フ
ロンガスを冷媒として使用する冷凍機用潤滑油として特
に好適に使用することができる潤滑油組成物を提供する
ことを目的としている。
また、本発明は、上記のような効果を有する新規なポ
リアルキレングリコールポリカーボネートを提供するこ
とを目的としている。
発明の概要 本発明に係る第1の冷凍機用潤滑油組成物は、下記の
一般式[I]で表わされるポリアルキレングリコールポ
リカーボネートを含有してなることを特徴としている。
R1−O−CO−OR3 lOmCO−OnR2 …[I] 式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原
子数がそれぞれ20以下である脂肪族炭化水素基、脂環族
炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素
基、および一般式 R4 −OqR5 (式中、R4は炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、
R5は炭素原子数がそれぞれ20以下である脂肪族炭化水素
基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、pは
1〜100の整数であり、qは1〜10の整数である)で表
わされるアルキルオキシアルキレン基よりなる群から選
択される基であり、 R3は、炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、lは
1〜100の整数であり、mは2〜10の整数であり、nは
1〜100の整数である。また、本発明に係る第2の冷凍
機用潤滑油組成物は、下記の一般式[II]で表わされる
ポリアルキレングリコールポリカーボネートを含有して
なることを特徴としている。
R6O−CO−OR7 …[II] 式[II]中、R6は、分子量85〜10,000の炭化水素基ま
たは分子量60〜10,000の酸素原子を含む炭化水素基であ
り、jは2、5または7〜10の整数であり、 それぞれのR7は、独立に、炭素原子数がそれぞれ20以
下である脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族
炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、および一般式 R8−OkR9 (式中、R8は炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、
R9は炭素原子数がそれぞれ20以下である脂肪族炭化水素
基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、kは
1〜10の整数である)で表わされるアルキルオキシアル
キレン基よりなる群から選択される基である。
本発明に係る新規なポリアルキレングリコールポリカ
ーボネートは、下記の一般式[III]で表わされるポリ
カーボネートであり、上記の一般式[II]で表わされる
ポリアルキレングリコールポリカーボネートに属する。
CCH2OCH2CH(CH3)OnCOO−R10 …[III] 式[III]中,R10は、それぞれ独立に、炭素原子数30
以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30のエーテル結
合を有する炭化水素基であり、nの平均値は1〜12であ
る。
本発明に係る第1および第2の冷凍機用潤滑油組成物
は、潤滑性および清浄性に優れ、また鉱油、エステル系
の潤滑油と比較して、低温での粘度を引き下げることが
容易であるため、カークーラー、電気冷蔵庫などの用途
に広く用いることができる。
また、本発明に係る第1および第2の冷凍機用潤滑油
組成物は、上記のような特性に優れるだけでなく、フロ
ンR−134aなどのオゾン層非破壊性フロンとの相溶性に
優れているため、フロンR−134aなどのオゾン層非破壊
性フロンを冷媒として使用する冷凍機用潤滑油として用
いることができる。
また、本発明に係る第1または第2の冷凍機用潤滑油
組成物のうち、上記一般式[I]で表わされるポリアル
キレングリコールポリカーボネート(オリゴカーボネー
ト)、または上記一般式[II]で表わされるポリアルキ
レングリコールポリカーボネート(ポリオールカーボネ
ート)のほかに、フロンR−134aなどのオゾン層非破壊
性フロンを含有してなる潤滑油も冷凍機用潤滑油として
用いることができる。
なお、本明細書中の「潤滑油組成物」なる語は、潤滑
油が本発明のポリアルキレングリコールポリカーボネー
ト(オリゴカーボネート、ポリオールカーボネート)と
その他の成分とで構成される場合、および本発明のポリ
アルキレングリコールポリカーボネート(オリゴカーボ
ネート、ポリオールカーボネート)単独で構成される場
合を含んで用いられる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る冷凍機用潤滑油組成物およびこの
組成物を構成するポリアルキレングリコールポリカーボ
ネートについて具体的に説明する。
まず、本発明に係る第1の冷凍機用潤滑油組成物につ
いて説明する。
本発明に係る第1の冷凍機用潤滑油組成物は、下記の
一般式[I]で表わされる特定のポリアルキレングリコ
ールポリカーボネート(オリゴカーボネート)を含有し
てなる組成物である。
R1−O−CO−OR3 lOmCO−OnR2 …[I] ただし、上記一般式[I]において、R1およびR2は、
それぞれ独立に、炭素原子数がそれぞれ20以下である脂
肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素
基、芳香脂肪族炭化水素基、および一般式 R4 pO−R5 で表わされるアルキルオキシアルキレン基(グリコール
エーテル基)よりなる群から選択される基である。
ここで、R1およびR2における脂肪族炭化水素基の具体
的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、
n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イ
ソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−
ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル
基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシ
ル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソトリデ
シル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n
−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサデ
シル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、イ
ソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソオクタデ
シル基、n−ノニルデシル基、イソノニルデシル基、n
−アイコサニル基、イソアイコサニル基などを挙げるこ
とができる。
また、R1およびR2における脂環族炭化水素基の具体的
な例としては、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニ
ル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシ
ル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基な
どを挙げることができる。
さらに、R1およびR2における芳香族炭化水素基の具体
的な例としては、フェニル基、o−トリル基、p−トリ
ル基、m−トリル基、2,4−キシリル基、メシチル基、
1−ナフチル基などを挙げることができる。
さらにまた、R1およびR2における芳香脂肪族炭化水素
基の具体的な例としては、ベンジル基、メチルベンジル
基、β−フェニルエチル基(フェネチル基)、1−フェ
ニルエチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p
−メチルベンジル基、スチリル基、シンナミル基などを
挙げることができる。
上記アルキルオキシアルキレン基(グリコールエーテ
ル基)を表わす一般式において、R4は炭素原子数2〜20
のアルキレン基であり、R5は炭素原子数がそれぞれ20以
下である脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族
炭化水素基であり、pは1〜100の整数であり、qは1
〜10の整数である。
上記R4におけるアルキレン基の具体的な例としては、
エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、アミレン基、
イソアミレン基、ヘキシン基、イソプロピレン基、イソ
ブチレン基、スチレン基、α−メチルスチレン基、α,
α−ジメチルスチレン基などを挙げることができる。
また、上記R5における脂肪族炭化水素基、脂環族炭化
水素基および芳香族炭化水素基の具体的な例としては、
それぞれ上述したR1およびR2における脂肪族炭化水素
基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基の具体的な例
として列挙した基と同様の基を挙げることができる。
上記R3におけるアルキレン基の具体的な例としては、
上述したR4におけるアルキレン基の具体的な例として列
挙した基と同様の基を挙げることができる。
上記一般式[I]において、lは、1〜100の整数で
あり、mは2〜10の整数である。
また、上記一般式[I]におけるnは、1〜100の整
数である。本発明においては、一般式[I]で表わされ
るポリアルキレングリコールポリカーボネート中に、一
般式[I]においてn=0で表わされるポリアルキレン
グリコールポリカーボネートが混在していてもよい。
本発明で好ましく用いられるポリアルキレングリコー
ルポリカーボネートとしては、 (1)R1−O−CO−OCH2CH2−OmCO−O−R
2 (2)R1−O−CO−O−CH2CH(CH3)OmCO−O
−R2 (3)R1−O−CO−O−CH2C(CH3 2OmCO−O
−R2 (4)R1−O−CO−OCH2 lO−CO−O
−R2 (5)R1−O−CO−OCH2CH(CH3)CH2CH2
−CO−O−R2 (6)R1−O−CO−OCH(CH3)CH2CH2CH2
−CO−O−R2 などの一般式で表わされるポリアルキレングリコールポ
リカーボネートが挙げられ、特に上記の一般式(1)、
(2)および(4)で表わされるポリアルキレングリコ
ールポリカーボネートが好ましい。また、低温粘度を下
げたい場合には、炭素骨格を分枝タイプにするとよい。
さらに、上記一般式中、mとnの数値は、目的とする用
途にあった粘度を確保するために必要な範囲に、適当に
選ぶことができる。
上記のような一般式[I]で表わされるポリアルキレ
ングリコールポリカーボネートは、たとえば下記の一般
式[A]で表わされる一価アルコール化合物の少なくと
も1種と、下記の一般式[B]で表わされるオキシアル
キレングリコール化合物の少なくとも1種とを、炭酸エ
ステル過剰の状態でエステル交換させることによって製
造することができる。
R1−OHまたはR2−OH …[A] ただし、一般式[A]において、R1およびR2は、それ
ぞれ上記一般式[I]におけるR1およびR2と同じである
ことを表わす。
HOR3 −OmH …[B] ただし、一般式[B]において、R3、lおよびmは、
それぞれ上記一般式[I]におけるR3、lおよびmと同
じであることを表わす。
上記のようなポリアルキレングリコールポリカーボネ
ートの製造方法においては、ポリアルキレングリコール
ポリカーボネートの平均分子量は、オキシアルキレング
リコールおよび一価アルコール化合物の選択と両者のモ
ル比の設定によって容易にコントロールすることができ
る。したがって、上記のようなポリアルキレングリコー
ルポリカーボネートの製造方法によれば、用途に応じて
要求される広範囲の粘度設定にも容易に応じることがで
きる。
また、上記のようなポリアルキレングリコールポリカ
ーボネートの製造方法によれば、炭酸エステル結合の導
入は、比較的低沸点のアルコールの炭酸エステルの過剰
存在下で交換エステル化で実施するため、ホスゲン法の
ように猛毒ガスの使用は必要なく、安全面でも有利であ
る。
上記のようにして得られるポリアルキレングリコール
ポリカーボネートは、グリコールエーテル類と比較して
潤滑性に優れ、吸湿性が低く、清浄性も良好であるとい
う特徴を有するので、工業用ギヤ油、自動車用エンジン
油、自動車用ギヤ油、カークーラー、電気冷蔵庫などの
冷凍機用潤滑油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑油に使用す
ることができる。
本発明に係る第1の冷凍機用潤滑油組成物で用いられ
るポリアルキレングリコールポリカーボネートは、潤滑
油組成物全量100重量部に対して、1〜100重量部の量で
存在している。したがって、ポリアルキレングリコール
ポリカーボネート単独で潤滑油として用いることもでき
るし、またポリアルキレングリコールポリカーボネート
のほかに、他の成分を用いて潤滑油とすることもでき
る。
本発明に係る第1の冷凍機用潤滑油組成物を冷凍機用
潤滑油として用いる場合には、ポリアルキレングリコー
ルポリカーボネートのほかに、他の使用可能な成分とし
てグリコールエーテル類、鉱物油、たとえばニュートラ
ルオイルやブラストストックなどが配合されていてもよ
い。また、液状ポリブテンや液状デセンオリゴマーなど
のα−オレフィンオリゴマー、アジピン酸ジイソオクチ
ル、セバチン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジラウリル
などのカルボン酸エステルや植物油が配合されていても
よい。特にオゾン層非破壊性の冷媒ガスとしてHFCたと
えばフロンR−134a(テトラフルオロエタン)を用いる
冷凍機用潤滑油の場合には、添加できる他の成分として
は、相溶性の点でグリコールエーテル類やカルボン酸エ
ステル類に限られる。しかしながら、これらの成分の添
加量は、耐熱性、フロンR−134aとの相溶性、吸水性を
悪化させるため、添加量は潤滑油組成物全量100重量%
に対して60重量%未満とする必要がある。さらに公知の
潤滑油添加剤、たとえば桜井俊男編「石油製品添加剤」
(幸書房、昭和49年発行)などに記載されている清浄分
散剤、酸化防止剤、耐荷重添加剤、油性剤、流動点降下
剤などの潤滑油添加剤が配合されていてもよい。さらに
また、冷凍機用潤滑油組成物中に、フロンR−134aなど
のオゾン層非破壊性フロンを含有させることもできる。
また、本発明に係る第1の冷凍機用潤滑油組成物を構
成するポリアルキレングリコールポリカーボネートを圧
延用潤滑油、金属加工油、繊維用潤滑油などの用途に用
いる場合には、従来通常に実施されているように、適当
な乳化剤を用いてポリアルキレングリコールポリカーボ
ネートを水とのエマルジョンにして使用することも可能
である。
次に、本発明に係る第2の冷凍機用潤滑油組成物およ
び本発明に係る新規なポリアルキレングリコールポリカ
ーボネートについて説明する。
本発明に係る第2の冷凍機用潤滑油組成物は、下記の
一般式[II]で表わされる特定のポリアルキレングリコ
ールポリカーボネート(ポリオールカーボネート)を含
有してなる組成物である。
R6O−CO−OR7 …[II] ただし、上記一般式[II]において、R6は、分子量85
〜10,000の炭化水素基または分子量60〜10,000の酸素原
子を含む炭化水素基であり、jは2、5または7〜10の
整数であり、 それぞれのR7は、独立に、炭素原子数がそれぞれ20以
下である脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族
炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、および一般式 R8−O−R9 (式中、R8は炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、
R9は炭素原子数がそれぞれ20以下である脂肪族炭化水素
基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、kは
1〜10の整数である)で表わされるアルキルオキシアル
キレン基(グリコールエーテル基)よりなる群から選択
される基である。
ここで、R6は具体的な例としては、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレング
リコール、ヘキサエチレングリコールまたはポリエチレ
ングリコールから実質的に水酸基が脱離したエチレング
リコール残基、ジプロピレングリコール、トリプロピレ
ングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプ
ロピレングリコール、ヘキサプロピレングリコールまた
はポリプロピレングリコールから実質的に水酸基が脱離
したプロピレングリコール残基、オキシエチレン・オキ
シプロピレン共重合体から実質的に水酸基が脱離した残
基、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトー
スなどポリオール化合物から実質的に水酸基が脱離した
ポリオール残基などを挙げることができる。フロンR−
134aなどのオゾン層非破壊性フロンガスを冷媒として使
用する冷凍機用潤滑油の場合には、R6は上記のようなエ
チレングリコール残基、プロピレングリコール残基、好
ましくは分子量200〜2,000のエチレングリコール残基、
プロピレングリコール残基、特に好ましくは分子量200
〜2,000のプロピレングリコール残基である。
上記R7における脂肪族炭化水素基の具体的な例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t
−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチ
ル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル
基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル
基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソ
デシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−
ドデシル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソ
トリデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル
基、n−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘ
キサデシル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル
基、イソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソオ
クタデシル基、n−ノニルデシル基、イソノニルデシル
基、n−アイコサニル基、イソアイコサニル基などを挙
げることができる。
また、R7における脂環族炭化水素基の具体的な例とし
ては、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、メ
チルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、デ
カヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基などを挙げ
ることができる。
さらに、R7における芳香族炭化水素基の具体的な例と
しては、フェニル基、o−トリル基、p−トリル基、m
−トリル基、2,4−キシリル基、メシチル基、1−ナフ
チル基などを挙げることができる。
さらにまた、R7における芳香脂肪族炭化水素基の具体
的な例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、β−
フェニルエチル基(フェネチル基)、1−フェニルエチ
ル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチル
ベンジル基、スチリル基、シンナミル基などを挙げるこ
とができる。
上記アルキルオキシアルキレン基を表わす一般式にお
いて、R8は炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、R9
は炭素原子数がそれぞれ20以下である脂肪族炭化水素
基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、kは
1〜10の整数である。
上記R8におけるアルキレン基の具体的な例としては、
エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、アミレン基、
イソアミレン基、ヘキシン基、イソプロピレン基、イソ
ブチレン基、スチレン基、α−メチルスチレン基、α,
α−ジメチルスチレン基などを挙げることができる。
また、上記R9における脂肪族炭化水素基、脂環族炭化
水素基および芳香族炭化水素基の具体的な例としては、
それぞれ上述したR7における脂肪族炭化水素基、脂環族
炭化水素基、芳香族炭化水素基の具体的な例として列挙
した基と同様の基を挙げることができる。
上記の一般式で表わされるグリコールエーテル基とし
ては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエー
テル基、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル
基、トリエチレングリコールモノエチルエーテル基、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル基、ジプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル基、トリプロピレング
リコールモノn−ブチルエーテル基などを挙げることが
できる。
フロンR−134aなどのオゾン層非破壊性フロンガスを
冷媒として使用する冷凍機用潤滑油の場合には、R7は、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基等
の低級アルキル基、エチレングリコールモノメチルエー
テル基、ジエチレングリコールモノメチルエーテル基、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル基、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル基、ジプロピレング
リコールモノエチルエーテル基、トリプロピレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル基等のアルキレングリコー
ルモノアルキルエーテル基などが好ましい。
上記一般式[II]で表わされるポリアルキレングリコ
ールポリカーボネートの具体例としては、下記の一般式
[III]で表わされる新規な化合物が挙げられる。
CCH2OCH2CH(CH3)OnCOO−R10 …[III] 上記一般式[III]中において、R10は、それぞれ独立
に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2
〜30のエーテル結合を有する炭化水素基であり、nの平
均値は1〜12である。
上記一般式[III]におけるR10の炭化水素基として
は、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化
水素基、芳香脂肪族炭化水素基および一般式 R11−OtR12 (式中、R11は、炭素原子数2〜3のアルキレン基であ
り、R12は炭素原子数28以下の炭化水素基であり、tは
1〜20の整数である)で表わされるアルキルオキシアル
キレン基(グリコールエーテル基)が挙げられる。
上記R10における脂肪族炭化水素基の具体的な例とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペン
チル基、n−ヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、イ
ソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−
オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、
n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシ
ル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデ
シル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソトリ
デシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、
n−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサ
デシル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、
イソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソオクタ
デシル基、n−ノニルデシル基、イソノニルデシル基、
n−アイコサニル基、イソアイコサニル基、2−エチル
ヘキシル基、2−(4−メチルペンチル)基などを挙げ
ることができる。
また、R10における脂環族炭化水素基の具体的な例と
しては、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、
メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、
デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基などを挙
げることができる。
さらに、R10における芳香族炭化水素基の具体的な例
としては、フェニル基、o−トリル基、p−トリル基、
m−トリル基、2,4−キシリル基、メシチル基、1−ナ
フチル基などを挙げることができる。
さらにまた、R10における芳香脂肪族炭化水素基の具
体的な例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、β
−フェニルエチル基(フェネチル基)、1−フェニルエ
チル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチ
ルベンジル基、スチリル基、シンナミル基などを挙げる
ことができる。
上記R11におけるアルキレン基の具体的な例として
は、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基を挙
げることができる。
また、上記R12における炭化水素基としては、脂肪族
炭化水素基、脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基
が挙げられる。これらの具体的な例としては、それぞれ
上述したR10における脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水
素基、芳香族炭化水素基の具体的な例として列挙した基
と同様の基を挙げることができる。
上記の一般式で表わされるアルキルオキシアルキレン
基(グリコールエーテル基)としては、具体的には、エ
チレングリコールモノメチルエーテル基、エチレングリ
コールモノブチルエーテル基、ジエチレングリコールモ
ノn−ブチルエーテル基、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル基、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル基、プロピレングリコールモノブチルエーテル
基、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル基、ト
リプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル基など
を挙げることができる。
上記一般式[III]で表わされるポリアルキレングリ
コールポリカーボネートの一例を下記に示す。
CCH2OCH2CH(CH3)OnCOO−CH3 上記式において、nの平均値は1〜2である。
本発明で好ましく用いられるポリアルキレングリコー
ルポリカーボネートとしては、 (1) CH3O−COOC3H6 nO−CO−OCH3 (2) C2H5O−COOC3H6 nO−CO−OC2H5 (3) (CH32CH−O−COOC3H6 nO−CO−O−CH
(CH3 (4) CH3O−COOC2H4 nO−CO−OCH3 (5) C2H5O−COOC2H4 −O−CO−OC2H5 (6) (CH32CH−O−COOC2H4 nOCO−CH(CH3
(7) CH3O−COOC6H12 nO−CO−OCH3 (8) C2H5O−COOC6H12 nO−CO−OC2H5 (9) RO−COOC3H6 nO−CO−OR (ここで、R=CH2CH2−OCH3) (10) RO−COOC2H4 nO−CO−OR (ここで、R=C3H6−OCH3) (11) RO−COOC3H6 nO−CO−OR (ここで、R=C3H6−OCH3) 上記のような一般式[II]で表わされるポリアルキレ
ングリコールポリカーボネートは、たとえばポリオール
化合物を、比較的低沸点のアルコール炭酸エステルの過
剰存在下で塩基性触媒を作用させてエステル交換させる
ことによって製造することができる。
また、末端のR7基がグリコールモノエーテル基や比較
的分子量の大きい炭化水素基の場合には、前記の反応で
適量の一価アルコール(R7OH)を存在させて、エステル
交換させることもできるし、また前記の反応後、改めて
R7OHの過剰存在下でエステル交換させてもよいし、過剰
の非対称カーボネートR6−O−CO−O−R7(式中、R6
−CH3、−C2H5、i−C3H7などの低級アルキル基、C6H5
−などの低分子量芳香族基)で直接エステル交換させて
もよい。
本発明においては、アルコール水酸基1個当りの炭酸
エステル仕込みモル数は1.5〜50が好ましい。この炭酸
エステル仕込みモル数が上記のような範囲内にあれば、
上記一般式[II]で表わされるポリオールカーボネート
の収率が高く、しかも、ポリオールカーボネートの反応
器当りの収率が良好で経済的である。なお、このような
製造方法は、ホスゲン法のように猛毒ガスを使用する必
要がないため、安全面で好ましい。
また、この製造方法では、主としてポリオキシアルキ
レングリコールなどのポリオール化合物を適宜選択する
などすれば、容易にポリアルキレングリコールポリカー
ボネートの平均分子量をコントロールできるので、用途
により、要求される広範囲の粘度設定にも容易に応じる
ことができる。
本発明に係る第2の冷凍機用潤滑油組成物で用いられ
るポリアルキレングリコールポリカーボネートは、潤滑
油組成物全量100重量部に対して、1〜100重量部の量で
存在している。したがって、ポリアルキレングリコール
ポリカーボネート単独で潤滑油として用いることもでき
るし、またポリアルキレングリコールポリカーボネート
のほかに、他の成分を用いて潤滑油とすることもでき
る。
本発明に係る第2の冷凍機用潤滑油組成物を冷凍機用
潤滑油として用いる場合には、前述した本発明に係る第
1の冷凍機用潤滑油組成物の場合と同様の他の使用可能
な成分が配合されていてもよい。
特にオゾン層非破壊性の冷媒ガスとしてHFCたとえば
フロンR−134a(テトラフルオロエタン)を用いる冷凍
機用潤滑油の場合には、添加できる他の成分としては、
相溶性の点でグリコールエーテル類やカルボン酸エステ
ル類に限られる。しかしながら、これらの成分の添加量
は、耐熱性、フロンR−134aとの相溶性、吸水性を悪化
させるため、添加量は潤滑油組成物全量100重量%に対
して60重量%未満とする必要がある。さらに上述したよ
うな公知の潤滑油添加剤が配合されていてもよい。さら
にまた、冷凍機用潤滑油組成物中に、フロンR−134aな
どのオゾン層非破壊性フロンを含有させることもでき
る。
また、本発明に係る第2の冷凍機用潤滑油組成物を構
成するポリアルキレングリコールポリカーボネートを圧
延用潤滑油、金属加工油、繊維用潤滑油などの用途に用
いる場合には、前述した本発明に係る第1の冷凍機用潤
滑油組成物を構成するポリアルキレングリコールポリカ
ーボネートの場合と同様、従来通常に実施されているよ
うに、適当な乳化剤を用いてポリアルキレングリコール
ポリカーボネートを水とのエマルジョンにして使用する
ことも可能である。
発明の効果 本発明に係る第1および第2の冷凍機用潤滑油組成物
(単に「本発明に係る冷凍機用潤滑油組成物」と称す
る)は、潤滑性および清浄性に優れ、また、鉱油、エス
テル系の潤滑油と比較して、低温での粘度を引き下げる
ことが容易であるという効果もある。
したがって、本発明に係る冷凍機用潤滑油組成物は、
カークーラー、電気冷蔵庫などの用途に広く用いること
ができる。
また、本発明に係る潤滑油組成物は、上記のような特
性に優れるだけでなく、フロンR−134aなどのオゾン層
非破壊性フロンとの相溶性に優れているため、フロンR
−134aなどのオゾン層非破壊性フロンを冷媒として使用
する冷凍機用潤滑油として用いることができる。
本発明に係る冷凍機用潤滑油組成物は、特定のポリア
ルキレングリコールポリカーボネート(オリゴカーボネ
ート、ポリオールカーボネート)で構成されているた
め、冷媒ガスとして用いられるオゾン層非破壊性のHFC
であるフロンR−134a(CH2F−CF3)に溶解するだけで
なく、熱安定性および耐吸湿性に優れ、しかもNBRなど
のゴムシール材の収縮を防止してシール効果を保持する
ことができる。また、本発明に係る冷凍機用潤滑油組成
物は、EPDM、SBRに対しても、上記と同様のシール効果
を保持することから、EPDM、SBRをゴムシール材として
用いることができる。
また、本発明に係る上記一般式[III]で表わされる
ポリアルキレングリコールポリカーボネートは、本発明
に係る第2の冷凍機用潤滑油組成物を構成するポリアル
キレングリコールポリカーボネートであるので、上記の
ような効果を付与する潤滑油組成物を提供することがで
きる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例におけるポリアルキレングリコー
ルポリカーボネート(オリゴカーボネート、ポリオール
カーボネート)および対照品の分析と潤滑油の性能評価
は、以下の試験方法による。
(1)分析方法 a.平均分子量 (株)島津製作所製GPCシステムを使用し、ポリスチ
レン基準にて平均分子量を求めた。測定条件を下記に示
す。
カラム:ポリスチレンゲル4本(G−2000HXL+G−2
000HXL+G−3000HXL+G−4000HXL)、 検出器:示差屈折計、 温 度:40℃、 溶 媒:テトラヒドロフラン、 溶出速度:0.7ml/分 b.赤外吸収スペクトル 日本分光製赤外分光計A−302でKBr板間に試料を塗り
付けて測定する。
c.NMR分析 一般式[I]の平均n値は、プロトンNMR法[日本電
子(株)製JNM−GX270]により求める。
(2)評価方法 a.動粘度 JIS K−2283 b.粘度指数 JIS K−2283 c.低温粘度 ASTM D 2983 d.流動点 JIS K−2269 e.摩擦特性 摩擦係数は、オプチモール製SRV摩擦試験機にて下記
条件で測定する。
荷 重:200N、 温 度:50℃、 時 間:10分、 振 幅:1mm、 振動数:50Hz、 試験片:ともにSUJ−2製の円板と球との組合せ 摩耗痕は、上記試験後の円板の摩耗痕の深さを表面粗
度計(東京精密社製サーフコム200B)で測定する。
f.耐荷重値 耐荷重値は、ファレックス(Falex)試験機を用い、2
50 1bfの荷重で5分間慣らし運転した後、加重してい
き、焼付きが生じたときの荷重値を求め、この値を耐荷
重値とする。
g.熱安定性 (1)100ccビーカーにオリゴカーボネートの試料20g採
り100℃、6.5時間オーブンで加熱し、試験前後の重量変
化率をもって熱安定性を評価する。変化(減少)率が小
さい程優れていることを示す。
(2)100ccビーカーにポリオールカーボネートの試料2
0g採り100℃、6.5時間オーブンで加熱し、試験前後の重
量変化率をもって熱安定性を評価する。変化(減少)率
が小さい程優れていることを示す。
h.清浄性 試料1gを直径5cmの軟膏蓋に採り、230℃、48時間また
は300℃、6時間加熱する。試料が残存する場合は、黒
色固形化(炭化状態)している。試験前後の重量を測定
し、試料残存率をスラッジ生成率とし、このスラッジ生
成率をもって清浄性を評価する。
i.吸湿性 100ccビーカーに試料30g採り、25℃、相対湿度75%の
恒温恒湿槽で48時間静置し、試験前後の水分濃度をカー
ルフィッシャー法で測定する。
j.ゴム膨潤性 2種のOリング(P−22)、すなわちニトリルゴム製
のOリング(JIS B 2401の1種B)と弗素ゴム製のOリ
ング(JIS B 2401の4種D)を試料20mlの入ったフラス
コに入れ、コンデンサーをつけて、120℃のオイルバス
に70時間浸漬する。終了後Oリングを取り出し、付着試
料をよく拭ってから重量変化を求める。
k.フロンR−134aとの相溶性 (1)内径10mm、深さ20cmの試験管に試料1ml採り、ド
ライアイス−アセトン浴で冷却しながら、フロンR−13
4aをボンベ容器からゆっくり導入し試料の量より多めに
溜める。次にスパチュラーを入れて撹拌し、−20℃の冷
媒浴に移し、試料/フロンR−134aの容積比が1/1にな
ったときの溶解性を調べる。完全に均一であれば○と
し、溶解しなければ、×とする。
(2)カーボネート生成物とフロンR−134aとの相溶性
を更に詳しく調べるため、潤滑油とフロンR−134aとを
割合を色々変えてガラス管に封入し、両者が相溶する限
界の温度(臨界温度)を求める。
実施例1 まず溜出分離管および温度計付き2Lの4口フラスコに
トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル124g
(0.6モル)、トリエチレングリコール210g(1.4モル)
および炭酸ジエチル473g(4モル)を採り窒素置換し
た。次いで、チタン酸テトライソプロピル6mlを添加し
て撹拌下に加熱し、油浴温度を150℃とした後、還流さ
せ、エタノールの生成とともにフラスコの内温が115℃
未満となったとき、溜出液を少し抜き出すことによって
フラスコの内温を115℃以上にして30時間保った。
次に溜出分離管を溜出装置に換えて、油浴温度を150
℃に維持しながら少しずつ減圧にして最終的に、20mmHg
で30分維持して反応終了とした。
次にこの反応物に約1/2容量のキシレンを加えて希釈
し、分液ロートに移した後、水洗を3回行なってシリカ
ゲルで終夜脱水した。脱水液をロータリエバポレーター
で160℃、5mmHgの条件で処理して、キシレンを除去し、
常温で液状のポリアルキレングリコールポリカーボネー
ト205gを得た。
得られたポリアルキレングリコールポリカーボネート
の赤外吸収スペクトルを第1図に、またGPC図を第2図
に示す。またこのポリアルキレングリコールポリカーボ
ネートは、nが890、w/nが1.3であった。また、
NMRによる解析の結果、平均n値は2.0であった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
実施例2 実施例1と同様に、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル99g(0.6モル)、トリエチレングリコール21
0g(1.4モル)および炭酸ジエチル473g(4モル)を4
口フラスコに採り窒素置換してから、チタン酸テトライ
ソプロピル6mlを添加して反応、後処理を実施し、常温
で液状のポリアルキレングリコールポリカーボネート17
7gを得た。
得られたポリアルキレングリコールポリカーボネート
は、nが1340、w/nが1.5であった。また、NMRに
よる解析の結果、平均n値は4.7であった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
実施例3 実施例1と同様に、トリデカノール(東京化成品、分
岐異性体混合物)200g(1モル)、トリエチレングリコ
ール150g(1モル)および炭酸ジエチル473g(4モル)
を4口フラスコに採り、窒素置換してから、チタン酸テ
トライソプロピル3mlを添加して反応、後処理を実施
し、常温で液状のポリアルキレングリコールポリカーボ
ネート172gを得た。得られたポリアルキレングリコール
ポリカーボネートは、nが990、w/nが1.3であっ
た。また、NMRによる解析の結果、平均n値は2.9であっ
た。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
実施例4 実施例1と同様に、トリデカノール(東京化成品、分
岐異性体混合物)200g(1モル)、トリエチレングリコ
ール385g(2.6モル)および炭酸ジエチル473g(4モ
ル)を4口フラスコに採り、窒素置換してから、チタン
酸テトライソプロピル6mlを添加して反応、後処理を実
施し、常温で液状のポリアルキレングリコールポリカー
ボネート338gを得た。得られたポリアルキレングリコー
ルポリカーボネートは、nが890、w/nが1.2であ
った。また、NMRによる解析の結果、平均n値は2.4であ
った。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
実施例5 ビス[222−メトキシエトキシ)エトキシ}エ
チル]カーボネート50重量部と、実施例2のポリアルキ
レングリコールポリカーボネート50重量部とを混合し
た。
得られた混合ポリアルキレングリコールポリカーボネ
ートは、nが620、w/nが2.0であった。また、NM
Rによる解析の結果、平均n値は1.2であった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
比較例1 市販の鉱油(富士石油社製100ニュートラル)につい
て上記試験を行なった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
比較例2 市販のデセンオリゴマー(新日鐵化学(株)製シンフ
ルード401)について上記試験を行なった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
比較例3 ジイソデシルアジペート(DIDA)について上記試験を
行なった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
表1より、比較例1〜3に対して、各実施例のポリア
ルキレングリコールポリカーボネートは、摩擦特性と清
浄性に優れ、このような特性が重視される潤滑油用途に
適することは明らかである。
比較例4 ジイソトリデシルカーボネートについて上記試験を行
なった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
表1より、比較例4に対して、各実施例のポリアルキ
レングリコールポリカーボネートは、清浄性に優れるほ
か、ニトリルゴムの収縮性がなく弱膨潤性のためシール
性が良好であり、またフロンR−134aとの相溶性に優れ
ているので、特にオゾン非破壊性の冷媒ガスの冷凍機用
潤滑油適性で有利であることは明らかである。
比較例5 プロピレンオキシド系グリコールエーテル(n:152
0、w/n:1.1)について上記試験を行なった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
表1より、比較例5と比較して、各実施例のポリアル
キレングリコールポリカーボネートは、フロンR−134a
との相溶性が同様に良好で、吸湿性が少なく、ニトリル
ゴムの収縮性がなく弱膨潤性のためシール性が良好であ
り、潤滑性も優れていることは明らかである。また、比
較例5と比較して、各実施例のポリアルキレングリコー
ルポリカーボネートは、潤滑性が一段と優れており、清
浄性を重視する潤滑油にも適することは明らかである。
比較例6 現行のフロン、R−12冷凍機用潤滑油(日本サン石油
(株)製スニソ331)について上記試験を行なった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
この潤滑油は、オゾン層非破壊性のフロンR−134aと
は、相溶しない。
比較例7 圧延油用の牛脂について上記試験を行なった。
潤滑油基本性能の評価結果を表1に示す。
比較例7と各実施例とを比較すると、潤滑性は同等で
あるが、牛脂の清浄性は極めて悪い。
実施例6 10段シーブトレー式蒸留塔付1フラスコに、トリプ
ロピレングリコール(TPG)300g(1.56モル)、トリプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル(TPG−Me)153
g(0.74モル)、炭酸ジメチル(DMC)416g(4.62モル)
および28重量%のNaOCH3のメタノール溶液0.4g(NaOCH3
0.002モル)を仕込んで、常圧下で110〜150℃に加熱
し、生成したメタノールを炭酸ジメチル共沸物として溜
去しつつ、反応を行なったところ、蒸留を始めてから8.
3時間後にメタノールの留出がなくなった(ここまでの
カーボネート化反応を第1段の反応と称する)。
次に、20mmHg減圧下に未反応の炭酸ジメチルを除去し
た後、20mmHg減圧下に150℃で30分間フラスコを加熱し
て生成した炭酸ジメチルを溜去しつつ重合した(ここに
おけるカーボネート交換反応を第2段の反応と称す
る)。
そして、重合して得られた生成物をトルエン500gで希
釈した後、この生成物を、アンバーリスト15[酸量4.5
ミリモル/g、オルガノ(株)]を12g充填したカラムに
流して触媒を中和した。次いで、トルエンを蒸留除去
し、ポリプロピレングリコールポリカーボネート501gを
得た。
なお、第1段および第2段の反応で回収した炭酸ジメ
チルは220g(2.44モル)であり、生成したメタノールは
124g(3.87モル)であった。また、原料のトリプロピレ
ングリコールおよびトリプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル中の水酸基(−OH)モル数に対するメタノー
ル収率は100%であった。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、粘稠な液体であり、NMR分析の結果から以下の構造
を有することが判った。
R1−O−CO−OC3H6O3CO−OnR2 R1およびR2:CH3OC3H6 …61モル% CH3− …39モル% 平均n値:3.0 n:1160(NMR分析によるn:960) w/n:1.5 なお、赤外吸収スペクトル測定によれば、水酸基は観
測されなかった。
潤滑油基本性能の評価結果を表2に示す。
実施例7 実施例6において、トリプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、炭酸ジメチルおよび28重量%のNaOCH3
メタノール溶液の使用量をそれぞれ190g(0.92モル)、
450g(4.99モル)、0.5g(NaOCH3 0.003モル)とし、
かつ、第1段の反応における蒸留時間を8.5時間とした
以外は、実施例6と同様にして、ポリプロピレングリコ
ールポリカーボネート563gを得た。
なお、第1段および第2段の反応で回収した炭酸ジメ
チルは229g(2.54モル)であり、生成したメタノールは
130g(4.05モル)であった。また、原料のトリプロピレ
ングリコールおよびトリプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル中の水酸基(−OH)モル数に対するメタノー
ル収率は100%であった。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、粘稠な液体であり、NMR分析の結果から以下の構造
を有することが判った。
R1−O−CO−OC3H6O3CO−OnR2 R1およびR2:CH3OC3H6 …47モル% CH3− …53モル% 平均n値:2.7 n:880(NMR分析によるn:840) w/n:1.6 ナトリウム残存量:1ppm なお、GPC分析では、n=0,1,2,3,4,5の化合物が確認
された。
潤滑油基本性能の評価結果を表2に示す。
実施例8 実施例6において、トリプロピレングリコール、炭酸
ジメチルおよび28重量%のNaOCH3のメタノール溶液の使
用量をそれぞれ384g(2.00モル)、541g(6.00モル)、
0.6g(NaOCH3 0.003モル)とし、かつ、トリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルの代わりに、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル(PG−Me)90g(1.00
モル)を用い、第1段の反応における蒸留時間を7.5時
間とした以外は、実施例6と同様にして、ポリプロピレ
ングリコールポリカーボネート537gを得た。
なお、第1段および第2段の反応で回収した炭酸ジメ
チルは237g(2.63モル)であり、生成したメタノールは
158g(4.94モル)であった。また、原料のトリプロピレ
ングリコールおよびプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル中の水酸基(−OH)モル数に対するメタノール収
率は99%であった。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、NMR分析の結果から以下の構造を有することが判っ
た。
R1−O−CO−OC3H6O3CO−OnR2 R1およびR2:CH3−O−C3H6O− …62モル% CH3− …38モル% 平均n値:2.4 n:700 w/n:1.4 潤滑油基本性能の評価結果を表2に示す。
実施例9 実施例6において、トリプロピレングリコール、炭酸
ジメチルおよび28重量%のNaOCH3のメタノール溶液の使
用量をそれぞれ385g(2.00モル)、541g(6.00モル)、
0.6g(NaOCH3 0.003モル)とし、かつ、トリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルの代わりに、n−ブタ
ノール(n−BuOH)75g(1.01モル)を用い、第1段の
反応における蒸留時間を8時間とした以外は、実施例6
と同様にして、ポリプロピレングリコールポリカーボネ
ート522gを得た。
なお、第1段および第2段の反応で回収した炭酸ジメ
チルは230g(2.56モル)であり、生成したメタノールは
161g(5.03モル)であった。また、原料のトリプロピレ
ングリコールおよびn−ブタノール中の水酸基(−OH)
モル数に対するメタノール収率は100%であった。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、NMR分析の結果から以下の構造を有することが判っ
た。
R1−O−CO−OC3H6O3CO−OnR2 R1およびR2:n−C4H9− …61モル% CH3− …39モル% 平均n値:3.1 n:820 w/n:1.4 潤滑油基本性能の評価結果を表2に示す。
実施例10 実施例6において、トリプロピレングリコール、炭酸
ジメチルおよび28重量%のNaOCH3のメタノール溶液の使
用量をそれぞれ384g(2.00モル)、541g(6.00モル)、
0.5g(NaOCH3 0.003モル)とし、かつ、トリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルの代わりに、トリエチ
レングリコール−モノ−n−ブチルエーテル(TEG−n
−Bu)206g(1.00モル)を用い、第1段の反応における
蒸留時間を8時間とした以外は、実施例6と同様にし
て、ポリプロピレングリコールポリカーボネート662gを
得た。
なお、第1段および第2段の反応で回収した炭酸ジメ
チルは274g(3.04モル)であり、生成したメタノールは
160g(5.03モル)であった。また、原料のトリプロピレ
ングリコールおよびトリエチレングリコール−モノ−n
−ブチルエーテル中の水酸基(−OH)モル数に対するメ
タノール収率は100%であった。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、粘稠な液体であり、NMR分析の結果から以下の構造
を有することが判った。
R1−O−CO−OC3H6O3CO−OnR2 R1およびR2:C4H9OC2H4 …56モル% CH3− …44モル% 平均n値:2.4 n:520(NMR分析によるn:810) w/n:2.8 潤滑油基本性能の評価結果を表2に示す。
実施例11 まず、平均分子量(n)400のポリエチレングリコ
ール(PEG)502g(1.25モル)、炭酸ジメチル(DMC)11
34g(12.59モル)および28重量%のNaOCH3のメタノール
溶液0.2g(NaOCH3 0.001モル)を、10段オルダーショ
ー型蒸留塔付き2L反応器に採り窒素置換した。次いで、
この反応器を120〜150℃で16時間攪拌しながら加熱し、
生成したメタノールを炭酸ジメチルとともに溜去した。
次に、この残留物にトルエン400gを加えて、この残留
物を、アンバーリスト15[酸量4.5ミリモル/g、オルガ
ノ(株)]を12g充填したカラムに流し、アルカリ触媒
を中和した。減圧、加熱下にトルエンを除去し、ポリエ
チレングリコールポリカーボネート609gを得た。
なおメタノールの生成量は81g(2.52モル)であり、
炭酸ジメチルの回収量は918g(10.20モル)であった。
また、原料のポリエチレングリコール中の水酸基(−
OH)モル数に対するメタノール収率は100%であった。
得られたポリエレチングリコールポリカーボネート
は、NMR分析の結果から以下の構造を有することが判っ
た。
CH3−O−CO−OC2H4O9CO−OnCH3 平均n値:1.1 n:850 w/n:1.2 潤滑油基本性能の評価結果を表2に示す。
実施例12 10段シーブトレー式蒸留塔付1フラスコに、トリエ
チレングリコール(TEG)302g(2.01モル)、炭酸ジメ
チル(DMC)541g(6.01モル)および28重量%のNaOCH3
のメタノール溶液0.4g(NaOCH3 0.002モル)を仕込ん
で、常圧下で110〜150℃に加熱し、生成したメタノール
を炭酸ジメチル共沸物として溜去しつつ、反応を行なっ
たところ、蒸留を始めてから11時間後にメタノールの留
出がなくなった。
次に、20mmHg減圧下に未反応の炭酸ジメチルを除去し
た後、1mmHg減圧下に90℃で2時間フラスコを加熱して
生成した炭酸ジメチルを蒸留して重合した。
そして、重合して得られた生成物をトルエン500gで希
釈した後、この生成物を、アンバーリスト15[酸量4.5
ミリモル/g、オルガノ(株)]を12g充填したカラムに
流して触媒を中和した。次いで、トルエンを減圧下に溜
去し、ポリエチレングリコールポリカーボネート414gを
得た。
なお、生成したメタノールは31g(0.98モル)であっ
た。また、原料のトリエチレングリコール中の水酸基
(−OH)モル数に対するメタノール収率は96%であっ
た。
得られたポリエチレングリコールポリカーボネート
は、粘稠な液体であり、NMR分析の結果から以下の構造
を有することが判った。
R1−O−CO−OC2H4O3CO−OnR2 R1およびR2:CH3− …100モル% 平均n値:2.8 n:660(NMR分析によるn:590) w/n:1.5 潤滑油基本性能の評価結果を表2に示す。
実施例13 まず、平均分子量(n)1,000のポリプロピレング
リコール349.4g、炭酸ジメチル318.3g(3.53モル)およ
び28重量%のNaOCH3のメタノール溶液0.07g(NaOCH3
0.4ミリモル)を、10段オルダーショー型蒸留塔付き2L
反応器に採り窒素置換した。次いで、この反応器を120
〜140℃で13時間攪拌しながら加熱し、生成したメタノ
ールを炭酸ジメチルとともに溜去した。溜出メタノール
は21.6g、炭酸ジメチルは194.0gであった。
次に、20mmHg減圧下に150℃で30分間、反応器を加熱
し、未反応の炭酸ジメチル56.2gを溜去した後、残留物
にトルエン400gを加えて、この残留物を、アンバーリス
ト15[酸量4.5ミリモル/g、オルガノ(株)]を12g充填
したカラムに流し、アルカリ触媒を中和した。減圧、加
熱下にトルエンを除去し、378.2gの生成物を得た。
なおメタノールの生成量は21.6g(0.67モル)であ
り、炭酸ジメチルの回収量は250.2g(2.78モル)であっ
た。また、生成物のIR分析の結果、水酸基は検出されな
かった。さらに、生成物は、GPC分析の結果とNMR分析の
結果から以下の構造を有するポリプロピレングリコール
ポリカーボネートであることが判った。
CH3O−CO−OC3H6O17CO−OCH3 91.7重量% CH3O−CO−OC3H6O17CO−O−C3H6O17CO−OC
H3 8.3重量% このポリプロピレングリコールポリカーボネートの赤
外吸収スペクトル図およびGPC図をそれぞれ第3図、第
4図に示す。
このポリプロピレングリコールポリカーボネートの潤
滑油基本性能の評価結果を表3に示す。
実施例14 まず溜出分離管および温度計付き2Lの4口フラスコ
に、平均分子量(n)1,000のポリプロピレングリコ
ール500g(0.5モル)および炭酸ジエチル236g(2モ
ル)を採り窒素置換した。次いで、チタン酸テトライソ
プロピル2.8mlを添加して撹拌下に加熱し、油浴温度を1
50℃とした後、還流させ、エタノールの生成とともにフ
ラスコの内温が115℃未満となったとき、溜出液を少し
抜き出すことによってフラスコの内温を115℃以上にし
て50時間保った。
次いで、反応溶液を放冷した後、水を反応溶液の1/4
容積量加え、この反応溶液を分液ロートに移した。そし
て、洗浄水を捨てて更に2度水洗して分液を行なった。
次いで、反応溶液に無水のシリカゲルを加えて反応溶
液を一夜静置した後、濾過し、濾液を150℃(オイルバ
スの油温)で、ロータリーエバポレーター中、5mmHgの
減圧下で30分維持して、軽溜分を除き目的の生成物394g
を得た。
生成物のIR分析の結果、水酸基は検出されなかった。
また、生成物は、GPC分析の結果とNMR分析の結果から以
下の構造を有するポリプロピレングリコールポリカーボ
ネートであることが判った。
C2H5O−CO−OC3H6O17CO−OC2H5 67.7重量% C2H5O−CO−OC3H6O17CO−OC3H6O17CO−OC2
H5 などの高分子量体 32.3重量% このポリプロピレングリコールポリカーボネートの潤
滑油基本性能の評価結果を表3に示す。
比較例8 比較例5のプロピレンオキシド系グリコールエーテル
(n:1520、w/n:1.1)について、熱安定性を上記
(2)の試験方法により評価した。
潤滑油基本性能の評価結果を表3に示す。
表3より、比較例8と比較して、各実施例のポリプロ
ピレングリコールポリカーボネートは、フロンR−134a
との相溶性が同様に良好で、吸湿性が少なく、ニトリル
ゴムの収縮性がなく弱膨潤性のためシール性が良好であ
り、潤滑性も優れていることは明らかである。また、比
較例8と比較して、各実施例のポリプロピレングリコー
ルポリカーボネートは、潤滑性が一段と優れており、清
浄性を重視する潤滑油にも適することは明らかである。
実施例13のポリプロピレングリコールポリカーボネー
ト潤滑油および比較例8のプロピレンオキシド系グリコ
ールエーテル潤滑油とフロンR−134aとの相溶性を更に
詳しく調べるため、潤滑油とフロンR−134aとを割合を
色々変えてガラス管に封入し、両者が相溶する限界の温
度(臨界温度)を求めた。
その結果を表4に示す。
比較例9 比較例6と同じ現行のフロン、R−12冷凍機用潤滑油
(日本サン石油(株)製スニソ331)について、熱安定
性を上記(2)の試験方法により評価した。
潤滑油基本性能の評価結果を表3に示す。
この潤滑油は、オゾン層非破壊性のフロンR−134aと
は、相溶しない。
実施例15 実施例11において、ポリエチレングリコールの代わり
に、平均分子量(n)725のポリプロピレングリコー
ル(PPG)249g(0.34モル)を用い、炭酸ジメチルおよ
び28重量%のNaOCH3のメタノール溶液の使用量をそれぞ
れ309g(3.43モル)、0.1g(NaOCH3 0.001モル)と
し、かつ、反応温度を120〜145℃、反応時間を10.5時間
とした以外は、実施例11と同様にして、ポリプロピレン
グリコールポリカーボネート276gを得た。
なお、メタノールの生成量は21g(0.65モル)であ
り、炭酸ジメチルの回収量は259g(2.87モル)であっ
た。また、原料のポリプロピレングリコール中の水酸基
(−OH)モル数に対するメタノール収率は95%であっ
た。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、NMR分析の結果から以下の構造を有することが判っ
た。
R7−O−CO−OC3H6O12C3H6−O−CO−OR7 R7:CH3− …99モル% CH2=CHCH2− …1モル% n:1110 w/n:1.1 潤滑油基本性能の評価結果を表6に示す。
実施例16 実施例11において、ポリエチレングリコールの代わり
に、平均分子量(n)1000のポリプロピレングリコー
ル(PPG)509g(0.51モル)を用い、炭酸ジメチルおよ
び28重量%のNaOCH3のメタノール溶液の使用量をそれぞ
れ926g(10.29モル)、0.1g(NaOCH3 0.001モル)と
し、かつ、反応温度を120〜130℃、反応時間を7時間と
した以外は、実施例11と同様にして、ポリプロピレング
リコールポリカーボネート557gを得た。
なお、メタノールの生成量は31g(0.98モル)であ
り、炭酸ジメチルの回収量は845g(9.39モル)であっ
た。また、原料のポリプロピレングリコール中の水酸基
(−OH)モル数に対するメタノール収率は96%であっ
た。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、NMR分析の結果から以下の構造を有することが判っ
た。
R7O−CO−OC3H6O17C3H6−O−CO−OR7 R7:CH3− …98モル% CH2=CHCH2− …2モル% n:1460 w/n:1.0 潤滑油基本性能の評価結果を表6に示す。
実施例17 実施例11において、ポリエチレングリコールおよび炭
酸ジメチルの代わりに、平均分子量(n)400のポリ
プロピレングリコール(PPG)400g(1.00モル)、およ
びジイソプロピルカーボネート(DIPC)1171g(8.02モ
ル)を用い、かつ、反応温度を120〜175℃、反応時間を
9.8時間とした以外は、実施例11と同様にして、ポリプ
ロピレングリコールポリカーボネート525gを得た。
なお、イソプロピルアルコール(IPA)の生成量は122
gであり、ジイソプロピルカーボネートの回収量は899g
(6.16モル)であった。また、原料のポリプロピレング
リコール中の水酸基(−OH)モル数に対するイソプロピ
ルアルコール収率は101%であった。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、NMR分析の結果から以下の構造を有することが判っ
た。
R7−O−CO−OC3H6O9C3H6−O−CO−OR7 R7:i−C3H7− …100モル% n:710 w/n:1.6 潤滑油基本性能の評価結果を表6に示す。
実施例18 実施例11において、ポリエチレングリコールの代わり
に、平均分子量(n)400のポリプロピレングリコー
ル(PPG)640g(1.60モル)を用い、炭酸ジメチルおよ
び28重量%のNaOCH3のメタノール溶液の使用量をそれぞ
れ1153g(12.80モル)、0.3g(NaOCH3 0.002モル)と
し、かつ、反応温度を120〜130℃、反応時間を7.5時間
とした以外は、実施例11と同様にして、ポリプロピレン
グリコールポリカーボネート633gを得た。
なお、メタノールの生成量は105g(3.27モル)であ
り、炭酸ジメチルの回収量は832g(9.24モル)であっ
た。また、原料のポリプロピレングリコール中の水酸基
(−OH)モル数に対するメタノール収率は102%であっ
た。
得られたポリプロピレングリコールポリカーボネート
は、NMR分析の結果から以下の構造を有することが判っ
た。
R7O−CO−OC3H6O7C3H6−O−CO−OR7 R7:CH3− …100モル% n:500 w/n:1.4 潤滑油基本性能の評価結果を表6に示す。
実施例19 実施例11において、ポリエチレングリコールの代わり
に、平均分子量(n)1000のポリプロピレントリグリ
コール[商品名 PPG−Triolシリーズ MW−1000、三井
東圧化学(株)]499g(0.48モル)を用い、炭酸ジメチ
ルおよび28重量%のNaOCH3のメタノール溶液の使用量を
それぞれれ928g(10.31モル)、0.14g(NaOCH3 0.003
モル)とし、反応温度を110〜120℃、反応時間を7時間
とした以外は、実施例11と同様にして、生成メタノール
とその残留物を得た。
次いで、この残留物にヘキサンを加え、用いたNaOCH3
の5倍モル量の炭酸アンモニウムを含有する水溶液で触
媒を中和し、水洗した後、ヘキサンと未反応の炭酸ジメ
チルを除去し、ポリオールカーボネート576gを得た。
なおメタノールの生成量は46.3gであり、炭酸ジメチ
ルの回収量は769gであった。また、原料のポリプロピレ
ントリグリコール中の水酸基(−OH)モル数に対するメ
タノール収率は101%であった。
得られたポリオールカーボネートは、NMR、GPCおよび
IRの分析結果から、ポリプロピレングリコールトリメチ
ルカーボネートが主成分であることが判った。また、得
られたポリオールカーボネートは、w/nが1.1であ
った。
潤滑油基本性能の評価結果を表6に示す。
実施例20 実施例11において、ポリエチレングリコールの代わり
に、平均分子量(n)500のペンタエリスリトールの
プロピレンオキサイド付加体[商品名 PPG−多官能シ
リーズ PE−450、三井東圧化学(株)]318g(0.6モ
ル)を用い、炭酸ジメチルおよび28重量%のNaOCH3のメ
タノール溶液の使用量をそれぞれ1153g(12.8モル)、
0.28g(NaOCH3 0.006モル)とし、反応温度を120〜130
℃、反応時間を7時間とした以外は、実施例11と同様に
して、生成メタノールとその残留物を得た。
次いで、この残留物にヘキサンを加え、用いたNaOCH3
の5倍モル量の炭酸アンモニウムを含有する水溶液で触
媒を中和し、水洗した後、ヘキサンと未反応の炭酸ジメ
チルを除去し、ポリオールカーボネート457gを得た。
なおメタノールの生成量は83.7g(2.61モル)であ
り、炭酸ジメチルの回収量は911gであった。また、原料
のペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加体
中の水酸基(−OH)モル数に対するメタノール収率は10
2%であった。
得られたポリオールカーボネートは、NMR、GPCおよび
IRの分析結果から、以下の構造を有することが判った。
この化合物の赤外吸収スペクトル図を第5図に示す。
また、この化合物の1H−NMRデータを表5に示す。
w/n:1.18 潤滑油基本性能の評価結果を表6に示す。
実施例21 10段シーブトレー式蒸留塔を備えた容量5の反応器
に平均分子量1000のポリプロピレングリコール1206g
(1.21モル)、平均分子量700のポリプロピレングリコ
ール840g(1.20モル)、炭酸ジメチル2164g(24.0モ
ル)及び28重量%のNaOCH3のメタノール溶液0.14g(NaO
CH3 0.003モル)を仕込んだ。
この混合物を常圧下に110〜120℃に加熱し、生成する
メタノールを炭酸ジメチルとの共沸物として留去しつ
つ、反応を行なったところ、9時間後にメタノールの流
出が止まった。生成したメタノールは155g(4.83モル)
であり、メタノール収率は100%であった。
このようにして得られた反応混合物にヘキサンを加
え、用いたNaOCH3の5倍モル量の炭酸アンモニウムを含
有する水溶液で触媒を中和し、水洗した後、ヘキサンと
未反応の炭酸ジメチルを除去して、ポリカーボネート23
14gを得た。
得られたポリカーボネートは粘稠な液体であり、プロ
トンNMR及びGPC分析の結果、ポリプロピレングリコール
ジメチルカーボネートを主生成物とするものであった。
GPCによる重量平均分子量/数平均分子量(w/n)
は1.1であった。また、ナトリウムの残存量は0.05ppm以
下であった。
潤滑油基本性能の評価結果を表6に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られたポリアルキレングリコー
ルポリカーボネートの赤外吸収スペクトル図であり、第
2図は、実施例1で得られたポリアルキレングリコール
ポリカーボネートのGPC図である。また、第3図は、実
施例13で得られたポリプロピレングリコールポリカーボ
ネートの赤外吸収スペクトル図であり、第4図は、実施
例13で得られたポリプロピレングリコールポリカーボネ
ートのGPC図である。第5図は、実施例20で得られたポ
リオールカーボネートの赤外吸収スペクトル図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式[I]で表わされるポリアル
    キレングリコールポリカーボネートを含有してなること
    を特徴とする冷凍機用潤滑油組成物; R1−O−CO−O−([(−R3−)−O−]−CO−O
    −)−R2 …[I] [式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原
    子数がそれぞれ20以下である脂肪族炭化水素基、脂環族
    炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素
    基、および一般式 −[(−R4−)−O−]−R5 (式中、R4は炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、
    R5は炭素原子数がそれぞれ20以下である脂肪族炭化水素
    基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、pは
    1〜100の整数であり、qは1〜10の整数である)で表
    わされるアルキルオキシアルキレン基よりなる群から選
    択される基であり、 R3は、炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、1は1
    〜100の整数であり、mは2〜10の整数であり、nは1
    〜100の整数である]。
  2. 【請求項2】オゾン層非破壊性フロンを含有しているこ
    とを特徴とする請求項第1項に記載の冷凍機用潤滑油組
    成物。
  3. 【請求項3】下記の一般式[II]で表わされるポリアル
    キレングリコールポリカーボネートを含有してなること
    を特徴とする冷凍機用潤滑油組成物; R6−(−O−CO−OR7 …[II] [式[II]中、R6は、分子量85〜10,000の炭化水素基ま
    たは分子量60〜10,000の酸素原子を含む炭化水素基であ
    り、jは2、5または7〜10の整数であり、 それぞれのR7は、独立に、炭素原子数がそれぞれ20以下
    である脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭
    化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、および一般式 −(−R8−O−)−R9 (式中、R8は炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、
    R9は炭素原子数がそれぞれ20以下である脂肪族炭化水素
    基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、kは
    1〜10の整数である)で表わされるアルキルオキシアル
    キレン基よりなる群から選択される基である]。
  4. 【請求項4】オゾン層非破壊性フロンを含有しているこ
    とを特徴とする請求項第3項に記載の冷凍機用潤滑油組
    成物。
  5. 【請求項5】下記の一般式[III]で表わされるポリア
    ルキレングリコールポリカーボネート; C−{−CH2O−[−CH2CH(CH3)O−]−COO−R10
    …[III] [式[III]中、R10は、それぞれ独立に、炭素原子数30
    以下の炭化水素基または炭素原子数2〜30のエーテル結
    合を有する炭化水素基であり、nの平均値は1〜12であ
    る]。
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