JPH0532588A - ポリカーボネートおよびその用途 - Google Patents

ポリカーボネートおよびその用途

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JPH0532588A
JPH0532588A JP3346986A JP34698691A JPH0532588A JP H0532588 A JPH0532588 A JP H0532588A JP 3346986 A JP3346986 A JP 3346986A JP 34698691 A JP34698691 A JP 34698691A JP H0532588 A JPH0532588 A JP H0532588A
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JP
Japan
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group
polycarbonate
lubricating oil
carbon atoms
formula
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Application number
JP3346986A
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English (en)
Inventor
Masahide Tanaka
中 正 秀 田
Kenji Shimamoto
本 健 治 島
Takashi Hayashi
剛 史 林
Tetsuo Hayashi
哲 雄 林
和 紀 ▲高▼畑
Kazunori Takahata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のポリカーボネートは、R1OCOO
2OCOOR3 で表わされる。上記R1 およびR3
は、それぞれ独立に、炭素原子数30以下の炭化水素基
または炭素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化
水素基であり、R 2 は、主鎖の炭素原子数が4〜20
で、全炭素原子数が5〜20の直鎖状または分岐状の炭
化水素基である。また、本発明の潤滑油および電気絶縁
油は、上記のポリカーボネートを含有してなる。 【効果】 本発明のポリカーボネートは、フロンR−1
34a(HFC)との相溶性に優れるとともに、潤滑性
および電気絶縁性に優れ、冷凍機用潤滑油、自動車用エ
ンジン油、自動車用ギア油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑
油などの潤滑油、特に電気絶縁性が要求される潤滑油、
電気絶縁油を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリカーボネートおよび
その用途に関し、さらに詳しくは、冷凍機の冷媒として
用いられるフロンR−134a、R−152aなどのオ
ゾン層非破壊性のフルオロカーボン水素添加物(HFC 、
Hydrogenated Fluoro Carbon)、フロンR−22、R−
123、R−124などのオゾン破壊力(Ozone Deplet
ionPotential)が小さいクロロフルオロカーボン水素添
加物(HCFC、HydrogenatedChlorofluoro Carbon)、さ
らにはこれらの混合物との相溶性に優れるとともに、潤
滑性、電気絶縁性に優れるポリカーボネート、およびこ
のポリカーボネートからなる潤滑油、電気絶縁油、特に
冷媒としてオゾン層非破壊性フロンを使用する冷凍機に
適する潤滑油、電気冷蔵庫用に特に適する潤滑油および
電気絶縁油に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリカーボネートは、種々の潤滑
油またはその成分として有効である。しかしながら、従
来のポリカーボネートは、その体積抵抗率が1011〜1
12Ω・cmのオーダーであり、特に電気絶縁性が要求
されるような潤滑油、電気絶縁油の用途においては、電
気絶縁性が必ずしも充分ではなかった。
【0003】ところで、最近、冷凍機用潤滑油では、冷
媒ガスがオゾン層非破壊性HFCであるフロンR−13
4a(CH2F−CF3)に変更されるに伴い、従来、冷
凍機用潤滑油として使用されてきた鉱物油やアルキルベ
ンゼン類化合物は、冷媒ガスとの相溶性がないため使用
できなくなった。そこで、ポリプロピレングリコールや
ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジアルキルエーテルなどが冷凍機
用潤滑油として用いられるようになった。しかしなが
ら、上記化合物はフロンR−134aとの相溶性が低い
ため、冷媒としてオゾン層非破壊性フロンを使用する冷
凍機用潤滑油には、適していなかった。
【0004】したがって、フロンR−134aとの相溶
性に優れるとともに、潤滑性および電気絶縁性に優れた
ポリカーボネートの出現が従来より望まれていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、オゾン層非破
壊性のフルオロカーボン水素添加物、オゾン破壊力が小
さいクロロフルオロカーボン水素添加物およびこれらの
混合物、特にフロンR−134aとの相溶性に優れると
ともに、潤滑性および電気絶縁性に優れたポリカーボネ
ートを提供することを目的としている。
【0006】また、本発明は、上記ポリカーボネートか
らなる潤滑油、電気絶縁油、特に冷媒としてオゾン層非
破壊性フロンを使用する冷凍機に適する潤滑油、電気冷
蔵庫用に特に適する潤滑油および電気絶縁油を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る新規なポリカーボネート
は、下記の一般式[I]で表わされる。 R1OCOOR2OCOOR3 ・・・[I] 上記の一般式[I]において、R1 およびR3 は、それ
ぞれ独立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭
素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基で
あり、R2 は、主鎖の炭素原子数が4〜20で、全炭素
原子数が5〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基で
ある。
【0008】また、本発明に係る新規な潤滑油は、上記
のポリカーボネートを含有してなることを特徴としてい
る。本発明に係る潤滑油は、潤滑性および清浄性に優
れ、また鉱油、エステル系の潤滑油と比較して、低温で
の粘度を引き下げることが容易であるため、工業用ギヤ
油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油、カークーラ
ー、電気冷蔵庫などの冷凍機用潤滑油、繊維用潤滑油、
圧延用潤滑油などの用途に広く用いることができる。
【0009】また、本発明に係る潤滑油は、上記のよう
な特性に優れるだけでなく、フロンR−134a、R−
152aなどのオゾン層非破壊性フロン、フロンR−2
2、R−123、R−124などのオゾン破壊力が小さ
いクロロフルオロカーボン水素添加物、さらにはこれら
の混合物との相溶性に優れているため、フロンR−13
4aなどのオゾン層非破壊性フロン、R−22、R−1
23、R−124などのオゾン破壊力が小さいクロロフ
ルオロカーボン水素添加物、さらにはこれらの混合物を
冷媒として使用する冷凍機用潤滑油として用いることが
できる。
【0010】また、本発明においては、上記のポリカー
ボネートのほかに、フロンR−134aなどのオゾン層
非破壊性フロン、R−22などのオゾン破壊力が小さい
クロロフルオロカーボン水素添加物、さらにはこれらの
混合物を含有してなる潤滑油も冷凍機用潤滑油として用
いることができる。
【0011】なお、本明細書中の「潤滑油」なる語は、
潤滑油が本発明のポリカーボネートとその他の成分とで
構成される場合、本発明のポリカーボネート単独で構成
される場合を含んで用いられる。
【0012】また、本発明に係る新規な電気絶縁油は、
上記のポリカーボネートからなることを特徴としてい
る。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリカーボネ
ートおよびその用途について具体的に説明する。
【0014】本発明に係る新規なポリカーボネートは、
下記の一般式[I]で表わされる。 R1OCOOR2OCOOR3 ・・・[I] 上記の一般式[I]において、R1 およびR3 は、それ
ぞれ独立に、炭素原子数30以下の炭化水素基または炭
素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基で
あり、R2 は、主鎖の炭素原子数が4〜20で、全炭素
原子数が5〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基で
ある。
【0015】上記R2 の炭化水素基としては、具体的に
は、アミレン基、メチルアミレン基、エチルアミレン
基、ヘキシレン基、メチルヘキシレン基、エチルヘキシ
レン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチ
レン基、ドデカメチレン基、テトラデカメチレン基など
を挙げることができる。
【0016】上記R1 およびR3 の炭化水素基として
は、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化
水素基、芳香脂肪族炭化水素基および一般式 −(R4−O)q−R5 (式中、R4 は、炭素原子数2〜3のアルキレン基であ
り、R5 は炭素原子数28以下の炭化水素基であり、q
は1〜20の整数である)で表わされるグリコールエー
テル基が挙げられる。
【0017】上記R1 およびR3 における脂肪族炭化水
素基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、n-プ
ロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル
基、2,3-ジメチルブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、
ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキ
シル基、2-エチルヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプ
チル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル
基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、イソデシ
ル基、n-ウンデシル基、イソウンデシル基、n-ドデシル
基、イソドデシル基、n-トリデシル基、イソトリデシル
基、n-テトラデシル基、イソテトラデシル基、n-ペンタ
デシル基、イソペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、イ
ソヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、イソヘプタデシ
ル基、n-オクタデシル基、イソオクタデシル基、n-ノニ
ルデシル基、イソノニルデシル基、n-アイコサニル基、
イソアイコサニル基、2-エチルヘキシル基、2-(4-メチ
ルペンチル)基などを挙げることができる。
【0018】また、R1 およびR3 における脂環族炭化
水素基の具体的な例としては、シクロヘキシル基、1-シ
クロヘキセニル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチル
シクロヘキシル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロ
デカニル基などを挙げることができる。
【0019】さらに、R1 およびR3 における芳香族炭
化水素基の具体的な例としては、フェニル基、o-トリル
基、p-トリル基、m-トリル基、2,4-キシリル基、メシチ
ル基、1-ナフチル基などを挙げることができる。
【0020】さらにまた、R1 およびR3 における芳香
脂肪族炭化水素基の具体的な例としては、ベンジル基、
メチルベンジル基、β-フェニルエチル基(フェネチル
基)、1-フェニルエチル基、1-メチル-1- フェニルエチ
ル基、p-メチルベンジル基、スチリル基、シンナミル基
などを挙げることができる。
【0021】上記R4 におけるアルキレン基の具体的な
例としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン
基を挙げることができる。また、上記R5 における炭化
水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基
および芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの具体的
な例としては、それぞれ上述したR1 およびR3 におけ
る脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水
素基の具体的な例として列挙した基と同様の基を挙げる
ことができる。
【0022】上記の一般式で表わされるグリコールエー
テル基としては、具体的には、エチレングリコールモノ
メチルエーテル基、ジエチレングリコールモノn-ブチル
エーテル基、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル基、プロピレングリコールモノメチルエーテル基、プ
ロピレングリコールモノn-ブチルエーテル基、ジプロピ
レングリコールモノエチルエーテル基、トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテル基、トリプロピレングリ
コールモノn-ブチルエーテル基などを挙げることができ
る。
【0023】上記一般式[I]で表わされる好ましいポ
リカーボネートとしては、たとえば、次のような式で表
わされるポリカーボネートが挙げられる。 (1)R1OCOO−CH2CH2CH(CH3)CH2
2−OCOOR3 (2)R1OCOO−CH2(CH27CH2−OCOO
3 (3)R1OCOO−(CH25−OCOOR3 (4)R1OCOO−(CH26−OCOOR3 (5)R1OCOO−CH2CH(CH3)(CH26
OCOOR3 (6)R1OCOO−(CH210−OCOOR3 上記(1)および(2)式におけるR1 およびR3 は、
上記一般式[I]におけるR1 、R3 と同一の基であ
る。
【0024】上記のような一般式[I]で表わされるポ
リカーボネートは、たとえば以下のような方法により製
造することができる。 まず、(a)一般式[II] R2(OH)2 ・・・[II] [式[II]中、R2 は、上記一般式[I]におけるR
2 と同一である]で表わされるジオール、および (b)一般式[III] R1OCOOR1 または R3OCOOR3 ・・・[III] [式[III]中、R1 およびR3 は、上記一般式
[I]におけるR1、R3と同一である]で表わされ、か
つR1 OHまたはR3 OHの沸点が上記ジオールの沸点
よりも低く、m1 /2m2 (式中、m1 はカーボネート
化合物のモル数であり、m2 はジオールのモル数であ
る)が0.5〜200の範囲となる量のカーボネート化
合物を塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアル
コール(R1OHまたはR3OH)を蒸留によって反応系
外に除去して、反応率95%以上まで反応させる。な
お、上記反応を行なうに際し、反応器内の空気を窒素置
換することが望ましいが、窒素置換しなくてもよい。
【0025】次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反
応の上記カーボネート化合物を蒸留によって反応系外に
除去し、上記一般式[I]で表わされるポリカーボネー
トを得る。
【0026】上記一般式[III]で表わされるカーボ
ネート化合物としては、具体的には、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート、ジ-[1,3-ジメチルブチル]
カーボネート、ジイソアミルカーボネート、ジヘキシル
カーボネート、ジオクチルカーボネート、ジ-[2-エチル
ヘキシル]カーボネート、ジシクロヘキシルカーボネー
トなどが好ましく用いられる。
【0027】この方法では、カーボネート化反応で生成
するアルコールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カー
ボネート化反応を進行させるので、この反応で生成する
アルコール、すなわち、R1 OHまたはR3 OHで表わ
されるアルコールは、上記ジオールよりも沸点が低いこ
とが必要である。
【0028】また、カーボネート化合物は、m1 /2m
2 (式中、m1 はカーボネート化合物のモル数であり、
2 はジオールのモル数である)が0.5〜200、好
ましくは1〜80、さらに好ましくは1〜50の範囲と
なる量で用いられる。このようにカーボネート化合物の
使用量を制限することにより、高重合度のポリカーボネ
ートの生成を抑制することができる。
【0029】この方法においては、反応は、上記のよう
なジオールとカーボネート化合物を反応容器に仕込み、
塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコール
を蒸留によって反応系外に除去して、反応率95%以上
まで反応させ、次いで、上記塩基触媒を除去した後、未
反応の上記カーボネート化合物を蒸留によって反応系外
に除去する。反応率95%以上とは、上記生成するアル
コールが上記2m2 の0.95倍モル以上生成するま
で、反応させることをいう。
【0030】上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩
や炭酸水素塩、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキ
シド、リチウムメトキシド、セシウムメトキシド等のア
ルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウム、ナトリウ
ムアミド等のアルカリ金属化合物が好ましく用いられ
る。これらのうちでは、特に、アルカリ金属アルコラー
トが好ましい。このほか、たとえば、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、イミダゾール、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキシド等の有機アミ
ノ化合物も用いられる。これら触媒の使用量は、通常、
触媒のモル数/上記2m2 が10-1〜10-7、好ましく
は10-2〜10-5となる範囲で用いられる。
【0031】この方法においては、反応は、通常、50
〜300℃、好ましくは60〜200℃の温度で行なわ
れる。反応時間は、通常、0.5〜200時間、好まし
くは1〜100時間である。
【0032】反応終了後の触媒の除去は、水洗または酸
で中和することによって行なわれる。酸としては、スル
ホン酸型イオン交換樹脂等の固体酸;炭酸、塩化アンモ
ニウム、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、フェノ
ール等の有機酸が用いられる。また、上記水洗において
は、炭酸アンモニウムのような塩を添加してもよい。
【0033】この方法によれば、このように、塩基触媒
を除去した後、未反応のカーボネート化合物を減圧下に
蒸留除去することによって、塩基触媒の存在下で未反応
のカーボネート化合物を蒸留によって除去するときに生
じるポリカーボネートの重合を防止して、高収率にて目
的とするポリカーボネートを得ることができる。
【0034】このようにして得られたポリカーボネート
は、必要に応じて、活性白土、活性炭等の吸着剤にて処
理または水洗して、微量の不純物を除去してもよい。特
に、かかる処理によれば、微量のイオン性化合物や極性
化合物を除去できるので、得られたポリカーボネートを
安定に保持することができる。
【0035】上記のような方法によれば、上記反応にお
いて、カーボネート化合物としてジメチルカーボネート
を用いる場合、メタノールをジメチルカーボネートとの
共沸物として反応系から除去する代わりに、予め反応系
にシクロヘキサン、ベンゼン、ヘキサン等を共沸溶剤と
して加え、メタノールをこれら共沸溶剤との共沸物とし
て、反応系外に除去することもできる。上記共沸溶剤
は、ジメチルカーボネート100重量%に対して、通
常、5〜100重量部の割合で用いられる。
【0036】この方法によれば、反応において、メタノ
ールを上記共沸溶剤との共沸物として、反応系外に除去
し、反応の終了後、反応混合物から未反応ジメチルカー
ボネートを回収するので、その回収率を高めることがで
きる。
【0037】また、別の方法として、上述したように、
メタノールをジメチルカーボネートとの共沸物として回
収した後、この共沸物に上記共沸溶剤を加え、メタノー
ルをこれら共沸溶剤との共沸物としてジメチルカーボネ
ートから除去して、ジメチルカーボネートを回収するこ
ともできる。
【0038】上記のような方法によれば、ジオールとカ
ーボネート化合物との反応の終了後、用いた塩基触媒を
除去した後に、未反応のカーボネート化合物を除去する
ので、目的とするポリカーボネートを高収率にて得るこ
とができる。
【0039】また、本発明に係るポリカーボネートの別
の製造方法として、次のような方法がある。 まず、(a)一般式[II] R2(OH)2 ・・・[II] [式[II]中、R2 は、上記一般式[I]におけるR
2 と同一である]で表わされるジオール、 (b)一般式[IV] R1 OH または R3 OH ・・・[IV] [式[IV]中、R1 およびR3 は、上記一般式[I]
におけるR1、R3と同一である]で表わされるモノアル
コール、および (c)一般式[V] R6 OCOOR6 ・・・[V] [式[V]中、R6 は、それぞれ独立に、炭素原子数1
〜2のアルキル基である]で表わされ、かつ、R6 OH
の沸点が上記ジオールおよびモノアルコールの沸点より
も低く、m1 /2m2 (式中、m1 はカーボネート化合
物のモル数であり、m2 はジオールのモル数である)が
0.5〜200の範囲となる量のカーボネート化合物を
塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコール
(R6 OH)を蒸留によって反応系外に除去して、反応
率95%以上まで反応させる。なお、上記反応を行なう
に際し、反応器内の空気を窒素置換することが望ましい
が、窒素置換しなくてもよい。
【0040】次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反
応および最終段階の反応に至らないカーボネート化合物
[R7OCOOR7 (式中、R7 は、それぞれ独立に、
1、R3 ないしR6 である)]を蒸留によって反応系
外に除去し、上記一般式[I]で表わされるポリカーボ
ネートを得る。
【0041】この方法では、カーボネート化反応で生成
するアルコールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カー
ボネート化反応を進行させるので、この反応で生成する
アルコール、すなわち、R6 OHで表わされるアルコー
ルは、上記ジオールおよびモノアルコールよりも沸点が
低いことが必要である。また、カーボネート化合物は、
1 /2m2 (式中、m1はカーボネート化合物のモル
数であり、m2 はジオールのモル数である)が0.5〜
200、好ましくは1〜80、さらに好ましくは1〜5
0の範囲となる量で用いられる。このようにカーボネー
ト化合物の使用量を制限することにより、高重合度のポ
リカーボネートの生成を抑制することができる。
【0042】この方法においては、反応は、上記のよう
なジオールとモノアルコールとカーボネート化合物を反
応容器に仕込み、塩基触媒の存在下に加熱しながら、生
成するアルコールを蒸留によって反応系外に除去して、
反応率95%以上まで反応させ、次いで、上記塩基触媒
を除去した後、未反応の上記カーボネート化合物を蒸留
によって反応系外に除去する。反応率95%以上とは、
上記生成するアルコールが上記2m2 の0.95倍モル
以上生成するまで、反応させることをいう。
【0043】上記塩基触媒、反応温度、反応時間、反応
終了後の触媒除去、不純物の除去および未反応ジメチル
カーボネートの回収については、先の製造方法の場合と
同様である。
【0044】最初に述べたポリカーボネートの製造方法
では、一般式[III]で表わされる、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート以外のカーボネート化合
物は、入手が困難であるため、予め合成する必要があ
る。一方、この製造方法では、容易に入手できる一般式
[V]で表わされるカーボネート化合物(ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボ
ネート)と一般式[IV]で表わされるモノアルコール
を用いてポリカーボネートを製造するので、上記のよう
なカーボネート化合物の合成は必要がなく、経済的であ
る。
【0045】また、この方法によれば、先の製造方法の
場合と同様に、高収率にて目的とするポリカーボネート
を得ることができる。本発明に係るポリカーボネート
は、潤滑性に優れるとともに、その体積抵抗率が1014
〜1015Ω・cmのオーダーで、従来のポリカーボネー
トと比較して電気絶縁性が高い。したがって、本発明に
係るポリカーボネートは、特に電気絶縁性が要求される
潤滑油、電気絶縁油の用途に利用することができ、具体
的には、特に電気冷蔵庫用の潤滑油および電気絶縁油に
適している。
【0046】また、本発明に係るポリカーボネートは、
フロンR−134a、R−152aなどのオゾン層非破
壊性フロン(HFC)、およびフロンR−22、R−1
23、R−124などのオゾン破壊力が小さいフロン
(HCFC)、さらにはこれらの混合物との相溶性に優
れているので、冷媒としてオゾン層非破壊性フロン(H
FC)、またはオゾン破壊力が小さいフロン(HCF
C)、さらにはこれらの混合物を使用する冷凍機用潤滑
油に特に適している。
【0047】本発明においては、本発明に係るポリカー
ボネートのほかに、他の成分を用いて潤滑油とすること
もできる。たとえば、本発明に係る潤滑油を工業用ギヤ
油、自動車用エンジン油、自動車用ギヤ油として用いる
場合には、ポリカーボネートのほかに、他の使用可能な
成分として鉱物油、たとえばニュートラルオイルやブラ
イトストックなどが配合されていてもよい。また、液状
ポリブテンや液状デセンオリゴマーなどのα- オレフィ
ンオリゴマー、アジピン酸ジイソオクチル、セバチン酸
ジイソオクチル、セバチン酸ジラウリルなどのカルボン
酸エステル、植物油が配合されていてもよい。さらに、
本発明では、公知の潤滑油添加剤、たとえば桜井俊男編
「石油製品添加剤」(幸書房、昭和49年発行)などに
記載されている清浄分散剤、酸化防止剤、耐荷重添加
剤、油性剤、流動点降下剤などの潤滑油添加剤を、本発
明の目的を損なわない範囲で、潤滑油に含めることがで
きる。
【0048】また、本発明に係る潤滑油を冷凍機用潤滑
油として用いる場合には、ポリカーボネートのほかに、
他の使用可能な成分としてグリコールエーテル類、鉱物
油、たとえばニュートラルオイルやブライトストックな
どが配合されていてもよい。また、液状ポリブテンや液
状デセンオリゴマーなどのα- オレフィンオリゴマー、
アジピン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジイソオクチ
ル、セバチン酸ジラウリルなどのカルボン酸エステルや
植物油が配合されていてもよい。特にオゾン層非破壊性
の冷媒ガスとしてHFCたとえばフロンR−134aを
用いる冷凍機用潤滑油の場合には、添加できる他の成分
としては、相溶性の点でグリコールエーテル類やカルボ
ン酸エステル類に限られる。しかしながら、これらの成
分の添加量は、耐熱性、フロンR−134aとの相溶
性、吸水性を悪化させるため、添加量は潤滑油全量10
0重量%に対して60重量%未満とする必要がある。さ
らに上述したような公知の潤滑油添加剤が配合されてい
てもよい。さらにまた、冷凍機用潤滑油中に、フロンR
−134aなどのオゾン層非破壊性フロン(HFC)、
フロンR−22などのオゾン破壊力が小さいフロン(H
CFC)、さらにはこれらの混合物を含有させることも
できる。
【0049】また、本発明に係る潤滑油を構成するポリ
カーボネートを圧延用潤滑油、金属加工油、繊維用潤滑
油などの用途に用いる場合には、従来通常に実施されて
いるように、適当な乳化剤を用いてポリカーボネートを
水とのエマルジョンにして使用することも可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明に係るポリカーボネートは、フロ
ンR−134a、R−152aなどのオゾン層非破壊性
フロン(HFC)、フロンR−22、R−123、R−
124などのオゾン破壊力が小さいフロン(HCF
C)、さらにはこれらの混合物との相溶性に優れるとと
もに、潤滑性および電気絶縁性に優れている。
【0051】上記のような効果を有する本発明に係るポ
リカーボネートは、冷凍機用潤滑油、自動車用エンジン
油、自動車用ギア油、圧延用潤滑油、繊維用潤滑油など
の潤滑油、特に電気絶縁性が要求される潤滑油、電気絶
縁油を提供することができる。本発明に係るポリカーボ
ネートは、冷媒としてオゾン層非破壊性フロン(HF
C)、オゾン破壊力が小さいフロン(HCFC)、さら
にはこれらの混合物を使用する冷凍機用潤滑油として、
また電気冷蔵庫用の潤滑油および電気絶縁油として特に
適している。
【0052】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。実
施例および比較例におけるポリカーボネートの分析と性
能評価は、以下の試験方法による。 (1)分析方法 a.平均分子量 (株)島津製作所製のGPCシステムを使用し、ポリスチ
レン基準にて平均分子量を求めた。測定条件を下記に示
す。
【0053】カラム:ポリスチレンゲル4本(G-2000HX
L+G-2000HXL+G-3000HXL+G-4000HXL) 検出器:示差屈折計 温度 :40℃ 溶媒 :テトラヒドロフラン 溶出速度:0.7ml/分 b.赤外吸収スペクトル 日本分光製赤外分光計A−302でKBr板間に試料を
塗り付けて測定する。 (2)評価方法 a.動粘度 JIS K−2283 b.粘度指数 JIS K−2283 c.流動点 JIS K−2269 d.耐荷重値 耐荷重値は、ファレックス(Falex)試験機を用
い、250 1bfの荷重で5分間慣らし運転した後、
加重していき、焼付きが生じたときの荷重値を求め、こ
の値を耐荷重値とする。 e.体積抵抗率 ポリカーボネートの体積抵抗率は、ASTM D 25
7に準拠して求めた。f.フロンR−134aとの相溶
性 (1)内径10mm、深さ20cmの試験管に試料1m
lを採り、ドライアイス−アセトン浴で冷却しながら、
フロンR−134aをボンベ容器からゆっくり導入し試
料の量より多めに溜める。次にスパチュラーを入れて攪
拌し、−20℃の冷媒浴に移し、試料/フロンR−13
4aの容積比が1/1になったときの溶解性を調べる。
完全に均一であれば○とし、溶解しなければ、×とす
る。 (2)カーボネート生成物とフロンR−134aとの相
溶性を更に詳しく調べるため、潤滑油とフロンR−13
4aとを割合を色々変えてガラス管に封入し、両者が相
溶する限界の温度(臨界温度)を求める。
【0054】
【実施例1】10段シーブトレー式蒸留塔を備えた容量
5リットルのフラスコに、3−メチルペンタンジオール
341g(2.89モル)、ジ−[メチルヘキシル]カ
ーボネート3,873g(15.01モル)および28
重量%のNaOCH3 のメタノール溶液1.0g(Na
OCH3 0.005モル)を仕込んだ。
【0055】この混合物を減圧下(40〜10mmH
g)に130〜160℃に加熱し、生成するメチルヘキ
サノールを留去しつつ、10時間反応を行なった。留出
したメチルヘキサノールは661g(5.70モル)で
あり、メチルヘキサノール収率は、99%であった。
【0056】このようにして得られた反応混合物に、用
いたNaOCH3の5倍モル量の炭酸アンモニウムを含
有する水溶液で触媒を中和し、水洗した後、未反応のジ
−[メチルヘキシル]カーボネートを除去して、ポリカ
ーボネート902gを得た。
【0057】得られたポリカーボネートは、液体であ
り、 1H−NMR分析、IR分析およびGC−Ms分析
の結果から以下のような構造を有することが判った。 CH3C2H4CH(CH3)C2H4-OCOO-C2H4CH(CH3)C2H4-OCOO-C2H4CH(CH3)C2H4CH3・・・ 87重量% CH3CH(CH3)C4H8-OCOO-C2H4CH(CH3)C2H4-OCOO-C4H8CH(CH3)CH3・・・ 13重量% 得られたポリカーボネートを 1H−NMRで測定した結
果、チャートに次のようなピークが表われた。なお、こ
の測定の際、溶媒としてCDCl3 を用いた。
【0058】0.85〜0.9ppm (6H) 0.9〜1.0ppm (3H) 1.2〜1.45ppm (8H) 1.45〜1.6ppm (17H) 1.6〜1.7ppm (17H) 1.7〜1.9ppm (17H) 4.1〜4.2ppm (8H) このポリカーボネートについてGC−Ms分析を行なっ
た結果、チャートにm/e=403にM+ の分子イオン
ピークが表われた。
【0059】また、得られたポリカーボネートの赤外吸
収スペクトルを図1に示す。さらに、得られたポリカー
ボネートのGPC分析結果を下記に示す。なお、生成物
中に一部3−メチルアミレン−ジ−[メチルヘキシル]
カーボネートの縮合体が存在していることを確認した。
【0060】重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)[GPC]:1.05 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):6
70 生成物中のナトリウム残存量:0.01ppm 以下 生成物中の全酸価:0.01以下 潤滑油基本性能および電気絶縁性の評価結果を表1に示
す。
【0061】
【実施例2】実施例1と同様にして、10段シーブトレ
ー式蒸留塔を備えた容量5リットルのフラスコに、3-
メチルペンタンジオール496g(4.20モル)、メ
チルヘキサノール(3-メチル体87モルと5-メチル体
13モルとの混合物)2,457g(21.1モル)、
ジメチルカーボネート1,899g(21.1モル)、
および28重量%のNaOCH3 のメタノール溶液1.
9g(NaOCH3 0.0007モル)を仕込んだ。
【0062】この混合物を常圧下に110〜160℃で
11時間加熱し、生成するメタノールを留去した。メタ
ノール収率は98.0%であった。次いで、この混合物
を減圧下(130〜10mmHg)に130〜170℃
に加熱し、8時間反応させ、メタノール、ジメチルカー
ボネート、メチルヘキサノールおよびメチル−メチルヘ
キシルカーボネートを留去させた。
【0063】このようにして得られた反応混合物を、実
施例1と同様に後処理をしてポリカーボネート1,30
0gを得た。得られたポリカーボネートは、液体であ
り、 1H−NMR分析、IR分析およびGC−Ms分析
の結果は実施例1と一致し、実施例1のポリカーボネー
トと同じ構造であることを確認した。さらに、得られた
ポリカーボネートのGPC分析結果を下記に示す。な
お、生成物中に一部3−メチルアミル−ジ−[メチルヘ
キシル]カーボネートの縮合体が存在していることを確
認した。
【0064】重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)[GPC]:1.06 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):7
31 生成物中のナトリウム残存量:0.001ppm以下 生成物中の全酸価:0.001以下 潤滑油基本性能および電気絶縁性の評価結果を表1に示
す。
【0065】
【表1】
【0066】
【実施例3】10段のシーブトレー式蒸留搭を備えた容
量5リットルのフラスコに、n- ノナンジオールと2-
メチルオクタンジオールとの混合物[n- ノナンジオー
ル/2- メチルオクタンジオール(重量比)=65/3
5]328g、ジイソアミルカーボネート182g、お
よび28重量%NaOCH3 メタノール溶液4.7gを
仕込んだ。
【0067】この混合物を減圧下(10〜200mmH
g)に120〜150℃で加熱し、生成するイソアミル
アルコールを留去しつつ、15時間反応を行なった。次
いで、上記のようにして得られた反応混合物を実施例1
同様に後処理し、ポリカーボネート672gを得た。
【0068】得られたポリカーボネートは、 1H−NM
R分析およびIR分析より以下のような構造を有するこ
とが判った。 CH3(CH3)CHC2H4OCOOCH2(CH2)7CH2OCOOC2H4CH(CH3)CH3・・・ 65重量% CH3(CH3)CHC2H4OCOOCH2CH(CH3)(CH2)5CH2OCOOC2H4CH(CH3)CH3・・・ 35重量% 得られたポリカーボネートを 1H−NMR分析で測定し
た結果、チャートに次にようなピークが表われた。な
お、この測定の際、溶媒としてCDCl3 を用いた。
【0069】0.8〜0.9ppm、1.25〜1.4
ppm、1.5〜1.55ppm、1.6〜1.75p
pm、3.3〜3.4ppm、3.85〜4.0pp
m、4.06〜4.1ppm、4.13〜4.15pp
m、4.24〜4.33ppm また、得られたポリカーボネートの赤外吸収スペクトル
のデータを下記に示す。
【0070】主なピーク νC−H 2800〜3000cm-1 δC−H 1450cm-1 νC=O 1750cm-1 νC−O 1200〜1300cm-1 さらに、得られたポリカーボネートのGPC分析結果を
下記に示す。
【0071】重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)[GPC]:1.09 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):7
52 生成物中のナトリウム残存量:0.01ppm以下 生成物中の全酸化:0.01以下 潤滑油基本性能および電気絶縁性の評価結果を表2に示
す。
【0072】
【実施例4】実施例3において、n- ノナンジオールと
2- メチルオクタンジオールとの混合物をn- ノナンジ
オールに変更した以外は、実施例3と同様にして、ポリ
カーボネート650gを得た。
【0073】得られたポリカーボネートは、 1HーNM
RおよびIR分析より以下のような構造を有することが
判った。 CH3(CH3)CHC2H4OCOOCH2(CH2)7CH2OCOOC2H4CH(CH3)CH3 得られたポリカーボネートを 1H−NMR分析で測定し
た結果、チャートに次にようなピークが表われた。な
お、この測定の際、溶媒としてCDCl3 を用いた。
【0074】0.8〜0.9ppm、 1.25〜
1.4ppm、 1.5〜1.56ppm、 1.6〜1.7ppm、 4.08〜4.11ppm、 4.15〜4.17pp
m また、得られたポリカーボネートの赤外吸収スペクトル
のデータを下記に示す。
【0075】主なピーク νC−H 2800〜3000cm-1 δC−H 1460cm-1 νC=O 1740cm-1 νC−O 1200〜1300cm-1 さらに、得られたポリカーボネートのGPC分析結果を
下記に示す。
【0076】重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)[GPC]:1.11 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):7
25 生成物中のナトリウム残存量:0.01ppm以下 生成物中の全酸化:0.01以下 潤滑油基本性能および電気絶縁性の評価結果を表2に示
す。
【0077】
【実施例5】実施例3のフラスコに、1,6- ヘキサン
ジオール239g、ジイソアミルカーボネート1,21
5g、および28重量%NaOCH3 のメタノール溶液
3.9gを仕込んだ。
【0078】次いで、このフラスコ内の混合液を、減圧
下(70〜300mmHg)に120〜170℃で加熱
し、生成するイソアミルアルコールを留去しつつ、6時
間反応を行なった。
【0079】次いで、上記のようにして得られた反応混
合物を実施例3と同様に後処理して、ポリカーボネート
540gを得た。得られたポリカーボネートは、 1H−
NMRおよびIR分析より以下のような構造を有するこ
とが判った。
【0080】 CH3(CH3)CHC2H4OCOOCH2(CH2)4CH2OCOOC2H4CH(CH3)CH3 得られたポリカーボネートを 1H−NMR分析で測定し
た結果、チャートに次にようなピークが表われた。な
お、この測定の際、溶媒としてCDCl3 を用いた。
【0081】0.90〜0.95ppm、 1.38
〜1.44ppm、 1.53〜1.58ppm、 1.62〜1.75p
pm、 4.10〜4.17ppm また、得られたポリカーボネートの赤外吸収スペクトル
のデータを下記に示す。
【0082】主なピーク νC−H 2800〜3OOOcm-1 δC−H 1460cm-1 νC=O 1740cm-1 νC−O 1200〜1300cm-1 さらに、得られたポリカーボネートのGPC分析結果を
下記に示す。
【0083】重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)[GPC]:1.11 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(Mw):7
84 生成物中のナトリウム残存量:0.01ppm以下 生成物中の全酸化:0.01以下 潤滑油基本性能および電気絶縁性の評価結果を表2に示
す。
【0084】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1および実施例2で得られたポ
リカーボネートの赤外吸収スペクトル図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:24 Z 8217−4H 40:25 40:30 (72)発明者 林 哲 雄 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 ▲高▼畑 和 紀 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式[I]で表わされるポリカー
    ボネート; R1OCOOR2OCOOR3 ・・・[I] [式[I]中、R1 およびR3 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜3
    0のエーテル結合を有する炭化水素基であり、 R2 は、主鎖の炭素原子数が4〜20で、全炭素原子数
    が5〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基であ
    る]。
  2. 【請求項2】下記の一般式[I]で表わされるポリカー
    ボネートを含有してなることを特徴とする潤滑油; R1OCOOR2OCOOR3 ・・・[I] [式[I]中、R1 およびR3 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜3
    0のエーテル結合を有する炭化水素基であり、 R2 は、主鎖の炭素原子数が4〜20で、全炭素原子数
    が5〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基であ
    る]。
  3. 【請求項3】前記潤滑油が冷凍機用潤滑油であることを
    特徴とする請求項2に記載の潤滑油。
  4. 【請求項4】オゾン層非破壊性フロンを含有しているこ
    とを特徴とする請求項3に記載の潤滑油。
  5. 【請求項5】下記の一般式[I]で表わされるポリカー
    ボネートからなることを特徴とする電気絶縁油; R1OCOOR2OCOOR3 ・・・[I] [式[I]中、R1 およびR3 は、それぞれ独立に、炭
    素原子数30以下の炭化水素基または炭素原子数2〜3
    0のエーテル結合を有する炭化水素基であり、 R2 は、主鎖の炭素原子数が4〜20で、全炭素原子数
    が5〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基であ
    る]。
JP3346986A 1991-02-22 1991-12-27 ポリカーボネートおよびその用途 Pending JPH0532588A (ja)

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