JP2854118B2 - ポリプロピレングリコールジカーボネートおよびその用途 - Google Patents

ポリプロピレングリコールジカーボネートおよびその用途

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JP2854118B2 JP26127290A JP26127290A JP2854118B2 JP 2854118 B2 JP2854118 B2 JP 2854118B2 JP 26127290 A JP26127290 A JP 26127290A JP 26127290 A JP26127290 A JP 26127290A JP 2854118 B2 JP2854118 B2 JP 2854118B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリプロピレングリコールジカーボネート
およびその用途に関し、さらに詳しくは、潤滑性、清浄
性およびフロンR−134aなどのオゾン層非破壊性フロン
との相溶性に優れるとともに、電気絶縁性に優れたポリ
プロピレングリコールジカーボネートおよびその用途に
関する。
発明の技術的背景 本願出願人は、平成2年6月7日付けで特許出願した
特願平2−148,955号明細書(従来技術ではない)にお
いて、潤滑性および清浄性に優れ、かつオゾン層非破壊
性フロンとの相溶性に優れた潤滑油組成物を提供すべ
く、以下のようなオリゴカーボネートを提案している。
下記の一般式[I] R1−O−CO−OR3 lOmCO−OnR2 …[I] [式[I]中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原
子数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の炭
化水素基および一般式 R4 pOqR5 (式中、R4は炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、
R5は炭素原子数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族の炭化
水素基であり、pは1〜100の正の整数であり、qは1
〜10の正の整数である)で表わされるグリコールエーテ
ル基よりなる群から選択される基であり、 R3は、炭素原子数2〜20のアルキレン基であり、 lは1〜100の正の整数であり、mは1〜10の正の整
数であり、nは1〜100の正の整数である] で表わされるオリゴカーボネート。
上記一般式[I]で表わされるオリゴカーボネートに
は、ポリプロピレングリコールポリカーボネートが含ま
れている。
本願出願人は、このようなポリプロピレングリコール
ポリカーボネートの電気絶縁性について検討したとこ
ろ、特にポリプロピレングリコールジカーボネートであ
って、オキシプロピレン繰返し単位が2または3であ
り、かつ、末端基が炭素原子数5〜30であるポリプロピ
レンジカーボネートが1013〜1014Ω・cmのオーダーの体
積抵抗率を示すことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
発明の目的 本発明は、潤滑性、清浄性およびフロンR−134aなど
のオゾン層非破壊性フロンとの相溶性に優れるととも
に、特に電気絶縁性に優れたポリプロピレングリコール
ジカーボネート、およびこのポリプロピレングリコール
ジカーボネートからなる潤滑油、冷凍機油ならびに電気
絶縁油を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る新規なポリプロピレングリコールジカー
ボネートは、下記の一般式[I]で表わされる。
ROCOO(C3H6O)nCOOR …[I] 上記の一般式[I]において、Rは、それぞれ独立
に、炭素原子数5〜30の脂肪族または脂環族炭化水素基
であり、nは2または3の整数である。
また、本発明に係る新規な潤滑油、冷凍機油および電
気絶縁油は、上記のポリプロピレングリコールジカーボ
ネートからなることを特徴としている。
本発明に係る冷凍機油は、オゾン層非破壊性フロンR
−134aを冷媒として使用する冷凍機用の潤滑油として用
いることができる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るポリプロピレングリコールジカー
ボネートおよびその用途について具体的に説明する。
本発明に係る新規なポリプロピレングリコールジカー
ボネートは、下記の一般式[I]で表わされる。
ROCOO(C3H6O)nCOOR …[I] 上記の一般式[I]において、Rは、それぞれ独立
に、炭素原子数5〜30、好ましくは6〜30の脂肪族また
は脂肪族炭化水素基であり、nは2または3の整数であ
る。
上記Rにおける脂肪族炭化水素基の具体的な例として
は、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n
−ヘキシル基、4−メチル−2−ペンチル基、イソヘキ
シル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソ
ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノ
ニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、
n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル
基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソトリデシ
ル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−
ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサデシ
ル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、イソ
ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソオクタデシ
ル基、n−ノニルデシル基、イソノニルデシル基、n−
アイコサニル基、イソアイコサニル基、2−エチルヘキ
シル基、2−(4−メチルペンチル)基などを挙げるこ
とができる。
また、Rにおける脂環族炭化水素基の具体的な例とし
ては、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、メ
チルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、デ
カヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基などを挙げ
ることができる。
本発明に係るポリプロピレンジカーボネートは、たと
えば以下のような方法により製造することができる。
ジプロピレングリコールまたはトリプロピレングリコ
ール、およびカーボネート化合物を、塩基触媒の存在下
に加熱しながら、生成するアルコールを蒸留によって反
応系外に除去して反応させる。
なお、上記反応を行なうに際し、反応器内の空気を窒
素置換することが望ましいが、窒素置換しなくてもよ
い。
次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反応の上記カ
ーボネート化合物を蒸留によって反応系外に除去し、上
記一般式[I]で表わされるポリプロピレンジカーボネ
ートを得る。
上記カーボネート化合物の例としては、一般式[II] R1OCOOR1 ……[II] で表わされるカーボネート化合物が挙げられる。
上記一般式[II]におけるR1は、一般式[I]におけ
るRと同じである。
上記一般式[II]で表わされるカーボネート化合物と
しては、具体的には、ジペンチルカーボネート、ジヘキ
シルカーボネート、ジ−[4−メチル−2−ペンチル]
カーボネート、ジ−(2−エチルヘキシル)カーボネー
ト、ジオクチルカーボネート、ジドデシルカーボネー
ト、ジシクロヘキシルカーボネートなどが挙げられる。
この方法においては、カーボネート化反応で生成する
アルコールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カーボネ
ート化反応を進行させるので、この反応で生成するアル
コール、すなわち、R1OHで表わされるアルコールは、上
記プロピレングリコール化合物よりも沸点が低いことが
必要である。
また、カーボネート化合物は、m1/2m2が2〜50、好ま
しくは2〜30の範囲になる量で用いられる。ただし、上
記のm1はカーボネート化合物のモル数であり、m2はプロ
ピレングリコール化合物のモル数である。このようにカ
ーボネート化合物の使用量を制限することにより、反応
において、高重合度のポリカーボネートの生成を抑制す
ることができる。
この方法においては、反応は、上記のプロピレングリ
コール化合物とカーボネート化合物を反応容器に仕込
み、塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコ
ールを蒸留によって反応系外に除去して、反応率95%以
上まで行なう。反応率95%以上とは、上記生成するアル
コールが0.95×2m2モル以上生成するまで、反応させる
ことをいう。
上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム等のアルカリ
金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等
のアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩;
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウ
ムメトキシド、カリウム・t−ブトキシド、リチウムメ
トキシド、セシウムメトキシド等のアルカリ金属アルコ
ラート;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカ
リ金属水素化物;ナトリウムアミド、カリウムアミド等
のアルカリ金属アミド化合物;カリウム、ナトリウム等
のアルカリ金属などのアルカリ金属化合物が好ましく用
いられる。これらのうちでは、特に、アルカリ金属アル
コラートが好ましい。このほか、たとえば、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合
物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、イミダゾー
ル、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド等の有
機アミノ化合物も用いられる。これらの触媒の使用量
は、通常、触媒のモル数/2m2が10-1〜10-7、好ましくは
10-2〜10-5となる範囲で用いられる。
この方法においては、反応は、通常、50〜300℃、好
ましくは60〜200℃の温度で行なわれる。反応時間は、
通常、0.5〜200時間、好ましくは1〜100時間である。
また、本発明に係るポリプロピレングリコールジカー
ボネートの別の製造方法として、次のような方法があ
る。
まず、(a)一般式[III] HOC3H6OnH …[III] [式[III]中、nは2または3の整数である]で表わ
されるポリプロピレングリコール、 (b)一般式[IV] R2OH …[IV] [式[IV]中、R2は、上記一般式[I]におけるRと同
一である] で表わされるモノアルコール、および (c)一般式[V] R3OCOOR3 …[V] [式[V]中、R3は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜
2のアルキル基である] で表わされ、かつ、R3OHの沸点が上記ポリプロピレング
リコールおよびモノアルコールの沸点よりも低く、上記
一般式[III]で表わされるポリプロピレングリコール
の2倍のモル数(2m3)に対するモル比が2〜50の範囲
となる量のカーボネート化合物 を塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコー
ル(R3OH)を蒸留によって反応系外に除去して、反応率
95%以上まで反応させる。なお、上記反応を行なうに際
し、反応系内の空気を窒素置換することが望ましいが、
窒素置換しなくてもよい。
次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反応および最
終段階の反応に至らないカーボネート化合物[R4OCO2R4
(式中、R4は、それぞれ独立に、R2ないしR3である)]
を蒸留によって反応系外に除去し、上記一般式[I]で
表わされるポリプロピレングリコールジカーボネートを
得る。
この方法では、カーボネート化反応で生成するアルコ
ールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カーボネート化
反応を進行させるので、この反応で生成するアルコー
ル、すなわち、R3OHで表わされるアルコールは、上記ポ
リプロピレングリコールおよびモノアルコールよりも沸
点が低いことが必要である。
また、カーボネート化合物は、m3/2m4が2〜50、好ま
しくは2〜30の範囲になる量で用いられる。ただし、上
記のm3はカーボネート化合物のモル数であり、m4はポリ
プロピレングリコールのモル数である。このようにカー
ボネート化合物の使用量を制限することにより、反応に
おいて、高重合度のポリカーボネートの生成を抑制する
ことができる。
この方法においては、反応は、上記のようなポリプロ
ピレングリコールとモノアルコールとカーボネート化合
物を反応容器に仕込み、塩基触媒の存在下に加熱しなが
ら、生成するアルコールを蒸留によって反応系外に除去
して、反応率95%以上まで反応させる。反応率95%以上
とは、上記生成するアルコールが上記一般式[III]で
表わされるポリプロピレングリコールのモル数の0.95倍
(0.95m4)モル以上生成するまで、反応させることをい
う。
上記塩基触媒、反応温度、反応時間については、先の
製造方法の場合と同様である。
これらの製造方法における上記反応終了後の塩基触媒
の好ましい除去方法としては、次のような3種類の方法
が挙げられる。
(1)塩基触媒を含有しているポリプロピレングリコー
ルジカーボネートを水洗することにより、この塩基触媒
をポリプロピレングリコールジカーボネートから除去す
る方法。
この場合、ポリプロピレングリコールジカーボネート
中に含有されている塩基触媒を、弱酸性水溶液で中和し
た後、水洗することが好ましい。
上記の弱酸性水溶液としては、具体的には、炭酸アン
モニウム、炭酸、塩化アンモニウムなどの無機酸の水溶
液が挙げられる。
また、上記のような除去処理を行なう前に、塩基触媒
を含有しているポリプロピレングリコールジカーボネー
トに、必要に応じて非極性溶媒を加えてもよい。
上記の非極性溶媒としては、具体的には、トルエン、
ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、ヘキサ
ン、オクタン等の飽和炭化水素化合物などが挙げられ
る。
(2)ポリプロピレングリコールジカーボネート中に含
有されている塩基触媒を無機イオン交換体と接触させる
ことにより、この塩基触媒をポリプロピレングリコール
ジカーボネートから除去する方法。
この方法においても、上記のような除去処理を行なう
前に、塩基触媒を含有しているポリプロピレングリコー
ルジカーボネートに、必要に応じて上述した非極性溶媒
を加えてもよい。
上記の無機イオン交換体としては、具体的には、ゼオ
ライト;東亜合成化学工業(株)製の「IXE(イグゼ)
無機イオン交換体」、たとえばグレードIXE−100(成
分:ジルコニウム系化合物)、IXE−300(成分:アンチ
モン系化合物)等の陽イオン交換タイプの無機イオン交
換体、グレードIXE−600(成分:アンチモン、ビスマス
系化合物)等の両イオン交換タイプの無機イオン交換体
などが好ましく用いられる。また、本発明においては、
無機イオン交換体としては、酸性白土、白雲石なども用
いられるが、これらはイオン交換能が低い。
なお、イオン交換体には、無機イオン交換体と有機イ
オン交換体とがあるが、たとえば交換基がスルホン基で
ある有機イオン交換体は、イオン交換能が低い。
(3)上記(1)の水洗による塩基触媒の除去処理方法
と、上記(2)の無機イオン交換体による塩基触媒の除
去処理方法とを併用する方法。
この方法では、上記(1)の処理を行なった後に、上
記(2)の処理を行なってもよいし、また上記(2)の
処理を行なった後に、上記(1)の処理を行なってもよ
い。
なお、本発明においては、上記(1)または(3)の
方法により、ポリプロピレングリコールジカーボネート
から塩基触媒を除去した後、このポリプロピレングリコ
ールジカーボネートに脱水処理を行なうのが望ましい。
上記の塩基触媒の除去は、同時に、ポリプロピレング
リコールジカーボネート中に含有されている塩基触媒に
由来する塩基性物質の除去を伴う。
本発明に係るポリプロピレングリコールジカーボネー
トは、潤滑性および清浄性に優れるとともに、フロンR
−134aなどのオゾン層非破壊性フロンとの相溶性に優れ
ている。
また、本発明に係るポリプロピレングリコールジカー
ボネートは、その体積抵抗率が1013〜1014Ω・cmのオー
ダーであり、他のポリプロピレングリコールポリカーボ
ネートと比較して、電気絶縁性に優れている。他のポリ
プロピレングリコールポリカーボネートの体積抵抗率は
1011〜1012Ω・cmのオーダーである。
したがって、本発明に係るポリプロピレングリコール
ジカーボネートは、冷凍機油などの潤滑油、特に電気絶
縁性が要求される潤滑油、フロンR−134aなどのオゾン
層非破壊性フロンを冷媒として使用する冷凍機の潤滑油
として利用することができる。また、本発明に係るポリ
プロピレングリコールジカーボネートは電気絶縁油の用
途に利用することができる。
発明の効果 本発明に係るポリプロピレングリコールジカーボネー
トは、潤滑性および清浄性に優れるとともに、他のポリ
プロピレングリコールポリカーボネートと比較して電気
絶縁性に優れている。
また、本発明に係るポリプロピレングリコールジカー
ボネートは、上記のような特性に優れるだけでなく、フ
ロンR−134aなどのオゾン層非破壊性フロンとの相溶性
に優れている。
したがって、本発明に係るポリプロピレングリコール
ジカーボネートは、冷凍機油などの潤滑油、特に電気絶
縁性が要求される潤滑油、フロンR−134aなどのオゾン
相非破壊性フロンを冷媒として使用する冷凍機の潤滑油
として利用することができる。また、本発明に係るポリ
プロピレングリコールジカーボネートは電気絶縁油の用
途に利用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例におけるカーボネートおよび対照
品の分析と潤滑油の性能評価は、以下の試験方法によ
る。
(1)分析方法 a.平均分子量 (株)島津製作所製GPCシステムを使用し、ポリスチ
レン基準にて平均分子量を求めた。測定条件を下記に示
す。
カラム:ポリスチレンゲル4本(G−2000HXL+G−2
000HXL+G−3000HXL+G−4000HXL)、 検出器:示差屈折計、 温 度:40℃、 溶 媒:テトラヒドロフラン、 溶出速度:0.7ml/分 b.赤外吸収スペクトル 日本分光製赤外分光計A−302でKBr板間に試料を塗り
付けて測定する。
c.NMR分析 一般式[I]の平均n値は、プロトンNMR法(日本電
子(株)製JNM−GX270)により求める。
(2)評価方法 a.動粘度 JIS K−2283 b.粘度指数 JIS K−2283 c.低温粘度 ASTM D 2983 d.流動点 JIS K−2269 e.耐荷重値 耐荷重値は、ファレックス(Falex)試験機を用い、2
50 1bfの荷重で5分間慣らし運転した後、加重してい
き、焼付きが生じたときの荷重値を求め、この値を耐荷
重値とする。
f.フロンR−134aとの相溶性 (1)内径10mm、深さ20cmの試験管に試料1ml採り、ド
ライアイス−アセトン浴で冷却しながら、フロンR−13
4aをボンベ容器からゆっくり導入し試料の量より多めに
溜める。次にスパチュラーを入れて撹拌し、−20℃の冷
媒浴に移し、試料/フロンR−134aの容積比が1/1にな
ったときの溶解性を調べる。完全に均一であれば○と
し、溶解しなければ、×とする。
(2)カーボネート生成物とフロンR−134aとの相溶性
を更に詳しく調べるため、潤滑油とフロンR−134aとを
割合を色々変えてガラス管に封入し、両者が相溶する限
界の温度(臨界温度)を求める。
実施例1 蒸留塔(10段シーブトレー)を備えた3容器のフラ
スコに、トリプロピレングリコール192g(1.00モル)、
2−エチルヘキサノール1301g(9.99モル)、ジメチル
カーボネート901g(10.01モル)および28重量%のNaOCH
3のメタノール溶液(NaOCH30.001モル)を仕込んだ。
この混合物を常圧下に96〜175℃で12時間加熱し、生
成するメタノールを留出させた。留出したメタノール量
は365g(11.41モル)であった。
次いで、系内を徐々に減圧して760mmHgから10mmHgの
圧力下にし、170〜190℃で5時間反応を行ない、メタノ
ール17g、ジメチルカーボネート139g、2−エチルヘキ
サノール6gおよびメチル−2−エチルヘキシルカーボネ
ート44gを留出させた。
留出したメタノールは理論生成量の99.8%であった。
こうして得られた反応混合物1600g(回収率99.7%)に
用いたNaOCH3の5倍モル量の炭酸アンモニウムを含有す
る水溶液で触媒を中和し、さらに水洗を3回行ない、水
層を分離した。次いで、油層部を減圧下に未反応のジ−
[2−エチルヘキシル]カーボネートを蒸留除去して、
カーボネート反応生成物446gを得た。得られたカーボネ
ート反応生成物の収率は89%であった。
さらに、この反応生成物を500mlのトルエンで希釈
し、東亜合成化学工業(株)製の無機イオン交換体、グ
レードIXE−600を20g添加し、よくかきまぜながら100℃
で3時間加熱処理した。この混合物を濾過し、無機イオ
ン交換体を除去したのち、脱トルエンを行なって精製カ
ーボネート反応生成物413gを得た。
得られたカーボネート化合物は、液体であり、1H−NM
R、IRおよびGPC分析の結果、主生成物は、下式で表わさ
れる、分子両末端が2−エチルヘキシルカーボネートの
トリプロピレングリコールであった。
得られたカーボネート化合物を1H−NMRで測定した結
果、チャートに次のようなピークが表われた。なお、こ
の測定の際、溶媒としてCDCl3を用いた。
0.90ppm(T)、1.10〜1.15ppm、1.15〜1.20ppm、1.2
5〜1.35ppm、1.35〜1.45ppm、1.56〜1.65ppm、3.35〜3.
63ppm、4.05ppm また、得られたカーボネート化合物の赤外吸収スペク
トルを第1図に示す。
主なピーク νC−H 2850〜3000cm-1 δC−H 1460cm-1 νC=O 1740cm-1、1260cm-1 νC−O−C 1100cm-1 さらに、得られたカーボネート化合物のGPC分析結果
を下記に示す。
重量平均分子量(w)/数平均分子量(n) [GPC]:1.09 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(w):6
00 生成物中に、少量の、上記化学式で表わされるカーボ
ネートの縮合体のピークが観測された。
生成カーボネート中のナトリウム残存量:0.01ppm以下 生成カーボネート中の全酸価:0.01以下 潤滑油基本性能および電気絶縁性の評価結果を表1に
示す。
実施例2 実施例1において、トリプロピレングリコール235g
(1.22モル)、ジ−[1,3−ジメチルブチル]カーボネ
ート2730g(11.85モル)および28重量%のNaOCH3のメタ
ノール溶液4.6g(NaOCH3 0.24モル)を仕込み、減圧度5
0〜5mmHg、反応温度110〜125℃で6時間反応を行ない、
1,3−ジメチルブタノールを247g(収率99%)留出させ
た以外は、実施例1と同様にして行ない、カーボネート
生成物486gを得た。
得られたカーボネート化合物は、液体であり、1H−NM
R、IRおよびGPC分析の結果、主生成物は、下式で表わさ
れる、分子両末端が1,3−ジメチルブチルカーボネート
のトリプロピレングリコールであった。
(CH32CHCH2CH(CH3)OCO2C3H6O CO2CH(CH3)CH2CH(CH3 得られたカーボネート化合物を1H−NMRで測定した結
果、チャートに次のようなピークが表われた。なお、こ
の測定の際、溶媒としてCDCl3を用いた。
0.9ppm、1.07〜1.15ppm、1.25〜1.33ppm、1.57〜1.62
ppm、2.03ppm、3.35〜3.6ppm、3.9〜4.2ppm、4.8〜4.95
ppm また、得られたカーボネート化合物の赤外吸収スペク
トルのデータを下記に示す。
主なピーク νC−H 2800〜3000cm-1 δC−H 1440cm-1 νC=O 1740cm-1,1255cm-1 νC−O−C 1100cm-1 さらに、得られたカーボネート化合物のGPC分析結果
を下記に示す。
重量平均分子量(w)/数平均分子量(n) [GPC]:1.05 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(w):5
30 生成物中に、少量の上記化学式で表わされるカーボネ
ートの縮合体の存在が確認された。
生成カーボネート中のナトリウム残存量:0.01ppm以下 生成カーボネート中の全酸価:0.01以下 潤滑油基本性能および電気絶縁性の評価結果を表1に
示す。
実施例3 実施例1において、トリプロピレングリコールの代わ
りに、ジプロピレングリコール268g(2.00モル)を用い
た以外は、実施例1と同様にして行ない、カーボネート
生成物654g(収率73%)を得た。
得られたカーボネート化合物は、液体であり、1H−NM
R、IRおよびGPC分析の結果、主生成物は、下式で表わさ
れるジプロピレングリコール−ジ−[2−エチルヘキシ
ル]カーボネートであった。
得られたカーボネート化合物を1H−NMRで測定した結
果、チャートに次のようなピークが表われた。なお、こ
の測定の際、溶媒としてCDCl3を用いた。
0.90ppm(T)、1.10〜1.15ppm、1.15〜1.20ppm、1.2
5〜1.35ppm、1.35〜1.45ppm、1.50〜1.65ppm、3.35〜3.
63ppm、4.05ppm また、得られたカーボネート化合物の赤外吸収スペク
トルのデータを下記に示す。
主なピーク νC−H 2850〜3000cm-1 δC−H 1460cm-1 νC=O 1740cm-1、1260cm-1 νC−O−C 1100cm-1 さらに、得られたカーボネート化合物のGPC分析結果
を下記に示す。
重量平均分子量(w)/数平均分子量(n) [GPC]:1.09 ポリスチレン換算法による重量平均分子量(w):5
62 生成物中に、少量の上記化学式で表わされるカーボネ
ートの縮合体のピークが観測された。
生成カーボネート中のナトリウム残存量:0.01ppm以下 生成カーボネート中の全酸価:0.01以下 潤滑油基本性能および電気絶縁性の評価結果を表1に
示す。
実施例1〜3で得られたポリプロピレングリコールジ
カーボネートについて、耐荷重値から求めた潤滑性およ
び電気絶縁性は、いずれも良好であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られたポリカーボネートの赤外
吸収スペクトル図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/96 C10M 105/38 H01B 3/20 C10N 40:16 C10N 40:30 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式[I] ROCOO(C3H6O)nCOOR …[I] [式[I]中、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数5〜
    30の脂肪族または脂環族炭化水素基であり、nは2また
    は3の整数である]で表わされるポリプロピレングリコ
    ールジカーボネート。
  2. 【請求項2】下記の一般式[I] ROCOO(C3H6O)nCOOR …[I] [式[I]中、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数5〜
    30の脂肪族または脂環族炭化水素基であり、nは2また
    は3の整数である]で表わされるポリプロピレングリコ
    ールジカーボネートからなることを特徴とする潤滑油。
  3. 【請求項3】下記の一般式[I] ROCOO(C3H6O)nCOOR …[I] [式[I]中、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数5〜
    30の脂肪族または脂環族炭化水素基であり、nは2また
    は3の整数である]で表わされるポリプロピレングリコ
    ールジカーボネートからなることを特徴とする冷凍機
    油。
  4. 【請求項4】前記冷凍機油が、オゾン層非破壊性フロン
    R−134aを冷媒として使用する冷凍機用の潤滑油である
    ことを特徴とする請求項第3項に記載の冷凍機油。
  5. 【請求項5】下記の一般式[I] ROCOO(C3H6O)nCOOR …[I] [式[I]中、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数5〜
    30の脂肪族または脂環族炭化水素基であり、nは2また
    は3の整数である]で表わされるポリプロピレングリコ
    ールジカーボネートからなることを特徴とする電気絶縁
    油。
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