JP2979526B2 - ポリカーボネート製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート製造方法

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JP2979526B2 JP2258179A JP25817990A JP2979526B2 JP 2979526 B2 JP2979526 B2 JP 2979526B2 JP 2258179 A JP2258179 A JP 2258179A JP 25817990 A JP25817990 A JP 25817990A JP 2979526 B2 JP2979526 B2 JP 2979526B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリカーボネートの製造方法に関する。
発明の技術的背景 ポリカーボネートは、種々の潤滑油またはその成分と
して有効である。
ポリカーボネートの中で、時に分子末端にアルキル基
を有するポリカーボネートは、吸湿性が低いという利点
がある。このようなポリカーボネートの製造方法は、特
開昭46−3865号公報等に記載されている。すなわち、特
開昭46−3865号公報には、nモルのジオールと(n−
1)モルのジフェニルカーボネートとの混合物中にて、
1または2モルのジオールを1または2モルのモノアル
コールと置換することによってポリカーボネートを得る
ことができることが記載されている。たとえば、上記モ
ノアルコールとしてn−デカノールを用い、ジオールと
してポリエチレングリコールを用いて減圧下に加熱し、
反応させて、分子末端がデシル基であるポリカーボネー
トを製造する方法が上記文献に記載されている。
上記方法においては、原料カーボネートとしては、反
応性の高いジフェニルカーボネートが好ましく用いられ
ている。さらに、ジフェニルカーボネートは沸点が高
く、反応条件の設定が容易であることからも、好ましく
用いられている。
これに対して、反応性が低く、沸点も低いジメチルカ
ーボネートやジエチルカーボネートでは、上記の方法に
よって、分子末端を実質的にアルキル基のみとすること
は容易ではない。また、これらの反応性の低いカーボネ
ートを原料とする場合は、触媒を用いることが必要であ
るが、高沸点の触媒を反応生成物から除去することも、
容易ではない。
しかしながら、ジフェニルカーボネートに比べて低廉
であるジメチルカーボネートやジエチルカーボネートを
原料として用いることは、工業上、経済的に非常に有利
である。
また、一般に、モノアルコールにジメチルカーボネー
トのようなカーボネート化合物を反応させて、ポリカー
ボネートを得ることができることは、既に、知られてい
る。
しかしながら、モノアルコールの代わりに、ポリオー
ルをカーボネート化合物と反応させて、反応終了後、未
反応のカーボネート化合物を加熱留去し、酸にて触媒を
中和する従来の方法によれば、上記未反応のカーボネー
ト化合物を留去する段階で重合が起こり、目的とするポ
リカーボネートを収率よく得ることができない。
ところで、従来技術ではないが、本願出願人は、平成
2年4月27日付けで特許出願した特願平2−112,212号
明細書において、 (a)一般式(I) R1(OH) (式中、R1は炭素原子数4〜300の脂肪族炭化水素基を
示し、エーテル結合を含んでいてもよい。mは2〜8の
整数を示す。) で表わされるポリオールおよび (b)一般式(II) R2OCOOR2 (式中、R2は炭素原子数1〜20のアルキル基を示す。) で表わされるカーボネート化合物 を塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコ
ールを蒸留によって反応系外に除去して、反応率95%以
上まで反応させ、 次いで、前記塩基触媒を除去した後、未反応の上記カ
ーボネート化合物を蒸留によって反応系外に除去するこ
とを特徴とする一般式(III) R1(OCOO−R2 (式中、R1、R2およびmは、前記と同じである。) で表わされるポリカーボネート化合物の製造方法を提案
している。上記の一般式(III)で表わされるポリカー
ボネートのうち、R2が炭素原子数3〜20のアルキル基で
あるポリカーボネートを製造する場合には、一般式(I
I)において、上記アルキル基に対応してR2が炭素原子
数3〜20のアルキル基であるカーボネート化合物を用い
ることになる。しかしながら、これらのカーボネート化
合物は、入手が困難であるため、上記ポリカーボネート
を製造するに際し、予め合成する必要がある。
また、本願出願人は、平成2年4月27日付けで特許出
願した特願平2−112,211号明細書において、(a)一
般式(I) HO−R1−OH (式中、R1は、 −(CmH2mO)aCmH2m− (式中、mは1〜10の整数を示し、aは1〜100の整数
を示す。) で表わされるポリアルキレングリコール残基を示す。) で表わされるポリアルキレングリコールを、 (b)一般式(II) R2OH (式中、R2は、炭素原子数2〜20のアルキル基もしくは
アリール基または一般式 R3(OCnH2n− (式中、R3は、炭素原子数1〜20のアルキル基またはア
リール基を示し、nは1〜10の整数を示し、bは1〜10
0の整数を示す。) で表わされる基を示す。) で表わされるモノアルコールの存在下または不存在下
に、 (c)一般式(III) R4OCOOR4 (式中、R4はメチル基またはエチル基を示す。) で表わされるカーボネート化合物 と塩基触媒の存在下に常圧または加圧下に加熱しなが
ら、生成する一般式 R4OH で表わされるアルコールを蒸留によって反応系外に除去
して、反応率95%以上まで反応させ、 次いで、未反応の上記カーボネート化合物(III)を
蒸留によって反応系外に除去し、この後、減圧下に加熱
して、縮合重合を行なわせ、得られた反応生成物中の塩
基触媒を酸にて中和することを特徴とする一般式 R5−OCOO−(R1−OCOO)−R6 (式中、R1は、前記と同じであり、R5およびR6は、それ
ぞれ独立に前記R2か、R4か、またはR2およびR4の混合を
示し、平均のxは0.5〜10を示す。) で表わされるポリアルキレングリコールポリカーボネー
トの製造方法を提案している。この製造方法は、後述す
る本発明に係るポリカーボネートの製造方法と類似して
いるが、本発明と異なり、第2段の反応工程で縮合重合
を行なうため、生成物としては、分子量分布の広いポリ
カーボネートが得られる。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、分子末端にアルキル基を有
するポリカーボネートを、高収率で、かつ経済的に製造
する方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るポリカーボネートの製造方法は、 一般式 R1(OCOO−R2 [式中、R1およびは、下記の一般式[I]における
R1、と同一であり、またR2は、下記の一般式[II]に
おけるR2と同一である]で表わされるポリカーボネート
の製造方法であり、 (a)一般式[I] R1(OH) …[I] [式[I]中、R1は、炭素原子数4〜300の脂肪族炭化
水素基、炭素原子数4〜300のエーテル結合を有する脂
肪族炭化水素基、または炭素原子数6〜300のエーテル
結合を有する環状構造の炭化水素基であり、は2〜8
の整数である]で表わされるポリオール、 (b)一般式[II] R2OH …[II] [式[II]中、R2は炭素原子数30以下の炭化水素基また
は炭素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基
である]で表わされるモノアルコール、および (c)一般式[III] R3OCOOR3 …[III] [式[III]中、R3は、それぞれ独立に、炭素原子数1
〜2のアルキル基である]で表わされ、かつ、R3OHの沸
点が上記ポリオールおよびモノアルコールの沸点よりも
低く、上記一般式[I]で表わされるポリオールの倍
のモル数(m1)に対するモル比が2〜50の範囲となる
量のカーボネート化合物 を塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコ
ール(R3OH)を蒸留によって反応系外に除去して、反応
率95%以上まで反応させ、 次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反応および最
終段階の反応に至らないカーボネート化合物[R4OCO2R4
(式中、R4は、それぞれ独立に、R2ないしR3である)]
を蒸留によって反応系外に除去することを特徴としてい
る。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るポリカーボネートの製造方法につ
いて具体的に説明する。
本発明では、特定のポリオール、特定のモノアルコー
ルおよび特定のカーボネート化合物が用いられる。
本発明で用いられるポリオールは、下記の一般式
[I]で表わされる。
R1(OH) …[I] 上記の一般式[I]において、R1は、炭素原子数4〜
300の脂肪族炭化水素基、炭素原子数4〜300のエーテル
結合をする脂肪族炭化水素基、または炭素原子数6〜30
0のエーテル結合を有する環状構造の炭化水素基であ
り、は2〜8の整数である。
上記一般式[I]で表わされるポリオールとしては、
具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のグリコール;エ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを共重合し
たジオール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキシレングリコール;ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ネ
オペンチルグリコールまたはヘキシレングリコールとエ
チレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとの反応
生成物からなるポリオール;プロピレンオキサイドまた
はエチレンオキサイドとヒドロキシメチルエチレンオキ
サイドまたはグリセリンとの反応生成物からなるポリオ
ール;グルコピラノース、ガラクトピラノース、マンノ
ピラノース等のピラノース;フルクトフラノース、リボ
フラノース等のフラノースなどが好ましく用いられる
が、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、
ポリブチレングリコールなども用いられる。
本発明で用いられるモノアルコールは、下記の一般式
[II]で表わされる。
R2OH …[II] 上記の一般式[II]において、R2は、炭素原子数30以
下の炭化水素基または炭素原子数2〜30のエーテル結合
を有する炭化水素基である。
上記R2の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂
肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水
素基および一般式 R5−OqR6 (式中、R5は、炭素原子数2〜3のアルキレン基であ
り、R6は炭素原子数28以下の炭化水素基であり、qは1
〜20の整数である)で表わされるグリコールエーテル基
が挙げられる。
上記R2における脂環族炭化水素基の具体的な例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t
−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチ
ル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル
基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル
基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソ
デシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−
ドデシル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソ
トリデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル
基、n−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘ
キサデシル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル
基、イソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソオ
クタデシル基、n−ノニルデシル基、イソノニルデシル
基、n−アイコサニル基、イソアイコサニル基、2−エ
チルヘキシル基、2−(4−メチルペンチル)基などを
挙げることができる。
また、R2における脂環族炭化水素基の具体的な例とし
ては、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、メ
チルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、デ
カヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基などを挙げ
ることができる。
さらに、R2における芳香族炭化水素基の具体的な例と
しては、フェニル基、o−トリル基、p−トリル基、m
−トリル基、2,4−キシリル基、メシチル基、1−ナフ
チル基などを挙げることができる。
さらにまた、R2における芳香脂肪族炭化水素基の具体
的な例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、β−
フェニルエチル基(フェネチル基)、1−フェニルエチ
ル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチル
ベンジル基、スチリル基、シンナミル基などを挙げるこ
とができる。
上記R5におけるアルキレン基の具体的な例としては、
エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基を挙げる
ことができる。
また、上記R6における炭化水素基としては、脂肪族炭
化水素基、脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基が
挙げられる。これらの具体的な例としては、それぞれ上
述したR2における脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素
基、芳香族炭化水素基の具体的な例として列挙した基と
同様の基を挙げることができる。
上記の一般式で表わされるグリコールエーテル基とし
ては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエー
テル基、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル
基、トリエチレングリコールモノエチルエーテル基、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル基、ジプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル基、トリプロピレング
リコールモノn−ブチルエーテル基などを挙げることが
できる。
フロンR−134aなどのオゾン層非破壊性フロンガスを
冷媒として使用する冷凍機用潤滑油の場合には、R2は、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基等
の低級アルキル基、エチレングリコールモノメチルエー
テル基、ジエチレングリコールモノメチルエーテル基、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル基、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル基、ジプロピレング
リコールモノエチルエーテル基、トリプロピレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル基等のアルキレングリコー
ルモノアルキルエーテル基などが好ましい。
本発明で用いられるカーボネート化合物は、下記の一
般式[III]で表わされる。
R3OCOOR3 …[III] 上記の一般式[III]において、R3は、それぞれ独立
に、炭素原子1〜2のアルキル基である。一般式[II
I]で表わされるカーボネート化合物としては、具体的
には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
エチルメチルカーボネートが挙げられる。これらのカー
ボネート化合物は、容易に入手することができる。
本発明に係るポリカーボネートの製造方法は、上記の
ようなポリオール、モノアルコールおよびカーボネート
化合物を用いて、下記の一般式[IV]で表わされるポリ
カーボネートを製造する方法である。
R1(OCOO−R2 …[IV] 上記の一般式[IV]において、R1およびは、一般式
[I]におけるR1、と同一であり、またR2は、一般式
[II]におけるR2と同一である。
まず、(a)一般式[I] R1(OH) …[I] で表わされるポリオール、 (b)一般式[II] R2OH …[II] で表わされるモノアルコール、および (c)一般式[III] R3OCOOR3 …[III] で表わされ、かつ、R3OHの沸点が上記ポリオールおよび
モノアルコールの沸点よりも低く、上記一般式[I]で
表わされるポリオールの倍のモル数(m1)に対する
モル比が2〜50の範囲となる量のカーボネート化合物 を塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコ
ール(R3OH)を蒸留によって反応系外に除去して、反応
率95%以上まで反応させる。
上記m1のは、ポリオールの水酸基の個数を表わ
す。
なお、上記反応を行なうに際し、反応器内の空気を窒
素置換することが望ましいが、窒素置換しなくてもよ
い。
次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反応および最
終段階の反応に至らないカーボネート化合物[R4OCO2R4
(式中、R4は、それぞれ独立に、R2ないしR3である)]
を蒸留によって反応系外に除去し、上記一般式[IV]で
表わされるポリカーボネートを得る。
この方法では、カーボネート化飯能で生成するアルコ
ールを反応系外に蒸留にて除去しつつ、カーボネート化
反応を進行させるので、この反応で生成するアルコー
ル、すなわち、R3OHで表わされるアルコールは、上記ポ
リオールおよびモノアルコールよりも沸点が低いことが
必要である。
また、カーボネート化合物は、上記一般式[I]で表
わされるポリオールの倍のモル数(m1)に対するモ
ル比が2〜50の範囲となる量で用いられる。このように
カーボネート化合物の使用量を制限することにより、高
重合度のポリカーボネートの生成を抑制することができ
る。
この方法においては、反応は、上記のようなポリオー
ルとモノアルコールとカーボネート化合物を反応容器に
仕込み、塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するア
ルコールを蒸留によって反応系外に除去して、反応率95
%以上まで反応させ、次いで、上記塩基触媒を除去した
後、未反応および最終段階の反応に至らないカーボネー
ト化合物[R4OCO2R4(式中、R4は、それぞれ独立に、R2
ないしR3である)]を蒸留によって反応系外に除去す
る。反応率95%以上とは、上記生成するアルコールが
m1のモル数の0.95倍モル以上生成するまで、反応させる
ことをいう。
上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩や炭酸水素
塩、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチ
ウムメトキシド、セシウムメトキシド等のアルカリ金属
アルコラート、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド等
のアルカリ金属化合物が好ましく用いられる。これらの
うちでは、特に、アルカリ金属アルコラートが好まし
い。このほか、たとえば、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、イミダゾール、テトラメチル
アンモニウムハイドロオキシド等の有機アミノ化合物も
用いられる。これら触媒の使用量は、通常、触媒のモル
数/m1(モル比)が10-1〜10-7、好ましくは10-2〜10
-5となる範囲で用いられる。
この方法においては、反応は、通常、50〜300℃、好
ましくは60〜200℃の温度で行なわれる。反応時間は、
通常、0.5〜200時間、好ましくは1〜100時間である。
反応終了後の触媒の除去は、水洗または酸で中和する
ことによって行なわれる。酸としては、スルホン酸型イ
オン交換樹脂等の固体酸;炭酸、炭酸アンモニウム、塩
化アンモニウム、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢
酸、フェノール等の有機酸が用いられる。これらのなか
では、たとえば、スルホン酸型イオン交換樹脂や、炭酸
アンモニウムのような弱酸の無機酸が好ましく用いられ
る。
この方法によれば、このように、塩基触媒を除去した
後、未反応のカーボネート化合物を減圧下に蒸留除去す
ることによって、塩基触媒の存在下で未反応のカーボネ
ート化合物を蒸留によって除去するときに生じるポリカ
ーボネートの重合を防止して、高収率にて目的とするポ
リカーボネートを得ることができる。
このようにして得られたポリカーボネートは、必要に
応じて、活性白土、活性炭等の吸着剤にて処理または水
洗して、微量の不純物を除去してもよい。特に、かかる
処理によれば、微量のイオン性化合物や極性化合物を除
去できるので、得られたポリカーボネートを安定に保持
することができる。
上記のような方法によれば、上記反応において、カー
ボネート化合物としてジメチルカーボネートを用いる場
合、メタノールをジメチルカーボネートとの共沸物とし
て反応系から除去する代わりに、予め反応系にシクロヘ
キサン、ベンゼン、ヘキサン等を共沸溶剤として加え、
メタノールをこれら共沸溶剤との共沸物として、反応系
外に除去することもできる。上記共沸溶剤は、ジメチル
カーボネート100重量%に対して、通常、5〜100重量%
の割合で用いられる。
この方法によれば、反応において、メタノールを上記
共沸溶剤との共沸物として、反応系外に除去し、反応の
終了後、反応混合物から未反応ジメチルカーボネートを
回収するので、その回収率を高めることができる。
また、別の方法として、上述したように、メタノール
をジメチルカーボネートとの共沸物として回収した後、
この共沸物に上記共沸溶剤を加え、メタノールをこれら
共沸溶剤との共沸物としてジメチルカーボネートから除
去して、ジメチルカーボネートを回収することもでき
る。
発明の効果 本発明によれば、ポリオールとカーボネート化合物と
の反応の終了後、用いた塩基触媒を除去した後に、未反
応のカーボネート化合物を除去するので、目的とするポ
リカーボネートを高収率にて得ることができる。
また、本発明では、カーボネート化合物として、入手
容易なジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートま
たはエチルメチルカーボネートを用いるので、ポリカー
ボネートの製造に際し、予めこれらのカーボネート化合
物を合成する必要がない。したがって、本発明によれ
ば、目的とするポリカーボネートを経済的に製造するこ
とができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
実施例1 蒸留塔(10段シーブトレー)を備えた3容器のフラ
スコに、トリプロピレングリコール192g(1.00モル)、
2−エチルヘキサノール1301g(9.99モル)、ジメチル
カーボネート901g(10.01モル)および28重量%のNaOCH
3のメタノール溶液(NaOCH30.001モル)を仕込んだ。
この混合物を常圧下に96〜175℃で12時間加熱し、生
成するメタノールを留出させた。留出したメタノール量
は365g(11.41モル)であった。
次いで、系内に除去に減圧して760mmHgから10mmHgの
圧力下にし、170〜190℃で5時間反応を行ない、メタノ
ール17g、ジメチルカーボネート139g、2−エチルヘキ
サノール6gおよびメチル−2−エチルヘキシルカーボネ
ート44gを留出させた。
留出したメタノールは理論生成量の99.8%であった。
こうして得られた反応混合物1600g(回収率99.7%)に
用いたNaOCH3の5倍モル量の炭酸アンモニウムを含有す
る水溶液で触媒を中和し、さらに水洗を3回行ない、水
層を分離した。次いで、油層部を減圧下に未反応のジ−
[2−エチルヘキシル]カーボネートを蒸留除去して、
カーボネート反応生成物446gを得た。
得られたカーボネート反応生成物の収率は89%であっ
た。
この生成物の動粘度(100℃,JIS K−2283)は5.1cSt
であった。また、生成カーボネート中のナトリウム残存
量は0.01ppm以下であり、全酸価は0.01以下であった。
NMR分析の結果、主生成物が、トリプロピレングリコ
ール−ジ−[2−エチルヘキシル]カーボネートである
ことが確認された。
実施例2〜3 実施例1において、トリプロピレングリコール、2−
エチルヘキサノール、ジメチルカーボネートおよび28重
量%のNaOCH3のメタノール溶液の仕込量を表1に示すよ
うに変えた以外は、実施例1と同様にして反応を行なっ
てカーボネート反応生成物を得た。
その結果を表1に示す。
実施例4〜10 実施例1において、ポリオール[R1(OH) ]および
モノアルコール[R2OH]の種類および仕込量を表1に示
すように変えた以外は、実施例1と同様にして反応を行
なってカーボネート反応生成物を得た。
その結果を表1に示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 129/84 C10M 129/84 (56)参考文献 特開 平2−284919(JP,A) 特開 平4−8724(JP,A) 特開 平4−11628(JP,A) 特開 平4−8725(JP,A) 特開 昭46−3865(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 68/00 - 68/08 C07C 69/00 - 69/96 C08G 65/00 - 65/48 C08G 64/00 - 64/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式[I] R1(OH) …[I] [式[I]中、R1は、炭素原子数4〜300の脂肪族炭化
    水素基、炭素原子数4〜300のエーテル結合を有する脂
    肪族炭化水素基、または炭素原子数6〜300のエーテル
    結合を有する環状構造の炭化水素基であり、は2〜8
    の整数である]で表わされるポリオール、 (b)一般式[II] R2OH …[II] [式[II]中、R2は炭素原子数30以下の炭化水素基また
    は炭素原子数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基
    である]で表わされるモノアルコール、および (c)一般式[III] R3OCOOR3 …[III] [式[III]中、R3は、それぞれ独立に、炭素原子数1
    〜2のアルキル基である]で表わされ、かつ、R3OHの沸
    点が上記ポリオールおよびモノアルコールの沸点よりも
    低く、上記一般式[I]で表わされるポリオールの倍
    のモル数(m1)に対するモル比が2〜50の範囲となる
    量のカーボネート化合物 を塩基触媒の存在下に加熱しながら、生成するアルコー
    ル(R3OH)を蒸留によって反応系外に除去して、反応率
    95%以上まで反応させ、 次いで、上記塩基触媒を除去した後、未反応および最終
    段階の反応に至らないカーボネート化合物[R4OCO2R
    4(式中、R4は、それぞれ独立に、R2ないしR3であ
    る)]を蒸留によって反応系外に除去することを特徴と
    する一般式 R1(OCOO−R2 [式中、R1およびは、一般式[I]におけるR1、と
    同一であり、またR2は、一般式[II]におけるR2と同一
    である]で表わされるポリカーボネートの製造方法。
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