JP2000001687A - 無段変速機油組成物 - Google Patents
無段変速機油組成物Info
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Abstract
な高い摩擦係数を有し、しかも摩耗防止性に優れたCV
T用潤滑油を提供すること。 【解決手段】 (a)潤滑油基油に、(b)ポリメタク
リレート、(c)アルカリ土類金属のフェネート及びア
ルカリ土類金属のスルホネートから選ばれる1種以上、
(d)イミド化合物、(e)フェニルホスフェート、ア
ルキルフェニルホスフェート、フェニルチオホスフェー
ト、アルキルフェニルチオホスフェートから選ばれる1
種以上、及び(f)ジチオりん酸亜鉛を配合する。
Description
に係わり、特には摩擦係数が高く、摩擦係数の持続性に
優れ、しかも摩耗の少ない金属ベルト式無段変速機用潤
滑油組成物に関する。
酸化炭素の排出が抑制される方向にある。このため、自
動車についても、より一層燃費を改善することが求めら
れている。自動車用自動変速機(AT)は、トルクコン
バーター、湿式クラッチ、遊星ギアなどを組合わせたタ
イプが主流である。しかし、このトルクコンバーター
は、自動変速機油(ATF)を介して動力を伝達するた
め、ロスが大きい。このため、ロックアップにより、動
力伝達ロスの低減を図っているが、トルクコンバーター
を使用する限りは、伝達ロスの大幅な低減は難しいのが
現状である。
変速機(CVT)を採用する動きがある。ベルトタイプ
CVTは、駆動プーリと動力を伝達するためのベルトか
ら構成されており、ベルトは、エレメントとそれを保持
する鋼帯より成る。この変速機を用いると、伝達ロスを
大幅に低減可能である。しかし、エンジン出力が大きい
場合は、ベルトとプーリの滑りを生じやすいため、今ま
では小排気量の自動車に採用されるのが普通であった。
しかしながら、省燃費の要求から高出力エンジンにも採
用される動きが出て来た。
は、プーリとベルトの滑りを防止する必要がある。しか
し、滑りを防止するためベルトを挟みこむ圧力を高める
と、摩耗しやすくなる。このため、装置面の改良だけで
なく、潤滑油に対しても、ベルトとプーリが滑りを生じ
難くかつベルト及びプーリが摩耗し難いものが要求され
るようになった。つまり、摩耗を防止するための潤滑性
を有しながら、十分な動力伝達のためプーリとベルトが
滑らないように一定以上の摩擦力を有するものが要求さ
れるようになったのである。
の「ひっかき現象」を排除するため、潤滑油基油に
(a)アルカリ金属、アルカリ土類金属でオーバーベー
ス化したスルホン酸アルキルアリール等のオーバーベー
ス化清浄剤、(b)ジイソオクチルジチオりん酸亜鉛等
のジアルキルジチオりん酸金属、(c)硫化オレフィ
ン、硫化脂肪酸等の硫黄含有摩擦調整剤、(d)脂肪酸
アミド、(e)ポリオレフィン等の粘度改良剤、からな
る添加剤パッケージを添加した潤滑油を開示している。
MD2714に規定されているLFW−1試験方法を用
いて、垂直荷重を200lbとしてすべり速度を0〜1
00cm/sの範囲で変化させ、各滑り速度における摩
擦力から測定した摩擦係数が前記滑り速度と共に摩擦係
数が増加を示す正の摩擦特性を示し、かつ滑り速度2.
5cm以下の滑り速度の摩擦係数が0.12〜0.14
の範囲のものである潤滑油を提案している。具体的に
は、鉱油あるいは合成油の基油に、硫化エステル、金属
塩系清浄剤、ジアルキルジチオりん酸亜鉛、りん酸エス
テル、イミド化合物、ポリメタクリレートを含有する潤
滑油である。この潤滑油を使用することにより、大容量
の動力伝達が可能になり、金属同士の滑りによるスティ
ックスリップ現象を抑制できるとしている。
油基油に、硫化油脂類、チオカーバメート類、チオテル
ペン類から選ばれる1種以上の硫黄系極圧剤と、トリク
レジルホスフェート、アルキル酸性りん酸エステルアミ
ン塩、アルケニル酸性りん酸エステルアミン塩から選ば
れる1種以上のリン系極圧剤と、カルシウムフェネート
等のアルカリ土類金属系清浄剤とを配合してなる無段変
速機用潤滑油組成物を開示している。これにより、耐摩
耗性及び極圧性に優れ、摩擦係数を長時間高く維持でき
るため、大容量のトルク伝達が可能になるとしている。
に応じて粘度指数向上剤を含有する基油に、スルホネー
ト、イミド系化合物等の無灰系分散剤、酸アミド、ジチ
オりん酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン等
の有機モリブデン化合物、アミン系酸化防止剤を添加し
た無段変速機油組成物を開示している。この組成物は、
100℃における最小摩擦係数が0.1以上で、すべり
速度Vにおける摩擦係数μdとすべり速度が0となる直
前の摩擦係数μsの比μs/μdが1より小さい。ま
た、脂肪酸誘導体、部分エステル化合物、硫黄系酸化防
止剤等を含んでいてもよいとしている。これにより、摩
擦係数を長期間保持でき、かつスクラッチ現象を防止で
きるとしている。
文献は、摩擦係数を改善することに重点を置いているも
のの、高出力のエンジン動力を伝達するためには、摩擦
係数の点で更に改善が要求される。また、摩耗防止性能
も十分とは言えず、改善が求められていた。
と、高い摩擦係数を両立させることが可能な金属ベルト
タイプCVT用潤滑油について鋭意検討を進めた。その
結果、(a)潤滑油基油に、(b)ポリメタクリレー
ト、(c)アルカリ土類金属のフェネート及びアルカリ
土類金属のスルホネートから選ばれる1種以上、(d)
イミド化合物、(e)フェニルホスフェート、アルキル
フェニルホスフェート、フェニルチオホスフェート、ア
ルキルフェニルチオホスフェートから選ばれる1種以
上、及び(f)ジチオりん酸亜鉛を配合した潤滑油が、
前記課題を満足することを見出した。
であって、その配合量は無段変速機油基準で5〜15質
量%である。前記アルカリ土類金属のフェネート及びア
ルカリ土類金属のスルホネートは、カルシウム塩、マグ
ネシウム塩、バリウム塩から選ばれる1種以上であり、
その配合量は、無段変速機油基準で0.5〜3.0質量
%である。前記イミド化合物は、コハク酸イミド及び/
又はホウ素含有コハク酸イミドであり、その配合量が、
無段変速機油基準で0.5〜5.0質量%である。前記
フェニルホスフェート、アルキルフェニルホスフェー
ト、フェニルチオホスフェート、アルキルフェニルチオ
ホスフェートから選ばれる1種以上の配合量であるが、
無段変速機油基準で0.1〜2.0質量%である。ま
た、前記ジチオりん酸亜鉛は、通常入手できるアルキル
及び/又はアリール基を有するジチオりん酸と亜鉛の化
合物であり、その配合量は無段変速機油基準で亜鉛とし
て0.05〜0.2質量%である。このような組合わせ
とした場合に、摩耗防止と、高い摩擦係数を示すことを
見出し、本発明を完成させた。
する。本発明で用いる潤滑油基油は、公知の鉱油および
/または合成油を用いることができる。例えば、公知の
方法により、原油を原料として製造されたニュートラル
油や、ブライトストック、常圧蒸留留出油をフルフラー
ルなどの溶剤で抽出処理し、得られたラフィネートをメ
チルエチルケトンなどの溶剤で脱ろう処理したもの、そ
れをさらに高圧下にて水素精製して硫黄分などの不純物
を除去したもの、などを挙げることができる。また、合
成油としては、ポリ−α−オレフィン、多価アルコール
エステル、ポリアルキレングリコールなどを挙げること
ができる。
を30質量%以上、好ましくは50質量%以上含有する
ことが好ましい。このような基材として、ワックス、高
度水素化精製処理油等を水素化異性化したもの、合成油
等を挙げることができる。粘度指数が120以上の基材
が30質量%を切ると、無段変速機油の寿命が低下する
ことがある。
適に使用できる。このようなポリマーは、アルキルメタ
クリレートモノマーと、極性モノマーとの共重合で得る
ことができる。極性モノマーとしては、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルピロリドン、モルホリノエチルメタク
リレートから選ばれる1種以上が好適に使用できる。ア
ルキルメタクリレートモノマーと、極性モノマーとのモ
ル比であるが、分散効果が極大となる80:20〜9
5:5の範囲のものが好ましい。また、ポリマーの分子
量であるが、剪断安定性などの点から、数平均分子量1
0000〜100000の範囲のものが好適に使用でき
る。ポリメタクリレートの添加量であるが、無段変速機
油全量基準で5〜15質量%、好ましくは7〜12質量
%である。5質量%を切ると、低温始動性及び摩耗防止
効果が低下することがある。また、15質量%を超えて
も摩耗防止効果が低下することがあるため、好ましくな
い。
リ土類金属のスルホネートであるが、アルカリ土類金属
としては、カルシウム、マグネシウム、バリウムから選
ばれる1種以上が使用できる。しかし、カルシウム、マ
グネシウムから選ばれる1種以上の方が、摩擦係数向上
の点で好ましい。
リ土類金属のスルホネートから選ばれる1種以上の添加
量であるが、無段変速機油全量基準で、0.5〜3.0
質量%、好ましくは0.7〜2.0質量%である。0.
5質量%を切ると、摩擦係数の持続性や清浄作用が不足
することがある。一方、3.0質量%を超えると、摩擦
係数が小さくなることがあり好ましくない。
イミド及び/又はホウ素含有コハク酸イミドである。こ
れらは、アルケニル基を有するものが好適に使用でき
る。このアルケニルコハク酸イミドは、有機物の酸化に
より生成する不溶物、スラッジ等の分散のために用いる
が、摩擦係数の低下が比較的少なく、また摩擦係数の経
時変化を少なくする効果が見られる。
ク酸イミドの添加量は、無段変速機油全量基準で0.5
〜5.0質量%、好ましくは1.0〜3.0質量%であ
る。0.5質量%を切ると、摩擦係数及び分散効果が低
下することがあり好ましくない。また、5.0質量%を
超えると、耐摩耗性の低下を招くため好ましくない。
ルキルフェニルホスフェート、フェニルチオホスフェー
ト及びアルキルフェニルチオホスフェートであるが、実
質的に分子内の2個以上の炭化水素基がベンゼン環を有
しているものが使用できる。この条件を満足するのであ
れば、分子内の炭化水素基は同一であってもよいし、1
個が他の2個と異なっていてもよいし、各々が異なって
いてもよい。また、分子内にベンゼン環を有する炭化水
素基を実質的に3個のものと、実質的に2個のものを任
意に混合して使用してもよい。もちろん、分子内の炭化
水素基の構成が異なる2種以上のものを混合して用いる
ことも何ら問題はない。
を有する炭化水素基の場合は、フェニル基、炭素数7〜
18のアリール基から選ばれる1種或は2種以上であ
る。それ以外の炭化水素基については、炭素数3〜11
の1級アルキル基、炭素数3〜18の2級アルキル基、
炭素数3〜18のβ位分岐アルキル基から選ばれるもの
を使用する。
フェニルホスフェート、フェニルチオホスフェート、ア
ルキルフェニルチオホスフェートから選ばれる1種以上
の配合量であるが、無段変速機油基準で0.1〜2.0
質量%、好ましくは0.3〜2.0質量%である。添加
量が0.1質量%未満では摩擦係数が低くなり、無段変
速機油としての特性が十分でなくなることがある。ま
た、2.0質量%を超えても、さらなる性能向上は見ら
れなくなるため好ましくない。
であるが、これは、通常入手可能なものが使用できる。
具体的には、ジチオりん酸の炭化水素基が炭素数3〜1
1の1級アルキル基、炭素数3〜18の2級アルキル
基、炭素数3〜18のβ位分岐アルキル基、フェニル
基、炭素数7〜18のアリール基から選ばれる1種或は
2種以上である。これらの中でも、無段変速機油として
用いる場合は摩擦係数の安定性の点で、フェニル基、ア
リール基のものが好ましい。また、2級アルキル基のも
のは、摩耗を防止効果が優れ、1級アルキル基及びβ位
分岐アルキル基のものは、熱・酸化劣化に対する安定性
に優れる等の特徴があるため、用途に応じて配合割合を
変化させることが好ましい。
て用いる場合、フェニル基、アリール基を有するジチオ
りん酸亜鉛を主体とし、この10重量部と、1〜20重
量部の1級アルキル基を有するジチオりん酸亜鉛を組合
わせたものが好適に使用できる。しかしながら、この組
合わせに固執する必要はなく、入手が容易なものを用い
ることは何ら問題はない。
ジチオりん酸が混入することは避けられないが、基油へ
の溶解性が問題にならない範囲であれば、そのまま使用
できる。
段変速機油全量を基準とし、亜鉛として0.05〜0.
2質量%であり、0.074〜0.2質量%がより好ま
しい。添加量が、0.05質量%未満では摩擦係数が低
下するばかりでなく、摩耗防止効果も低下するため好ま
しくない。また、0.2質量%を超えても、さらなる性
能向上は見られなくなるため好ましくない。
われない範囲で、従来から潤滑油に用いられている酸化
防止剤、防錆剤、流動点降下剤、金属不活性化剤などを
適宜添加することもできる。
フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤を単独
で、或は混合して使用する。酸化防止剤の添加量は無段
変速機油全量基準で0.1〜3.0質量%程度である。
0.1質量%を切ると、酸化防止能力が不足する場合が
ある。また、3.0質量%を超えた場合は、酸化分解生
成物の濃度が高くなることによるスラッジ生成を引き起
こしたり、摩擦係数の低下を招いたりすることがあり好
ましくない。
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、フェニルジイソデシルホスフィト、ジフェ
ニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルジイソデ
シルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス
ノニルフェニルホスファイト、トリス−ジ−ノニルフェ
ニルホスファイト、トリス−(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、ジステアリル−ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、4,4’−イソプロ
ピリデンジフェノールアルキルホスファイト、4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ルジ−トリデシルホスファイト)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−
t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンジ
ホスファイト、3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オ
キサホスファン−2−オキシド、トリラウリルトリチオ
ホスファイト、トリス(イソデシル)フォスファイト、
トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルジ(ト
リデシル)フォスファイト、ジフェニルトリデシルフォ
スファイト、フェニル−ビスフェノールAペンタエリス
リトールジフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルフォスフォン酸ジエチルエステ
ル等を挙げることができ、これらの1種或いは2種以上
が使用できる。
特には1つのアリール基が少なくとも1つ以上、好まし
くは2つのアルキル基を有することが、加水分解安定性
の点から好ましく、トリス−(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスフ
ァイト、トリス−(モノ&ジ混合ノニルフェニル)ホス
ファイトなどが好適に使用できる。また、特に工業用グ
レードの試薬を用いる場合であるが、炭化水素基が1〜
2個のものが混入することは避けられない。しかし、基
油への溶解性が問題にならない範囲であれば、そのまま
使用できる。
剤としては、たとえば2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4
−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジエ
チル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−
エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、n−
オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ3’,5−ジ―
t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,4−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’,5’−ジ
−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ス
チレン化フェノール、スチレン化クレゾール、トコフェ
ノール、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−
5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチ
ルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シク
ロヘキシルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’
−ジメチルジフェニルメタン、2,2’−エチリデン−
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’
−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−
ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサ
ンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレン
グリコール−ビス−3−(−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオネート、N,N’−
ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ヘ
キサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ)ヒドロシンナミド、2,2’−チオビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2−チオジエチレンビス−[3(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニ
ル]テレフタレート、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、トリス(3,5−ジ−t−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−
ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、カルシウム(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホス
フォネート)、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、
没食子酸ラウリル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェ
ノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5
−ジ−t−アミルヒドロキノン、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,8,
10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等を挙
げることができ、これらの1種或いは2種以上が使用で
きる。
への使用実績の点で、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4
−エチル−6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)などが好ましい。
p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル
−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、ポリ
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、
6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒ
ドロキノリン、チオジフェニルアミン、4−アミノ−p
−ジフェニルアミン、等を挙げることができ、これらの
1種或いは2種以上が使用できる。
ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、炭素数2〜
10の炭化水素基を有するベンゾトリアゾール誘導体、
ベンゾイミダゾール、炭素数2〜20炭化水素基を有す
るイミダゾール誘導体、炭素数2〜20炭化水素基を有
するチアゾール誘導体、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル等を挙げることができ、これらの1種或いは2種以上
を用いることができる。
として本発明を具体的に説明する。なお、比較例として
例示したものは、いずれも優れた性能のものである。従
って、実施例との差は小さい。しかし、本発明のCVT
油は、比較例よりも更に特性的に優れているものであ
る。また、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
のあるLFW−1試験機を用いて、無段変速機油の摩擦
係数及び摩擦係数の安定性と、潤滑性を調べた。試験条
件は、荷重:200lbf、回転数:140rpm、油
温:110℃とした。テストピースは、標準品を使用し
た。
油65質量%、溶剤脱ろう基油5質量%及びニュートラ
ル油30質量%を混合した。ワックス水素化異性化油前
者の動粘度は40℃において20mm2/s、100℃
において4.5mm2/s、引火点は224℃、硫黄分
は10ppm、NDM環分析による芳香族成分は0%、
粘度指数は142である。溶剤脱ろう基油の動粘度は4
0℃において96mm2/s、100℃において11m
m2/s、引火点は266℃、硫黄分は0.15質量
%、NDM環分析による芳香族成分は6.5%、粘度指
数は97である。また、ニュートラル油の動粘度は40
℃において12mm2/s、100℃において2.9m
m2/s、引火点は190℃、硫黄分は0.08質量
%、NDM環分析による芳香族成分は13%、粘度指数
は80である。 (a2)潤滑油基油2:前記のワックスの水素化異性化
した基油65質量%、溶剤脱ろう基油8質量%及びニュ
ートラル油27質量%を混合した。
タクリレート(数平均分子量が約53000)
240mgKOH/gのもの (c2)カルシウムスルホネート:塩基価が300mg
KOH/gのもの
一部にt−ブチル基を導入したもの (e3)ジイソプロピルジチオホスフェートプロピオン
酸エステル (e4)トリブチルホスフェート (e5)アルキルチオりん酸エステルアミン塩
P):炭素数12のアリール基を有する工業グレードの
ジアリールジチオりん酸亜鉛 (f2)ZnDTP:アルキル基の炭素数が8である1
級アルキル基を有するジアルキルジチオりん酸亜鉛
(b)のポリメタクリレートを7.0質量%、(c1)
のカルシウムフェネートを0.5質量%、(c2)のカ
ルシウムスルホネートを0.8質量%、(d)のコハク
酸イミドを2.0質量%、(f1)のアリールジチオり
ん酸亜鉛を亜鉛として0.024質量%、(f2)のア
ルキルジチオりん酸亜鉛を亜鉛として0.047質量
%、及び(g)の酸化防止剤を0.5質量%となるよう
に添加した。これに、(e1)のトリフェニルホスフェ
ートを0.5質量%となるように添加し、無段変速機油
組成物を得た。濃度は、無段変速機油全量を基準とした
値である。LFW−1試験の結果を表1に示すが、試験
初期から高い摩擦係数を示すばかりでなく、摩耗も少な
い。
ニルホスフェートに代えて、前記(e2)を添加した以
外は実施例1と同様にして無段変速機油組成物を作製し
た。LFW−1試験の結果を表1に示すが、試験初期か
ら高い摩擦係数を示すばかりでなく、摩耗も少ない。
2)を使用し、(f2)を添加せず、(f1)のアリー
ルジチオりん酸亜鉛の添加量を亜鉛として0.074質
量%に変更した以外は実施例1と同様にして無段変速機
油組成物を作製した。LFW−1試験の結果を表1に示
すが、試験初期から比較的高い摩擦係数を示した。
(e3)に変えた以外は実施例1と同様にして無段変速
機油組成物を作製した。LFW−1試験の結果を表1に
示すが、試験初期には高い摩擦係数を示すが、30分間
経過後の摩擦係数が低い値となっている。
しなかった以外は実施例1と同様にして無段変速機油組
成物を作製した。LFW−1試験の結果を表1に示す
が、摩擦係数が低い値となっている。
前記(e4)を添加した以外は、実施例3と同様の無段
変速機油組成物を作製した。LFW−1試験の結果を表
1に示すが、摩擦係数が低い値であった。
前記(e5)を添加した以外は、実施例3と同様の無段
変速機油組成物を作製した。LFW−1試験の結果を表
1に示すが、摩擦係数が低いばかりでなく、摩耗も多か
った。
成物を用いれば、摩擦係数が高いために動力伝達ロスが
少なく、しかも摩耗が少ない。このため、大容量のベル
トタイプCVTに用いることが可能になり、省燃費に優
れた自動車の普及が可能となる。
Claims (6)
- 【請求項1】 (a)潤滑油基油に、(b)ポリメタク
リレート、(c)アルカリ土類金属のフェネート及びア
ルカリ土類金属のスルホネートから選ばれる1種以上、
(d)イミド化合物、(e)フェニルホスフェート、ア
ルキルフェニルホスフェート、フェニルチオホスフェー
ト、アルキルフェニルチオホスフェートから選ばれる1
種以上、及び(f)ジチオりん酸亜鉛を配合してなる無
段変速機油組成物。 - 【請求項2】 前記ポリメタクリレートが分散型であ
り、その配合量が無段変速機油基準で5〜15質量%で
ある請求項1に記載の無段変速機油組成物。 - 【請求項3】 前記アルカリ土類金属のフェネート及び
アルカリ土類金属のスルホネートが、カルシウム塩、マ
グネシウム塩、バリウム塩から選ばれる1種以上であ
り、その配合量が、無段変速機油基準で0.5〜3.0
質量%であることを特徴とする請求項1、2いずれか一
つの請求項に記載の無段変速機油組成物。 - 【請求項4】 前記イミド化合物が、コハク酸イミド及
び/又はホウ素含有コハク酸イミドであり、その配合量
が、無段変速機油基準で0.5〜5.0質量%であるこ
とを特徴とする請求項1〜3いずれか一つの請求項に記
載の無段変速機油組成物。 - 【請求項5】 前記フェニルホスフェート、アルキルフ
ェニルホスフェート、フェニルチオホスフェート、アル
キルフェニルチオホスフェートから選ばれる1種以上の
配合量が無段変速機油基準で0.1〜2.0質量%であ
ることを特徴とする請求項1〜4いずれか一つの請求項
に記載の無段変速機油組成物。 - 【請求項6】 前記ジチオりん酸亜鉛の添加量が、亜鉛
として0.05〜0.2質量%(無段変速機油基準)で
あることを特徴とする請求項1〜5いずれか一つの請求
項に記載の無段変速機油組成物。
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