明 細 書
蛍光輝度測定方法及び装置
技術分野
本発明は、 平面上に配列されている複数の微小な点を対象 と して微小点の輝度を測定する装置に係 り 、 特に、 蛍光物質 で標識された D N Aや蛋白質な どの物質が高密度で微小点 と して平面上に配列 されているバイ オチ ップを対象と して、 蛍 光分析を行 う シス テ ム に好適な蛍光輝度測定方法及び装置に 関する。
背景技術
例えば、 特開 2 0 0 0 — 1 2 1 5 5 9 号公報には、 こ の微 小点の蛍光輝度を測定する装置が開示されている。
図 1 7 は、 上記特開 2 0 0 0 — 1 2 1 5 5 9 号公報に開示 されている蛍光輝度測定装置の概略構成図である。 こ の公報 に開示の蛍光輝度測定装置は、 蛍光標識を行った試料を基板 表面に微小点 と して形成 したバイ オチ ッ プ 5 2 0 を図中 ; F方 向に走查するチ ッ プ駆動部 5 0 3 と 、 励起光源 と しての レー ザ 5 0 6 と 、 該 レーザ 5 0 6 か ら の レーザ光を反射 し、 被測 定物から の蛍光を透過するダイ ク ロ イ ッ ク ミ ラー 5 0 8 と 、 集光 レ ンズ 5 0 9 と 、 該集光 レ ンズ 5 0 9 と 上記ダイ ク 口 イ ツ ク ミ ラー 5 0 8 と を含む読取へッ ド 5 0 7 を図中 X方向 に走査するへッ ド駆動部 5 0 2 と 、 前記微小点からの蛍光を 波長毎に分離する ダイ ク ロイ ツ ク ミ ラー 5 1 1 と 、 レーザ光 と 蛍光を分離する フ ィ ルタ 5 1 5 , 5 1 9 と 、 絞 り レ ン ズ 5 1 4 , 5 1 8 と 、 ピ ンホール板 5 1 3 , 5 1 7 と 、 フ ォ ト
マル 5 1 2 , 5 1 6 と 力 ら構成されている。
こ の よ う な構成の蛍光輝度測定装置の作用 は、 次の通 り で あ る。 SPち、 レーザ 5 0 6 で発生 した レーザ光は、 ダイ ク 口 イ ツ ク ミ ラー 5 0 8 に よ り 反射されて集光 レ ンズ 5 0 9 に向 け られ、 バイ オチッ プ 5 2 0 上に集光されて レーザ光点を形 成する。 こ の時、 こ の レーザ光点に よ り 照明 された部分に蛍 光物質が存在 した場合には、 レーザ光によ り 蛍光物質が励起 され蛍光が発生する。 発生 した蛍光は、 集光 レンズ 5 0 9 に よ り 集光 さ れたの ち 、 ダイ ク ロ イ ツ ク ミ ラ ー 5 0 8 を透過 し、 色分離ダイ ク ロ イ ツ ク ミ ラー 5 1 1 によ って波長毎に分 離され、 各々 の波長毎に絞 り レ ンズ 5 1 4 、 5 1 8 によ り 集 光 されて ピンホール板 5 1 3 , 5 1 7 を通過 し、 フ ォ ト マル 5 1 2 , 5 1 6 に入射する。 フ ォ ト マル 5 1 2 , 5 1 6 は、 光子を検出 して T T L レベルのパルス に変換するセ ンサであ る ので、 フ ォ トマル 5 1 2 , 5 1 6 に入射 した光がパルス信 号と な り 、 こ のパルス数を測定する こ と で微小点の蛍光輝度 を測定する こ と ができ る 。 さ ら に、 チ ッ プ駆動部 5 0 3 と へッ ド駆動部 5 0 2 によ り レーザ光点を機械的に走査しなが ら以上の動作を実施する こ と に よ っ て、 バイ オチ ップ 5 2 0 全体にわたる微小点の蛍光輝度を測定する も のである。
しカゝ しなが ら、 バイ オチ ッ プ 5 2 0 の表面に励起光を反射 した り 、 蛍光を発する よ う な異物が存在する と 、 バイ オチッ プ 5 2 0 上のスポッ ト 5 2 1 力ゝら の蛍光以外に異物からのノ ィ ズと なる光を検出 して しま う 為、 測定した輝度に誤差が生 じる と レヽ ぅ 点について対応する こ と ができ ない。
また、 従来の蛍光輝度測定装置では、 異物の有無を判断す る こ と ができ ない為、 微小点の輝度値の信頼性について定量 的な判断ができ ない。
本発明は、 上記 した事情に鑑みな された も ので、 バイ オ チップ上の表面近傍に異物が存在した場合でも、 測定誤差を 少な く する こ と が可能であ り 、 異物の存在を認識して輝度測 定値の信頼性を定量的に判断する こ と ができ る蛍光輝度測定 方法及び装置を提供する こ と を 目 的とする。
発明の開示
上記の 目 的を達成するために、 本発明による蛍光輝度測定 方法は、 略平面を有する基板上に配列された蛍光物質を含む 微小点の輝度を測定する蛍光輝度測定方法であって、
前記蛍光物質を励起でき る波長の光を照射して蛍光物質を 含む微小点の画像を第 1 の画像と して得る第 1 の撮像工程と 、 前記蛍光物質を励起しない波長の光を照射する こ と によ り 前記基板上に付着した異物の画像を第 2 の画像と して得る第 2 の撮像工程と 、
該第 2 の画像から異物領域を抽出 して 2値化画像を得る抽 出工程と、
該 2値化画像をマス ク と して前記第 1 の画像の う ち、 異物 領域と重なった部分の画像を無効とする異物除去工程と、
を含むこ と を特徴とする。
また、 本発明による蛍光輝度測定装置は、 略平面を有する 基板上に配列された蛍光物質を含む微小点に励起光を照射し て得られる蛍光像の輝度を測定する蛍光輝度測定装置であつ
て、
光源と、
励起光の波長を選択する第 1 の波長選択手段 と 、
前記蛍光物質の像を形成する為の結像手段と 、
発生した蛍光の波長のみを選択する第 2 の波長選択手段と、 蛍光像を走査して画像を得る光電変換手段と 、
該画像を記憶する記憶手段と 、
前記第 1 の波長選択手段を制御して、 前記光源からの光 の う ち前記蛍光物質を励起でき る波長の光を照射する と共に、 前記第 2 の波長選択手段を制御 して、 前記光電変換手段によ り 、 蛍光物質を含む微小点の画像を第 1 の画像と して得て、 前記記憶手段に記憶する処理と、
前記第 1 の波長選択手段を制御して、 前記光源からの光 の う ち前記蛍光物質を励起しない波長の光を照射する と共に、 前記第 2 の波長選択手段を制御 して、 前記光電変換手段によ り 、 前記基板上に付着した異物の画像を第 2 の画像と して得 て、 前記記憶手段に記憶する処理と、
前記記憶手段に記憶された前記第 2 の画像から異物領域 を抽出 して 2値化画像を得る処理と、
前記 2値化画像をマスク と して前記記憶手段に記憶され た前記第 1 の画像の う ち、 前記異物領域と重なった部分の画 像を無効とする処理と 、
を行 う画像処理手段と 、
を具備する こ と を特徴とする。
即ち、 本発明の蛍光輝度測定方法及び装置によれば、 標識
蛍光物質を励起する波長の光を照射して第 1 の画像を得て、 前記蛍光物質を励起しない波長の光を照射して得た前記被測 定物に付着した異物の画像から抽出 した異物領域画像によつ てマス ク を作成し、 該マス ク と前記第 1 の画像と の論理積を と る こ と によ り 、 前記第 1 の画像から異物領域を除去する の で、 バイ オチップに付着した異物からのノ イ ズ光を除去する こ と が でき る 。
図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明の第 1 の実施例に係る蛍光輝度測定装置の 概要を示す構成図である。
図 2 Aは、 バイオチップに用いる蛍光物質の吸収波長と蛍 光波長の相対強度との分光特性の一例を示した図である。
図 2 B は、 蛍光測定用フ ィ ルタュニッ ト の分光透過率特性 を示 した図である。
図 2 Cは、 異物画像撮影用フ ィ ルタュニッ ト の分光透過率 特性を示した図である。
図 3 は、 バイオチップのフ ォ ーマ ツ ト を示す概要図である。 図 4 は、 第 1 の実施例において微小点の輝度を測定する際 のデータ処理方法の概要図である。
図 5 Aは、 異物が存在する 方向の位置における Λ:方向の 画素位置に対する輝度信号 Sを表す図である。
図 5 Β は、 最大輝度 Smaxの 1 / 2 を閾値と した と き の 2 値化結果を示す図である。
図 6 は、 レファ レンス画像の輝度分布特性を示す図である。 図 7 Aは、 図 5 A の輝度信号に レ フ ァ レ ンス輝度信号 S ?
に対する最大輝度信号 Si? maxの比 SRmax / S ?を乗じた値を輝 度信号 S'と した場合の異物が存在する 方向の位置における Λ:方向の画素位置に対する輝度信号 S'を表す図である。
図 7 Β は、 最大値 の 1 / 2 を閾値 と した と き の 2 値 化結果を示す図である。
図 8 は、 一次微分オペレータ を用いた場合の異物が存在す る 方向の位置における Λ:方向の画素位置に対する微分信号 S"を表す図である。
図 9 は、 二次微分オペレータ を用いた場合の異物が存在す る 方向の位置における JC方向の画素位置に対する微分信号 S"を表す図である。
図 1 0 は、 微分信号を別な手法によ り 求めたと きの一次微 分オペレータ を用いた場合の異物が存在する 方向の位置に おける Λ:方向の画素位置に対する微分信号 S"を表す図である。
図 1 1 は、 同様に微分信号を別な手法によ り 求めたと き の 二次微分オペ レータ を用いた場合の異物が存在する 方向の 位置における Λ:方向の画素位置に対する微分信号 S"を表す図 である。
図 1 2 は、 2種類の異物が混在する場合の適切なる閾値の 設定方法を説明するためのも ので、 横軸を均等分割した微分 信号 S"の代表値、 縦軸を こ の微分信号 S"に該当する画素の 総数とする度数分布図である。
図 1 3 Αは、 1 つの微小点に対する分割画像を示す図であ る。
図 1 3 B は、 図 1 3 A に表示 さ れてい る線分 A B 上の
C C Dからの出力信号を示す図である。
図 1 4 は、 本発明の第 2 の実施例に係る蛍光輝度測定装置 の概要を示す構成図である。
図 1 5 は、 レフ ァ レンスチップの概要図である。
図 1 6 は、 第 2 の実施例 に よ る測定方法を示すフ ロ ー チヤ一 トである。
図 1 7 は、 従来の蛍光輝度測定装置の概略構成図である。 発明を実施するため の最良の形態
以下、 図面を参照して本発明の実施例を説明する。
[第 1 の実施例]
まず、 本発明の第 1 の実施例に係る蛍光輝度測定方法及び 装置を、 図 1 乃至図 1 3 B を用いて説明する。
図 1 に示すよ う に、 本実施例に係る蛍光輝度測定装置にお いては、 照明ユニッ ト 1 は、 水銀ラ ンプ等の光源 2 を有し、 こ の光源 2 から投射された光束は、 コ レク タ レ ンズ 3 で集光 され、 開 口絞り 4及び視野絞 り 5 で絞られた後、 レ ンズ 6 を 介 してフィルタセッ ト 7 に入射される よ う に構成されてレヽる また、 本実施例においては、 図 2 Aに示すよ う な特性を有 する蛍光物質を標識物質と して使用する。 即ち、 同図中、 参 照番号 2 6 で示すよ う な吸収スぺク トルと 、 該吸収スぺク ト ル 2 6 よ り も長波長の発光スぺク トル 2 7 を有する も のであ る。
蛍光測定用フ ィ ルタセ ッ ト 7 は、 図 2 B に示したよ う に、 標識物質と して用いた図 2 Aに示した特性を有する蛍光物質 が励起 される光の波長を選択的に透過する分光透過率特性
2 8 を有する波長選択フ ィ ルタ 8 (以下、 励起フィルタ と表 記する) と 、 該励起フィルタ 8 で透過した波長の光を反射し 且つバイ オチップ上の微小点の標識蛍光物質から発生した蛍 光の波長だけを一定の波長帯域で透過する分光特性 2 9 を有 するダイ ク ロイ ツク ミ ラー 9 と、 バイオチップ上の微小点の 標識蛍光物質から発生した蛍光の波長のみを選択的に透過し 且つ不要波長成分を吸収する分光透過率特性 3 0 を有する波 長選択フ ィ ルタ 1 0 (以下、 吸収フ ィ ルタ と表記する) と 、 で構成されている。
また、 異物画像撮影用フ ィ ルタセ ッ ト 1 1 は、 図 2 Cに示 したよ う な、 標識物質と して用いた蛍光物質が励起されず、 バイ オチップ上の異物で反射も しく は異物が蛍光を発する波 長の光を選択的に透過する分光透過率特性 3 1 を有する波長 選択フ ィ ルタ 1 2 と、 該波長選択フ ィ ルタ 1 2 で透過した光 を反射し、 バイオチップ上の異物で発生した蛍光又は異物で 反射した光を透過する分光特性 3 2 を有するダイ ク ロイ ッ ク ミ ラー 1 3 と 、 発生した異物からの蛍光または異物で反射し た光の波長のみを選択的に透過する分光特性 3 3 を有する フ ィ ルタ 1 4 と 、 から構成されている。
これ ら のフ ィ ルタセ ッ ト 7 , 1 1 は、 フ ィ ルタセ ッ ト取付 部材 1 5 に取 り 付け られ、 一方のフ ィ ルタセッ トが照明光軸 と観察光軸の交点と ダイ ク ロイ ツ ク ミ ラー 9 , 1 3 がー致す る よ う に配置され、 後述する よ う なフ ィ ルタセ ッ ト制御手段 2 0 力ゝ ら の切換え信号に基づき 、 フ ィ ルタセ ッ ト切替機構 1 6 によ り 、 切替え られる よ う に構成されている。
ノ ィ ォチ ッ プ 2 4 は、 図 3 に示すよ う に、 例えば、 1 0 m m X 2 O m mの方形のガラス板で作られてお り 、 その表面 には、 例えば、 F I T C (フルォロ セイ ンイ ソチオシァネー ト) やローダミ ン等の蛍光物質によ り標識した D N Aや蛋白 質な どの被検体が、 例えば直径が 5 0 μ mの微小な略円形の 微小点 2 5 と して、 例えば 1 0 0 μ mの間隔で格子状に配列 してある ものである。 さ らに、 微小点を形成してある領域を 認識する 目 的で、 標識に用いた蛍光物質を位置検出用微小点 3 5 と して、 隅部に 4 つ形成してあ る。 また、 こ のノくィ ォ チップ 2 4 は、 図示 しない 2軸 ( X Γ ) ステージ上に設置さ れ、 水平面内で移動する こ と ができ る よ う になつてお り 、 対 物 レンズ 3 4 の視野内に位置決めでき る よ う になってレヽる。
対物レンズ 3 4 は、 バイオチップ 2 4 の上方に、 その作動 距離だけ離れて設置してあ り 、 バイ オチップ 2 4 を励起照明 して発生 した蛍光が、 この対物レンズ 3 4 を通 して集光され 結像 レ ンズ 1 7 を通 して光電変換素子 と しての C C D素子 1 8 上に前記バイオチップ 2 4 の像を形成する よ う に、 観察 光路を形成している。 このよ う な装置の一例と して、 一般の 落射蛍光顕微鏡を用いる こ と ができ る。 なお、 本実施例では 照明方法と して同軸落射照明を採用 しているが、 観察光路を 外れて偏斜照明 とする こ と もでき、 また、 照明光を輪帯と し て、 暗視野落射照明 とする こ と もでき る。
C C D素子 1 8 は、 バイオチップ 2 4 の蛍光像を電気的に 走査してアナロ グ画像信号を出力する ものである。 制御手段 2 3 は、 こ のアナロ グ信号をデジタルデータに変換する Aノ
D変換器 1 9 と 、 画像メ モ リ 2 1 と を有 し、 さ ら に、 画像の 2値化機能、 複数の画像間の論理積を行 う 機能、 任意領域の 面積を測定する機能、 任意領域内の輝度値を積算する機能、 を有する画像処理手段 2 2 と 、 四則演算を行 う 演算手段 4 2 と 、 フ ィ ルタセ ッ ト制御手段 2 0 と 、 カゝら構成 されている。 次に、 図 1 乃至図 1 3 B を用いて、 本実施例の作用を説明 する。
まず、 バイ オチ ッ プ 2 4 上の 4 つの位置決め用微小点 3 5 で規定されている測定範囲が観察光学系の像倍率 と C C D素 子 1 8 の受光面サイ ズに よ り 決定される視野範囲 と 一致する よ う に、 図示 しない 2軸ステージによ り バイ オチ ップ 2 4 を 位置決めする。 次いで、 フ ィ ルタセ ッ ト切替機構 1 6 によ り 、 バイ オチ ップ 2 4 上の微小点 2 5 の蛍光画像を撮影する よ う に、 蛍光測定用フ ィ ルタセ ッ ト 7 が撮影位置に位置決め され る。
一方、 光源 2 から発 した光束は、 コ レク タ レンズ 3 によ つ て集光 され、 開 口絞 り 4 及び視野絞 り 5 で絞 られた後、 レン ズ 6 を介 して蛍光測定用 フ ィ ルタセ ッ ト 7 に導かれる。 こ の 蛍光測定用 フ ィ ルタセ ッ ト 7 に導かれた光は、 標識蛍光物質 の吸収波長域 2 6 に一致する分光透過特性 2 8 を有する励起 フ イ ノレタ 8 に よ っ て特定の半値巾 を持つ波長の光束 と な る (以下、 励起光 と 称する) 。 ダイ ク ロイ ツ ク ミ ラー 9 が分光 特性 2 9 を有している ので、 こ の光束は、 ダイ ク ロイ ツ ク ミ ラ ー 9 に よ っ て反射 さ れ、 対物 レ ンズ 3 4 を通 してバイ オ チ ップ 2 4 上に照射される。 こ の時、 バイ オチ ッ プ 2 4 上の
微小点 2 5 と して配列された蛍光物質は、 その物性及び環境 によ り 決定する励起光よ り も長い波長を有する蛍光を発する。 各々 の微小点 2 5 を発した蛍光は、 対物レンズ 3 4 によって 集光され、 こ こ で発生した蛍光は、 ダイ ク ロイ ツク ミ ラー 9 の透過波長域であるので蛍光測定用フ ィ ルタセ ッ ト 7 のダイ ク ロ イ ツ ク ミ ラー 9 を透過し、 さ らに吸収フ ィ ルタ 1 0 を透 過して、 C C D素子 1 8上に微小点 2 5 の像を形成する。
この後、 C C D素子 1 8 上の微小点 2 5 の像を C C D素子 1 8 によ り 電気的に走査して、 アナロ グ電気信号に変換する。 こ のアナロ グ信号は、 A / D変換器 1 9 によ り デジタル信号 に変換され、 図 4 に示す微小点の蛍光画像 1 0 1 と して画像 メ モ リ 2 1 に記憶される。
次に、 フ ィ ルタセ ッ ト切替機構 1 6 に よ り 、 蛍光測定用 フ ィ ルタセ ッ ト 7 から異物画像撮影用 フ ィ ルタセ ッ ト 1 1 に 切替えて、 蛍光物質が励起されない光の波長の照明光をパイ ォチップ 2 4 に与え、 上記ステ ップと 同様の操作にて図 4 に 示す異物画像 1 0 2 を画像メ モ リ 2 1 に記憶させる。 こ の と き 、 微小点 2 5 の標識蛍光物質は励起されないので、 異物画 像 1 0 2 には微小点 2 5 の像は含まれない。
次に、 異物画像 1 0 2 から異物領域を抽出するため、 画像 処理手段 2 2 によ り 、 この異物画像 1 0 2 に対して 2値化処 理を行 う 。 こ の と き、 一般に、 均一輝度の物体を無収差レン ズで; H直が 「 1 」 の受光素子上に結像した場合、 得られた画 像の最大輝度の 1 2 を閾値と して 2値化した時の境界が、 主光線と最適像面と の交点と考え られ、 得られた 2値化領域
を異物の外形と して採用でき る。
ただし、 バイオチップ 2 4 上に照射される励起光に空間的 なむ らが存在する場合、 異物が発する蛍光の輝度にも空間的 なむ らが生じて しま う 。 そ して、 一律に最大輝度の 1 / 2 を 閾値とすれば、 同一の異物が複数存在する と仮定しても、 励 起光の空間的なむらに起因 して一部の異物が異物と して認識 されないと レ、 う こ と が生じ得る。
こ の現象について、 図 5 A及び図 5 B を用いて詳細に説明 する。 図 5 Aは、 異物が存在する 方向の位置における 方 向の画素位置に対する輝度信号 S を表す図である。 図に示す よ う に、 励起光に空間的なむらが存在する場合、 同一特性の 異物が複数個 (図では A 、 B及び Cの 3個と した) 存在する 時に、 同一の輝度信号が得られない。 今、 異物 Aが最も大き な輝度信号と し、 これを Smaxと し、 異物 B及び異物 C の輝 度信号をそれぞれ 及び S2と し、 Smax / 2 < Si < Smax、 S2 < Smax / 2の場合には、 一律に最大輝度の 1 / 2 を閾値と すれ ば、 図 5 B に示すよ う に、 異物 Aのみが、 2値化した時の境 界が主光線と最適像面と の交点に一致する こ と にな り 、 正確 な領域を示すが、 異物 B においては、 正確な領域よ り も小さ く なつて しま う。 さ らに、 異物 Cにおいては、 全く 認識され なレヽこ と になる。
次に、 こ の欠点を除去する方法について説明する。
その第一の方法は、 励起光のむらを測定し、 これによ り補 正する方法である。 このために、 均一な反射率又は発光率を 有する平面板の画像 ( レ フ ァ レ ンス画像) を、 例えば図 6 に
示すよ う な輝度分布特性と して撮 り 込む (実際には二次元の 輝度分布である が、 こ こでは便宜上一次元で表示 してある) c なお、 図 6 におレ、て、 縦軸は レフ ァ レンス輝度信号 Sjjと し、 その最大値を最大輝度信号 SRmaxと する。 次に、 図 5 Aに示 す如 く 得られた輝度信号 Sに SRmaxZ S ?を乗 じた値を輝度信 号 S'とすれば、 図 7 Aに示す如 く 3 個の異物の輝度信号 S'は 等 し く な る。 従っ て、 輝度信号 Sを用いる代 り に、 この輝度 信号 S'の最大値 Sinaxの 1 Z 2 を閾値 と すれば、 図 7 B に示 す如 く 3 個 と も 同様に、 2値化した時の境界が、 主光線と最 適像面と の交点に一致する こ と にな り 、 正確な領域を示す。 以上は、 異物以外の輝度を 0 と して説明 したが、 迷光ゃ受光 素子の暗電流な どによ り ノ イ ズが混入する こ と が有るので、 さ ら に望ま し く は、 閾値を ( Sinin + Sinax ) / 2 と する方が 良い。 こ こ で Sininは輝度信号 S'の最小値である。
次に、 同 じ く こ の欠点を除去する第二の方法について説明 する。 こ の方法は、 上述の第一の方法と異な り 、 レフ ア レン ス画像を不要 と する方法である。
即ち、 今、 輝度信号 ^を / , で表 し、 式
m=-m\ n=—n\ を用いて微分信号 S"を求める もの と する。 こ こで (/ ')を中心 と する /方向及びゾ方向の近傍 (隣接画素に限定 しない) は それぞれ [- W WQ ]及び [- wi,《2 ]で表 さ れる。 ま た、 は平 均オペレータ であ り 、 通常は
Co,
が与え られる。 さ ら に g(i, は微分画像を表 し、 ゾ)= ∑^l,m,nAi + m,j + n)
m=—m\ n——n\
又は、
で表 さ れる。 こ こ で、 及ぴ C2,w,„は微分ォ レー タ で あ り 、 例えば一次微分オペ レータ と しては、
-X 0
m,n -1 0 C2, m,n 0 0 0
-X 0 1 又は、
-1 0 1 ― 1 ―— ^ ~~ 1 m,n -2 0 2 C2, 0 0 0
-1 0 1 1 2 1 が多 く 用い られ、 二次微分オペレータ と しては、 ラプラ シァ ンフ ィ ルタ と して知 られる、
こ の よ う に して求め られた微分信号 S"は、 一次微分オペ レータ を用いる場合は図 8 に示す如く 3個 と も同一の微分信 号と な り 、 異物の輪郭線は最大微分信号 axで一定幅の線 と なる。 この幅の中心を結ぶ線が実際の異物輪郭線となる。 また、 二次微分オペレータ を用いる場合は図 9 に示す如く 、 3 個 と も 同一の微分信号と な り 、 微分信号 S"の正負が反転 する点で結ばれる線が異物輪郭線と なる。
なお、 これまでは何れの場合も便宜上、 輝度信号 Sの境界 付近の傾きが一定と して説明 したが、 実際にはこの傾きは一 定ではな く 、 そのため図 8 及び図 9 の微分信号 S"のパター ンは矩形分布でな く 、 正規分布に近いパターンと なるので、 閾値を用いて処理された信号を用いて異物領域を決定するか、 又は微分信号 S"の ピーク 点を用いて異物領域を決定する こ と が望ま しい。 ただし、 前者の場合は、 原理上必ずしも閾値 を最大微分信号 axの 1 Z 2 と する必要はない。 また、 後 者の場合は、 微分信号 S"を求める式を前述の式ではな く 、 単に式
S" = g(i, j)
と しても十分である。 即ち、 図 1 0及び図 1 1 に示す如く で ある。 図 1 0 においては、 S"の極大値に対応する点で形成 される領域を異物領域 と し、 図 1 1 においては、 S"の極大 値に対応する点と極小値に対応する点と の中央点で形成され る領域を異物領域とする ものである。
次に、 前者の場合の さ らに適切なる閾値の設定方法につい
て説明する。
即ち、 これまでは、 1 種類の同一の異物について説明 して きたが、 実際には複数種類の異物が存在する。 今、 異物 1 及 び異物 2 が混在する場合の適切なる閾値の設定方法について 説明する。 図 1 2 は、 横軸を均等分割 した微分信号 S"の代 表値、 縦軸をこ の微分信号 S"に該当する画素の総数 (以後、 度数と称する) とする度数分布図である。 同図に示すよ う に、 微分信号 S"の小 さいゾーンにノ イ ズが集中的に現れ、 異物 1 及び異物 2 はそれらの特性に応じて固有のゾーンに散発的 に現れる。 従って、 この度数分布図を用いて閾値を設定する こ と ができ る。 即ち、 図示の閾値 1 を採用すれば異物 1 及び 異物 2 の輪郭線を得る こ とができ、 図示の閾値 2 を採用すれ ば異物 2 のみの輪郭線を得る こ と ができ る。 さ らに、 閾値 1 及び閾値 2 を採用すれば異物 1 のみの輪郭線を得る こ と がで さ る。
最後に、 画像処理手段 2 2 によ り 異物の輪郭線と その内部 を例えば 0 または一 1 、 他の部分を 1 と したものを異物領域 画像 1 0 3 と して画像メ モ リ 2 1 に記憶する。
さ らに、 微小点 2 5 の蛍光画像 1 0 1 に対して、 この異物 領域画像 1 0 3 をマス ク と して、 画像処理手段 2 2 によ り 2 つの画像間の積をと り 、 異物領域を除去した微小点 2 5 の蛍 光画像 1 0 4 を得る。 即ち、 0又は— 1 の値の領域が異物領 域と して認識でき る蛍光画像 1 0 4 を得る こ とができ る。
また、 こ こでは 2値化処理によ り 得られた領域を直接、 異 物領域と して採用 して、 微小点 2 5 の蛍光画像 1 0 1 から除
去する よ う に しているが、 2値化 して得られた異物領域に対 して、 回折像の中心から二次の回折ピーク と三次の回折ピー ク と の間の谷までの距離 (回折によるボケ量、 以下の ( 1 ) 式の右辺第 1 項) と 、 フォーカ シング誤差を考慮した時の最 大ボケ量 ( ( 1 ) 式の右辺第 2項) と の和と して、 光学的な ボケの量を以下の ( 1 ) 式で与え、 この量だけ異物領域を膨 脹させ、 微小点の蛍光画像から除去する よ う に しても良い。 伹し、 は光学系の像倍率、 は異物の像を形成する光の波 長、 は対物 レンズ 3 4 のバイオチップ側の開 口数、 Δはデ フォーカス量である。 δ = β .619- + α\Α\ ( 1 )
a 次に、 バイ オチ ッ プ 2 4 上に形成 した位置検出用微小点 3 5 を検出 して、 4つの位置検出用微小点 3 5 の重心位置、 又は位置検出用微小点 3 5 の 2値化画像の図心位置を求め、 こ の座標とバイ オチップ 2 4 の配列情報から、 前記微小点の 蛍光画像 1 0 4 を、 参照番号 1 0 5 で示したよ う に、 各々の 微小点単位に分割する。
そ して、 次の手順で、 各微小点 2 5 に対する測定領域を設 定する。
即ち、 異物領域を除去 した微小点毎の分割画像 1 0 6 、 1 0 7 に対して、 分割画像内の最大輝度の 1 Z 2又は最大輝 度と最小輝度の平均値を閾値と して 2値化処理を行い、 2値 化領域の最大 X座標、 最小 X座標、 最大 Γ座標、 及び最小: F 座標を求め、 それぞれ xmax、 xmin、 max、 J'minと する。 こ
れ らの座標を元に、 測定領域及びノ イ ズサンプ リ ング領域を 決定する為の矩形領域を与える 2 つの座標を図 1 3 Aに示す よ つ に (-^min > inin )及び( ax, inaX)と して、 以下の式で与え る。
^min = xmin一^ … ( ) ^min = min - δ · ( 3 ) ma - max +° · · · ( 4 )
max + ■·· ( 5 ) なお、 こ こ では、 測定領域と して矩形領域を考えたが、 前 記 2値化領域に対して上記 ( 1 ) 式で決ま る量だけ、 領域の 形状を保っ たま ま膨脹させた領域を採用 して も 良い。
次に、 前記 2 値化領域に相当する物体と しての微小点の実 面積を、 画素数と 光学系の倍率か ら計算 し、 これを!)と する。 こ こで、 バイ オチップ 2 4 を作成する際に設定した、 微小点 の標準面積 20と 測定 し た微小点 の面積 i)と か ら 、 以下の
( 6 ) 式を計算する。
a = DQ/D ■■■ ( 6 ) こ の と き 、 分割画像 1 0 6 に示 した よ う に微小点 2 5 力 S 異物で覆われて い ない場合は、 び 《 1と な る が 、 分割画像 1 0 7 に示 したよ う に微小点が異物で覆われている場合には、 び》 1と な る。 こ の σを用いて、 例えば σ < 10の場合にだけ輝 度測定を実施 し、 これに合致 しない場合には、 異物や、 微小 点その も のの欠陥 と して、 その微小点に関するデータ は信頼 性がないもの と判定する。
次に分割画像 1 0 6 に対 して以下の処理を行 う 。
即ち、 図 1 3 B に示すよ う に、 C C D素子 1 8 力 ら得られ
る画像信号には、 通常、 ノ イ ズが含まれる。 この ノ イ ズ成分 は、 装置構成や測定環境に依存する が、 一般的には、 励起光 の基板 (バイ オチップ 2 4 ) での反射光、 励起光に よ る基板 の 自 家発光に基づ く 励起光 ノ イ ズ (励起光に起因する ノ ィ ズ) が支配的であ り 、 時には迷光ノ イ ズ (励起光以外の光源 に起因す る ノ イ ズ) も無視でき ない。 なお、 図 1 3 A及び 図 1 3 B は、 説明 し易いよ う にモデル化 して表現 してある 力 S、 実際には検出 されるべき信号及ぴノ イ ズ信号は平坦ではな く 、 位置に よ り む らがある。 特に、 前述の励起光ノ イ ズは照明む ら を反映する ので、 ノ イ ズ成分のむ らの最大原因 と なる。
そこ で、 本実施例においては、 分割画像領域内であ り 且つ 測定領域外の領域を ノイ ズサンプ リ ング領域と して、 ノ イ ズ サンプ リ ング領域内の信号の総和を ノ ィ ズサンプ リ ング領域 の面積で除する こ と で求め られる の平均ノ イ ズ信号を、 測定 領域内の画素に対する信号から減算する。
次に、 差し引かれて得られた検出信号の測定領域内での総 和 を微小点の信号強度 P0と する。 さ ら に、 微小点の信号強 度 P0を微小点の実面積で補正 して (正規化処理) 、 微小点 の輝度測定値 Pと し、 次の ( 7 ) 式に よ り こ の Pを求め る。 なお こ こ で、 は微小点の標準面積、 2)は先に計算 さ れた 各微小点の 2 値化画像から求めた実面積である。
P ^ (D0 / D)P0 … ( 7 ) こ の補正即ち正規化処理に よ り 、 微小点形成誤差によ る ノ ィ ズ、 ま た、 異物によ り 微小点 2 5 の一部が隠れた場合の誤 差を除去する こ と ができ る。
なお、 本実施例のよ う な C C D素子 1 8 等を用いた電気的 な走查に よ っ てバイ オチップ 2 4 の像を一括して撮像し、 画 像メ モ リ に記憶する よ う に している が、 これに限らず、 従来 の よ う に機械的な走査を行っ てバイ オチップ 2 4 の像を分割 して撮像 し、 画像メ モ リ 上でバイ オチップ 2 4 の全体像を得 る よ う に して も 良いこ と は勿論であ る。 さ ら に、 両者を組み 合わせる こ と で、 C C D素子 1 8 では一度に全体を撮像でき ないよ う な大き なバイ オチップを使用する こ と も可能と なる。
また、 こ の実施例には、 本発明の効果のほかに、 次の よ う な特有の効果がある。
即ち、 C C D素子 1 8 を用いてレ、る為、 バイ オチップ 2 4 の像を一括して処理する こ と ができ 、 測定時間の短縮を図る こ と ができ る。 また、 一方で、 露出時間を長 く 取る こ と も可 能である為、 輝度の測定感度の点でも有利である。 なお、 本 実施例におけ る各構成は、 当然、 各種の変形、 変更が可能で ある。 例えば、 画像処理装置はパー ソナルコ ンピュータ と す る こ と ができ 、 C C D素子 1 8 にはペルチェ素子等で冷却 さ れてレ、る タ イ プの冷却 C C D を用レヽる こ と ができ る。
また、 異物領域を膨脹させて微小点の蛍光画像から除去す れば、 光学系の焦点合わせに関わる誤差を吸収する こ と がで き、 微小点の蛍光画像から異物の ノ イ ズ光の影響を さ ら に低 下させる こ と ができ る。
さ ら に、 本実施形態においては、 検出 されるべき信号のむ ら によ り 2 値化領域が図示の よ う な円形でない場合、 又は 1 つ の分割画像 に複数の 2 値化領域が存在す る 場合で も 、
び( inax, inax)で定ま る矩形領域を測定領域 と す る こ と で、 こ の測定領域内に検出 されるべき全ての信号が含 まれる こ と が保証される。
また、 微小点近傍でノ イ ズサンプリ ング領域を設定して、 微小点からの信号強度を補正 している ので、 検出 されるべき 信号の検出精度が向上する。 しかも、 前述の如 く デフォー力 ス を考慮 して測定領域を設定してある ので、 デフォーカス ノ ィ ズが発生しないこ と も明 らかである。
[第 2 の実施例]
次に、 本発明の第 2 の実施例に係る蛍光輝度測定方法及び 装置を、 図 1 4 乃至図 1 6 を用いて説明する。
なおこ こ で、 図 1 4 は、 本第 2 の実施例に係る蛍光輝度測 定装置の概要を示す構成図であ り 、 図 1 5 は、 レ フ ァ レ ンス チップの概要図である。 また、 図 1 6 は、 本実施例によ る測 定方法を示すフ ロ ーチヤ一 ト である。
本実施例において は、 図 1 4 に示す よ う に、 C C D 素子 1 8 に入射する 光量を調整する 目 的で、 結像 レ ンズ 1 7 と C C D素子 1 8 の間の光路上に、 それぞれ既知の透過率を有 する複数の N D フ ィ ルタ 3 9 を選択的に挿入する構成と して いる。 即ち、 N D フ ィ ルタ 3 9 は、 フ ィ ルタ保持手段 4 0 に 複数取 り 付け られてお り 、 N D フ ィ ルタ制御手段 3 8 力ゝら の 司令に基づき 、 N D フ ィ ルタ切替手段 4 1 に よ り 、 光路に揷 入される透過率の異な る N D フ ィ ルタ が切替え られる よ う に なっている。
また、 本実施例においては、 図 3 に示すバイ オチップ 2 4
に加えて、 図 1 5 に示すレ ファ レ ンスチップ 3 6 も用レ、る も のである。 こ こで、 レフ ァ レ ンスチップ 3 6 は、 平面ガラス 等の基板に蛍光標識と して使用する蛍光物質を、 上記バイオ チップ 2 4 の微小点 2 5 と 同一の位置に既知の蛍光分子数を 有する参照微小点 3 7 と、 バイオチップ 2 4 と 同様に微小点 群の 4 隅に標識と 同一の蛍光分子をそれぞれ位置検出用微小 点 3 5 と して転着してある。
なお、 転着の方法は、 使用する蛍光分子の重量と その分子 量から使用する蛍光分子数を特定し、 こ の蛍光分子数の蛍光 分子の溶液を既定量となる よ う に作り 、 こ の溶液を一定量だ けイ ンク ジェ ッ ト方式によ り 基板上に吐出する も の であ る 。 また、 ピンに溶液を付着させて基板に接触させる よ う な方法 によっても良い。 なお、 参照微小点 1 つ当た り の蛍光分子数 はこ れ ら の諸量 (溶液量及び溶液中の蛍光分子数) と溶液の 吐出量から計算して求め られる。 また、 蛍光分子の保持方法 と して固相化試薬を用いる と確実な保持が可能であるが、 必 ずしも必要と しない。
こ の レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 は、 図 1 4 に示したよ う に図 示しない 2軸ス テージ上に上記バイオチップ 2 4 と 同一の平 面内に設置されてお り 、 2軸ス テージによ り 、 光学系の視野 内に位置決めでき る よ う になってレヽる。
その他の構成は、 前述の第 1 の実施例と 同一であるので、 説明を省略する。
次に、 かかる構成の蛍光輝度測定装置を用いた測定方法を 図 1 6 のフ ローチャー ト を用いて説明する。
まず、 レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 を対物レ ンズ 3 4 の視野と —致する よ う に位置決めする (ステ ップ S 1 ) 。.
即ち、 レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 上の 4 つの位置決め用微小 点 3 5 で規定されて い る測定範囲が観察光学系 の像倍率 と C C D素子 1 8 の受光面サイ ズと によ り 決定される視野範囲 内に包含 される よ う に、 図示 しない 2 軸ステージによ り レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 を位置決めする。
次に、 蛍光測定用フ ィ ルタ セ ッ ト 7 を撮影位置に位置決め する (ス テ ッ プ S 2 ) 。
即ち、 フ ィ ルタ セ ッ ト切替機構 1 6 によ り 、 レ フ ァ レンス チップ 3 6 上の参照微小点 3 7 の蛍光画像を撮影する よ う に 蛍光測定用フ ィ ルタ セ ッ ト 7 を撮影位置に位置決めする。
次に、 N D フ ィ ルタ 3 9 を切替えなが ら レ フ ァ レ ンス チ ッ プ 3 6 の蛍光画像を C C D素子 1 8 で撮影する ( ス テ ッ プ S 3 ) 。
即ち、 レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 を励起照明 して参照微小点 3 7 内の蛍光分子が発生する蛍光の画像を複数枚の N D フ ィ ルタ 3 9 を切替えなが ら撮り 込む。 なお、 本実施例において 受光素子と して C C D素子 1 8 を用いているが、 C C D素子 に特定する も のではな く 、 他のエ リ ァセ ンサでも構わない。 従って、 以下に記述される 「 C C D素子」 はエ リ アセ ンサで も通用する も のであ る 。
次に、 N D フ ィ ルタ 3 9 を切替えなが ら レ フ ァ レ ンス チ ッ プ 3 6 のパック グラ ウン ド画像を C C D素子 1 8 で撮影する (ス テ ッ プ S 4 ) 。
即ち、 レフ ァ レ ンスチップ 3 6 の蛍光画像を撮り 込んだ直 後に励起照明を遮断して、 バッ ク グラ ウン ド画像を撮り 込む。 こ のバッ ク グラ ゥン ド画像は、 検出強度に不要な暗電流及び 迷光によ り 構成される。
次に、 レ フ ァ レ ンスチ ッ プ 3 6 を視野力 ら外 し、 ノ ィ ォ チップ 2 4 を視野内に位置決めする (ステ ップ S 5 ) 。
即ち、 バイオチップ 2 4 上の 4 つの位置決め用微小点 3 5 が レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 の位置決め用微小点 3 5 の位置と 略一致する よ う に、 図示 しない 2 軸ス テージに よ り バイ オ チップ 2 4 を位置決めする。
次に、 N D フ ィ ノレタ 3 9 を切替えなが ら、 バイ オチ ッ プ 2 4 の蛍光画像 を C C D 素子 1 8 で撮影する ( ス テ ッ プ S 6 ) 。
即ち、 バイオチップ 2 4 を励起照明 して各微小点内の蛍光 分子が発生する蛍光の画像を C C D素子 1 8 で撮 り 込む。 こ の際、 複数枚の N Dフィノレタ 3 9 を切替えなが ら蛍光画像を 撮り 込む。
次に、 N D フ ィ ノレタ 3 9 を切替えなが ら、 バイ オチ ッ プ 2 4 の ノ ッ ク グラ ウ ン ド画像を C C D素子 1 8 で撮影する (ス テ ッ プ S 7 ) 。
即ち、 バイオチップ 2 4 の蛍光画像を撮り 込んだ直後に励 起照明を遮断して、 パッ ク グラ ウン ド画像を撮 り 込む。 こ の ノくッ ク グラ ウン ド画像は、 レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 のノ ッ ク グラ ウン ド画像と 同様に、 検出強度に不要な喑電流及ぴ迷光 によ り 構成される。
次に、 異物画像撮影用フ ィ ルタセ ッ ト 1 1 に切替える (ス テ ツプ S 8 ) 。
即ち、 フ ィ ルタセ ッ ト切替機構 1 6 によ り 、 バイオチップ 2 4上の異物の画像を撮影する よ う に、 異物画像撮影用フ ィ ルタセ ッ ト 1 1 を撮影位置に位置決めする。
その後、 バイオチップ上の異物の画像を撮影する (ステ ツ プ S 9 ) 。
即ち、 バイ オチップ 2 4 上の異物を標識蛍光物質が励起さ れ'ない波長の光で照明 して、 異物が発生する蛍光 (自 家蛍 光) または反射光によ り 、 異物の画像を C C D素子 1 8 で撮 り 込む。
そ して、 異物画像を 2値化する (ステップ S 1 0 ) 。
即ち、 撮影した異物画像またはこれの微分画像を特定の閾 値で 2値化して異物領域を特定し、 こ の画像を 2値化異物画 像とする。 .
次に、 レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 とバイオチップ 2 4 の蛍光 画像から各々 のパック グラ ウ ン ド画像を差し引き、 補正画像 と する (ステ ッ プ S 1 1 ) 。
即ち、 一般的に受光素子の出力には喑電流ノイズや迷光ノ ィズな どの直流ノ イ ズが含まれる。 こ の直流ノイズを除去す る為に レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 及びバイオチップ 2 4 につレヽ て各々蛍光画像からパック グラ ウン ド画像を差し引き、 これ を補正画像と称し以後の処理の対象とする。 これを N D フィ ルタ別に行 う 。
その後、 各捕正画像中の位置検出用微小点に対応する画像
の重心位置を検出する (ステ ップ S 1 2 ) 。
即ち、 レ フ ァ レンスチップ 3 6 及ぴバイオチップ 2 4 に形 成される微小点 2 5及ぴ参照微小点 3 7 は、 図 3及ぴ図 1 5 に示すよ う に、 2次元に配列されてお り 、 共に 4 隅に位置す る 4個の微小点が位置検出用微小点 3 5 と して用いられる。 位置検出用微小点 3 5 は位置信号を出す為のものであるから その要素内の物質は発光物質又は反射物質であれば何でも良 いこ と になるが、 標識と して使用 される蛍光物質の蛍光波長 と は異なる蛍光波長の蛍光物質を用いるほ う が好ま しい。 こ の理由は、 位置検出用微小点 3 5 から発生する蛍光がノイズ と して作用する可能性を無く すこ と ができ るカゝらである。 こ の場合には、 位置検出用微小点 3 5 に特有の励起波長で照明 して位置検出をする こ と になる。 位置検出には、 4個の位置 検出用微小点 3 5 それぞれの重心座標を位置座標とする方法 や、 補正画像を最大強度の 1 / 2 の レベルで 2値化して 4個 の図心を位置座表とする方法な どを採用する。
そ して、 各補正画像を回転移動して、 N Dフィルタ別の回 転画像とする (ステ ッ プ S 1 3 ) 。
即ち、 レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 及びバイ オチップ 2 4 につ いて各々得られた 4つの位置検出用微小点 3 5 の位置座標で 形成される 4辺形が最小偏差で矩形と なる よ う に位置座標を 修正して力ゝら、 こ の矩形の各辺が画像の座標軸と平行と なる よ う に画像中心を回転中心と して捕正画像を回転移動する。 移動後の画像を回転画像と呼ぶ。 こ の時、 2値化異物画像に ついてもバイ オチップ 2 4 と 同 じ量だけ回転移動させる。
次に、 バイオチップ 2 4 の蛍光画像に対して、 2値化異物 画像をマス ク と して異物領域に一致する蛍光画像の輝度情報 を無効にする (ステ ップ S 1 4 ) 。
即ち、 画像処理手段 2 2 によ り 2値化異物画像と して得ら れた画像とバイオチップ 2 4 の蛍光画像と の論理積を行い、 2値化異物領域と一致するバイ オチップ 2 4 の蛍光画像の画 素の輝度データ を 「 0 j にする。
その後、 各回転画像を参照微小点 3 7及ぴ微小点 2 5 毎の 画像に分割 し、 各々、 N Dフィルタ別、 及び微小点別の分割 画像とする (ス テ ッ プ S 1 5 ) 。
即ち、 レ フ ァ レ ンスチップ 3 6及びバイオチップ 2 4 の各 回転画像に関する位置決め用微小点 4個の位置座標と参照微 小点 3 7及び微小点 2 5 の配列条件と から分割条件を決定し て、 こ の分割条件ですベての回転画像を参照微小点 3 7又は 微小点 2 5 毎の画像に分割し分割画像とする。
そ して、 最適な N D フ ィ ルタ 3 9 に対応する各分割画像を 要素別の測定用画像と して抽出する (ステ ッ プ S 1 6 ) 。
即ち、 レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 上の同一位置の参照微小点 3 7 に対する N D フ ィ ルタ枚数分の レフ ァ レ ンス分割画像の 中から最大信号強度が C C D素子 1 8 のダイナミ ック レ ンジ の範囲内にあ り 、 そ の中で強度信号が最大である レ フ ァ レ ン ス分割画像を 1 個抽出し、 これを測定用 レ ファ レンス画像と 呼ぶ。 同様に、 バイオチップ 2 4上の同一位置の微小点 2 5 に対する N D フィルタ枚数分の分割画像の中から最大信号強 度が C C D素子 1 8 のダイナミ ッ ク レ ンジの範囲内にあ り 、
その中で信号強度が最大である分割画像を 1 個抽出 し、 これ を測定用サ ンプル画像 と 呼ぶ。 測定用 レフ ァ レ ンス画像及ぴ 測定用サ ンプル画像は、 各々撮影時に使用 した N D フ ィ ルタ 3 9 の透過率 が大き な も のか ら順次、 補正輝度 RA ( = 分 割画像中の最大強度 X撮影に使用 した N D フ ィ ルタ 3 9 の透 過率) を求める。 こ こ で A:は透過率の大き な順に N D フ ィ ル タ に 付与 し た 番 号 で あ る ( = 1〜《 ) 。 こ の R の 変 ィ匕 率 ( = {Pk+l / Tk+i)- {Pk / Tk )) が負の条件を満た した時に N D フ ィ ルタ番号 / Πこ対応する画像を抽出する。
次に、 上記抽出 した各測定用画像を 2値化 し、 要素別の 2 値化画像とする (ス テ ッ プ S 1 7 ) 。
即ち、 測定用 レ フ ァ レ ンス画像及ぴ測定用サ ンプル画像の 全てについて、 各々 の画像における最大信号と 最小信号の平 均値を閾値と して 2値化 し、 これら を各々 レ フ ァ レ ンス 2値 化画像及びサ ンプル 2 値化画像と する。 こ こ で、 サ ンプル 2 値化画像については 2 値化領域の面積!)を計算する。
その後、 各 2 値化画像によ り 測定領域及びノ イ ズサンプリ ン グ領域を設定する (ステ ッ プ S 1 8 ) 。
即ち、 レフ ァ レンス 2 値化画像のすべてについて、 各々 の 最大 X座標 XR max、 ,Jヽ 座標 XR min、 取大 1 fe ^ max、 取 小: F座標 j^minを求め る。 同様に、 サ ンプル 2 値化画像の全 て につい て 、 各 々 の最大 X座標 xsmax、 最小 X座標 xS min、 最大 y座標;^max、 最小 F座標 minを求めてか ら、 ノ イ ズの サ ンプ リ ン グ領域 を設定す る た め の座標 A^ max、 xR' min、 max、 ·)^ιηίη、 xS' ma ^ ^9min、 ; S max、 及び ^minを次式
によ り 算出する
•½iin = min一 8 … ( 8 ) mill = min一 ° … ( 9 ) max = xmax + 5 … ( 10) max - ^ma + 5 … ( 11) 但 し、 は光学系のボケ を与え る量であ り 次式で与え られ る。 δ = β .619- + \Α ( 12) a なお、 は光学系の像倍率、 は微小点 2 5 及ぴ参照微小点 3 7 の像を形成する光の波長、 は対物 レ ンズ 3 4 のバイ オ チップ側の開 口数、 Δはデフォーカス量である。 こ こ で 出 した点 (A^min,J^minノ及び点 ( max, max)で定 ま る矩形内を測定用 レフ ァ レ ンス画像の測定領域と し、 該矩 形外を測定用 レ フ ァ レ ンス画像の ノ イ ズサンプ リ ング領域 と す る 。 同様に、 点 ymin,J^min) び点 ( max, ! S max)で疋 ま る矩形内を測定用サ ンプル画像の測定領域と し、 該矩形外を 測定用サンプルのノ イ ズサンプ リ ング領域とする。
次に、 測定用画像上で測定領域の信号から平均ノ イ ズ信号 を差し引 く (ステ ップ S 1 9 ) 。
即ち、 測定用 レフ ァ レ ンス画像に設定したノ イ ズサンプ リ ング領域の信号から単位面積当た り のノ イ ズを求め、 測定用 レ フ ァ レ ンス画像の測定領域の信号から こ の信号を差し引い て測定用 レ フ ァ レ ンス画像の検出信号とする。 同様に、 測定 用サンプル画像に設定したノ イ ズサンプリ ング領域の信号か
ら単位面積当た り の ノ イ ズを求め、 測定用サンプル画像の測 定領域の信号か ら こ の信号を差し引いて測定用サンプル画像 の検出信号と する。
そ して、 微小点 2 5 の標準面積当た り の信号強度を算出す る (ステ ップ S 2 0 ) 。 即ち、 各参照微小点 3 6 に対応する測定用 レ フ ァ レ ンス画 像の測定領域内 にお け る検出信号の総和 を計算 し、 P?と す る。 さ ら に、 複数の微小点 2 5 に対応する検出信号の総和 の最大値を P?maxと する。 また、 各微小点 2 5 に対応する 測定用サンプル画像の測定領域内での検出信号の総和を算出 し ¾0と する。 次いで、 微小点 2 5 の標準面積当た り の信号 強度 ¾を以下の ( 13) 式を用いて算出する。 これ ら の信号 強度は励起光む ら、 励起光ノ イ ズ及び微小点形成誤差によ り 生 じる強度誤差が除去 された強度と して得 られる。
PD=^ ^ -PD, - ( 13)
D Rmax 以上の よ う な本実施例に よれば、 バイ オチ ッ プ 2 4 の輝度 測定に当た り レ フ ァ レ ンスチップ 3 6 を用いて励起光量の補 正を行っている ので、 励起光の空間的、 時間的な変動をキヤ ンセルする こ と ができ る。 以上実施例に基づいて本発明を説明 したが、 本発明は上述 した実施例に限定される も のではな く 、 本発明の要旨の範囲 内で種々 の変形や応用が可能なこ と は勿論であ る。 こ こで、 本発明の要旨をま と める と 以下の よ う になる。
( 1 ) 略平面を有する基板上に配列された蛍光物質を含
む微小点の輝度を測定する蛍光輝度測定方法であって、 前記蛍光物質を励起でき る波長の光を照射して蛍光物質を 含む微小点の画像を第 1 の画像と して得る第 1 の撮像工程と 、 前記蛍光物質を励起しない波長の光を照射する こ と によ り 前記基板上に付着した異物の画像を第 2 の画像と して得る第 2 の撮像工程と 、
該第 2 の画像から異物領域を抽出 して 2値化画像を得る抽 出工程と、
該 2値化画像をマス ク と して前記第 1 の画像の う ち、 異物 領域と重なった部分の画像を無効とする異物除去工程と、
を含むこ と を特徴とする蛍光輝度測定方法。
こ の発明に関する実施例は、 第 1 の実施例及ぴ第 2 の実施 例が対応する。
標識蛍光物質を励起する波長の光を照射して得た第 1 の画 像を得て、 前記蛍光物質を励起しない波長の光を照射して得 た前記被測定物に付着 した異物の画像から抽出 した異物領域 画像によってマ ス ク を作成し、 該マス ク と前記第 1 の画像と の論理積をと る こ と によ り 、 前記第 1 の画像から異物領域を 除去するので、 バイオチップに付着した異物からのノイズ光 を除去する こ と ができ る。
輝度測定の誤差を少な く でき る。
( 2 ) 前記 2値化画像の異物領域を一定量だけ膨脹させ る膨張工程を さ らに含むこ と を特徴とする ( 1 ) に記載の蛍 光輝度測定方法。
こ の発明に関する実施例は、 第 1 の実施例及び第 2 の実施
例が対応する。
前記蛍光物質を励起 しない波長の光を照射して得た前記被 測定物に付着した異物の画像を二値化処理して得られる異物 領域に対して光学的なボケ量を考慮した距離だけ、 異物領域 を膨脹処理してマス ク を作成し、 該マス ク と標識蛍光物質を 励起する波長の励起光を照射して得た第一の画像と論理積を と る。
異物領域を膨脹させているので、 観察光学系の焦点合わせ 精度が悪く ても、 測定誤差が大き く な らない。
( 3 ) 測定された微小点の輝度を微小点の基準面積を用 いて正規化する正規化工程を さ ら に含むこ と を特徴と する ( 1 ) 又は ( 2 ) に記載の蛍光輝度測定方法。
こ の発明に関する実施例は、 第 1 の実施例が対応する。 微小点内の画素の輝度を積算して、 微小点の基準面積によ り 輝度測定値を正規化する。
微小点の面積がばらついても、 輝度測定値の誤差が小さ く なる。
( 4 ) 前記異物除去工程後に各微小点の面積を求め、 該 面積と微小点の基準面積の比率によって、 測定値の信頼性を 判定する 信頼性判定工程を さ ら に含む こ と を特徴 と する ( 1 ) 乃至 ( 3 ) の何れかに記載の蛍光輝度測定方法。
こ の発明に関する実施例は、 第 1 の実施例が対応する。 微小点の基準面積と実際の微小点の面積とから、 基準面積 に対する実面積の比率を計算 して、 予め設定した閾値と比較 する。
測定値の信頼性を定量的に判定でき る。
( 5 ) 前記第 2 の画像を レ フ ァ レ ンス画像によ り 補正す る 補正工程を さ ら に有す る こ と を特徴 と す る ( 1 ) 乃至 ( 4 ) の何れかに記載の蛍光輝度測定方法。
こ の発明に関する実施例は、 第 1 の実施例が対応する。 レファ レ ンス画像によ り 励起光のむらを測定し、 これによ り 第 2 の画像を補正する。
励起光に空間的なむらが有っても、 全ての異物を正しく 認 識でき る よ う になる。
( 6 ) 前記抽出工程は、 前記第' 2 の画像から得られる微 分画像を用 いて前記 2 値化画像を得る こ と を特徴 と する ( 1 ) 乃至 ( 4 ) の何れかに記載の蛍光輝度測定方法。
こ の発明に関する実施例は、 第 1 の実施例が対応する。 第 2 の画像から得られる微分画像を用いて、 該第 2 の画像 から異物領域を抽出 して 2値化画像を得る。
レ フ ァ レ ンス画像を用いる こ と無く 、 励起光に空間的なむ らが有っても、 全ての異物を正しく認識でき る よ う になる。
( 7 ) 前記抽出工程は、 前記 2値化画像の 2値化レベル を各画素に対応する微分信号の度数分布によ り 定める こ と を 特徴とする ( 6 ) に記載の蛍光輝度測定方法。
こ の発明に関する実施例は、 第 1 の実施例が対応する。 2値化のための閾値を、 各画素に対応する微分信号の度数 分布によ り 定める。
適切なる閾値の設定が行える。
( 8 ) 前記微分信号に対応する微小領域での強度で前記
微分信号を規格化する こ と を特徴とする ( 6 ) 又は ( 7 ) に 記載の蛍光輝度測定方法。
こ の発明に関する実施例は、 第 1 の実施例が対応する。
微分信号に対応する微小領域での強度で微分信号を規格化 し、 それに基づいて 2値化のための閾値を設定する。
さ らに適切なる閾値の設定が行え、 複数種類の異物を正し く 認識でき る よ う になる。
( 9 ) 略平面を有する基板上に配列された蛍光物質を含 む微小点に励起光を照射して得られる蛍光像の輝度を測定す る蛍光輝度測定装置であって、
光源と、
励起光の波長を選択する第 1 の波長選択手段 と 、
前記蛍光物質の像を形成する為の結像手段と 、
発生した蛍光の波長のみを選択する第 2 の波長選択手段と 、 蛍光像を走査 して画像を得る光電変換手段と 、
該画像を記憶する記憶手段と、
前記第 1 の波長選択手段を制御して、 前記光源からの光 の う ち前記蛍光物質を励起でき る波長の光を照射する と共に、 前記第 2 の波長選択手段を制御して、 前記光電変換手段によ り 、 蛍光物質を含む微小点の画像を第 1 の画像と して得て、 前記記憶手段に記憶する処理と、
前記第 1 の波長選択手段を制御して、 前記光源からの光 の う ち前記蛍光物質を励起 しない波長の光を照射する と共に、 前記第 2 の波長選択手段を制御して、 前記光電変換手段によ り 、 前記基板上に付着した異物の画像を第 2 の画像と して得
て、 前記記憶手段に記憶する処理と 、
前記記憶手段に記憶された前記第 2 の画像から異物領域 を抽出 して 2値化画像を得る処理と 、
前記 2値化画像をマス ク と して前記記憶手段に記憶され た前記第 1 の画像の う ち、 前記異物領域と重なった部分の画 像を無効とする処理と、
を行 う 画像処理手段と 、
を具備する こ と を特徴とする蛍光輝度測定装置。
この発明に関する実施例は、 第 1 の実施例が対応する。 標識蛍光物質を励起する波長の光を照射して得た第 1 の画 像を得て、 前記蛍光物質を励起 しない波長の光を照射して得 た前記被測定物に付着した異物の画像から抽出 した異物領域 画像によってマス ク を作成し、 該マス ク と前記第 1 の画像と の論理積をと る こ と によ り 、 前記第 1 の画像から異物領域を 除去するので、 バイオチップに付着した異物からのノイ ズ光 を除去する こ と ができ る。
' 輝度測定の誤差を少な く でき る。
産業上の利用可能性
以上説明 したよ う にこ の発明は、 D N Aや蛋白質など生体 物質の化学的、 物理的物性解析の技術分野に有効である。