ィンクジエツ卜記録シート用樹脂組成物及びそれを使用した記録シート
技術分野
本発明の第 I〜第 VIIは、 インクジエツト記録シートの受像層に使用される樹脂 組成物及び該樹脂組成物を使用した受像層を有するィンクジエツト記録シートに 明
関し、 更に詳しくは、 インクの吸収性、 耐水性、 記録画像の鮮明性に優れたイン クジエツト記録シートの受像層に使用さ田れる樹脂組成物及び該樹脂組成物を使用 して形成された受像層を有するインクジエツト記録シートに関する。
本発明の第 Iは、 特に架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体、 重合度が 2 0 0〜 1 0 0 0の酢酸ビニル系共重合体のケン化物、 改質材とからなるインクジ エツト記録シート用樹脂組成物に関し、 それを使用した記録シートは印刷画質の 程度が高く、 印字速度の速いインクジエツト印刷機においてもビーディングもな く鮮明性、 画像均一性等のインク吸収性の他、 耐水性が高度に改善され、 相反す る特性である耐水性とインク吸収性とが両立できる特徴を有する。
本発明の第 Πは、 特に架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体、 酢酸ビニル 系共重合体のケン化物、 水系ポリウレタン樹脂、 ポリウレ夕ン系グラフト重合体 混合物、 及び、 ポリエステル系グラフ卜重合体混合物とからなるインクジェット 記録シ一ト用樹脂組成物に関し、 それを使用した記録シートは高い鮮明性を有し、 印刷画質の程度が高く、 インク吸収性の他、 耐水性を高度に改善され、 相反する 特性である耐水性とインク吸収性とを両立できる特徴を有する。
本発明の第 ΙΠは、 特に架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体、 酢酸ビニル 系共重合体ケン化物、 水系ポリウレタン樹脂組成物、 及びブロックイソシァネー 卜化合物とからなるインクジェット記録シート用樹脂組成物に関し、 それを使用 した記録シートはィンク吸収性および印刷画質を維持したまま耐水性を高度に改 善できる特徴を有する。
本発明の第 IVは、 特にポリアルキレンオキサイド基を有する単量体、 親水性基 含有単量体、 架橋性基含有単量体、 及びカチオン性単量体を含む単量体を共重合 してなるカチオン性アクリル共重合体と、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物と、 改質剤とからなるインクジエツト記録シート用樹脂組成物に関し、 それを使用し た記録シートは均一性、 にじみに優れた印刷画質が得られ、 高解像度と高速化が 要求される環境下にあっても、 耐水性、 インク吸収性及び印刷画質が高度に改善 され、 写真画質並みに印字品質を改善しつつ、 相反する特性である耐水性とイン ク吸収性とを両立できる特徴を有する。
本発明の第 Vは、 特にポリアルキレンオキサイド基含有 (メタ) ァクリレー卜 単量体、 親水性基含有単量体、 架橋性基含有単量体及びカチオン性単量体を共重 合してなるカチオン性 (メタ) アクリル共重合体と、 酢酸ビニル系共重合体のケ ン化物と改質剤とからなるインクジェット記録シート用樹脂組成物に関し、 それ を使用した記録シートは耐ロール跡付着性、 高光沢度性、 ビーディング等の画質 不良が発生しない優れた受像層を有する。
本発明の第 VIは、 特に加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量体と (メ 夕) ァクリレート系重合性不飽和単量体を含む単量体を共重合してなる加水分解 性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体と、 無機化合物系微粒子とから なる組成物 (P ) を使用したインクジェット記録シートに関し、 無機化合物系微 粒子を含有する組成物を使用するにも関わらず、 光沢度等において優れた受像層 を有する。
本発明第 Wの発明は、 特にセルロース誘導体、 セルロース誘導体の良溶媒とか らなる樹脂組成物と、 セルロース誘導体の良溶媒または貧溶媒に可溶な有機酸、 及び、 随意にセルロース誘導体の貧溶媒を含有する記録用樹脂組成物に関し、 そ れを使用した記録シートは耐ブロッキング性に優れ、 受像層の表面光沢、 記録画 像の鮮明性、 色再現性の向上が可能な受像層を形成する。
本発明の第珊は、 後記式 (1 4 ) で示される単量体単位を含む重合体と、 ホッ 卜メルト接着性樹脂とを含む樹脂組成物に関し、 それを使用した熱転写シートは、
インク吸収性、 インク定着性、 印字性、 記録画像の耐水性、 耐ひび割れ性、 耐久 性及び耐洗濯性に優れる。 背景技術
インクジェット記録方式は、 安価で、 フルカラー化が容易であり、 低騒音で印 字品質に優れていることから、 近年急速に普及しつつあり、 オフィスや一般家庭 用のプリンターやサインディスプレイ用のプリン夕一に幅広く使用されている。 インクジェット記録には、 安全性、 記録適性の点から主に水系ィンクが使用さ れ、 細いノズルから記録用シートに向けてィンク小滴を飛翔させることにより記 録が行われる。 このため記録用シートは、 速やかにインクを吸収することが要求 される。 すなわち、 インク吸収性の低い記録用シートでは、 記録終了後もインク が記録用シートの表面に長時間残り、 装置の一部への接触、 取扱い者の接触や、 記録シートの重ね合わせにより、 記録部分が汚れる恐れがある。 また、 高密度画 像部では、 多量に供給されたインクが吸収されないまま混合して流れ出し、 不鮮 明な画像となる問題がある。
このような課題を解決し高機能性を発揮させるためには、 インクジエツト記録 シートに種々の特性が要求されるが、 最も重要な点はノズルから吹き出されたィ ンクを速やかに吸収することができること、 及び水系インクに対する耐水性を有 することである。
上記諸問題の解決のために、 種々の提案がなされている。 例えば、 特開昭 5 7 - 3 6 6 9 2号公報には、 耐水性、 解像度などを改善するため、 塩基性ラテック スポリマーに水溶性高分子や顔料などを併用して塗布したィンクジエツト記録シ ートに関する技術が開示されている。 又、 特開昭 6 3 - 1 1 5 7 8 0号公報には、 4級アンモニゥム塩を含む重合体を記録シ一卜用基材に塗布したインクジエツト 記録シートが開示され、 合成シリカを併用すること、 又バインダーとしてポリビ ニルアルコール等を併用することも記載されている。
一方、 特開平 7— 6 1 1 1 3号公報には、 インクの受像層をポリビニルァセタ
ール樹脂とカチオン性化合物とで構成したィンクジエツト記録媒体が開示されて いる。 更に、 特開平 6— 2 2 7 1 1 4号公報には、 インクの受像層が、 微粒シリ 力等の顔料と両性イオンラテックスとで構成されたインクジェット記録シートが 開示されている。
これら先行技術によれば、 インクジエツト記録シートのインクの非流動化によ る定着性や耐水性がある程度改善できることが知られている。 しかし、 インクの 該定着性や耐水性とインクの吸収性との間には相反する関係があり、 耐水性、 定 着性を向上させると、 インク吸収性が低下する。 従って、 従来の技術では耐水性 とィンク吸収性の両者を共に高いレベルに維持するということはできない。 又、 合成シリカゃ微粒シリカ等の顔料の使用により、 記録シートの光沢度は下 がらざるを得ないという問題点がある。
又、 特開平 1 一 1 7 4 4 8 4号公報には、 酢酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステ ルとカチオン性モノマーとの共重合体と顔料とを含む被覆層を、 該記録シートの 基材表面に形成したインクジエツト記録シートが開示されており、 カチオン性共 重合体が、 非イオン性モノマーとの共重合体やポリビニルアルコールとのグラフ ト共重合体であつてもよいこと、 さらに水溶性高分子バインダ一を含んでいても よいことが開示されている。
更に、 特開昭 6 2 - 8 3 1 7 8号公報には、 微粉末状ケィ酸とカチオン性重合 体ェマルジヨンとを含む塗布層を備えたィンクジエツト記録シー卜が提案され、 ガラス転移温度 0 °C以下の自己架橋性ァクリルェマルジョンを接着剤として併用 することが好ましいことも記載されている。
これらの先行技術によって上記ィンクジエツ卜記録シートの耐水性は一応改善 できることがわかったが、 未だ改善の度合いは小さく、 耐水性は低く、 水滴など が付着すると記録部が溶出して印字部又は画像部に滲みが生じ、 著しい場合には これらの部分が溶出して消失し、 記録性に関する品質は未だ不充分と言わざるを 得ない。 このように従来技術では、 印字品質を改善しつつ、 耐水性とインク吸収 性とを高度に改善することは未だ達成されていない。
更に、 最近のプリン夕一は写真画質での印刷実現のために、 1 0 0 0 d p i以 上の高解像度印刷、 淡色インクの重ね印刷、 従来比で数倍速の高速印刷というよ うに記録シー卜はますます過酷な使用がなされるようになつてきており、 プリン 夕一の写真画質最高品位モ一ドで印刷に発生するビーディング等の画質不良問題 も改善することが困難であるとともに、 記録シートの外観にも銀塩写真用印画紙 並みの高光沢性が求められるようになり、 高光沢記録シートにおいては表面に付 着するギザロール跡 (歯車状の紙排出用送りロールの圧着跡) の問題が新たに出 てきている。
一方、 特開昭 5 7— 1 4 0 9 1号及び同 6 1— 1 9 3 8 9号各公報には、 コ口 ィダルシリカと水溶性樹脂とから構成されるインクジェット記録シートが開示さ れているが、 バインダーに水溶性高分子を用いているために十分な耐水性が得ら れない問題がある。
更に、 特開平 2— 2 7 6 6 7 0号及び特開平 3— 2 8 1 3 8 5号各公報には擬 ベーマイト微粒子から形成されたインクジエツト記録シートが開示されている。 この記録シートは高いインク吸収性と耐水性を示すが、 インク受像層が、 十分な 光沢を示さない。
更にまた、 特開昭 5 9 - 1 7 4 3 8 1号公報、 特開昭 6 0— 2 2 4 5 7 8号公 報には、 基材上に澱粉、 水溶性セルロース誘導体、 ポリビニルアルコール等の親 水性重合体をィンク受像層として使用することが提案されているが、 インク吸収 性を満足しても、 耐水性が悪く、 インク受像層が水に溶け出したり、 表面がベと ついて記録シ一卜を重ねた時にブロッキングが生じたり、 実用上問題がある。 また、 特公平 3— 7 2 4 6 0号公報には、 インク透過性表面層とインク吸収下 地層との組み合せからなり、 インクは下地層で吸収し表面層で耐ブロッキングを 改善する方法が提案されている。 しかし、 インクが表面層を通過して下地層に吸 収されるためにインクが記録シートに深く浸透した感じになり記録部分の色濃度 が出難い欠点がある上に、 表面層と下地層の層間剥離の問題、 下地層の低耐水性 の問題もある。
さらに、 インク吸収層として多孔質層を設け、 毛細管現象によりインクを吸収 させるものが提案されており、 特開昭 5 8— 1 1 0 2 8 7号公報、 特開平 5— 5 1 4 7 0公報には、 シリカなど微粒子を凝集し、 粒子同士の空隙により形成され る空孔を有する多孔質層を基材層の上に設けた記録シ一卜が提案されている。 こ れらは、 インク吸収性は向上するが、 粒子の光散乱により表面光沢が低く、 イン ク吸収容量が十分でない問題がある。
特開昭 6 1 - 8 6 2 5 1には、 インク吸収層に多孔性プラスチック薄膜層を積 層する記録シートが提案されているが、 多孔性プラスチック薄膜がポリエチレン やポリプロピレンなどの疎水性プラスチックで形成されているために水系ィンク が主に使用されるインクジエツ卜記録ではインク透過性が十分ではなく、 多孔性 プラスチック薄膜が熱圧着法で積層されるために、 孔がつぶれたり、 変形する。 上記のごとく、 インクジェット記録シートのインク受像層に関して種々の提案 がなされているが、 上記インクジェット記録シートのインク吸着性、 耐水性、 光 沢度は一応改善されてきたが、 未だ改善の度合いは小さく、 記録性、 光沢度に関 する品質は未だ不充分と言わざるを得ない。
更にまた、 これらの記録用シートでは、 インクの定着性や耐水性を高いレベル に向上させることができない。 特に、 記録画像を被転写体へ熱転写するのが困難 である。 さらに、 仮に、 被転写体に転写画像を形成したとしても、 耐洗濯性およ び耐久性が劣る。
特開昭 6 3— 6 0 7 8 4号公報には、 支持体の表面に、 インク (特に油性イン ク) 中の溶剤に溶解又は膨潤する有機高分子微粒子を含有するィンク吸収層を形 成したィンクジエツト記録用シートが開示されている。
特開平 7— 2 5 1 3 3号公報には、 ポリオレフイン樹脂被覆紙又はポリエステ ルフィルムで形成された支持体の少なくとも一方の面に、 平均粒子経 5〜 1 5 n mの球状微粒子ポリマーを、 乾燥重量で 5〜3 0 g /m2の割合で含み、 かつ厚み が前記球状微粒子ポリマーの平均粒子経よりも小さなィンク受容層が形成された ィンクジエツト記録シー卜が開示されている。
特開平 8— 3 2 4 1 0 6号公報には、 基材の一方の面に、 ホットメルト樹脂 (エチレン一酢酸ビニル系樹脂、 ポリエステル系樹脂、 ゴム系樹脂など) で構成 された多孔質構造のインク受容層が形成されたインクジエツト記録用シートが開 示されている。
特開平 8— 2 0 7 4 2 5号公報には、 基材の一方の面に、 ホットメルト樹脂 (ポリアミド系、 ポリエステル系樹脂などのほか、 飽和ポリエステル樹脂などの 水溶性ホットメルト樹脂) と親水性樹脂 (ポリアクリルアミド、 ポリビニルアル コール、 ポリビニルピロリ ドンなど) とを含むインク受容層が形成されたインク ジェット記録用シートが開示されている。 この記録用シートは、 加熱によりフィ ルムなどと貼合わせることができる。
しかし、 これらのインク受容層は、 インクの定着性および耐水性が十分でない。 特に耐洗濯性や耐久性 (耐ひび割れ性など) が十分でないため、 衣類などへ記録 画像を熱転写したとしても、 長期間にわたり鮮明な転写画像を維持できなくなる。 従って、 本発明の第 I〜! IIの目的は、 インク吸収性及び耐水性を高度に改善で きるインクジェット記録シート用樹脂組成物を提供する。
また、 本発明の第 IVの目的は、 印字品質を改善しつつ、 耐水性とインク吸収性 とを両立でき、 印字速度の更に高速化された印刷機にあってもビーディングなど の画質不良が発生しないインクジェット記録シートを提供する。
また、 本発明の第 Vの目的は、 優れた印字特性、 耐水性、 高い光沢度が得られ るとともに、 プリンターが記録紙を排出する際に、 プリンタ一によるギザロール 跡が記録紙に付着することによって印刷画像の外観を損ねることがなく、 又高速 化したインクジエツト印刷であっても写真画質での高品位印刷ができる、 インク ジエツト記録方式に好適な写真調のィンクジエツ卜記録シートを提供する。
更に、 本発明の第 VIの目的は、 光沢性に優れ、 かつ優れたインク吸収性及び耐 水性を得られるインクジエツト記録シートを提供することにある。
更に、 本発明の第 VIIの目的は、 インク吸収性、 耐ブロッキング性に優れ、 受像
層の表面光沢、 記録画像の鮮明性、 耐水性、 耐候性、 色再現性の向上が可能な受 像層を形成する記録用樹脂組成物及びそれからなる受像層が形成された記録シー 卜を提供する。
更に、 本発明の第珊の目的は、 インク吸収性、 インク定着性、 印字性、 記録画 像の耐水性、 耐ひび割れ性、 耐久性及び耐洗濯性に優れた熱転写シートに有用な 熱転写シー卜用樹脂組成物及び熱転写シートを提供する。 発明の開示
本発明者らは、 上記目的を達成するために鋭意検討の結果、 架橋性基含有カチ ォン性ァクリル共重合体及び特定重合度の酢酸ビニル系共重合体のケン化物及び 改質材を組み合わせ、 又は更に、 水系ポリウレタン樹脂、 ポリウレタン系グラフ ト重合体混合物及びポリエステル系グラフト重合体混合物、 若しくは水系ポリゥ レ夕ン樹脂組成物およびブロックイソシァネート化合物とを組み合わせると、 耐 水性、 インク吸収性および印刷画質が顕著に向上し、 高速化された印刷機にあつ ても優れた画質の得られる記録紙とすることができることを見出し、 本発明の第 I〜第 ΠΙを完成した。
また、 本発明者らは、 アルキレンオキサイド基を有する単量体、 親水性基含有 単量体、 架橋性基含有単量体、 及びカチオン性単量体を共重合して得られるカチ オン性アクリル共重合体 (A-IV及び A-V) 及び酢酸ビニル系共重合体のケン化 物 (B ) 、 特に重合度範囲を特定した酢酸ビニル系共重合体のケン化物、 及び改 質剤 (R ) からなる樹脂組成物が高解像度で高速の印刷機においても耐水性、 ィ ンク吸収性及び印刷画質を顕著に向上することができ、 ギザロール跡付着、 高光 沢度等における諸問題を解決することができる知見を得、 本発明の第 IV及び第 V を完成した。
更に、 本発明者らは、 受像層を特定の共重合体と無機化合物微粒子で構成する ことにより、 光沢性に優れ、 かつ優れたィンク吸収性及び耐水性を得られること を見出し、 本発明の第 VIを完成した。
更にまた、 セルロース誘導体、 セルロース誘導体の良溶媒、 該セルロース誘導 体の良溶媒または貧溶媒に可溶な有機酸、 随意にセルロース誘導体の貧溶媒を特 定の比率で含有する記録用樹脂組成物を使用することにより、 被記録体の受像層 の表面光沢、 記録画像の鮮明性等を大幅に改善できることを見出し、 本発明の第 ναを完成させるに至った。
更に、 特定の重合性単量体単位を含む重合体とホットメルト接着性樹脂とから なる樹脂組成物で、 基材に対して剥離可能なインク吸収層を形成すると、 転写画 像の耐久性、 特に耐ひび割れ性を大幅に改善でき、 さらにカチオン性官能基含有 単量体などと共重合すると、 インク吸収性、 インク定着性、 及び印字性、 さらに は画像の耐久性及び耐洗濯性をさらに改善できることを見出し、 本発明の第 VIを 完成させるに至った。 即ち、 本発明の要旨は以下の通りである。
すなわち本発明の 1は、 インクジエツ卜記録シート用基材の少なくとも一面に 形成される受像層を構成するィンクジエツト記録シ一ト用樹脂組成物であって、
(1) 架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (Α) が 2〜 80重量 %、
(2) 酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (Β) が 5〜80重量%、
(3) 改質材 (R) が 0〜 80重量%とで構成されたインクジェット記録シート 用樹脂組成物を提供する。
本発明の 2は、 改質材 (R) が水系ポリウレタン樹脂 (C) (η 〜80) 重量 %、 ポリウレタン系グラフ卜重合体混合物 (D) (η2〜60) 重量%、 〔但し、 該混合物 (D) は、 水系ポリウレタン(d と酢酸ビニル系共重合体のケ ン化物(d2)との混合水溶液又は水分散液に、 親水性ラジカル重合性ビニル単量体 (ds)と他のラジカル重合性ビニル単量体(d 4)を 100〜60重量% : 0〜40 重量%の割合で添加し、 グラフト重合してなるグラフト重合体混合物。 〕 及び、 ポリエステル系グラフ卜重合体混合物(E) (n3〜60) 重量%、
〔但し、 該混合物 (E) は、 水系ポリエステル樹脂(e と酢酸ビニル系共重合体 のゲン化物(e 2)との混合水溶液又は水分散液に、 親水性ラジカル重合性ビニル単 量体(e3)と他のラジカル重合性ビニル単量体(e 4)を 1 00〜60重量% : 0〜 40重量%の割合で添加し、 グラフト重合してなるグラフト重合体混合物。 〕 の固形分換算比率で含有されたインクジエツト記録シート用樹脂組成物の合計が 1 00重量%でぁり、 n2及び n3の最小値は各々 0重量%であるが、 (n + n2+n3) ≥ 5重量%の条件を満たす本発明の 1のインクジエツト記録シート用 樹脂組成物を提供する。
本発明の 3は、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物(d 2)及び(e 2)のケン化度が それぞれ 7 5〜1 00 %、 重合度がそれぞれ 200〜5000である本発明の 2 のィンクジエツ卜記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 4は、 水系ポリゥレ夕ン樹脂(C)がカチオン性である本発明の 2のィ ンクジェット記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 5は、 ポリウレタン系グラフ卜重合体混合物(D)及びポリエステル系 グラフ卜重合体混合物(E)がカチオン性である本発明の 2のィンクジェット記録 シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 6は、 ィンクジエツト記録シート用基材の少なくとも一面に形成され る受像層を構成するィンクジエツ卜記録シー卜用樹脂組成物であって、
[1] 架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A) 力 〜 80重
[2] 酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (B) が 5〜60重量%、
[3] 水系ポリウレタン樹脂 (C) が 0〜80重量% ( (A) 、 (B) 及び (C) の合計は 1 00重量%) 、 及び
[4] ブロックイソシァネート化合物 (F) が該酢酸ビニル系共重合体ケン化 物 (B) 1 00重量部に対して 0. 0 5〜 1 0重量部、 により構成されたインク ジェット記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 7は、 架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A) 力
下記の(1)又は(2)のそれぞれの単量体に基づくモノマー単位を含む共重合体であ る本発明の 1又は 6のインクジェット記録シート用樹脂組成物を提供する。
(1)カチオン性単量体(a 4)及び架橋性基含有単量体(a 3)
(2)カチオン性単量体( a 4 )、 架橋性基含有単量体( a 3)及び親水性基含有単量体 ( a 2 )
本発明の 8は、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) のケン化度が 7 0〜9 5 %である本発明の 1又は 6のィンクジエツト記録シー卜用樹脂組成物を提供す る。
本発明の 9は、 親水性基含有単量体がポリオキシアルキレンとのエステル結合 を含む (メタ) アクリル酸エステルである本発明の 7のインクジェット記録シ一 卜用樹脂組成物を提供する。
本発明の 1 0は、 架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A) が、 第 3級ァミノ基又は第 4級アンモニゥム塩基を含む単量体 0 . 1〜5 0モル%、 架橋性基含有単量体 0 . 1〜2 5モル%を含む共重合体である本発明の 1、 6又 は 7のィンクジエツト記録シー卜用樹脂組成物を提供する。
本発明の 1 1は、 インクジェット記録シート用基材の少なくとも一面に形成さ れる受像層を構成する樹脂組成物であって、 ポリアルキレンォキサイド基含有
(メタ) ァクリレート単量体 (a 、 親水性基含有単量体 (a 2) 、 架橋性基含 有単量体 (a 3) 及びカチオン性単量体 (a 4) を共重合してなるカチオン性 (メ 夕) アクリル共重合体 (A-IV) 2〜 1 0 0重量%、 酢酸ビニル系共重合体のケン 化物 (B ) 0〜9 0重量%、 改質剤 (R ) 0〜8 0重量% (これらの合計は 1 0 0重量%) からなるインクジエツト記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 1 2は、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- IV) 5〜8 0重量 %、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) 1 5〜8 0重量%、 及び改質剤
( R ) 5〜6 0重量% (これらの合計は 1 0 0重量%) からなる本発明の 1 1の インクジェット記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 1 3は、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- IV) が、 ポリアル
キレンオキサイド基を有する単量体 (a 0. 1〜40重量%、 親水性基含有単 量体 (a 2) 0. 1〜50重量%、 架橋性基含有単量体 (a 3) 0. 5〜 20重量 %、 カチオン性単量体 (a 1〜40重量%、 ハードモノマ一 (a 6) 10〜6 0重量%、 ソフトモノマー (a7) 10〜60重量% (これらの合計は 100重量 %) からなり、 且つカチオン性アクリル共重合体 (A-IV) の重量平均分子量が 0. 2 X 1 04〜 1 0 0 X 1 04である本発明の 1 1又は 1 2のィンクジエツト記録シ 一卜用樹脂組成物を提供する。
本発明の 14は、 インクジエツト記録シート用基材の少なくとも一面に形成さ れる受像層を構成する樹脂組成物であって、 少なくとも、 ポリアルキレンォキサ イド基含有 (メタ) ァクリレート単量体 (a ) 、 親水性基含有単量体 (a2) 、 架橋性基含有単量体 (a 3) 及びカチオン性単量体 (a 4) を共重合してなるカチ オン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- V) 70〜100重量%、 酢酸ビニル系共 重合体のケン化物 (B) 0〜30重量% (これらの合計は 100重量%) 及び
(A-V) と (B) の合計 100重量部に対して改質剤 (R) を 0〜15重量部配 合してなるィンクジエツト記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 1 5は、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- V) 力 ポリアル キレンオキサイド基含有 (メタ) アタリレート単量体 (a 、 親水性基含有単量 体 (a2) 、 架橋性基含有単量体 (a3) 、 カチオン性単量体 (a 4) 及び非イオン 性単量体 (a 5) を共重合してなる共重合体である本発明の 14のインクジェット 記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 16は、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- V) 75〜95重 量%、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B) 5〜25重量% (これらの合計は 100重量%) 及び (A-V) と (B) の合計 100重量部に対して改質剤 (R) を 0. 5〜 5重量部配合してなる本発明の 14のインクジエツ卜記録シート用樹 脂組成物を提供する。
本発明の 17は、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- V) 75〜95重 量%、 酢酸ビニル系共重合体のゲン化物 (B) 5〜25重量% (これらの合計は
100重量%) 及び (A- V) と (B) の合計 100重量部に対して改質剤 (R) を 0. 5〜 3重量部配合してなる本発明の 14のインクジエツト記録シート用樹 脂組成物を提供する。
本発明の 18は、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- V) がポリアルキ レンオキサイド基含有 (メタ) ァクリレート単量体 (a6) を 8〜40重量%、 親 水性基含有単量体 (a 2) を 1〜30重量%、 架橋性基含有単量体 (a 3) を 0. 2〜10重量%、 カチオン性単量体 (a 4) を 10〜50重量%及び非イオン性単 量体 (a 5) を 10〜80重量% (これらの合計は 100重量%) 含有している本 発明の 14〜17のいずれかのインクジエツト記録シート用樹脂組成物を提供す る。
本発明の 19は、 ポリアルキレンオキサイド基含有 (メタ) ァクリレート単量 体 (a ) のポリアルキレンオキサイド基が一般式: 一 [(CHR1)!!— 0]m— R2に 示す構造である本発明の 1 1 , 13、 14、 15又は 18のいずれかのインクジ エツト記録シート用樹脂組成物を提供する。
〔但し、 一般式中の R]は水素原子、 メチル基又は水酸基を示し、 R2は水素原子 又はメチル基を示し、 nは 1〜5、 mは 1〜 20の整数をそれぞれ示し、 n、 m 個の R1は互いに同一又は異なっていてもよい。 〕
本発明の 20は、 親水性基含有単量体 (a 2) の親水性基がカルボキシル基又は その塩、 酸無水物基、 水酸基、 スルホン酸基又はその塩、 アミド基、 エーテル基 から選ばれる少なくとも 1種である本発明の 7、 1 1, 13、 14, 15又は 1 8のいずれかのィンクジェット記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 21は、 架橋性基含有単量体 (a 3) が加水分解縮合性基を有する単量 体である本発明の 7, 1 1, 13、 14, 1 5又は 18のいずれかのインクジェ ット記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 22は、 架橋性基含有単量体 (a3) がアルコキシシリル基を有する単 量体である本発明の 7, 1 1, 13、 14, 15又は 18のいずれかのインクジ エツ卜記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 2 3は、 カチオン性単量体 (a 4) が第 3級ァミノ基含有単量体、 第 3 級アミンの酸塩含有単量体又は第 4級アンモニゥム塩基含有単量体のいずれかで ある本発明の 7、 1 1, 1 3〜 1 5又は 1 8のいずれかのインクジェット記録シ 一ト用樹脂組成物を提供する。
本発明の 2 4は、 非イオン性単量体 (a 5) 力 S (メタ) アクリル酸エステル類、 芳香族ビニル類又はビニルエステル類のいずれかである本発明の 1 5又は 1 8の いずれかのィンクジエツ卜記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 2 5は、 酢酸ビニル系共重合体のゲン化物 (B ) の重合度が 2 0 0〜 1 0 0 0である本発明の 1、 6、 8、 1 1、 1 2、 1 4、 1 6又は 1 7のいずれ かのィンクジエツト記録シ一ト用樹脂組成物を提供する。
本発明の 2 6は、 改質剤 (R) が水系ポリウレタン樹脂 (C ) 及び Z又は水系 ポリエステル樹脂 (e ! ) を含む本発明の 1、 1 1又は 1 6のいずれかのインクジ エツト記録シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 2 7は、 インクジェット記録シート用基材の少なくとも一面に形成さ れたインク受像層が、 加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量体(a 8)と
(メタ) ァクリレート系重合性不飽和単量体(a 9)を含む単量体を共重合してなる 加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) と無機化合物 系微粒子 (G) とを含む組成物 (P ) で構成されてなることを特徴とするインク ジエツト記録シートを提供する。
本発明の 2 8は、 インクジェット記録シート用基材とインク受像層との間にィ ンク定着層が設けられてなる本発明の 2 7のインクジェット記録シートを提供す る。
本発明の 2 9は、 加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) が水性共重合体である本発明の 2 7のインクジエツト記録シートを提供 する。
本発明の 3 0は、 加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) に含まれる(a 8)及び(a 9)のそれぞれに基づくモノマー単位の重量割合
カ^ (as) Z(a9) = 0. :!〜 30 (%) Z70〜99. 9 (%) (合計 100重 量%) である本発明の 27のィンクジエツト記録シートを提供する。
本発明の 31は、 無機化合物系微粒子 (G) が水分散した数珠状コロイダルシ リカである本発明の 27のインクジエツト記録シートを提供する。
本発明の 32は、 加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) と無機化合物系微粒子 (G) とを含む組成物 (P) に含まれる (A- VI) と (G) の各固形分換算での重量比が (A- VI) Z (G) = 1〜50 (%) / 50〜99 (%) (合計 100重量%) である本発明の 27のインクジェット記 録シートを提供する。
本発明の 33は、 インク定着層が、 カチオン性基含有樹脂又は該カチオン性基 含有樹脂と酢酸ビニル系共重合体のケン化物、 水系ポリエステル系樹脂及び水系 ポリウレタン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも 1の樹脂との配合物を含 有する樹脂組成物からなる本発明の 27のインクジエツト記録シートを提供する。 本発明の 34は、 カチオン性基含有樹脂が、 加水分解性シリル基を有する重合 性不飽和単量体、 3級ァミノ基及び 又は 4級アンモニゥム基を有する重合性不 飽和単量体及び (メタ) ァクリレート系重合性不飽和単量体を含む単量体を共重 合体してなるカチオン性基含有共重合体である本発明の 33のインクジエツ卜記 録シートを提供する。
本発明の 35は、 インク用記録層を形成するための記録用樹脂組成物であって、
(1) セルロース誘導体 (H) 1〜30重量%、
(2) セルロース誘導体の良溶媒 ( I ) 70〜99重量% (両者の合計は 100 重量%) とからなる樹脂組成物 100重量部と、 (3) セルロース誘導体の良溶 媒 (I ) または貧溶媒 (K) に可溶な有機酸 (J) 0. 1〜20重量部、 及び、 随意に (4) セルロース誘導体の貧溶媒 (K) を 0〜1 50重量部の比率で含有 することを特徴とする記録用樹脂組成物を提供する。
本発明の 36は、 セルロース誘導体 (H) が酢酸セルロースであることを特徴 とする本発明の 35の記録用樹脂組成物を提供する。
本発明の 37は、 セルロース誘導体の貧溶媒 (K) の比率が 50〜1 50重量 部であることを特徴とする本発明の 35の記録用樹脂組成物を提供する。
本発明の 38は、 セルロース誘導体の良溶媒 (I) 力 ケトン類、 エステル類、 エーテル類、 セルソルブ類、 セロソルブアセテート類、 ハロゲン化炭化水素類お よびニトロ化合物の群から選ばれる少なくとも 1種であり、 かつ沸点が 35°C〜 160°Cであることを特徴とする本発明の 35の記録用樹脂組成物を提供する。 本発明の 39は、 有機酸 (J) の融点が 60°C以上であることを特徴とする本 発明の 35の記録用樹脂組成物を提供する。
本発明の 40は、 セルロース誘導体の貧溶媒 (K) 力 エステル類、 アルコー ル類、 ケトン類およびエーテル類から選らばれる少なくとも 1種であり、 かつ沸 点が 100〜300°Cであることを特徴とする本発明の 35又は 37の記録用樹 脂組成物を提供する。
本発明の 41は、 セルロース誘導体の良溶媒 (I) が、 d— 5ジアルキルケトン、 酢酸 d-4アルキルエステル、 環状または鎖状 C4-6エーテル、 d-4アルキルセロ ソルブ、 および d-4アルキルセロソルブァセテ一トから選択された少なくとも 1 種であり、 セルロース誘導体の貧溶媒 (K) 、 ぎ酸 C 5- 8アルキルエステル、 安 息香酸 d-4アルキルエステル、 C4- 8シクロアル力ノール、 C6-!。ジァルキルケ トンおよび C?^。エーテルから選択された少なくとも 1種であることを特徴とす る本発明の 35の記録用樹脂組成物を提供する。
本発明の 42は、 セルロース誘導体の良溶媒 (I) と貧溶媒 (K) との沸点の 差 (TK一 T I ) 力 10°C< (TK-T I ) <200°Cであることを特徴とす る本発明の 35又は 41の記録用樹脂組成物を提供する。
本発明の 43は、 有機酸 (J) の水に対する溶解度が、 20°Cにおいて、 2 g /100m l以下であることを特徴とする本発明の 35又は 39の記録用樹脂組 成物を提供する。
本発明の 44は、 本発明の 1〜43のいずれかのィンクジエツト記録シ一ト用 樹脂組成物が使用され、 基材の少なくとも一面に受像層が形成されてなることを
特徴とするィンクジエツト記録シートを提供する。
本発明の 45は、 ィンク受像層の表面の光沢度 ( J I S Z 8741に従って 測定した 60° ダロス) が 30 %以上である本発明の 44のインクジェット記録 シー卜。
本発明の 46は、 下記式 (14) で示される単量体単位を含む重合体 (L) と ホットメルト接着性樹脂 (M) とを含む熱転写シート用樹脂組成物を提供する。 式 (14)
Ri :— H又は—CH3
R2:— H、 一 CHaもしくは一〇H
nは 1 ~ 5 mは 1 ~ 20
複数の R2は互いに同一又は異なっていてもよく、 m個の一 (CHR2) ηθ- はランダム又はブロックに結合していてもよい。
本発明の 47は、 重合体 (L) 力 式 (14) の単量体と、 カチオン性官能基 含有単量体、 架橋性基含有単量体及び親水性基含有単量体から選択された少なく とも一種の単量体との共重合体で構成されている本発明の 46の熱転写シート用 樹脂組成物を提供する。
本発明の 48は、 式 (14) の単量体の含有量が、 重合体 (L) の全単量体に 対して 1 40重量%である本発明の 46又は 47の熱転写シート用榭脂組成物 を提供する。
本発明の 49は、 カチオン性官能基含有単量体が、 第 3級ァミノ基又はその塩
からなる基を有する単量体、 第 4級アンモニゥム塩基を有する単量体、 及び第 4 級アンモニゥム塩基を形成する単量体から選択された少なくとも一種であり、 親 水性基含有単量体が、 カルボキシル基又はその塩からなる基を有する単量体、 酸 無水物基を有する単量体、 水酸基を有する単量体、 スルホン酸基又はその塩から なる基を有する単量体、 アミド基を有する単量体、 エーテル基を有する単量体か ら選択された少なくとも一種であり、 架橋性基含有単量体が、 エポキシ基を有す る単量体、 メチロール基を有する単量体、 及びシリル基又はアルコキシシリル基 を有する単量体から選択された少なくとも一種である本発明の 4 7の熱転写シー ト用樹脂組成物を提供する。
本発明の 5 0は、 重合体 (L ) を構成する共重合体の T gが、 一 8 5〜3 0 °C である本発明の 4 6〜4 8のいずれかの熱転写シート用樹脂組成物を提供する。 本発明の 5 1は、 ホットメルト接着性樹脂 (M) 力 ナイロン系樹脂、 ポリエ ステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂から選択された少なくとも一種である本発 明の 4 6の熱転写シート用樹脂組成物を提供する。
本発明の 5 2は、 ホットメルト接着性樹脂 (M) の割合が、 重合体 (L ) 1 0 0重量部に对して 1 0〜 1 5 0 0重量部である本発明の 4 6の熱転写シート用樹 脂組成物を提供する。
本発明の 5 3は、 基材の一方の面に、 基材から剥離可能なインク受容層が少な くとも形成されたシートであって、 該インク受容層が本発明の 4 6〜5 2のいず れかの熱転写シー卜用樹脂組成物で構成されている熱転写シートを提供する。 本発明の 5 4は、 インク受容層が、 基材から剥離可能な保護層を介して基材に 形成されている本発明の 5 3の熱転写シー卜を提供する。
本発明の 5 5は、 保護層が、 熱可塑性樹脂、 熱硬化性樹脂、 及びエラストマ一 から選択された少なくとも一種で構成されている本発明の 5 4の熱転写シートを 提供する。
本発明の 5 6は、 ィンク受容層が、 染料固着剤及び可塑剤の少なくとも一方の 成分を含む本発明の 5 3又は 5 4の熱転写シートを提供する。
本発明の 5 7は、 基材の一方の面に、 基材から剥離可能なインク受容層を形成 する素材溶液を塗布してィンク受容層を少なくとも形成するシートの製造方法で あって、 該インク受容層が本発明の 4 6〜5 6のいずれかの樹脂組成物で構成さ れている熱転写シートの製造方法を提供する。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を実施形態例を挙げながら詳しく説明する。
本発明の記載を簡潔にするために、 各構成成分などを共通的に説明するが、 説 明の都合上順不同等が生じたりする場合には、 第 I〜環の番号を付して、 発明毎 の説明事項の及ぶ範囲を明示する。 本発明は、 新規なインクジェット記録シート用樹脂組成物と、 それを使用して 該シート用基材表面に受像層を形成したインクジエツト記録シートに関するもの である。
本発明に係わる記録シートは、 基材と受像層とを備えており、 基材の少なくと も一方の面には、 本発明の樹脂組成物で受像層が形成されている。
[基材]
本発明において、 インクジェット記録シート用基材 (以下、 「記録シート用基 材」 又は単に 「基材」 と言うことがある。 ) の材質には特に制限はなく、 天然繊 維を使用した通常の紙の他、 該紙を使用した塗工紙、 天然繊維又は合成繊維が単 独で又は混合使用された不織布、 プラスチックフィルム、 合成紙 (プラスチック フィルム製の他、 繊維製も含む) 等が挙げられるが、 これらの基材例のうち、 プ ラスチックフィルム及び合成紙が特に好ましい。
プラスチックフィルム及び合成紙を構成するポリマーとしては、 例えば、 ポリ エチレン、 ポリプロピレン等のポリオレフイン、 エチレン—酢酸ビニル共重合体、 ポリ塩化ビニル、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、 ポリ (メタ) アクリル酸ェ
ステル、 ポリスチレン、 ポリビニルアルコール、 エチレン—ビニルアルコール共 重合体、 酢酸セルロース等のセルロース誘導体、 ポリエステル (ポリエチレンテ レフタレ一卜, ポリブチレンテレフタレー卜等のポリアルキレンテレフ夕レート、 ポリエチレンナフ夕レート、 ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフ 夕レート等) 、 ポリカーボネート、 ポリアミド (ナイロン 6, ナイロン 6 6, ナイロン 6 Z 1 0 , ナイロン 6 Z 1 2等) 、 ポリエステルアミド、 ポリエーテル、 ポリイミド、 ポリアミドイミド、 ポリエーテルエステル等が挙げられ、 更にこれ らの共重合体、 ブレンド物、 架橋物も適宜使用することができるが、 これらのフ イルム及び合成紙のうち、 通常、 ポリオレフイン (特にポリプロピレン) 、 ポリ エステル (特にポリエチレンテレフ夕レートなど) 、 ポリアミドが特に好ましく 使用され、 機械的強度とか作業性等の点からポリエステル (特にポリエチレンテ レフ夕レート) が最も好ましい。
本発明に係るインクジエツト記録シート用基材の透明性は特に限定されるもの ではなく、 用途に応じて不透明、 半透明又は透明なものが適宜使用され、 例えば オーバーヘッドプロジェクター (〇H P ) に用いる場合、 通常、 透明なものが好 適である。 また、 紙及び塗工紙としては、 例えば上質紙、 アート紙、 R C紙など が使用できる。
基材の厚みについても特に制限はなく、 その用途に応じて適宜選択されるが、 通常は 5 ~ 5 0 0 x m、 より好ましくは 1 0〜3 0 0 m程度である。
なお、 基材として使用されるプラスチックフィルム又は合成紙には、 必要に応 じて、 サイズ剤、 酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 熱安定剤、 滑剤、 顔料などの慣用 の添加剤を添加してもよい。
耐水性が強く要求される用途では、 紙基材ょり耐水性の優れるフィルムおよび 合成紙が好ましく使用される。 又、 受像層との接着性を向上させるため、 基材表 面を予めコロナ放電処理やアンダーコート処理等を行って置くことは好ましい態 様である。
本発明に係る記録シートには、 特に後記のインク定着層の形成処理が好ましく
適用できる。 [受像層]
本発明の第 Iに係わる受像層は、 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A- I ) 及び特定重合度の酢酸ビニル系共重合体のゲン化物 (B) 及び改質材 (R) で受像層が形成されている。
本発明の第 Πに係わる受像層は、 架橋性基含有カチオン性ァクリル共重合体 (Α-Π) 及び酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B) からなる組成物に、 水系ポ リウレ夕ン樹脂 (C) 、 ポリウレタン系グラフ卜重合体混合物 (D) 及び Z又は ポリエステル系グラフト重合体混合物 (E) で形成されている。
本発明の第 mに係わる受像層は、 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (Α-ΠΙ) 及び酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B) からなる組成物に、 水系ポ リウレ夕ン樹脂 (C) 、 ポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D) 及び Z又は ポリエスル系グラフト重合体混合物 (E) で形成されている。
また本発明の第 ΠΙに係わる受像層は、 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合 体 (Α-ΙΠ) 及び酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B) に、 水系ポリウレ夕ン樹 脂組成物 (C) およびブロックイソシァネート化合物 (F) で形成されている。 本発明の第 IV及び第 Vに係わる受像層は、 特定のポリアルキレンォキサイド基 を有する (メタ) ァクリレート単量体 (a ) 、 親水性基含有単量体 (a2) 、 架 橋性基含有単量体 (a3) 、 及びカチオン性単量体 (a4) を共重合させて得られ るカチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A-IV又は A- V) 、 酢酸ビニル系共重 合体のケン化物 (B) 、 及び改質剤 (R) からなる記録シート用樹脂組成物で形 成されている。
本発明の第 VIに係わる受像層は、 加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単 量体(a8)と (メタ) ァクリレート系重合性不飽和単量体(a 9)を含む単量体を共 重合してなる加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) と無機化合物系微粒子 (G) とを含む組成物 (P) で構成されてなる記録シート
用樹脂組成物で形成されている。
本発明の第 VIIに係わる受像層は、 セルロース誘導体 (H) 、 セルロース誘導体 の良溶媒 ( I ) とからなる樹脂組成物と、 セルロース誘導体の良溶媒 (I) また は貧溶媒 (K) に可溶な有機酸 (J) 、 及び、 随意にセルロース誘導体の貧溶媒 (K) からなる記録シート用樹脂組成物で形成されている。
受像層の形成方法については特に限定されず、 公知の各種手段が適用できる。 なお、 その詳細は後述する。
[インクジエツト記録シート用樹脂組成物]
本発明に係るィンクジエツト記録シート用基体の少なくとも一面に形成される 受像層を形成する樹脂組成物 (以後、 単に 「記録用樹脂組成物」 と呼ぶこともあ る) は、 以下、 順次に説明する記録用樹脂組成物から構成されている。
(1) 第 I〜! IIの発明に係わる記録用樹脂組成物
以下、 本発明の第 I〜! Πの発明に係わる記録用樹脂組成物について説明する。 本発明の第 I及び Πに係わる記録用樹脂組成物は、 架橋性基含有カチオン性ァ クリル共重合体 (A-I XttA-n) が 2〜80重量%、 好ましくは 5〜 50重量 %、 重合度 200〜1, 000の酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B) 5〜8 0重量%、 好ましくは 15〜70重量%、 改質材 (R) 0〜80重量%、 好まし くは 5〜60重量%から構成されている。 ここで、 各成分の構成比率は固形分換 算で表されている。
本発明の第 I及び Πに係わる改質材 (R) の構成成分としては、 水系ポリウレ タン樹脂 (C) (I!,〜 80) 重量%、 ポリウレタン系グラフト重合体混合物 (D) (n2〜60) 重量%、
〔但し、 該混合物 (D) は、 グラフ卜用水系ポリウレタン(d と酢酸ビニル系共 重合体のケン化物(d 2)との混合水溶液又は水分散液に、 親水性ラジカル重合性ビ 二ル単量体(d 3)と他のラジカル重合性ビニル単量体(d 4)を 100〜60重量%
: 0〜40重量%の割合で添加し、 グラフト重合してなるグラフ卜重合体混合
物。 〕
及び、 ポリエステル系グラフ卜重合体混合物(E) (n3〜60) 重量%、
〔但し、 該混合物 (E) は、 グラフト用水系ポリエステル樹脂(e!)と酢酸ビニル 系共重合体のケン化物(e 2)との混合水溶液又は水分散液に、 親水性ラジカル重合 性ビニル単量体(e 3)と他のラジカル重合性ビニル単量体(e 4)を 100〜60重 量% : 0〜40重量%の割合で添加し、 グラフト重合してなるグラフト重合体混 合物。 〕 がそれぞれ固形分換算比率で含有されたインクジェット記録シート用樹 脂組成物の合計が 100重量%であり、 n , n 2及び n 3の最小値は各々 0重量% であるが、 (r^ + ns + ns) ≥ 5重量%の条件を満たす。
好ましくは、 水系ポリウレタン樹脂 (C) 力 η, δ 0)重量%、 ポリウレタン 系グラフト重合体混合物 (D) が(η2〜50)重量%、 及びポリエステル系グラフ ト重合体混合物 (Ε) が(η3〜60)重量%、 (r^ + ns + n ^l 0重量%であ る。
また改質材 (R) が水系ポリウレタン樹脂 (C) の樹脂組成物又はポリエステ ル系グラフト混合物(E)であることも、 好ましい態様として挙げることができる。 第 mの発明に係る記録用樹脂組成物は、 架橋性基含有カチオン性 (メタ) ァク リル共重合体 (Α-ΠΙ) が 2〜80重量%、 酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (B) が 5〜60重量%、 水系ポリウレタン樹脂組成物 (C 1) が 0〜80重量%、
[ (Α-ΠΙ) 、 (B) 及び (C 1) の合計は 100重量%] 、 及びブロックイソシ ァネート化合物 (F) が該酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (B) 100重量部に 対して 0. 05〜 10重量部により構成されている。
さらに好ましくは、 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (Α-ΠΙ) が 10 〜60重量%、 酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (B) 力 15〜50重量%、 水系 ポリウレタン樹脂組成物 (C 1) が 5〜60重量%、 ブロックイソシァネート化 合物 (F) が該 (B) 重量部に対して 0. 3〜 5重量部である。
固形分換算で表された該各成分の構成比率は、 インクジエツト記録において優 れたインク吸収性、 耐水性、 印刷画質等の特性を与える範囲であり、 これらの範
囲から適宜選択される。
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 ((A- I )〜(A-正)) 及びその前記 含有割合は、 インク定着性、 耐水性、 印刷画質を左右し、 酢酸ビニル系共重合体 ケン化物 (B ) の場合は、 インク吸収性を左右し、 その重合度はビーディング等 の印刷画質に影響する。
また、 改質材 (R ) は、 耐水性、 基材への密着性などの性質を改善するもので ある。 水系ポリウレタン樹脂 (C ) は、 耐水性、 基材への密着性を左右し、 ポリ ウレタン系グラフト重合体混合物 (D ) 及びポリエステル系グラフ卜重合体混合 物 (E ) は、 主としてインク吸収性を左右する。
以下、 本発明の第 I〜第 IEの発明に係る記録用樹脂組成物を構成する各成分に ついて詳細に説明する。
[架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- Ι〜Α- ΠΙ) ] 本発明の第 I〜第 ΙΠに用いられる架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 ( Α- Ι〜Α- ΠΙ ) は、 架橋性基を有するカチオン性のアクリル共重合体であれば 特に限定されるものではないが、 その態様として、 下記(1)又は(2)のそれぞれの 単量体に基づくモノマー単位を含む共重合体、 即ち、
( 1)カチオン性単量体単位及び架橋性基含有単量体単位を含む共重合体。
(2)カチオン性単量体単位、 架橋性単量単位体及び親水性基含有単量体単位を含 む共重合体を挙げることができる。
(カチオン性単量体成分)
カチオン性単量体としては、 第 3級ァミノ基又はその塩を有する種々の単量体 の他、 第 4級アンモニゥム塩基を有する又は第 4級アンモニゥム塩基を形成可能 な種々の単量体が使用でき、 例えば、 ジ。,^アルキルアミノー C 2-3アルキル (メタ) アクリルアミド又はその塩であり、 具体的には、 ジメチルアミノエチル (メタ) アクリルアミド、 ジェチルアミノエチル (メタ) アクリルアミド、 ジメ チルァミノプロピル (メタ) アクリルアミド、 ジェチルァミノプロピル (メタ) アクリルアミド又はこれらの塩等を挙げることができ、 又、 ジ。 - 4アルキルアミ
ノ— C 2 3アルキル (メタ) ァクリレート又はその塩であり、 具体的には、 ジメチ ルアミノエチル (メタ) ァクリレート、 ジェチルアミノエチル (メタ) ァクリレ ート、 ジメチルァミノプロピル (メタ) ァクリレート、 ジェチルァミノプロピル
(メタ) ァクリレート又はこれらの塩等を挙げることができ、 更には、 ジ(: ァ ルキルアミノー C 2 - アルキル基置換芳香族ビエル又はその塩であり、 具体的には、
4一 (2—ジメチルアミノエチル) スチレン、 4 _ ( 2—ジメチルァミノプロピ ル) スチレン等又はこれらの塩等を挙げることができ、 その他に、 窒素含有複素 環式単量体又はその塩であり、 具体的には、 ビニルピリジン、 ビニルイミダゾー ル、 ビニルピロリ ドン又はこれらの塩等を挙げることができる。
なお、 上記塩としては、 ハロゲン化水素酸塩 (塩酸塩, 臭化水素酸塩等) 、 硫 酸塩、 アルキル硫酸塩 (メチル硫酸塩, ェチル硫酸塩等) 、 アルキルスルホン酸 塩, ァリールスルホン酸塩、 カルボン酸塩 (酢酸塩等) 等が例示でき、 第 4級ァ ンモニゥム塩基に関しては、 第 3級ァミノ基にアルキル化剤 (ェピクロルヒドリ ン、 塩化メチル, ベンジルクロライド等) を反応させることにより生成させる方 法を採ってもよい。
(架橋性基含有単量体成分)
架橋性基含有単量体としては自己架橋性又は反応性官能基を有する種々の機能 を有する単量体があるが、 具体的には、 (メタ) メ夕クリル酸グリシジル、 (メ 夕) ァリルグリシジルエーテル、 1ーァリルォキシ—3 , 4 _エポキシブタン、 1一 (3—ブテニルォキシ) 一 2 , 3 —エポキシプロパン、 4 _ビニル— 1 _シ クロへキセン— 1 , 2—エポキシド等のエポキシ基含有単量体、 N—メチロール (メタ) アクリルアミド、 N—メトキシメチル (メタ) アクリルアミドなどの N 一 4アルコキシメチル (メタ) アクリルアミド、 N—プチロール (メタ) ァク リルアミド等のメチロール基含有単量体又はその誘導体、 ビニルトリメトキシシ ラン、 ビニル卜リエトキシシラン、 ビニルトリブトキシシラン、 ビニルメトキシ ジメチルシラン、 ビニルェトキシジメチルシラン、 ビニルイソブトキシジメチル シラン、 ビニルジメ卜キシメチルシラン、 ビニルジェトキシメチルシラン、 ビニ
リス ( 3—メトキシェトキシ) シラン、 ビニルジフエニルエトキシシラン、 ビニルトリフエノキシシラン、 ァ一 (ビニルフエニルァミノプロピル) 卜リメト キシシラン、 了一 (ビニルベンジルァミノプロピル) トリメトキシシラン、 r一 (ビニルフエニルァミノプロピル) トリエトキシシラン、 ァー (ビニルペンジル ァミノプロピル) 卜リエ卜キシシラン、 ジビニルジメトキシシラン、 ジビニルジ エトキシシラン、 ジビニルジ (/3—メトキシェトキシ) シラン、 ビニルジァセト キシメチルシラン、 ビニルトリァセトキシシラン、 ビニルビス (ジメチルアミ ノ) メチルシラン、 ビニルメチルジクロロシラン、 ビニルジメチルクロロシラン、 ビニルトリクロロシラン、 ビニルメチルフエニルクロロシラン、 ァリルトリエト キシシラン、 3—ァリルアミノプロビルトリメトキシシラン、 ァリルジァセトキ シメチルシラン、 ァリルトリァセトキシシラン、 ァリルビス (ジメチルァミノ) メチルシラン、 ァリルメチルジクロロシラン、 ァリルジメチルクロロシラン、 ァ リルトリクロロシラン、 メタリルフエニルジクロロシラン、 3— (メタ) ァクリ 口キシェチルトリメトキシシラン、 3— (メタ) ァクリロキシェチルトリエトキ シシラン、 丁一 (メタ) ァクリロキシプロビルトリメトキシシラン、 ァー (メ 夕) ァクリロキシプロピルトリエトキシシラン、 ァ一 (メタ) ァクリロキシプロ ピルメチルジメ卜キシシラン、 ァー (メタ) ァクリロキシプロピルメチルジクロ ロシラン、 γ— (メタ) ァクリロキシプロビルトリス (/3—メトキシエトキシ) シラン等のようなシリル基等加水分解縮合性基含有単量体の他、 (メタ) ァクリ ル酸 2— ( 1—アジリジニル) ェチル、 (メタ) アクリル酸 2— ( 1—アジリジ ニル) プロピル、 (メタ) アクリル酸 3— (1一アジリジニル) プロピル等のァ ジリジニル基含有単量体等が例示できるが、 好ましい架橋性基含有単量体として は、 加水分解縮合性基、 特にアルコキシシリル基 (より具体的にはメトキシシリ ル基, エトキシシリル基等の アルコキシシリル基等) の加水分解縮合性基含 有架橋性単量体である。
なお、 これらの架橋性基含有単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用で さる。
(親水性基含有単量体成分)
本発明に係る親水性基含有単量体には、 例えば、 (メタ) アクリル酸、 ィ夕コ ン酸、 マレイン酸、 無水マレイン酸、 フマル酸、 クロトン酸等の遊離のカルボキ シル基、 酸無水物基を有するカルボキシル基又はこれらの塩 (アルカリ金属塩、 アルカリ土類金属塩、 アンモニゥム塩、 アミン塩等) 含有単量体、 マレイン酸モ ノメチル、 マレイン酸モノエチル、 マレイン酸モノブチル、 マレイン酸モノォク チル、 マレイン酸モノ 2—ェチルへキシル等の不飽和多価カルボン酸又はその酸 無水物と炭素数 1〜 2 0程度の直鎖又は分岐鎖アルコールとのハーフエステル含 有単量体、 (メタ) アクリル酸 2—ヒドロキシェチル、 (メタ) アクリル酸 2 _ ヒドロキシプロピル、 (メタ) アクリル酸 3—ヒドロキシプロピル、 (メタ) ァ クリル酸 4—ヒドロキシブチル等のような (メタ) アクリル酸ヒドロキシ C 2- 6ァ ルキルエステル等の属するヒドロキシル基含有単量体、 (メタ) アクリルアミド、 ひ一ェチル (メタ) アクリルアミド、 N—メチル (メタ) アクリルアミド、 N _ ブトキシメチル (メタ) アクリルアミド、 ジアセトン (メタ) アクリルアミド等 アミド基含有単量体、 スチレンスルホン酸、 ビニルスルホン酸等のスルホン酸基 含有単量体、 ビニルメチルエーテル、 ビニルェチルエーテル、 ビニルイソブチル エーテル等のビニルエーテル類の属するエーテル基含有単量体、 ジエチレンダリ コールモノ (メタ) ァクリレ一ト、 トリエチレングリコールモノ (メタ) ァクリ レート、 ポリエチレングリコールモノ (メタ) ァクリレート等のポリオキシアル キレン基含有単量体等が例示できる。
上記各種親水性基含有単量体のうち好ましいものとしては、 (メタ) アクリル 酸等カルボキシル基含有単量体、 (メタ) アクリル酸 2—ヒドロキシェチル、
(メタ) アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有単量体、 ジェチ レンダリコールモノ (メタ) ァクリレート、 トリエチレングリコールモノ (メ 夕) ァクリレート、 ポリエチレングリコールモノ (メタ) ァクリレート等のポリ ォキシアルキレンエステルを有する単量体が挙げられる。
これらの親水性基含有単量体についても、 単独で又は二種以上同時に使用でき
る。
これらカチオン性単量体、 架橋性基含有単量体又は親水性基含有単量体は、 通 常、 成膜性や皮膜特性を調整するため下記の非イオン性単量体と組み合わせて使 用される。
(非イオン性単量体成分)
ここに言う非イオン性単量体には、 例えば (メタ) アクリル酸メチル、 (メ 夕) アクリル酸メチル、 (メタ) アクリル酸ェチル、 (メタ) アクリル酸プロピ ル、 (メタ) アクリル酸イソプロピル、 (メタ) アクリル酸 n—ブチル、 (メ 夕) アクリル酸イソプチル、 (メタ) アクリル酸 t 一プチル、 (メタ) アクリル 酸へキシル、 (メタ) アクリル酸ォクチル、 (メタ) アクリル酸 2—ェチルへキ シル、 メ (メタ) アクリル酸ラウリル、 (メタ) アクリル酸ステアリル等の (メ 夕) アクリル酸の 8アルキルエステル等、 (メタ) アクリル酸シクロへキシ ル等のシクロアルキルエステル、 (メタ) アクリル酸フエニル等のァリールエス テル、 (メタ) アクリル酸ベンジル等のァラルキルエステル、 スチレン、 ビニル トルエン、 ーメチルスチレン等の芳香族ビニル類、 酢酸ビニル、 プロピオン酸 ビニル、 バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類、 酢酸ァリル等のァリルェ ステル類、 塩化ビニリデン、 塩化ビニルなどハロゲン含有単量体、 (メタ) ァク リロ二卜リル等のシアン化ビニル、 エチレン、 プロピレン等のォレフィン類等が 挙げられる。
非イオン性単量体としては、 通常、 (メタ) アクリル酸の C い 8アルキルエス テル、 特にアクリル酸の C 2 。アルキルエステルやメ夕クリル酸 アルキルェ ステルの他、 芳香族ビニル類、 特にスチレン、 又はビニルエステル類、 特に酢酸 ビニルが使用される。
これらの非ィォン性単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(A- I 、 A- Π及び A- mの単量体構成割合)
前記カチオン性単量体及び架橋性基含有単量体の使用量、 又は更に親水性基含 有単量体を組み合わせた場合の使用量は、 耐水性およびィンク吸収性を損なわな
い範囲で選択でき、 特に限定されるものではないが、 カチオン性単量体の使用量 が単量体全体の 0. 1〜50モル% (例えば、 1〜45モル%) 、 好ましくは 0. 5〜40モル% (例えば、 2〜35モル%) 、 さらに好ましくは 1〜30モル% (例えば、 3〜25モル%) 程度であり、 通常、 2〜25モル%程度である。 また、 架橋性基含有単量体の量は、 例えば、 単量体全体の 0. 1〜25モル%、 好ましくは 0. 2〜20モル%、 さらに好ましくは 0. 5〜1 5モル%程度でぁ り、 通常、 0. 3〜: 1 0モル%程度である。
更に、 親水性基含有単量体の使用量は、 単量体全体の 0〜50モル%、 好まし くは 0〜45モル% (0. 5〜45モル%) 、 さらに好ましくは 0〜40モル% (1〜35モル%) 程度であり、 通常、 1〜20モル%程度である。
なお、 上記 2種又は 3種の単量体が使用される場合、 その合計は 100モル% に調整されるが、 100モル%に満たない場合には、 その残余は通常、 前記非ィ オン性単量体で構成される。
これらのうち、 第 3級ァミノ基、 または第 4級アンモニゥム塩基を含む単量体 0. 1〜50モル%、 架橋性基含有単量体 0. 1〜25モル%を含む共重合体が、 本発明の第 I〜! Πに係る架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A- I〜A- ΠΙ) として好ましく用いられる。
(A- I〜A- HIのガラス転移温度)
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (Α-Ι〜Α- ΙΠ) のガラス転移温度 は、 成膜性などを損なわない範囲で選択でき、 一 20〜50°Cが好ましく、 — 1 0〜40°Cがより好ましく、 更に好ましくは 0°C〜30°C程度である。
このようなガラス転移温度を有する共重合体は、 前記カチオン性単量体と架橋 性基含有単量体とを、 又、 必要に応じて更に親水性基含有単量体を組み合わせる ことにより調製できるが、 通常、 好ましくは、 ハードモノマー、 例えば (メタ) アクリル酸メチル, スチレン等のごときガラス転移温度 80〜 1 20° (:、 好まし くは 90〜105 °Cの単独重合体形成可能な単量体と、 ソフトモノマー、 例えば アクリル酸の Cs— i。アルキルエステルのごときガラス転移温度一 85°C〜― 10
°C、 好ましくは一 85°C〜一 20°Cの単独重合体形成可能な単量体とを組み合わ せて使用し、 共重合させる。
これら各種単量体を組み合わせて使用して共重合体を得る場合、 各単量体の使 用割合は特に限定されるものではないが、 該使用割合については下記のような例 示をすることができる。
(a)カチオン性単量体 1〜40重量%、 好ましくは 3〜 35重量%、 更に好ま しくは 5〜30重量%、 (b)架橋性基含有単量体 0. 5〜20重量%、 好ましくは 1〜1 5重量%、 更に好ましくは 2〜10重量%、 (c)親水性基含有単量体 0〜 5 0重量%、 好ましくは 2〜45重量%、 更に好ましくは 5〜40重量%、 (d)ハー ドモノマ一 10~60重量%、 好ましくは 20〜55重量%、 更に好ましくは 2 5〜50重量%、 (e)ソフトモノマー 10〜60重量%、 好ましくは 1 5〜50重 量%、 更に好ましくは 20〜45重量%である。
一方、 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (Α-Ι〜Α- m) の重量平均 分子量は、 特に限定されないが、 0. 2 X 104〜100 X 104が好ましく、 1 X 104~ 50 X 104程度の範囲がより好ましい。
(水性ェマルジョンの調製)
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A- Ι〜Α- ΠΙ) の形態は、 有機溶 媒溶液の他、 水溶液も採りうるが、 通常はカチオン性ェマルジヨン (特に水性ェ マルジヨン) が好ましい。
上記カチオン性ェマルジョンの場合、 該ェマルジヨンに含まれる重合体粒子の 表面電位 (ζ電位) は + 10〜+ 6 OmV、 好ましくは + 12〜+ 55mV、 更 に好ましくは + 20〜十 55mV、 特に好ましくは + 15〜+ 55mV程度であ る。 重合体粒子の表面電位が低くなるにつれて、 インク定着性および耐水性が低 下し、 表面電位が高くなるにつれて、 インクの吸収性が低下する。
上記重合体粒子の表面電位は、 例えば、 下記の装置及び条件で測定できる。 測定装置:大塚電子 (株) 製、 電気泳動光散乱光度計 (ELS— 800) 。 測定温度: 25°C。
濃度:ェマルジヨンを蒸留水で固形分濃度 0 . 0 1〜0 . 0 5重量%に希釈。 電極間距離: 3 2 mm
印加電場: 5 0 VZ c m
(カチオン性ェマルジヨン中の重合体粒子の調製法)
カチオン性ェマルジョン中の重合体粒子の平均粒子径は、 1〜 2 0 0 n m、 好 ましくは3〜 1 0 0 11111、 更に好ましくは 5〜 5 0 n m程度である。
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A- Ι〜Α-ΙΠ) を含むカチオン性 ェマルジヨンは、 慣用の方法、 例えば、 ノニオン系界面活性剤及び Z又はカチォ ン系界面活性剤を含む乳化重合系で前記 2ないし 3種の単量体を乳化重合する方 法、 又は、 前記単量体を共重合した後、 第 3級ァミン塩又は第 4級アンモニゥム 塩を形成して水性ェマルジョンとする方法などにより得ることができる。
本発明の第 I〜第 VIに係るィンクジエツト記録シート用樹脂組成物は、 親水性 高分子化合物 (水溶性高分子化合物又は水不溶性であって吸水性を有する高分子 化合物) と他の構成成分とを組み合わせると、 インク吸収性をさほど損なうこと なく耐水性及び印刷画質を向上できる。
(親水性高分子化合物成分)
上記及び下記の親水性高分子化合物としては、 酢酸ビニル系共重合体のケン化 物 (B ) が用いられるが、 該ケン化物は単独で用いてもよく、 複数種の酢酸ビニ ル系共重合体のケン化物を併用してもよく、 更に他の親水性高分子化合物を併用 してもよい。
(他の親水性高分子化合物成分)
上記他の親水性高分子化合物としては、 例えば親水性天然高分子又はその誘導 体 (澱粉、 コーンスターチ、 アルギン酸ナトリウム、 アラビアゴム、 ゼラチン、 カゼイン、 デキストリン等) 、 セルロース誘導体 (メチルセルロース、 ェチルセ ルロース、 ヒドロキシェチルセルロース、 カルボキシメチルセルロース、 セル口 一ススルフェート、 シァノエチルセルロース等) 、 ビニルアルコール系重合体 (ポリビニルアルコール, エチレン一ビニルアルコール共重合体等) 、 エチレン
系重合体 (エチレン一無水マレイン酸共重合体等) 、 酢酸ビニル系共重合体 (酢 酸ビニルーアクリル酸メチル共重合体等) 、 ポリアルキレンオキサイド (ポリエ チレンォキサイド, エチレンォキサイドープロピレンォキサイドブロック共重合 体等) 、 カルボキシル基又はスルホン酸基を有する重合体又はその塩 [アクリル 系重合体 (ポリ (メタ) アクリル酸又はその塩 (アンモニゥム, ナトリウム等の アルカリ金属塩) , メ夕クリル酸メチルー (メタ) アクリル酸共重合体, ァクリ ル酸ーポリビニルアルコール共重合体等) 、 ビニルエーテル系重合体 (ポリビニ ルメチルエーテル, ポリビニルイソブチルエーテル等のポリビニルアルキルエー テル, メチルビニルエーテル一無水マレイン酸共重合体等) 、 スチレン系重合体 (スチレン一無水マレイン酸共重合体、 スチレン一 (メタ) アクリル酸共重合体、 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等) 、 ポリビニルスルホン酸ナトリウム等] 、 窒素含有重合体 (又はカチオン性ポリマー) 又はその塩 (ポリビニルベンジルト リメチルアンモニゥムクロライド、 ポリジァリルジメチルアンモニゥムクロライ ド等の 4級アンモニゥム塩、 ポリジメチルアミノエチル (メタ) ァクリレート塩 酸塩、 ポリビニルピリジン、 ポリビニルイミダゾール、 ポリエチレンィミン、 ポ リアミドポリアミン、 ポリアクリルアミド、 ポリビニルピロリ ドン等) 等が挙げ られる。
当該他の親水性高分子化合物は、 上記例示中、 セルロース誘導体 (特にヒドロ キシェチルセルロース等) 、 ビニルアルコール系重合体、 ビニルエステル系重合 体、 ポリビニルピロリ ドン等が好ましい。 又、 ポリオキシアルキレン基、 ァセト ァセチル基、 力ルポキシル基、 酸無水物基及びアミノ基から選択された少なくと も 1つの官能基を有する親水性高分子も好ましく使用される。
これら、 他の親水性高分子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 (酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) )
本発明の第 I〜VIに係わる上記の酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) は、 酢酸ビニル単独重合体又は酢酸ビニルと他の共重合性モノマーとの共重合体の部 分ケン化物又は完全ケン化物を含むが、 ゲン化度は好ましくは 7 0〜9 5 %、 よ
り好ましくは 7 5〜9 2 %、 更に好ましくは 7 9〜8 9 %である。 但し第 Πの発 明では、 7 0〜 1 0 0 %、 より好ましくは 7 5〜 9 5 %、 更に好ましくは 7 9〜
9 2 %である。
また、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) は、 重合度が 2 0 0〜 1 0 0 0、 好ましくは 3 0 0〜 8 0 0の酢酸ビニル系共重合体のケン化物が用いられる。 上記重合体の重合度が 2 0 0未満では耐水性向上の効果が現れないことがあり、
1 0 0 0を超えるとビーディングが発生し画像の均一性が損なわれるおそれがあ る。
(他の共重合性モノマー成分)
上記他の共重合性モノマーとして好ましいものは、 親水性基 (例えば、 カルボ キシル基やこれらの塩、 スルホン酸基やこれらの塩、 酸無水物基、 アミド基、 水 酸基、 エーテル基など) を有する親水性モノマ一であり、 特にエーテル基、 なか でもォキシアルキレン基を有する (メタ) アクリル酸エステルゃァリルエーテル 等のビニルモノマ一であり、 この場合、 アルキレンオキサイドの単位 (付加モ ル) 数は 1〜 1 0 0が好ましく、 2〜 8 0がより好ましく、 5〜 7 0が更に好ま しい。
(ォキシアルキレン基を有するビニルモノマー成分)
上記ォキシアルキレン基を有するビニルモノマーには、 例えば、 ジエチレング リコールモノ (メタ) ァクリレート、 トリエチレングリコールモノ (メタ) ァク リレート、 ポリエチレングリコールモノ (メタ) ァクリレート、 ジプロピレング リコールモノ (メタ) ァクリレート、 トリプロピレングリコールモノ (メタ) ァ クリレート、 ポリプロピレングリコールモノ (メタ) ァクリレート、 ジエチレン グリコールモノ (メタ) ァリルエーテル、 トリエチレングリコールモノ (メタ) ァリルエーテル、 ポリエチレングリコールモノ (メタ) ァリルエーテル、 ジプロ ピレングリコールモノ (メタ) ァリルエーテル、 トリプロピレングリコールモノ (メタ) ァリルエーテル、 ポリプロピレングリコールモノ (メタ) ァリルェ一テ ル、 ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール (メタ) ァクリレート、
ヒドロキシプロピル (メタ) ァクリレート、 ポリエチレングリコールポリテトラ メチレングリコ一ル (メタ) ァクリレート、 ポリプロピレングリコールポリテト ラメチレングリコール (メタ) ァクリレート、 グリセロール (メタ) ァクリレー トなどが含まれる。
これらのうち、 好ましいモノマーには、 ォキシアルキレン基がォキシエチレン 基であるビニル単量体である (メタ) ァクリレート、 特にポリオキシアルキレン
(メタ) ァリルエーテル (なかでもポリオキシエチレンァリルエーテル) が含ま れる。 これらのビニルモノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
( Bの共重合性モノマーの構成割合)
本発明の第 I〜VIに係る酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) を得るために 酢酸ビニルと共重合される共重合性モノマーの割合は、 画像の鮮明性、 耐水性な どを損なわない範囲で自由に選択できるが、 モノマー全体の 0 . 1〜5 0モル% が好ましく、 1〜3 0モル%がより好ましく、 2 . 5〜2 5モル% (例えば、 3 〜2 0重量%) が更に好ましい。 なお、 酢酸ビニルとポリオキシアルキレン基を 有するビニル単量体との共重合体 (変性酢酸ビニル系樹脂) は、 例えば、 日本合 成化学 (株) から商品名 「O K S— 7 1 5 8 G」 等として入手できる。
(併用しうる親水性高分子成分)
なお、 上記酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (B ) に併用しうる前記例示の親水 性高分子には、 前記架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体の反応性官能基
(例えば、 グリシジル基などのエポキシ基, アルコキシシリル基等) に対して反 応する官能基を有する親水性高分子化合物も含まれる。
[記録シート用樹脂組成物の改質材 (R ) ]
本発明の第 I〜VIに係る改質材としては、 水系ポリウレタン樹脂 (C ) 、 ウレ タン系グラフ卜重合体混合物 (D ) 、 ポリエステル系グラフト重合体混合物
( E ) 及びブロックイソシァネート化合物 (F ) から選ばれた少なくとも 1つの 成分が好ましく用いられる。 又、 他の好ましい態様としては、 水系ポリウレタン 樹脂 (C ) 及び Z又はポリエステル系グラフト重合体混合物 (E ) からなる樹脂
組成物が用いられる。
以下、 改質材 (R ) を構成する各成分について説明する。
[水系ポリウレタン樹脂 (C ) ]
本発明の第 I〜第 VIに係る水系ポリウレタン樹脂 (C ) とは、 ポリオール成分、 ポリイソシァネート成分及びポリイソシァネート成分と反応する水素原子を少な くとも分子内に 2個含有する低分子量の鎖伸長剤とから合成されるポリウレタン 樹脂を水に溶解あるいは分散させて得られるものであり、 公知の方法により合成 される。 例えば、 イソシァネート基と反応しない溶剤中で比較的高分子量のポリ ウレタンを合成した後、 水を少しずつ加えて転相乳化し、 必要に応じて減圧によ り溶剤を除く方法や、 乳化剤を加え、 激しい攪拌により水中に分散させる方法、 又はポリマー中に親水性基、 例えば、 ポリエチレングリコールやカルボキシル基 等を導入させたウレタンプレボリマーを水に溶解あるいは分散させた後、 鎖伸長 剤を添加して反応させる方法等がある。
(ポリイソシァネート成分)
水系ポリウレタン樹脂 (C ) の製造に用いられるポリイソシァネート成分には、 芳香族ポリイソシァネート (例えば、 m—フエ二レンジイソシァネート、 p—フ ト、 2 , 4—トリレンジイソシァネート、 2 , 6 _トリ
ジフエニルメタン一 4, 4 ' —ジイソシァネー卜、 1, 5 _ナフ夕レンジィソシァネートなどのジィソシァネート、 トリフエニルメタン トリイソシァネートなどのポリイソシァネート等) 、 芳香脂肪族ポリイソシァネ —ト (例えば、 1, 3—キシリレンジイソシァネート、 1 , 4 _キシリレンジィ ソシァネート、 テトラメチルキシリレンジイソシァネートなどのジィソシァネ一 ト、 1, 3 , 5 _トリイソシァネートメチルベンゼン等のポリイソシァネート 等) 、 脂環式ボリイソシァネート (例えば、 イソホロンジイソシァネート、 ジシ クロへキシルメタン一 4, 4 ' —ジイソシァネート、 シクロへキサン一 1, 4— ジイソシァネート等のジイソシァネート、 1, 3, 5—卜リイソシァネートシク 口へキサンなどのポリイソシァネート等) 、 脂肪族ポリイソシァネート (例えば、
1, 6—へキサメチレンジイソシァネート、 2, 2, 4一トリメチルへキサメチ レンジイソシァネート、 リジンジィソシァネート等の脂肪族ジイソシァネート、 1, 3 , 6 —へキサメチレン卜リイソシァネートなどの脂肪族ポリイソシァネー ト等) 等が含まれるが、 ポリイソシァネート成分としては、 ジイソシァネ一ト成 分を用いる場合が多い。
また、 ポリイソシァネート成分は、 多価アルコールにポリイソシァネート化合 物が付加し、 末端にイソシァネート基を有するァダクト体、 ビュレット反応によ り生成したシァヌレート体、 二量体、 三量体であってもよい。
なお、 ポリイソシァネート成分は一種で使用できる他、 二種以上組み合わせて 使用することもできる。
(ポリオール成分)
水系ポリウレタン樹脂 (C ) を構成するポリオール成分としては、 ポリエステ ルポリオ一ル、 ポリエーテルポリオール (例えば、 ポリオキシテトラメチレング リコール等のォキシ一 C 2-4アルキレンを有するポリエーテルジオール等) 、 ポリ カーボネートポリオール (例えば、 ポリカーボネートジオール等) 等が挙げられ る。 ポリエステルポリオールは、 多価アルコールと、 多価カルボン酸又はその低 級アルキルエステル若しくは酸無水物との反応により得られる、 ヒドロキシル基 を有するポリエステルであり、 ラクトンから誘導されたものであってもよい。 ポ リオール成分としては、 ジオール成分 (例えば、 ポリエステルジォ一ル等) が好 ましく使用される。
なお、 ポリオール成分は、 一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
上記ポリオール成分としてのポリエステルポリオールを調製するための多価ァ ルコールには、 脂肪族多価アルコール (例えばエチレングリコール、 卜リメチレ ングリコール、 プロピレングリコール、 1 , 3—ブタンジオール、 テトラメチレ ングリコール、 へキサメチレングリコール、 ネオペンチルグリコール等の C 2 - 1 0 アルキレンジオール、 ジエチレングリコール、 トリエチレングリコール等のポリ ォキシ一 C 2 4アルキレングリコール、 トリメチロールプロパン、 ペン夕エリスリ
トール等のポリオ一ル等) 、 脂環式多価アルコール (例えば 1 , 4ーシクロへキ サンジメチロール、 水素化ビスフエノール A等の脂環式ジオール等) 、 芳香族多 価アルコール [例えば、 2 , 2—ビス (2—ヒドロキシェチルフエニル) プロパ ンの芳香族ジオール等] 等が含まれるが、 多価アルコールとしては、 通常、 脂肪 族ジオールが使用される。
なお、 多価アルコールは、 一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(ポリエステルポリオール用多価カルボン酸)
一方、 上記ポリエステルポリオールを調製するための多価カルボン酸としては、 脂肪族多価カルボン酸 (例えばアジピン酸、 スベリン酸、 ァゼライン酸、 セバシ ン酸、 ドデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、 マレイン酸等の不飽 和脂肪族ジカルボン酸等) 、 脂環族多価カルボン酸 (例えば 1 , 4ーシクロへキ サンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等) 、 芳香族多価カルボン酸 (例えば、 フタル酸、 テレフタル酸、 イソフ夕ル酸、 1, 5 —ナフ夕レンジカルボン酸等の 芳香族ジカルボン酸、 トリメリッ卜酸等の芳香族多価カルボン酸等) 等が例示で きる。 多価カルボン酸は、 単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
更に、 上記ポリエステルポリオールをラクトンから誘導することができるが、 該ラクトンには、 プチロラクトン、 ノ レロラクトン、 力プロラクトンなどが含ま れ、 これらのうちの一種又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、 必要により、 ポリオール成分の一部として短鎖ポリオール (例えば、 前 記脂肪族多価アルコール等) を用いてもよい。
(鎖伸長剤)
水系ポリウレタン樹脂 (C ) の製造に使用される前記鎖伸長剤としてはポリア ミン成分があるが、 ポリアミンとしては、 エチレンジァミン、 トリメチレンジァ ミン、 テ卜ラメチレンジァミン、 ペンタメチレンジァミン、 1 , 7—ジァミノへ ブタン、 1 , 8—ジァミノオクタン、 キシリレンジァミン、 1, 4ージアミノシ クロへキサンイソホロンジァミン、 フエ二レンジァミンなどのジァミン類、 トリ ァミノプロパンなどのポリアミン類が挙げられる。
このような原料、 製造方法により得られるポリウレタン樹脂は、 その 1種を単 独で使用してもよいが、 複数種のポリウレタン樹脂を併用してもよい。 更に必要 に応じて、 他の樹脂や添加剤を配合することもできる。 なお、 本発明の第 ΠΙに用いられるポリウレタン樹脂組成物 (C 1) としては、 上記の水系ポリウレタン樹脂 (C) の外に、 更に、 下記のポリウレタン系グラフ ト重合体混合物 (D) 及び/又はポリエステル系グラフト重合体混合物(E)を含 む組成物であってもよい。
[ポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D) ]
更に、 改質剤 (R) としてポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D) を用い てもよい。 例えば、 グラフト用水系ポリウレタン (d,) と、 グラフト用酢酸ビニ ル系共重合体のケン化物 (d2) とを混合した水溶液又は水分散液中で親水性ラジ カル重合性ビニル単量体 (d3) と共重合可能な他のラジカル重合性ビニル単量体 (d4) を重合した組成物が挙げられる。
上記のグラフト用水系ポリウレタン (d!) として使用できるものは、 前記水系 ポリウレタン樹脂の説明において例示した水系ポリウレタン樹脂 (C) が好まし く使用できる。
グラフト用酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (d2) として使用できるものは、 前記酢酸ビニル系共重合体のケン化物の説明において例示した酢酸ビニル系共重 合体のケン化物 (B) が好ましく使用できる。
親水性ラジカル重合性ビニル単量体 (d3) として使用できるものは、 前記カチ オン性ァクリル共重合体の説明において例示したポリアルキレンォキサイド側鎖 及び架橋性基を含有する親水性基含有単量体が好ましく使用できる。
他のラジカル重合性ビニル単量体 (d4) として使用できるものは、 前記カチォ ン性アクリル共重合体の説明において例示した非イオン性単量体が好ましく使用 できる。
(Dの構成成分の割合)
水系ポリウレタン(d i )と酢酸ビニル系共重合体のケン化物(d 2)とラジカル重 合性ビニル単量体(d 3)及び(d 4)の割合は特に限定されるものではないが、 固形 分比にして水系ポリウレタン(d 1 0 0重量部に対して、 酢酸ビニル系共重合体 のケン化物(d 2)が好ましくは 1 0〜 5 0 0重量部、 更に好ましくは 2 0〜3 0 0 重量部であり、 ラジカル重合性ビニル単量体(d 3)は、 2種の合計(d 3) + ( d 4)が 好ましくは 1 0〜 5 0 0重量部、 更に好ましくは 2 0〜3 0 0重量部である。 この場合、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物(d 2)が 1 0重量部未満では画像の 鮮明性、 インキ吸収性が不充分になるし、 5 0 0重量部を超えるとポリエステル フィルムとか合成紙への密着性、 耐水性、 耐ブロッキング性が低下する。 またラ ジカル重合性ビニル単量体(d 3)及び(d 4)が 1 0重量部未満ではィンキ吸収性が 不良となる傾向を有し、 5 0 0重量部を超えると耐水性が低下傾向になるばかり 力 プラスチックフィルム、 合成紙等の基材への密着性も低下し易くなる。
(Dの重合方法)
ポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D ) は上記水系ポリウレタン(d i )と 酢酸ビニル系共重合体のケン化物(d 2)に親水性のラジカル重合性ビニル単量体 ( d 3) 1 0 0〜6 0重量%と共重合可能な他のラジカル重合性ビニル単量体(d 4) 0〜4 0重量% (好ましくは 9 5〜6 0 : 5〜4 0重量%) の割合で添加し、 グ ラフト重合して得られる。 親水性ピニルモノマー(d 3)が 6 0重量%以下になると 水性インキの吸収性が悪くなる。
ポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D ) を得るための重合方法としては、 従来公知の方法を用いることができる。 例えば、 上記水系ポリウレタン(d i )と 酢酸ビニル系共重合体のケン化物(d 2)の水分散液中に、 重合開始剤と必要に応じ て少量の乳化分散剤を添加し、 7 0〜8 0 °Cに保ちながらラジカル重合性ビニル 単量体(d 3)及び(d 4)を攪拌しながら徐々に添加し、 その後 2〜 5時間熟成して 重合を完結し、 ポリウレタン系グラフ卜重合体混合物 (D ) を得る方法が挙げら れる。 親水性ラジカル重合性ビニル単量体(d 3)は水系ポリウレタン((h)及び酢酸 ビニル系共重合体のケン化物(d 2)にグラフ卜重合しているため、 ポリウレタン系
グラフト重合体混合物 (D ) は水性インキの吸収性に優れるとともに、 ポリウレ タン樹脂の特徴である密着性、 耐水性、 透明性、 強靱性等の性質を合わせ持って いる。
(Dの重合開始剤)
重合開始剤としては、 一般的なラジカル重合開始剤、 例えば、 ァゾ化合物 [ァ ゾビスイソブチロニトリル、 2, 2—ァゾビス (2, 4—ジメチルバレロニトリ ル) 、 ァゾビスシァノ吉草酸、 2 , 2—ァゾビス (2—アミジノプロパン) ハイ ドロクロライド、 2, 2—ァゾビス (2—アミジノプロパン) アセテート等] 、 無機過酸化物 (過硫酸カリウム、 過硫酸ナトリウム、 過硫酸アンモニゥム等の過 硫酸塩、 過酸化水素) 、 有機過酸化物 〔過酸化べンゾィル、 ジー t 一ブチルパー オキサイド、 クメンヒドロパーオキサイド、 ジ (2—エトキシェチル) パーォキ シジカーボネート〕 及びレドックス触媒 〔亜硫酸塩若しくは重亜硫酸塩 (アル力 リ金属塩、 アンモニゥム塩等) 等〕 、 Lーァスコルビン酸、 エリソルビン酸等の 還元剤と、 過硫酸塩 (アルカリ金属塩、 アンモニゥム塩等) 、 過酸化物等の酸化 剤が例示できる。 重合開始剤は単独で又は 2種以上組み合わせて使用できる。
(Dの添加剤)
以上のようにして得られるポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D ) には、 必要に応じてエポキシ樹脂、 ァミノ樹脂、 アクリル系樹脂、 ポリウレタン系樹脂、 ポリエステル系樹脂、 デンプン、 ポリアミン系樹脂等の樹脂成分、 イソシァネー 卜系化合物、 エポキシ系化合物、 カルポジイミド、 シランカップリング剤等の架 橋剤、 シリカ、 タルク、 カオリンクレー、 炭酸カルシュゥム、 雲母等の無機フィ ラー、 無機顔料や有機顔料、 造膜助剤、 増粘剤、 レべリング剤、 ブロッキング防 止剤、 帯電防止剤、 紫外線吸収剤、 抗酸化剤等従来公知の添加剤を添加すること ができる。
[水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1) ]
本発明に使用する水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1) は、 公知の製造技術によ りジカルボン酸とジオールとを重縮合エステル化 (又はエステル交換) させるこ
とによって製造されるが、 その製造方法についてはなんら限定されるものではな い。
( E 1のジカルボン酸成分)
ジカルボン酸成分としては、 テレフタル酸、 イソフタル酸、 フ夕ル酸、 ナフ夕 リンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸又はそのエステルを主体とするこ とが好ましい。 これは、 芳香族ジカルボン酸の芳香核が、 疎水性のプラスチック と親和性が大きいために密着性が向上する利点があるからである。 特にテレフ夕 ル酸を用いた水性ポリエステルはポリエチレンテレフ夕レート系ポリエステルの 成型物に対して密着性が大きく、 好ましい水系ポリエステルである。
水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1 ) を構成するジカルボン酸成分としては、 上 記のような芳香族ジカルポン酸、 又はそのエステルを使用することが好ましいが、 これら以外にアジピン酸、 コハク酸、 セバチン酸、 ドデカン二酸のような脂肪族 ジカルボン酸、 ヒドロキシ安息香酸のようなヒドロキシカルボン酸又はこれらの エステルを、 ジカルボン酸成分としてもしくはその一部として使用することもで きる。 エステルを使用する場合には、 メチルエステル、 ェチルエステル等の低級 アルキルエステルが使用される。 これらのエステルはモノエステルでもジエステ ルでも差支えない。
( E 1のジオール成分)
一方、 ジオール成分としては、 エチレングリコール、 プロピレングリコール、 1, 4—ブタンジオール、 1 , 6—へキサンジオール、 ネオペンチルダリコール、 シクロへキサンジメタノール、 ビスフエノール類が使用される。
( E 1の親水基導入)
本発明に使用する水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1) は、 水溶性あるいは水分 散性を付与するために分子中に親水基としてスルホン酸塩基あるいはカルボン酸 塩基を含有するように重合される。
スルホン酸塩基を含有させるための具体例としては 5—ナトリウムスルホイソ フ夕ル酸等のジカルボン酸成分をジカルボン酸成分の一部として用いる方法が挙
げられる。 その使用量はジカルボン酸成分中に 2〜 1 5モル%が好ましい。
カルボン酸塩基を含有させるための具体例としては、 水系ポリエステル樹脂組 成物 (E 1) の製造時に縮合酸成分として 3官能以上の多価カルボン酸を使用した り、 ポリエステル樹脂に重合性の不飽和カルボン酸をグラフトする方法などによ りカルボン酸含有の水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1) を作製し、 アルカリ金属、 各種アミン類、 アンモニゥム系化合物等とともに水溶性塩を形成する物質との塩 類とする方法が挙げられる。 水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1) 中のカルボン酸 塩の量は、 生成した水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1) の酸価が 1 5〜 2 5 0 K 〇Hm g / gの間が好ましい。
水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1 ) に使用するポリエステルは、 分子量が 4, 0 0 0〜3 0 , 0 0 0であるが、 この際分子量が 4 , 0 0 0未満では耐水性、 耐 ブロッキング性、 密着性等の樹脂物性が低下し易く、 3 0, 0 0 0を超えると水 への均一な溶解もしくは分散が難しく、 時間の経過とともにゲル化する傾向があ る。 ことに分子量が 5, 0 0 0〜2 5, 0 0 0のものが好ましい。
水性ポリエステル樹脂組成物 (E 1) は水溶液あるいは水分散液にされるがその 手段は、 スルホン酸塩含有水系ポリエステル樹脂組成物 (E 1) の場合は、 攪拌下 に好ましくは 5 0〜9 0 °Cの温水に溶解もしくは分散させる。 この場合樹脂の溶 解もしくは分散を容易にするために水溶性有機溶剤を併用してもよい。
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤としては、 低級アルコール類、 多価アルコール類及びそのアル キルエーテル又はアルキルエステル類などが挙げられ、 具体的には、 メタノール、 エタノール、 ノルマルプロパノール、 イソプロパノール等の低級アルコール類、 エチレングリコール、 プロピレングリコ一ル、 ジエチレングリコール、 ジプロピ レングリコール、 グリセリン等の多価アルコール、 エチレングリコールモノメチ ルエーテル、 エチレングリコールモノェチルエーテル、 プロピレングリコールモ ノメチルエーテル、 プロピレングリコ一ルモノエチルエーテル、 プロピレングリ コールアセテート、 ジエチレングリコールモノメチルエーテル、 ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル等が使用できる。 又、 カルボン酸塩含有ポリエステ ル樹脂の場合は、 アンモニア水、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 各種アミ ン類等のアルカリ性化合物を添加した好ましくは 50〜90°Cの温水に、 攪拌下 に溶解もしくは分散させる。 この場合も上記水溶性有機溶剤を併用してもよい。 このようにして得られる水系ポリエステル樹脂組成物 (E1) は単独で使用して もよいし、 複数の水系ポリエステル樹脂組成物 (E1) を組み合わせて用いてもよ レ^ 必要に応じて、 他の樹脂や添加剤を配合することもできる。
[ポリエステル系グラフト重合体混合物 (E) ]
更に、 改質剤 (R) としてポリエステル系グラフ卜重合体混合物 (E) を用い てもよい。 例えば、 グラフ卜用水系ポリエステル樹脂 (e !) と、 グラフ卜用酢酸 ビニル系共重合体のケン化物 (e2) とを混合した水溶液又は水分散液中で、 親水 性ラジカル重合性ビニル単量体 (e3) と共重合可能な他のラジカル重合性ビニル 単量体 (e4) を重合した組成物である。
上記のグラフト用水系ポリエステル樹脂 (e として使用できるものは、 前記 水系ポリエステル樹脂組成物の説明において例示した水系ポリエステル樹脂組成 物 (E1) が好ましく使用できる。
グラフト用酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (e2) として使用できるものは、 前記酢酸ビニル系共重合体のケン化物の説明において例示した酢酸ビニル系共重 合体のケン化物 (B) が好ましく使用できる。
親水性ラジカル重合性ビニル単量体 (e3) として使用できるものは、 前記カチ オン性 (メタ) アクリル共重合体の説明において例示したポリアルキレンォキサ イド基含有単量体等からなる親水性基含有単量体 (a2) が好ましく使用できる。 又、 他のラジカル重合性ビニル単量体 (e 4) として使用できるものは、 前記力 チオン性 (メタ) アクリル共重合体の説明において例示した非イオン性単量体
(a. が好ましく使用できる。
ポリエステル系グラフト重合体混合物 (E) は、 上記グラフ卜用水系ポリエス テル樹脂 (e とグラフト用酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (e 2) とを混合し
た水溶液または水分散液中で、 親水性ラジカル重合性ビニル単量体 (e3) 100 〜 60重量%と他の共重合可能なラジカル重合性ビニル単量体 (e^ 0〜40重 量%をグラフト重合して得られる。 親水性ラジカル重合性ビニル単量体 (e3) が 60重量%以下になると水性ィンキの吸収性が悪くなる。
(Eの単量体構成割合)
水系ポリエステル樹脂 (e と酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (e2) とラジ カル重合性ビニル単量体 〔 (e 3) + (e4) 〕 の割合は、 固形分比にして水系ポ リエステル樹脂 (e 1 ) 100重量部に対して酢酸ビニル系共重合体ケン化物
(e 2) が 10〜500重量部、 好ましくは 20〜300重量部であり、 ラジカル 重合性ビニル単量体 ( e 3) が 10〜 500重量部、 好ましくは 20〜 300重量 部である。 酢酸ビニル系共重合体ケン化物が 10重量部未満では画像の鮮明性、 インキ吸収性が低下しやすく、 500重量部を超えると、 基材のポリエステルフ イルム等プラスチックフィルム ·合成紙への密着性が不良となる。 またラジカル 重合性ビニル単量体 (e3) が 10重量部未満ではインキ吸収性が不良となるし、 500重量部超えると耐水性が不良となるばかりか、 プラスチックフィルム等の 基材への密着性も低下する傾向が出る。
(Eの重合方法)
ポリエステル系グラフ卜重合体混合物 (E) を得るための重合方法としては、 従来公知の方法を用いることができる。 例えば、 グラフト用水系ポリエステル樹 脂 (e とグラフト用酢酸ビニル系共重合体ゲン化物 (e 2) の水溶液 Z水分散 液中に重合開始剤と必要に応じて少量の乳化分散剤を添加し、 70〜80°Cに保 ちながら親水性ラジカル重合性ビニル単量体 (e3) を攪袢しながら徐々に添加し、 その後 2〜5時間熟成して重合を完結し該重合体混合物 (E) を得る方法が挙げ られる。
親水性ラジカル重合性ビニル単量体 (e3) は水系ポリエステル樹脂 (e ) 及 び酢酸ビニル系共重合体ゲン化物 (e2) にグラフト重合しているため、 このポリ エステル系グラフト重合体混合物 (E) は水性インキの吸収性に優れるとともに
ポリエステル樹脂の特徴である密着性、 耐水性、 強靭性等の性質も合わせ持って いる。
( Eの重合開始剤)
重合開始剤としては、 一般的なラジカル重合開始剤、 例えば、 前記ポリウレタ ン系グラフト重合体混合物 (D ) に例示した重合開始剤が使用できる。
( Eの添加剤)
得られるポリエステル系重合体混合物には、 必要に応じて、 前記ポリウレタン 系グラフト重合体混合物 (D ) の説明で例示した添加剤が、 同様に使用できる。
[ブロックイソシァネート化合物 (F ) ]
本発明の第 HIに係るブロックイソシァネート化合物 (F ) は、 イソシァネート 化合物とブロック剤とを常法により、 フリーのイソシァネート基がなくなるまで 反応させて得られるものである。
ポリイソシァネート化合物として使用できるものは、 前記水系ポリウレタン樹 脂 )の説明において例示したイソシァネート化合物が好ましく使用できる。 ブロック剤としては、 公知のものを使用することができ、 例えば、 メチルェチ ルケトォキシム、 ァセトキシム、 シクロへキサノンォキシム、 ァセトフエノンォ キシ厶、 ベンゾフエノンォキシムなどのォキシム類; m—クレゾール、 キシレノ ールなどのフエノール類; メタノール、 エタノール、 ブ夕ノール、 2—ェチルへ キサノール、 シクロへキサノール、 エチレングリコールモノェチルエーテルなど のアルコール類; £一力プロラクタムなどのラクタム類、 マロン酸ジェチル、 ァ セト酢酸エステルなどのジケトン類;チォフエノールなどのメルカブタン類など が挙げられる。 その他、 チォ尿素などの尿素類;イミダゾール類;カルバミン酸 類など多数がある。
ブロックイソシァネート化合物は市販されており、 例えば、 デスモジュールシ リーズ (住友バイエルウレタン (株) ) バーノック Dシリーズ (大日本インキ化 学工業 (株) ) 、 タケネート Bシリーズ (武田薬品ェ (株) ) 、 アクアネート 2 0 0シリーズ (日本ポリウレタン工業 (株) ) 、 エラストロン B Nシリーズ (第
一工業製薬 (株) ) などが入手できる。 ォキシムまたはラクタムでブロックした ィソシァネート化合物が好ましい。
[インクジエツト記録シート用樹脂組成物の配合]
本発明の第 I〜! IIに係るインクジエツ卜記録シート用樹脂組成物は、 前記のご とく架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体(Α-Ι〜Α-ΠΙ)、 重合度が 200 〜 1, 000の酢酸ビニル系共重合体のゲン化物(Β)、 更に下記所定条件の下に、 改質材 (R) を配合する。 ここで、 改質材 (R) は 0〜80重量%、 好ましく 5 〜60重量%、 より好ましくは 5〜65重量%である。 又、 改質材 (R) は前記 の好ましい態様をとることができる。 例えば、 改質材 (R) が、 さらに下記所定 条件の下に、 水系ポリウレタン樹脂(C)、 ポリウレタン系グラフト重合体混合物 (D)及びポリエステル系グラフト重合体混合物(E)から構成され、 インクジエツ ト記録シート用樹脂組成物合計 100重量%中、 (Α-Ι〜Α- ΠΙ)は 2〜80重量 %、 好ましくは 5〜 50重量%で、 (B) は 5〜80重量%、 好ましくは 15〜 70重量%で、 (C) は (η, δ 0) 重量%、 好ましくは (!^〜 0) 重量% で、 (D) は (η2〜60) 重量%、 好ましくは (η2〜50) 重量%で、 (Ε) は (η3〜60) 重量%で配合される。 ここに η η2及び η3は最小値は各々 0 重量%であるが、 (r^ + nz+ns) は≥5重量%、 好ましくは 10重量%以上で ある。
上記(A- I〜Α- ΠΙ)は 2〜 80重量%の範囲外ではィンク定着性、 耐水性、 印 刷画質が低下し、 (B) は 5〜80重量%の範囲外ではインク吸収性が低下し、 さらに上記所定条件の下に、 (C) は (n]〜80) 重量%の範囲外では耐水性、 基材への密着性が低下し、 (D) 及び (E) は両者共に、 (n2〜60) 重量%の 範囲外では耐水性、 インク吸収性、 印刷画質が低下する。
(2) 本発明の第] V〜Vの発明に係る記録用樹脂組成物
以下、 本発明の第 IV〜第 Vに係るインクジエツト記録用樹脂組成物について説 明する。
本発明の第 IVに係るインクジエツ卜記録シート用樹脂組成物は、 ポリアルキレ ンオキサイド基を有する単量体 (a 、 親水性基含単量体 (a2) 、 架橋性基含 有単量体 (a3) 、 及びカチオン性単量体 (a を含む単量体を共重合させて得 られるカチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- IV) 2~100重量%、 酢酸ビ 二ル系共重合体のケン化物 (B) 0〜90重量%、 改質剤 (R) を 0〜80重量 %配合してなるものである。
本発明の第 IVに係る記録シート用樹脂組成物の好ましい態様としては、 カチォ ン性 (メタ) アクリル共重合体 (A-IV) 5〜80重量%、 酢酸ビニル系共重合体 のケン化物 (B) 15〜80重量%、 改質剤 (R) 5〜60重量%である樹脂組 成物を挙げることができる。
また、 本発明の第 Vに係るインクジェット記録シート用樹脂組成物は、 カチォ ン性 (メタ) アクリル共重合体 (A - V) 70〜100重量%、 酢酸ビニル系共重 合体のケン化物 (B) 0〜30重量% (これらの合計は 100重量%) 、 及び
(A-V) と (B) との合計 100重量部に対して改質剤 (R) を 0〜1 5重量部 配合してなるものである。 ここで、 各成分の構成比率は全て固形分換算で表され ている。
本発明の第 IV及び第 Vにおいて、 記録シー卜用樹脂組成物を構成する各成分の 比率は、 インク吸収性、 耐水性、 印刷画質、 光沢性、 耐ロール跡付着性などを損 なわない範囲で選択できる。
因みに、 ポリアルキレンオキサイド基を有する (メタ) ァクリレート単量体 (a , 親水性基含有単量体 (a2) 、 架橋性基含有単量体 (a3) 、 及びカチォ ン性単量体 (a4) を含む単量体を共重合させて得られるカチオン性 (メタ) ァク リル共重合体(A- IV又は A-V)はインク定着性、 耐水性、 インク吸収性、 印刷画 質に影響し、 酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (B) はインク吸収性、 ギザロール 跡付着性に影響し、 酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (B) の重合度はビーディン グ等の印刷画質に影響し、 改質剤 (R) は耐水性、 基材への密着性、 ビーディン グ等の印刷画質に影響を与える。
本発明に係る組成物における各成分の前記組成比は、 これらを考慮して各性能 を高いレベルでバランスさせることを可能にしている。
本発明に係るィンクジエツ卜記録シー卜用樹脂組成物の前記 3種類の構成成分 間の構成比と、 該組成物を受像層材として使用した場合の記録シートの特性との 関係について第 Vの発明を代表して説明する。
カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- V) と酢酸ビニル系共重合体ケン化 物 (B) の配合比は (70〜100重量%) / (0〜30重量%) (両者の合計 は 100重量%) であるが、 (B) が 30重量%を超えるとインク吸収性は上が るが、 (B) はインクの吸収により軟化する傾向があるので、 ギザロール跡が付 着し易くなり、 好ましくない。 一方、 (A- V) はインクを吸収しても軟化の度合 いが小さいので、 ギザロール跡が付着しない特性を有する。 なお、 (A-V) 以外 の一般のカチオン性 (メタ) アクリル共重合体はインク吸収性は低いが、 本発明 に係る (A- V) はポリアルキレンオキサイド基を有する単量体 (a,) 及び親水 性基含有単量体 (a2) を構成モノマーとして使用しているので、 比較的高いイン ク吸収性があり、 良好な印刷画像が得られる。
改質材 (R) は、 (A-V) と (B) の合計 100重量部に対して、 0〜15重 量部なる比で配合されるが、 1 5重量部を超えて多くなると、 受像層のインク吸 収性等が低下しやすくなり、 画質に影響が出る傾向が生ずる。
従って、 本発明の第 Vに係るインクジエツト記録シート用樹脂組成物の組成比 は、 上記のように問題となる各種影響、 傾向を考慮すれば、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- V) 70〜100重量%、 酢酸ビニル系共重合体のケン化 物 (B) 0〜30重量% (両者の合計は 100重量%) 、 (A-V) と (B) との 合計 100重量部に対して改質剤 (R) 0. 2〜10重量部なる配合がより好ま しい力;、 更に好ましくは (A-V) 75〜95重量%、 (B) 5〜25重量%、
(A-V) と (B) との合計 100重量部に対して (R) 0. 5〜5重量部なる配 合比である。
(A-IV〜A-Vを構成する単量体)
カチオン性 (メタ) アクリル共重合体(A-IV〜A-V)を構成するポリアルキレ ンオキサイド基 (ポリオキシアルキレン基) を有する単量体 (a i ) としては、 ポ リアルキレンオキサイド基を有し、 下記の親水性基含有単量体 (a 2) 、 架橋性基 含有単量体 (a 3 ) 、 カチオン性単量体 (a 4) 又は非イオン性単量体 (a 5) との 共重合可能な単量体で、 モノ、 ジ、 トリ、 あるいはポリアルキレングリコールと (メタ) アクリル酸とのモノエステルなどポリアルキレンオキサイド基含有 (メ 夕) ァクリレート単量体が例示できる。
これらのモノ、 ジ、 トリ、 あるいはポリアルキレングリコールとしては、 例え ば、 酢酸ビニル系共重合体のゲン化物 (B ) の構成成分の説明において例示した ォキシアルキレン基を有するビニルモノマーなどが好ましく使用できる。
これらのうち、 好ましいモノマーには、 ォキシアルキレン基がォキシエチレン 基であるビニル単量体である (メタ) ァクリレート、 特にポリオキシアルキレン (メタ) ァリルエーテル (なかでもポリオキシエチレンァリルエーテル) が含ま れる。 これらのビニルモノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 これらの単量体のアルキレンォキサイド基の構造式は、 一般式: 一 [ ( C H R つ n—〇] m— R 2で示される。
[但し、 式中の R 1は水素原子、 メチル基又は水酸基を示し、 R 2は水素原子又は メチル基を示し、 nは 1〜 5、 mは 1〜2 0の数を示し、 n、 m個の R 1は互いに 同一又は異なっていてもよい。 ]
一般式において、 nが 5を超えると、 インク吸収性が低下し、 mが 2 0を超え るとベ夕ツキが激しくなり好ましくない。 更に好ましい範囲としては nが 2〜 3、 mが 2〜 9である。
カチオン性 (メタ) アクリル共重合体(A-IV〜A-V)を構成する上記の親水性 基含有単量体 (a 2) としては、 前記架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共 重合体 (Α- Ι〜Α-ΙΠ) の説明において例示した親水性基含有単量体が同様に使 用できる。
上記単量体のうち、 好ましいものとしてはカルボキシル基含有単量体 [ (メ
夕) アクリル酸等] 、 水酸基含有単量体 [ (メタ) アクリル酸 2—ヒドロキシェ チル、 (メタ) アクリル酸 2—ヒドロキシプロピル等] が挙げられる。
カチオン性 (メ夕) アクリル共重合体(A- IV〜A- V)に使用される上記の架橋 性基含有単量体 (a 3) としては、 前記架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル 共重合体 (Α- Ι 〜Α- ΠΙ) の説明において例示した架橋性基含有単量体が同様に 使用できる。
これら単量体の内、 好ましい架橋性基含有単量体は、 加水分解縮合性基、 特に アルコキシシリル基 (メトキシシリル基, エトキシシリル基などの C , -4 アルコ キシシリル基など) を有している単量体である。
カチオン性 (メタ) アクリル共重合体(A-IV〜A- V)を構成する上記のカチォ ン性単量体 (a 4) としては、 前記架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重 合体 (A- ]:〜 A- m ) の説明において例示したカチオン性単量体が同様に使用で さる。
これらの単量体は、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体(A- 1V〜A- V)を構 成する単量体として、 通常、 上記各種単量体に、 成膜性や被膜特性を調製するた め非イオン性単量体 (a 5 ) と組み合わせて使用される。
非イオン性単量体 (a 5) として使用されるものは、 前記架橋性基含有カチオン 性アクリル共重合体 (Α- Ι 〜Α-ΠΙ) の説明において例示した非イオン性単量体 が好ましく使用できる。
上記非イオン性単量体 (a 5) としては、 通常、 (メタ) アクリル酸 C , - 1 8アル キルエステル [特にアクリル酸じ2 。アルキルエステルゃメタクリル酸 アル キルエステル] 、 芳香族ビニル類 [特にスチレン] 、 ビニルエステル類 [特に酢 酸ビニル] が使用される。 これらの非イオン性単量体 (a 5) も単独で又は二種以 上組み合わせて使用できる。
本発明の第 IVに於いて、 前記カチオン性単量体 (a 4) , 架橋性基含有単量体 ( a 3) の使用量は、 耐水性及びインク吸収性を損なわない範囲で選択でき、 カチ オン性単量体 (a 4) は、 好ましくはカチオン性アクリル共重合体 (A-IV) を構
成するすべての単量体に対して 0. 1〜50重量%、 (例えば、 1〜45重量 %) 、 更に好ましくは 0. 5〜40重量% (例えば、 2〜3 5重量%) 、 特に好 ましくは 1〜30重量% (例えば、 3〜2 5重量%) 程度であり、 通常、 2〜2 5重量%程度である。 また、 架橋性基含有単量体 (a 3) の量は、 好ましくは単量 体全体の 0. 1〜2 5重量%、 更に好ましくは 0. 2〜20重量%、 特に好まし くは 0. 5〜 1 5重量%程度であり、 通常、 0. 3〜 1 0重量%程度である。
(A- IV〜A-Vの単量体の割合)
前記各単量体を組み合わせる場合、 各単量体の割合は、 (A-IV〜A- V)を構成 する前記 (a 〜 (a5) の各成分の好ましい範囲を考慮して選択できる。
好ましいカチオン性アクリル共重合体(A-IV)の態様として、 ポリアルキレンォ キサイド基を有する単量体 (a ) は、 好ましくは 0. 1〜40重量%、 更に好ま しくは 3〜3 5重量%、 特に好ましくは 5〜30重量%、 親水性基含有単量体
(a 2) は、 好ましくは 0. 1〜50重量%、 更に好ましくは 2〜45重量%、 特 に好ましくは 5〜40重量%、 架橋性基含有単量体 (a 3) は、 好ましくは 0. 5 〜20重量%、 更に好ましくは 1〜1 5重量%、 特に好ましくは 2〜1 0重量%、 カチオン性単量体 (a 4) は、 好ましくは 1〜40重量%、 更に好ましくは 3〜 3 5重量%、 特に好ましくは 5〜30重量%、 ハードモノマー (a 6) は、 好ましく は 1 0〜60重量%、 更に好ましくは 20〜 5 5重量%、 特に好ましくは 25〜 50重量%、 ソフトモノマー (a?) は、 好ましくは 1 0〜60重量%、 更に好ま しくは 1 5〜 50重量%、 特に好ましくは 20〜45重量%である。
好ましいカチオン性アクリル共重合体(A-V)の態様として、 ポリアルキレンォ キサイド基含有 (メタ) ァクリレート単量体 (a!) 、 好ましくは 8〜40重量%、 更に好ましくは 1 2〜30重量%、 特に好ましくは 1 5〜25重量%、 親水性基 含有単量体 (a2) 、 好ましくは 1〜30重量%、 更に好ましくは 2〜20重量%、 特に好ましくは 4〜1 5重量%、 架橋性基含有単量体 (a3) 、 好ましくは 0. 2 〜1 0重量%、 更に好ましくは 0. 4〜6重量%、 特に好ましくは 0. 7〜3重 量%、 カチオン性単量体 (a4) 、 好ましくは 1 0〜50重量%、 更に好ましくは
20〜40重量%、 特に好ましくは 25〜 35重量%、 非イオン性単量体 (a5) の含有量は 10〜80重量%、 更に好ましくは 20〜70重量%、 特に好ましく は 30〜60重量%である。
カチオン性 (メタ) アクリル共重合体(A-IV〜A-V)の重量平均分子量は、 特 に限定されるものではないが、 好ましくは、 0. 2 X 1 04〜 1 0 0 X 1 04、 更 に好ましくは 1 X 104〜50 X 104の範囲から選択できるカチオン性アクリル 共重合体(A- IV〜A-V)を挙げることができる。 0. 2 X 104未満では低分子量 成分が増えてベ夕ツキの原因となる。 一方、 100 X 104を越えると粘度が高く なり、 生産上不都合が生じる。
(A- IV〜A-Vのガラス転移温度)
カチオン性 (メタ) アクリル共重合体(A-IV〜A-V)のガラス転移温度は、 成 膜性などを損なわない範囲で選択でき、 好ましくは、 例えば、 一 20〜50で、 更に好ましくは— 10〜40° (:、 特に好ましくは 0〜30 程度である。 このよ うなガラス転移温度の重合体は、 前記カチオン性単量体 (a4) 、 架橋性基含有単 量体 (a3) 及びその他の単量体を適宜組み合わせることにより調製できる。 前記 単量体は、 通常、 前記の非イオン性単量体 (a5) であるハードモノマ一 [例えば、
(メタ) アクリル酸メチル, スチレンなどのガラス転移温度 80〜 120°C (特 に 90〜105°C) 程度の単独重合体を形成する単量体] 、 ソフトモノマー [ァ クリル酸 C 2 。アルキルエステルなどのガラス転移温度一 85〜一 10°C (特に -85〜一 20°C) 程度の単独重合体を形成する単量体] と組み合わせて共重合 体を構成する場合が多い。
本発明の第 IV及び第 Vに於いて、 前記単量体類で構成されるカチオン性 (メ 夕) ァクリル共重合体(A-IV〜A-V)の重合様式については特に制限されるもの ではなく、 従って得られる共重合体は、 例えばランダム共重合体、 グラフト共重 合体、 ブロック共重合体等のいずれであってもよい。
(A- IV〜A- Vの重合様式)
カチオン性 (メタ) アクリル共重合体(A- IV〜A- V)の形態は、 有機溶媒溶液、
水溶液などの溶液であってもよいが、 通常、 カチオン性ェマルジヨン (特に水性 ェマルジヨン) の形態である。
このようなカチオン性 (メタ) アクリル共重合体(A-IV〜A- V)を含むカチォ ン性ェマルジヨンは、 慣用の方法、 例えば、 ノニオン系界面活性剤及び Z又は力 チオン系界面活性剤を含む乳化重合系で前記単量体を乳化重合する方法、 前記単 量体を重合した後、 第 3級ァミン塩又は第 4級アンモニゥム塩を形成して水性ェ マルジヨンとする方法等により得ることができる。
カチオン性ェマルジヨンに含まれる重合体粒子の表面電位 (ζ電位) は、 例え ば、 好ましくは + 1 0〜+ 6 0 mV、 更に好ましくは + 1 2〜十 5 5 mV (例え ば、 + 1 5〜+ 5 5 mV) 、 特に好ましくは + 2 0〜+ 5 5 mV程度である。 重 合体粒子の表面電位が小さくなるにつれて、 ィンキの定着性及び耐水性が低下し、 表面電位が大きくなるにつれて、 インキの吸収性が低下する。 重合体粒子の表面 電位 (ζ電位) は、 前記の条件で同様に測定できる。
カチオン性ェマルジョン中の重合体粒子の平均粒子径は、 例えば、 1〜 2 0 0 n m、 好ましくは 3〜1 0 0 n m、 更に好ましくは 5〜 5 0 n m程度である。 このようなカチオン性ァクリル共重合体(A- IV〜A-V)を含むカチオン性エマ ルジョンは、 慣用の方法、 例えば、 ノニオン系界面活性剤および Z又はカチオン 系界面活性剤を含む乳化重合系で前記単量体を乳化重合する方法、 前記単量体を 重合した後、 第 3級ァミン塩又は第 4級アンモニゥム塩を形成して水性ェマルジ ヨンとする方法などにより得ることができる。
[酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) ]
本発明の第 IV及び第 Vにおいて酢酸ビニル系共重合体のケン化物として好まし く使用されるものは、 前記の本発明の第 I〜! IIにおいて説明した酢酸ビニル系共 重合体のケン化物 (B ) が好ましく使用できる。
[改質剤 (R ) ]
本発明の第 IV及び第 Vにおいて改質剤 (R ) として好ましく使用されるものは、 水系ポリウレタン樹脂組成物 (C 1 ) 及び/又は水系ポリエステル樹脂組成物
(El) である。 該水系ポリウレタン樹脂組成物 (C 1) 及び水系ポリエステル樹 脂組成物 (E1) は本発明の第 ΠΙにおける水系ポリウレタン樹脂組成物 (C 1) 及 び水系ポリエステル樹脂組成物 (E1) と同じものである。
(3) 第 VIの発明に係る記録用樹脂組成物
以下、 本発明の第 VIに係る記録用樹脂組成物について説明する。
(加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量体 (A- VI) )
本発明の第 VIにおいては、 インク受像層を構成する組成物 (P) は、 加水分解 性シリル基を有する重合性不飽和単量体(a8)と (メタ) ァクリレー卜系重合性不 飽和単量体(a 9)を含む単量体を共重合してなる、 加水分解性シリル基含有 (メ 夕) ァクリレー卜系共重合体 (A-VI) を主成分の一つとする。
(加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量体( a 8) )
加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量体(a8)としては、 下記一般式 (1 ) で示されるシリル基を有する重合性不飽和単量体が挙げられる。
R1
一 S i— R2 ( 1 )
\
R3
(式中、 R R2 及び R3は互いに同一であっても、 又異なっていてもよく、 ハロ ゲン原子、 アルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基、 アルコキシ基、 ァリ ルォ キン基、 ァシルォキシ基、 ヒドロキシル基、 アミノ基、 アミノォキシ基、 アルキ ルチオ基のいずれかを示す。 )
一般式 (1) で示されるシリル基を構成する R1, R2 及び R3 としては、 上記 各種の基から選ぶことができるが、 通常、 これらのうち少なくとも 1つがハロゲ ン原子、 アルコキシ基又はヒドロキシル基であることが好ましい。
ここに言うハ Πゲン原子には、 フッ素、 塩素、 臭素及びヨウ素が含まれるが、 通常は塩素原子が好適である。
又、 アルキル基としては、 メチル、 ェチル、 プロピル、 プチル、 ペンチル、 へ キシル等の 。アルキル基が好適な基として例示できる。
又、 ァリール基としては、 フエニル基等の C e - !。ァリール基が好適な基として 例示でき、 ァラルキル基としては、 ベンジル基等の C ? - 。ァラルキル基が好適な 基として例示できる。
又、 アルコキシ基としては、 メトキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 イソプロポキ シ、 ブトキシ、 イソブトキシ、 tーブ卜キシ、 ペンチルォキシ、 へキシルォキシ、 ォクチルォキシ、 デシルォキシ、 ドデシルォキシ等の d アルコキシ基が好適 な基として例示できるが、 アルコキシ基がより好ましく、 メトキシ基及び エトキシ基が特に好ましい。 なお、 アルコキシ基には、 たとえば、 メトキシエト キシ基等のアルコキシーアルコキシ基も含まれる。
更にァリールォキシ基としては、 フエノキシ基等の 。ァリールォキシ基が 好適な基として例示でき、 ァシルォキシ基としては、 ァセチルォキシ (ァセトキ シ) 、 プロピオニルォキシ、 プチリルォキシ基等の C 2- 6 ァシルォキシ基が好適 な基として例示できる。
又、 アミノ基としては、 ジメチルァミノ基等の置換基を有していてもよいアミ ノ基も含まれ、 アミノォキシ基としては、 ジメチルァミノォキシ基等の置換基を 有していてもよく、 ジメチルァミノォキシ基、 ジェチルァミノォキシ基が好適な 基として例示できる。
更にアルキルチオ基としては、 メチルチオ、 ェチルチオ基等の C - 6 アルキル チォ基等が好適な基として例示できる。
加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量体(a 8)には、 例えば次のような 単量体が含まれる。
( a ) ハロゲン含有単量体
( a— 1 ) 下記一般式 (2 ) で示される化合物
CH2 = C— S i ( 2 )
\
X3-,
(式中、 R4は. Cい!。アルキル基、 Cs- 1£1ァリール基又は 。ァラルキル基を示 し、 R5は水素原子又はメチル基を示し、 Xはフッ素、 塩素、 臭素又はヨウ素原子 を示し、 aは 0〜2の整数を示す。 )
一般式 (2) で示される化合物の具体例としては、 ビニルトリクロロシラン、 ビニルメチルジクロロシラン、 ビニルジメチルクロロシラン、 ビニルメチルフエ ニルクロロシラン、 イソプロぺニルトリクロロシラン、 イソプロぺニルメチルジ クロロシラン、 イソプロぺニルジメチルクロロシラン、 イソプロぺニルメチルフ ェニルクロロシラン等が挙げられる。
(a— 2) 下記一般式 (3) で示される化合物
(式中、 R4、 R5、 X及び aは前記と同じ。 nは 1〜12の整数を示す。 )
一般式 (3) で示される化合物の具体例としては、 ァリルトリクロロシラン、 ァリルメチルジクロロメタン、 ァリルジメチルク口ロメ夕ン等が挙げられる。
(a- 3) 下記一般式 (4) で示される化合物
R5 R4,
CH2 = C- COO -(CHs - S 、 (4 )
X 3-a
(式中、 R4、 R5、 X、 a及び nは前記と同じ。 )
一般式 (4) で示される化合物の具体例としては、 2— (メタ) ァクリロキシ ェチルトリクロロシラン、 3— (メタ) 一ァクリロキシプロピルトリクロロシラ ン、 2— (メタ) 一ァクリロキシェチルメチルジクロロシラン、 3— (メタ) ァ クリロキシプロピルメチルジクロロシラン、 2— (メタ) ァクリロキシェチルジ メチルクロロシラン、 3— (メタ) ァクリロキシプロピルジメチルクロロシラン 等が挙げられる。
(b) アルコキシ基ゃァリールォキシ基含有単量体
(b— 1) 下記一般式 (5) で示される化合物
R5 R a
CH2=C-S i ( 5 )
(式中、 R4、 R5及び aは前記と同じ。 R6は d- ieのアルコキシ基を示す。 )
一般式 (5) で示される化合物の具体例としては、 ビニルトリメ
ビニルトリエトキシシラン、 ビニルトリブトキシシラン、 ビニル (へキシルォキ シ) シラン、 ビニルトリ (ドデシルォキシ) シラン、 ビニルジメトキシメチルシ ラン、 ビニルェトキシジメチルシラン、 ビニルブトキシジメチルシラン、 ビニル ジフエ二ルェ卜キシシラン、 イソプロぺニルトリメ卜キシシラン、 イソプロぺニ ル卜リエトキシシラン、 イソプロぺニルトリブトキシシラン、 イソプロぺニルト リ (へキシルォキシ) シラン、 イソプロぺニルトリ (ォクチルォキシ) シラン、
イソプロぺニルトリ (ドデシルォキシ) シラン、 イソプロべ二ルジメトキシメチ ルシラン、 イソプロぺニルメトキシジメチルシラン、 イソプロぺニルエトキシジ メチルシラン、 イソプロぺニルブトキシジメチルシラン、 ビニルトリス (2—メ トキシェトキシ) シラン等が挙げられる。
(b- 2) 下記一般式 (6) で示される化合物
R5 R „
/ / , 、
CH2 = C- 7"S i ( 6 )
\
R
(式中、 R R5、 Re及び aは前記と同じ。 R7はアルキレン基又はフエ二レン 基のいずれかを示す。 )
一般式 (6) で示される化合物の具体例としては、 ァリル卜リメ
ビニルデシルトリメ卜キシシラン、 ビニルォクチルトリメトキシシラン、 ビニル フエニルトリメ卜キシシラン、 ビニルフエ二ルジメトキシメチルシラン、 ビニル フエニルメ卜キシジメチルシラン、 ィソプロぺニルフエニルトリメ卜キシシラン、 ィソプロぺニルフエ二ルジメトキシメチルシラン、 ィソプロぺニルフエニルメト キシジメチルシラン等が挙げられる。
(b- 3) 下記一般式 (7) で示される化合物
(式中、 R4、 R5、 .R6、 a及び nは前記と同じ。 )
一般式 (7) で示される化合物の具体例としては、 2— (メタ) ァクリロキシ ェチルトリメトキシシラン、 2— (メタ) ァクリロキシェチルトリエトキシシラ
ン、 3— (メタ) ァクリロキシプロビルトリメトキシシラン、 3— (メタ) ァク リロキシプロピル卜リメトキシシラン、 3— (メタ) —ァクリロキシプロピルメ チルジメトキシシラン、 3— (メタ) 一ァクリロキシプロビルトリス (2—メト キシエトキシ) シラン等が挙げられる。
(b— 4) 下記一般式 (8) で示される化合物
(式中、 R4、 Rs、 R a及び!;は前記と同じ。 )
一般式 (8) で示される化合物の具体例としては、 3— [2— (ァリルォキシ カルボニル) フエニルカルボニルォキシ] プロピルジメトキシメチルシラン、 3 - [2 - (ァリルォキシカルボニル) フエニルカルボニルォキシ] プロピルメト キジメチルシラン、 3— [2 _ (ァリルォキシカルボニル) フエニルカルボニル ォキシ] プロピル卜リメ卜キシシラン、 3 _ [2— (イソプロべニルメトキシカ ルポニル) フエニルカルボニルォキシ] プロピルジメトキシメチルシラン、 3—
[2 - (イソプロぺニルメトキシカルボニル) フエニルカルボニルォキシ] プロ ピルメトキシジメチルシラン等が挙げられる。
(b— 5) 下記一般式 (9) で表される化合物
R5 R a
/ /
CH
2=C-R
8-NH-(CH
2)
3- S i ( 9 )
(式中、 R4、 Rs、 R6及び aは前記と同じ。 R8はフユ二レン基又は
+CH2—を示す。 )
一般式 (9) で示される化合物の具体例としては、 3— (ビニルフエニルアミ ノ) プロビルトリメトキシシラン、 3— (ビニルフエニルァミノ) プロピルトリ エトキシシラン、 3— (ビニルペンジルァミノ) プロピルトリエトキシシラン、 3— (ビニルペンジルァミノ) プロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(b- 6) 下記一般式 (1 0) で示される化合物
R R4,
CH2 = C-f- |-CH2-NHCH2CH2NH(CH2)n-S i ( 10 )
R1
(式中、 R4、 R5、 R6及び aは前記と同じ。 )
一般式 (1 0) で示される化合物の具体例としては、 3— [2 - (N_ビニル フエニルメチルァミノ) ェチルァミノ] プロビルトリメトキシシラン、 3 _ [2 - (N—イソプロぺニルフエニルメチルァミノ) ェチルァミノ] プロビルトリメ トキシシラン等が挙げられる。
(b— 7) 下記一般式 (1 1) で示される化合物
(式中、 R4、 R5、 Rs、 a及び nは前記と同じ。 )
一般式 (1 1) で示される化合物の具体例としては、 2— (ビニルォキシ) ェ チルトリメ卜キシシラン、 3— (ビニルォキシ) プロビルトリメトキシシラン、 4一 (ビニルォキシ) ブチルトリエトキシシラン、 2— (イソプロべ二ルォキ シ) ェチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(b- 8) 下記一般式 (1 2) で示される化合物
CH
2 = C ( 12 )
-
a
(式中、 R4、 R5、 R6、 a及び nは前記と同じ。 R9は一 CH20—、
一 CH2OCO—を示す。 ) 一般式 (1 2) で示される化合物の具体例としては、 3— (ァリルォキシ) プ 口ビルトリメトキシシラン、 1 0— (ァリルォキシカルボニル) デシルトリメト キシシラン、 3— (イソプロぺニルメチルォキシ) プロピル卜リメトキシシラン、 1 0— (イソプロぺニルメチルォキシカルボニル) デシルトリメ卜キシシラン等 が挙げられる。
(b— 9) 下記一般式 (1 3) で示される化合物
R5 RV.
/ /
CH2 = C-COO(CH2)n-0-(CH2)m-S i ( 13 )
\
R6,
(式中、 R4、 R5、 R6、 n及び aは前記と同じ。 mは 1〜 12の整数を示す。 )
一般式 (1 3) で示される化合物の具体例としては、 3— [ (メタ) ァクリロ キシエトキシ] プロビルトリメトキシシラン、 3— [ (メタ) ァクリロキシエト キシ] プロピルジメトキシメチルシラン等が挙げられる。
又、 加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量体(a 8)としては、 上記例示 の他、 例えばジビニルジメトキシシラン、 ジビニルジェトキシシラン、 ジビニル ジ (/3—メトキシェトキシ) シラン等のジビニル基含有単量体であってもよい。 このようなシリル基含有単量体には、 その取り扱い性、 経済性及び副反応の抑制 等の点から、 例えばアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体が含まれるこ
とが好ましい。
[ (メタ) ァクリレート系重合性不飽和単量体(a 9) ]
本発明においては前述のように組成物 (P ) は、 加水分解性シリル基を有する 重合性不飽和単量体(a 8)と以下に説明する (メタ) ァクリレート系重合性不飽和 単量体(a 9)を含む単量体を共重合してなる、 加水分解性シリル基含有 (メタ) ァ クリレー卜系共重合体 (A-VI) を主成分の一つとする。
本発明に係る組成物 (P ) においては (メタ) ァクリレート系重合性不飽和単 量体(a 9)は単独でも又は 2種以上で組み合わせて使用することもできる。
なお、 上記共重合成分としての (メタ) アクリル系重合性不飽和単量体(a 9)に は、 例えば (メ夕) ァクリレート、 (メタ) アクリルアミド類、 (メタ) アタリ ロニトリル等が含まれる。
上記 (メタ) ァクリレートとしては、 アルキル (メタ) ァクリレート 〔例えば メチル (メタ) ァクリレート、 ェチル (メタ) ァクリレート、 プロピル (メタ) ァクリレート、 イソプロピル (メタ) ァクリレート、 ブチル (メタ) ァクリレー 卜、 イソブチル (メタ) ァクリレート、 t—ブチル (メタ) ァクリレー卜、 へキ シル (メタ) ァクリレー卜、 ォクチル (メタ) ァクリレート、 2—ェチルへキシ ル (メタ) ァクリレート、 ラウリル (メタ) ァクリレート等の C , - ^アルキル
(メタ) ァクリレー卜等〕 、 シクロアルキル (メタ) ァクリレート [例えばシク 口へキシル (メタ) ァクリレート等] 、 ァリール (メタ) ァクリレート [例えば フエニル (メタ) ァクリレート等] 、 ァラルキル (メタ) ァクリレート [例えば ベンジル (メタ) ァクリレー卜等] 、 ヒドロキシアルキル (メタ) ァクリレート
[例えば 2—ヒドロキシェチル (メタ) ァクリレート、 2—ヒドロキシプロピル
(メタ) ァクリレート等のヒドロキシ一 C 2 - 4 アルキル (メタ) ァクリレート 等] 、 ヒドロキシアルキル (メタ) ァクリレート (グリシジル (メタ) ァクリレ 一卜、 ジアルキルアミノーアルキル (メタ) ァクリレート [たとえば、 2—ジメ チルアミノエチル (メタ) ァクリレート、 2—ジェチルアミノエチル (メタ) ァ クリレー卜等のジ^ - 4 アルキルアミノアルキル (メタ) ァクリレート等] が列
示できる。
又、 (メタ) アクリルアミド類としては、 (メタ) アクリルアミド、 ヒドロキ シアルキル (メタ) アクリルアミド 〔例えば N—メチロール (メタ) アクリルァ ミド等の N—ヒドロキシー C!- 4 アルキル (メタ) アクリルアミド等〕 、 アルコ キシアルキル (メタ) アクリルアミド 〔例えば N—メトキシメチル (メタ) ァク リルアミド等の N— 4 アルコキシ—C! 4 アルキル (メタ) アクリルアミド 等〕 、 ジアセトン (メタ) アクリルアミド等が例示できる。
本発明に係る (メタ) ァクリレート系重合性不飽和単量体(a9)として好ましい ものは、 (メタ) ァクリレート 〔例えば、 18アルキル (メタ) ァクリレート、 ヒドロキシー C 2-4 アルキル (メタァクリレート) 、 グリシジル (メタ) ァクリ レート、 ジ Cい 4 アルキルアミノー C2- 4 アルキル (メタ) ァクリレート等〕 の 他、 (メタ) アクリルアミド等を例示することができるが、 更に好ましいものと しては、 C2- 。アルキルァクリレート、 アルキルメタクリレート、 ヒドロ キシ C2- 3 アルキル (メタ) ァクリレート、 グリシジル (メタ) ァクリレート、 ジ(3,— 3 アルキルアミノー C2 3 アルキル (メタ) ァクリレート等を挙げること ができる。
(A-VIを構成する単量体)
本発明に係る加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレー卜系共重合体 (A- VI) は、 (a 8)と(a 9)を含む単量体を共重合してなるものであるが、 後者の 9)として、 又は(a 9)の他に更に加えて、 共重合体のガラス転移温度 (Tg) を調 整する目的でハードモノマー 〔例えば (メタ) アクリル酸メチル、 スチレン等の ガラス転移温度 80〜 120°C (特に 90〜105°C) 程度の単独重合体を形成 する単量体成分〕 と、 ソフトモノマー 〔例えばアクリル酸。2- 。アルキルエステ ル等のガラス転移温度一 85〜一 10°C (特に一 85〜一 20°C) 程度の単独重 合体を形成する単量体成分〕 とを組み合わせて用いる場合が多い。
(他の共重合性不飽和単量体)
一方、 上記同様に(a 9)として、 又は(a 9)の他に更に加えて、 カルボキシル基
ゃァミノ基などのイオン性官能基を有する単量体成分 [例えば、 ジアルキルアミ ノアルキル (メタ) ァクリレート等] を用いると乳化剤を用いることなく、 水性 樹脂組成物を得ることができるメリットがある。
なお、 (a 8)と共重合される単量体(a 9)の他に、 更に加えて使用される共重合 性不飽和単量体を以下、 他の共重合性不飽和単量体( a,。)と表示する。
加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A- VI) を加水分解 性シリル基を有する重合性不飽和単量体( a 8)、 (メタ) ァクリレート系重合性不 飽和単量体(a 9)及び他の共重合性不飽和単量体(a ,。)との共重合により構成する 場合、 各単量体成分の使用量の範囲は限定されるものではない。
(A-VIの単量体構成割合)
( a 8)と(a 9)のそれぞれの好ましい範囲は下記の範囲 (但し、 ここでは(a 8)、 ( a 9)の合計は 1 0 0重量%) であり、 この範囲で適宜選択することが好ましい。
( a 9)成分: 0 . :!〜 3 0重量% 〔好ましくは 0 . 5〜2 0重量%、 より好まし くは 1〜 1 5重量%、 特に好ましくは 2〜 1 0重量%〕
(A 9)成分: 7 0〜9 9 . 9重量% 〔好ましくは 8 0〜9 9 . 5重量%、 より好 ましくは 8 5〜9 9重量%、 特に好ましくは 9 0から 9 8重量%〕
上記( a 9)及び( a 。)の両成分を含む共重合性不飽和単量体の構成が、 八一ドモ ノマ一、 ソフトモノマー及びイオン性基含有単量体に分けられる場合、 その相互 間の使用量比は特に限定されるものではないが、 好ましい範囲は下記の範囲 (但 し、 ここではこれらの合計は 1 0 0重量%) であり、 この範囲で適宜選択するこ とが好ましい。
( 1) ハードモノマ一: 0〜9 0重量% 〔好ましくは 1 0〜8 0重量%、 より好 ましくは 1 5〜7 5重量%、 特に好ましくは 2 0〜7 0重量%〕
(2) ソフトモノマー: 0〜9 0重量% [好ましくは 1 0 ~ 8 0量%、 より好ま しくは 1 5〜7 5重量%、 特に好ましくは 2 0〜7 0重量%]
(3) イオン性基含有モノマー: 0〜9 0重量% 〔好ましくは 1〜5 0重量%、 より好ましくは 2〜 2 0重量%、 特に好ましくは 2〜 1 0重量%〕
(A-VI使用の態様)
本発明に係る組成物 (P ) の主成分の 1つである、 上記加水分解性シリル基含 有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A- VI) は、 水溶液、 水性ェマルジヨン (水 性重合体ェマルジヨン) 等の水性、 有機溶媒溶液、 有機溶媒ェマルジヨン等の非 水性、 固体粉末等のいずれの態様でも使用上特に問題はないが、 その取扱上、 製 造上又は他の主成分の無機化合物微粒子 (G) とから組成物 (P ) を造る際の取 扱上、 上記水性樹脂であることが好ましい。
なお、 このように水性樹脂である場合は、 加水分解性アルコキシシリル基を含 有するアクリルシリコーンオリゴマーの架橋生成物のような特殊な架橋樹脂を用 いることなく、 加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量体(a 8)と (メタ) ァクリレー卜系重合性不飽和単量体(a 9)等の共重合性成分との共重合体で構成さ れた水性の樹脂成分であるため取り扱い易い。
(A-VI重合体粒子の平均粒子径)
上記 (A-VI) 成分が水性ェマルジヨンである場合、 その重合体粒子の平均粒子 径は、 0 . 0 1〜2 m、 好ましくは 0 . 0 1〜 l ^ m、 より好ましくは 0 . 0 1〜0 . 5 m、 更に好ましくは 0 . 0 1〜0 . 3 x m程度の範囲から選択され る。 これらの範囲からの選択は、 分散安定性、 密着性などを損なわないようにす るためである。
(水性ェマルジョンの調製方法)
加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) の水溶液又 は水性ェマルジヨンの調製方法としては特に制限はなく、 慣用の方法、 例えば
(I)前記一般式 (1 ) で表されるシリル基を有する重合性不飽和単量体と、 カル ボキシル基ゃァミノ基等のイオン性官能基を有する (メタ) ァクリレート系重合 性不飽和単量体とを共重合させた共重合体を、 アルカリ (例えば、 トリェチルァ ミン等のアルカノ一ルァミン、 モルホリン等の環状ァミン、 トリエタノールアミ ン等のアルカノ一ルァミン、 ピリジン、 アンモニア等) や酸 [無機酸 (例えば、 塩酸、 硫酸等) 、 有機酸 (例えば、 酢酸、 プロピオン酸等のカルボン酸、 スルホ
ン酸等) 等が例示できる] を用いて溶解又は分散させる方法、
(2)上記共重合体を乳化剤を用いて乳化分散させる方法の他、
(3)乳化重合法等を採用することができる。
前記(1) , (2)の方法において、 共重合体は溶液重合法にて調製してもよく、 乳化 重合法、 懸濁重合法、 塊状重合法等により調整してもよい。 なお重合方式はバッ チ式、 連続式のいずれであってもよい。
(A-VIの共重合用有機溶剤)
上記両成分の溶液重合法による共重合体の製造では、 有機溶剤 〔例えばアルコ ール (エタノール、 イソプロパノール、 n—ブ夕ノール等) 、 芳香族炭化水素
(ベンゼン、 トルエン、 キシレン等) 、 脂肪族炭化水素 (ペンタン、 へキサン、 ヘプタン等) 、 脂環族炭化水素 (シクロへキサン等) 、 エステル (酢酸ェチル、 酢酸 n —ブチル等) 、 ケトン (アセトン、 メチルェチルケトン等) 、 エーテル
(ジェチルエーテル、 ジォキサン、 テトラヒドロフラン等) 等〕 の存在下で重合 を行うことができる。 なお、 有機溶剤は、 単独で又は 2種以上組み合わせて使用 してもよい。
有機溶剤としては通常、 イソプロパノール等のアルコール、 トルエン等の芳香 族炭化水素、 メチルェチルケトン等のケトンが使用される。
有機溶剤の使用量は特に制限されるものではないが、 (有機溶剤) Z (単量体 の総量) = 0 . 1ノ1〜5 / 1 (重量比) が好ましいが、 より好ましくは 0 . 5 / 1〜2 Z 1 (重量比) 程度の範囲から選択される。
(A-VIの重合開始剤)
溶液重合では、 電子線または紫外線の照射や加熱により重合を開始してもよい 力 重合開始剤を用いて重合を開始する場合が多い。
重合開始剤としては、 前記ポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D ) の説明 で例示した重合開始剤が使用できる。
重合開始剤の使用量は、 例えば、 単量体 (シリル基含有単量体及び共重合成 分) の総重量に対して 0 . 0 0 1〜2 0重量%が好ましく、 0 . 0 1〜 1 0重量
%がより好ましく、 又 0 . 1〜 1 0重量%が特に好ましく、 通常この程度の範囲 から選択される。
溶液重合における反応温度は、 好ましくは 5 0〜 1 5 0 °C、 より好ましくは 7 0〜 1 3 0 °C程度である。 又、 反応時間は好ましくは 1〜 1 0時間、 より好まし くは 2〜 7時間程度である。
なお、 重合の終点は、 赤外吸収スぺクトルにおける二重結合の吸収 (1 6 4 8 c m—1 ) の消滅、 又はガスクロマトグラフィーを用いて、 未反応の単量体の減少 等により確認することができる。
(A-VIの乳化剤)
本発明に係る共重合体の乳化による水性化に際しては、 乳化剤、 例えば、 アル キル硫酸エステル塩、 アルキルァリールスルホン酸塩、 アルキルリン酸エステル 塩或いは脂肪酸塩等のァニオン系界面活性剤、 アルキルアミン塩、 アルキル四級 アンモニゥム塩等のカチオン系界面活性剤、 ポリオキシエチレンアルキルァリー ルエーテル、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル、 或いは旭電化 (株) の商品 でポリオキシエチレンーポリォキシプロピレン縮合物であるプル口ニック型等の 非イオン系界面活性剤、 カルボン酸塩型 (アミノ酸型、 ベタイン型等) 或いはス ルホン酸塩型等の両性界面活性剤を用いることができる。 なお、 ェマルジヨンの p Hの調整は、 p H調整剤によって行ってもよい。
(親水性向上のための酸、 塩基化合物)
上記共重合体の水性化に際して、 該共重合体にアミノ基、 イミド基ゃカチオン 形成性基等のカチオン性基が含まれている場合には、 酸を用いると親水性が向上 し、 共重合体を容易に溶解又は乳化することができる。
このような酸としては、 無機酸 (塩酸、 リン酸、 硫酸、 硝酸等) 、 有機酸 〔蟻 酸、 酢酸、 プロピオン酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸; シユウ酸、 アジピン酸 等の飽和脂肪族ポリカルボン酸; (メタ) アクリル酸等の不飽和脂肪族モノカル ボン酸;マレイン酸、 ィタコン酸等の不飽和脂肪族ポリカルボン酸;乳酸、 クェ ン酸等の脂肪族ォキシカルボン酸等〕 等が例示できる。
上記酸の使用量は、 例えばカチオン性基の合計に対して、 酸ノカチオン性基 = 0 . 3 Z 1〜 1 . 5 / 1 (モル比) 程度の範囲から選択できる。
共重合体がカルボキシル基などの酸性基を有する場合、 塩基を用いると共重合 体を容易に溶解又は乳化することができる。
このような塩基としては、 例えば有機塩基 (トリエチルァミン等のアルキルァ ミン、 モルホリン等の環状ァミン、 トリエタノールァミン等のアル力ノールアミ ン、 ピリジン等) 、 無機塩基 (アンモニア、 アルカリ金属水酸化物等) 等が挙げ られる。
上記塩基の使用量は、 例えば酸性基の合計に対して塩基ノ酸性基 = 1〜 1 . 5 / 1 (モル比) 程度の範囲から選択できる。
(共重合体の乳化)
溶液重合により得られた共重合体の乳化は、 有機溶剤の存在下又は非存在下で 行うことができる。
有機溶剤の存在下に共重合体を溶解し、 又は溶解せずに直ちに乳化分散する場 合、 有機溶剤としては、 水溶性の有機溶剤 (例えば、 イソプロパノール等のアル コールその他) を用いる場合が多い。 有機溶剤の存在下、 共重合体を乳化した場 合、 乳化後、 有機溶剤を蒸発などにより除去してもよく、 ェマルジヨンは有機溶 剤を含有していてもよい。 なお、 共重合体を乳化する前に有機溶剤を除去する場 合、 低沸点の有機溶剤 (例えば、 メチルェチルケトン等のケトン) を用いる場合 が多い。
溶液重合により得られた共重合体を、 有機溶剤の存在下、 乳化する場合、 共重 合体を含む有機溶液に添加剤 (例えば、 乳化剤、 P H調整剤、 酸等) を添加した 後、 水を添加して乳化することができる。 この場合、 水は、 滴下等により徐々に 添加するのが好ましい。 乳化するときの温度は、 低温の方が好ましく、 好ましく は 7 0 °C以下 (例えば、 5〜7 0 °C) 、 より好ましくは 5 0 °C以下 (例えば、 1 0〜5 0 °C) 程度の範囲から選択される。
水を添加して乳化した後の有機溶剤の除去は、 例えば 8 0 °C以下 (5〜8 0 °C
程度) の温度、 常圧又は減圧下 (例えば、 0 . 0 0 0 1〜 1気圧程度) で行うこ とが好ましい。
(乳化重合方法)
次に、 前記本発明に係る各単量体 ((& 8)及び(& 9)又は(& 8)、 (a 9)及び(a o) ) の乳化重合を行って共重合体を得る場合は、 慣用の乳化重合方法に準じて行 うことができ、 例えば、 各単量体の一括仕込み法 (例えば、 水性媒体に、 各単量 体を一括して仕込んで、 共重合させる方法) 、 単量体添加法 (水性媒体に、 各単 量体を個別に添加、 混合して重合する方法) 等を採用することができる。
単量体は、 予め乳化したプレエマルジヨンとして用いてもよい。 このェマルジ ョンの調製に際しては、 共重合成分として重合性の乳化剤を用いて乳化してもよ く、 乳化剤を用いて乳化してもよい。
(重合性乳化剤)
ここに重合性の乳化剤としては、 例えば、 慣用の各種重合性乳化剤 〔重合性基 として (メタ) ァリル基や (メタ) アクリル基を含み、 かつ乳化機能基として第 4級アンモニゥム塩、 第 3級ァミン塩、 アミノ基、 イミド基等のカチオン性基、 スルホン酸塩、 カルボン酸塩等のァニオン性基、 又はエチレンォキシド基等の非 イオン性基を含むもの等〕 を使用することができる。 なお、 重合性乳化剤の使用 量は、 例えば、 単量体の総量に対して 0 . 1〜2 0重量%が好ましいが、 より好 ましくは 0 . 5〜 1 0重量%程度の範囲から適宜選択できる。
(重合開始剤)
乳化重合に用いられる重合開始剤としては、 前記ポリゥレタン系グラフト重合 体混合物 (D ) に例示した重合開始剤のうちの無機過酸化物等の水溶性の重合開 始剤を用いることができ、 水溶性のレドックス型重合開始剤系を構成してもよい。
(乳化重合用乳化剤)
乳化重合の際に用いることができる乳化剤としては、 前記溶液重合体の乳化に 際して使用できる乳化剤等が挙げられる。 また、 乳化重合安定化等のため、 保護 コロイド剤 (部分ケン化ポリビニルアルコール、 カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、 ヒドロキシェチルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロー ス等) を用いてもよい。 なお、 ェマルジヨンは p H調整をしてもよい。
乳化重合における温度等の条件は、 前記溶液重合の場合と同じ条件であっても よい。
(連鎖移動剤)
溶液重合や乳化重合では、 共重合体の分子量を調整するために、 連鎖移動剤、 例えば、 カテコール等のアルコール類、 チオール類、 メルカプタン類 (n _ラウ リルメルカプタン、 n—ドデシルメルカブタン、 t —ドデシルメルカプタン、 3 一メルカプトプロピル卜リメトキシシラン、 3—メルカプトプロピルメチルジメ トキシシラン等) を用いてもよい。
なお、 ェマルジヨンのイオン性については、 非力チオン性が好ましく、 中でも ァニオン性がより好ましい。
(添加剤)
加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) が水性樹脂 である場合には、 記録画像の耐候性の向上等のために、 例えば、 フッ素樹脂、 シ リコン樹脂、 有機スルホン酸塩化合物、 有機リン酸塩化合物、 有機カルボン酸塩 化合物等の滑性物質、 酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 熱安定剤等の安定剤、 ラジカ ル捕捉剤、 消光剤、 帯電防止剤、 可塑剤、 増粘剤、 消泡剤等の各種添加剤を添加 してもよい。
本発明に係るインク受像層が構成される組成物 (P ) は、 加水分解性シリル基 含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) 及び無機化合物系微粒子 (G) を 主成分とするものである。
(無機化合物系微粒子 (G) )
無機化合物系微粒子 (G) としては、 例えばシリカ、 アルミナ、 ホワイト力一 ボン、 焼成珪藻土、 二酸化チタン等の酸化物 (複合酸化物、 水和物を含む) ;水 酸化アルミニウム、 水酸化カルシウム、 水酸化マグネシウム等の水酸化物;重質 炭酸カルシウム、 軽質炭酸カルシウム、 炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸カル
シゥム等の硫酸塩;ケィ酸カルシウム、 ケィ酸マグネシウム、 タルク、 カオリン、 デラミカオリン、 クレー、 ベントナイト、 スメク夕イ ト、 ゼォライ ト、 アルミノ ケィ酸マグネシウム、 セリサイト等のケィ酸塩又はアルミノケィ酸塩;粘土鉱物 などの無機化合物又はそれらの混合物からなる微粒子が挙げられる。
本発明において使用される無機化合物は特に限定されるものではないが、 好ま しい無機化合物系微粒子としてはシリカ、 アルミナ等の無機化合物系微粒子であ り、 中でもシリカの微粒子が好ましく、 特に水分散した数珠状に連結したコロイ ダルシリカが好ましい。 ここに水分散した数珠状に連結したコロイダルシリカと は、 二酸化珪素又はその水和物のコロイド懸濁液であり、 通常、 ケィ酸塩の水溶 液に希塩酸を作用させて得られるが、 他のいかなる製法によるコロイダルシリカ でも用いることができる。
無機化合物系微粒子の一次平均粒子径は、 通常 1〜 200 nmのものが好まい 力 5〜100 nmのものがより好ましく、 1 5〜 50 nmのものが最も好まし レ 。 二次粒子径は、 通常 10〜 1000 nmのものが好ましいが、 20〜500 nmのものがより好ましく、 100〜300 nmのものが最も好ましい。
(組成物 (P) の組成)
インク受像層が構成される組成物 (P) の主成分である (A-VI) と (G) との 重量比 (%) は、 (A- VI) 成分が水性である場合、 及び (G) 成分が水分散した コロイダルシリカである場合もあり得るので、 各成分を固形分換算値 (重量) で 表すのが好ましく、 (A-VI) / (G) は 1〜50Z50~99 (各数値は重量%、 合計 100重量%) の範囲が好ましい。
又、 インク受像層を形成する方法にもよるが、 上記組成物 (P) は水性液状が 好ましく、 10〜50重量%に調製した水性液が好ましい。
(組成物 (P) の製造方法)
(A-VI) 成分と (G) 成分を主成分とする組成物 (P) の製造方法は、 特に限 定されるものではないが、 (A-VI) 、 (G) 成分が共に固形であるある場合は
(A-VI) 、 (G) 共にそれぞれ粉砕した後、 (A-VI) 、 (G) をホモジナイザ
一等で水分散させる方法が好ましく、 (A- VI) 、 ( G) いずれかの成分が水性、 例えば (A-VI) が水性ェマルジヨンで (G) 成分が水分散した数珠状に連結した コロイダルシリカである場合はそのまま攪拌することにより混合する方法が好ま しく、 又、 (A-VI) 、 ( G) いずれかの成分が固形であり、 他が水性の場合は固 形成分を粉砕した後、 水性成分に加え、 ホモジナイザー等で分散させる方法が好 ましい。
(インク定着層に使用される樹脂)
ィンク定着層の形成に使用される樹脂又は樹脂組成物は特に限定されるもので はないが、 加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A-VI) 、 又は該加水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A- VI) と酢酸 ビニル系共重合体のケン化物 (B ) 、 水系ウレ夕ン系グラフト重合体混合物
(D ) 及び水系ポリエステル系グラフ卜重合体混合物 (E ) からなる群から選ば れる少なくとも 1の樹脂との配合物を含有する樹脂組成物が好適に使用される。
(カチオン性基含有樹脂)
上述のごとく、 インク定着層の形成処理を行う場合、 好ましくは、 カチオン性 基含有樹脂が単独で、 又は上記他の特定の樹脂とからなる樹脂組成物の形で使用 される。
ここにカチオン性基含有樹脂としては、 ジシアン系樹脂 (ジシアンジアミドー ホルマリン重縮合体等) 、 ポリアミン系樹脂 〔ジエチレン卜リアミン, トリェチ レンテトラミン, ジプロピレン卜リアミン, ポリアリルアミン等の脂肪族ポリア ミン、 フエ二レンジァミン等の芳香族ポリアミン、 ジシアンジアミドと (ポリ) C アルキレンポリアミンとの縮合体 (ジシアンジアミドージエチレントリア ミン重縮合体等) 等〕 、 ポリカチオン系樹脂等が好ましく例示できる。
(ポリカチオン系樹脂)
上記ポリカチオン系樹脂としては、 ェピクロルヒドリン—ジ C アルキルァ ミン付加重合体 (ェピクロルヒドリンージメチルァミン付加重合体等) 、 ァリル ァミン又はその塩の重合体 (ポリアリルアミン又はその塩酸塩の重合体等) 、 ジ
ァリル C,- 4 アルキルアミン又はその塩の重合体 (ジァリルメチルァミン又はそ の塩酸塩の重合体等) 、 ジァリルジ^ 4 アルキルアンモニゥム塩の重合体 (ジ ァリルジメチルアンモニゥムクロライドの重合体等) 、 ジァリルアミン又はその 塩と二酸化イオウとの共重合体 (ジァリルアミン塩酸塩一二酸化イオウ共重合体 等) , ジァリルジ(^ - 4 アルキルアンモニゥム塩ー二酸化イオウ共重合体 (ジァ リルジメチルアンモニゥムクロライド一二酸化イオウ共重合体等) , ジァリルジ アルキルアンモニゥム塩とジァリルアミン又はその塩若しくは誘導体との 共重合体 (ジァリルジメチルアンモニゥムクロライドージアリルアミン塩酸塩誘 導体の共重合体等) 、 ジァリルジ C ! アルキルアンモニゥム塩重合体, ジ(^ - 4 アルキルアミノエチル (メタ) ァクリレー卜 4級塩の重合体、 ジァリルジ。 - 4 アルキルアンモニゥム塩ーアクリルアミド共重合体 (ジァリルジメチルアンモ ニゥムクロライド一アクリルアミド共重合体等) 、 ァミン一力ルボン酸共重合体 等が例示できる。 .
これらのカチオン性基含有樹脂は単独で又は二種以上混合して使用できる。 更に、 インク定着層自体の耐水性を向上させるために、 架橋性反応基を持つ力 チオン性基含有樹脂を用いることが好ましい。 このような樹脂としては、 前記加 水分解性シリル基含有 (メタ) ァクリレート系共重合体 (A- VI) のうち、 カチォ ン性基を有する、 若しくは酸中和によりカチオン性を有する単量体が使用された 共重合体が好ましい例として挙げることができる。
[酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) ]
本発明の第 VIに用いられる酢酸ビニル系共重合体のケン化物としては、 前記本 発明の第 I〜! Πの発明に係る酢酸ビニル系共重合体のゲン化物 (B ) が好ましく 使用できる。
酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B ) において、 共重合性モノマーの割合は、 画像の鮮明性、 耐水性などを損なわない範囲で選択でき、 共重合体の構成に使用 されるモノマ一全体の 0 . 1〜5 O m o 1 %が好ましく、 l〜3 0 m o l %がよ りに好ましく、 2 . 5〜2 5 m o 1 %が更に好ましく、 特に 3〜2 O m o 1 %が
好ましい。
なお、 目的に応じて、 1種類の酢酸ビニル系共重合体のケン化物を用いてもよ く、 複数の酢酸ビニル系共重合体のゲン化物を用いてもよい他、 他の親水性高分 子 (前記) を配合してもよい。
[水系ポリウレタン系樹脂]
本発明の第 VIに用いられる水系ポリウレタン系樹脂としては、 本発明の第 I〜 ΠΙに係る水系ポリウレタン樹脂 (C ) 及び Z又はポリウレ夕ン系グラフト重合体 混合物 (D ) が好ましく使用できる。
( 4 ) 第 VIIの発明に係わる記録用樹脂組成物
以下、 本発明の第 Wに係る記録用樹脂組成物について説明する。
本発明の第 VIIに係る記録用樹脂組成物は、
( 1) セルロース誘導体 (Η) が 1〜3 0重量%、
(2) セルロース誘導体の良溶媒 ( I ) が 7 0〜9 9重量%、
とからなる樹脂組成物 (両者の合計は 1 0 0重量%) 1 0 0重量部と、
(3) セルロース誘導体の良溶媒 ( I ) または貧溶媒 (Κ) に可溶な有機酸 ( J ) が 0 . 1〜 2 0重量部、 及び、
(4) 随意にセルロース誘導体の貧溶媒 (K) を 0〜 1 5 0重量部の比率で含 有する。
本発明の第 Wに係る記録用樹脂組成物は、 又、 前記セルロース誘導体 (H) が 酢酸セルロースである記録用樹脂組成物、 及びセルロース誘導体の貧溶媒 (K) の比率が 5 0〜 1 5 0重量部である記録用樹脂組成物、 並びにセルロース誘導体 の良溶媒 ( I ) 力 ケトン類、 エステル類、 エーテル類、 セルソルブ類、 セロソ ルブアセテート類、 ハロゲン化炭化水素類およびニトロ化合物の群から選ばれる 少なくとも 1種であり、 かつ沸点が 3 5 °C〜 1 6 0 °Cである記録用樹脂組成物で あってもよい。
又、 前記において有機酸 (J ) の融点が 6 0 °C以上である記録用樹脂組成物、
セルロース誘導体の貧溶媒 (K) エステル類、 アルコール類、 ケトン類およ びエーテル類から選らばれる少なくとも 1種であり、 かつ沸点が 1 00 300 °Cである記録用樹脂組成物、 セルロース誘導体の良溶媒 ( I ) 、 C】- 5ジアルキ ルケトン、 酢酸 d- 4アルキルエステル、 環状または鎖状 C4 6エーテル、 C ァ ルキルセ口ソルブ、 および C アルキルセロソルプアセテー卜から選択された少 なくとも一つであり、 セルロース誘導体の貧溶媒 (K) 力 ぎ酸 C5- 8アルキルェ ステル、 安息香酸 d アルキルエステル、 C シクロアルカノール、 。ジ アルキルケトンおよび C エーテルから選択された少なくとも一つである記録 用樹脂組成物であってもよい。
更に本発明は、 セルロース誘導体の良溶媒 ( I ) と貧溶媒 (K) との沸点の差 (TK-T I ) 力 10°C< (TK-T I ) <20 o°cである記録用樹脂組成物、 有機酸 (J) の水に対する溶解度が、 20°Cにおいて、 2 gZl 00m l以下で ある記録用樹脂組成物であつてもよい。
(セルロース誘導体 (H) )
本発明で使用するセルロース誘導体 (H) は、 セルロースエステル類、 例えば、 酢酸セルロース、 セルロースプロピオネー卜、 セルロースブチレート、 セルロー スァセテー卜プロピオネート、 セルロースアセテートプチレート等の有機酸エス テル、 硝酸セルロース、 硫酸セルロース、 リン酸セルロース等の無機酸エステル、 硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル、 セルロースエーテル類、 例えば、 メチ ルセルロース、 ェチルセルロース、 イソプロピルセルロース、 ブチルセルロース、 ベンジルセルロース、 ヒドロキシェチルセルロース、 カルボキシメチルセル口一 ス、 カルボキシェチルセルロース、 シァノエチルセルロース等が挙げられる。 これらの中、 セルロースエステル類が、 更には、 酢酸セルロースが好ましく用 いられる。 これらは単独で用いてもよいし、 混合して用いてもよい。 また、 必要 に応じて、 他の重合体を添加してもよい。
(セルロース誘導体の良溶媒 (I ) )
セルロース誘導体の良溶媒 ( I ) としては、 例えば、 アセトン、 メチルェチル
ケトン、 メチルプロピルケトン、 メチルブチルケトン、 メチルイソプチルケトン 等の C 1 - 5ジアルキルケトン、 シクロへキサノンなどのケトン類、 ギ酸ェチルなど のギ酸 C -4アルキルエステル、 酢酸メチル、 酢酸ェチル、 酢酸ブチル等の酢酸 C - 4アルキルエステル、 プロピオン酸ェチル、 乳酸ェチル等のエステル類、 1 , 4 一ジォキサン、 テトラヒドロフラン、 テトラヒドロピラン、 ジェチルエーテル、 ジイソプロピルエーテル、 ジメトキシェタン等の環状又は鎖状 C 4 6エーテルなど のエーテル類、 メチルセ口ソルブ、 ェチルセ口ソルブ、 ブチルセ口ソルブ等の C i 4アルキルセロソルブを含むセロソルブ類、 セロソルブアセテート類 (メチルセ 口ソルブァセテート、 ェチルセ口ソルブァセテート等の C - 4アルキルセロソルブ アセテート) 、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン等の芳香族炭化水素類、 塩化メチ レン、 塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素類、 ホルムアミド、 ァセトアミド、
N—メチルホルムアミド、 N—メチルァセ卜アミド、 N , N—ジメチルホルムァ ミド、 N, N—ジメチルァセトアミド等のアミド類、 ジメチルスルホキシドなど のスルホキシド類、 ァセトニトリル、 プロピオ二トリル、 プチロニトリル、 ベン ゾニトリル等の二トリル類、 ギ酸、 酢酸、 プロピオン酸等) 、 有機酸無水物 (無 水マレイン酸、 無水酢酸) 等の有機酸類、 およびこれらの混合物等が例示できる。 なお、 良溶媒、 例えば、 低級アルコール類 (メタノール、 エタノール、 イソプ ロパノール、 ブ夕ノール等の 4アルキルアルコール、 ジアセトンアルコール 等) 、 シクロアルカノール (シクロペン夕ノール、 シクロへキサノール、 メチル シク口へキサノール、 ジメチルシクロへキサノール等の C アルキル基が置換し ていてもよい C 4- 8シクロアルカノール) 等は、 樹脂の種類によっては、 貧溶媒と なる場合がある。 良溶媒は、 ニトロ化合物 (ニトロメタン、 ニトロェタン、 二卜 口プロパン等ど) を含んでもよい。 これらの溶媒の群から選ばれる少なくとも 1 種であり、 かつ沸点が 3 5 °C〜 1 6 0 °Cである溶媒が好ましく用いられる。
より具体的には、 重合体として酢酸セルロースを用いる場合、 好ましい良溶媒 には、 アセトン、 メチルェチルケ卜ン、 酢酸ェチル、 ジォキサン、 ジメ卜キシェ
-ト、 またはこれらの混合物、
特にァセ卜ンが好ましく用いられる。
(貧溶媒 (K) )
貧溶媒 (K) とは、 使用するセルロース誘導体に対する溶解性がないか、 また は、 使用する良溶媒よりも溶解性の低い溶媒を意味し、 組み合わせて使用する上 記良溶媒よりも沸点が高ければ、 種類は特に制限されない。
セルロース誘導体の貧溶媒 (K) としては、 例えば、 水、 エステル類 (ギ酸ァ ミル、 ギ酸イソアミル等のギ酸 C5- 8アルキルエステル、 酢酸アミル、 酢酸へキシ ル、 酢酸ォクチル、 酢酸 3—メトキシブチル、 酢酸 3—エトキシブチル、 プロピ オン酸ブチル、 プロピオン酸 3—メトキシブチル等の アルコキシル基を有し てもよい C 2-4脂肪族カルボン酸 C6 i。アルキルエステル、 安息香酸メチル、 安息 香酸ェチル、 安息香酸プロピル等の安息香酸 d-4アルキルエステル類等) 、 アル コール類 (ァミルアルコールなどの Ce-!。アルコール類、 複素環式アルコール 等) 、 脂肪族多価アルコール類 (エチレングリコール、 ジエチレングリコール、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、 グリセリン等) 、 およびこれ らの混合物などが例示できる。
好ましい貧溶媒には、 蟻酸ァミル、 シクロへキサノール、 メチルシクロへキサ ノール、 安息香酸ェチル、 またはこれらの混合物、 特にシクロへキサノールが好 ましい。 かつ沸点が 100〜300°Cである溶媒が更に好ましい。
(有機酸 (J) )
有機酸 (J) としては、 例えば、 ギ酸、 酢酸、 プロピオン酸、 乳酸、 クェン酸、 シユウ酸、 安息香酸、 スルファミン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 フ夕ル酸類 (フ タル酸、 イソフ夕ル酸) 、 パラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。 これらの中、 特にフ夕ル酸類及びそれらの誘導体が好ましい。 これらの中、 融 点が 60°C以上である有機酸が更に好ましい。
(良溶媒と貧溶媒の組み合わせ)
又、 良溶媒と貧溶媒の組み合わせとしては、 良溶媒 (I ) 力 ジァルキル ケトン、 酢酸 C 1 -4アルキルエステル、 環状または鎖状 C4-6エーテル、 アル
キルセロソルブ、 および C ! - 4アルキルセロソルブアセテートから選択された少な くとも一つであり、 セルロース誘導体の貧溶媒 (K) 力 ぎ酸 C 5 - 8アルキルエス テル、 安息香酸 d - 4アルキルエステル、 C 4 - 8シクロアルカノール、 。ジァ ルキルケトンおよび C 7 - ,。エーテルから選択された少なくとも一つである溶媒の 組み合わせも好ましい。
本発明の記録用樹脂組成物の混合法は、 常法により、 セルロース誘導体 (H) 、 有機酸 (J ) を良溶媒 ( I ) に溶解し、 次いで貧溶媒 (K) を添加して攪拌する などの方法で行うことができる。
記録用樹脂組成物中には、 本発明の特性を損なわない範囲で慣用の添加剤、 例 えば、 消泡剤、 塗布性改良剤、 増粘剤、 熱安定剤、 滑剤、 紫外線吸収剤、 耐光安 定剤、 帯電防止剤、 架橋剤、 アンチブロッキング剤などを添加してもよい。
記録用樹脂組成物の基体シートへの塗布方法は、 特に限定されず、 ロールコーテ イング、 エアナイフコーティング、 ブレードコーティング、 バーコ一ティング、 コンマコーティング、 グラビアコーティングなど公知の方法を使用することがで さる。
塗布した樹脂層を乾燥し、 被記録体上に受像層が形成された記録シートを得る。 乾燥方法は、 特に限定されず、 乾式相転換法を用いる場合には、 まず、 良溶媒が 蒸発してセルロース誘導体がミセル化し、 続いて貧溶媒の蒸発によりそのミセル 同士が接触して網目構造を形成するように、 温度、 蒸気圧等を制御する必要があ る。
( 5 ) 第 の発明に係わる記録用樹脂組成物
以下、 本発明の第 に係る記録用樹脂組成物について説明する。
本発明の第珊の樹脂組成物は、 下記一般式 (1 4 )
Ri:— H又は— CH3
R2:— H, — CH3もしくは一 OH
nは;!〜 5、 mは 1〜 20
複数の R2は互いに同一又は異なっていてもよく、 m個の一 (CHR2) n〇一 はランダム又はブロックに結合していてもよい。
で示される単量体単位を含む重合体 (L) とホットメルト接着性樹脂 (M) とか らなっている。
[重合体 (L) ]
重合体 (L) は、 式 (14) の単量体 (以後、 「 (ポリ) アルキレンォキサイ ド変性単量体」 と称することもある) と、 カチオン性官能基含有単量体、 架橋性 基含有単量体、 及び親水性基含有単量体から選択された少なくとも一種の単量体 との共重合体で構成してもよい。
( (ポリ) アルキレンオキサイド変性単量体)
本発明で用いる、 式 (14) で示される単量体としては、 前記酢酸ビニル系共 重合体のケン化物 (B) に用いられたォキシアルキレン基を有するビニルモノマ 一成分が同様に使用できる。
(力チォン性官能基含有単量体)
本発明で用いるカチオン性官能基含有単量体としては、 前記架橋性基含有力チ オン性 (メタ) アクリル共重合体 (Α-Ι〜Α- ΙΠ) に用いられたカチオン性単量 体が同様に使用できる。
(架橋性基含有単量体)
本発明で用いる架橋性基含有単量体は、 前記架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- I〜A- m) に用いられた架橋性基含有単量体が同様に使 用できる。
(親水性基含有単量体)
本発明で用いる親水性基含有単量体としては、 前記架橋性基含有カチオン性
(メタ) アクリル共重合体 (A- I〜A- m) に用いられた親水性基含有単量体が 同様に使用できる。
上記カチオン性官能基含有単量体、 架橋性基含有単量体、 及び親水性基含有単 量体は、 単独又は二種以上を組合せて使用できる。 上記単量体類の好ましい組合 せは以下の通りである。
前記式 (1 4 ) の単量体: は一 Hまたは一 C H 3、 R 2は一 H、 R 3は一 H、 n = 2〜 3、 m= 3〜 5
カチオン性官能基含有単量体: ジ。卜 4アルキルアミノー C 2 - 8アルキル (メ 夕) ァクリレート又はその第 4級アンモニゥム塩
架橋性基含有単量体: (メタ) ァクリロキシ— C 2-8アルキルトリ d— 2アルコ チシシラン
親水性基含有単量体:不飽和カルボン酸
これらの単量体は、 通常、 成膜性や被膜特性を調整するために非イオン性単量 体と組合せて使用される。
(非イオン性単量体)
非イオン性単量体には、 前記架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重合 体 (A- Ι〜Α-ΠΙ) に用いられた非イオン性単量体が同様に使用できる。
前記単量体類で構成された共重合体は、 その重合様式については特に制限され ず、 例えば、 ランダム共重合体、 グラフト共重合体、 ブロック共重合体などであ つてもよい。
(重合体 (L ) の組成)
重合体 (L) の全単量体に対する式 (14) の単量体の含有量は、 好ましくは 1〜40重量%、 更に好ましくは 5〜30重量%、 最も好ましくは 15〜25重 量%程度である。 また、 重合体 (L) の全単量体に対するカチオン性官能基含有 単量体の含有量は、 好ましくは 1〜50重量%、 更に好ましくは 5〜45重量%、 架橋性基含有単量体の含有量は、 好ましくは 0. 1〜20重量%、 更に好ましく は 0. 1〜10重量%、 最も好ましくは 1〜5重量%程度、 親水性基含有単量体 の含有量は、 好ましくは 0. 1〜30重量%、 更に好ましくは 0. 1〜20重量 %、 最も好ましくは 0. 5〜1 5重量%程度であり、 残余は非イオン性単量体で あり、 好ましくは 10〜80重量%、 更に好ましくは 20〜70重量%程度で構 成される。
前記単量体類の割合は、 それぞれ、 式 (14) の (ポリ) アルキレンォキサイ ド変性単量体 100重量部に対して、 カチオン性官能基含有単量体が好ましくは 5-300重量部、 更に好ましくは 10〜 250重量部程度であり、 架橋性基含 有単量体が好ましくは 1〜 30重量部、 更に好ましくは 5〜 20重量部程度であ り、 親水性基含有単量体が好ましくは 5〜 80重量部、 更に好ましくは 10〜 6 0重量部程度である。
(共重合体のガラス転移温度)
重合体 (L) を構成する共重合体のガラス転移温度 (Tg) は、 成膜性などを 損なわない範囲で選択でき、 好ましくは— 85〜30°C、 更に好ましくは— 60 〜0°C、 最も好ましくは— 50〜一 10°C程度である。 このようなガラス転移温 度の重合体は、 前記カチオン性官能基含有単量体、 架橋性基含有単量体と、 親水 性基含有単量体ゃ非ィォン性単量体とを適当に組合せることにより調製できる。 前記単量体は、 通常ハードモノマー、 例えば、 (メタ) アクリル酸メチル、 スチ レンなどのガラス転移温度 80〜 120° (:、 特に 90〜 105 °C程度の単独重合 体を形成する単量体、 アクリル酸 C 2 。アルキルエステルなどのガラス転移温度 -85〜一 10° (:、 特に一 85〜一 20°C程度の単独重合体を形成する単量体
(ソフトモノマ一) などと組合せて共重合体を構成するのが好ましい。
(ホッ卜メルト接着性樹脂 (M) )
本発明で用いるホットメルト接着性樹脂 (M) としては、 種々の樹脂、 例えば、 ポリエチレン、 エチレン一プロピレン共重合体、 ァ夕クチックポリプロピレンな どのォレフィン系樹脂、 エチレン一酢酸ビニル共重合体、 エチレン一 (メタ) ァ クリル酸共重合体、 エチレン一アクリル酸ェチル共重合体、 アイオノマ一などの エチレン共重合樹脂、 ナイロン系樹脂、 ポリエステル系樹脂、 ポリウレ夕ン系樹 脂、 アクリル系樹脂、 ゴムなどが例示できる。 これらのホットメルト接着性樹脂 は単独で又は二種以上組合わせて使用できる。 ホットメルト接着性樹脂は、 通常、 水不溶性である。 ホットメルト接着性樹脂は、 末端にカルボキシル基、 水酸基、 アミノ基、 イソシァネート基、 シリル基などの反応性基を有する反応性ホットメ ル卜接着性樹脂であってもよい。
(熱転写性および耐久性を付与する樹脂)
熱転写性および耐久性 (耐洗濯性など) を付与するための好ましい樹脂はナイ ロン系樹脂, ポリエステル系樹脂、 ポリウレタン系樹脂である。 特にナイロン系 樹脂で構成されたホットメル卜接着性樹脂は、 被転写体が衣類などである場合、 転写画像に優れた耐洗濯性および耐水性と、 高い風合いを付与できる。
ナイロン系ホットメルト接着性樹脂としては、 ナイロン 1 1およびナイロン 1 2から選択された少なくとも一方の単位を有するポリアミド樹脂 (例えば、 ナイ ロン 1 1、 ナイロン 1 2などのホモポリアミド、 ナイロン 6 1 1、 ナイロン 6 Z 1 2、 ナイロン 6 6 Z 1 2、 ダイマ一酸とジァミンとラウ口ムラク夕ム又はァ ミノウンデカン酸との共重合体などのコポリアミド、 ダイマ一酸とジァミンとの 反応により生成するポリアミド樹脂などが含まれる。
ポリエステル系ホットメルト接着性樹脂としては、 少なくとも脂肪族ジオール を用いたホモポリエステル樹脂又はコポリエステル樹脂が含まれる。 ホモポリェ ステル樹脂には、 エチレングリコール、 プロピレングリコール、 1 , 4—ブタン ジオール、 1, 6—へキサンジオールなどの 。アルキレンジオール、 ジェチ レンダリコールなどのポリオキシ C 2 。アルキレングリコールなどの脂肪族ジォ
ールとアジピン酸, スベリン酸、 ァゼライン酸、 セバシン酸、 ドデカンジカルボ ン酸などの脂肪族ジカルボン酸と、 必要によりラクトンとの反応により生成する 飽和脂肪族ポリエステル樹脂が含まれる。 コポリエステル樹脂には、 ポリエチレ ンテレフ夕レート又はポリブチレンテレフ夕レートの構成成分の一部をエチレン グリコール、 プロピレングリコール、 1 , 4—ブタンジオールなど C 6アルキレ ングリコールなどの他のジオール又は前記脂肪族ジカルボン酸、 フ夕ル酸、 イソ フタル酸などの非対称型芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸若しくはラク卜 ンで置換した飽和ポリエステル樹脂が含まれる。
ポリウレタン系ホッ卜メルト接着性樹脂としては、 少なくとも一部のジオール 成分として、 前記ポリエステル系ホットメルト接着性樹脂に対応するポリエステ ルジオールを用いたポリエステル樹脂が含まれ、 ジイソシァネート成分は、 芳香 族、 芳香脂肪族、 脂環族又は脂肪族ジイソシァネートが使用できる。
ホットメルト接着性樹脂は、 必要により、 例えば、 後記の慣用添加剤、 ヮック ス類などを含有してもよい。 ホットメルト接着性樹脂の融点は、 好ましくは、 7 0〜2 5 0 °C、 更に好ましくは 7 0〜2 0 0 ° (:、 最も好ましくは 1 0 0〜: L 5 0 °C程度の範囲から選択できる。
ホッ卜メルト接着性樹脂は粉粒体として使用される。 ホットメルト接着性樹脂 は、 ィンク受容層の表面から突出させてホッ卜メルト接着性を有効に発現させる ため、 通常、 インク受容層の厚みよりも平均粒子経が大きな粉粒状樹脂で構成さ れている。 ホットメルト接着性樹脂の平均粒経は、 例えば、 好ましくは 1〜 1 0 0 u rn, 更に好ましくは 3〜8 0 m、 最も好ましくは 5〜 5 0 μ m程度である。 インク吸収性ゃ耐洗濯性などを向上させるため、 ホットメルト接着性樹脂の粉粒 体は多孔質体であってもよい。
(重合体 (L ) とホットメルト接着性樹脂 (M) との割合)
式 (1 4 ) の単量体単位を含む重合体 (L ) とホットメルト接着性樹脂 (M) との割合は、 固形分換算で、 (L ) / (M) = 1 / 9 9 ~ 6 0 / 4 0 (重量比) 、 更には 5 / 9 5〜6 0 4 0程度の範囲から選択することが好ましい。 重合体
( L ) 力 前述のような単量体類の共重合体で構成される場合、 重合体 (L ) (前記共重合体) 1 0 0重量部に対して、 好ましくは 1 0〜 1 5 0 0重量部程度、 更に好ましくは 1 0〜9 0 0重量部、 特に好ましくは 8 0〜9 0 0重量部程度の ホットメルト接着性樹脂を使用し、 本発明の樹脂組成物を得ることができる。 以下、 本発明の第 I〜第珊に係るインクジエツト記録シートの受像層の形成方 法について説明する。
[ィンクジエツト記録シート用樹脂組成物の調製]
(樹脂組成物の硬化剤)
本発明の第 I〜第 Wに係るインクジエツト記録シート用樹脂組成物には、 硬化 反応を促進させるために、 硬化剤 (硬化触媒又は硬化促進剤) を添加してもよい。 硬化剤としては、 有機スズ化合物 (ジブチルスズジラウレート、 ジブチルスズジ チルスズジアセテート、 ジブチルスズジメトキサイド、 トリブチルスズサルファ イト、 ジブチルスズチォグリコレート、 ォクチル酸スズ等) 、 有機アルミニウム 化合物 (アルミニウムイソプロピレート、 アルミニウムトリス (ェチルァセトァ セテート) 、 アルミニウム卜リス (ァセチルァセトネート) 、 ェチルァセトァセ テートアルミニウムジイソプロピレート等) 、 有機チタニウム化合物 (イソプロ ビルトリステアロイルチタネート、 テトライソプロピルビス (ジォクチルホスフ アイト) チタネート、 ビス (ジォクチルピロホスフェート) ォキシアセテートチ 夕ネー卜等) 、 有機ジルコニウム化合物 (テトラー n —ブトキシジルコニウム、 ォクチル酸ジルコニル、 アルコキシジルコニウムとァセチルアセトンまたはァセ 卜酢酸エステルとの反応物等) 、 酸性化合物 (有機酸、 例えば、 酢酸, プロピオ ン酸等の脂肪族有機カルボン酸, ォキシカルボン酸、 安息香酸などの芳香族カル ボン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p —トルエンスルホン酸、 ドデシルベンゼンスル ホン酸などのスルホン酸等) 、 塩基性化合物 (塩基、 例えば、 トリェチルァミン 等の有機塩基、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム等の無機塩基) 、 酸性リン酸
エステル (モノブチルホスフェート、 ジブチルホスフェート、 イソプロピルァシ ッドホスフェート、 ブチルアシッドホスフェート、 ォクチルアシッドホスフエ一 ト、 トリデシルアシッドホスフェート等) 、 前記酸性リン酸エステルとァミン
(へキシルァミン、 卜リエチルァミン、 N, N—ジメチルドデシルァミン、 3— プロパノールアミン等) の混合物または反応物が挙げられる。
これらの硬化剤は 1種単独で又は 2種以上を混合して用いることができる。 硬化剤の使用量は、 硬化を促進できる範囲、 例えば、 固形分換算で、 架橋性基 含有カチオン性ァクリル共重合体(A- I〜A- VI)及び酢酸ビニル系共重合体のケ ン化物(B)等親水性高分子化合物で構成された樹脂組成物 100重量部に対して 0. 01〜10重量部が好ましく、 0. 1〜 5重量部がより好ましい。
(染料固着剤)
さらに、 着色剤 (染料) の定着性を向上させるため、 染料固着剤、 特に高分子 染料固着剤を用いるのが有利である。 染料固着剤 (高分子染料固着剤) は、 通常、 分子中にカチオン基 (特に、 グァニジル基や第 4級アンモニゥム塩型の強いカチ オン基) を有している。 染料固着剤は水溶性であってもよい。
染料固着剤としては、 例えば、 ジシアン系固着剤 (ジシアンジアミドーホルマ リン重縮合体等) 、 ポリアミン系固着剤 [ジエチレントリァミン, トリエチレン テトラミン, ジプロピレントリアミン, ポリアリルァミンなどの脂肪族ポリアミ ン、 フエ二レンジァミンなどの芳香族ポリアミン、 ジシアンジアミドと (ポリ) C2- 4アルキレンポリアミンとの縮合体 (ジシアンジアミドージエチレン卜リアミ ン重縮合体等) ] 、 ポリカチオン系固着剤等が例示できる。
ポリカチオン系固着剤としては、 例えば、 ェピクロルヒドリン一ジ Ci-4アルキ ルァミン付加重合体 (ェピクロルヒドリンージメチルァミン付加重合体等) 、 ァ リルアミン又はその塩の重合体 (ポリアリルアミン又はその塩酸塩の重合体、 例 えば、 日東紡績 (株) , PA— 10 C, PAA-HCL- 3 L, PAA— HCL — 10Lなど) 、 ジァリル Ci-4アルキルアミン又はその塩の重合体 (ジァリルメ チルァミン又はその塩酸塩の重合体、 例えば、 日東紡績 (株) , PAS— M— 1
等) 、 ジァリルジ。 ^アルキルアンモニゥム塩の重合体 (ジァリルジメチルアン モニゥムクロライドの重合体、 例えば、 日東紡績 (株) , PAS— H— 5 L P AS— HI 0 L等) 、 ジァリルアミン又はその塩と二酸化イオウとの共重合体
(ジァリルアミン塩酸塩一二酸化イオウ共重合体、 例えば、 日東紡績 (株) , P AS— 92等) , ジァリルジ^- 4アルキルアンモニゥム塩—二酸化イオウ共重合 体 (ジァリルジメチルアンモニゥムクロライド一二酸化イオウ共重合体、 例えば、 日東紡績 (株) , PAS— A— 1, PAS—A— 5 PAS -A- 120 L, P AS—A— 1 20A等) , ジァリルジじ アルキルアンモニゥム塩とジァリルァ ミン又はその塩もしくは誘導体との共重合体 (ジァリルジメチルアンモニゥムク 口ライドージアリルアミン塩酸塩誘導体の共重合体、 例えば、 日東紡績 (株) , PAS— 880等) 、 ジァリルジ アルキルアンモニゥム塩重合体, ジ Ci-4 アルキルアミノエチル (メタ) ァクリレート 4級塩の重合体、 ジァリルジ^- 4ァ ルキルアンモニゥム塩ーアクリルアミド共重合体 (ジァリルジメチルアンモニゥ ムクロライド—アクリルアミド共重合体、 例えば、 日東紡績 (株) , PAS— J 一 81等) 、 ァミン一力ルボン酸共重合体 (例えば、 日東紡績 (株) , PAS— 410等) 等が例示できる。 これらの染料固着剤も一種単独で又は二種以上混合 して使用できる。
染料固着剤の使用量は、 インク定着性を向上できる範囲、 例えば、 固形分換算 で、 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体(A-I A-VI)に、 前記酢酸ビニ ル系共重合体ケン化物 (B) 、 水系ポリウレタン樹脂組成物 (C) 、 第 mの発明 においては更にブロックイソシァネー卜化合物 (D) を添加してなる樹脂組成物 100重量部に対して 0. 1 40重量部が好ましく、 1 30重量部がより好 ましく、 更に、 2 20重量部が好ましい。
また、 本発明の第 IV及び Vにおいては、 カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A-IV A- V)、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B) 及び改質剤 (R) で構 成された樹脂組成物 100重量部に対して好ましくは 0. 1 40重量部、 更に 好ましくは 1 30重量部、 特に好ましくは 2 20重量部程度の範囲から選択
できる。 4 0重量部を越えると染料の発色が悪くなり、 かつインクの吸収性を低 下してしまう。
本発明の第 VIに係る上記樹脂組成物を用い、 基材に被覆して得られるィンク受 像層の 6 0 ° 光沢度は 3 0 %以上が好ましく、 より好ましくは 5 0 %以上、 更に 好ましくは 7 0 %以上である。
なお、 前記受像層の上には、 必要により、 多孔質層、 ブロッキング防止層、 滑 性層、 帯電防止層などを形成してもよい。
本発明の第 I〜VKに係る記録シートは、 ィンクの小滴を飛翔させて記録するィ ンクジェット方式による記録用シートとして有用であるが、 オフセット印刷、 フ レキソ印刷等の印刷用シート (特に水性インキ用シート) などとしても利用でき る。
[インクジエツト記録シートの製造法]
(添加物)
本発明に係るインクジエツト記録シートは、 該記録シート用基材に上述の樹脂 組成物を塗布することにより得られる力 該塗布により形成される受像層には、 必要に応じて、 他の成分、 例えば架橋性基を有していない重合体や重合体粒子を 含む水性ェマルジヨン (例えば、 アクリル樹脂ェマルジヨン、 エチレン一酢酸ビ ニル共重合体ェマルジヨン、 酢酸ビニル系ェマルジヨン等) を含有させてもよい。 (粉粒体)
又、 該受像層には、 更に粉粒体 (顔料等) を含有させてもよい。 粉粒体として は、 無機粉粒体 (ホワイトカーボン、 微粒子状珪酸カルシウム、 ゼォライト、 ァ ミノ珪酸マグネシウム、 焼成珪成土、 微粒子状炭酸マグネシウム、 微粒子状アル ミナ、 シリカ、 タルク、 カオリン、 デラミカオリン、 クレー、 重質炭酸カルシゥ ム、 軽質炭酸カルシウム、 炭酸マグネシウム、 二酸化チタン、 水酸化アルミニゥ ム、 水酸化カルシウム、 水酸化マグネシウム、 珪酸マグネシウム、 硫酸カルシゥ ム、 セリサイト、 ベントナイト、 スメク夕イト等の鉱物質粉粒体等) 、 有機粉粒
体 (ポリスチレン樹脂、 アクリル樹脂、 尿素樹脂、 メラミン樹脂、 ベンゾグアナ ミン樹脂などの架橋又は非架橋有機微粒子、 微小中空粒子などの有機質粉粒体 等) が挙げられる。 これらの粉粒体は 1種単独で又は 2種以上を適宜選択して併 用することも可能である。 なお、 該粉粒体を用いる場合、 バインダー樹脂として は前記各種親水性高分子化合物が使用できる。
粉粒体とバインダー樹脂との割合は特に限定されないが、 バインダー樹脂 1 0 0重量部に対して粉粒体 0 . 1〜 8 0重量部が好ましく、 0 . 2〜 5 0重量部が より好ましい。
(慣用の添加剤)
受像層には、 さらに特性を損なわない範囲で慣用の添加剤、 例えば、 消泡剤、 塗布性改良剤、 増粘剤、 界面活性剤、 滑剤、 安定剤 (酸化防止剤, 紫外線吸収剤、 熱安定剤など) 、 帯電防止剤、 アンチブロッキング剤などを添加してもよい。
(可塑剤)
本発明の第環の熱転写シートにおけるィンク受容層は、 前記樹脂組成物で構成 されている。 インク受容層は、 転写画像に高い柔軟性を付与するため、 可塑剤を 含有していてもよい。 可塑剤としては、 例えば、 フタル酸ェチル、 フ夕ル酸プチ ル、 フ夕ル酸へキシル、 フタル酸ォクチル、 フ夕ル酸 2—ェチルへキシル、 フタ ル酸ラウリルなどのフタル酸系可塑剤、 アジピン酸 2—ェチルへキシル、 セバシ ン酸ジブチル、 セバシン酸 2—ェチルへキシルなどの脂肪族ジカルボン酸系可塑 剤、 ェチルフタリル ·ェチルダリコレート、 ポリエチレングリコールエステルな どのグリコール系可塑剤、 リン酸トリフエニル、 リン酸トリクレジル、 リン酸ト リ 2—ェチルへキシルなどのリン酸エステル系可塑剤、 ポリエステル系可塑剤、 エポキシ脂肪酸エステルなどのエポキシ系可塑剤などが例示できる。 これらの可 塑剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
可塑剤の使用量は、 例えば、 インク受容層を構成する重合体および親水性重合 体、 ホットメルト接着性樹脂、 カチオン性重合体、 及びウレタン系重合体樹脂な どの樹脂成分の総量 1 0 0重量部に対して好ましくは、 0 . 1 ~ 3 0重量部、 更
に好ましくは 1〜2 5重量部、 特に好ましくは 1〜2 0重量部程度の範囲から選 択できる。 さらに、 インク受容層は、 独立して又は前記可塑剤とともに、 着色剤 (染料) の定着性を向上させるため、 染料固着剤を含有していてもよい。
本発明の記録シートは、 前記受像層を備えているので、 インク吸収性及びイン ク定着性が高く、 耐水性、 印刷画質、 ロール跡付着問題が格段に改善されている。 すなわち、 インクジエツト記録方式により水系インクで印字部又は画像部をビー ディングゃロール跡付着等の画質不良の発生なく形成し、 乾燥した印字部又は画 像部を温度 3 0 °Cの水に 1分間浸漬したとき、 色濃度保持率は、 8 0 %以上 (例 えば、 8 5〜; L 0 0 %程度) 、 好ましくは 8 5 %以上 (例えば、 9 0〜9 9 %程 度) である。
[記録用シート製造方法]
本発明の記録シートは、 前記基材の少なくとも一方の面に、 記録シート用樹脂 組成物からなる受像層を形成することにより製造できる。 該インク吸収層は、 適 当な溶媒 (水, 水溶性であってもよい親水性溶媒, 疎水性溶媒又はこれらの混合 溶媒) を用いて調製した塗布液を支持体に塗布することにより形成できる。 特に 架橋性基含有カチオン性 (メタ) アクリル共重合体 (A- I〜A- VI) を含む樹脂 組成物が水性ェマルジョンの形態である場合、 水性塗布液の形態で使用される。 塗布液は、 流延塗布方法を含む慣用の塗布方法、 例えば口一ルコ一夕一、 ェャ ナイフコー夕一、 ブレードコ一夕一、 ロッドコ一夕一、 バーコ一ター、 コンマコ 一夕一、 グラビアコ一夕一、 シルクスクリーンコ一夕法等により、 基材の少なく とも一方の面に塗布される。
受像層は、 前記成分を含む塗布液を基材の少なくとも一方の面に塗布し、 乾燥 することにより形成できる。 また、 必要に応じて、 塗布液を塗布した後、 5 0〜 1 5 0 °C程度の範囲から選択された適当な温度で加熱して架橋したインク吸収層 を形成してもよい。
本発明に係るインクジェット記録シート用樹脂組成物により形成される受像層
の厚みは、 用途に応じて選択できるが、 3〜5 0 mが好ましく、 6〜3 0 i m がより好ましいが、 通常は 5〜3 0 μ ιη程度である。
本発明に係る樹脂組成物を使用して得られるインクジエツト記録シートは、 前 記受像層を備えているので、 インク吸収性およびィンク定着性が高く、 耐水性、 印刷画質が格段に改善され、 印字速度の大きい印刷機に使用しても、 均質鮮明で、 ビーディングしない画像が得られる。 即ち、 インクジェット記録方式により水系 インクで印字部又は画像部をビーディング等の画質不良の発生なく形成し、 乾燥 した印字部又は画像部を温度 3 0 °Cの水に 1分間浸漬したときの好ましい色濃度 保持率は 8 0 %以上 (例えば、 8 5〜 1 0 0 %程度) であり、 更に好ましくは 8 5 %以上 (例えば、 9 0〜9 9 %程度) である。
なお、 前記インク吸収層の上には、 必要により、 多孔質層、 ブロッキング防止 層、 滑性層、 帯電防止層などを形成してもよい。
本発明のインクジエツト記録シートは、 インクの小滴を飛翔させて記録するィ ンクジェット方式による記録用シートとして有用であるが、 オフセット印刷、 フ レキソ印刷等の印刷用シート (特に水性インク用シート) 等としても利用できる。 さらに、 着色剤 (染料) の定着性を向上させるため、 染料固着剤、 特に高分子 染料固着剤を用いるのが有利である。 染料固着剤 (高分子染料固着剤) は、 通常、 分子中にカチオン基 (特に、 グァニジル基や第 4級アンモニゥム塩型の強いカチ オン基) を有している。 染料固着剤は水溶性であってもよい。
(保護層)
本発明の第 の熱転写シートは、 ィンク受容層に保護層が設けられている。 保護層には、 基材から剥離可能で、 且つインク受容層を保護するとともに、 転 写画像の品質を大きく妨げない限り、 種々の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂、 特 に成膜性を有するポリマーが使用できる。 熱可塑性樹脂としては、 ナイロン 1 1、 ナイロン 1 2、 ナイロン 6 1 2などのポリアミド樹脂、 P E T系コポリエステル、 P B T系コポリエステルなどのポリエステル樹脂、 スチレン一 (メタ) アクリル 酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ェ
チレン一プロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂、 ポリカーボネート樹 脂、 ポリ酢酸ビニル、 エチレン一酢酸ビニル共重合体などのポリ酢酸ビニル系樹 脂、 ポリ (メタ) アクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、 ポリアセタール樹 脂、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂、 フッ素系樹脂な どの各種樹脂が例示できる。 前記熱可塑性樹脂は、 単独で用いても、 二種以上を 混合して用いてもよい。 熱硬化性樹脂としては、 ウレタン樹脂、 エポキシ樹脂、 フエノール樹脂、 キリレン樹脂、 メラミン樹脂、 ユリア樹脂、 シリコーン樹脂な どの各種樹脂が例示できる。
転写後のインク受容層を有効に保護し、 耐久性を向上させるためには、 保護層 を軟質ポリマー、 特に非粘着性ポリマーで構成するのが有利である。 軟質ポリマ —は、 非エラストマ一であってもよいが、 エラストマ一が好ましい。
本発明において、 「エラストマ一」 とは、 天然ゴム、 合成ゴムなどゴム類に限 らず、 ゴム状弾性を有するポリマーを意味する。 エラストマ一としては、 合成ゴ ム、 天然ゴム、 及び熟可塑性エラストマ一から選択される少なくとも一種のポリ マーが挙げられる。
合成ゴムとしては、 例えば、 スチレン一ブタジエンゴム、 ブタジエンゴム、 ィ ソプレンゴム、 クロロプレンゴム、 アクリロニトリル一ブタジエンゴムなどのジ ェン系ゴム、 例えば、 ブチルゴム、 E P M、 E P D Mなどのエチレン—プロピレ ンゴム、 フッ素ゴム、 アクリルゴム、 エチレン一アクリルゴム、 クロロスルホン 化ポリエチレンゴムなどのォレフィン系ゴム、 及びその他のゴム (例えば、 シリ コーンゴム、 ウレタンゴム、 エチレン一酢酸ビニル共重合体、 ポリノルボルネン ゴムなど) などの各種ゴムが例示できる。
熱可塑性エラストマ一としては、 ハードセグメント (又はブロック) とソフト セグメント (又はブロック) とで構成されたエラストマ一、 例えば、 ポリブ夕ジ ェン/ポリスチレンエラストマ一、 ポリイソプレン/ポリスチレンエラス卜マー などのブロック共重合体などのポリスチレン系エラストマ一、 ポリエステル又は ポリエーテル系ポリウレタンエラストマ一のようなブロック共重合体などのポリ
ウレタンエラストマ一、 ポリエステル又はポリエーテル系ポリアミ ドエラス卜マ 一などのブロック共重合体であるポリアミドエラストマ一、 EPRZポリプロピ レンエラス卜マー、 E PDM/ポリプロピレンエラス卜マ一、 ポリオレフインブ ロック共重合体などのポリオレフィン系エラストマ一、 ポリエチレンテレフタレ ート系エラス卜マー、 ポリブチレンテレフタレー卜系エラス卜マ一などのブロッ ク共重合体であるポリエステル系エラストマ一、 及びポリ塩化ビニルエラストマ 一などの各種エラストマ一が挙げられる。
本発明の熱転写シートを、 衣類用の生地などのような伸縮する被転写体に熱転 写する場合、 保護層とインク受容層とが、 被転写体を伸縮させても柔軟に追随し、 転写画像にひび割れが生じるのを防止するために、 特に、 保護層は合成ゴム、 天 然ゴム、 熱可塑性エラストマ一で構成するのが好ましい。 エラストマ一は、 硫黄、 過酸化物などにより加硫していてもよい。
好ましい保護層は、 ヤング率が好ましくは 0. l〜100MP a (例えば、 1 〜 10 OMP a) 、 更に好ましくは 0. l〜50MP a (例えば、 1〜50MP a) 程度のエラストマ一で構成できる。 また、 保護層のポリマーとしては、 伸び 率が、 300 %以上 (例えば、 300〜 1000 %程度) 、 特に好ましくは 40 0 %以上 (例えば、 400〜 1000 %程度) の範囲から選択されるエラストマ 一が使用でき、 通常、 ポリマーの伸び率は、 400〜900 %程度である。
さらに、 保護層を構成するポリマーのガラス転移温度は、 好ましくは— 100 〜1 00°C、 更に好ましくは一 50〜50° (:、 特に好ましくは— 30〜30°Cで ある。 前記ポリマーがエラストマ一である場合、 エラストマ一のガラス転移温度 は、 好ましくは一 10 °C以下 (例えば、 — 100〜一 10°C程度) 、 更に好まし くは一 15°C以下 (例えば、 — 100〜一 15°C程度) 、 特に好ましくは— 20 °C以下 (例えば、 一 100〜一 20°C程度) が好ましく、 ポリマーは、 室温 (1 0〜30°C程度) において非粘着性であるのが好ましい。
このような保護層を形成すると、 可撓性が大幅に改善できるとともに、 耐水性、 耐久性、 耐洗濯性が著しく向上し、 また、 転写画像に伸縮によるひび割れ、 クラ
ックが生じることを著しく抑制できる。
(保護層の添加剤)
前記保護層を構成するポリマーは、 必要により前記受像層に用いられた種々の 添加剤を含有していてもよい。
保護層の厚みは、 例えば、 好ましくは 1〜90 m程度、 更に好ましくは 3〜 70 μπι程度であり、 通常、 5〜50 程度 (特に 5〜30 //m程度) である。 保護層とィンク受容層との厚さの比は、 前者/後者 =好ましくは 1 Z 1〜 1 / 1 0程度、 更に好ましくは 1/2〜1ノ 8程度、 特に好ましくは 1Z2〜1ノ 7程 度であり、 通常、 1Z3〜1Z6程度である。
(熱転写シートの製造方法)
本発明の第 \1の熱転写シートは、 離型性基材の少なくとも一方の面に、 基材か ら剥離可能なインク受容層を形成することにより製造できる。 インク受容層は、 基材の離型性面に、 少なくとも式 (14) の単量体単位を含む重合体 (L) とホ ットメルト接着性樹脂 (M) と、 必要により他の成分とで構成された塗布剤を塗 布することにより形成できる。 少なくとも前記重合体 (L) は、 通常、 水性溶液 又はェマルジヨンの形態で使用でき、 ホットメルト接着性樹脂 (M) は粉粒体の 形態で使用できる。 そのため、 重合体 (L) 水性溶液又はェマルジヨンと、 ホッ トメルト接着性樹脂 (M) の粉粒体と、 必要により他の成分とを混合することに より、 インク受容層用塗布剤を調製できる。 水性溶液又は水性ェマルジヨンの溶 媒は、 水単独であってもよく、 必要によりアルコール類などの親水性有機溶媒を 含んでいてもよい。 インク受容層を保護層を介して基材に形成する場合、 エラス トマ一などで構成された保護層用塗布剤を塗布し、 必要により乾燥させて、 保護 層を形成し、 その上に前記のようにインク受容層を形成してもよい。 保護層用塗 布剤は、 ポリマーの種類に応じて、 有機溶媒や水性溶媒を用いて調製でき、 溶液 又はェマルジヨンの形態であってもよい。
塗布剤は、 慣用の方法 (前記) により被覆できる。 50〜150°C (好ましく は 80〜1 20°C) 程度の温度で塗膜を乾燥させることによりインク受容層及び
保護層を形成できる。
このようにして形成されたインク受容層は、 例えば、 インク (特に水性イン ク) の小滴を飛翔させて記録するインクジエツト方式により画像を形成するのに 適している。 記録画像は、 インク受容層を被転写体と接触させた状態で、 適当な 温度 (例えば、 好ましくは 1 4 0〜 2 5 0 ° (:、 更に好ましくは 1 4 0〜2 0 0 °C 程度) 及び圧力 0 . 5〜5 0 k P a ( 5〜 5 0 0 g f Z c m2程度) で適当な時間 (例えば、 5秒〜 1分程度) 加圧圧着し、 基材からインク受容層を剥離させるこ とにより、 被転写体に円滑に転写又は転移できる。 転写画像を含む転写体は、 必 要により加熱して架橋させてもよい。
被転写体としては、 繊維、 紙、 木材、 プラスチック、 セラミックス、 金属など の種々の材料で形成された二次元又は三次元構造物が利用できる。 通常、 プラス チックフィルムやプラスチックシート、 紙、 又は布などが被転写体として利用さ れる。
前記樹脂組成物を用いて、 基材の一方の面に、 基材から剥離可能なインク受容 層を少なくとも形成すると、 例えば、 インクジェット記録方式により記録し、 記 録画像を被転写体に熱転写して転写画像を形成するィンクジエツト用熱転写シー 卜に使用でき、 伸縮性の被転写体に転写した場合であっても記録画像は被転写体 の伸縮に良好に追随し、 画像にひび割れを生じない。
本発明の熱転写シートは、 インクの小滴を飛翔させて記録するインクジエツト 方式によるインク受像シートとして有用であるが、 オフセット印刷、 フレキソ印 刷などの熱転写シート (特に、 水性インク用シート) などとしても利用できる。 実施例
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、 本発明はこれらの実 施例に限定されるものではない。 なお、 実施例中、 「部」 は重量部を示す。
又、 実施例及び比較例で得られた記録シートについての各種特性の評価方法は 次の通りであるが、 共通化できない事項は個々の発明に記載した。
インクジェットプリンター (セイコーエプソン (株) 製、 P M— 7 7 0 C ) を 使用し、 実施例及び比較例で得られた記録シートに、 シアン、 イェロー、 マゼン 夕、 ブラックの各々の色を用いたカラ一パターンをフォト光沢紙モードで印刷し、 記録画像を形成した。
インクジエツトプリンター (キャノン (株) 製、 B J— 4 1 0 J ) を使用し、 実施例及び比較例で得られた記録シートに、 シアン、 イェロー、 マゼン夕、 ブラ ックの各々の色を用いたカラーパターンを H Qモードで印刷し、 記録画像を形成 した。
なお、 H Qモード印刷において、 インクジェットプリン夕一は、 本発明の第 Π では、 キャノン (株) 製の B J C— 4 2 0 Jを、 本発明の第 IEでは、 ヒユーレツ ドパッカード (株) 製の Deskj et895Cxiを使用した。
鮮明性: (本発明の第 I〜第 IDに適用)
記録画像を目視で観察し、 下記の基準で鮮明性を判定した。
〇:各々の色が混じり合わずに鮮明に印刷されている。
△:部分的に異なる色同士が混ざり合い、 鮮明性が損なわれている部分がある。
X :広い範囲で、 異なる色同士が混ざり合って鮮明性が損なわれている。
画像均一性: A (本発明の第 Iに適用)
記録画像を目視で観察し、 下記の基準で鮮明性を判定した。 :高速印刷条件下 での画像均一性を評価した。
〇: 同一の色濃度の部分が均一でムラやビーディング等画質不良がない。
X :広範囲にインクが不均一になり、 ムラやビーディング等画質不良が発生して いる。
画像均一性 (B ) : (本発明の第 I〜第 IVに適用)
記録画像を目視で観察し、 下記の基準で鮮明性を判定した。
〇: 同一の色濃度の部分が均一で、 ムラゃビ一ディング等画質不良がない。
Δ:部分的にインクが不均一になり、 ムラやビーディングが発生している。
X :広い範囲でインクが不均一になり、 ムラやビーディングが発生している。
耐水性 (A) : (本発明の第 I〜第 ΠΙに適用)
印刷部分を、 30°Cの水に 1時間浸潰した後、 垂直に引き上げ、 水をよく切り 乾燥した。 乾燥後下記の基準で耐水性を目視で評価した。
〇:印刷画像が完全に残っている。
△:印刷画像が一部にじんだり、 色が薄くなつている。
X :印刷画像の大半が残っていない。
耐水性 (B) : (本発明の第 ΙΠに適用)
印刷部分を、 30°Cの水に 1時間浸潰した後、 垂直に引き上げ、 水をよく切り 乾燥した。 乾燥後下記の基準で耐水性を目視で評価した。
〇:受像層の艷引けが目立たない。
X :受像層の艷引けが激しい、 目立っている。 次に、 本発明の第 Iに係る実施例について説明する。
〔架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A- 1-1) の製造〕
撹拌機、 還流冷却器、 滴下ロート、 窒素導入管及び温度計を備えた 2000m 1の反応容器に、 イソプロピルアルコール (I PA) 2 19部と、 ァゾイソプチ ロニトリル (A I BN) 1. 23部を入れて撹拌して溶解し、 80°Cに加温した 共重合成分として、 メチルメタァクリレート (MMA) 93. 7部、 n—ブチル ァクリレート (BA) 98. 7部、 ジェチルアミノエチルメ夕ァクリレート (D EAEMA) 49. 3部及びトリメトキシシランプ口ピルメタァクリレート (日 本ュニカー (株) 製, A— 1 74) 4. 93部を混合し、 フラスコ中へ約 4時間 かけて滴下した。 滴下終了後、 追加触媒としての A I BNの 0. 25部と溶媒 I PAの 25部とからなる溶液を滴下し、 更に 2時間反応を継続して重合を完結さ せた。 重合終了後、 撹拌を続けながら、 酢酸 16部をフラスコ内に加え、 引き続 き水 705部を約 2時間かけて滴下してェマルジヨン化した。 ェマルジヨン化し た後、 ロータリーエバポレー夕で I PAを蒸発させ、 架橋性基含有カチオン性ァ クリル共重合体のェマルジヨンを得た (固形分濃度 34. 7質量%) 。
〔酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B- I ) 〕
酢酸ビニル系共重合体のケン化物として、 (株) クラレ製の下記 (記載順に B - I-1〜B- I- 4) のものを用いた。
P VA- 405 (ケン化度: 80. 0〜83. 0 %、 重合度: 500) P VA- 420 (ケン化度: 78. 0〜8 1. 0%、 重合度: 2000) P VA- 205 (ケン化度: 86. 5〜89. 5%、 重合度: 500) P VA- 2 17 (ケン化度: 87. 0〜89. 0%、 重合度: 1700) 〔水系ポリウレタン樹脂 (C-I) 〕
水系ポリウレタン樹脂として、 旭電化工業 (株) 製 HUX— 670を用いた。 〔ポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D-I) 〕
水系ポリウレタン樹脂と、 酢酸ビニル系共重合体のゲン化物とを混合した水溶 液又は水分散液中で、 親水性ビニル単量体 100〜60重量%と、 共重合可能な ビニル単量体 0〜40重量%をグラフト重合した組成物を使用した。 なお、 該組 成物として、 水系ポリウレタン樹脂組成物である高松油脂工業 (株) 製 NS— 1 20 Xを用いた。
〔ポリエステル系グラフト重合体混合物 (E-I) 〕
水系ポリエステル樹脂と、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物とを混合した水溶 液又は水分散液中で、 親水性ビニル単量体 100〜60重量%と、 共重合可能な ビニル単量体 0〜40重量%をグラフト重合した組成物を使用した。 なお、 該組 成物として、 水系ポリエステル樹脂組成物である高松油脂工業 (株) 製 NS— 1 41 LXを用いた。
(実施例 I - 1 )
前記の工程で得られた (A- 1-1) 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 の 30部 (固形分換算) と、 (B- I) (株) クラレ製 P VA— 405の 40部
(固形分換算) と、 (C- I) 旭電化工業 (株) 製 HUX— 670の 30部 (固形 分換算) を混合して、 水性塗工液を得た。 厚さ 100 の接着処理済みポリェチ レンテレフ夕レートフィルム ( I C Iジャパン (株) 製、 メリネックス 705、
以下単に PETフィルムという場合がある) に、 水性塗工液を塗布し、 100°C で 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 mのインク吸収層を形成し、 記録シート I - 1を得た。
(実施例 I - 2 )
(C-I ) 旭電化工業 (株) 製 HUX— 670の代わりに、 (D- I ) 高松油脂 工業 (株) 製 NS— 120Xを用いた以外は、 実施例 1-1と同様にして、 記録シ —卜 1-2を得た。
(実施例 I - 3 )
(C-I ) 旭電化工業 (株) 製 HUX— 670の代わりに、 (E- I ) 高松油脂 工業 (株) 製 NS— 141 LXを用いた以外は、 実施例 1-1と同様にして、 記録 シート 1-3を得た。
(実施例 1-4) (B- I ) クラレ (株) 製 PVA— 405の代わりに、 PVA— 205を用いた以外は、 実施例 I -1と同様にして、 記録シート 1-4を得た。 (比較例 I - 1 )
(B- I ) クラレ (株) 製 P VA— 405の代わりに、 ? 八一420を用ぃた 以外は、 実施例 1-1と同様にして、 記録シート 1-5を得た。
(比較例 I - 2 )
(B- I ) クラレ (株) 製 P VA— 405の代わりに、 P VA— 217を用いた 以外は、 実施例 1-1と同様にして、 記録シート 1-6を得た。
(比較例 1-3) 厚さ 100 mの PETフィルムに、 前記の工程で得られた (A - I) 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体を塗布し、 100°Cで 3分間乾燥 することにより、 厚さ 15 のインク吸収層を形成し、 記録シ一ト 1-7を得た。
(比較例 I - 4 )
厚さ 100 mの PETフィルムに、 (B- I ) (株) クラレ製 P V A— 217 の水溶液を塗布し、 100°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 izmのインク 吸収層を形成し、 記録シー卜 I -8を得た。
(比較例 I - 5 )
厚さ 1 00 imの P ETフィルムに、 (C- I ) 旭電化工業 (株) 製 HUX— 6 70を塗布し、 1 00°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 mのインク吸収 層を形成し、 記録シート 1-9を得た。
(比較例 1-6)
厚さ 1 00 mの PETフィルムに、 (D- I ) 高松油脂工業 (株) 製 NS— 1 20Xを塗布し、 1 00°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 mのインク吸 収層を形成し、 記録シート 1-1 0を得た。
次に、 以上の実施例 I - 1〜 I -3及び比較例 I - 1〜 I - 6で得られた記録シ一 卜の評価結果を表 1-1に示す。
表ト 1
表 1-1
本発明の第 Iによれば、 比較例に比べて実施例で使用した記録シートはいずれ も高い鮮明性を有し、 耐水性及び印刷画質の程度が高い。
本発明のィンクジエツト記録シ一卜用樹脂組成物及びそれを使用し、 受像層を 基材の少なくとも一方の面に有する記録シ一トは、 印字速度の速いィンクジェッ ト印刷機においてもビーディングもなく鮮明性、 画像均一性等のインク吸収性の 他、 耐水性を高度に改善できることがわかった。 又、 印字品質を改善しつつ、 相 反する特性である耐水性とインク吸収性とを両立できることにも成功した。 次に、 本発明の第 Πに係る実施例について説明する。
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A- Π- 1) としては、 架橋性基含 有力チオン性アクリル共重合体 (A-I- 1) と同じものを使用した。
〔酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B- Π) 〕
酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B- Π) として、 (株) クラレ製 PVA—2 10を用いた。
〔水系ポリウレタン樹脂 (C- Π) 〕
水系ポリウレタン樹脂 (C- Π) として、 旭電化工業 (株) 製HUX— 670を 用いた。
〔ポリウレ夕ン系グラフト重合体混合物 (D- Π) 〕
水系ポリウレタン樹脂と、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物とを混合した水溶 液又は水分散液中で、 親水性ビニル単量体 100〜60wt %と、 共重合可能な ビニル単量体 0〜4 Ow t %をグラフ卜重合した組成物を使用した。 なお、 該組 成物として、 水系ポリウレタン樹脂組成物である高松油脂工業 (株) 製 NS— 1 20 Xを用いた。
〔ポリエステル系グラフト重合体混合物 (E- Π) 〕
水系ポリエステル樹脂と、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物とを混合した水溶 液又は水分散液中で、 親水性ビニル単量体 100〜60wt %と、 共重合可能な ビニル単量体 0〜4 Ow t %をグラフト重合した組成物を使用した。 なお、 該組 成物として、 水系ポリエステル樹脂組成物である高松油脂工業 (株) 製 NS— 1 41 LXを用いた。
(実施例 n-i)
前記の工程で得られた架橋性基含有カチオン性ァクリル共重合体 ( A- Π - 1 ) の 30部 (固形分換算) 、 (B- Π) 成分の (株) クラレ製 P VA— 210の 40 部 (固形分換算) 及び (C- Π) 成分の旭電化工業 (株) 製1^1; ー670の30 部 (固形分換算) を混合して、 水性塗工液を得た。 厚さ 100 xmの接着処理済み ポリエチレンテレフ夕レートフィルム (I C Iジャパン (株) 製、 メリネックス 705、 以下単に PETフィルムという場合がある) に、 水性塗工液を塗布し、 100°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 15 xmの受像層であるィンク吸収 層を形成し、 記録シート Π-1を得た。
(実施例 Π-2)
(C- Π) 成分の旭電化工業 (株) 製 HUX— 670の代わりに、 (D-Π) 成 分の高松油脂工業 (株) 製 NS— 120Xを用いた以外は、 実施例 Π- 1と同様に して、 記録シート Π- 2を得た。
(実施例 Π- 3)
(C- Π) 成分の旭電化工業 (株) 製 HUX— 670の代わりに、 (E- Π) 成 分の高松油脂工業 (株) 製 NS— 141 LXを用いた以外は、 実施例 Π-1と同様 にして、 記録シート Π- 3を得た。
(比較例 Π- 1)
厚さ 100 μιηの PETフィルムに、 前記の工程で得られた架橋性基含有カチ オン性アクリル共重合体 (Α-Π) を塗布し、 100°Cで 3分間乾燥することによ り、 厚さ 1 5 Π1のインク吸収層を形成し、 記録シート Π-4を得た。
(比較例 Π-2)
厚さ 100 xmの PETフィルムに、 (B- Π) 成分の (株) クラレ製 PVA— 210の水溶液を塗布し、 100°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 15 m のインク吸収層を形成し、 記録シート Π- 5を得た。
(比較例 Π-3)
厚さ 100 /xmの PETフィルムに、 (C- Π) 成分の旭電化工業 (株) 製 HU
X- 6 7 0を塗布し、 1 0 0°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 /zmのィ ンク吸収層を形成し、 記録シート Π-6を得た。
(比較例 Π-4)
厚さ 1 0 0 xmの PETフィルムに、 (D-Π) 成分の高松油脂工業 (株) 製 N S - 1 2 0 Xを塗布し、 1 0 0°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 fimの インク吸収層を形成し、 記録シート Π- 7を得た。
(比較例 Π - 5 )
厚さ 1 0 0 mの PETフィルムに、 (E- Π) 成分の高松油脂工業 (株) 製 N S - 1 4 1 LXを塗布し、 1 0 0 で 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 xmの インク吸収層を形成し、 記録シート Π- 8を得た。
次に、 以上の実施例 Π-1〜! 1-3及び比較例 Π-1〜! 1-5で得られた記録シー 卜の評価結果を表 Π-1に示す。
表 Π- 1
表 Π- 1
産業上の利用可能性
本発明の第 Πによれば、 比較例に比べて実施例で使用した記録シートはいずれ
も高い鮮明性を有し、 耐水性及び印刷画質の程度が高い。
本発明のインクジエツト記録シート用樹脂組成物及びそれを使用し、 受像層を 基材の少なくとも一方の面に有する記録シートは、 鮮明性、 画像均一性等のイン ク吸収性の他、 耐水性を高度に改善できることがわかった。 又、 印字品質を改善 しつつ、 相反する特性である耐水性とインク吸収性とを両立できることにも成功 した。 次に、 本発明の第 mに係る実施例について説明する。
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A- m- 1) としては、 架橋性基含 有力チオン性アクリル共重合体 (A- I- 1) と同じものを使用した。
[酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B_m) ]
酢酸ビニル系共重合体のケン化物として、 日本合成化学 (株) 製の PVA :〇
KS - 7158 Gを用いた。
[水系ポリウレタン樹脂組成物 (C- ΠΙ) ]
高松油脂工業 (株) 製 NS— 120Xを用いた。
[ブロックイソシァネート化合物 (F- m) ]
日本ポリウレタン (株) 製アクアネート 201を用いた。
(実施例 m-i)
前記の工程で得られた (A-m-i) 架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 を 35部 (固形分換算) と、 (B- m) 酢酸ビニル系共重合体のケン化物: OKS 一 7158Gを 20部 (固形分換算) と、 (C- ΙΠ) 水系ポリウレタン樹脂組成物 : NS— 120Xを 45部 (固形分換算) 、 (F- ΠΙ) ブロックイソシァネート化 合物: アクアネート 201を 0. 3部混合して、 固形分 17wt%の水性塗工液を 得た。 次いで、 厚さ 100 /inの接着処理済みポリエチレンテレフ夕レートフィル ム (デュポン (株) 製、 メリネックス 705、 以下単に PETフィルムという場 合がある) に、 前記水性塗工液を塗布し、 120°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 15 mのインク吸収層を形成し、 記録シート m-1を得た。
(実施例 m - 2)
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (Α-ΠΙ-l) を 30部と、 酢酸ビニ ル系共重合体ケン化物 (B- ΙΠ) を 40部 (固形分換算) と、 水系ポリウレ夕ン樹 脂組成物 (C-ΠΙ) : NS— 1 2 OXを 30部 (固形分換算) にした以外は、 実施 例 m- 1と同様にして、 記録シート m- 2を得た。
(比較例 m-i)
ブロックイソシァネート化合物 (F- in) を 0部にした以外は、 実施例 m-iと 同様にして、 記録シート m- 3を得た。
(比較例 m- 2)
ブロックイソシァネート化合物 (F- πι) を 5部にした以外は、 実施例 m- 1と 同様にして、 記録シート m- 4を得た。
(比較例 m- 3)
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A-m-i) を 0部、 酢酸ビニル系 共重合体ケン化物 (B- ΠΙ) : OKS - 7 1 58 Gを 1 00部、 水系ポリウレタン 樹脂組成物 (C-m) : NS— 1 20Xを 0部、 ブロックイソシァネート化合物
(F-Π) を 0部にした以外は、 実施例 m-iと同様にして、 記録シート m- 5を得 た。
(比較例 m-4)
ブロックイソシァネート化合物 (D-m) を同量のイソホロンジイソシァネート に置き換えた以外は、 実施例 m-iと同様にして、 記録シート m_ 6を得た。
実施例及び比較例で得られた記録シートの評価結果を表 m-iに示す。
表 HI - 1
表 HI - 1
比較例 m- 2, — 4 :水性塗工液を調製中に増粘したため、
塗布を中止した。 産業上の利用可能性
本発明の第 ΠΙによれば、 比較例に比べて実施例で得られた記録シートはいずれ も画像均一性及び鮮明性など印刷画質が良好で、 艷引け等の問題も発生せず耐水 性にも優れている。
本発明の記録用樹脂組成物およびそれから形成される受像層を少なくとも一方 の面に有する記録シートは、 インク吸収性および印刷画質を維持したまま耐水性 高度に改善できる。 次に、 本発明の第 IVに係わる実施例について説明する。
[カチオン性アクリル共重合体 (A-IV— 1) の合成]
撹拌機、 還流冷却器、 滴下ロート、 窒素導入管及び温度計を備えた 200 Om 1の反応容器に、 イソプロピルアルコール (I PA) 219部と、 ァゾイソプチ ロニトリル (A I BN) 1. 23部を入れて撹拌して溶解し、 80°Cに加温した。
共重合成分として、 メチルメタァクリレート (MMA) 93. 7部、 n—ブチル ァクリレー卜 (BA) 98. 7部、 ジェチルアミノエチルメ夕ァクリレート (D EAEMA) 49. 3部、 ポリエチレングリコールメタクリレー卜 (日本油脂
(株) 製ブレンマー PE-200 (CH2=CCH3C〇〇 (CH2CH2〇) 4-5H) ) 4 9. 3部、 アクリル酸 24. 7部およびトリメトキシシランプ口ピルメタァクリ レート (日本ュニカー (株) 製, Α-Π4) 4. 93部を混合し、 フラスコ中へ約 4 時間かけて滴下した。 滴下終了後、 追加触媒として A I BNの 0. 25部と溶媒 I P A25部との溶液を滴下し、 更に 2時間反応を継続して重合を完結させた。 重合終了後、 撹拌を続けながら、 酢酸 16部をフラスコ内に加え、 引き続き水 7 05部を約 2時間かけて滴下した後、 ロータリーエバポレー夕で溶剤を蒸発させ、 カチオン性アクリル系共重合体 (A-IV— 1) を得た。
〔架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A-IV— 2) の製造〕
上記 (A-I — 1) 製造の場合と同じ装置を用い、 共重合成分がメチルメタァク リレート 93. 7部、 n—ブチルァクリレート 98. 7部、 ジェチルアミノエチ ルメ夕ァクリレート 49. 3部、 及び卜リメトキシシランプ口ピルメ夕ァクリレ 一卜 4. 93部である以外は (A- IV_ 1) の場合と同様に合成を行い、 アルキレ ンォキサイド基を含まない架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A-IV— 2) を得た。
[酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B- IV) ]
酢酸ビニル系共重合体のケン化物として、 (株) クラレ製の下記 (記載順に B
- IV-1〜B-IV- 4) のものを用いた。
P VA- 405 (ケン化度: 80. 0〜83. 0%、 重合度: 500) P VA- 420 (ケン化度: 78. 0〜8 1. 0%、 重合度: 2000) P VA- 205 (ゲン化度: 86. 5〜89. 5%、 重合度: 500) P VA- 217 (ゲン化度: 87. 0〜89. 0%、 重合度: 1 700)
[改質剤 (C-IV) ]
水系ポリウレタン樹脂を使用した。 水系ポリウレタン (C-IV) として、 旭電化
工業 (株) 製 H U X _ 6 7 0を用いた。
(評価試料作製)
前記の工程で得られた、 カチオン性アクリル共重合体、 酢酸ビニル系共重合体 のケン化物及び、 改質材を混合して、 水性塗工液を得た。 厚さ 1 0 0 mの接着 処理済みポリエチレンテレフタレ一トフイルム (デュポン製、 メリネックス 7 0 5、 以下単に P E Tフィルムという場合がある) に、 水性塗工液を塗布し、 1 0 0 °Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 mのインク吸収層を形成し、 評価 試料を得た。
(評価方法)
インクジェットプリン夕一 (セイコーエプソン (株) 製、 PM-770C) を使用し、 実施例及び比較例で得られた記録シートに、 シアン、 イェロー、 マゼン夕、 ブラ ックの各々の色を用いたカラーパターンをフォトプリント紙モードで印刷し、 記 録画像を形成した。
(画質均一性)
(にじみ) 記録画像を目視で観察し、 下記の基準で鮮明性を判定した。
〇: 目視で、 全く画像ににじみが認められない。
△: 目視でわずかに、 にじみが認められる。
X :画像のにじみが著しい。
(耐水性)
印刷部分を、 3 0 °Cの水に 1時間浸漬した後、 垂直に引き上げ、 水をよく切り 乾燥した。 乾燥後残留している画像の色濃度の保持率を測定した。
(実施例 IV- 1 )
前記の工程で得られた架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体 (A-IV— 1 ) の 3 0部 (固形分換算) 、 酢酸ビニル系共重合体のケン化物 (B - IV) として (株) クラレ製 P V A—4 0 5の 7 0部 (固形分換算) とを混合して、 記録シー 卜用樹脂組成物の水性塗工液を得た。 厚さ 1 0 0 mの接着処理済みポリェチレ
ンテレフ夕レートフィルム (デュポン製、 メリネックス 7 0 5) に、 水性塗工液 を塗布し、 1 0 0°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 μπιの受像層である インク吸収層を形成し、 記録シート IV- 1を得た。
(実施例 IV-2〜! V-1 0及び比較例 IV- 1〜! V- 4)
架橋性基含有カチオン性アクリル共重合体、 酢酸ビニル系共重合体のゲン化物、 水系ウレタンの種類と配合割合を表 IV- 1に記載した樹脂組成物の水性塗工液を得、 実施例 IV- 1と同様に塗布乾燥し、 厚さ 1 5 mの受像層であるインク吸収層を形 成し、 それぞれの記録シー卜 IV- 1を得た。
実施例 IV-1〜! -1 0及び比較例 IV- 1〜! V- 4について、 それぞれの樹脂組成 物の成分配合割合及び得られた記録シートの評価結果を表 IV- 1に示す。
表 IV - 1
表 IV- 1
成分 A- IV:架橋性基含有カチオン性ァクリル共重合体
成分 B-IV:酢酸ビニル系重合体の鹼化物
成分 C-IV:水系ポリウレタン樹脂
配合欄の数字は組成物中の固形分量を%で示す。 産業上の利用可能性
本発明の第 IVによれば、 比較例に比べて実施例で使用した記録シートはいずれ も均一性、 にじみ、 耐水性共に優れた印刷画質が得られる。
本発明の記録用樹脂組成物及びそれから形成される受像層を少なくとも一方の 面に有する記録シートは、 高解像度と高速化が要求される環境下にあっても、 耐 水性、 インク吸収性及び印刷画質を高度に改善できる。 また、 写真画質並みに印 字品質を改善しつつ、 相反する特性である耐水性とィンク吸収性とを本発明では 両立させ得たものである。 次に、 本発明の第 Vに係わる実施例について説明する。
先ず、 本発明に係るインクジエツト記録シート用樹脂組成物及び該樹脂組成物 の成分を変えた樹脂組成物を調製し、 受像層を有する記録シートを作製し、 実施 例及び比較例用に供し、 実施例としての記録シート V-:!〜 V- 3及び比較例とし ての記録シート V-4〜V- 6を作製し、 各種特性の評価を行った。 なお、 該各種 特性の具体的評価方法、 及び評価結果の表示方法は後に説明する。
[カチオン性メタクリル共重合体 (A- V- 1) の製造]
撹拌機、 還流冷却器、 滴下ロート、 窒素導入管及び温度計を備えた 200 Om 1 (ミリリットル) の反応容器に、 イソプロピルアルコール (I PA) 219重 量部及びァゾイソプチロニトリル (A I BN) 1. 23重量部を入れて撹拌して 溶解し、 80°Cに加温した。
次に、 共重合体 (A- V-1) の構成成分として、 ボリエチレングリコールメタ クリレート (日本油脂 (株) 製、 商品名ブレンマー PE— 200、 構造式: CH 2=C CHsCOO (CH2CH2O) 4-5H) (a!成分) 49. 3部、 アクリル酸
(a 2成分) 24. 7部及びトリメトキシシランプ口ピルメタクリレート (日本ュ 二力一 (株) 製, 商品名 A— 174) (a3成分) 4. 93部、 ジェチルアミノエ
チルメタクリレー卜 (a 4成分) 49. 3重量部、 メチルメタクリレート (a 5成 分) 93. 7重量部、 n—ブチルァクリレート (a 5成分) 98. 7重量部を混合 し、 フラスコ中へ約 4時間かけて滴下した。
滴下終了後、 追加触媒として A I BNの 0. 25重量部と溶媒 I P Aの 25重 量部との溶液を滴下し、 更に 2時間反応を継続して重合を完結させた。 重合終了 後、 撹拌を続けながら、 酢酸 16重量部をフラスコ内に加え、 引き続き水 705 重量部を約 2時間かけて滴下した後、 ロー夕リ一エバポレー夕で溶剤を蒸発させ、 カチオン性メ夕クリル共重合体 (A-V- 1) を得た。
(実施例 V- 1)
前記の工程で得られたカチオン性メ夕クリル共重合体 (A-V-1) の 80重量 部と、 酢酸ビニル系共重合体ケン化物 (B- V) ( (株) クラレ製、 商品名 PVA 一 405、 ケン化度 80. 0〜83. 0%、 重合度 500 ) の 20重量部と、 水 系ポリウレタン樹脂 (C- V) (旭電化工業 (株) 製、 商品名 HUX— 670— M 2) の 2重量部を混合して、 水性塗工液を得た。
厚さ 190; mのアート紙 (NKホワイトーンダロス 180. 0) に、 上記水 性塗工液を塗布し、 1 10°Cで 3分間乾燥することにより、 厚さ 1 5 xmの受像 層を形成し、 記録シート V- 1を得た。
上記配合比は固形分換算値を表す。 以下、 特に説明がない限り、 同様とする。 (実施例 V- 2)
(株) クラレ製 PV A— 405 (B-V) を加えない以外は、 実施例 V- 1と同 様にして、 記録シート V- 2を得た。
(実施例 V - 3)
実施例 V-1で使用のカチオン性基量が多い特徴を持つ水系ポリウレタン樹脂 (C- V) (旭電化工業 (株) 製、 HUX— 670— M2) に代え、 カチオン性基 量が HUX— 670— M2よりも少ない水系ポリウレタン樹脂 (C-V) (同社製、 HUX- 670) を用いた以外は、 実施例 V-1と同様にして記録シート V- 3を 得た。
(実施例 V-4)
旭電化工業 (株) 製 HUX— 670— M2 (C-V) を加えない以外は、 実施例 V - 1と同様にして、 記録シート V- 4を得た。
(比較例 V- 1)
実施例 V-1で使用の (A- V- 1) 及び (B-V) 成分をそれぞれ 20重量部及 び 80重量部とした以外は、 実施例 V- 1と同様にして記録シート V- 5を得た。 (比較例 V - 2)
旭電化工業 (株) 製 HUX— 670— M2 (C-V) を加えない以外は、 比較例 V-1と同様にして、 記録シート V- 6を得た。
次に、 各実施例及び比較例で得られた記録シートの各種特性の評価方法を説明 し、 その結果は表 V-1及び表 V- 2に示した。
先ず、 インクジェットプリン夕一 (セイコーエプソン (株) 製、 商品名 PM— 770 C) を使用し、 各実施例及び比較例で得られた記録シートに、 シアン、 ィ エロー、 マゼン夕、 ブラックの各々の色を用いたカラーパターンをフォト光沢紙 モードで印刷し、 記録画像を形成した。
(ギザロール跡)
記録画像を目視で観察し、 下記の基準でギザロール跡付着状況を判定した。 〇:ギザロール跡がまったく付着しない。
△:ギザロール跡が付着しにくく、 あまり記録画像の外観を損ねていない。
X :ギザロール跡がはっきりと付着し、 記録画像の外観を損ねている。
(光沢度)
記録画面の光沢度を光沢度計を用い、 J I S Z 8741に従って測定した。 〇: 60 ° グロスで 70 %以上
△ : 60° グロスで 40 %以上
X : 60 ° ダロスで 40 %未満
(耐水性)
記録画像上に水を一滴たらし、 10秒間放置後ティッシュペーパーで水滴を吸
収し、 その時の記録画像を目視で観察し、 下記の基準で耐水性を判断した。 〇:インク及び樹脂が溶解せずに画像に抜けが発生しない。
△:インク及び樹脂がやや溶解し、 画像に少し抜けが発生する。
X :インク及び樹脂が溶解し画像に抜けが発生する。
(インク吸収性 ·画質)
記録画像を目視で観察し、 下記の基準でィンク吸収性 ·画質を判定した。 〇: 同一の色濃度の部分が均一で、 にじみ、 ムラ、 ビーディング等の画質不良 がない。
△ :部分的ににじみ、 ムラ、 ビーディング等の画質不良がある。
X :広い範囲においてにじみ、 ムラ、 ビーディング等の画質不良がある。 表 V - 1
表 V- 1
表 V- 2
シート番号 光沢度 耐水性 インクの吸収性'画質 実施例 V - 1 記録シート V - 1 〇 〇 〇
実施例 V - 2 記録シート V - 2 〇 〇 〇
実施例 V- 3 記録シート V- 3 △ 〇 〇
実施例 V - 4 記録シート V- 4 〇 〇 Δ
産業上の利用可能性
本発明の第 Vによれば、 記録シートの受像層を形成する樹脂組成物の各成分 (A-V) 、 (B-V) 及び (C-V) の配合比が本発明に規定する範囲内にあれば、 得られた記録シートはいずれもギザロール跡が付着し難く、 記録画像の外観を損 ねず、 良好である。
又、 ギザロール跡が付着状況の良好であった記録シート V-1〜V- 4について、 光沢度を測定し、 耐水性及びインク吸収性 '画質については観察して評価し、 表 V- 2に示した。
表 V- 2から明らかなように、 水系ポリウレタン樹脂の改質剤 (C-V) の少量 でも使用することにより光沢度が良好になるが、 カチオン性基が 10%多い水系 ポリウレタン樹脂の改質剤 (C- V) HUX— 670— 2Mを用いることにより、 画質がより良好になることが分かる。 次に、 本発明の第 VIに係わる実施例 VIについて説明する。
実施例 VI及び比較例 VIで得られた記録シートに染料ィンクジェットプリン夕 (セイコーエプソン社製 PM— 770 C) 、 及び顔料インクジェットプリンタ (ENCAD NOVA J ET P r o ) を使用して評価画像を形成した。
(印刷画像)
上記プリン夕を用いて I SO標準画像を印刷し、 下記の基準で目視判断した。 〇: ビーディング又はにじみがまったく認められない。
△:僅かにビーディング又はにじみが認められる。
X : ビーディング又はにじみが著しく、 明確な画像が得られない。
(インク乾燥性)
上記プリン夕を用いてシアン、 マゼン夕、 イェロー、 ブラック及びこれらの混 色であるレッド、 グリーン、 ブル一のべ夕画像印刷を行った後、 一定時間ごとに 印字部分に P PCコピー用紙を載せ、 荷重 (500 g/cm2) を 5秒間かけた後、
コピー用紙を剥がし、 下記の基準でコピー用紙へのィンクの移り具合を目視判断 した。
〇: コピー用紙へのインクの移り力 全く認められない。
△:僅かにインクの移りが認められる。
X :ィンクの移りが著しい。
(耐水性)
上記プリン夕を用いてシアン、 マゼン夕、 イェロー、 ブラック及びこれらの混 色であるレッド、 グリーン、 ブルーのベタ画像印刷を行い、 インクが乾燥した後、 画像上に水滴を落とし、 1分間放置後水滴を拭き取り、 下記の基準で、 拭き取つ た部分の画像及び受像層の状態を目視判断した。
〔画像状態の評価〕
〇:水滴を拭き取った部分の画像に全く変化が見られない。
△:僅かににじみや色濃度の低下が見られる。
X : にじみや色濃度の低下が著しい。
〔受像層の状態評価〕
〇:受像層の溶解が全く見受けられない。
△:若千の溶解が認められる。
X :完全に溶解し、 残っていない。
(光沢度)
光沢計を用いて、 6 0 ° 光沢度を測定した。
[アルコキシシリル基含有ァクリレート樹脂 (A-VI- 1 ) の合成]
撹拌機、 還流冷却器、 滴下ロート、 窒素導入管及び温度計を備えた 2 0 0 0 m
1 (ミリリットル) の反応容器に、 イソプロピルアルコール 2 1 9重量部と、 触 媒ァゾイソプチロニトリル 1 . 2 3重量部を入れて撹拌して溶解し、 8 0 °Cに加 温した。 共重合成分として、 メチルメタクリレート 9 3 . 7重量部、 n—ブチル ァクリレート 9 8 . 7重量部、 アクリル酸 5 . 0重量部及び 3 —メ夕クリロキシ
プロビルトリメトキシシラン (日本ュニ力一 (株) 製, A— 1 74) 4. 93重 量部を混合し、 フラスコ中へ約 4時間かけて滴下した。 滴下終了後、 追加触媒と してのァゾイソブチロニトリル 0. 25重量部とイソプロピルアルコール 25重 量部とからなる溶液を滴下し、 更に 2時間反応を継続して重合を完結させた。 重合終了後、 撹拌を続けながら、 25重量%アンモニア水 5. 0重量部をフラ スコ内に加え、 引き続き水 705重量部を約 2時間かけて滴下してェマルジヨン 化し、 その後、 ロータリーエバポレー夕でイソプロピルアルコールを蒸発させ、 アルコキシシリル基含有樹脂 A- VI-1を得た (固形分濃度 3 6. 2重量%) 。
[ァクリレート樹脂 (A- VI- 2) の合成]
3—メタクリロキシプロピル卜リメ卜キシシランを使用しない以外は、 A-VI - 1 と同様にして重合してァクリレート樹脂 (A- VI-2) を得た。
[カチオン性基含有樹脂 B -VIの合成]
撹拌機、 還流冷却器、 滴下ロート、 窒素導入管及び温度計を備えた 2000m 1の反応容器に、 イソプロピルアルコール 2 1 9重量部と、 ァゾイソプチロニト リル 1. 2 3重量部を入れて撹拌して溶解し、 80°Cに加温した。 共重合成分と して、 メチルメタァクリレート 9 3. 7重量部、 n—ブチルァクリレート 98. 7重量部、 ジェチルアミノエチルメ夕ァクリレート 49. 3重量部及び 3—メタ クリコキシプロビルトリメトキシシラン (日本ュニカー (株) 製, A— 1 74) 4. 93重量部を混合し、 フラスコ中へ約 4時間かけて滴下した。 滴下終了後、 追加触媒としてァゾィソブチロニトリル 0. 25重量部とィソプロピルアルコ一 ル 2 5重量部との溶液を滴下し、 さらに 2時間反応を継続して重合を完結させた。 重合終了後、 撹拌を続けながら、 酢酸 1 6重量部をフラスコ内に加え、 引き続き 水 705重量部を約 2時間かけて滴下してェマルジヨン化した。 ェマルジヨン化 した後、 ロータリ一エバポレー夕でイソプロパノールを蒸発させ、 カチオン性基 含有樹脂 B- VIを得た (固形分濃度 34. 7 %) 。
(実施例 VI- 1 )
坪量 140 g/m2 (厚さ 1 00 /xm) の白色 PETシートに、 架橋性基含有樹
脂 A-VI- 1の 55. 2重量部 (固形分 20重量部) と数珠状コロイダルシリ力 (日産化学 (株) 製スノーテックス P S _M) 400重量部 (固形分 80重量 部) の配合物を、 乾燥時厚み 15 /xmになるように塗布することにより記録シー ト VI- 1を得た。 記録シートの評価結果は表 VI-1に示した。
(実施例 VI- 2 )
実施例 VI- 1で用いた白色 PETシートに、 カチオン性基含有樹脂 B-VIを乾燥 塗布厚み 30 mになるように塗布し、 インク定着層を形成した。 さらにその上 に実施例 VI- 1で使用の配合物を同様に塗布することにより記録シート VI- 2を得 た。 記録シー卜の評価結果は表 VI- 1に示した。
(実施例 VI- 3 )
実施例 VI- 1で用いた白色 PETシートに、 カチオン性基含有樹脂 B-VIの 57. 6重量部 (固形分 20重量部) 、 ポリビニルアルコール ( (株) クラレ PVA4 05) 25重量%水溶液 200重量部 (固形分 50重量部) 及び水系ポリウレ夕 ン樹脂 (旭電化 (株) HUX— 670) 100重量部 (固形分 30重量部) を配 合したものを乾燥塗布厚み 15 mになるように塗布し、 ィンク定着層を形成し た。 更にその上に実施例 VI- 1で使用の配合物を同様に塗布することにより記録シ ―ト VI- 3を得た。 記録シートの評価結果は表 VI- 1に示した。
(比較例 VI- 1 )
実施例 VI- 1で使用の架橋性基含有樹脂 A- VI- 1の替わりにァクリレー卜樹脂 A -VI- 2を用いたこと以外は、 実施例 VI- 1と同様に行い、 記録シート VI-4を得た。 記録シートの評価結果は表 VI- 1に示した。
(比較例 VI- 2)
実施例 VI- 1で用いた数珠状コロイダルシリカの替わりに、 球状コロイダルシリ 力 (日産化学 (株) 製スノーテックス ST— 20) を用いた以外、 実施例 VI- 1と 同様に行い、 記録シート VI-5を得た。 記録シートの評価結果は表 VI- 1に示した。
(比較例 VI- 3)
実施例 VI- 2と同様にしてィンク定着層を形成し、 ィンク受像層を形成しない以
外実施例 VI- 2と同様にして記録シート VI- 6を得た。 記録シートの評価結果は表 VI - 1に示した。
表 VI-1
表 VI- 1
本発明の第 VIによれば、 インクジェット記録シートのインク受像層に、 加水分 解性シリル基を有する単量体と (メタ) ァクリレート系単量体を含む共重合体に シリ力などの無機化合物微粒子を添加混合した組成物を使用することによって、 記録シートのインク吸収性、 耐水性、 光沢度が共にが著しく向上することがわか つた。 次に、 本発明の第 VIIに係わる実施例について説明する。
実施例 wおよび比較例 νπで得られた記録シートについて、 インク吸収性、 耐水 性、 画像の解像度、 耐ブロッキング性を以下のように評価した。
[インク吸収性] :
ィンクジエツトプリン夕一 (グラフテック社製、 Ma s t e r J e t— JC2
008) を使用し、 実施例および比較例で得られた記録シートに、 顔料タイプ水 性インク (シアン、 イェロー、 マゼン夕の各々の色) をべ夕で印字し、 記録画像 を形成した。 印字した後、 一定時間ごとに印字部上に PPC用コピー用紙を載せ、 コピ一用紙の上から荷重 24. 5 k P a (250 g f Zcm2) を 10秒間かけた 後、 コピー用紙を剥がし、 インクの裏移りの程度を目視で判断し、 裏移りが認め られなくなるまでの時間を測定した。
[耐水性] :
実施例で得られた記録用シートにインク吸収性試験と同じ印字を行い、 常温の 水に 24時間浸せきした後、 外観を下記の基準に従い目視で評価した。
〇:異常なし。
△:画像部が若干溶出。
X :画像部の大部分が溶出した。
[画像の解像度] :
インクジエツトプリン夕ー (グラフテック社製、 Ma s t e r J e t— J C 2 008) を使用し、 実施例 VEおよび比較例 Wで得られた記録用シートに、 イエロ 一ベースのマゼン夕ライン (幅 100 m) を印字後、 顕微鏡で 50倍に拡大し てドットの観察を行い、 下記の基準に従い評価した。
©: ドットの周囲への滲みがほとんどない。
〇: ドッ卜の周囲への滲みが少しあり、 実測値が 120 xmを超える。
X : ドットの周囲への滲みがあり、 隣接するイェローとマゼン夕のドットの境目 が不明瞭である。
[耐ブロッキング性] :
実施例 W及び比較例 Wで得られた記録用シートを 2枚以上重ねて、 その上から、 3. 92 k P a (40 g f /cm2) の荷重をかけて、 40°C、 90%RH湿度下 で 1日保存し、 下記の基準に従い評価した。
◎:マッティング、 ブロッキングがともにない。
〇:マッティングはあるが、 ブロッキングはない。
X : ブロッキングしている。
(実施例 W- 1 )
厚さ 100 μのポリエチレンテレフタレ一卜フィルム (デュポン製、 メリネッ クス 339 ) の片面上にポリビニルアルコール (日本合成化学製、 OKS 715 8G) の 18 %水溶液を塗布液として塗布し、 120°Cで 5分間乾燥して厚さ 1 5 mの層を設けた。 さらにこの上に、 下記記録用樹脂組成物 VII— aを塗布し、 80°Cで 5分間乾燥して、 平均孔径が 1 //mの孔が高密度に存在する厚さ Ί nの 多孔質受像層を持つ記録シ一トを得た。 記録シートの評価結果を表 W- 1に示す。
[記録用樹脂組成物 ( VII— a) ]
セルロース誘導体として酢酸セルロース (酢化度: 55、 平均重合度: 17 0) 、 酢酸セルロースの良溶媒としてアセトンを使用して調製した 10 %溶液 1 00重量部に対し、 有機酸としてフ夕ル酸 5重量部と、 貧溶媒としてシクロへキ サノール 100重量部を添加して記録用樹脂組成物 VII— aを得た。
(実施例 VI- 2)
厚さ 100 mのポリエチレンテレフ夕レー卜フィルム (デュポン製、 メリネ ックス 339 ) の片面上にポリビニルアルコール (日本合成化学製、 OKS 71 58 G) の 18 %水溶液を塗布液として塗布し、 120°Cで 5分間乾燥して厚さ 15/xmの層を設けた。 さらにこの上に、 下記記録用樹脂組成物 VI [— bを塗布し、 80°Cで 5分間乾燥して、 平均孔径が 1 mの孔が高密度に存在する厚さ 7 m の多孔質受像層を持つ記録シートを得た。 記録シートの評価結果を表 VE-1に示す:
(記録用樹脂組成物 VII— b)
セルロース誘導体として酢酸セルロース (酢化度: 51、 平均重合度: 25 0) 、 酢酸セルロースの良溶媒としてアセトンを使用して調製した 13 %溶液 1 00重量部に対し、 有機酸としてテレフタル酸を 2重量部と、 貧溶媒としてシク 口へキサノール 90重量部を添加して記録用樹脂組成物 VI— bを得た。
(実施例 VH- 3 )
厚さ 1 1 0 xmの合成紙 (王子油化製紙製、 ュポ FPG 1 1 0) の片面上に、 実施例 YE-Iに示した記録用樹脂組成物 ΥΠ— aを塗布し、 80°Cで 5分間乾燥して, 平均孔径が 1 xmの孔が高密度に存在する厚さ 7 μιηの多孔質受像層を持つ記録 シートを得た。 記録シートの評価結果を表 VH- 1に示す。
(比較例 VII- 1 )
厚さ 1 00 mのポリエチレンテレフ夕レートフィルム (デュポン製、 メリネ ックス 33 9) の片面上にポリビニルアルコール (日本合成化学製、 OKS 7 1 58 G) の 1 8 %水溶液を塗布液として塗布し、 1 20°Cで 5分間乾燥して厚さ 1 5 mの受像層を設けた。 記録シートの評価結果を表 W-1に示す。
表 W - 1
表 VII-1
*印:ポリビニルアルコールは溶出して受像層は PETから剥離したが、 画像に は全く異常がなかった。
#印:インク吸収層がないが、 受像層中の有機酸の効果でインク固着が起こり、 鮮明な画像が得られた。 産業上の利用可能性
本発明の第 VEによれば、 インク吸収性、 耐ブロッキング性、 色再現性、 記録画 像または文字耐水性、 耐候性が優れ、 かつ表面光沢を有する被記録体または記録 シー卜が製造できる。
次に、 本発明の第 Iに係わる実施例について説明する。
実施例 及び比較例 Iで得られた記録用シー卜の各種特性の評価法は後記の通 りである。
[重合体 (L-珊- 1) の合成]
撹拌機、 還流冷却器、 滴下ロート、 窒素導入管及び温度計を備えた 2000m 1の反応容器に、 イソプロピルアルコール 219部と、 ァゾイソプチロニトリル 1. 23部を入れて撹拌して溶解し、 80°Cに加温した。 共重合成分として、 メ チルメ夕ァクリレート 93. 7部、 n—ブチルァクリレート 98. 7部、 ジェチ ルアミノエチルメタァクリレート 49. 3部、 ポリエチレングリコールメタクリ レート (日本油脂 (株) 製 ブレンマー PE- 200) 49. 3部、 アクリル酸 24. 7部およびトリメトキシシランプ口ピルメタァクリレート (日本ュニカー (株) 製, A- 174) 4. 93部を混合し、 フラスコ中へ約 4時間かけて滴下した。 滴下終 了後、 追加触媒としてァゾイソプチロニトリル 0. 25部とイソプロピルアルコ ール 25部との溶液を滴下し、 さらに 2時間反応を継続して重合を完結させた。 重合終了後、 撹拌を続けながら、 酢酸 16部をフラスコ内に加え、 引き続き水 7 05部を約 2時間かけて滴下した後、 ロータリーエバポレー夕で溶剤を蒸発させ、 重合体 (L- - 1) を得た。
[重合体 (L-珊-2) の合成]
共重合成分がメチルメタァクリレー卜 93. 7部、 n_ブチルァクリレート 9 8. マ部、 ジェチルアミノエチルメ夕ァクリレート 49. 3部、 およびトリメト キシシランプ口ピルメタァクリレート 4. 93部であること以外、 上述した (A と同様に合成を行い、 重合体 (A-環- 2) を得た。
[ホットメルト接着性樹脂 (M-\l) ]
(M-環) ホットメルト接着性樹脂 (M-珊) として、 ナイロン系パウダーのダ イセルヒュルス (株) 製 430— P 1を用いた。
(評価方法)
印刷方法:インクジェットプリン夕一 (セイコーエプソン (株) 社製、 PM- 770
0 を使用し、 実施例および比較例で得られた記録シートに、 シアン、 マゼン夕、 イェロー、 ブラックの各々の色を用いたカラ一パターンを、 用紙設定をアイロン プリン卜ペーパーに設定して印刷を行った。
インク吸収性評価:印刷後、 一定時間ごとに、 印字部に PPCコピー用紙を載 せ、 コピー用紙の上から 10秒間、 荷重 24. 5 k P a (250 g f /cm2) し た後、 コピー紙を剥がし、 インクの移りの有無を目視で判断し、 それが認められ なくなる時間で評価した。
画質評価:記録画像を、 目視で観察し、 下記の基準で鮮明性を判定した。
〇; 同一の色濃度の部分が均一で、 画像にむらが見られない。
Δ; ごく一部の範囲でインクが不均一であり、 画像にわずかなむらが見られる。 X ;広い範囲でインクが不均一であり、 画像のむらが著しい。
転写: Tシャツに、 印刷した熱転写シートの受像面側を当て、 ハリロンプレス 機を用い、 温度 160° 圧力 4. 47 k P a (15 g f /cm2) で 20秒間圧 着して、 記録画像を Tシャツに熱転写した。
耐洗濯性評価:温度 40°Cの水 1リットルに、 市販の洗剤 1 gを添加し、 記録 画像が転写された Tシャツ試料 (5 X 10 cm) を入れ、 攪拌機 (スリーワンモ 一夕一) を用い、 回転数 600 r pmで 20分間攪拌した。 攪拌後、 試料を取り 出し、 水をよく切り乾燥した後、 転写画像部を観察し、 以下の基準で耐洗濯性を 評価した。
〇;転写画像部が、 完全に残っている。
△ ;転写画像部が、 やや薄くなる。
X ;転写画像部が、 残っていない。
(実施例 - 1〜 - 3及び比較例 - 1〜珊- 3 )
重合体 (L- -1) 及び重合体 (L- - 2) とホットメルト接着性樹脂 (M - VII) を固形分が表! 1-1の割合になるように配合し、 不揮発分 30 %の水性塗工液 を得た。 この塗工液を厚さ 100 /xmの基材 (離型紙) 上にバーコ一夕一により 塗布し、 熱転写シートを得た。 樹脂塗布量は 40 gZm2であった。 これらの熱転
写シートを用いて評価した結果を表珊 - 1に示す。
表! 1- 1
表珊-1実施
本発明の第環によれば、 本発明の樹脂組成物は、 重合体 (L ) とホットメル 卜接着性樹脂 (M) とで構成されているので、 剥離性の基材に形成して熱転写シ 一卜とし、 伸縮性の被転写体に転写して、 転写画像の耐ひび割れ性、 耐久性、 耐 水性、 耐洗濯性を大幅に改善できるとともに、 画像形成時のインク吸収性を高度 に改善できる。