JPH11138980A - 熱転写シートおよびその製造方法 - Google Patents

熱転写シートおよびその製造方法

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JPH11138980A
JPH11138980A JP9311796A JP31179697A JPH11138980A JP H11138980 A JPH11138980 A JP H11138980A JP 9311796 A JP9311796 A JP 9311796A JP 31179697 A JP31179697 A JP 31179697A JP H11138980 A JPH11138980 A JP H11138980A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式により耐水性の高い記録
画像を形成し、この記録画像を被転写体へ熱転写し、耐
洗濯性の高い転写画像を得る。 【解決手段】 基材の少なくとも一方の面に、前記基材
から剥離可能な保護層と、インク受容層とを順次形成す
る。前記保護層は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はエ
ラストマー(天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマ
ーなど)などで構成でき、前記インク受容層は、親水性
重合体(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、セルロース誘導体又はこれらの変性体など)及びホ
ットメルト接着性樹脂(ナイロン系,ポリエステル系,
ポリウレタン系樹脂など)で構成できる。インク受容層
は、カチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体をさ
らに含んでもよい。カチオン性重合体は、アクリル系又
はウレタン系重合体(ポリエステル型ウレタン系重合
体)の水性エマルジョンで構成できる。さらに、インク
受容層は、架橋剤、可塑剤、染料定着剤を含んでいても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写シートおよび
その製造方法、さらに詳しくはインクジェット記録方式
におけるインクの吸収性、記録画像の耐水性および耐洗
濯性に優れ、記録画像を被転写体に転写して転写画像を
形成するのに有用な熱転写シートおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、フルカラー
化が容易であり、低騒音で印字品質に優れている。イン
クジェット記録には、安全性、記録適性の点から主に水
系インクが使用され、ノズルから記録用シートにむけて
インク小滴を飛翔させることにより記録が行われる。こ
のため、記録用シートは、速やかにインクを吸収するこ
と、及び高い定着性が要求される。また、衣類などの被
転写体に記録画像を熱転写して転写画像を形成する場
合、転写画像用シートには、熱転写性および接着性のみ
ならず、高い耐水性および耐洗濯性が要求される。
【0003】特開昭63−60784号公報には、支持
体の表面に、インク(特に油性インク)中の溶剤に溶解
又は膨潤する有機高分子微粒子を含有するインク吸収層
を形成したインクジェット記録用シートが開示されてい
る。特開平7−25133号公報には、ポリオレフィン
樹脂被覆紙又はポリエステルフィルムで形成された支持
体の少なくとも一方の面に、平均粒子径5〜15μmの
球状微粒子ポリマーを、乾燥重量で5〜30mg/m2
の割合で含み、かつ厚みが前記球状微粒子ポリマーの平
均粒子径よりも小さなインク受理層が形成されたインク
ジェット記録シートが開示されている。
【0004】特開昭63−115780号公報には、4
級アンモニウム塩を含む重合体を支持体に塗布したイン
クジェット記録用シートが開示され、合成シリカを併用
すること、バインダーとしてポリビニルアルコールなど
を併用することも記載されている。
【0005】しかし、これらの記録用シートでは、イン
クの定着性や耐水性を高いレベルに向上させることがで
きない。特に、記録画像を被転写体へ熱転写するのが困
難である。さらに、仮に、被転写体に転写画像を形成し
たとしても、耐洗濯性および耐久性が劣る。
【0006】特開平8−324106号公報には、基材
の一方の面に、ホットメルト樹脂(エチレン−酢酸ビニ
ル系,ポリエステル系,ゴム系など)で構成された多孔
質構造のインク受容層が形成されたインクジェット記録
用シートが開示されている。特開平8−207425号
公報には、基材の一方の面に、ホットメルト樹脂(ポリ
アミド系,ポリエステル系などのほか、飽和ポリエステ
ル樹脂などの水溶性ホットメルト樹脂)と親水性樹脂
(ポリアクリルアミド,ポリビニルアルコール,ポリビ
ニルピロリドンなど)とを含むインク受容層が形成され
たインクジェット記録用シートが開示されている。この
記録用シートは、加熱によりフィルムなどと貼合わせる
ことができる。
【0007】しかし、これらのインク受容層は、インク
の定着性および耐水性が十分でない。特に耐洗濯性が十
分でないため、衣類などへ記録画像を熱転写したとして
も、長期間に亘り鮮明な転写画像を維持できなくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、熱転写性を有するとともに、転写画像を有効に保護
できる熱転写シートとその製造方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、耐洗濯性を大きく改善でき、
衣類などの被転写体への熱転写により長期間に亘り鮮明
な画像を維持できる熱転写シートおよびその製造方法を
提供することにある。本発明のさらに他の目的は、耐水
性、インク吸収性、及び耐洗濯性に優れているととも
に、風合いに優れる転写画像を形成できる熱転写シート
およびその製造方法を提供することにある。本発明の別
の目的は、被転写体を伸縮させても、ひび割れを生じな
い転写画像を形成できる熱転写シート及びその製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討の結果、基材シートに対して
剥離可能な保護層と、ホットメルト接着性のインク受容
層とを組み合わせると、熱転写性を向上でき、転写画像
を有効に保護できることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0010】すなわち、本発明の熱転写シートは、基材
の少なくとも一方の面に、基材から剥離可能な保護層
と、インク受容層とが順次形成されている。前記保護層
は、エラストマーで構成してもよい。前記インク受容層
は、親水性重合体及びホットメルト接着性樹脂で構成で
きる。このインク受容層は、さらにカチオン性重合体及
び/又はウレタン系重合体を含んでもよい。
【0011】本発明の熱転写シートは、基材の少なくと
も一方の面に、剥離可能な保護層と、ホットメルト接着
性のインク受容層とを順次形成する方法により製造でき
る。
【0012】なお、本明細書において、「エラストマ
ー」とは、天然ゴム、合成ゴムなどのゴム類などに限ら
ず、ゴム状弾性を有するポリマーを意味する。「親水性
重合体」とは、水に対して親和性を有する種々の高分子
を意味し、吸水性高分子や水溶性高分子も含む意味に用
いる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写シートは、基材
と、この基材に対して順次形成され、且つ基材から剥離
可能な保護層及びインク受容層とを備えている。このよ
うな熱転写シートは、飛翔するインク小滴により記録
し、記録画像を被転写体に熱転写して転写画像を形成す
るインクジェット熱転写シートとして有用である。
【0014】[基材]基材としては、保護層に対して剥
離可能である限り、不透明、半透明や透明な基材が使用
できる。基材としては、通常、離型性基材、例えば、離
型処理紙、離型処理していてもよいプラスチックフィル
ムなどが挙げられる。プラスチックフィルムを構成する
ポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ートなどのポリアルキレンナフタレートなど)、ポリア
ミド(ポリアミド6、ポリアミド6/6など)などが挙
げられる。これらのフィルムのうち、通常、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミドなどが使用され、特
に、機械的強度、耐熱性、作業性などの点からポリエス
テル(特にポリエチレンテレフタレートなど)が好まし
い。
【0015】基材の厚みは、用途に応じて選択でき、通
常、10〜250μm、好ましくは15〜200μm程
度である。離型性は、慣用の方法、例えば、離型剤(ワ
ックス,高級脂肪酸塩,高級脂肪酸エステル、高級脂肪
酸アミド、シリコーンオイルなど)で基材を処理するこ
とにより付与できる。プラスチックフィルムには、必要
に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑
剤、顔料などの慣用の添加剤を添加してもよい。
【0016】[保護層]保護層には、基材から剥離可能
で、且つインク受容層を保護するとともに、転写画像の
品質を大きく妨げない限り、種々の熱可塑性樹脂及び熱
硬化性樹脂、特に成膜性を有するポリマーが使用でき
る。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂(ポリアミ
ド11、ポリアミド12、ポリアミド612など)、ポ
リエステル樹脂(PET系コポリエステル、PBT系コ
ポリエステルなど)、スチレン系樹脂(スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体など)、ポリオレフィ
ン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体など)、ポリカーボネート樹脂、ポ
リ酢酸ビニル系樹脂(ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸
ビニル共重合体など)、アクリル系樹脂(ポリ(メタ)
アクリル酸エステルなど)、ポリアセタール樹脂、塩化
ビニル系樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体な
ど)、フッ素系樹脂などの各種樹脂が例示できる。前記
熱可塑性樹脂は、単独で用いても、二種以上を混合して
用いてもよい。熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、キリレン樹脂、メラミ
ン樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂などの各種樹脂が
例示できる。
【0017】インク受容層を有効に保護し、耐久性を向
上させるためには、保護層を軟質ポリマー、特に非粘着
性ポリマーで構成するのが有利である。軟質ポリマー
は、非エラストマーであってもよいが、エラストマーが
好ましい。エラストマーとしては、合成ゴム、天然ゴ
ム、及び熱可塑性エラストマーから選択される少なくと
も一種のポリマーが挙げられる。
【0018】合成ゴムとしては、ジエン系ゴム(例え
ば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソ
プレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴムなど)、オレフィン系ゴム(例えば、ブチ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM
など)、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリ
ルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムなど)、及
びその他のゴム(例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴ
ム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリノルボルネン
ゴムなど)などの各種ゴムが例示できる。
【0019】熱可塑性エラストマーとしては、ハードセ
グメント(又はブロック)とソフトセグメント(又はブ
ロック)とで構成されたエラストマー、例えば、ポリス
チレン系エラストマー(ポリブタジエン/ポリスチレン
エラストマー、ポリイソプレン/ポリスチレンエラスト
マーなどのブロック共重合体など)、ポリウレタンエラ
ストマー(ポリエステル又はポリエーテル系ポリウレタ
ンエラストマーなどのブロック共重合体など)、ポリア
ミドエラストマー(ポリエステル又はポリエーテル系ポ
リアミドエラストマーなどのブロック共重合体など)、
ポリオレフィンエラストマー(EPR/ポリプロピレン
エラストマー、EPDM/ポリプロピレンエラストマ
ー、ポリオレフィンブロック共重合体など)、ポリエス
テルエラストマー(ポリエチレンテレフタレート系エラ
ストマー、ポリブチレンテレフタレート系エラストマー
などのブロック共重合体など)、ポリ塩化ビニルエラス
トマーなどの各種エラストマーが挙げられる。
【0020】本発明の熱転写シートを、衣類用の生地な
どのような伸縮する被転写体に熱転写する場合、保護層
とインク受容層とが、被転写体を伸縮させても柔軟に追
随し、転写画像にひび割れが生じるのを防止するため
に、特に、保護層は合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラ
ストマーで構成するのが好ましい。エラストマーは、硫
黄、過酸化物などにより加硫していてもよい。
【0021】好ましい保護層は、ヤング率が0.1〜1
00MPa(例えば、1〜100MPa)、好ましくは
0.1〜50MPa(例えば、1〜50MPa)程度の
エラストマーで構成できる。また、保護層のポリマーと
しては、伸び率が、300%以上(例えば、300〜1
000%程度)、好ましくは400%以上(例えば、4
00〜1000%程度)の範囲から選択されるエラスト
マーが使用でき、通常、ポリマーの伸び率は、400〜
900%程度である。さらに、保護層を構成するポリマ
ーのガラス転移温度は、−100〜100℃、好ましく
は−50〜50℃、さらに好ましくは−30〜30℃で
ある。前記ポリマーがエラストマーである場合、エラス
トマーのガラス転移温度は、−10℃以下(例えば、−
100〜−10℃程度)、好ましくは−15℃以下(例
えば、−100〜−15℃程度)、さらに好ましくは−
20℃以下(例えば、−100〜−20℃程度)が好ま
しく、ポリマーは、室温(10〜30℃程度)において
非粘着性であるのが好ましい。
【0022】このような保護層を形成すると、可撓性が
大幅に改善できるとともに、耐水性、耐久性、耐洗濯性
が著しく向上し、また、転写画像に伸縮によるひび割
れ、クラックが生じることを著しく抑制できる。
【0023】保護層の厚みは、例えば、1〜90μm程
度、好ましくは3〜70μm程度であり、通常、5〜5
0μm程度(特に5〜30μm程度)である。
【0024】[インク受容層]本発明の熱転写シートに
おいて、インク受容層は、親水性重合体及びホットメル
ト接着性樹脂で構成できる。
【0025】親水性重合体 前記親水性重合体としては、例えば、親水性天然高分子
又はその誘導体(アルギン酸ナトリウム、アラビアゴ
ム、ゼラチン、カゼイン、デキストリンなど)、セルロ
ース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、メ
チルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、カルボキシエチルセルロース、シアノエチルセ
ルロースなどのセルロースエーテル類、セルローススル
フェート、アセチルメチルセルロースなどのセルロース
エステル類)、ビニルアルコール系重合体(ポリビニル
アルコール,エチレン−ビニルアルコール共重合体,変
性ポリビニルアルコールなど)、エチレン系重合体(エ
チレン−無水マレイン酸共重合体など)、酢酸ビニル系
共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体、変
性酢酸ビニル系重合体など)、ポリアルキレンオキサイ
ド(ポリエチレンオキサイド,エチレンオキサイド−プ
ロピレンオキサイドブロック共重合体など)、カルボキ
シル基又はスルホン酸基を有する重合体又はその塩[ア
クリル系重合体(ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩
(アンモニウム,ナトリウムなどのアルカリ金属塩),
メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体,ア
クリル酸−ポリビニルアルコール共重合体など)、ビニ
ルエーテル系重合体(ポリビニルメチルエーテル,ポリ
ビニルイソブチルエーテルなどのポリビニルアルキルエ
ーテル,メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合
体などの変性ポリビニルエーテルなど)、スチレン系重
合体(スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸
ナトリウムなど)、ポリビニルスルホン酸ナトリウムな
ど]、窒素含有重合体(又はカチオン性ポリマー)又は
その塩(ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ドなどの4級アンモニウム塩、ポリジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジン、
ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミン、ポリア
ミドポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロ
リドン、変性ポリビニルピロリドンなど)などが挙げら
れる。これらの親水性重合体は単独で又は二種以上組み
合わせて使用できる。
【0026】これらの親水性重合体のうち、酢酸ビニル
系共重合体、ビニルアルコール系重合体(ポリビニルア
ルコール又は変性ポリビニルアルコールなど)、セルロ
ース誘導体(カルボキシメチルセルロースなどのセルロ
ースエーテル類など)、窒素含有重合体(ポリビニルピ
ロリドン又は変性ポリビニルピロリドンなどのビニルピ
ロリドン系重合体)などが好ましい。特に、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体
およびこれらの変性体から選択された少なくとも一種の
親水性重合体が好ましい。
【0027】前記酢酸ビニル系共重合体は、酢酸ビニル
と他の共重合性モノマー(カルボキシル基、スルホン酸
基やこれらの塩、ヒドロキシル基、エーテル基などの親
水性基を有するモノマー)との共重合体であり、その部
分ケン化物(例えば、ケン化度10〜90%程度の部分
ケン化物)なども含まれる。好ましい共重合性モノマー
には、エーテル基、なかでもオキシアルキレン単位(例
えば、エチレンオキサイドの単位(付加モル)数が1〜
100、好ましくは2〜80、さらに好ましくは5〜7
0(例えば、10〜50)程度)を有する(メタ)アク
リレート又はアリルエーテルが含まれる。
【0028】酢酸ビニル系共重合体において、共重合性
モノマーの割合は、例えば、モノマー全体の0.1〜5
0モル%、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましく
は2.5〜25モル%(例えば、3〜20モル%)程度
である。
【0029】変性ポリビニルアルコールや変性ポリビニ
ルピロリドンとしては、前記のようなポリオキシアルキ
レンエーテル基を有する重合体のほか,アセトアセチル
基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基などの変
性基で変性された重合体が含まれる。より具体的には、
ヒドロキシル基を有する親水性重合体とアセト酢酸エス
テルとの反応により生成するアセトアセチル基含有親水
性重合体(例えば、アセトアセチル基含有ポリビニルア
ルコール,アセトアセチル基含有ポリビニルピロリドン
など)、ビニルエステル又はビニルピロリドンと、カル
ボキシル基,酸無水物基又はエポキシ基含有不飽和単量
体との共重合体(例えば、ビニルエステルと上記変性基
含有不飽和単量体との共重合体のケン化により生成する
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシ
ル基変性ポリビニルピロリドン、エポキシ変性ポリビニ
ルアルコール、エポキシ基変性ポリビニルピロリドンな
ど)、活性水素原子(例えば、水酸基,アミノ基,カル
ボキシル基など)を有する親水性重合体とエピクロルヒ
ドリンとの反応により生成するエポキシ基含有ポリビニ
ルアルコール又はポリビニルピロリドンなどが例示でき
る。変性基の含有量は、単量体全体に対して0.01〜
10モル%、好ましくは0.1〜5モル%(例えば、
0.2〜3モル%)程度である。
【0030】ホットメルト接着性樹脂 ホットメルト接着性樹脂としては、種々の樹脂、例え
ば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン,エチレン−プロ
ピレン共重合体,アタクチックポリプロピレンなど)、
エチレン共重合樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体,
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体,エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体,アイオノマーなど)、ナイロ
ン系樹脂,ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
アクリル系樹脂、ゴムなどが例示できる。これらのホッ
トメルト接着性樹脂は単独で又は二種以上組合わせて使
用できる。ホットメルト接着性樹脂は、通常、水不溶性
である。ホットメルト接着性樹脂は、末端に反応性基
(カルボキシル基,ヒドロキシル基,アミノ基,イソシ
アネート基,シリル基など)を有する反応性ホットメル
ト接着性樹脂であってもよい。
【0031】熱転写性および耐久性(耐洗濯性など)を
付与するための好ましい樹脂はナイロン系樹脂,ポリエ
ステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂である。特にナイロ
ン系樹脂で構成されたホットメルト接着性樹脂は、被転
写体が衣類などである場合、転写画像に優れた耐洗濯性
および耐水性と、高い風合いを付与できる。
【0032】ナイロン系ホットメルト接着性樹脂として
は、ナイロン11およびナイロン12から選択された少
なくとも一方の単位を有するポリアミド樹脂(例えば、
ナイロン11,ナイロン12などのホモポリアミド,ナ
イロン6/11,ナイロン6/12,ナイロン66/1
2,ダイマー酸とジアミンとラウムラクタム又はアミノ
ウンデカン酸との共重合体などのコポリアミド)、ダイ
マー酸とジアミンとの反応により生成するポリアミド樹
脂などが含まれる。
【0033】ポリエステル系ホットメルト接着性樹脂と
しては、少なくとも脂肪族ジオールを用いたホモポリエ
ステル樹脂又はコポリエステル樹脂が含まれる。ホモポ
リエステル樹脂には、脂肪族ジオール(エチレングリコ
ール,プロピレングリコール,1,4−ブタンジオー
ル,1,6−ヘキサンジオールなどのC2-10アルキレン
シオール、ジエチレングリコールなどのポリオキシC
2-4 アルキレングリコール)と、脂肪族ジカルボン酸
(アジピン酸,スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸など)と、必要によりラクト
ンとの反応により生成する飽和脂肪族ポリエステル樹脂
が含まれる。コポリエステル樹脂には、ポリエチレンテ
レフタレート又はポリブチレンテレフタレートの構成成
分の一部を他のジオール(エチレングリコール,プロピ
レングリコール,1,4−ブタンジオールなどC2-6
ルキレングリコールなど)又はジカルボン酸(前記脂肪
族ジカルボン酸,フタル酸,イソフタル酸などの非対称
型芳香族ジカルボン酸など)若しくは前記ラクトンで置
換した飽和ポリエステル樹脂が含まれる。
【0034】ポリウレタン系ホットメルト接着性樹脂と
しては、少なくとも一部のジオール成分として、前記ポ
リエステル系ホットメルト接着性樹脂に対応するポリエ
ステルジオールを用いたポリエステル樹脂が含まれ、ジ
イソシアネート成分は、芳香族,芳香脂肪族,脂環族又
は脂肪族ジイソシアネートが使用できる。
【0035】ホットメルト接着性樹脂の融点は、通常、
70〜250℃、好ましくは80〜200℃、さらに好
ましくは100〜150℃程度の範囲から選択できる。
【0036】ホットメルト接着性樹脂は粉粒体として使
用される。ホットメルト接着性樹脂は、インク受容層の
表面から突出させてホットメルト接着性を有効に発現さ
せるため、通常、インク受容層の厚みよりも平均粒子径
が大きな粉粒状樹脂で構成されている。ホットメルト接
着性樹脂の平均粒径は、例えば、1〜100μm、好ま
しくは3〜80μm、さらに好ましくは5〜50μm程
度である。
【0037】インク吸収性や耐洗濯性などを向上させる
ため、ホットメルト接着性樹脂の粉粒体は多孔質体であ
ってもよい。
【0038】親水性重合体とホットメルト接着性樹脂と
の割合は、固形分換算で、前者/後者=20/80〜8
0/20(重量%)、好ましくは25/75〜75/2
5(重量%)、さらに好ましくは30/70〜70/3
0(重量%)、最も好ましくは35/65〜65/35
(重量%)程度の範囲から選択できる。
【0039】インク受容層は、さらに、カチオン性重合
体及び/又はウレタン系重合体を含むことができ、前記
ウレタン系重合体は、前記カチオン性重合体を構成して
もよい。インク受容層を、このような重合体と組合わせ
て構成すると、インク受容能を大幅に向上できる。さら
に、このような組み合わせにおいて、前記親水性重合体
は、カチオン性重合体又はウレタン系重合体に対する反
応性基を有していてもよい。カチオン性重合体 カチオン性重合体には、カルボキシメチルセルロースの
第4級アンモニウム塩などの他、カチオン性単量体(第
3級アミノ基又はその塩基を有する単量体、第4級アン
モニウム塩基を有する又は第4級アンモニウム塩基を形
成可能な単量体)の単独又は共重合体が含まれる。カチ
オン性重合体は、通常、ビニル系重合体、特に、アクリ
ル系重合体(アクリル系重合体水性エマルジョンなど)
で構成できる。
【0040】カチオン性単量体としては、例えば、ジC
1-4 アルキルアミノ−C2-3 アルキル(メタ)アクリル
アミド又はその塩[ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドな
ど]、ジC1-4 アルキルアミノ−C2-3 アルキル(メ
タ)アクリレート又はその塩[ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート
など]、ジC1-4 アルキルアミノ−C2-3 アルキル基置
換芳香族ビニル又はその塩[4−(2−ジメチルアミノ
エチル)スチレン、4−(2−ジメチルアミノプロピ
ル)スチレンなど]、窒素含有複素環式単量体又はその
塩[ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロ
リドンなど]などが含まれる。塩としては、ハロゲン化
水素酸塩(塩酸塩,臭化水素酸塩など)、硫酸塩、アル
キル硫酸塩(メチル硫酸塩,エチル硫酸塩など)、アル
キルスルホン酸塩,アリールスルホン酸塩、カルボン酸
塩(酢酸塩など)などが例示できる。なお、第3級アミ
ノ基にアルキル化剤(エピクロルヒドリンや塩化メチ
ル,ベンジルクロライドなど)を反応させることにより
第4級アンモニウム塩基を生成させてもよい。
【0041】前記カチオン性重合体は架橋性単量体との
共重合により架橋性基を有していてもよい。架橋性単量
体には、自己架橋性又は反応性官能基を有する種々の単
量体、例えば、カルボキシル基含有単量体[(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸などのカルボキシル基又は酸無水物基を有する
単量体、およびこれらの塩(アルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)]、不飽
和多価カルボン酸又はその酸無水物とC1-10アルコール
とのハーフエステル[マレイン酸モノエステルなど]、
ヒドロキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシC2-6 アルキルエステルな
ど]、スルホン酸基含有単量体[スチレンスルホン酸、
ビニルスルホン酸など]、エポキシ基含有単量体[(メ
タ)メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテ
ルなど]、メチロール基含有単量体又はその誘導体[N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミドなどのN−C1-4 アルコキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチロール(メ
タ)アクリルアミドなど]、シリル基などの加水分解縮
合性基含有単量体[ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、
ビニルエトキシジメチルシラン、ビニルジメトキシメチ
ルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(ビニルフェ
ニルアミノプロピル)トリメトキシシラン、γ−(ビニ
ルフェニルアミノプロピル)トリエトキシシラン、γ−
(ビニルベンジルアミノプロピル)トリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルビス(ジメチ
ルアミノ)メチルシラン、ビニルメチルジクロロシラ
ン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、アリルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプ
ロピルトリメトキシシラン、アリルメチルジクロロシラ
ン、アリルトリクロロシラン、β−(メタ)アクリロキ
シエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロキ
シエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シランなど]、アジリジニル基含有単量体[(メ
タ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)エチル、(メ
タ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)プロピル、
(メタ)アクリル酸3−(1−アジリジニル)プロピル
など]などが例示できる。これらの架橋性単量体は単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0042】カチオン性重合体を構成するこれらの単量
体は、通常、成膜性や被膜特性を調製するため共重合性
単量体と組み合わせて使用される。
【0043】共重合性単量体には、例えば、(メタ)ア
クリル酸C1-18アルキルエステル[例えば、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなど]、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル
酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、芳香族ビニ
ル類[スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン
など]、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アミド基含有単
量体[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミドなど]、エーテル基含有単量体[ビニルC1-4 アル
キルエーテル類など]、ポリオキシアルキレン基含有単
量体[ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート
など]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビ
ニルなど]、シアン化ビニル[(メタ)アクリロニトリ
ルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレンなど]
などが挙げられる。これらの共重合性単量体も単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。
【0044】共重合性単量体としては、通常、(メタ)
アクリル酸C1-18アルキルエステル(特にアクリル酸C
2-10アルキルエステルやメタクリル酸C1-6 アルキルエ
ステル)、芳香族ビニル類(特にスチレン)、ビニルエ
ステル類(特に酢酸ビニル)が使用される。
【0045】前記カチオン性単量体,架橋性単量体およ
び共重合性単量体の使用量は、耐水性およびインク定着
性を損なわない範囲で選択でき、例えば、カチオン性単
量体は、単量体全体の0.1〜50モル%、好ましくは
0.5〜40モル%、さらに好ましくは1〜30モル%
(例えば、2〜25モル%)程度である。また、架橋性
単量体の量は、例えば、単量体全体の0〜25モル%、
好ましくは0〜20モル%、さらに好ましくは0.5〜
15モル%程度であり、通常、0.3〜10モル%程度
である。単量体の残余は共重合性単量体で構成されてい
る。
【0046】カチオン性重合体のガラス転移温度は、成
膜性などを損なわない範囲で選択でき、例えば、−60
℃〜70℃、好ましくは−40℃〜50℃、さらに好ま
しくは−30℃〜40℃程度である。カチオン性重合体
の重量平均分子量は、例えば、0.1×104 〜100
×104 、好ましくは0.1×104 〜10×104
度の範囲から選択できる。
【0047】カチオン性重合体の形態は、有機溶媒溶
液、水溶液などの溶液であってもよいが、通常、カチオ
ン性エマルジョン(特に水性エマルジョン)の形態であ
る。カチオン性エマルジョン中の重合体粒子の平均粒子
径は、例えば、1〜200nm、好ましくは10〜10
0nm、さらに好ましくは15〜50nm程度である。
【0048】このようなカチオン性重合体を含むエマル
ジョンは、慣用の方法、例えば、ノニオン系界面活性剤
および/又はカチオン系界面活性剤を含む乳化重合系で
前記単量体を乳化重合する方法、前記単量体を重合した
後、第3級アミン塩又は第4級アンモニウム塩を形成し
て水性エマルジョンとする方法などにより得ることがで
きる。
【0049】ウレタン系重合体 ウレタン系重合体は、ジイソシアネート成分と、ジオー
ル成分との反応により得ることができ、必要によりジア
ミン成分を鎖伸長剤として使用してもよい。ウレタン系
重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。
【0050】ジイソシアネート成分には、例えば、芳香
族ジイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソ
シアネート(例えば、キシリレンジイソシアネートな
ど)、脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジ
イソシアネートなど)、脂肪族ジイソシアネート(例え
ば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネートなど)などが含まれる。ジイソシアネ
ート成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。ジイソシアネート成分は、アダクト体であってもよ
く、必要によりトリフェニルメタントリイソシアネート
などのポリイソシアネート成分と併用してもよい。
【0051】ジオール成分としては、例えば、ポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネー
トジオールなどが挙げられる。ポリオール成分は単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0052】ポリエステルジオールは、ジオール、ジカ
ルボン酸又はその反応性誘導体(低級アルキルエステ
ル,酸無水物)との反応に限らず、ラクトンから誘導し
てもよい。ジオールには、例えば、脂肪族ジオール(例
えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テト
ラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネ
オペンチルグリコールなどのC2-10アルキレンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールな
どのポリオキシC2-4 アルキレングリコールなど)、脂
環式ジオール、芳香族ジオールなどが含まれる。ジオー
ルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジ
オールは、必要により、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトールなどのポリオールと併用してもよい。
ジオールは、通常、脂肪族ジオールである。
【0053】ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジ
カルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸など)、脂
環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)などが例示さ
れる。ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせ
て使用できる。ジカルボン酸は、必要により、トリメリ
ット酸などの多価カルボン酸と併用してもよい。
【0054】ラクトンには、例えば、ブチロラクトン、
バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトンなど
が含まれ、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。
【0055】ウレタン系重合体は、ジオール成分として
ポリエーテルジオール(ポリオキシテトラメチレングリ
コールなど)を用いたポリエーテル型ウレタン系重合体
であってもよいが、少なくともポリエステルジオール
(特に、脂肪族成分を主たる反応成分とする脂肪族ポリ
エステルジオール)を用いたポリエステル型ウレタン系
重合体(例えば、1,4−ブタンジオールなどのC2-6
アルキレンジオールと、アジピン酸などのC4-12脂肪族
ジカルボン酸、およびイソフタル酸又はフタル酸との反
応により得られるポリエステルジオールや前記ラクトン
から誘導されるポリエステルジオールを用い、イソホロ
ンジイソシアネートなどのジイソシアネートと反応させ
たウレタン樹脂など)であるのが好ましい。
【0056】ウレタン系重合体は、有機溶媒溶液、水溶
液、水性エマルジョンとして用いてもよい。ウレタン系
重合体の水溶液又は水性エマルジョンは、ウレタン系重
合体を、乳化剤を用いて、溶解又は乳化分散させて調製
してもよく、ウレタン系重合体の分子内に遊離のカルボ
キシル基や3級アミノ基などのイオン性官能基を導入
し、アルカリや酸を用いて、ウレタン系重合体を溶解又
は分散させることにより調製してもよい。このような分
子内に遊離のカルボキシル基や3級アミノ基が導入され
たウレタン系重合体は、ジイソシアネート成分と、遊離
のカルボキシル基又は3級アミノを有するジオール(特
に高分子ジオール)成分との反応により得られる。な
お、前記遊離のカルボキシル基を有するジオール(特に
高分子ジオール)は、例えば、ジオール成分と、3以上
のカルボキシル基を有する多価カルボン酸又はその無水
物(例えば、無水ピロメリット酸などの4塩基酸無水物
など)や,スルホン酸基を有する多価カルボン酸(スル
ホイソフタル酸など)との反応、開始剤としてジメチロ
ールプロピオン酸などを用い、ラクトンを開環重合する
方法などにより得られる。また、3級アミノ基を有する
ジオール(特に高分子ジオール)は、開始剤としてN−
メチルジエタノールアミンなどを用い、アルキレンオキ
サイドやラクトンを開環重合することにより調製でき
る。
【0057】なお、前記カチオン性重合体とウレタン系
重合体は混合などにより組合わせて使用してもよい。ま
た、前記カチオン性重合体とウレタン系重合体は、ウレ
タン系重合体エマルジョンの存在下、アクリル系単量体
(特にカチオン性単量体)を含む単量体を乳化重合する
方法などにより複合化してもよい。
【0058】カチオン性重合体及び/又はウレタン系重
合体と、親水性重合体との割合は、耐水性,インク定着
性やインク吸収性を損なわない範囲、例えば、固形分換
算で、前者/後者=10/90〜90/10(重量
%)、好ましくは20/80〜80/20(重量%)、
さらに好ましくは30/70〜70/30(重量%)程
度の範囲から選択できる。
【0059】ホットメルト接着性樹脂の使用量は、イン
ク受容層を構成する重合体成分100重量部に対して、
例えば、10〜300重量部、好ましくは15〜200
重量部、さらに好ましくは20〜150重量部程度の範
囲から選択できる。
【0060】前記保護層と、前記親水性重合体、ホット
メルト接着性樹脂、カチオン性重合体及び/又はウレタ
ン系重合体で構成された樹脂組成物を用いたインク受容
層とを順次形成すると、インクジェット記録においては
高いインク吸収性および耐水性を示し、鮮明な記録画像
を形成できる。また、インク受容層は、高い熱転写性を
示すとともに、保護層が存在するため、転写画像は耐水
性(耐洗濯性)、耐久性などに優れる。特に、保護層を
エラストマーで構成すると、熱転写後、被転写体を伸縮
させても転写画像にひび割れを生じない。
【0061】架橋剤 インク受容層に架橋剤を添加すると、耐水性および耐洗
濯性を大きく向上できる。架橋剤としては、インク受容
層を構成する重合体および樹脂成分(カチオン性重合
体、ウレタン系重合体、親水性重合体やホットメルト接
着性樹脂)の種類に応じて適当に選択でき、例えば、ア
ミノ樹脂(尿素樹脂,グアナミン樹脂,メラミン樹脂な
ど)、エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、多
価カルボン酸又はその酸無水物、ポリアミン、シラン化
合物などが例示できる。これらの架橋剤は単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。
【0062】架橋剤の割合は、例えば、インク受容層を
構成する重合体および樹脂成分(親水性重合体、ホット
メルト接着性樹脂、カチオン性重合体,及びウレタン系
重合体)の総量100重量部に対して0.1〜50重量
部、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは5〜
30重量部程度の範囲から選択できる。
【0063】可塑剤,染料定着剤 インク受容層は、転写画像に高い柔軟性を付与するた
め、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤としては、例
えば、フタル酸系可塑剤(フタル酸エチル,フタル酸ブ
チル,フタル酸ヘキシル,フタル酸オクチル,フタル酸
2−エチルヘキシル,フタル酸ラウリルなど)、脂肪族
ジカルボン酸系可塑剤(アジピン酸2−エチルヘキシ
ル,セバシン酸ジブチル,セバシン酸2−エチルヘキシ
ルなど)、グリコール系可塑剤(エチルフタリル・エチ
ルグリコレート,ポリエチレングリコールエステルな
ど)、リン酸エステル系可塑剤(リン酸トリフェニル,
リン酸トリクレジル,リン酸トリ2−エチルヘキシルな
ど)、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤(エポ
キシ脂肪酸エステルなど)などが例示できる。これらの
可塑剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0064】可塑剤の使用量は、例えば、インク受容層
を構成する重合体および樹脂成分(親水性重合体、ホッ
トメルト接着性樹脂、カチオン性重合体、及びウレタン
系重合体樹脂)の総量100重量部に対して0.1〜3
0重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましく
は1〜20重量部程度の範囲から選択できる。
【0065】さらに、インク受容層は、独立して又は前
記可塑剤とともに、着色剤(染料)の定着性を向上させ
るため、染料定着剤を含有していてもよい。なお、高分
子染料定着剤は、前記親水性重合体として機能させるこ
ともできる。
【0066】染料定着剤としては、例えば、ジシアン系
化合物(ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物,ジシ
アンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物など)、
ポリアミン系化合物(ジエチレントリアミン,トリエチ
レンテトラミン,ジプロピレントリアミン,ポリアリル
アミンなどの脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミンな
どの芳香族ポリアミンなど)、ポリカチオン系化合物
(エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジ
アリルジメチルアンモニウム塩−二酸化イオウ共重合
物,ジアリルジメチルアンモニウム塩−ジアリルアミン
塩酸塩誘導体共重合物、ジアリルアミン塩−二酸化イオ
ウ共重合物,ジアリルメチルアミン塩重合物、ジアリル
ジメチルアンモニウム塩重合物,アリルアミン塩の重合
物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級
塩重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩−アクリル
アミド共重合物など)などが例示できる。
【0067】染料定着剤の使用量は、定着性を向上でき
る範囲、例えば、固形分換算で、インク受容層を構成す
る重合体および樹脂成分の総量100重量部に対して
0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さら
に好ましくは2〜20重量部程度の範囲から選択でき
る。
【0068】前記保護層を構成するポリマー、親水性重
合体、カチオン性重合体、ウレタン系重合体は、必要に
より種々の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫
外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、
滑剤、アンチブロッキング剤、充填剤、着色剤、消泡
剤、塗布性改良剤、増粘剤などを含有していてもよい。
ホットメルト接着性樹脂は、上記添加剤に加えて、粘着
付与剤(ロジン又はその誘導体、炭化水素系樹脂な
ど)、ワックス類などを含有していてもよい。
【0069】インク受容層の厚みは、例えば、5〜90
μm、好ましくは10〜70μm程度であり、通常、5
〜60μm(特に5〜50μm)程度である。なお、イ
ンク受容層の厚みは、ホットメルト接着性樹脂を含まな
い塗布剤を用いて形成した膜厚、又はホットメルト接着
性樹脂を含む塗布剤を用いて形成した塗膜の最小厚みを
意味する。
【0070】保護層とインク受容層との厚さの比は、前
者/後者=1/1〜1/10程度、好ましくは1/2〜
1/8程度、さらに好ましくは1/2〜1/7程度であ
り、通常、1/3〜1/6程度である。
【0071】なお、インク受容層の上には、必要によ
り、多孔質層、ブロッキング防止層、滑性層、帯電防止
層などを形成してもよい。
【0072】[製造方法]本発明の熱転写シートは、離
型性基材の少なくとも一方の面に、基材から剥離可能な
保護層と、少なくとも親水性重合体及びホットメルト接
着性樹脂を含むインク受容層とを順次形成することによ
り製造できる。前記保護層及びインク受容層は、基材の
離型性面に、エラストマーなどで構成された保護層用塗
布剤を塗布し、必要により乾燥させて、保護層を形成
し、親水性重合体、ホットメルト接着性樹脂および必要
により他の成分で構成された塗布剤をさらに重ねて塗布
することによりインク受容層を形成できる。保護層用塗
布剤は、ポリマーの種類に応じて、有機溶媒や水性溶媒
を用いて調製でき、溶液又はエマルジョンの形態であっ
てもよい。親水性重合体は、通常、水性溶液又はエマル
ジョンの形態で使用でき、ホットメルト接着性樹脂は粉
粒体の形態で使用できる。そのため、親水性重合体を含
む水性溶液又はエマルジョンと、ホットメルト接着性樹
脂の粉粒体と、必要により他の成分とを混合することに
より、インク受容層用塗布剤を調製できる。水性溶液又
は水性エマルジョンの溶媒は、水単独であってもよく、
必要によりアルコール類などの親水性有機溶媒を含んで
いてもよい。また、他の成分として、カチオン性重合体
及び/又はウレタン系重合体を混合するとインク受容能
が向上する。
【0073】塗布剤は、慣用の方法、例えば、ロールコ
ーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッ
ドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビア
コーターなどにより基材の少なくとも一方の面に塗布で
きる。塗膜を、50〜150℃(好ましくは80〜12
0℃)程度の温度で乾燥させることにより保護層及びイ
ンク受容層を形成できる。
【0074】このようにして形成されたインク受容層
は、インク(特に水性インク)の小滴を飛翔させて記録
するインクジェット方式により画像を形成するのに適し
ている。記録画像は、インク受容層を被転写体と接触さ
せた状態で、適当な温度(例えば、140〜250℃、
好ましくは140〜200℃程度)および圧力(5〜5
00g/cm2 程度)で適当な時間(例えば、5秒〜1
分程度)加熱圧着し、基材から保護層及びインク受容層
を剥離させることにより、被転写体に円滑に転写又は転
移できる。転写画像を含む転写体は必要により加熱して
架橋させてもよい。
【0075】被転写体としては、繊維、紙、木材、プラ
スチック、セラミックス、金属などの種々の材料で形成
された二次元又は三次元構造物が利用できる。通常、プ
ラスチックフィルムやプラスチックシート、紙、又は布
などが被転写体として利用される。
【0076】
【発明の効果】本発明では、基材上に熱により剥離可能
な保護層とホットメルト接着性インク受容層とを形成し
ているため、熱転写性を有するとともに、耐水性および
インク吸収性を高度に改善できる。また、熱転写後、イ
ンク受容層の上に保護層が存在することにより、耐久性
及び耐洗濯性を大きく改善でき、衣類などの被転写体へ
の熱転写により長期間に亘り鮮明な画像を維持できる。
また、風合いに優れ、さらに熱転写後に被転写体を伸縮
させてもひび割れやクラックを生じない転写画像を形成
できる。
【0077】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、「部」は重量部を示す。ま
た、実施例及び比較例で得られた熱転写シートの各種特
性の評価法は次の通りである。
【0078】インクジェットプリンター(キヤノン
(株)製、BJC−420J)を使用し、実施例及び比
較例で得られた熱転写シートに、シアン、イエロー、マ
ゼンタ、ブラックインクを用い、所定の絵柄を印字し、
記録画像を形成した。
【0079】(インク吸収性)印字から30秒後に、熱
転写シート上にPPCコピー用紙を載せ、コピー用紙の
上から指で5回擦り、コピー用紙を剥し、インクの転写
状態を観察し、下記の基準で評価した。 ○ インクの転写が殆どない △ 若干インクの転写がある × インクの転写が多い (耐洗濯性および耐水性)Tシャツに熱転写シートの記
録画像を当て、ハリロンプレス機を用い、温度160
℃、圧力15g/cm2 で20秒間圧着して、記録画像
をTシャツに熱転写した。温度40℃の温水1リットル
に市販の洗剤1gを添加し、熱転写画像部のTシャツの
試料(サイズ5cm×10cm)を入れ、攪拌機(スリ
ーワンモーター)を用い、回転数600rpmで20分
間撹拌した。そして、洗濯後の試料を取り出し、水をよ
く切り乾燥した後、転写画像部を観察し、以下の基準で
耐洗濯性を評価した。 ○ 転写画像部が完全に残っている △ 転写画像部に滲みが認められる × 転写画像部が残っていない 合成例1[カチオン性アクリル系共重合体エマルジョン
の調製] 撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管及び温度計
を備えた2000mlの反応容器に、イソプロピルアル
コール(IPA)219部とアゾイソブチロニトリル
(AIBN)1.23部を入れて撹拌して溶解し、80
℃に加温した。
【0080】共重合成分として、メチルメタアクリレー
ト(MMA)93.7部、n−ブチルアクリレート(B
A)98.7部、ジエチルアミノエチルメタアクリレー
ト(DEAEMA)49.3部及びトリメトキシシラン
プロピルメタアクリレート(日本ユニカー(株)製,A
−174、以下、単にA−174という場合がある)
4.93部を混合し、フラスコ中へ約4時間かけて滴下
した。滴下終了後、追加触媒としてAIBN 0.25
部とIPA25部との溶液を滴下し、さらに2時間反応
を継続して重合を完結させた。
【0081】重合終了後、撹拌を継続しながら、酢酸1
6部をフラスコ内に加え、引き続き水705部を約2時
間かけて滴下してエマルジョン化した。エマルジョン化
した後、ロータリーエバポレータでIPAを蒸発させ、
カチオン性アクリル系共重合体エマルジョン1を得た
(固形分濃度34.7%)。
【0082】実施例1 離型処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム
に、ウレタン系樹脂塗料を乾燥後の厚み10μmとなる
ように塗布した。合成例1で得られた共重合体エマルジ
ョンと、ナイロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径
約50μm)とを、固形分換算で60重量部及び40重
量部となる割合で混合し、調製した水性塗布液を前記ウ
レタン系樹脂層の上に、乾燥後の厚み40μmとなるよ
うに塗布し、乾燥することにより熱転写シートを得た。
【0083】実施例2 ウレタン系樹脂塗料に代えてスチレン−ブタジエンゴム
を使用する以外、実施例1と同様にして熱転写シートを
得た。
【0084】実施例3 離型処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム
に、ウレタン系樹脂塗料を乾燥後の厚み10μmとなる
ように塗布した。ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステ
ルジオールとイソホロンジイソシアネートとの反応によ
り合成)の水性エマルジョンと、ナイロン系ホットメル
ト接着性樹脂(平均粒径約50μm)とを、固形分換算
で50重量部及び50重量部となる割合で混合し、調製
した水性塗布液を前記ウレタン系樹脂層の上に、乾燥後
の厚み40μmとなるように塗布し、乾燥することによ
り熱転写シートを得た。
【0085】比較例1 合成例1で得られた共重合体エマルジョンと、ナイロン
系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約50μm)と
を、固形分換算で60重量部及び40重量部となる割合
で混合し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液を、
離型処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム
に、乾燥後の厚み40μmとなるように塗布し、乾燥す
ることにより熱転写シートを得た。
【0086】比較例2 離型処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム
に、ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールと
イソホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水
性エマルジョンと、ナイロン系ホットメルト接着性樹脂
(平均粒径約50μm)とを含む水性塗布液を、乾燥後
の厚み40μmとなるように塗布し、乾燥することによ
り熱転写シートを得た。
【0087】実施例および比較例で得られた熱転写シー
トの評価結果を表に示す。
【0088】
【表1】 表から明らかなように、比較例に比べて実施例ではいず
れもインク吸収性および耐水性(耐洗濯性)が高い。ま
た、実施例の熱転写シートを用いて形成された転写画像
は、粘着テープで剥離試験を行っても剥離が生じず、風
合いにも優れていた。なお、実施例の熱転写シートを用
いて形成された転写画像は被転写体を伸縮させても、ひ
び割れ、クラックが生じなかった。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に、前記基材
    から剥離可能な保護層と、少なくとも親水性重合体及び
    ホットメルト接着性樹脂を含むインク受容層とが順次形
    成された熱転写シート。
  2. 【請求項2】 保護層が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
    脂、及びエラストマーから選択される少なくとも一種の
    ポリマーで構成されている請求項1記載の熱転写シー
    ト。
  3. 【請求項3】 保護層のヤング率が、0.1〜100M
    Paである請求項1記載の熱転写シート。
  4. 【請求項4】 保護層の伸び率が、300〜1000%
    である請求項1記載の熱転写シート。
  5. 【請求項5】 保護層とインク受容層との厚さの比が、
    前者/後者=1/1〜1/10である請求項1記載の熱
    転写シート。
  6. 【請求項6】 親水性重合体が、ポリビニルアルコー
    ル、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体およびこ
    れらの変性体から選択された少なくとも一種である請求
    項1記載の熱転写シート。
  7. 【請求項7】 ホットメルト接着性樹脂が、ナイロン系
    樹脂,ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂か
    ら選択された少なくとも一種である請求項1記載の熱転
    写シート。
  8. 【請求項8】 ホットメルト接着性樹脂が、インク受容
    層の厚みよりも平均粒子径が大きな粉粒状樹脂で構成さ
    れている請求項1記載の熱転写シート。
  9. 【請求項9】 親水性重合体とホットメルト接着性樹脂
    との割合が、固形分換算で、前者/後者=20/80〜
    80/20(重量%)である請求項1記載の熱転写シー
    ト。
  10. 【請求項10】 インク受容層が、さらに、カチオン性
    重合体及び/又はウレタン系重合体で構成されている請
    求項1記載の熱転写シート。
  11. 【請求項11】 カチオン性重合体がアクリル系重合体
    又はウレタン系重合体の水性エマルジョンで構成されて
    いる請求項10記載の熱転写シート。
  12. 【請求項12】 ウレタン系重合体が、ポリエステル型
    ウレタン系重合体である請求項10記載の熱転写シー
    ト。
  13. 【請求項13】 ホットメルト接着性樹脂の割合が、親
    水性重合体90〜10重量%並びにカチオン性重合体及
    び/又はウレタン系重合体10〜90重量%で構成され
    た樹脂組成物100重量部に対して、10〜300重量
    部である請求項10記載の熱転写シート。
  14. 【請求項14】 インク受容層が、架橋剤を含む請求項
    1記載の熱転写シート。
  15. 【請求項15】 架橋剤の割合が、インク受容層を構成
    する重合体成分100重量部に対して0.1〜50重量
    部である請求項14記載の熱転写シート。
  16. 【請求項16】 インク受容層が、染料定着剤および可
    塑剤のうち少なくとも一方の成分を含む請求項1記載の
    熱転写シート。
  17. 【請求項17】 基材の少なくとも一方の面に、前記基
    材から剥離可能な保護層と、少なくとも親水性重合体及
    びホットメルト樹脂を含むインク受容層とを順次形成す
    る熱転写シートの製造方法。
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