JP2000168250A - 熱転写シート及びその製造方法 - Google Patents

熱転写シート及びその製造方法

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JP2000168250A
JP2000168250A JP10343188A JP34318898A JP2000168250A JP 2000168250 A JP2000168250 A JP 2000168250A JP 10343188 A JP10343188 A JP 10343188A JP 34318898 A JP34318898 A JP 34318898A JP 2000168250 A JP2000168250 A JP 2000168250A
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thermal transfer
transfer sheet
weight
monomer
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JP10343188A
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English (en)
Inventor
Kenji Nakama
憲司 中間
Kenichi Kawai
賢一 川合
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式により耐水性の高い記録
画像を形成し、この記録画像を被転写体へ熱転写し、耐
洗濯性の高い転写画像を得る。 【解決手段】 離型性基材の少なくとも一方の面に、熱
硬化性樹脂とホットメルト接着性樹脂(ナイロン系,ポ
リエステル系,ポリウレタン系樹脂)とで構成されたイ
ンク受容層を形成する。前記熱硬化性樹脂は、自己架橋
性アクリル系樹脂(例えば、加水分解縮合性基を有する
アクリル系樹脂など)であってもよい。さらに、インク
受容層は、ウレタン系樹脂(例えば、ポリエステル型ウ
レタン樹脂)を含んでいてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写シートおよび
その製造方法、さらに詳しくはインクジェット記録方式
におけるインクの吸収性、記録画像の耐水性および耐洗
濯性に優れ、記録画像を被転写体に転写して転写画像を
形成するのに有用な熱転写シートおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、フルカラー
化が容易であり、低騒音で印字品質に優れている。イン
クジェット記録には、安全性、記録適性の点から主に水
系インクが使用され、ノズルから記録用シートにむけて
インク小滴を飛翔させることにより記録が行われる。こ
のため、記録用シートは、速やかにインクを吸収するこ
と、高い定着性が要求される。また、衣類などの被転写
体に記録画像を熱転写して転写画像を形成する場合、転
写画像用シートには、熱転写性および接着性のみなら
ず、高い耐水性および耐洗濯性が要求される。
【0003】特開昭63−60784号公報には、支持
体の表面に、インク(特に油性インク)中の溶剤に溶解
又は膨潤する有機高分子微粒子を含有するインク吸収層
を形成したインクジェット記録用シートが開示されてい
る。特開平7−25133号公報には、ポリオレフィン
樹脂被覆紙又はポリエステルフィルムで形成された支持
体の少なくとも一方の面に、平均粒子径5〜15μmの
球状微粒子ポリマーを、乾燥重量で5〜30mg/m2
の割合で含み、かつ厚みが前記球状微粒子ポリマーの平
均粒子径よりも小さなインク受理層が形成されたインク
ジェット記録シートが開示されている。
【0004】特開昭63−115780号公報には、4
級アンモニウム塩を含む重合体を支持体に塗布したイン
クジェット記録用シートが開示され、合成シリカを併用
すること、バインダーとしてポリビニルアルコールなど
を併用することも記載されている。
【0005】しかし、これらの記録用シートでは、イン
クの定着性や耐水性を高いレベルに向上させることがで
きない。特に、記録画像を被転写体へ熱転写するのが困
難である。さらに、仮に、被転写体に転写画像を形成し
たとしても、耐洗濯性および耐久性が劣る。
【0006】特開平8−324106号公報には、基材
の一方の面に、ホットメルト樹脂(エチレン−酢酸ビニ
ル系,ポリエステル系,ゴム系など)で構成された多孔
質構造のインク受容層が形成されたインクジェット記録
用シートが開示されている。特開平8−207425号
公報には、基材の一方の面に、ホットメルト樹脂(ポリ
アミド系,ポリエステル系などのほか、飽和ポリエステ
ル樹脂などの水溶性ホットメルト樹脂)と親水性樹脂
(ポリアクリルアミド,ポリビニルアルコール,ポリビ
ニルピロリドンなど)とを含むインク受容層が形成され
たインクジェット記録用シートが開示されている。この
記録用シートは、加熱によりフィルムなどと貼合わせる
ことができる。
【0007】特開平10−16382号公報には、基材
上に、離型層と、熱可塑性樹脂微粒子及び熱可塑性樹脂
の高分子結着剤を含む転写層とを設けたインクジェット
記録用転写媒体が開示されており、前記転写層が架橋剤
を含んでもよいことが記載されている。特開平10−5
3000号公報には、支持体上に、シリコン化合物を含
む剥離層を設け、この剥離層上に自己架橋型ポリマー
(メチロール基及び/又はアルコキシメチル基を有する
ポリマーなど)を含有する転写層を設けた転写シートが
開示されている。特開平9−290560号公報には、
剥離性支持体に充填剤粒子と水溶性熱可塑性樹脂と必要
により非水溶性熱可塑性樹脂とを含む転写層を設けたイ
ンクジェット用受像シートが開示されている。特開平1
0−250222号公報には、支持体と、熱可塑性高分
子樹脂及び熱架橋性高分子樹脂(アミノ樹脂など)を含
有する熱転写層とを有するインクジェット用熱転写媒体
が開示されている。
【0008】しかし、これらのインク受容層は、インク
の定着性および耐水性が十分でない。特に耐洗濯性が十
分でないため、衣類などへ記録画像を熱転写したとして
も、長期間に亘り鮮明な転写画像を維持できなくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、熱転写性を有するとともに、耐水性およびインク吸
収性を高度に改善できる熱転写シート及びその製造方法
を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、耐洗濯性が大きく改
善され、衣類などの被転写体への熱転写により長期間に
亘り鮮明な画像を維持できる熱転写シートおよびその製
造方法を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、耐水性および
耐洗濯性に優れているとともに、風合いに優れる転写画
像を形成できる熱転写シートおよびその製造方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討の結果、基材シートに対して
剥離可能なインク受容層として、熱硬化性樹脂とホット
メルト接着性樹脂とを組合わせたインク受容層を形成す
ると、熱転写性に加えて、耐水性およびインク吸収性を
向上できることを見いだし、本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明の熱転写シートは、基材
の少なくとも一方の面に、インク受容層が剥離可能に形
成されており、前記インク受容層が、少なくとも熱硬化
性樹脂とホットメルト接着性樹脂とで構成されている。
前記熱硬化性樹脂は、自己架橋性アクリル系樹脂(例え
ば、加水分解縮合性基を有するアクリル系樹脂など)で
あってもよい。また、ホットメルト接着性樹脂は、ナイ
ロン系樹脂,ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂
などであってもよい。前記インク受容層は、さらにウレ
タン系樹脂(例えば、ポリエステル型ウレタン樹脂)を
含んでいてもよい。
【0014】本発明には、離型性基材の少なくとも一方
の面に、熱硬化性樹脂とホットメルト接着性樹脂とで構
成されたインク受容層を形成する熱転写シートの製造方
法も含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写シートは、基材
と、この基材に対して剥離可能に形成されたインク受容
層とを備えており、このインク受容層は、熱硬化性樹脂
とホットメルト接着性樹脂とで構成されており、単一層
構造を有していてもよい。インク受容層は熱転写により
被転写体に対して高い密着強度を示すので、飛翔するイ
ンク小滴により記録し、記録画像を被転写体に熱転写し
て転写画像を形成するインクジェット熱転写シートとし
て有用である。
【0016】[基材]基材としては、インク受容層に対
して剥離可能である限り、不透明、半透明や透明な基材
が使用できる。基材としては、通常、離型性基材、例え
ば、離型処理紙、離型処理していてもよいプラスチック
フィルムなどが挙げられる。プラスチックフィルムを構
成するポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン、酢酸セルロースなどのセルロース誘
導体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート,ポ
リブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナ
フタレートなどのポリアルキレンナフタレートなど)、
ポリアミド(ポリアミド6,ポリアミド6/6など)な
どが挙げられる。これらのフィルムのうち、通常、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどが使用さ
れ、特に、機械的強度、耐熱性、作業性などの点からポ
リエステル(特にポリエチレンテレフタレートなど)が
好ましい。
【0017】基材の厚みは、用途に応じて選択でき、通
常、10〜250μm、好ましくは15〜200μm程
度である。離型性は、慣用の方法、例えば、離型剤(ワ
ックス,高級脂肪酸塩,高級脂肪酸エステル、高級脂肪
酸アミド、シリコーンオイルなど)で基材を処理した
り、基材に含有させることにより付与できる。プラスチ
ックフィルムには、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、熱安定剤、滑剤、顔料などの慣用の添加剤を添
加してもよい。 [インク受容層]本発明の熱転写シートにおいて、イン
ク受容層は、少なくとも熱硬化性樹脂とホットメルト接
着性樹脂とで構成できる。
【0018】[熱硬化性樹脂]熱硬化性樹脂は、例え
ば、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルエステル系樹脂、シ
リコーン系樹脂などであってもよいが、自己架橋性樹脂
(自己架橋性基を有する熱可塑性樹脂)、例えば、自己
架橋性ポリエステル系樹脂、自己架橋性ポリアミド系樹
脂、自己架橋性アクリル系樹脂、自己架橋性オレフィン
系樹脂などが好ましく、中でも自己架橋性アクリル系樹
脂が好ましい。
【0019】前記自己架橋性樹脂は、少なくとも自己架
橋性基[例えば、エポキシ基、メチロール基、加水分解
縮合性基(シリル基など)、アジリジニル基など]を有
する単量体を構成単位とする重合体で構成されている。
【0020】前記自己架橋性基を有する単量体(すなわ
ち、架橋性官能基含有単量体)には、種々の単量体、例
えば、エポキシ基含有単量体[(メタ)アクリル酸グリ
シジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、1−アリ
ルオキシ−3,4−エポキシブタン、1−(3−ブテニ
ルオキシ)−2,3−エポキシプロパン、4−ビニル−
1−シクロヘキセン−1,2−エポキシドなど]、メチ
ロール基含有単量体又はその誘導体[N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)
アクリルアミドなどのN−C1-4 アルコキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブチロール(メタ)アクリル
アミドなど]、シリル基などの加水分解縮合性基含有単
量体[ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメトキシジ
メチルシラン、ビニルエトキシジメチルシラン、ビニル
イソブトキシジメチルシラン、ビニルジメトキシメチル
シラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルジフェニルエ
トキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、γ−(ビ
ニルフェニルアミノプロピル)トリメトキシシラン、γ
−(ビニルベンジルアミノプロピル)トリメトキシシラ
ン、γ−(ビニルフェニルアミノプロピル)トリエトキ
シシラン、γ−(ビニルベンジルアミノプロピル)トリ
エトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニル
ジエトキシシラン、ジビニルジ(β−メトキシエトキ
シ)シラン、ビニルジアセトキシメチルシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、ビニルビス(ジメチルアミノ)
メチルシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジ
メチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニル
メチルフェニルクロロシラン、アリルトリエトキシシラ
ン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、ア
リルジアセトキシメチルシラン、アリルトリアセトキシ
シラン、アリルビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、
アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシ
ラン、アリルトリクロロシラン、メタリルフェニルジク
ロロシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリメト
キシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリエト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シランな
ど]、アジリジニル基含有単量体[(メタ)アクリル酸
2−(1−アジリジニル)エチル、(メタ)アクリル酸
2−(1−アジリジニル)プロピル、(メタ)アクリル
酸3−(1−アジリジニル)プロピルなど]などが例示
できる。前記架橋性官能基含有単量体は単独で又は二種
以上組み合わせて使用できる。
【0021】好ましい架橋性官能基含有単量体は、加水
分解縮合性基、特にアルコキシシリル基(メトキシシリ
ル基,エトキシシリル基などのC1-4 アルコキシシリル
基など)を有している。前記熱硬化性樹脂として、前記
のような加水分解縮合性基を有するアクリル系樹脂など
を用いるのが好ましい。
【0022】熱硬化性樹脂は、前記架橋性官能基含有単
量体と、他の単量体(カチオン性官能基含有単量体、親
水性単量体、非イオン性単量体などの単量体)とで構成
できる。
【0023】カチオン性官能基含有単量体としては、例
えば、ジC1-4 アルキルアミノ−C 2-3 アルキル(メ
タ)アクリルアミド又はその塩[ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミドなど]、ジC1-4 アルキルアミノ−C2-3
ルキル(メタ)アクリレート又はその塩[ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレートなど]、ジC1-4 アルキルアミノ−C2-3
ルキル基置換芳香族ビニル又はその塩[4−(2−ジメ
チルアミノエチル)スチレン、4−(2−ジメチルアミ
ノプロピル)スチレンなど]、窒素含有複素環式単量体
又はその塩[ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビ
ニルピロリドンなど]などが含まれる。塩としては、ハ
ロゲン化水素酸塩(塩酸塩,臭化水素酸塩など)、硫酸
塩、アルキル硫酸塩(メチル硫酸塩,エチル硫酸塩な
ど)、アルキルスルホン酸塩,アリールスルホン酸塩、
カルボン酸塩(酢酸塩など)などが例示できる。なお、
第3級アミノ基にアルキル化剤(エピクロルヒドリンや
塩化メチル,ベンジルクロライドなど)を反応させるこ
とにより第4級アンモニウム塩基を生成させてもよい。
【0024】前記カチオン性単量体(第3級アミノ基又
はその塩基を有する単量体、第4級アンモニウム塩基を
有する又は第4級アンモニウム塩基を形成可能な単量
体)は、前記架橋性官能基含有単量体との共重合により
架橋性基を有するカチオン性重合体(架橋性重合体)と
して用い、定着性、耐水性などを改善してもよい。
【0025】親水性単量体には、親水性基、例えば、カ
ルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミド
基、スルホン酸基、エーテル基、ポリオキシアルキレン
基などを有する共重合性モノマーなどが含まれる。
【0026】カルボキシル基含有単量体としては、(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸又
はその酸無水物、およびこれらの塩(アルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩な
ど)、多価不飽和カルボン酸又はその酸無水物と炭素数
1〜20程度の直鎖又は分岐鎖アルコールとのハーフエ
ステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノ2−エチルヘキシルなど)などが挙
げられる。
【0027】ヒドロキシル基含有単量体としては、不飽
和脂肪酸のヒドロキシアルキルエステル[例えば、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキ
シブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2-6
ルキルエステル、マレイン酸2−ヒドロキシエチルメチ
ル、マレイン酸ジ(2−ヒドロキシプロピル)などのマ
レイン酸モノ又はジヒドロキシC2-6 アルキルエステル
などのカルボン酸ヒドロキシヒドロキシC2-6 アルキル
エステルなど]、ヒドロキシル基を有する脂肪族、脂環
族、又は芳香族ビニル化合物(例えば、α−ヒドロキシ
スチレンなど)が挙げられる。
【0028】アミド基含有単量体としては、C1-4 アル
キル基、C1-4 アルコキシ基、又はC1-4 アシル基など
の置換基で置換されていてもよいC2-8 カルボン酸アミ
ド[例えば、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジア
セトン(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル
アミドなど]などが挙げられる。
【0029】スルホン酸基含有単量体としては、スチレ
ンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸基を
有する脂肪族、脂環族、又は芳香族ビニル化合物、又は
これらのナトリウム塩などが挙げられる。
【0030】エーテル基含有単量体としては、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチ
ルエーテルなどのビニルエーテル類が例示できる。ポリ
オキシアルキレン基含有単量体としては、ジエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
【0031】前記親水性単量体は単独で又は二種以上組
合せて使用できる。好ましい親水性単量体は、カルボキ
シル基含有単量体、特に、(メタ)アクリル酸又はその
塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、ヒドロ
キシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルな
ど]、ポリオキシアルキレン単位を有する単量体[ジエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]が挙げら
れる。
【0032】前記架橋性官能基含有単量体、カチオン性
官能基含有単量体及び親水性単量体は、単独又は二種以
上を組合せて使用できる。これらの単量体は、成膜性や
被膜特性を調整するために非イオン性単量体と組合せて
使用してもよい。
【0033】非イオン性単量体には、例えば、アルキル
エステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)
アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C
1-18アルキルエステルなど]、シクロアルキルエステル
[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]、アリール
エステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、アラル
キルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルなど]、芳
香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレンなど]、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アリル
エステル類[酢酸アリルなど]、ハロゲン含有単量体
[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シアン化ビニル
[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エ
チレン、プロピレンなど]などが挙げられる。
【0034】これらの非イオン性単量体も単独で又は二
種以上組合せて使用できる。非イオン性単量体として
は、通常、(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル
[特に、アクリル酸C2-10アルキルエステルやメタクリ
ル酸C1-6 アルキルエステル]、芳香族ビニル類[特に
スチレン]、ビニルエステル類[特に酢酸ビニル]が使
用される。
【0035】熱硬化性樹脂は、前記架橋性官能基含有単
量体と、カチオン性官能基含有単量体、親水性単量体及
び非イオン性単量体から選択された少なくとも一種の単
量体(特に、カチオン性官能基含有単量体)との共重合
体で構成できる。好ましくは、前記熱硬化性樹脂は、架
橋性官能基含有単量体とカチオン性官能基含有単量体
と、さらに親水性単量体及び非イオン性単量体から選択
された少なくとも一種の単量体(特に、親水性単量体)
との共重合体であってもよい。
【0036】前記単量体類の好ましい組合せは以下の通
りである。 架橋性単量体:シリル基含有(メタ)アクリレート、例
えば、(メタ)アクリロキシ−C2-3 アルキルトリC
1-2 アルコキシシラン カチオン性官能基含有単量体:ジC1-4 アルキルアミノ
−C2-3 アルキル(メタ)アクリレート又はその第4級
アンモニウム塩 親水性単量体:不飽和カルボン酸 前記単量体類で構成された共重合体は、その重合様式に
ついては特に制限されず、例えば、ランダム共重合体な
どであってもよい。
【0037】全単量体中、架橋性官能基含有単量体の含
有量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10
重量%、さらに好ましくは1〜5重量%程度、カチオン
性官能基含有単量体の含有量は、1〜50重量%、好ま
しくは5〜45重量%、親水性単量体の含有量は、0〜
30重量%(例えば、0.1〜30重量%)、好ましく
は0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜15
重量%程度であり、残余は非イオン性単量体で構成され
る。
【0038】好ましい態様において、前記単量体類の割
合は、架橋性官能基含有単量体100重量部に対して、
カチオン性官能基含有単量体が300〜1000重量
部、好ましくは500〜800重量部程度であり、親水
性単量体が100〜500重量部、好ましくは200〜
300重量部程度である。
【0039】前記単量体で構成された共重合体(非架橋
状態の熱硬化性樹脂)のガラス転移温度Tgは、示差走
査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/分で測
定したとき、成膜性などを損なわない範囲で選択でき、
例えば、−90℃〜110℃、好ましくは−50℃〜1
00℃、さらに好ましくは−20℃〜80℃程度であ
る。このようなガラス転移温度は、前記架橋性官能基含
有単量体、カチオン性官能基含有単量体と、必要に応じ
て親水性単量体や非イオン性単量体とを適当に組合せる
ことにより調製できる。前記単量体は、通常、ハードモ
ノマー[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、スチレン
などのガラス転移温度80〜120℃(特に90〜10
5℃)程度の単独重合体を形成する単量体]、ソフトモ
ノマー[アクリル酸C2-10アルキルエステルなどのガラ
ス転移温度−85℃〜−10℃(特に−85℃〜−20
℃)程度の単独重合体を形成する単量体]と組合せて共
重合体を構成する場合が多い。
【0040】架橋性重合体(熱硬化性樹脂)の形態は、
有機溶媒溶液、水溶液などの溶液であってもよいが、通
常、エマルジョン(特に水性エマルジョン)の形態であ
る。架橋性重合体を含むエマルジョンは、慣用の方法、
例えば、ノニオン系界面活性剤および/又はカチオン系
界面活性剤を含む乳化重合系で前記単量体を乳化重合す
る方法、前記単量体を重合した後、第3級アミン塩又は
第4級アンモニウム塩を形成して水性エマルジョンとす
る方法などにより得ることができる。
【0041】[ウレタン系樹脂]本発明の熱転写シート
において、インク受容層は、さらにウレタン系樹脂を含
んでいてもよい。ウレタン系樹脂を含むインク受容層
は、例えば、10〜700%程度の伸度を示し、可撓
性、耐久性に優れる。
【0042】ウレタン系樹脂は、ジイソシアネート成分
と、ジオール成分との反応により得られるウレタン系重
合体で構成され、必要によりジアミン成分を鎖伸長剤と
して使用してもよい。ウレタン系樹脂は、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。
【0043】ジイソシアネート成分には、例えば、芳香
族ジイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソ
シアネート(例えば、キシリレンジイソシアネートな
ど)、脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジ
イソシアネートなど)、脂肪族ジイソシアネート(例え
ば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネートなど)などが含まれる。ジイソシアネ
ート成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。ジイソシアネート成分は、アダクト体であってもよ
く、必要によりトリフェニルメタントリイソシアネート
などのポリイソシアネート成分と併用してもよい。
【0044】ジオール成分としては、例えば、ポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネー
トジオールなどが挙げられる。ポリオール成分は単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0045】ポリエステルジオールは、ジオール、ジカ
ルボン酸又はその反応性誘導体(低級アルキルエステ
ル,酸無水物)との反応に限らず、ラクトンから誘導し
てもよい。ジオールには、例えば、脂肪族ジオール(例
えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テト
ラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネ
オペンチルグリコールなどのC2-10アルキレンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールな
どのポリオキシC2-4 アルキレングリコールなど)、脂
環式ジオール、芳香族ジオールなどが含まれる。ジオー
ルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジ
オールは、必要により、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトールなどのポリオールと併用してもよい。
ジオールは、通常、脂肪族ジオールである。
【0046】ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジ
カルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸など)、脂
環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)などが例示さ
れる。ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせ
て使用できる。ジカルボン酸は、必要により、トリメリ
ット酸などの多価カルボン酸と併用してもよい。
【0047】ラクトンには、例えば、ブチロラクトン、
バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトンなど
が含まれ、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。ウレタン系樹脂は、ジオール成分としてポリエーテ
ルジオール(ポリオキシテトラメチレングリコールな
ど)を用いたポリエーテル型ウレタン系樹脂であっても
よいが、少なくともポリエステルジオール(特に、脂肪
族成分を主たる反応成分とする脂肪族ポリエステルジオ
ール)を用いたポリエステル型ウレタン系樹脂(例え
ば、1,4−ブタンジオールなどのC2-6 アルキレンジ
オールと、アジピン酸などのC4-12脂肪族ジカルボン
酸、およびイソフタル酸又はフタル酸との反応により得
られるポリエステルジオールや前記ラクトンから誘導さ
れるポリエステルジオールを用い、イソホロンジイソシ
アネートなどのジイソシアネートと反応させたウレタン
樹脂など)であるのが好ましい。
【0048】ウレタン系樹脂は、有機溶媒溶液、水溶
液、水性エマルジョンとして用いてもよい。ウレタン系
樹脂の水溶液又は水性エマルジョンは、ウレタン系樹脂
を、乳化剤を用いて、溶解又は乳化分散させて調製して
もよく、ウレタン系樹脂の分子内に遊離のカルボキシル
基や3級アミノ基などのイオン性官能基を導入し、アル
カリや酸を用いて、ウレタン系樹脂を溶解又は分散させ
ることにより調製してもよい。このような分子内に遊離
のカルボキシル基や3級アミノ基が導入されたウレタン
系樹脂は、ジイソシアネート成分と、遊離のカルボキシ
ル基又は3級アミノを有するジオール(特に高分子ジオ
ール)成分との反応により得られるウレタン系重合体で
構成される。なお、前記遊離のカルボキシル基を有する
ジオール(特に高分子ジオール)は、例えば、ジオール
成分と、3以上のカルボキシル基を有する多価カルボン
酸又はその無水物(例えば、無水ピロメリット酸などの
4塩基酸無水物など)や,スルホン酸基を有する多価カ
ルボン酸(スルホイソフタル酸など)との反応、開始剤
としてジメチロールプロピオン酸などを用い、ラクトン
を開環重合する方法などにより得られる。また、3級ア
ミノ基を有するジオール(特に高分子ジオール)は、開
始剤としてN−メチルジエタノールアミンなどを用い、
アルキレンオキサイドやラクトンを開環重合することに
より調製できる。第3級アミノ基は4級アンモニウム塩
を形成してもよい。このような3級アミノ基又は4級ア
ンモニウム塩が導入されたウレタン系重合体[カチオン
型のウレタン系樹脂(カチオン性ウレタン系樹脂)]
は、例えば、パーマリンUC−20(三洋化成(株)
製)などとして市販されている。
【0049】なお、前記熱硬化性樹脂とウレタン系樹脂
は、予め混合などにより組合わせて使用してもよい。ま
た、前記熱硬化性樹脂とウレタン系樹脂は、ウレタン系
樹脂エマルジョンの存在下、アクリル系単量体(特にカ
チオン性単量体)を含む単量体を乳化重合する方法など
により複合化して用いてもよい。
【0050】ウレタン系樹脂の割合は、熱硬化性樹脂1
00重量部に対して0〜1000重量部、好ましくは1
0〜900重量部、さらに好ましくは50〜500重量
部程度である。
【0051】ウレタン系樹脂を含むインク受容層の伸度
は、例えば、10〜700%、好ましくは20〜500
%程度である。 [ホットメルト接着性樹脂]ホットメルト接着性樹脂と
しては、種々の樹脂、例えば、オレフィン系樹脂(ポリ
エチレン,エチレン−プロピレン共重合体,アタクチッ
クポリプロピレンなど)、エチレン共重合樹脂(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−(メタ)アクリル
酸共重合体,エチレン−アクリル酸エチル共重合体,ア
イオノマーなど)、ナイロン系樹脂,ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴムなどが
例示できる。これらのホットメルト接着性樹脂は単独で
又は二種以上組合わせて使用できる。ホットメルト接着
性樹脂は、通常、水不溶性である。ホットメルト接着性
樹脂は、末端に反応性基(カルボキシル基,ヒドロキシ
ル基,アミノ基,イソシアネート基,シリル基など)を
有する反応性ホットメルト接着性樹脂であってもよい。
【0052】熱転写性および耐久性(耐洗濯性など)を
付与するための好ましい樹脂はナイロン系樹脂,ポリエ
ステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂である。特にナイロ
ン系樹脂で構成されたホットメルト接着性樹脂は、被転
写体が衣類などである場合、転写画像に優れた耐洗濯性
および耐水性と、高い風合いを付与できる。
【0053】ナイロン系ホットメルト接着性樹脂として
は、ナイロン11およびナイロン12から選択された少
なくとも一方の単位を有するポリアミド樹脂(例えば、
ナイロン11,ナイロン12などのホモポリアミド,ナ
イロン6/11,ナイロン6/12,ナイロン66/1
2,ダイマー酸とジアミンとラウムラクタム又はアミノ
ウンデカン酸との共重合体などのコポリアミド)、ダイ
マー酸とジアミンとの反応により生成するポリアミド樹
脂などが含まれる。
【0054】ポリエステル系ホットメルト接着性樹脂と
しては、少なくとも脂肪族ジオールを用いたホモポリエ
ステル樹脂又はコポリエステル樹脂が含まれる。ホモポ
リエステル樹脂には、脂肪族ジオール(エチレングリコ
ール,プロピレングリコール,1,4−ブタンジオー
ル,1,6−ヘキサンジオールなどのC2-10アルキレン
シオール、ジエチレングリコールなどのポリオキシC
2-4 アルキレングリコール)と、脂肪族ジカルボン酸
(アジピン酸,スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸など)と、必要によりラクト
ンとの反応により生成する飽和脂肪族ポリエステル樹脂
が含まれる。コポリエステル樹脂には、ポリエチレンテ
レフタレート又はポリブチレンテレフタレートの構成成
分の一部を他のジオール(エチレングリコール,プロピ
レングリコール,1,4−ブタンジオールなどC2-6
ルキレングリコールなど)又はジカルボン酸(前記脂肪
族ジカルボン酸,フタル酸,イソフタル酸などの非対称
型芳香族ジカルボン酸など)若しくは前記ラクトンで置
換した飽和ポリエステル樹脂が含まれる。
【0055】ポリウレタン系ホットメルト接着性樹脂と
しては、少なくとも一部のジオール成分として、前記ポ
リエステル系ホットメルト接着性樹脂に対応するポリエ
ステルジオールを用いたポリエステル樹脂が含まれ、ジ
イソシアネート成分は、芳香族,芳香脂肪族,脂環族又
は脂肪族ジイソシアネートが使用できる。
【0056】ホットメルト接着性樹脂には、必要によ
り、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱
安定剤など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブロ
ッキング剤、充填剤、着色剤、消泡剤、塗布性改良剤、
増粘剤、粘着付与剤(ロジン又はその誘導体、炭化水素
系樹脂など)、ワックス類などを含有していてもよい。
【0057】ホットメルト接着性樹脂の融点は、通常、
70〜250℃、好ましくは80〜200℃、さらに好
ましくは120〜150℃程度の範囲から選択できる。
ホットメルト接着性樹脂は粉粒体として使用してもよ
い。ホットメルト接着性樹脂は、インク受容層の表面か
ら突出させてホットメルト接着性を有効に発現させるた
め、インク受容層の厚みよりも平均粒子径が大きな粉粒
状樹脂で構成してもよい。ホットメルト接着性樹脂の平
均粒径は、例えば、1〜100μm、好ましくは3〜8
0μm、さらに好ましくは5〜50μm程度である。
【0058】インク吸収性や耐洗濯性などを向上させる
ため、ホットメルト接着性樹脂の粉粒体は多孔質体であ
ってもよい。ホットメルト接着性樹脂の割合は、前記熱
硬化性樹脂とウレタン系樹脂との総量100重量部に対
して、10〜900重量部、好ましくは20〜600重
量部、さらに好ましくは100〜500重量部程度であ
る。
【0059】本発明の好ましい態様では、前記インク受
容層は、自己架橋性樹脂と、インク受容層の厚みよりも
平均粒子径が大きな粉粒状のホットメルト接着性樹脂と
で構成され、前記自己架橋性樹脂とホットメルト接着性
樹脂との割合が前者/後者=100/10〜100/9
00(重量比)程度である。このような熱転写シートに
おいて、前記自己架橋性樹脂は、加水分解性シリル基含
有単量体、カチオン性官能基含有単量体及び単量体(特
に親水性単量体を含む共重合性単量体)などを含み、前
記加水分解性シリル基含有単量体100重量部に対し
て、カチオン性官能基含有単量体の割合が300〜10
00重量部程度、親水性単量体の割合が100〜500
重量部程度である。
【0060】前記インク受容層には、親水性重合体など
を含有させてもよい。前記親水性重合体としては、例え
ば、親水性天然高分子又はその誘導体(アルギン酸ナト
リウムなど)、セルロース誘導体(メチルセルロースな
どのセルロースエーテル類、アセチルメチルセルロース
などのセルロースエステル類)、ビニルアルコール系重
合体(ポリビニルアルコール,変性ポリビニルアルコー
ルなど)、エチレン系重合体(エチレン−無水マレイン
酸共重合体など)、酢酸ビニル系共重合体(酢酸ビニル
−アクリル酸メチル共重合体などの他の共重合性モノマ
ー((メタ)アクリレート、アリルエーテルなど)との
共重合体又はその部分ケン化物など)、ポリアルキレン
オキサイド(ポリエチレンオキサイドなど)、カルボキ
シル基又はスルホン酸基を有する重合体又はその塩[ア
クリル系重合体(ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩,
メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体な
ど)、ビニルエーテル系重合体(ポリビニルメチルエー
テルなどのポリビニルアルキルエーテルなど)、スチレ
ン系重合体(スチレン−無水マレイン酸共重合体な
ど)、ポリビニルスルホン酸ナトリウムなど]、窒素含
有重合体(又はカチオン性ポリマー)又はその塩(ポリ
ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなど
の4級アンモニウム塩、ポリビニルピロリドン、変性ポ
リビニルピロリドンなどのビニルピロリドン系重合体な
ど)などが挙げられる。前記変性ポリビニルアルコール
や変性ポリビニルピロリドンとしては、前記のようなポ
リオキシアルキレンエーテル基を有する重合体のほか,
アセトアセチル基変性重合体(例えば、アセトアセチル
基含有ポリビニルアルコール,アセトアセチル基含有ポ
リビニルピロリドンなど)、カルボキシル基、酸無水物
基、エポキシ基などの変性基で変性された重合体(例え
ば、ビニルエステルと上記変性基含有不飽和単量体との
共重合体のケン化により生成するカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルピ
ロリドン、エポキシ変性ポリビニルアルコール、エポキ
シ基変性ポリビニルピロリドンなど)が含まれる。変性
基の含有量は、単量体全体に対して0.01〜10モル
%、好ましくは0.1〜5モル%(例えば、0.2〜3
モル%)程度である。これらの親水性重合体は単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。
【0061】親水性重合体は、前記熱硬化性樹脂又はウ
レタン系樹脂に対する反応性基を有していてもよい。熱
硬化性樹脂と親水性重合体との割合は、耐水性,インク
定着性やインク吸収性を損なわない範囲、例えば、前者
/後者=100/10〜100/90(重量比)、好ま
しくは100/20〜100/50(重量比)程度の範
囲から選択できる。
【0062】インク受容層には、必要であれば、架橋
剤、例えば、アミノ樹脂(尿素樹脂,グアナミン樹脂,
メラミン樹脂など)、エポキシ化合物、ポリイソシアネ
ート化合物、多価カルボン酸又はその酸無水物、ポリア
ミン、シラン化合物などを添加してもよい。
【0063】インク受容層は、転写画像に高い柔軟性を
付与するため、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤と
しては、例えば、フタル酸系可塑剤(フタル酸エチルな
ど)、脂肪族ジカルボン酸系可塑剤(アジピン酸2−エ
チルヘキシルなど)、グリコール系可塑剤(エチルフタ
リル・エチルグリコレートなど)、リン酸エステル系可
塑剤(リン酸トリフェニルなど)、ポリエステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤(エポキシ脂肪酸エステルなど)
などが例示できる。これらの可塑剤は単独で又は二種以
上組み合わせて使用できる。
【0064】さらに、インク受容層は、着色剤(染料)
の定着性を向上させるため、染料定着剤、例えば、高分
子染料固着剤などを含有していてもよい。染料定着剤
(高分子染料固着剤)は、通常、分子中にカチオン基
(特に、グアニジル基や第4級アンモニウム塩型の強い
カチオン基)を有している。なお、高分子染料定着剤
は、前記親水性重合体として機能させることもできる。
【0065】染料定着剤としては、例えば、ジシアン系
化合物(ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物な
ど)、ポリアミン系化合物[ジエチレントリアミンなど
の脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミンなどの芳香族
ポリアミン、ジシアンジアミドと(ポリ)C2-4 アルキ
レンポリアミンとの縮合体(ジシアンジアミド−ジエチ
レントリアミン重縮合体など)など]、ポリカチオン系
化合物などが例示できる。ポリカチオン系化合物として
は、例えば、エピクロルヒドリン−ジC1-4 アルキルア
ミン付加重合体(エピクロルヒドリン−ジメチルアミン
付加重合物など)、アリルアミン又はその塩の重合体
(アリルアミン又はその塩の重合体、ポリアリルアミン
又はその塩酸塩の重合体、例えば、日東紡績(株)PAA-
10C などなど)、ジアリルC1-4 アルキルアミン又はそ
の塩の重合体(ジアリルメチルアミン又はその塩の重合
体、例えば、日東紡績(株)PAS-M-1 など)、ジアリル
ジC1-4アルキルアンモニウム塩の重合体(ジアリルジ
メチルアンモニウムクロライドの重合体、例えば、日東
紡績(株)PAS-H-5Lなど)、ジアリルアミン又はその塩
と二酸化イオウとの共重合体(ジアリルアミン塩−二酸
化イオウ共重合物、例えば、日東紡績(株),PAS-92な
ど),ジアリルジC1-4 アルキルアンモニウム塩−二酸
化イオウ共重合体(ジアリルジメチルアンモニウム塩−
二酸化イオウ共重合物、例えば、日東紡績(株)PAS-A-
1 など),ジアリルジC1-4 アルキルアンモニウム塩と
ジアリルアミン又はその塩もしくは誘導体との共重合体
(ジアリルジメチルアンモニウム塩−ジアリルアミン塩
酸塩誘導体の共重合物、例えば、日東紡績(株)PAS-88
0 など)、ジアリルジC1-4 アルキルアンモニウム塩重
合体(ジアリルジメチルアンモニウム塩重合物など),
ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重
合物[ジC1-4 アルキルアルキルアミノエチル(メタ)
アクリレート4級塩の重合体など]、ジアリルジC1-4
アルキルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合体(ジ
アリルジメチルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合
体、例えば、日東紡績(株)PAS-J-81など)、アミン−
カルボン酸共重合体(例えば、日東紡績(株)PAS-410
など)などが例示できる。
【0066】インク受容層は、必要により種々の添加
剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤,紫外線吸収剤,熱
安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、充填剤、着色剤、消泡剤、塗布性改良
剤、増粘剤などを含有していてもよい。ホットメルト接
着性樹脂は、上記添加剤に加えて、粘着付与剤(ロジン
又はその誘導体,炭化水素系樹脂など)、ワックス類な
どを含有していてもよい。
【0067】前記熱硬化性樹脂とホットメルト接着性樹
脂と必要によりウレタン系樹脂とで構成された樹脂組成
物を用いてインク受容層を形成すると、インクジェット
記録においては高いインク吸収性および耐水性を示し、
鮮明な記録画像を形成できる。また、インク受容層は、
高い熱転写性を示すとともに、転写画像は耐水性(耐洗
濯性)などに優れている。
【0068】インク受容層の厚みは、例えば、5〜50
μm、好ましくは10〜30μm程度であり、通常、5
〜30μm(特に5〜20μm)程度である。なお、イ
ンク受容層の厚みは、ホットメルト接着性樹脂を含まな
い塗布剤を用いて形成した膜厚、又はホットメルト接着
性樹脂を含む塗布剤を用いて形成した塗膜の最小厚みを
意味する。
【0069】なお、インク受容層の上には、必要によ
り、多孔質層、ブロッキング防止層、滑性層、帯電防止
層などを形成してもよい。 [製造方法]本発明の熱転写シートは、離型性基材の少
なくとも一方の面にインク受容層を形成することにより
製造できる。前記インク受容層は、基材の離型性面に、
熱硬化性樹脂、ホットメルト接着性樹脂および必要によ
り他の成分(ウレタン系樹脂など)で構成された塗布剤
を塗布することにより形成できる。熱硬化性樹脂やウレ
タン系樹脂は、通常、水性溶液又はエマルジョンの形態
で使用でき、ホットメルト接着性樹脂は粉粒体の形態で
使用できる。そのため、熱硬化性樹脂及び必要によりウ
レタン系樹脂を含む水性溶液又はエマルジョンと、ホッ
トメルト接着性樹脂の粉粒体と、必要により他の成分と
を混合することにより、インク受容層用塗布剤を調製で
きる。水性溶液又は水性エマルジョンの溶媒は、水単独
であってもよく、必要によりアルコール類などの親水性
有機溶媒を含んでいてもよい。
【0070】塗布剤は、慣用の方法、例えば、ロールコ
ーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッ
ドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビア
コーターなどにより基材の少なくとも一方の面に塗布で
きる。塗膜を、50〜150℃(好ましくは80〜12
0℃)程度の温度で乾燥させることによりインク受容層
を形成ができる。
【0071】このようにして形成されたインク受容層
は、インク(特に水性インク)の小滴を飛翔させて記録
するインクジェット方式により画像を形成するのに適し
ている。記録画像は、インク受容層を被転写体と接触さ
せた状態で、適当な温度(例えば、140〜250℃、
好ましくは140〜200℃程度)および圧力(5〜5
00g/cm2 程度)で適当な時間(例えば、5秒〜1
分程度)加熱圧着することにより、基材からインク受容
層を剥離させることにより、被転写体に円滑に転写又は
転移できる。転写画像を含む転写体は必要により加熱し
て架橋させてもよい。
【0072】
【発明の効果】本発明では、特定成分でインク受容層を
形成しているため、熱転写性を有するとともに、耐水性
およびインク吸収性を高度に改善できる。また、耐洗濯
性を大きく改善でき、衣類などの被転写体への熱転写に
より長期間に亘り鮮明な画像を維持できる。さらに、耐
水性および耐洗濯性に優れているとともに、風合いに優
れる転写画像を形成できる。
【0073】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0074】なお、実施例中、「部」は重量部を示す。
また、実施例及び比較例で得られた熱転写シートの各種
特性の評価法は次の通りである。インクジェットプリン
ター(キャノン(株)製、BJC−420J)を使用
し、実施例および比較例で得られた熱転写シートに、シ
アン、イエロー、マゼンタ、ブラックインクを用い、所
定の絵柄を印字し、記録画像を形成した。
【0075】(インク吸収性)印字から30秒後に、熱
転写シート上にPPCコピー用紙を載せ、コピー用紙の
上から指で5回擦り、コピー用紙を剥し、インクの転写
状態を観察し、下記の基準で評価した。
【0076】 ◎ インクの転写がない ○ インクの転写が殆どない △ 若干インクの転写がある × インクの転写が多い (耐洗濯性および耐水性)Tシャツに熱転写シートの記
録画像を当て、ハリロンプレス機を用い、温度160
℃、圧力15g/cm2 で20秒間圧着して、記録画像
をTシャツに熱転写した。
【0077】温度40℃の温水1リットルに市販の洗剤
1gを添加し、熱転写画像部のTシャツの試料(サイズ
5cm×10cm)を入れ、攪拌機(スリーワンモータ
ー)を用い、回転数600rpmで20分間撹拌した。
そして、洗濯後の試料を取り出し、水をよく切り乾燥し
た後、転写画像部を観察し、以下の基準で耐洗濯性を評
価した。
【0078】 ◎ 転写画像部が殆ど変化しない ○ 転写画像部がほぼ完全に残っている △ 転写画像部に滲みが認められる × 転写画像部が残っていない 合成例1[カチオン性アクリル系共重合体エマルジョン
の調製] 撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管及び温度計
を備えた2000mlの反応容器に、イソプロピルアル
コール(IPA)219部とアゾイソブチロニトリル
(AIBN)1.23部を入れて撹拌して溶解し、80
℃に加温した。
【0079】共重合成分として、メチルメタアクリレー
ト(MMA)93.7部、n−ブチルアクリレート(B
A)98.7部、ジエチルアミノエチルメタアクリレー
ト(DEAEMA)49.3部及びトリメトキシシラン
プロピルメタアクリレート(日本ユニカー(株)製,A
−174、以下、単にA−174という場合がある)
4.93部を混合し、フラスコ中へ約4時間かけて滴下
した。滴下終了後、追加触媒としてAIBN 0.25
部とIPA25部との溶液を滴下し、さらに2時間反応
を継続して重合を完結させた。
【0080】重合終了後、撹拌を継続しながら、酢酸1
6部をフラスコ内に加え、引き続き水705部を約2時
間かけて滴下してエマルジョン化した。エマルジョン化
した後、ロータリーエバポレータでIPAを蒸発させ、
カチオン性アクリル系共重合体エマルジョン1を得た
(固形分濃度34.7%)。
【0081】合成例2[カチオン性ウレタン/アクリル
系共重合体エマルジョンの調製] 攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウ
レタンエマルジョン(商品名:ユーコートUWS−14
5,固形分35重量%,三洋化成(株)製)286gお
よびイオン交換水 32gを仕込み撹拌し、75℃に加
温した。メチルメタクリレート 76g、ブチルアクリ
レート 24g、界面活性剤(商品名:ニューコール7
07SF、日本乳化剤社製) 5gおよびイオン交換水
60gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム
0.5gとイオン交換水 16.5gとの水溶液)とを
2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を
保持した後、室温に冷却して、高分子エマルジョンを取
り出した。高分子エマルジョンの性状は、固形分濃度4
1重量%、pH7.5、粘度135cps(30℃)で
あった。
【0082】合成例3[カチオン性ウレタン/アクリル
系共重合体エマルジョンの調製] 攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウ
レタンエマルジョン(商品名:NeoRez R-960,固形分濃
度33重量%,ゼネカ(株)製) 303gおよびイオ
ン交換水 15gを仕込み撹拌し、75℃に加温した。
メチルメタクリレート 73g、ブチルアクリレート
23g、ジエチルアミノエチルメタクリレート 4g、
界面活性剤(商品名:ニューコール707SF、日本乳
化剤社製) 5gおよびイオン交換水 60gの混合物
と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gとイオン交換
水 16.5gとの水溶液)とを2時間かけて反応容器
に滴下した。さらに1時間反応を保持した後、室温に冷
却して、高分子エマルジョンを取り出した。高分子エマ
ルジョンの性状は、固形分濃度44重量%、pH7.
6、粘度58cps(30℃)であった。
【0083】実施例1 合成例1で得られた共重合体エマルジョンと変性ポリビ
ニルピロリドン水溶液とナイロン系ホットメルト接着性
樹脂(平均粒径約40μm)とを、固形分換算で30重
量部,20重量部および40重量部となる割合で混合
し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液をポリエチ
レンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚み15μmと
なるように塗布し、乾燥することにより熱転写性シート
を得た。
【0084】実施例2 合成例2で得られた共重合体エマルジョンと変性ポリビ
ニルピロリドン水溶液とナイロン系ホットメルト接着性
樹脂(平均粒径約40μm)とを、固形分換算で30重
量部,20重量部および50重量部となる割合で混合
し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液をポリエチ
レンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚み15μmと
なるように塗布し、乾燥することにより熱転写性シート
を得た。
【0085】実施例3 合成例2で得られた共重合体エマルジョンに代えて、合
成例3で得られたカチオン性アクリル系共重合体エマル
ジョンを用いるとともに、ナイロン系ホットメルト接着
性樹脂に代えてウレタン系ホットメルト接着性樹脂(平
均粒径約30μm)を用いる以外、実施例2と同様にし
て、熱転写性シートを得た。
【0086】実施例4 実施例2で用いたナイロン系ホットメルト接着性樹脂に
代えてポリエステル系ホットメルト接着性樹脂(平均粒
径約50μm)を用いる以外、実施例2と同様にして、
熱転写性シートを得た。
【0087】実施例5 合成例2で得られた共重合体エマルジョンと変性ポリビ
ニルピロリドン水溶液とポリエステル系ホットメルト接
着性樹脂(平均粒径約50μm)とメラミン樹脂とを、
固形分換算で、30重量部,20重量部,40重量部お
よび10重量部となる割合で混合し、水性塗布液を調製
した。この水性塗布液をポリエチレンテレフタレートフ
ィルムに乾燥後の厚み15μmとなるように塗布し、乾
燥することにより熱転写性シートを得た。
【0088】実施例6 ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールとイソ
ホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水性エ
マルジョンと、変性ポリビニルピロリドン水溶液と、ナ
イロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約40μ
m)とを、固形分換算で30重量部,20重量部および
40重量部となる割合で混合し、水性塗布液を調製し
た。この水性塗布液をポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに乾燥後の厚み15μmとなるように塗布し、乾燥
することにより熱転写性シートを得た。
【0089】実施例7 ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールとイソ
ホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水性エ
マルジョンと、変性ポリビニルピロリドン水溶液と、ナ
イロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約50μ
m)と、メラミン樹脂とを、固形分換算で30重量部,
20重量部,40重量部および10重量部となる割合で
混合し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液をポリ
エチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚み15μ
mとなるように塗布し、乾燥することにより熱転写性シ
ートを得た。
【0090】実施例8 ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールとイソ
ホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水性エ
マルジョンと、カルボキシメチルセルロース(CMC)
と、ナイロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約5
0μm)と、メラミン樹脂と、染料定着剤(三洋化成工
業(株)製,サンフィックスPAC700コンク)と
を、固形分換算で40重量部,5重量部,40重量部,
5重量部および10重量部となる割合で混合し、水性塗
布液を調製した。この水性塗布液をポリエチレンテレフ
タレートフィルムに乾燥後の厚み15μmとなるように
塗布し、乾燥することにより熱転写性シートを得た。
【0091】実施例9 ウレタン系重合体の水性エマルジョンに代えて、カチオ
ン性ウレタン系重合体の水性エマルジョン(新中村化学
(株)製,固形分40重量%)を用いる以外、実施例8
と同様にして熱転写性シートを得た。
【0092】比較例1 実施例2で用いた共重合体エマルジョンと、実施例2で
用いた変性ポリビニルピロリドン水溶液とを、固形分換
算で40重量部および20重量部となるように混合し、
水性塗布液を調製した。この塗布液をポリエチレンテレ
フタレートフィルムに乾燥後の厚み15μmとなるよう
に塗布し、乾燥することにより熱転写性シートを得た。
【0093】比較例2 実施例2で用いた変性ポリビニルピロリドン水溶液とナ
イロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約40μ
m)とを、固形分換算で20重量部および40重量部と
なる割合で混合し、水性塗布液を調製した。この水性塗
布液をポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の
厚み15μmとなるように塗布し、乾燥することにより
熱転写性シートを得た。
【0094】比較例3 実施例2で用いた共重合体エマルジョンとナイロン系ホ
ットメルト接着性樹脂(平均粒径約40μm)とを、固
形分換算で30重量部,および40重量部となる割合で
混合し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液をポリ
エチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚み15μ
mとなるように塗布し、乾燥することにより熱転写性シ
ートを得た。
【0095】実施例および比較例で得られた熱転写性シ
ートの評価結果を表に示す。
【0096】
【表1】
【0097】表から明らかなように、比較例に比べて実
施例ではいずれもインク吸収性および耐水性(耐洗濯
性)が高い。また、実施例の熱転写シートを用いて形成
された転写画像は、粘着テープで剥離試験を行っても剥
離が生じなかった。特に、実施例5および実施例7〜9
で得られた熱転写シートは耐水性(耐洗濯性)のみなら
ず風合いに優れていた。中でも実施例8〜9で得られた
熱転写シートはインク吸収性および耐水性(耐洗濯性)
が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/00 B41M 5/00 B Fターム(参考) 2H086 BA04 BA15 BA26 BA34 2H111 BA03 BA53 BA63 BA71 BA76 BB02 4F100 AK01B AK25B AK41B AK42A AK48B AK51B AK52B AL01B AL05B AT00A BA02 GB41 JA04B JA05B JB05B JB06 JB12B JB13B JD14B JL12B JL14B JM01B YY00B

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に、インク受
    容層が剥離可能に形成された熱転写シートであって、前
    記インク受容層が、少なくとも熱硬化性樹脂とホットメ
    ルト接着性樹脂とで構成されている熱転写シート。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂が、自己架橋性アクリル系
    樹脂である請求項1記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂が、加水分解縮合性基を有
    するアクリル系樹脂である請求項1記載の熱転写シー
    ト。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂が、架橋性官能基含有単量
    体と、カチオン性官能基含有単量体と、親水性単量体と
    で構成された重合体を含む請求項1記載の熱転写シー
    ト。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂のガラス転移温度Tgが−
    90℃〜110℃である請求項1記載の熱転写シート。
  6. 【請求項6】 ホットメルト接着性樹脂が、ナイロン系
    樹脂,ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂か
    ら選択された少なくとも一種である請求項1記載の熱転
    写シート。
  7. 【請求項7】 ホットメルト接着性樹脂の融点が70〜
    250℃である請求項1記載の熱転写シート。
  8. 【請求項8】 インク受容層が、さらにウレタン系樹脂
    を含む請求項1記載の熱転写シート。
  9. 【請求項9】 ウレタン系樹脂が、ポリエステル型ウレ
    タン樹脂である請求項8記載の熱転写シート。
  10. 【請求項10】 ウレタン系樹脂の割合が、熱硬化性樹
    脂100重量部に対して0〜900重量部である請求項
    8記載の熱転写シート。
  11. 【請求項11】 熱硬化性樹脂とウレタン系樹脂との割
    合が、前者/後者=100/0〜10/90(重量比)
    であり、前記熱硬化性樹脂及びウレタン系樹脂の総量1
    00重量部に対して、ホットメルト接着性樹脂の割合が
    10〜900重量部である請求項8記載の熱転写シー
    ト。
  12. 【請求項12】 基材の少なくとも一方の面に、インク
    受容層が剥離可能に形成された熱転写シートであって、
    前記インク受容層が、加水分解性シリル基含有単量体、
    カチオン性官能基含有単量体及び親水性単量体を含む自
    己架橋性樹脂と、前記インク受容層の厚みよりも平均粒
    子径が大きな粉粒状のホットメルト接着性樹脂とで構成
    され、前記加水分解性シリル基含有単量体100重量部
    に対して、カチオン性官能基含有単量体の割合が300
    〜1000重量部、親水性単量体の割合が100〜50
    0重量部であり、かつ前記自己架橋性樹脂とホットメル
    ト接着性樹脂との割合が前者/後者=100/10〜1
    00/900(重量比)である熱転写シート。
  13. 【請求項13】 離型性基材の少なくとも一方の面に、
    熱硬化性樹脂とホットメルト接着性樹脂とで構成された
    インク受容層を形成する熱転写シートの製造方法。
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