JPH10250222A - インクジェット用熱転写媒体、熱転写体および熱転写方法 - Google Patents

インクジェット用熱転写媒体、熱転写体および熱転写方法

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JPH10250222A
JPH10250222A JP9063092A JP6309297A JPH10250222A JP H10250222 A JPH10250222 A JP H10250222A JP 9063092 A JP9063092 A JP 9063092A JP 6309297 A JP6309297 A JP 6309297A JP H10250222 A JPH10250222 A JP H10250222A
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JP
Japan
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thermal transfer
resin
polymer resin
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transfer medium
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JP9063092A
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English (en)
Inventor
Motokazu Kobayashi
本和 小林
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 布地などの柔軟な被転写体に転写した際も、
転写体の堅牢性に優れ、被転写体の風合いを損なわない
インクジェット用熱転写媒体を提供する。 【解決手段】 支持体と、この支持体上に設けられた熱
転写層とを有するインクジェット用熱転写媒体におい
て、該熱転写層に熱可塑性高分子樹脂および熱架橋性高
分子樹脂を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを液滴とし
て飛翔させ記録するインクジェット記録方式に用いられ
るインクジェット用記録媒体に関し、詳しくはインクジ
ェットによる印字後に各種被転写体に熱転写可能なイン
クジェット用熱転写媒体、熱転写体および熱転写方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行うものであ
り、高速・低騒音・多色化が容易、記録パターンの融通
性が高い、現像・定着が不要などの特徴があり、文字を
含め各種図形及びカラー画像などの記録装置に、またそ
の他種々の用途において急速に普及している。
【0003】最近では、インクジェット記録を被転写体
に転写するための熱転写紙が開発されてきている。もと
もと熱転写紙は、紙やプラスチックフィルム等のシート
状の支持体上に離型層を介して熱的に転写可能な熱転写
層を設けた構成、あるいは支持体上に昇華性の熱転写層
を設けた構成を有する。熱転写紙により文字や記号、画
像を被転写体に転写する場合、シルクスクリーン印刷、
グラビア印刷あるいはオフセット印刷等であらかじめ所
望の文字や記号、画像を支持体上の離型層上に形成して
おき、それを被転写体に転写する方法、及び支持体上の
全面に転写層を施し、それを所望の文字や記号、画像に
切り抜き、被転写体に転写する方法がある。
【0004】また、特開平8−207450号には、イ
ンクジェット印刷で文字や画像を形成し、熱転写により
被転写体に熱転写できる熱転写シート及び熱転写体なら
びに熱転写方法を提供する記載がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような印刷により文字や画像を形成する方法は、同一
の文字や画像の熱転写材を多量に製造するには適してい
るが、製版費が嵩み、少量生産の場合は製品の単価が著
しく高くなってしまう問題がある。また、布地などに印
刷した場合には、被転写体と転写体の境目が触感時にわ
かったり、転写体に柔軟性が無いなど所謂風合いが損な
われるという問題があった。
【0006】また、特開平8−207450号に記載の
方法では製品単価の上昇は抑えることができるものの、
布地などの柔軟な被転写体に転写した場合、転写体の堅
牢性に問題があり、特に洗濯時に転写体が剥離するとい
った問題があった。
【0007】このような現状に鑑み、本発明は、インク
ジェット方式プリンターで文字や画像を形成し、被転写
体に熱転写できる熱転写媒体において、布地などの柔軟
な被転写体に転写した際も、転写体の堅牢性に優れ、被
転写体の風合いを損なわないインクジェット用熱転写媒
体、熱転写体および熱転写方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成された。
【0009】第1の発明は、支持体と、この支持体上に
設けられた熱転写層とを有するインクジェット用熱転写
媒体において、該熱転写層が熱可塑性高分子樹脂および
熱架橋性高分子樹脂を含有することを特徴とするインク
ジェット用熱転写媒体に関する。
【0010】第2の発明は、前記熱可塑性高分子樹脂の
環球法軟化点が150℃以下であり、かつ前記熱架橋性
高分子樹脂の実質的な架橋温度が前記熱可塑性高分子樹
脂の環球法軟化点よりも高い第1の発明のインクジェッ
ト用熱転写媒体に関する。
【0011】第3の発明は、前記熱可塑性高分子樹脂と
熱架橋性高分子樹脂の割合が重量比で9:1〜1:9で
ある第1又は第2の発明のインクジェット用熱転写媒体
に関する。
【0012】第4の発明は、前記熱架橋性高分子樹脂が
アミノ樹脂である第1、第2又は第3の発明のインクジ
ェット用熱転写媒体に関する。
【0013】第5の発明は、前記熱転写層に多孔質無機
粒子を含有する第1〜第4のいずれか発明のインクジェ
ット用熱転写媒体に関する。
【0014】第6の発明は、前記熱転写層にカチオン化
剤を含有する第1〜第5のいずれかの発明のインクジェ
ット用熱転写媒体に関する。
【0015】第7の発明は、前記熱転写層にバインダー
を含有する第1〜第6のいずれかの発明のインクジェッ
ト用熱転写媒体に関する。
【0016】第8の発明は、第1〜第7のいずれかの発
明のインクジェット用熱転写媒体の熱転写層にインクジ
ェットにより画像を形成する工程、画像が形成された熱
転写層を被転写体に密着する工程、画像が形成された熱
転写層を被転写体に熱転写する工程、インクジェット用
熱転写媒体の支持体を熱転写層から剥離する工程を有す
ることを特徴とする熱転写方法に関する。
【0017】第9の発明は、前記被転写体が布地である
第8の発明の熱転写方法に関する。
【0018】第10の発明は、第8又は第9の発明の熱
転写方法により形成されたことを特徴とする熱転写体に
関する。
【0019】上記の要件を満たすインクジェット用熱転
写媒体、熱転写体および熱転写方法によれば、堅牢性、
特に洗濯時における堅牢性が良好であり、また被転写体
として特に布地を用いた場合にその柔軟な風合いを損な
わずに堅牢性を保持することができる。その理由は明確
ではないが、画像形成後の熱転写時において、まず熱可
塑性高分子樹脂が溶融して熱転写層を被転写体の隙間中
に入り込ませ、その後、熱架橋性高分子樹脂が熱転写層
を架橋したり、被転写体と反応して強固に固着するため
と推測される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、好ましい実施の形態である
インクジェット用熱転写媒体を挙げて、本発明を詳細に
説明する。
【0021】本発明に使用する支持体は、熱転写すると
きの熱に耐え得るだけの耐熱性があれば何ら限定される
ものではなく、紙、フィルム、天然または合成繊維など
が挙げられる。これら支持体の表面にシリコン、ワック
ス、樹脂などで剥離性を良好にするような処理をあらか
じめ行なってもよい。
【0022】本発明のインクジェット用熱転写媒体は、
前記支持体の一方の面に熱転写層を設ける。
【0023】本発明の熱転写層には、熱可塑性高分子樹
脂および熱架橋性高分子樹脂が含有される。熱可塑性高
分子樹脂は、熱転写の際に溶融して、熱転写層を被転写
体の隙間や空孔に入り込ませるものであればよい。具体
的には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
ポリエチレンオキサイド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系
樹脂などが挙げられる。
【0024】これら熱可塑性高分子樹脂は、熱転写温
度、転写時間、被転写体により適宜選ばれるが、アイロ
ンや熱板等を用いて布地に転写する場合は、環球法軟化
点(JlS K2531)が150℃以下のものが好適
である。150℃を超えると熱転写時の熱源に例えばア
イロンを用いた場合、アイロンの機種や支持体によって
は熱可塑性高分子樹脂を150℃以上に加熱できないも
のもあり好ましくない。
【0025】本発明における熱架橋性高分子樹脂は、熱
転写の際に前記熱可塑性高分子樹脂が溶融した後に架橋
反応が始まり、熱転写層を架橋したり、被転写体と反応
して熱転写層を強固に固着する役目をもつ。このような
熱架橋性高分子樹脂としては、アミノ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。中でも
アミノ樹脂が堅牢性が良好であり好ましい。具体的なア
ミノ樹脂としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、尿素樹脂が挙げられる。
【0026】熱可塑性高分子樹脂と同様に、本発明にお
ける熱架橋性高分子樹脂も被転写体、転写温度、転写時
間により適宜選ばれるが、アイロンや熱板などを用いて
布地に転写する場合は、実質的な架橋温度が前記熱可塑
性高分子樹脂の環球法軟化点よりも高いものを選択する
ことが好ましい。ここで実質的な架橋温度とは、後述す
る熱転写時の温度および時間において熱架橋性高分子樹
脂の架橋反応が開始し終了できる温度をいう。
【0027】また、熱可塑性高分子樹脂の環球法軟化点
と熱架橋性高分子樹脂の実質架橋温度との差は、5℃以
上、更には10℃以上が好ましい。5℃より低いと熱可
塑性高分子樹脂の軟化と熱架橋性高分子樹脂の架橋がほ
ぼ同時に進行し好ましくない。
【0028】また、上記熱可塑性高分子樹脂と熱架橋性
高分子樹脂の熱転写媒体上での割合は重量比で9:1〜
1:9が好ましい。前記重量比より熱可塑性高分子樹脂
が多いと、熱転写体の風合いは良好であるが堅牢性が劣
る。一方、熱架橋性高分子樹脂が多いと堅牢性は良好で
あるが、風合いが劣ってくる。
【0029】また、熱可塑性高分子樹脂と熱架橋性高分
子樹脂の支持体上での割合は、全固形分の40〜100
重量%が好ましい。40%より少ないと堅牢性が劣って
くる。
【0030】本発明では、インクジェットプリンターの
インクの吸収性を上げるため、熱転写層に多孔質無機粒
子を添加してもよい。多孔質無機粒子としては、具体的
には、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、タルク、クレー等がある。
多孔質無機粒子の支持体上での割合は、全固形分の3〜
25重量%が好ましい。3重量%より少ないと効果が低
く、また25重量%より多いと多孔質無機粒子の粉落ち
が見られ好ましくない。
【0031】本発明では、熱転写後のインクの耐水性を
上げるため、熱転写層にカチオン化剤を添加してもよ
い。カチオン化剤の具体的な例としては、ラウリルアミ
ン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩や酢酸
塩が挙げられ、第4級アンモニウム塩型の化合物として
はアクリル酸エステルのアンモニウム塩、ポリアクリル
酸エステルのアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアン
モニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウム
クロライド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ムが挙げられ、ピリジニウム塩型化合物としてはセチル
ピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイ
ドが挙げられ、高級アルキルアミンのエチレンオキシド
付加物としてはジヒドロキシエチルステアリルアミンが
挙げられる。また、ポリアリルアミンあるいはその塩、
ポリアミンスルホンあるいはその塩、ポリビニルアミン
あるいはその塩、キトサンあるいはその塩を挙げること
ができる。また、ノニオン性物質の一部をカチオン化し
てもよい。具体的には、ビニルピロリドンとアミノアル
キルアルキレート4級塩との重合体、アクリルアマイド
とアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合体を
挙げることができるが、もちろんこれらの化合物に限定
されないことは言うまでもない。これらカチオン化剤の
支持体上での割合は1〜40重量%が好ましい。1%よ
り低いと効果が現れず、また40%より多くても特に耐
水性は向上せず好ましくない。また後述するバインダー
として用いても構わない。
【0032】本発明では転写体の性能に影響しない範囲
でバインダーを添加してもよい。バインダーの具体例と
しては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリルアマイド、酢酸ビニル、酸化澱粉、
エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆蛋白、無水マレイン酸樹脂、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテック
ス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重
合体、又はアクリル酸エステルとメタクリル酸エステル
の共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン
酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或
いはこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含
有単量体による宮能基変性重合体ラテックス、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、ア
ルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー、及びこれらの
イオン変性樹脂が挙げられ、1種以上で使用される。こ
れらバインダーは熱転写時に前記の熱架橋性高分子樹脂
と反応しても構わない。これらバインダーの支持体上で
の割合は1〜40重量%が好ましい。1重量%より少な
いと効果が見られず、40%より多いとインク吸収性が
低下し好ましくない。
【0033】本発明の熱転写層には、さらに界面活性剤
を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、カル
ボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エス
テル塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪族アミン塩、脂肪
族4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複
素環4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシブロピレンブロックポリマー等のエーテル型、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエーテルエステ
ル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステ
ル型ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン等の含窒素型といったノニオン界面
活性剤、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン
誘導体等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0034】本発明の熱転写層には、その他の添加剤と
して、架橋反応の触媒、顔料分散剤、増結剤、流動性改
良剤、消泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色顔料、着
色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、防バイ剤、インクセット剤などを適宜配合すること
ができる。
【0035】上記組成物はその性状により水や溶剤に溶
解して用いてもよいし、微粒子状や球状にして水や溶剤
に分散させて支持体上に塗工して用いてもよい。
【0036】上記組成物の支持体上への塗工量は、要求
される性能に応じて適宜選択すればよく、特に限定され
ないが、乾燥塗工量で10g/m2〜100g/m2の範
囲が好ましい。10g/m2より少ないと画像形成時に
インクがあふれたり、滲んだりすることがあるため好ま
しくない。一方、100g/m2より多いと転写体の風
合いが劣化したり経済性が低下することがあるため好ま
しくない。また、上記組成物は同一層中にすべて含まれ
ていても、また多層構成にして別層中に含まれていても
構わない。
【0037】以上のように構成される熱転写層は、公知
のインクジェットプリンターで文字、記号、画像等を形
成することができる。文字、記号、画像等が形成された
熱転写媒体は、その熱転写層側を被転写体に密着させて
から熱源を支持体側から所定時間、熱圧着する。さら
に、熱圧着後に支持体を被転写体より剥離する。
【0038】本発明における被転写体は、特に限定され
ないが熱転写時に変形や着色などしないものが好まし
い。具体的には、布地、合成繊維、紙、不織布、フィル
ム、木材、タイル、合成樹脂、金属などがある。本発明
では特に布地や合成繊維、例えば綿、綿とポリエステル
混紡、ポリエステル地等が好ましい。
【0039】熱源としては公知の熱源を用いることがで
きる。例えば、アイロン、熱板、熱ロール、熱プレス
機、H.V.A.(Heat Vacuum Applicator)などがあ
る。熱圧着時の温度は、被転写体を変形・着色させず且
つ熱転写層の熱架橋性高分子樹脂の実質的な架橋温度以
上であればよい。実際的には100℃以上さらには12
0℃以上が好ましい。
【0040】熱圧着時の圧力と時間は、被転写体を変形
・着色させず且つ転写体が十分に被転写体に密着できれ
ば特に制限はないが、実際的には上記温度において圧力
は10g/cm2〜1kg/cm2、時間は5秒〜10分
が好ましい。
【0041】以上のような熱転写層を有する本発明のイ
ンクジェット用熱転写媒体の実施の形態を模式的に図示
すれば図1のようになる。このインクジェット用熱転写
媒体は支持体1と熱転写層2よりなる。
【0042】このインクジェット用熱転写媒体を用い
て、被転写体上に転写体を形成する一例を模式的に示す
と図2のようになる。まず、熱転写層2にインクジェッ
トプリンターを用いて画像を形成する(図2(a))。
次に、熱転写層2を被転写体3の転写される面に密着さ
せる(図2(b))。続いて、熱源(本図ではアイロン
4を使用)を支持体1の上から圧着する(図2
(c))。熱圧着の後、支持体1を剥離し、被転写体4
の上に熱転写された転写体5を得る(図2(d))。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。
【0044】以下に示す組成の熱転写層塗工液A〜Fを
作製した。
【0045】塗工液A ポリオレフィンエマルジョン 330g (環球法軟化点110℃、ケミパールW−400、三井
石油化学工業(株)製) ポリアクリル酸アンモニウム塩 15g (NWS−16、新中村化学工業(株)製) メラミン樹脂 90g (スミレーズレジン613special、住友化学工業
(株)製) 触媒 9g (スミレーズアクセラレーターACX−P、住友化学工
業(株)製) 界面活性剤 1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0046】塗工液B ポリオレフィンエマルジョン 310g (環球法軟化点132℃、ケミパールW−300、三井
石油化学工業(株)製) ポリアクリル酸エステルアンモニウム塩 15g (NWS−16、新中村化学工業(株)製) 微粉シリカ 18g (P78A、水沢化学工業(株)製) メラミン樹脂 90g (スミレーズレジン613special、住友化学工業
(株)製) 触媒 9g (スミレーズアクセラレーターACX−P、住友化学工
業(株)製) 界面活性剤 1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0047】塗工液C ポリオレフィンエマルジョン 310g (環球法軟化点132℃、ケミパールW−300、三井
石油化学工業(株)製) ポリアクリル酸アンモニウム塩 15g (NWS−16、新中村化学工業(株)製) 微粉シリカ 18g (P78A、水沢化学工業(株)製) エポキシ樹脂 50g (R1410、三井石油化学工業(株)製) 触媒 2g (ジシアンジアミド、キシダ化学(株)製) 界面活性剤 1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0048】塗工液D ポリオレフィンエマルジョン 310g (環球法軟化点132℃、ケミパールW−300、三井
石油化学工業(株)製) ポリアクリル酸アンモニウム塩 15g (NWS−16、新中村化学工業(株)製) 微粉シリカ18g (ファインシールX45、(株)トクヤマ製 バインダー(10%溶液) 50g (PVA205、(株)クラレ製) 尿素ホルマリン樹脂 70g (サーモタイト3Hsp、昭和高分子(株)製) 触媒 7g (ミルベンフィクサーLC−10、昭和高分子(株)
製) 界面活性剤 1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0049】塗工液E ポリオレフィンエマルジョン 310g (環球法軟化点132℃、ケミパールW−300、三井
石油化学工業(株)製) 微粉シリカ 18g (ファインシールX45、(株)トクヤマ製 変性ベンゾグアナミン樹脂 90g (ポリフィックスPG−264、昭和高分子(株)製) 触媒 8g (ミルベンフィクサーLC−10、昭和高分子(株)
製) 界面活性剤 1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0050】塗工液F ポリエステル樹脂 100g (環球法軟化点114℃、バイロン500、東洋紡績
(株)製) トルエン/MEKに溶かしてからエマルジョンとして塗
工液中に添加。 ポリアクリル酸アンモニウム塩 15g (NWS−16、新中村化学工業(株)製) 微粉シリカ 18g (ファインシールX45、(株)トクヤマ製) バインダー(10%溶液) 50g (PVA205、(株)クラレ製) 尿素ホルマリン樹脂 70g (サーモタイト3Hsp、昭和高分子(株)製) 触媒 7g (ミルベンフィクサーLC−10、昭和高分子(株)
製) 界面活性剤 1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0051】比較例用として以下に示す塗工液G〜Iを
作製した。
【0052】塗工液G ポリアクリル酸アンモニウム塩 15g (NWS−16、新中村化学工業(株)製) 微粉シリカ 18g (P78A、水沢化学工業(株)製) メラミン樹脂 90g (スミレーズレジン613special、住友化学工業
(株)製) 触媒 9g (スミレーズアクセラレーターACX−P、住友化学工
業(株)製) 界面活性剤1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0053】塗工液H ポリオレフィンエマルジョン 310g (環球法軟化点132℃、ケミノパールW−300、三
井石油化学工業(株)製) ポリアクリル酸アンモニウム塩 15g (NWS−16、新中村化学工業(株)製) 微粉シリカ 18g (P78A、水沢化学工業(株)製) 界面活性剤 1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0054】塗工液I ポリエステル樹脂 100g (環球法軟化点163℃、バイロン200、東洋紡績
(株)製) トルエン/MEKに溶かしてからエマルジョンとして塗
工液中に添加。 ポリアクリル酸アンモニウム塩 15g (NWS−16、新中村化学工業(株)製) 微粉シリカ 18g (ファインシールX45、(株)トクヤマ製) バインダー(10%溶液) 50g (PVA205、(株)クラレ製) 尿素ホルマリン樹脂 70g (サーモタイト3Hsp、昭和高分子(株)製) 触媒 7g (ミルベンフィクサーLC−10、昭和高分子(株)
製) 界面活性剤 1.5g (FZ−2162、日本ユニカー(株)製)。
【0055】上記の熱転写層塗工波A〜F及びG〜I
を、支持体として剥離処理した90g/m2のグラシン
紙(A4サイズ)上に表1に示す乾燥塗工量でそれぞれ
塗工・乾燥し、本発明のインクジェット用熱転写媒体を
得た。
【0056】作製したインクジェット用熱転写媒体を、
以下の熱転写方法により熱転写体を作製して評価を行っ
た。
【0057】まず、インクジェットプリンター(BJC
−600Jキヤノン(株)製)で熱転写層上にカラ一画
像を形成した。
【0058】次に、綿100%の布地上に熱転写層を密
着し、支持体の上からアイロン(IA−620T(株)
日立製作所製)を約2分間均一にかけた。このときアイ
ロンの温度設定は「高」であり加熱温度は180〜21
0℃であった。
【0059】続いて、インクジェット用熱転写媒体と布
地が室温(25℃)になったのを確認してから、支持体
を端部からゆっくりと剥離し、布地上に転写体を得た。
【0060】風合い評価 転写体が形成された布地を目隠しテスト(被験者20
人)により評価した。布地と転写体との境目が分からな
いものをA、やや感じるものをB、おおいに感じるもの
をCとし、それぞれを選んだ人数を表1に記載した。
【0061】堅牢性評価 転写された布地を家庭用2層式洗濯機にて10分間の洗
濯および10分間のすすぎを各々10回行ない、次いで
乾燥機で乾燥した。
【0062】転写体の剥離、脱色がないものをA、やや
見られるものをB、かなり見られるものをCとし、表1
に記載した。
【0063】表1に示す結果から、本発明におけるイン
クジェット用熱転写媒体は、熱転写層に熱可塑性高分子
樹脂および熱架橋性高分子樹脂を含有することによっ
て、風合い及び堅牢性に優れていることがわかる。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、堅牢性、特に洗濯時における堅牢性が良好とな
り、また被転写体として特に布地を用いた場合にその柔
軟な風合いを損なわずに堅牢性を保持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット用熱転写媒体の模式的
断面図である。
【図2】本発明の熱転写方法の模式的工程図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 熱転写層 3 被転写体 4 アイロン 5 転写体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、この支持体上に設けられた熱
    転写層とを有するインクジェット用熱転写媒体におい
    て、該熱転写層が熱可塑性高分子樹脂および熱架橋性高
    分子樹脂を含有することを特徴とするインクジェット用
    熱転写媒体。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性高分子樹脂の環球法軟化点
    が150℃以下であり、かつ前記熱架橋性高分子樹脂の
    実質的な架橋温度が前記熱可塑性高分子樹脂の環球法軟
    化点よりも高い請求項1記載のインクジェット用熱転写
    媒体。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性高分子樹脂と熱架橋性高分
    子樹脂の割合が重量比で9:1〜1:9である請求項1
    又は2記載のインクジェット用熱転写媒体。
  4. 【請求項4】 前記熱架橋性高分子樹脂がアミノ樹脂で
    ある請求項1、2又は3記載のインクジェット用熱転写
    媒体。
  5. 【請求項5】 前記熱転写層に多孔質無機粒子を含有す
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット
    用熱転写媒体。
  6. 【請求項6】 前記熱転写層にカチオン化剤を含有する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用
    熱転写媒体。
  7. 【請求項7】 前記熱転写層にバインダーを含有する請
    求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用熱
    転写媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット用熱転写媒体の熱転写層にインクジェット
    により画像を形成する工程、画像が形成された熱転写層
    を被転写体に密着する工程、画像が形成された熱転写層
    を被転写体に熱転写する工程、インクジェット用熱転写
    媒体の支持体を熱転写層から剥離する工程を有すること
    を特徴とする熱転写方法。
  9. 【請求項9】 前記被転写体が布地である請求項8記載
    の熱転写方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の熱転写方法によ
    り形成されたことを特徴とする熱転写体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1165447A (ja) * 1997-08-26 1999-03-05 Idemitsu Petrochem Co Ltd 情報表示面形成用フィルム及びその使用方法
JP2000168250A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Daicel Chem Ind Ltd 熱転写シート及びその製造方法
WO2001043977A1 (fr) * 1999-12-17 2001-06-21 Daicel Chemical Industries, Ltd. Feuille de transfert d'images

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US6953614B2 (en) 1999-12-17 2005-10-11 Daicel Chemical Industries, Ltd. Transfer sheets

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