JPH11277897A - インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛 - Google Patents

インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛

Info

Publication number
JPH11277897A
JPH11277897A JP11018310A JP1831099A JPH11277897A JP H11277897 A JPH11277897 A JP H11277897A JP 11018310 A JP11018310 A JP 11018310A JP 1831099 A JP1831099 A JP 1831099A JP H11277897 A JPH11277897 A JP H11277897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
layer
image
parts
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11018310A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Sato
裕子 佐藤
Masahiko Hikuma
昌彦 日隈
Yoshiyuki Shino
義之 志野
Motokazu Kobayashi
本和 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP11018310A priority Critical patent/JPH11277897A/ja
Publication of JPH11277897A publication Critical patent/JPH11277897A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録方法で形成した画像を、
布帛等の被転写体へ転写して良好な転写画像を形成で
き、高濃度で鮮明性の高い画像の形成が可能で、転写画
像の洗濯堅牢性が高く、転写媒体自体のシート保存性に
優れ、良好な転写画像を安定して簡易に形成できるイン
クジェット記録用転写媒体、及びこれを用いた画像転写
物の製造方法、該方法によって形成された被転写布帛の
提供。 【解決手段】 基材上に離型層及び転写層が設けられ、
且つ転写層中に熱可塑性樹脂の微粒子と結着剤及び架橋
剤有するインクジェット記録用転写媒体において、熱可
塑性樹脂が非水溶性で、且つ転写層が少なくとも架橋剤
を含む層と架橋剤を含まない層の2層から構成され、更
に、架橋剤を含む層には該架橋剤に対して反応性を有す
る材料が含まれていないインクジェット記録用転写媒体
等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被転写体上に転写
により画像を形成する際に使用される転写媒体、これを
用いた画像転写物の製造方法及び被転写布帛に関する。
更に詳しくは、転写媒体を構成する転写層に画像を形成
する場合にインクジェット記録方法が用いられるインク
ジェット記録用転写媒体、該転写媒体を使用し、被転写
体上に画像を転写して転写画像を形成する画像転写物の
製造方法、該製造方法によって得られる被転写布帛に関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式としては、種々
のインク吐出方式、例えば、静電吸引方式、圧電素子を
用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式、イン
クを加熱して発泡させ、その圧力を利用する方式等が知
られており、これらのインク吐出方式によってインクの
小滴を発生及び飛翔させ、それらの一部若しくは全部を
被記録材に付着させて記録が行われる。かかるインクジ
ェット記録方式は、騒音の発生が少なく、高速印字、カ
ラー印字の行える簡易な方式として注目され、近年、こ
れを利用した手軽にカラー印字の行えるインクジェット
プリンタが広く普及している。
【0003】近年、このように手軽にカラー印字が行え
るインクジェットプリンタが普及したことによって、こ
のインクジェットプリンタを利用して様々な被記録材へ
のカラープリントを行うことへの要求が高まっている。
このような要求に対し、転写媒体(転写紙)を利用した
プリント方法は、被記録材側の形態を選ばないこと、つ
まり、直接、プリンタでプリントすることが不可能な被
記録材へも画像形成が行えることから、特に注目されて
いる技術である。
【0004】これまでにも、インクジェット記録方式を
利用して画像を形成する形式の転写媒体はいくつか提案
されている。特開平8−207426号公報では、イン
ク受容層を熱可塑性樹脂、結晶性可塑剤及び粘着付与剤
から構成することによって、加熱のみで被記録材に転写
画像を貼着することが可能なインクジェット記録シート
を提案している。又、特開平8−207450号公報で
は、支持体層と熱転写層とからなるシートおいて、熱転
写層に粒状熱可塑性高分子樹脂、多孔質無機微粒子及び
バインダー(結着剤)を含む構成の、インクジェット記
録が可能で、熱転写可能な転写媒体が提案されている。
更に、U.S.P.5,501,902号明細書におい
ても、上記構成に加え、カチオン性樹脂やインク粘度調
整剤等を添加させた構成のインクジェット用転写媒体が
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術においては、転写媒体へのインクジェット記
録工程、及び転写媒体から被記録材への画像の転写に関
しては充分な性能を持つものの、被記録材に転写された
後の転写画像の堅牢性に対する性能は、充分であるとは
いえなかった。具体的には、画像転写物を洗濯した場合
に、水中への、画像を形成している染料や、画像を担持
している転写層材料が流出したり、洗濯時の摩擦によっ
て転写層が脱落したり、或いは布帛の表面の毛羽立ち等
の原因から、画像濃度が低下する問題があった。このよ
うな課題に対して、特開平10−16382号公報にお
いて、基材と離型層及び転写層とからなるシートの転写
層を構成する結着剤に水溶性樹脂が使用した場合に、洗
濯等による染料の流出を防止するために、転写層中に架
橋剤を添加し水溶性樹脂を架橋、不溶化させた転写媒体
が提案されている。しかしこの技術を用いても、画像転
写物を洗濯機を用いて複数回洗濯した場合には、充分な
堅牢性が得られなかった。
【0006】これに対し、転写層中に熱可塑性樹脂と熱
架橋性樹脂とを含有させておき、転写時に、先ず、転写
層中の熱可塑性樹脂を溶融させて、該溶融物を被転写体
の隙間中に入り込ませ、その後、熱架橋性樹脂が転写層
を構成している樹脂を架橋し、或いは被転写体と反応す
るような構成とすれば、転写層を、被転写体に強固に固
着した状態で硬化させることができるので、得られる画
像転写物は、摩擦による転写層の脱落や、布帛表面の毛
羽立ちが防止された洗濯堅牢性に優れたものとなると考
えられる。しかし、この構成では、シート作製直後には
上記の優れた効果が得られるものの、シートを数日間保
存した場合は、保存中にシートの転写性が損なわれてし
まい被転写体に転写できないという問題があった。
【0007】従って、本発明の目的は、インクジェット
プリント方法を利用して形成した画像を、布帛等の被転
写体へ転写して良好な転写画像を形成させることを可能
とするための転写媒体を提供することであり、特に、イ
ンク吸収性が高く、高濃度で鮮明性の高い画像の形成が
可能で、更に、画像を被転写体へ転写した場合に転写画
像の洗濯堅牢性が高く、更には、転写媒体自体のシート
保存性に優れ、常に安定に、且つ簡易に布帛等の被転写
体に対して良好な転写画像を形成できるインクジェット
記録用転写媒体、上記のような特性を有する画像転写物
の製造方法及び被転写布帛を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。即ち、本発明は、基材上に離型層
及び転写層が設けられ、且つ該転写層中に熱可塑性樹脂
微粒子と熱可塑性樹脂結着剤及び架橋剤を含有するイン
クジェット記録用転写媒体において、熱可塑性樹脂が非
水溶性であり、且つ転写層が、少なくとも架橋剤を含む
層と架橋剤を含まない層の2層から構成され、更に、架
橋剤を含む層には該架橋剤に対して反応性を有する材料
が含まれていないことを特徴とするインクジェット記録
用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用転
写媒体は、基材上に離型層及び転写層が設けられ、且
つ、該転写層中に、非水溶性の熱可塑性樹脂微粒子及び
熱可塑性樹脂結着剤と、架橋剤が含有され、更に、上記
転写層が少なくとも架橋剤を含む層と架橋剤を含まない
層の2層から構成され、更に、架橋剤を含む層には該架
橋剤に対して反応性を有する材料が含まれていないこと
を特徴とする。
【0010】尚、本発明における熱可塑性樹脂は非水溶
性であり、本発明でいう可塑性樹脂微粒子及び熱可塑性
樹脂結着剤とは、非水溶性の熱可塑性樹脂からなる微粒
子及び結着剤を指す。
【0011】先ず、上記したように構成されている本発
明のインクジェット記録用転写媒体の転写層の作用につ
いて説明する。
【0012】本発明のインクジェット記録用転写媒体の
転写層は、熱可塑性樹脂微粒子と熱可塑性樹脂結着剤と
で構成されているため多孔質になる。この結果、この転
写層にインクジェット記録方式で画像を形成した場合に
は、多孔質部分にインクが良好な状態で吸収され保持さ
れるので、本発明のインクジェット記録用転写媒体にお
いては、その転写層に、インクジェット記録方法によっ
て良好な画像を形成することが可能である。
【0013】又、本発明のインクジェット記録用転写媒
体においては、転写層の膜形成材料である結着樹脂とし
て熱可塑性樹脂が用いられているため、転写層は、熱に
よって容易に溶融接着する性質をもつ。このため、本発
明のインクジェット記録用転写媒体を用いれば、上記で
説明したようにして良好な画像が形成された転写層を、
アイロン等の加熱加圧手段によって容易に被転写体に転
写することができる。
【0014】更に、本発明のインクジェット記録用転写
媒体を使用し、被転写材上に画像を形成して画像転写物
とした場合においては、上記で説明したように、転写層
の膜形成材料に使用されている樹脂類が非水溶性である
ため、画像が水や汗等で濡れた場合においても、転写さ
れた画像が水中に溶け出すことがなく、耐水性に優れた
転写画像が得られる。
【0015】又、本発明のインクジェット記録用転写媒
体の転写層においては、熱可塑性樹脂微粒子と熱可塑性
樹脂結着剤に加えて、架橋剤が含有されているため、こ
の架橋剤の作用により、被転写材上に画像を転写する
際、及び/又は転写後に、熱や光等のエネルギーを加え
ることによって、転写層を構成している熱可塑性樹脂及
び熱可塑性樹脂微粒子が架橋される。この結果、被転写
材上に転写される転写画像を更に強固なものとでき、布
帛等の被転写材を洗濯機で繰り返し洗濯した場合におい
ても、転写画像が摩擦により脱落する等して画質が低下
することがない、高堅牢性の画像転写物が得られる。
【0016】更に、本発明のインクジェット記録用転写
媒体においては、転写層を少なくとも2層構成とし、上
記のような作用を有する架橋剤を含む層と、該架橋剤に
対して反応性を有する材料を有する層とを異なる層とし
て設ける。この結果、転写媒体シートを保存した場合に
生じる恐れのある架橋反応の進行が抑制され、転写媒体
シートを、例え高温高湿環境下に保存した場合において
も、シートの保存によって生じていた転写媒体における
転写性の劣化が有効に防止され、良好な画像の安定形成
が可能となる。
【0017】次に、本発明のインクジェット記録用転写
媒体の好ましい実施の態様を挙げて、本発明を更に詳細
に説明する。以下に、具体的な構成材料について説明す
る。
【0018】先ず第一に、本発明のインクジェット記録
用転写媒体の転写層を構成する熱可塑性樹脂微粒子は、
先に説明したように、該微粒子が転写層中に存在するこ
とによって、転写層が、良好にインクを吸収、保持する
機能を有するものとなればよく、更に、被転写材に転写
層を転写する際に、熱溶融して被転写材に容易に接着し
て転写画像を形成する機能を有すればよい。つまり、本
発明のインクジェット記録用転写媒体の転写層を構成す
る熱可塑性樹脂微粒子としては、非水溶性の熱可塑性樹
脂からなる微粒子であれば、いずれも使用することがで
きる。更に、この際に、熱可塑性樹脂微粒子として多孔
性微粒子を使用すれば、微粒子同士間に形成される空隙
のみではなく、微粒子内の空隙にもインクが吸収される
ので、転写層のインク吸収性をより向上させることがで
き、より高精細な画像の形成が可能となる。
【0019】本発明で使用する熱可塑性樹脂微粒子のよ
り具体的な材料例としては、例えば、ポリエチエレン、
ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアセタール、ポリ(メタ)アクリル酸、
ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリル酸誘導
体、ポリアクリル酸アミド、ポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、ポリアクリ
ルニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、チオコール、
ポリスルフォン、ポリウレタン、ポリスチレン、その他
これらの樹脂の共重合物等が挙げられる。本発明におい
ては、これらの中でも、ポリエチエレン、ポリプロピレ
ン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリウレ
タン、ポリアミド、及びこれらの共重合物等がより好ま
しく用いられる。
【0020】本発明のインクジェット記録用転写媒体に
おいては、特にナイロン6及びナイロン12の共重合体
からなる熱可塑性樹脂微粒子を使用することが好まし
い。即ち、これらの微粒子を用いた場合には、染料の発
色が良好となり、より鮮明な画像を得ることができる。
【0021】本発明で使用するこれらの微粒子は、イン
ク吸収性、画像の鮮明性の点から、その粒径が、0.0
5μm〜100μmの範囲であるものが好ましく、より
好ましくは、0.2〜50μmの範囲のもの、更に好ま
しくは5〜20μmの範囲のものを使用するとよい。即
ち、熱可塑性樹脂微粒子の粒径が0.05μmより小さ
い場合は、転写層として形成された場合に、粒子間の空
隙が小さ過ぎ、充分なインク吸収性が得られ難い。又、
粒子が小さ過ぎると表面の平滑性が高くなり過ぎて、転
写した場合に転写層が布帛の繊維間に入り込みにくくな
るため、転写画像が布帛表面で均一な連続被膜として形
成され易くなり、この場合には、転写画像が布帛から剥
れ易くなったり、布帛を伸縮させた場合に、転写層がひ
び割れて下地の繊維が見えてしまったりする等、良好な
転写画像が得られない場合がある。一方、100μmよ
りも粒径が大きいと画像の解像度が低くなり、鮮明な画
像が得られなくなる。
【0022】又、先に挙げた材料等からなる熱可塑性樹
脂微粒子としては、先に述べたように、多孔性の微粒子
を用いることが好ましい。多孔性の微粒子を用いれば、
転写層のインク吸収性をより向上させることができるの
で、薄い層厚でより多くのインクを吸収することが可能
となる。更に、転写層厚を薄くすることは、画像の転写
がより容易となるだけではなく、特に被転写材として布
帛等の柔軟性に富んだ材料を用いた場合に、例えば、転
写画像を布帛等の表面に形成した場合に、転写画像が形
成された部分の風合いが損なわれずに柔らかい状態の、
より好ましい画像転写物が得られる。
【0023】更に、本発明で用いる熱可塑性樹脂微粒子
としては、汎用のインクジェットプリンタで画像を形成
した後、家庭等において手軽に転写することを可能にす
るような材料を用いることが好ましい。この点から、使
用する熱可塑性樹脂は、融点が70℃〜200℃の範囲
のものが好ましく、より好ましくは80℃〜180℃の
範囲のもの、更に好ましくは、100℃〜150℃の範
囲のものを使用することが好ましい。70℃よりも融点
が低いものを使用した場合には、物流時又は保管時の条
件によっては、微粒子が溶融して連続被膜化してしまう
恐れがある。又、塗工後の乾燥温度は、熱可塑性微粒子
の融点以下で行う必要があるので、製造効率の点からも
70℃以上のものを使用することが好ましい。一方、融
点が200℃よりも高い樹脂を使用した場合には、転写
する際に高いエネルギーが必要となってしまい、本発明
の目的の一つでもある、簡単に布帛等の被転写材上に転
写画像を形成することが困難となる。
【0024】更に、本発明においては、被転写材として
布帛を用いた場合における転写層の布帛への密着性を考
慮して、熱溶融粘度の低い樹脂を用いることが好まし
い。即ち、熱溶融粘度の高い樹脂を用いると、転写層と
布帛との密着性が悪く、被膜化した転写層が剥れ易くな
ってしまう。これに対し、熱溶融粘度が低い材料を用い
れば、転写層が布帛の繊維間に入り込み易くなるので、
布帛が伸縮しても下地の繊維の色が見えることがなく、
良好な転写画像が得られる。 又、転写後の布帛の風合
いをできるだけ損ねないためには、柔軟性が高い被膜が
得られる材料を用いることが好ましい。
【0025】第二に、本発明のインクジェット記録用転
写媒体の転写層を構成する熱可塑性樹脂結着剤について
説明する。当該結着剤は、上記した熱可塑性微粒子同士
を結着させて転写層を構成する目的で、更には、転写時
に画像が形成された転写層を布帛に接着する目的で使用
される。本発明では、熱可塑性樹脂微粒子と同様に、結
着剤についても従来公知の非水溶性の熱可塑性樹脂を用
いる。具体的には、先に微粒子用の材料として挙げたも
のを用いることができる。
【0026】本発明においては上記した熱可塑性樹脂の
微粒子及び結着剤との比率を、重量比で1/2〜50/
1の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、1/
2〜20/1の範囲、更に好ましくは、1/2〜15/
1の範囲とする。熱可塑性樹脂微粒子の割合が多過ぎる
と、微粒子同士又は微粒子と離型層との接着が充分でな
くなり、充分な強度をもつ転写層を形成できなくなる。
一方、熱可塑性樹脂微粒子の割合が少な過ぎると、イン
ク吸収性及び画像の鮮明性に優れた画像を形成できる転
写層が得られ難くなる。
【0027】又、本発明のインクジェット記録用転写媒
体においては、上記した熱可塑性樹脂微粒子及び/又は
熱可塑性樹脂結着剤を、転写層中に併存させた架橋剤に
より架橋することによって強固な転写層を形成する。従
って、熱可塑性樹脂微粒子及び熱可塑性樹脂結着剤の少
なくとも一方は、次に説明する架橋剤に対して反応性を
有するものを含んで構成することが望ましい。
【0028】第三に、本発明の転写層を構成する架橋剤
について説明する。
【0029】本発明のインクジェット記録用転写媒体に
おいては、転写層が少なくとも2層からなり、架橋剤を
含む層と、架橋剤を含む層とは別に、該架橋剤に対して
反応性を有する材料を有する層が設けられているため、
架橋剤は、そのままの状態では架橋反応を起こすことは
なく、前記したように、転写前においては架橋反応の進
行が起こらず、保存による転写性の劣化を防止すること
ができる。そして、転写時に与えられる熱により溶解さ
せることによって、被転写体へ浸透、接着した熱可塑性
樹脂を、転写と同時に及び/又は転写後に架橋し、転写
画像の強度を高める役割を果たす。従って、本発明にお
いて使用する架橋剤としては、熱可塑性樹脂の微粒子や
結着剤又はその他の転写層中の材料と、若しくは被転写
体と反応して架橋構造を構成し得るものであれば、従来
公知の架橋剤を用いることができる。例えば、熱又は光
等のエネルギーによって、上記した架橋剤に対して反応
性を有する材料の架橋反応を開始させることができるよ
うな架橋剤を用いる。
【0030】本発明で使用できる架橋剤としては、具体
的には、先ず、熱により反応する架橋剤として、例え
ば、硫黄、硫黄同族体、有機過酸化物、フェノール樹
脂、アミノ樹脂、キノン、キノンジオキシム誘導体、ハ
ロゲン化合物、アミン、アジリジン化合物、アゾ化合
物、イソシアナート化合物、カルボン酸、酸無水物、ア
ルデヒド、アルコール、エポキシ化合物、ボラン、金属
酸化物、金属過酸化物、金属硫化物、金属ハロゲン化
物、有機金属ハロゲン化物、有機酸金属塩、金属アルコ
キシド、有機金属化合物、シラン化合物等が挙げられ
る。又、光や電子線等により反応する架橋剤としては、
例えば、アクリロイル基、ジアゾ基、ジチオカルバメー
ト基等を持つ化合物が挙げられる。
【0031】より具体的には、使用する熱可塑性樹脂の
種類に応じて、下記のような組合せとなるように架橋剤
を選択して用いれば、より堅牢性に優れる転写画像の形
成が可能な架橋構造を構成することができる。
【0032】カルボキシル基を含有する樹脂を架橋する
場合の架橋剤としては、例えば、フェノール樹脂、アミ
ノ樹脂、アミン、アジリジン化合物、エポキシ化合物、
イソシアナート化合物、金属酸化物等を用いることが好
ましい。又、水酸基を含有する樹脂を架橋する場合の架
橋剤としては、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、
ハロゲン化合物、アミン化合物、アジリジン化合物、イ
ソシアナート、酸無水物、アルデヒド、エポキシ化合物
等を用いることが好ましい。更に、イソシアナート基を
含有する樹脂を架橋する場合に用いられる架橋剤として
は、例えば、アミン、イソシアナート、酸無水物、アル
コール化合物、エポキシ化合物等を用いることが好まし
い。
【0033】更に、本発明においては、これらの架橋剤
に加えて触媒を加えると、より架橋反応が速やかに進行
するので、転写時間を短縮することができ、好ましい。
【0034】先に述べたように、本発明のインクジェッ
ト記録用転写媒体においては、上記に挙げたような架橋
剤と、該架橋剤に対して反応性を有する材料とは、転写
層を構成している夫々別の異なる層に添加される。つま
り、本発明においては、架橋剤内で、自己架橋する架橋
剤を用いることは好ましくない。
【0035】又、本発明において使用する架橋剤として
は、室温で固体のもの、更には、融点が70℃以上のも
のを用いることが好ましい。即ち、室温において液状の
架橋剤を用いると、架橋剤を、架橋剤と反応する成分と
を異なる層にして転写層を形成したとしても、保存中に
架橋剤成分が移動して、反応してしまう可能性がある。
又、常温で固体であっても、融点が70℃以下の場合、
輸送や保管の状態によっては架橋剤が液体となり、同様
な現象が起こる可能性がある。
【0036】更に、本発明においては、熱により反応性
を示す架橋剤を用いれば、転写時の熱を利用して架橋反
応を行えるのでより好ましい。
【0037】本発明のインクジェット記録用転写媒体の
少なくとも2層構造を有する転写層の好ましい構成につ
いて、以下に説明する。
【0038】先ず、転写層の表層(以下、第1層目)
は、インクを吸収させて良好な画像を形成する目的か
ら、熱可塑性樹脂微粒子が含まれた多孔性の層で構成す
ることが好ましい。更に、この場合には、これらの微粒
子を結着して多孔層を構成するためには結着剤が必要と
なる。本発明のインクジェット記録用転写媒体の転写層
を構成する場合には、本発明の必須の構成要件である少
なくとも2層構造とすること、及び架橋剤を含む層には
該架橋剤に対して反応性を有する材料を添加しないこと
を除いては、どのような層構成としても構わないが、好
ましくは、上記した2点の条件を満足するように構成す
れば、より好ましい転写層が得られる。
【0039】例えば、転写層を2層構成とする場合の構
成例としては、下記に挙げる(1)〜(3)もの等があ
る。
【0040】構成例(1) ・第1層目:架橋剤に対して反応性を有する熱可塑性樹
脂微粒子と、架橋剤に対して反応性を有する熱可塑性樹
脂結着剤 ・第2層目:架橋剤
【0041】構成例(2) ・第1層目:架橋剤に対して反応性のない熱可塑性樹脂
微粒子と、架橋剤に対して反応性のない熱可塑性結着剤
と、架橋剤 ・第2層目:架橋剤に対して反応性を有する熱可塑性樹
【0042】構成例(3) ・第1層目:架橋剤成分を含む熱可塑性樹脂と、架橋剤
に対して反応性のない熱可塑性樹脂結着剤 ・第2層目:架橋剤に対して反応性を有する熱可塑性樹
脂微粒子
【0043】又、本発明においては、転写層を、以下に
示す構成例(4)のように、3層構成としてもよい。
【0044】構成例(4) ・第1層目:架橋剤に対して反応性を有する熱可塑性樹
脂微粒子と、架橋剤に対して反応性を有する熱可塑性樹
脂結着剤 ・第2層目:架橋剤に対して反応性のない熱可塑性樹脂 ・第3層目:架橋剤
【0045】構成例(4)のように、架橋剤を含む層
(第3層目)と該架橋剤に対して反応性を有する材料を
含む層(第1層目)との間に、架橋剤に対して反応性の
ない樹脂層、より好ましくは、均一な樹脂皮膜層を設け
ることにより、架橋剤と該架橋剤に対して反応性を有す
る材料とを完全に分離することができる。この結果、保
存中における架橋反応の進行を完全に防止することがで
き、保存しても転写媒体シートの転写性が損なわれなの
で、より好ましい。
【0046】又、架橋剤と該架橋剤に対して反応性を有
する材料を分離する方法としては、夫々の材料を用いて
異なる2枚のシートの転写層を夫々形成し、転写時に、
これら2枚のシートを重ねて転写させる方法も考えられ
る。即ち、基材上に、架橋剤を含有し、且つ該架橋剤に
対して反応性を有する材料は含まない転写層を設けた転
写媒体aと、基材上に、転写媒体aに使用した架橋剤に
対して反応性を有する材料を含む転写層を設けた転写媒
体bの2枚の転写媒体を夫々作製する。より具体的に
は、上記に挙げた転写層を2層構成とする場合における
(1)〜(3)の構成例の、第1層目と同様の構成を有
する転写層を設けた転写媒体aと、第2層目と同様の構
成を有する転写層を設けた転写媒体bを形成させるとよ
い。このようにして作製した2枚のシートを用いる場合
には、先ず、転写媒体aにインクジェット方式により画
像を形成し、一方のシートを転写した後、もう一方のシ
ートを重ねて転写を行う。この場合、転写する順番は特
に限定されず、転写媒体a及び転写媒体bのどちらのシ
ートを先に使って行ってもよい。
【0047】上記したように、本発明の転写層は2層以
上の層構成を形成するが、離型層に隣接する層を、樹脂
粒子を含有しない均一皮膜で構成することが好ましい。
このような均一被膜層を形成することによる利点として
は、下記の2点が挙げられる。先ず第一に、転写層の形
成がより容易になる。即ち、本発明のインクジェット記
録用転写媒体は、離型層の上に、インク吸収性を有する
多孔質の転写層が設けられる。このように、離型層のよ
うな密着性の低い層の上に多孔質層を設けた場合は、層
同士の密着性が悪く、取扱時に転写層が剥れてしまう場
合がある。これに対し、転写層を2層構成とし、離型層
側に均一皮膜層を設けることによって、離型層と転写層
との間の密着性を向上させることができるので、このよ
うな問題を生じにくくなる。
【0048】第二に、転写画像の洗濯堅牢性が更に改良
される。即ち、転写層を2層構成にした場合は、画像が
形成された転写層が布帛等の被転写体に転写されると、
離型層と隣接していた転写層が転写画像の最表面を構成
することになるので、均一皮膜層が表面を覆うこととな
る。この結果、色材がより確実に隠蔽されて布帛に密着
されるため、得られる画像転写物の堅牢性が高くなると
考えられる。
【0049】更に、上記の場合、均一皮膜層と、インク
を吸収・保持させるための樹脂微粒子を含有する多孔質
層に、同一の熱可塑性樹脂を用いると更に好ましい。即
ち、材料を同一にすることによって、この2層の密着性
を高くすることができるので、転写画像の堅牢性がより
高くなる。又、このようにすれば2層間での屈折率差が
小さくなるため、転写後の転写層が透明になるので鮮明
な画像を得ることができる。
【0050】又、本発明において用いる架橋剤は、架橋
剤の種類にもよるが、樹脂との最適な反応性を得るため
に、その粒径が、0.05〜100μm程度のものを用
いることが好ましい。
【0051】以上、本発明のインクジェット記録用転写
媒体の転写層を構成する必須の構成成分について説明し
てきたが、本発明においては、以上の必須構成成分に加
えて、他の添加剤を加えてもよい。
【0052】例えば、転写層中に無機粒子を添加するこ
とにより、転写層のインク吸収性が向上し、より鮮明な
画像を形成できるようになる。更に、無機粒子を添加す
れば、被転写材上に転写した際に、転写層を形成してい
る熱可塑性樹脂が布帛に浸透し過ぎることを防止し、布
帛表面に転写層被膜を形成できるため、高濃度で鮮明な
転写画像を形成できる。
【0053】本発明において使用できる無機粒子として
は、熱溶融性がなく、且つ白色の無機粒子であればよ
く、具体的には、例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸マグネシム、ハイドロタルサイト、炭酸カル
シウム、酸化チタン、クレイ、タルク、(塩基性)炭酸
マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、染着性
の高い材料を用いると、布帛表面に、よりよく染料が定
着されるため好ましい。
【0054】又、無機粒子の中でも、より空隙率の高い
材料を用いると、転写層のインク吸収性も高くなり、よ
り鮮明な画像が得られる。本発明において用いる無機粒
子の粒径としては、先に説明した熱可塑性樹脂微粒子の
粒径に近いものを用いることが好ましい。これは、転写
層中に粒径が異なる粒子を添加すると、大きい方の粒子
の粒子間に小さい方の粒子が充填されてしまい、結果と
して転写層中の空隙率を下げる結果となってしまう恐れ
があるためである。
【0055】又、転写層中にカチオン性材料を添加する
と、より高い洗濯堅牢性が得られる。即ち、インクジェ
ットプリンタにおいて使用されるインクに一般的に使用
されている色材は、アニオン性の水性染料である。そし
て、色材は、転写時の熱により熱可塑性樹脂微粒子が溶
融した際に一緒に取り込まれて、布帛等の被記録材に被
膜となって固着される。しかしながら、形成した被膜が
完全には均一にならない場合もあり、そのような場合に
は、画像転写物を水に浸漬させた際に、染料がしみ出し
てしまうことがある。これに対して、転写層中にカチオ
ン性材料を添加しておけば、染料を不溶化して染料の溶
出を防ぐことが可能となる。
【0056】この際に使用することができるカチオン性
材料としては、具体的には、例えば、下記のような材料
が挙げられる。
【0057】ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリビニルピロリドン等の樹脂のカチオン
化変性物、アリルアミン、ジアリルアミン、アリルスル
ホン、ジメチルアリルスルホン、ジアリルジメチルアン
モニウムクロライド、等のアミン系モノマー、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエ
チルアモノスチレン、メチルエチルアミノスチレン、N
−メチルアクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリルアミ
ド、及びその4級化化合物等、側鎖に1〜3級アミン乃
至4級アンモニウム塩基を有するアクリルモノマーの重
合物及び共重合物等、ジシアンアミド等、主鎖に1〜3
級アミン乃至4級アンモニウム塩基を有する樹脂等が挙
げられる。
【0058】更に、転写層中に熱可塑性樹脂の微粒子又
は結着剤の可塑剤を添加させると、転写性を向上させる
上で有効である。可塑剤を添加することによって、転写
時、つまり加熱時における転写層の溶融粘度が低くなる
ので、より布帛への転写層の密着性を向上させることが
でき、転写性が改良される。この際に使用される可塑剤
としては、従来公知のものをいずれも用いることができ
る。具体的には、例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル等の
フタル酸エステル、燐酸トリブチル、燐酸トリフェニル
等の燐酸エステル、アジピン酸オクチル、アジピン酸イ
ソノニル等のアジピン酸エステル、セバシン酸ジブチ
ル、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸エステル、ク
エン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチ
ル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチルヘキシ
ル、フマル酸ジブチル、トリメリット酸系可塑剤、ポリ
エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ステアリン系可
塑剤、塩化パラフィン、トルエンスルホンアミド及びそ
の誘導体、p−オキシ安息香酸−2−エチルヘキシルエ
ステル等が挙げられる。
【0059】又、インクの浸透性を改良する目的で、転
写層中に界面活性剤を添加してもよい。即ち、転写層中
に界面活性剤を添加させることにより子表面の濡れ性が
よくなるので、インクジェット記録方式によって画像を
形成した場合に、転写層中への水系インクの浸透性が高
くなる。この際に使用する界面活性剤は、一般に使用さ
れるノニオン系界面活性剤を使用することができ、より
具体的には、エーテル系、エステル系、エーテル・エス
テル型、含フッ素型等の界面活性剤を使用することがで
きる。
【0060】上記のようにして構成される本発明のイン
クジェット記録用転写媒体の転写層の好ましい層厚とし
ては、15〜250μm、より好ましくは40〜200
μm、更に好ましくは50〜150μmの範囲である。
転写層の中でも、インクジェット記録により画像形成が
可能な、インクを吸収及び保持するための空隙を有する
部分の好ましい層厚は、10〜150μm、より好まし
くは30〜120μm、更に好ましくは40〜100μ
mの範囲である。転写媒体の転写層の層厚が厚過ぎる
と、布帛等の柔軟性のある被転写材に転写した場合に、
転写部分の柔軟性が劣ってしまい、その部分の風合いが
悪くなる。一方、転写層の層厚が薄過ぎると、層の強度
が弱くなって洗濯堅牢性等の劣化の原因となる。又、イ
ンクを吸収及び保持するための空隙を有する部分の層厚
を薄くすると、インクが充分に吸収及び保持されないた
め、高精細な画像の形成が困難となる。
【0061】本発明のインクジェット記録用転写媒体で
は、上記したような構成の転写層と共に離型層を有す
る。この離型層の存在によって、上記した優れた特性を
有する転写層を、布帛等の被記録材上に、効率よく且つ
容易に転写して画像を形成することが可能となる。例え
ば、布帛表面に、画像が形成されている転写層を転写し
た後、転写層を保持していた基材を除去しようとする場
合に、転写された転写層が基材と共に布帛から剥れてし
まったり、転写層の一部が基材上に残ってしまたりして
画像が乱れるといったことを有効に防止することができ
る。
【0062】この際、離型層に用いられる材料として
は、先ず、熱溶融性材料としては、カルナウバワック
ス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、カスターワックス等のワックス類、ステアリン酸、
パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリ
ン酸亜鉛、バルミチン酸亜鉛、メチルヒドロキシステア
レート、グリセロールモノヒドロキシステアレート、グ
リセロールモノヒドロキシステアレート等の高級脂肪
酸、或いはその金属塩、エステル等の誘導体、ポリアミ
ド系樹脂、石油系樹脂、ロジン誘導体、クロマン−イン
デン樹脂、テルペン系樹脂、ノボラック系樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、酸化ポリオレフィン等のオレフィン系樹脂、ビニル
エーテル系樹脂等が挙げられる。又、この他に、シリコ
ーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂、フルオロオレフィ
ンビニルエーテルターポリマー、パーフルオロエポキシ
樹脂、パーフルオロアルキル基を側鎖に持つ熱硬化型ア
クリル樹脂やフッ化ビニリデン系硬化型塗料等も用いる
ことができる。
【0063】本発明のインクジェット記録用転写媒体に
おいて使用する、上記したような離型層及び転写層を保
持させるための基材としては、プリンタでの搬送が可能
であって、且つ熱転写の際に必要な耐熱性を有するもの
であれば、いずれの基材も使用できる。具体的には、例
えば、ポリエステル、ジアセテート、トリアセテート、
アクリル系ポリマー、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリイミド、セロハン、セルロイド等の合成樹脂フ
ィルムや紙、布帛や不織布のような柔軟性のある基材等
が挙げられる。本発明のインクジェット記録用転写媒体
においては、特に、柔軟性のある基材を用いることによ
って、被転写体の転写すべき部分の形状が曲面である場
合においても、これらの被転写体の形状に沿って転写媒
体の転写層を転写することができるので、平面以外の形
状の被転写体に対しても良好な転写画像の形成が可能と
なるので好ましい。
【0064】これらの基材の厚さとしては、特に限定さ
れないが、汎用のインクジェットプリンタでの搬送が可
能な範囲であることが好ましく、例えば、30μm〜2
00μmの範囲のものを用いるとよい。
【0065】又、基材上に離型層及び転写層を形成する
方法も特に限定されないが、例えば、転写層を構成する
ための好適な材料を適当な溶剤に溶解又は分散させて塗
工液を調製し、該塗工液を塗布する等の方法によって塗
工する方法や、転写層を構成するための好適な材料から
フィルムを形成し、該フィルムを基材上にラミネートす
る方法や、押し出し成型する方法等が挙げられる。塗工
液の塗工方法としては、ロールコーター法、ブレードコ
ーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコータ
ー法、バーコーター法、サイズプレス法、シムサイザー
法、スプレーコート法、グラビアコート法及びカーテン
コーター法等が挙げられる。
【0066】上記のような方法によって作製した本発明
のインクジェット記録用転写媒体は、インクジェット記
録用転写媒体の転写層にインクジェット記録方式で所望
の画像を形成する画像形成工程と、該画像形成工程によ
って画像が形成されている転写媒体の転写層側の面を被
転写体の表面に重ね、転写層側の面とは逆の背面から加
熱して転写層を被転写体表面に転写して転写画像を形成
する転写工程とを有する本発明の画像転写物の製造方法
に利用することができる。
【0067】即ち、本発明のインクジェット記録用転写
媒体の転写層に、先ずインクジェット記録方法により画
像を形成し、次に、形成された画像を、布帛やフィルム
等の被転写体と重ねた後、転写層側の面とは逆の転写媒
体の背面から加熱して転写層を基材上に転写し、その
後、基材を剥すことによって布帛上に画像を形成する。
この際、インクジェットプリンタは市販のプリンタをそ
のまま使用することができる。又、画像形成工程で用い
るインクを構成する色材も特に限定されるものではな
く、従来公知のアニオン系の色材等を用いることができ
る。
【0068】上記したように、本発明の画像転写物の製
造方法においては、転写層に画像を形成し、該画像を布
帛等の被転写体に転写して画像を形成するものであっ
て、直接、布帛に画像を印刷して画像を形成する方式の
ものではないので、特に、布帛等の被記録材を構成して
いる繊維材料等の種類に合わせて色材を変える必要はな
い。従って、被転写体に布帛を用い、上記のような画像
転写物の製造方法によって、布帛上に転写画像を形成す
れば、簡易な方法で、良好な画像が形成された被転写布
帛が得られる。本発明の被転写布帛において使用し得る
布帛は、特に限定されるものではなく、布帛を構成する
材料としては、例えば、綿、麻、絹、毛、レーヨン、ポ
リエステル、ナイロン、アクリル、アセテート、トリア
セテート、ポリウレタン等、及びこれらの混紡繊維が挙
げられる。又、これらの材料から形成される布帛は、織
物、編物、不織布等のいずれの形態も使用できる。
【0069】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に詳細に説明する。
【0070】下記に、実施例及び比較例で使用した材料
を示した。
【0071】熱可塑性樹脂微粒子 (熱可塑性樹脂微粒子a):エチレン樹脂微粒子 ・ACポリエチ A−6(AlliedSignal社
製、粒径6μm)(熱可塑性樹脂微粒子b):多孔性ナ
イロン樹脂微粒子 ・オルガソール3501EXD NAT(エルフ・アト・ケ
ム(株)製、粒径10μm)
【0072】結着樹脂 (熱可塑性樹脂結着剤a):エチレン−アクリル酸エマ
ルジョン・ハイテックE−8778(東邦化学工業
(株)製、固形分25%) (熱可塑性樹脂結着剤b):ウレタンエマルジョン・タ
ケラック W−635c(武田薬品工業(株)製、固形
分35%) (熱可塑性樹脂結着剤c):エチレン−酢酸ビニルエマ
ルジョン・ケミパールV−300(三井石油化学(株)
製、粒径6μm、固形分40%) (水溶性樹脂結着剤a):ポリビニルアルコール・PV
A−217(クラレ(株)製、20%水溶液として使
用)
【0073】架橋剤 (架橋剤a):エポキシ系架橋剤 ・EP−1005(東邦化学工業(株)製、融点120
℃、固形分50%)(架橋剤b)エポキシ系架橋剤 ・デナコールEM-150(ナガセ化成工業(株)製、融点
60℃、固形分50%)(架橋剤c):金属酸化物系架橋
剤 ・酸化亜鉛:融点2,000℃、希酢酸10%溶液
【0074】各種添加剤 (無機微粒子a):シリカ ・ミズカシル P−78A(水澤化学工業(株)製、粒
径3μm)(カチオン性樹脂a):アクリル系カチオン
樹脂 ・ELポリマーNWS−16(新中村化学工業(株)
製、固形分30%)(可塑剤a):N−エチル−o,p
−トルエンスルホンアミド ・トップサイザー3号(富士アミドケミカル(株)製)
(界面活性剤a):フッ素系界面活性剤 ・サーフロンS−131(セイミケミカル(株)製、固
形分30%)
【0075】基材 (離型層を設けた基材a):離型紙(シリコーン系樹脂
の離型層を有する) ・ST60OKT−T(リンテック(株)製)
【0076】以上の材料を用いて、下記に示した組成の
塗工液を作製した。次に、作製した塗工液を離型層が設
けられている基材a上にバーコーターを用いて、下記の
条件で塗工及び乾燥して転写層を形成し、離型層及び転
写層を有する各実施例及び比較例の転写媒体を作製し
た。塗工する順序は、3層構成の場合は、3層目→2層
目→1層目の順番に行い、2層構成の場合は、2層目→
1層目の順番に行った。第1表に、実施例1〜5及び比
較例1〜5、更に参考例1の転写媒体の転写層の構成を
まとめて示した。
【0077】 実施例1 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子a 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 40重量部(固形分10重量部) ・無機微粒子a 2重量部 ・カチオン性樹脂a 10重量部(固形分3重量部) ・界面活性剤a 3重量部(固形分1重量部) ・水 10重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:70μm
【0078】 (2層目の塗工液の組成) ・架橋剤a 100重量部(固形分50重量部) ・熱可塑性樹脂結着剤c 50重量部(固形分20重量部) ・水 5重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/5分 ・塗工膜厚:20μm
【0079】 実施例2 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子a 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 40重量部(固形分10重量部) ・無機微粒子a 2重量部 ・カチオン樹脂a 10重量部(固形分3重量部) ・界面活性剤a 3重量部(固形分1重量部) ・水 10重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:70μm
【0080】 (2層目の塗工液の組成) ・架橋剤b 100重量部(固形分50重量部) ・熱可塑性樹脂結着剤c 50重量部(固形分50重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/5分 ・塗工膜厚:20μm
【0081】 実施例3 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子b 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤b 200重量部(固形分80重量部) ・架橋剤c 20重量部(固形分2重量部) ・可塑剤a 20重量部 ・カチオン樹脂a 20重量部(固形分6重量部) ・界面活性剤a 6重量部(固形分2重量部) ・イソプロピルアルコール(IPA) 300重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:80μm
【0082】 (2層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂結着剤a 100重量部(固形分25重量部) ・イソプロピルアルコール(IPA) 5重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/5分 ・塗工膜厚:20μm
【0083】 実施例4 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子b 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 400重量部(固形分100重量部) ・無機微粒子a 4重量部 ・可塑剤a 20重量部 ・カチオン樹脂a 50重量部(固形分15重量部) ・界面活性剤a 8重量部(固形分2.4重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:80μm
【0084】 (2層目の塗工液の組成) ・架橋剤a 100重量部(固形分50重量部) ・熱可塑性樹脂結着剤c 50重量部(固形分20重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/5分 ・塗工膜厚:20μm
【0085】 実施例5 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子b 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 400重量部(固形分100重量部) ・無機微粒子a 4重量部 ・可塑剤a 20重量部 ・カチオン樹脂a 50重量部(固形分15重量部) ・界面活性剤a 8重量部(固形分2.4重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:80μm
【0086】 (2層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂結着剤c 100重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:110℃/5分 ・塗工膜厚:5μm
【0087】 (3層目の塗工液の組成) ・架橋剤a 100重量部(固形分50重量部) ・熱可塑性樹脂結着剤c 50重量部(固形分20重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/5分 ・塗工膜厚:20μm
【0088】 比較例1 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子a 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 40重量部(固形分10重量部) ・無機微粒子a 2重量部 ・カチオン樹脂a 10重量部(固形分3重量部) ・界面活性剤a 3重量部(固形分1重量部) ・架橋剤a 100重量部(固形分50重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:90μm
【0089】 比較例2 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子a 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 40重量部(固形分10重量部) ・無機微粒子a 2重量部 ・カチオン樹脂a 10重量部(固形分3重量部) ・界面活性剤a 3重量部(固形分1重量部) ・架橋剤b 100重量部(固形分50重量部) ・水 10重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:90μm
【0090】 比較例3 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子b 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 100重量部(固形分25重量部) ・熱可塑性樹脂結着剤b 200重量部(固形分80重量部) ・架橋剤c 20重量部(固形分2重量部) ・可塑剤a 20重量部 ・カチオン樹脂a 20重量部(固形分6重量部) ・界面活性剤a 6重量部(固形分2重量部) ・イソプロピルアルコール(IPA) 300重量部 (塗工条件) ・乾燥時間:70℃/10分 ・塗工膜厚:100μm
【0091】 比較例4 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子b 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 400重量部(固形分100重量部) ・無機微粒子a 4重量部 ・可塑剤a 20重量部 ・カチオン樹脂a 50重量部(固形分15重量部) ・界面活性剤a 8重量部(固形分2.4重量部) ・架橋剤b 100重量部(固形分50重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:100μm
【0092】 比較例5 (1層目の塗工液の組成) ・熱可塑性樹脂微粒子a 100重量部 ・水溶性樹脂結着剤a 50重量部(固形分10重量部) ・無機微粒子a 2重量部 ・カチオン樹脂a 10重量部(固形分3重量部) ・界面活性剤a 3重量部(固形分1重量部) ・水 5重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:70μm
【0093】 (2層目の塗工液の組成) ・架橋剤a 100重量部(固形分50重量部) ・熱可塑性樹脂結着剤c 50重量部(固形分50重量部) ・水 5重量部 (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/5分 ・塗工膜厚:20μm
【0094】参考例1 基材a上に下記組成の塗料aを塗工して転写媒体aを、
又、別の基材a上に塗料bを塗工して転写媒体bを作製
した。
【0095】 (塗工液aの組成) ・熱可塑性樹脂微粒子b 100重量部 ・熱可塑性樹脂結着剤a 400重量部(固形分100重量部) ・無機微粒子a 4重量部 ・可塑剤a 20重量部 ・カチオン樹脂a 50重量部(固形分15重量部) ・界面活性剤a 8重量部(固形分2.4重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/10分 ・塗工膜厚:80μm
【0096】 (塗工液bの組成) ・架橋剤a 100重量部(固形分50重量部) ・熱可塑性樹脂結着剤c 50重量部(固形分50重量部) (塗工条件) ・乾燥条件:70℃/5分 ・塗工膜厚:20μm
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】以上のようにして作成した実施例1〜5及
び比較例1〜5、更に参考例1で得た各転写媒体に、イ
ンクジェットカラープリンタBJC−600J(キヤノ
ン株式会社製)を用いて、バックプリトフィルムモード
で印刷を行って画像を形成した。印刷後、綿100%の
Tシャツ(HANES製BEEFY)に、画像が形成さ
れている転写媒体の転写層側をTシャツ地側に合わせて
積層し、基材側から熱転写機(熱板表面温度200℃
転写圧力80g/cm2)を用いて転写を行って画像転
写物を形成した。このようにして作成した各画像転写物
の転写画像について、下記の評価方法及び評価基準で、
(1)洗濯堅牢性、(2)転写性の評価を行った。
【0102】(1)洗濯堅牢性 上記の方法で作成した画像転写物であるTシャツを、家
庭用2層式洗濯機を用い、10分間の洗濯及び10分間
のすすぎを各10回ずつ行い、次いで脱水した後、乾燥
機で乾燥した。このようにして洗濯及び乾燥を行った各
Tシャツの転写部の脱色の程度を目視にて観察し、各サ
ンプルの洗濯堅牢性を下記の基準で評価した。Tシャツ
に形成した画像は、全画素に100%デューティーのブ
ラック、シアン、マゼンタ及びイエローのパッチ(15
mm×15mm)とした。 A:脱色が無かった B:少し脱色していた C:かなり脱色していた
【0103】(2)転写性 上記の洗濯堅牢性の評価試験を行なった洗濯及び乾燥後
の各Tシャツの転写部の剥れの程度を目視にて観察し、
下記の基準で各サンプルの転写性を評価した。 A:転写層の剥れがなかった B:転写層が部分的に剥れていた C:転写層が全体的に剥れていた
【0104】(3)シートの保存性 更に、以上のように作成した実施例1〜5及び比較例1
〜5、及び参考例1での各転写媒体(シート)をポリプ
ロピレン製の袋に入れ、60℃/50%環境の高温槽内
に2日間放置した後、これを用いて、上記と同様にして
Tシャツに画像を転写して画像転写物である各Tシャツ
を得た。次に、得られた各Tシャツについて、上記と同
様に(1)洗濯堅牢性及び(2)転写性を評価して、
(3)シートの保存性とした。
【0105】各実施例及び比較例の評価結果を第2表に
示した。
【0106】
【表5】
【0107】(4)画像の境界滲み 先ず、以上のように作成した実施例1〜5及び比較例1
〜5、更に参考例1の各転写媒体に、先に述べたと同様
の方法で、全画素にドットを形成する100%デューテ
ィーのブラックとマゼンタのパッチを隣り合わせて印刷
した各画像を、先に述べたと同様の方法で各Tシャツ地
に転写して転写画像を形成した。このようにして得られ
たた画像転写物であるTシャツについて、2色の境界の
滲みを目視で観察したところ、実施例1〜5及び比較例
1〜5、更に参考例1の各転写媒体のいずれを使用した
場合も2色の境界で滲みはなかった。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクジェット記録方法を利用して布帛等の被転写体へ
簡便に、且つ良好な転写画像を常に安定して形成するこ
とができるシート保存性に優れたインクジェット記録用
転写媒体が提供される。特に、かかる転写媒体を使用す
れば、インク吸収性が高く、高濃度で鮮明性の高い転写
画像を形成することが可能であり、更に、得られる被転
写布帛等の画像転写物は、転写画像が柔軟で風合いに優
れ、且つ洗濯堅牢性が高いものとなる。
フロントページの続き (72)発明者 小林 本和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に離型層及び転写層が設けられ、
    且つ該転写層中に熱可塑性樹脂微粒子と熱可塑性樹脂結
    着剤及び架橋剤を含有するインクジェット記録用転写媒
    体において、熱可塑性樹脂が非水溶性であり、且つ転写
    層が、少なくとも架橋剤を含む層と架橋剤を含まない層
    の2層から構成され、更に、架橋剤を含む層には該架橋
    剤に対して反応性を有する材料が含まれていないことを
    特徴とするインクジェット記録用転写媒体。
  2. 【請求項2】 架橋剤が、常温で固体である請求項1に
    記載のインクジェット記録用転写媒体。
  3. 【請求項3】 架橋剤の融点が70℃以上である請求項
    1又は請求項2に記載のインクジェット記録用転写媒
    体。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂微粒子又は熱可塑性結着剤
    のどちらか一方が架橋剤と反応性を有する請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載のインクジェット記録用転写媒
    体。
  5. 【請求項5】 架橋剤が、熱により架橋反応を開始する
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインクジェット
    記録用転写媒体。
  6. 【請求項6】 離型層と接触する転写層の最下層が、樹
    脂粒子を含有しない均一皮膜層である請求項1〜請求項
    5のいずれかに記載のインクジェット記録用転写媒体。
  7. 【請求項7】 転写層が少なくとも3層から構成されて
    おり、架橋剤を含む層と該架橋剤に対して反応性を有す
    る材料を含む層との間に、架橋剤に対して反応性のない
    樹脂皮膜層を有する請求項1〜請求項6のいずれかに記
    載のインクジェット記録用転写媒体。
  8. 【請求項8】 架橋剤を含有し、且つ該架橋剤に対して
    反応性を有する材料を含まない層と、該架橋剤に対して
    反応性を有する材料を含む層とを被転写体に熱転写する
    ことを特徴とする画像転写物の製造方法。
  9. 【請求項9】 インクジェット記録用転写媒体の転写層
    にインクジェット記録方式で所望の画像を形成する画像
    形成工程と、該画像形成工程によって画像が形成されて
    いる転写媒体の転写層側の面を被転写体の表面に重ね、
    転写層側の面とは逆の背面から加熱して転写層を被転写
    体表面に転写して転写画像を形成する転写工程とを有す
    る画像転写物の製造方法において、上記インクジェット
    記録用転写媒体に請求項1〜請求項7のいずれかに記載
    のインクジェット記録用転写媒体を使用することを特徴
    とする画像転写物の製造方法。
  10. 【請求項10】 布帛上に転写画像が形成された被転写
    布帛であって、請求項8又は請求項9に記載の画像転写
    物の製造方法によって転写画像を形成したことを特徴と
    する被転写布帛。
JP11018310A 1998-01-28 1999-01-27 インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛 Withdrawn JPH11277897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11018310A JPH11277897A (ja) 1998-01-28 1999-01-27 インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1622198 1998-01-28
JP10-16221 1998-01-28
JP11018310A JPH11277897A (ja) 1998-01-28 1999-01-27 インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11277897A true JPH11277897A (ja) 1999-10-12

Family

ID=26352501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11018310A Withdrawn JPH11277897A (ja) 1998-01-28 1999-01-27 インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11277897A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001232936A (ja) * 1999-12-17 2001-08-28 Daicel Chem Ind Ltd 転写シート
JP2003054113A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Seiko Epson Corp 転写シート
WO2006132286A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Oji Paper Co., Ltd. インクジェット記録シートの製造方法
JP2008195077A (ja) * 2008-03-24 2008-08-28 Fuji Xerox Co Ltd インク受容性粉体粒子、記録用の材料、記録装置、及びインク受容性粉体粒子収納部材
US7638562B2 (en) 2006-08-02 2009-12-29 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink receptive particles, material for recording, recording apparatus and ink receptive particle storage cartridge

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001232936A (ja) * 1999-12-17 2001-08-28 Daicel Chem Ind Ltd 転写シート
JP2003054113A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Seiko Epson Corp 転写シート
WO2006132286A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Oji Paper Co., Ltd. インクジェット記録シートの製造方法
US7638562B2 (en) 2006-08-02 2009-12-29 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink receptive particles, material for recording, recording apparatus and ink receptive particle storage cartridge
US7851518B2 (en) 2006-08-02 2010-12-14 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink receptive particles, material for recording, recording apparatus and ink receptive particle storage cartridge
US7868064B2 (en) 2006-08-02 2011-01-11 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink receptive particles, material for recording, recording apparatus and ink receptive particle storage cartridge
JP2008195077A (ja) * 2008-03-24 2008-08-28 Fuji Xerox Co Ltd インク受容性粉体粒子、記録用の材料、記録装置、及びインク受容性粉体粒子収納部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100287087B1 (ko) 잉크젯 인쇄용 화상 전사 매체, 화상 전사물의 제조 방법 및피전사 직물
JP3327782B2 (ja) インクジェット記録用転写媒体、これを用いた転写方法及び被転写布帛
KR100287088B1 (ko) 잉크젯 인쇄용 화상 전사 매체, 화상 전사물의 제조 방법 및 피전사직물
AU731594B2 (en) Image-transfer medium for ink-jet recording and image-transfer printing process
JP2007517684A (ja) 適合熱転写材料及びその使用方法
CA2368181C (en) Heat transfer material having a fusible coating containing cyclohexane dimethanol dibenzoate thereon
US6406142B1 (en) Image forming process using a transfer medium having a support with an index
US6871950B2 (en) Image-transfer medium, production process of transferred image, and cloth with transferred image formed thereon
JPH11277897A (ja) インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛
JP3271931B2 (ja) インクジェット記録用転写媒体
JPH11314452A (ja) インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛
JP3715753B2 (ja) インクジェット記録用転写媒体及びこれを用いた画像転写物の製造方法
JP3673666B2 (ja) 転写媒体、転写画像の製造方法及び転写画像の形成された布帛
JPH11277896A (ja) インクジェット記録用転写媒体、画像転写物の製造方法及び被転写布帛
JP3372836B2 (ja) インクジェット記録用転写媒体及びこれを用いた画像転写物の製造方法
JPH10315695A (ja) インクジェット用熱転写媒体、熱転写方法及び熱転写物
JP3372837B2 (ja) インクジェット記録用転写媒体及びこれを用いた画像転写物の製造方法
JPH1024651A (ja) 画像形成方法
JP2002248875A (ja) 転写シート
JP2002219862A (ja) インクジェット記録用転写シート
JPH05287686A (ja) 立体模様転写シート
JPH10250222A (ja) インクジェット用熱転写媒体、熱転写体および熱転写方法
JP2001105713A (ja) インクジェット記録用転写媒体
JP2003253573A (ja) プラスチック染色用基材およびそれを用いたプラスチック染色方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060404