JP2003253573A - プラスチック染色用基材およびそれを用いたプラスチック染色方法 - Google Patents

プラスチック染色用基材およびそれを用いたプラスチック染色方法

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JP2003253573A
JP2003253573A JP2002057030A JP2002057030A JP2003253573A JP 2003253573 A JP2003253573 A JP 2003253573A JP 2002057030 A JP2002057030 A JP 2002057030A JP 2002057030 A JP2002057030 A JP 2002057030A JP 2003253573 A JP2003253573 A JP 2003253573A
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plastic
dyeing
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sublimable ink
sublimable
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Tetsuji Ota
哲司 太田
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Kimoto Co Ltd
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Kimoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇華性インクを用いたインクジェットプリン
タでの記録が可能であって、かつ曲面や凹凸のあるプラ
スチックに対し、簡単かつ鮮明に染色することができ、
さらに転写された画像の画像濃度が良好であるプラスチ
ック染色用基材を提供する。 【解決手段】 支持体1上に昇華性インク受容層2およ
びブロック層3をこの順に有するプラスチック染色用基
材4であって、前記昇華性インク受容層2およびブロッ
ク層3が前記支持体1から剥離可能であり、前記ブロッ
ク層3が液体昇華性インクを透過可能であり、かつ前記
ブロック層3は前記昇華性インク受容層2より昇華性染
料に染色されにくいように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲面や凹凸のある
プラスチックに対し、簡単かつ鮮明に染色を行うことが
できるプラスチック染色用基材、および該プラスチック
染色用基材を用いたプラスチックの染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの染色方法としては、浸漬
染色方法(以下「浸染法」という)が多く用いられてい
る(特開昭58−5716号公報、特開平6−3138
01号公報等)。この浸染法は、分散染料の赤、青、黄
の三原色を混合して水中に分散させた染色液を調合し、
この染色液を90℃程度に加熱し、その中にプラスチッ
クを浸漬して染色を行うものである。
【0003】しかし、分散染料の取扱いが難しいことか
ら、浸染法による染色においては、色相のばらつきやム
ラが発生しやすいという問題があった。また、浸染法で
は単色の染色は可能であるものの、色に濃度差を設けた
り、絵柄を転写することはできなかった。
【0004】かかる問題を解決する手段として、昇華性
染料をプラスチックに転写する手段が考えられる。具体
的には、記録材料に昇華性熱転写プリンタで絵柄等を形
成した後、記録材料に形成した絵柄をさらにプラスチッ
クに転写する方法が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法は、
記録材料への記録時と、記録材料からプラスチックへの
転写時と昇華性染料を2度に渡って転写するものであ
る。したがって、最終的に転写される絵柄の再現性が悪
いなどの問題があるとともに、記録材料は昇華性熱転写
プリンタの昇華性染料を保持するバインダー樹脂より昇
華性染料に染色されやすく、かつ転写するプラスチック
より昇華性染料に染色されにくい材料である必要があ
り、記録材料の材料選択の幅が非常に狭いという問題が
あった。
【0006】このような問題は、特開2001−215
306号公報に記載されている染色方法であれば発生す
ることはない。この染色方法は、印刷用紙に昇華性イン
クを用いたインクジェットプリンタで記録を行い、印刷
用紙の記録面をプラスチックレンズに接触・加熱するこ
とによりプラスチックレンズを染色するというものであ
る。即ち、この方法によれば、印刷用紙への記録はイン
ク溶媒の吸収によって行われ、昇華性染料の転写は印刷
用紙からプラスチックへの1回のみであるから、上記問
題を発生することもない。
【0007】しかしながら、特開2001−21530
6号公報にて提案されている手段では、曲面や凹凸のあ
るプラスチックの全面に鮮明な染色を行うことはでき
ず、プラスチックの一部に染色されない部分が発生する
という問題があった。これはプラスチックの曲面や凹凸
に対し、印刷用紙の形状追従性が十分でないことが原因
と考えられる。
【0008】そこで、本発明は、昇華性インクを用いた
インクジェットプリンタでの記録が可能であって、曲面
や凹凸のあるプラスチックに対し、簡単かつ鮮明に染色
することができるプラスチック染色用基材、および該プ
ラスチック染色用基材を用いたプラスチックの染色方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のプラスチック染色用基材は、支持体上に昇
華性インク受容層およびブロック層をこの順に有するも
のであって、前記昇華性インク受容層およびブロック層
が前記支持体から剥離可能であり、前記ブロック層が液
体昇華性インクを透過可能であり、かつ前記ブロック層
は前記昇華性インク受容層より昇華性染料に染色されに
くいことを特徴とするものである。
【0010】本発明のプラスチック染色用基材はこのよ
うな構成を採用することから、染色時には昇華性インク
受容層およびブロック層のみをプラスチックに対向させ
ることができ、これによりプラスチックの曲面や凹凸に
対する形状追従性が向上し、曲面や凹凸のあるプラスチ
ックの全面に鮮明な染色を行うことができるようにな
る。また、ブロック層の存在により、昇華性インク受容
層に受容された昇華性染料はプラスチック側にのみ移行
することが可能となり、プラスチックに転写される画像
濃度を良好にすることができる。
【0011】また、本発明のプラスチック染色方法は、
上記プラスチック染色用基材に昇華性インクを用いたイ
ンクジェットプリンタで記録を行い、前記昇華性インク
受容層およびブロック層を前記支持体から剥離した後、
前記昇華性インク受容層側をプラスチックに対向させ、
前記ブロック層および昇華性インク受容層を加熱するこ
とにより前記プラスチックを染色することを特徴とする
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明のプラスチック染色
用基材から説明する。本発明のプラスチック染色用基材
は、支持体上に昇華性インク受容層およびブロック層を
この順に有するものであって、前記昇華性インク受容層
およびブロック層が前記支持体から剥離可能であり、前
記ブロック層が液体昇華性インクを透過可能であり、か
つ前記ブロック層は前記昇華性インク受容層より昇華性
染料に染色されにくいことを特徴とするものである。以
下、各構成要素の実施の形態について説明する。
【0013】図1は、本発明のプラスチック染色用基材
の実施の形態を示す図で、このプラスチック染色用基材
4は、支持体1、昇華性インク受容層2、ブロック層3
からなる。
【0014】支持体は、紙、繊維布帛、合成紙、プラス
チックフィルムなど特に制限されることなく使用するこ
とができるが、昇華性インク受容層との剥離性を考慮
し、プラスチックフィルムが好適に使用される。プラス
チックフィルムとしては、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレンなどがあげられる。支持体の厚みは特
に限定されるものではないが、インクジェットプリンタ
への搬送性などの点から、5〜300μmのものが好適
に使用される。また、支持体の表面は平滑性に優れるも
のが好ましい。表面の平滑性に優れる支持体を採用する
ことにより、染色の際に昇華性インク受容層とプラスチ
ックとの密着性が向上し、ムラのない染色を行うことが
できる。平滑性に優れる支持体としては、ポリエステル
フィルムなどがあげられる。
【0015】昇華性インク受容層およびブロック層は支
持体から剥離可能なものである。したがって、染色時に
は昇華性インク受容層およびブロック層のみをプラスチ
ックに対向させることができ、これによりプラスチック
の曲面や凹凸に対する形状追従性が向上し、曲面や凹凸
のあるプラスチックの全面に鮮明な染色を行うことがで
きるようになる。これに対し、昇華性インク受容層等が
支持体から剥離できず、支持体を残したまま曲面や凹凸
のあるプラスチックに染色を行うと、プラスチックの形
状にうまく追従することができず、プラスチックの一部
に染色されない部分が発生して染色不良となってしま
う。
【0016】昇華性インク受容層およびブロック層を支
持体から剥離可能とするには、支持体をシリコーンなど
で離型処理する他、昇華性インク受容層を構成する樹脂
として、支持体との接着性に劣る樹脂を選択する方法が
あげられる。
【0017】また、昇華性インク受容層は、液体昇華性
インクに膨潤あるいは溶解し、昇華性インクを用いたイ
ンクジェットプリンタでの記録を可能とする役割を有す
るものである。したがって、昇華性インク受容層は、主
として液体昇華性インクに膨潤あるいは溶解可能な樹脂
から構成される。なお、液体昇華性インクは、主として
昇華性染料と溶媒からなる。
【0018】液体昇華性インクに膨潤あるいは溶解可能
な樹脂は、液体昇華性インクの溶媒が水系の場合と溶剤
系の場合とで異なる。
【0019】液体昇華性インクの溶媒が水系である場合
には、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、ア
ラビヤゴム、アルギン酸ソーダなどの天然樹脂、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリフェニルアセト
アセタール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマ
ール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、メ
ラミン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポ
リエステル、ポリ(メタ)アクリル酸ソーダ、(メタ)
アクリル酸エステル共重合体などの合成樹脂があげら
れ、これらを単独であるいは2種以上混合して使用する
ことができる。これらの中でも、昇華性インクを用いた
インクジェットプリンタでの記録特性に優れつつ、昇華
性染料に染色されにくいためプラスチックを染色しやす
い特性を有する、ポリビニルアルコールが好適に使用さ
れる。また、ポリビニルアルコールの中でも、けん化度
90%未満のものが特に好適に使用される。
【0020】液体昇華性インクの溶媒が溶剤系である場
合には、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、加硫化
ゴム、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体、石油樹脂、ロジンなどが
あげられ、これらを単独であるいは2種以上混合して使
用することができる。
【0021】なお、昇華性インク受容層中には、液体昇
華性インクに膨潤あるいは溶解可能な樹脂以外の樹脂を
含有させることは何ら差し支えない。このような樹脂と
しては、アクリル、ポリウレタン、ポリエステルおよび
これら樹脂のエマルジョンなどがあげられ、主として、
インク溶媒の吸収性や支持体との剥離性を調整する目的
で添加される。
【0022】昇華性インク受容層を構成する樹脂は、融
点が160℃以上、あるいは融点の存在しない熱硬化性
樹脂又は光硬化性樹脂であることが好ましい。このよう
な樹脂を使用することにより、プラスチックを染色する
際に昇華性インク受容層がプラスチックに融着すること
を防止することができる。
【0023】昇華性インク受容層の厚みは5〜50μm
であることが好ましい。5μm以上とすることにより、
適正な昇華性インク吸収性を得ることができ、50μm
以下とすることにより、転写効率の低下を防止すること
ができる。
【0024】ブロック層は、液体昇華性インクを透過可
能なものである。したがって、液体昇華性インクは昇華
性インク受容層まで到達できるようになる。なお、ブロ
ック層は液体昇華性インクを全て透過する必要はなく、
少なくとも一部の液体昇華性インクを昇華性インク受容
層に到達させる程度の透過性があればよい。
【0025】また、ブロック層は、昇華性インク受容層
より昇華性染料に染色されにくいものである。したがっ
て、プラスチックを染色する際に(図2参照)、昇華性
インク受容層に受容された昇華性染料はブロック層側に
移行することなくプラスチック側にのみ移行し、画像濃
度を良好なものとすることができる。
【0026】このようなブロック層は、昇華性インク受
容層と同様、主として液体昇華性インクに膨潤あるいは
溶解可能な樹脂から構成される。このような樹脂として
は、昇華性インク受容層を構成する樹脂として例示した
ものと同様のものを使用することができるが、上述した
ように、昇華性インク受容層を構成する樹脂より昇華性
インクに染色されにくい樹脂を選択する必要がある。こ
のような樹脂の組み合わせは、樹脂の分子量や重合度な
どの条件に左右されるため一概には言えないが、ブロッ
ク層を構成する樹脂の融点が昇華性インク受容層を構成
する樹脂の融点より低くない組み合わせとすることが好
ましい。例えば、昇華性インク受容層を構成する樹脂の
融点が180℃未満である場合、ブロック層を構成する
樹脂は、融点が180℃以上のものや、融点の存在しな
い熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂とすることが好ましい。
具体的な組み合わせを例示すると、昇華性インク受容層
を構成する樹脂がポリビニルアルコールである場合、ブ
ロック層を構成する樹脂はヒドロキシエチルセルロース
であることが好ましい。
【0027】なお、ブロック層中には、液体昇華性イン
クに膨潤あるいは溶解可能な樹脂以外の樹脂を含有させ
ることは何ら差し支えない。このような樹脂としては、
アクリル、ポリウレタン、ポリエステルおよびこれら樹
脂のエマルジョンなどがあげられ、主として、インク溶
媒の吸収性を調整する目的で添加される。
【0028】ブロック層を構成する樹脂は、融点が16
0℃以上、あるいは融点の存在しない熱硬化性樹脂又は
光硬化性樹脂であることが好ましい。このような樹脂を
使用することにより、プラスチックを染色する際に、熱
プレス機などの加熱手段とブロック層との融着を防止す
ることができる。また、上述したように、昇華性染料を
プラスチック側に効率よく移行させるため、ブロック層
を構成する樹脂の融点は、昇華性インク受容層を構成す
る樹脂の融点より低くないことが好ましい。
【0029】ブロック層の厚みは0.1〜5μmである
ことが好ましい。0.1μm以上とすることにより、昇
華性染料をブロックする効果を得ることができ、5μm
以下とすることにより、液体昇華性インクを速やかに昇
華性インク受容層に吸収させることができる。
【0030】昇華性インク受容層およびブロック層には
可塑剤などの塗膜の柔軟性を向上させるための添加剤を
含有させることが好ましい。このような添加剤を含有さ
せることにより、曲面や凹凸のあるプラスチックに対す
る形状追従性を向上させることができる。
【0031】昇華性インク受容層およびブロック層に
は、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレー
ト剤、帯電防止剤、マット剤などの添加剤を添加しても
よい。
【0032】昇華性インク受容層およびブロック層を形
成する方法としては、各層の構成成分を適当な溶媒に溶
解又は分散させて塗布液を調製し、当該塗布液をロール
コーティング法、バーコーティング法、スプレーコーテ
ィング法、エアナイフコーティング法などの方法により
支持体上に塗布、乾燥させる方法があげられる。
【0033】以上のように、本発明のプラスチック染色
用基材は、昇華性インク受容層およびブロック層が支持
体から剥離可能であり、ブロック層が液体昇華性インク
を透過可能であり、かつブロック層は昇華性インク受容
層より昇華性染料に染色されにくいものである。したが
って、昇華性インクを用いたインクジェットプリンタで
の記録が可能であって、かつ曲面や凹凸のあるプラスチ
ックに対し、染色不良を起こすことなく、簡単かつ鮮明
に染色することができる。また、ブロック層の存在によ
り、プラスチックに転写される画像濃度を良好にするこ
とができる。
【0034】次に、本発明のプラスチック染色方法の実
施の形態について説明する。
【0035】まず、上述したプラスチック染色用基材に
昇華性インクを用いたインクジェットプリンタで記録を
行う。記録する情報は、文字、絵柄、ベタ画像など特に
制限されるものではないが、文字や絵柄を記録する場合
には、正像で記録を行う。
【0036】次いで、昇華性インク受容層およびブロッ
ク層を支持体から剥離する。
【0037】次いで、昇華性インク受容層側をプラスチ
ックに対向させ(図2)、昇華性インク受容層およびブ
ロック層を加熱する。この加熱により昇華性染料が昇華
し、プラスチックが染色される。加熱手段は特に制限さ
れることなく、オーブンなどの開放系でプラスチックご
と加熱したり、熱プレス機などを使用することができ
る。加熱条件は、昇華性インク受容層や染色されるプラ
スチックを構成する樹脂により一概には言えないが、通
常100〜180℃で1〜60分程度である。なお、加
熱時には、昇華性インク受容層およびブロック層をプラ
スチックと固定しておくことが好ましい。固定手段は特
に制限されることなく、テープ、粘着剤などを使用する
ことができる。
【0038】以上の工程によりプラスチックが染色され
る。なお、染色完了後は、昇華性インク受容層およびブ
ロック層をプラスチックから除去する。
【0039】以上のように、本発明のプラスチックの染
色方法は、昇華性インク受容層およびブロック層を支持
体から剥離した後にプラスチックへの染色を行うもので
ある。したがって、曲面や凹凸のあるプラスチックに対
し、染色不良を起こすことなく、簡単かつ鮮明に染色を
行うことができる。また、ブロック層の存在により、プ
ラスチックに転写される画像濃度を良好にすることがで
きる。さらに、記録面であるブロック層ではなく昇華性
インク受容層をプラスチックに対向させて染色を行うも
のである。昇華性インク受容層の支持体と接している面
はブロック層に比べて平滑性に優れることから、昇華性
インク受容層とプラスチックとの密着性が向上し、ムラ
のない染色を行うことができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準と
する。
【0041】[実施例1]厚み100μmのポリエステ
ルフィルム(ルミラーT60:東レ社)上に、下記の組成
からなる昇華性インク受容層塗布液を乾燥後の厚みが1
5μmとなるようにバーコーティング法により塗布、乾
燥して昇華性インク受容層を形成した。
【0042】<昇華性インク受容層塗布液> ・ポリビニルアルコール(固形分100%) 1部 (PVA-217:クラレ社、けん化度88%、融点180℃) ・水 9部 ・グリセリン 0.2部
【0043】次いで、昇華性インク受容層上に下記組成
のブロック層塗布液を乾燥後の厚みが2μmとなるよう
にバーコーティング法により塗布、乾燥してブロック層
を形成し、プラスチック染色用基材を得た。
【0044】<ブロック層塗布液> ・ヒドロキシエチルセルロース(固形分100%) 1部 (SP200:ダイセル化学工業社、融点225℃) ・水 9部 ・グリセリン 0.6部
【0045】[実施例2]実施例1の昇華性インク受容
層塗布液を下記の処方に変更した以外は実施例1と同様
にしてプラスチック染色用基材を得た。
【0046】<昇華性インク受容層塗布液> ・ポリビニルアルコール(固形分100%) 1部 (PVA-117:クラレ社、けん化度98%、融点220℃) ・水 9部 ・グリセリン 0.2部
【0047】[比較例1]比較例1のプラスチック染色
用基材として、昇華性インク受容可能な市販の印刷用紙
(QPペーパー フォト光沢:コニカ社)を用意した。
【0048】[比較例2、3]ブロック層を形成しない
以外は、実施例2と同様にしてプラスチック染色用基材
を得た。
【0049】実施例1、2および比較例1〜3のプラス
チック染色用基材につき、昇華性インクを用いてインク
ジェットプリンタ(PM−900C:セイコーエプソン
社)でベタ画像の記録を行った。その後、実施例1、2
のプラスチック染色用基材については、支持体から昇華
性インク受容層およびブロック層を剥離した後に、比較
例2、3のプラスチック染色用基材については、支持体
から昇華性インク受容層を剥離した後に、比較例1のプ
ラスチック染色用基材はそのままで、プラスチック(形
状:凸球面、材質:アクリル樹脂)に重ね合わせ、16
0℃で20分加熱し、プラスチックを染色した。なお、
実施例1、2については昇華性インク受容層を、比較例
2については昇華性インク受容層の記録面とは反対側の
面を、比較例3については昇華性インク受容層の記録面
をプラスチックに対向させて加熱を行った。
【0050】染色されたプラスチックから昇華性インク
受容層等を除去した後、以下の項目の評価を行った。結
果を表1に示す。
【0051】(1)染色不良 プラスチックの全面が染色されているものを「○」、一
部でも染色されていないものを「×」とした。
【0052】(2)画像濃度 染色されたプラスチックの透過の画像濃度を濃度計(T
D−904:グレタグマクベス社)で測定した。なお、
測定はオルソーフィルタを使用した。
【0053】(3)染色ムラ プラスチックの染色状態を目視にて観察し、染色ムラが
全く観察されないものを「◎」、ほとんど観察されない
ものを「○」とした。
【0054】
【表1】
【0055】実施例1、2のプラスチック染色用基材
は、昇華性インク受容層およびブロック層が支持体から
剥離可能であり、ブロック層が液体昇華性インクを透過
可能であり、かつブロック層は昇華性インク受容層より
昇華性染料に染色されにくいものである。したがって、
表1の結果からも分かるように、いずれのものも染色不
良を起こすことなく、簡単かつ鮮明に染色することがで
きるものであった。また、いずれのものも転写された画
像の画像濃度に優れるものであり、染色ムラを生じるこ
ともなかった。特に、実施例1のポリビニルアルコール
はけん化度が90%未満であることから、転写された画
像の画像濃度に優れるものであった。また、実施例1、
2のプラスチック染色方法によれば、染色不良や染色ム
ラを生じることなく、画像濃度も良好な染色を簡単に行
うことができるものであった。
【0056】比較例1のものは、昇華性インク受容層が
支持体から剥離できないものである。したがって、プラ
スチックの一部に染色されない箇所が生じ、染色不良と
なってしまうものであった。
【0057】比較例2、3のものは、昇華性インク受容
層が支持体から剥離できるものの、ブロック層を有さな
いものである。したがって、染色不良は見られないもの
の、実施例のものに比べ染色されたプラスチックの画像
濃度に劣るものであった。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明のプラスチック染
色用基材は、昇華性インク受容層およびブロック層が支
持体から剥離可能であり、ブロック層が液体昇華性イン
クを透過可能であり、かつブロック層は昇華性インク受
容層より昇華性染料に染色されにくいものである。した
がって、昇華性インクを用いたインクジェットプリンタ
での記録が可能であって、かつ曲面や凹凸のあるプラス
チックに対し、染色不良を起こすことなく、簡単かつ鮮
明に染色することができる。また、ブロック層の存在に
より、プラスチックに転写される画像濃度を良好にする
ことができる。
【0059】また、本発明のプラスチックの染色方法
は、昇華性インク受容層およびブロック層を支持体から
剥離した後にプラスチックへの染色を行うものである。
したがって、曲面や凹凸のあるプラスチックに対し、染
色不良を起こすことなく、簡単かつ鮮明に染色を行うこ
とができる。また、ブロック層の存在により、プラスチ
ックに転写される画像濃度を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラスチック染色用基材の一実施例
を示す断面図
【図2】 本発明のプラスチック染色用基材の使用方法
の一態様を示す図
【符号の説明】
1・・・支持体 2・・・昇華性インク受容層 3・・・ブロック層 4・・・プラスチック染色用基材 5・・・プラスチック 6・・・画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06P 5/00 D06P 5/20 A 118 B41J 3/04 101Z 5/20 3/20 117A Fターム(参考) 2C056 EA30 FB01 FB09 FD03 FD13 2C065 AB10 AF01 AF03 DA23 DA30 DA35 2H086 BA12 BA13 BA15 BA26 BA56 4H057 AA01 AA02 BA12 DA02 DA29 FA17 FA40 FA42 GA05 HA01 JA10 JB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に昇華性インク受容層およびブロ
    ック層をこの順に有するプラスチック染色用基材であっ
    て、前記昇華性インク受容層およびブロック層が前記支
    持体から剥離可能であり、前記ブロック層が液体昇華性
    インクを透過可能であり、かつ前記ブロック層は前記昇
    華性インク受容層より昇華性染料に染色されにくいこと
    を特徴とするプラスチック染色用基材。
  2. 【請求項2】請求項1のプラスチック染色用基材に昇華
    性インクを用いたインクジェットプリンタで記録を行
    い、前記昇華性インク受容層およびブロック層を前記支
    持体から剥離した後、前記昇華性インク受容層側をプラ
    スチックに対向させ、前記ブロック層および昇華性イン
    ク受容層を加熱することにより前記プラスチックを染色
    することを特徴とするプラスチック染色方法。
JP2002057030A 2002-03-04 2002-03-04 プラスチック染色用基材およびそれを用いたプラスチック染色方法 Pending JP2003253573A (ja)

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