JP4074108B2 - 被転写体及び画像形成方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写記録材料を用いた画像形成方法に関し、特に、中間転写媒体方式において、優れて高い画像品質と画像安定性とを兼ね備えた画像を形成する新規な画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サーマルヘッド等の加熱手段を用いて画像情報に応じて画像を形成する方法として、加熱により移行する性質を有する昇華性染料層が設けられた熱転写シートを熱転写受像シートとを組み合わせて用い、加熱量でその昇華性染料の移行量をコントロールしながら、熱転写受像シート上に染料を移行させて階調のある写真のような画像を形成する方法が提案されている。この方法によれば、テレビ信号から簡単な処理で連続的な階調を有する画像が得られ、しかもその際用いられる装置が複雑でない等の利点を有している。
【0003】
このような熱転写記録においては、熱転写シートに用いられる昇華性染料が重要であるが、従来のものでは得られた画像の安定性、即ち、耐光性、耐熱性や耐湿性などが良くないという欠点を有している。そこで、これらの点を改良するために特開昭59−78893、同59‐109394、同60−2398の各公報には、キレート化可能な熱拡散性の色素を使用し、熱転写受像シート上にキレート化された色素によって画像を形成する画像形成方法(以下、キレート方式という)に関する発明が開示されている。上記手段によれば色素の定着性が増して画像の安定性に一定の改良効果が見られる。
【0004】
ところで、熱転写方式により染料画像を設ける場合、染料の染着効率を高めるために、通常は熱転写受像シートと呼ばれる染料染着性樹脂を主とした受容層を予め塗布した特別の被転写体を準備する必要がある。しかし、被転写体上の受容層は、被転写体の面質の影響を強く受け、被転写体表面の凹凸によって、受容層表面が凹凸になり、形成される画像に白抜けやムラが発生したりする問題がある。この問題は、特に普通紙や平滑性の低いプラスチックフィルム等を被転写体とする場合に顕著である。あるいは、被転写体表面が曲面の場合にサーマルヘッド等の物理的な形状から直接加熱することは困難となるなど、通常の熱転写方式では、用いることができない被転写体がある。更に、画像形成時に染料層と受容層の熱融着がおこらないようにするため、一般的な技術として受容層中に離型剤を添加することがおこなわれているが、この場合に今度は離型剤のため受容層と被転写体との接着が弱くなるという問題が生じてしまう。
そこで、上記の如き問題が生じない画像形成方法として、熱転写中間シートの基材の上に剥離可能に設けられた受容層に、染料画像を形成し、その後に画像が形成された受容層を被転写体へ転写する方法いわゆる中間転写媒体方式がある。この方式を用いると、被転写体上で直接画像を形成しないため、被転写体の表面形状等の影響を免れることができ、通常の熱転写方式では直接その表面に画像を形成できない被転写体に対しても画像を形成することが可能となり、昇華染料を用いた画像形成方法の応用範囲が広くなるという利点を有する。
【0005】
そこで、上記の中間転写媒体方式において、先に述べたキレート方式を用いてキレート色素による画像安定性の優れた画像を得ることを目的とした公報には、特開平7―228062、同9−39423がある。いずれの場合も、金属イオン含有化合物を含有する受容層と、キレート化可能な熱拡散性の色素を含む染料層を重ね合わせ、加熱することによって受容層に画像を形成し、その後、画像形成された受容層を被転写体に転写する画像形成方法である。この方法によれば受容層に転写した色素は、受容層中の金属イオン含有化合物とキレート化して、受容層に固定化されるため、画像安定性の優れた画像を得ることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中間転写媒体方式では、中間転写シートの受容層を剥離可能に設けなければならないが、画像形成のため加熱するときに染料層と熱融着を起こして受容層が染料層に取られてしまう、いわゆる受容層トラレが起きやすいという問題がある。特に、キレート方式では、高品質・高安定性の画像を得るために受容層中に熱転写した色素が完全にキレートするために十分な量の金属イオン含有化合物を添加せしめる必要があるが、高濃度域においても色素が完全にキレート化するために必要な量の金属イオン含有化合物を中間転写媒体方式における中間転写シートの受容層に含有させ、かつ先述した受容層トラレが生じないようにすることは極めて困難である。なぜならば、受容層中に金属イオン含有化合物を添加することで受容層のバインダー樹脂が軟化し、染料層と受容層とが極めて熱融着し易くなるからである。また、受容層トラレが発生することを避けるために受容層中の金属イオン含有化合物の量を少なくした場合、受容層での熱拡散性色素が完全にキレート化せず、キレート化していない熱拡散性色素が残存するため、色の濁り、にじみやムラが生じて画質の低下がおこったり、画像の安定性すなわち耐光性や定着性が悪くなったりしてしまう。なお、染料層と受容層の熱融着がおこらないようにするためには、受容層中に離型剤を添加することが通常おこなわれているが、この場合、今度は離型剤のため受容層と基材の接着が弱くなってやはり受容層トラレが起こり易くなるという問題が生じてしまう。
本発明は、上記の問題点を解決し、任意の被転写体に昇華画像を形成し、その画像に品質の低下すなわち色の濁り、にじみやムラがなく、また、画像の安定性すなわち耐光性や定着性の優れた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を、本発明は、基材表面に剥離可能に設けられた受容層を有する中間転写シートと、キレート化可能な熱移行性染料を含有する染料層を有する熱転写シートを重ね、画像情報に応じて加熱して受容層に画像を形成し、その後、画像形成された受容層を被転写体に転写する画像形成方法において、当該中間転写シートに剥離可能に設けられた受容層にはシリコーンオイルの離型剤を含有しているが、金属イオン含有化合物を含有しておらず、一方、使用する被転写体は被転写層が設けられており、該被転写層は、金属イオン含有化合物を含有しているが、離型剤を含有していないことを特徴とする画像形成方法とすることで達成した。
【0008】
本発明の作用は、以下の通りである。基材の一方の面に、受容層を剥離可能に設けているため、その受容層に昇華画像を形成した後に、ホットスタンパー、もしくはサーマルヘッド等の手段により、基材の受容層面とは反対の基材の他方面より加熱することで、金属イオン含有化合物を含む被転写層を設けた被転写体に対し、画像形成が可能となる。さらに被転写層に含有する金属イオン含有化合物と剥離可能に設けられた受容層中に分散したキレート化可能な熱拡散性色素が、被転写体上に転写するときの加熱により、受容層中から再度熱拡散することでキレート化することが可能である。また、剥離可能な受容層中に金属イオン含有化合物を含まないことで受容層のバインダー樹脂が軟化することがないため、染料層と受容層とが極めて容易に離型することが可能となる。また、染料層と受容層の熱融着がおこらないようにするために、受容層中に離型剤を添加することが通常おこなわれているが、この場合、今度は離型剤のため受容層と基材の接着が弱くなってやはり受容層トラレが起こり易くなるという問題が生じないような添加量を設定することも非常に容易となる。また、従来の金属イオン含有化合物を含む受容層中にキレート化可能な熱拡散性色素を直接熱転写してキレート化する方式では受容層トラレや染料層との融着が発生することを避けるために受容層中の金属イオン含有化合物の量を少なくする必要があるため、受容層での熱拡散性色素が完全にキレート化せず、キレート化していない熱拡散性色素が残存するため、色の濁り、にじみやムラが生じて画質の低下がおこったり、画像の安定性すなわち耐光性や定着性が悪くなったりしてしまうことも、被転写体にキレート化するのに十分な量の金属イオン含有化合物を含ませることで解消できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態について、説明する。
【0010】
本発明の画像形成方法は、▲1▼金属イオン含有化合物を含む被転写層を設けた被転写体、▲2▼キレート化可能な熱移行性染料を含有する染料層を有する熱転写シート、▲3▼基材表面に剥離可能に設けられた受容層を有する中間転写シート、を用いる。そして、熱転写シートの染料層面と中間転写シートの受像面とが接するように向い合わせ、染料層と受容層の界面にサーマルヘッドやレーザー等の加熱印加手段により画像情報に応じた熱エネルギーを与えることにより、染料層中の染料を受容層中に移行させる。続いて、中間転写シートの画像が形成された受容層と被転写体に設けられた金属イオン含有化合物を含有させた被転写層が接するように向い合わせ、中間転写シートの背面側からサーマルヘッド、レーザー、ヒートローラ、ホットスタンパー等の加熱印加手段により所定の熱エネルギーを与えることにより、画像が形成された受容層を被転写体に設けられた被転写層に転写する。以上の工程により、所望の画像を被転写体上に形成させることができる。なお、最終的に得られる画像は受容層上に形成した画像と鏡像関係となるので、受容層上に形成する画像は予め逆転像として形成しておく必要がある。
【0011】
本発明の被転写体1としては、金属イオン含有化合物を含む被転写層5を設けることができる基材4であれば、合成紙、普通紙に代表される紙、それらをラミネートした基材や合成紙、普通紙に樹脂押し出しコートした基材、カード類、プラスチックなど特に制限はない。(図1(a)参照)
被転写体の厚みや形状に特に制限はない。なお、図1(b)に示すように、基材4と被転写層5との間には、必要に応じて少なくとも一層以上の中間層6を設けてもよい。
【0012】
被転写層は、金属イオン含有化合物とバインダー樹脂を主体に構成する。被転写層は、バーコーター、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの塗工方法で予め被転写体に設けられていてもよく、熱転写方式で転写して形成してもよい。被転写層のバインダー樹脂は、被転写体及びに応じて適当な材料を選択する必要があるが、一般的には熱可塑性樹脂、天然樹脂、ゴム、ワックスなどを用いることができる。例えば、エチルセルロースや酢酪酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレンなどのスチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体やポリビニルブチラールなどのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステルなどの合成樹脂や、粘着付与剤としてのロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴアクリルニトリルゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィンなどがあげられ、前記の材料の1種または2種以上よりなる組成物から被転写層を構成することができる。なお、被転写層と後述する中間転写シートに設けた受容層とを、同じ種類のバインダー樹脂を主体に構成すれば、被転写層と受容層間の接着性がより良好になる。被転写層の厚さは、キレート化が効率よく行われ、被転写体や受容層との接着性能が良好になるように決定されるが、通常は、乾燥状態で0.1〜20μm(好ましくは1〜4μm)が好ましい。
【0013】
金属イオン含有化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1) M2+(X)n2Y-
(式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。Xは、遷移金属イオンM2+に配位結合して錯体を形成することが出来る配位化合物を表し、nは2または3の整数を表す。複数の配位化合物Xは互いに同じであっても異なっていてもよい。Y―は遷移金属イオンM2+の対イオンを表す。 )
【0014】
前記一般式(1)で表される化合物において、M2+は二価の遷移金属イオンを表すが、この遷移金属イオンとしては例えばCo2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Fe2+等を挙げることができる。前記一般式(1)で表される化合物において、Y―は遷移金属イオンM2+の対アニオンを表すが、この対アニオンは有機、又は無機のアニオンであり特に、遷移金属イオンM2+と配位化合物(X)nにより形成される錯体を、例えばメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、等の有機溶媒に溶解可能にする化合物が好ましい。この対アニオンの具体例としては、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルルン酸、アリールリン酸、アリールホウ酸等の有機塩を挙げることができる。また、一般式(1)で表される化合物は中心金属に応じて中性の配位子を有してもよく、代表的な配位子としてはH2O、NH3、ピリジン、N−メチルイミダゾール等が挙げられる。
【0015】
被転写層における金属イオン含有化合物の添加量は、形成された画像の品質や安定性が良好になるように決定されるが、受容層の全固形分に対し、10〜80重量%(好ましくは30〜60重量%)が好ましい。
【0016】
被転写体と被転写層との間には、少なくとも一層以上の中間層を設けても良い。中間層は、接着層、バリアー層、発泡層、帯電防止層など、被転写層と基材シートの間に設ける層全てを意味し、公知のものは、必要に応じていずれも使用できる。なお、被転写体の表面の質感を隠蔽するためや白色度向上のために、中間層に白色顔料を添加すると、被転写体の選択の自由度がさらに広がることとなる。白色顔料は酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルクなどが好適に使用でき、また蛍光増白剤などを添加すると見た目の質感も向上できる。
【0017】
上記の中間層のうち接着層は、被転写層の被転写体への接着を強くする効果をなすものである。特に、被転写層を熱転写方式で転写して設ける場合、被転写層の被転写体への接着を容易にする。この接着層を形成する接着剤としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱溶融性接着剤を使用することができる。接着層の厚さは、被転写体と接着層との接着性能が良好になるように決定されるが、通常は、乾燥状態で0.1〜20μm(好ましくは0.5〜2.5μm)が好ましい。
【0018】
本発明の熱転写シート2は、基材の一方の面に染料層を設けた構成である。また、染料層は基材シート上に単色の色素を含有する層として形成されても良いし、図2に示すようにイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層が面順次に一定間隔で繰り返し形成されていても良い。また基材シートの他方の面に、背面層を設けることもできる。
【0019】
基材は、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができ、特に限定されるものではない。好ましい基材の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸或いは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものなどが挙げられる。この基材の厚さは、強度、熱伝導性、耐熱性などが適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜12μm(好ましくは2〜6μm)程度のものが好ましく用いられる。上記の如き基材は、この表面に形成する染料層との密着が乏しい場合には、その表面にプライマー処理や、コロナ処理を施すことが好ましい。
【0020】
染料層は、バインダー樹脂とキレート化可能な熱移行性染料を主体として、構成されている。熱移行性染料としては、前述の金属イオン含有化合物と錯形成可能な基を有していれば、特に限定的ではないが、下記一般式(2)または(3)で表される色素化合物が好ましい。 本発明に用いられるキレート化可能な熱移行性染料の含有量は、通常、染料層の全固形分に対し10〜80重量%である。一般式(2)
【化1】
Figure 0004074108
(ただし、一般式(2)中、X1は少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成されている芳香族の炭素環又は複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表し、かつアゾ結合に結合する炭素の隣接位の少なくとも一つが(A)炭素原子、(B)窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子であり、X2は少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成されている芳香族の炭素環または複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表し、Gはキレート化基を表す。)
一般式(3)
【化2】
Figure 0004074108
(ただし、一般式(3)中、X1は一般式(2)で定義されたものと同義であり、Z1は電子吸引基を表し、Z2はアリール基を表す。)
【0021】
染料層に用いられるバインダー樹脂は、セルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系などの水溶性ポリマー、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、ニトロセルロースなどの有機溶媒に可溶のポリマーがある。バインダー樹脂の使用量としては、通常、染料層の全固形分に対し、20〜90重量%である。また、受容層との離型性を向上させるために、離型剤を添加、あるいは離型層を設けてもよい。離型剤としては、反応硬化型シリコーン、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素化合物などを用いることができる。
【0022】
以上の染料層は、基材シート上に、バインダー樹脂とキレート化可能な熱移行性染料を主体として、必要に応じて離型剤などの添加剤を加え、水または、有機溶剤などの溶媒に溶解または分散させたインキを、バーコーター、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの塗工方法で塗布し、乾燥して形成することができる。その厚さは、塗布乾燥後で、0.1〜10μm(好ましくは0.3〜1.5μm)程度が好ましい。後述する背面層の形成手段も、上記の染料層の場合と同様の方法で行われる。
【0023】
背面層に使用されるバインダー樹脂は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドンなどのビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル/スチレン共重合体などのアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、フッ素変性ウレタン樹脂などがあげられる。 また、これらの樹脂は混合して用いてもよい。背面層の耐熱性をより高めるために、前記の樹脂のうち、水酸基などの反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネートなどを併用して架橋樹脂層としてもよい。さらに、サーマルヘッドのような加熱デバイスとの滑り性を向上させるために、背面層に固形あるいは液状の離型剤または滑剤を加えて、耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤または滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスなどの各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オレガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカなどの無機化合物の微粒子などを用いることができる。背面層への滑剤の好ましい添加量は、背面層の全固形分に対し、5〜50重量%である。背面層は、前記の受容層と同様の方法で形成することができ、その厚さは、塗布乾燥後で、0.1〜10μm(好ましくは0.1〜2μm)程度が好ましい。
【0024】
本発明の中間転写シート3は、基材シート4の一方の面に受容層10を設けた構成であり、必要に応じて受容層10と基材4との間には、離型層8、剥離層11、保護層9、透明シート層等を設けることができ(図3(a)、(b)参照)、さらに受容層10の上に染料が通過可能な接着層12を設けることもできる。基材シート4の他方の面に背面層7を設けることができる。(図3(c)参照)
【0025】
基材は、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機械的強度を有することが好ましい。好ましい基材の具体例としては、前記の熱転写シートで示したものが挙げられ、この基材の厚さは、強度、耐熱性などが適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm(好ましくは6〜25μm)程度のものが好ましく用いられる。
【0026】
受容層は、基材の一方の面に、剥離可能に設けられ、バインダー樹脂と、必要に応じて離型剤や酸化防止剤などの各種添加剤から構成されている。バインダー樹脂は公知の物を用いることができ、昇華染料が染着しやすいものを用いることが好ましい。具体的にはポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロース誘導体などを用いることができる。
【0027】
受容層には、染料層との熱融着を防止するために、受容層トラレがおこらない範囲で離型剤を添加することができる。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッソ系界面活性剤などのフッ素化合物を用いることができる。この中でも特にシリコーンオイルが好ましく用いられる。この離型剤の添加量は、通常、受容層固形分に対し、0.1〜20重量%が好ましい。
【0028】
受容層には、良好な画像保存性を得るために、受容層トラレが起こらない範囲で金属イオン含有化合物を添加することができる。金属イオン含有化合物としては、前記に挙げたものが同様に使用できる。その金属イオン含有化合物を添加する場合、受容層と染料層とが熱融着して受容層トラレを起こさない範囲で決定され、通常、受容層固形分に対し、30重量%未満が好ましい。
【0029】
以上の受容層は、基材シート上に、バインダー樹脂と必要に応じて離型剤や金属イオン含有化合物などの添加剤を加え、水または、有機溶剤などの溶媒に溶解または分散させたインキを、バーコーター、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの通常の方法で塗布し、乾燥して形成することができる。後述する離型層、保護層、背面層の形成手段も、上記の受容層の場合と同様の方法で行われる。
【0030】
受容層の基材からの剥離性能を制御するために、基材と受容層との間に離型層を設けてもよく、この場合、受容層は離型層との間で剥離し、離型層は基材側に残る。離型層はバインダー樹脂に必要に応じて離型性材料を添加した組成物、または、離型性を有する樹脂から構成される。離型層をバインダー樹脂に必要に応じて離型性材料を添加して構成する場合、使用可能なバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、あるいは熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、アミノアルキッド樹脂などがあげられ、離型層は上記の樹脂の1種あるいは2種以上からなる組成物から構成することができる。
【0031】
また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーンオイル、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂などの離型性を有する樹脂、タルク、シリカの微粒子、界面活性剤や金属セッケンなどの滑剤などが使用できる。離型性を有する樹脂から離型層を構成する場合、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂などが使用でき、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂分子中にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメントなどの離型性セグメントがグラフトしたグラフトポリマーを使用してもよく、上記の樹脂の1種または2種以上からなる組成物から構成することができる。離型層の厚さは、塗布乾燥後で、0.1〜10μmが好ましい。
【0032】
被転写体上に画像と共に転写される受容層を保護する目的で、基材と受容層との間に保護層を設けてもよい。この保護層は受容層と共に被転写体上に転写されると、被転写体上の受容層の最表面に位置し、画像の耐侯性能や指紋や薬品などに対する耐久性をより向上させる。保護層は少なくともバインダー樹脂から構成され、基材と適当な剥離性をもち、受容層と共に被転写体に転写された後は、受容層の表面保護層として所望の物性をもつ樹脂組成が選定される。一般的には、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型樹脂を保護層樹脂として用いることができる。保護層の厚さは、塗布乾燥後で、0.1〜20μmが好ましい。
【0033】
背面層は、上記の熱転写シートで示したものを同様に使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下に具体例をあげて、説明する。
(実施例1)
(熱転写シートの作成)
厚さ6μmのPETフィルム(東レ製、商品名ルミラー)を基材とし、背面層用塗工液を、乾燥後に組成が下記背面層組成で塗布量が1g/m2になるように、ワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥した。
「背面層組成」
ポリビニルブチラール(積水化学工業製) 22重量部
ポリイソシアネート(大日本インキ製) 68重量部
燐酸エステル界面活性剤(第一工業製薬製) 15重量部
タルク(日本タルク製) 3重量部
次に、上記背面処理の施された基材の背面層と反対側の面に、キレート化可能な熱拡散性色素(例示化合物Y−1、M−l、C−1)を含有するYMCの染料層を、乾燥後に組成が下記染料層組成で塗布量が1g/m2となるように、面順次に塗布及び乾燥して、熱転写シートを作成した。
【0035】
「染料層組成」
ポリビニルアセトアセタール(積水化学工業製) 50重量部
キレート染料(Y−1、M−l、C−1) 50重量部
【化3】
Figure 0004074108
【化4】
Figure 0004074108
【化5】
Figure 0004074108
【0036】
(中間転写シートの作成)
厚さ12μmのPETフィルム(東レ製、商品名ルミラー)を基材とし、乾燥後に組成が上記背面層組成で塗布量が1g/m2になるように、背面層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥した。
次に、上記背面処理の施された基材の背面層と反対側の面に、乾燥後に組成が下記離型層組成で塗布量が1g/m2になるように、ワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥した。
[離型層組成]
ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業製) 100重量部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業製) 5重量部
次に、上記離型層を形成した基材の離型層の上に、乾燥後に組成が下記保護層組成で塗布量が2g/m2になるように、保護層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥した。
[保護層組成]
ポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン製) 100重量部
次に、上記離型層及び保護層を形成した基材の離型層・保護層の上に、乾燥後に組成が下記受容層組成で塗布量が2g/m2になるように、受容層層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥して、中間転写シートを作成した。
「受容層組成」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(電気化学工業製) 100重量部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業製) 0.7重量部
アミノ変性シリコーン(信越化学工業製) 0.3重量部
【0037】
(被転写体)
市販の上質紙を被転写体として、乾燥後に組成が下記被転写層組成で塗布量が4g/m2になるように、被転写層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥して、被転写体を作成した。
「被転写層組成」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(電気化学工業製) 50重量部
金属イオン含有化合物(下記化学式) 50重量部
【化6】
Figure 0004074108
【0038】
(画像形成方法)
上述の手順で作成した熱転写シートの染料層部と中間転写シートの受容層部とを重ね合わせ、解像度12dot/mm、平均低抗値3150Ωのサーマルヘッドとプラテンローラーで圧接し、0.09〜0.31mJ/dotの印画エネルギー範囲で順次増加させるステップパターンを、送り速度5msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱して受容層上に画像を形成した。次いで、被転写体の上質紙に形成された被転写層と画像の形成された受容層とを重ね合わせ、125℃のヒートローラー使用し、送り速度500mm/minの条件で受容層部の背面から加熱して上質紙上の被転写層と中間転写シート上の受容層とを接着させた後、受容層を保護層と共に基材上の離型層から剥離して画像形成物を得た。上記の手順で形成された上質紙上の画像は、ステップパターンの各濃度について色材が一様に転写されてムラ、滲みがなく、印字抜けの発生は認められなかった。
【0039】
(実施例2)
(熱転写シートの作成)実施例1と同じ
(中間転写シートの作成)
厚さ25μmのPETフィルム(東レ製、商品名ルミラー)を基材とし、乾燥後に組成が下記剥離層組成で塗布量が1g/m2になるように、ワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥した。
[剥離層組成]
アクリル樹脂(三菱レイヨン製) 30重量部
ポリエチレンWAX(ASTOROWAX製) 1重量部
マイクロシリカ(富士シリシア製) 5重量部
次に、上記剥離層を形成した基材の剥離層の上に、乾燥後に組成が下記保護層組成で塗布量が2g/m2になるように、保護層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥した。
[保護層組成]
アクリル架橋樹脂粒子(三井化学製) 100重量部
変性ポリビニルアルコール(日本合成化学製) 20重量部
【0040】
次に、上記剥離層及び保護層を形成した基材の剥離層・保護層の上に、乾燥後に組成が下記受容層組成で塗布量が1.5g/m2になるように、受容層層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥して、中間転写シートを作成した。
「受容層組成」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(電気化学工業製) 100重量部
反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂 40重量部
(BASFジャパン(株)製)
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業製) 5重量部
【0041】
(被転写体)
樹脂押し出しコート紙(三菱製紙CPF−170YE RC紙)を被転写体として、乾燥後に組成が下記中間層組成で塗布量が1.5g/m2になるように、被転写層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥した。
「中間層」
ポリウレタン樹脂(大日本インキ(株)製) 100重量部
次に、上記中間層を形成した基材の中間層の上に、乾燥後に組成が下記被転写層組成で塗布量が2.5g/m2になるように、被転写層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥して、被転写体を作成した。
「被転写層組成」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(電気化学工業製) 50重量部
金属イオン含有化合物(実施例1と同様) 50重量部
【0042】
(画像形成方法)
上述の手順で作成した熱転写シートの染料層部と中間転写シートの受容層部とを重ね合わせ、解像度12dot/mm、平均低抗値3150Ωのサーマルヘッドとプラテンローラーで圧接し、0.09〜0.31mJ/dotの印画エネルギー範囲で順次増加させるステップパターンを、送り速度5msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱して受容層上に画像を形成した。次いで、被転写体のRC紙に形成された被転写層と画像の形成された受容層とを重ね合わせ、125℃のヒートローラー使用し、送り速度500mm/minの条件で受容層部の背面から加熱してRC紙上の被転写層と中間転写シート上の受容層とを接着させた後、受容層を剥離層と共に基材上から剥離して画像形成物を得た。上記の手順で形成されたRC紙上の画像は、ステップパターンの各濃度について色材が一様に転写されてムラ、滲みがなく、印字抜けの発生は認められなかった。
【0043】
(比較例1)
(熱転写シートの作成)実施例1と同じ。
(中間転写シートの作成)
基材、剥離層、保護層は実施例2と同じ。
次に、上記剥離層及び保護層を形成した基材の剥離層・保護層の上に、乾燥後に組成が下記受容層組成で塗布量が1.5g/m2になるように、受容層層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより塗布及び乾燥して、中間転写シートを作成した。
「受容層組成」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(電気化学工業製) 50重量部
反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂 40重量部
(BASFジャパン(株)製)
エポキシ変性シリコーン 5重量部
金属イオン含有化合物(実施例1と同様) 50重量部
(被転写体)
被転写層から金属イオン含有化合物を除いた以外は、その他の構成(基材・中間層)は実施例2と同じ。
【0044】
(画像形成方法)
上述の手順で作成した熱転写シートの染料層部と中間転写シートの受容層部とを重ね合わせ、解像度12dot/mm、平均低抗値3150Ωのサーマルヘッドとプラテンローラーで圧接し、0.09〜0.31mJ/dotの印画エネルギー範囲で順次増加させるステップパターンを、送り速度5msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱して受容層上に画像を形成しようとしたが、熱転写シートの染料層部と中間転写シートの受容層部が高印画エネルギー部で融着を起こし、受容層トラレを発生した。
【0045】
(比較例2)
(熱転写シートの作成)実施例1と同じ
(中間転写シートの作成)実施例2と同じ
(被転写体)
被転写層から金属イオン含有化合物を除いた以外は、その他の構成(基材・中間層)が実施例2と同じ。
【0046】
(画像形成方法)
上述の手順で作成した熱転写シートの染料層部と中間転写シートの受容層部とを重ね合わせ、解像度12dot/mm、平均低抗値3150Ωのサーマルヘッドとプラテンローラーで圧接し、0.09〜0.31mJ/dotの印画エネルギー範囲で順次増加させるステップパターンを、送り速度5msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱して受容層上に画像を形成した。次いで、被転写体のRC紙に形成された被転写層と画像の形成された受容層とを重ね合わせ、125℃のヒートローラー使用し、送り速度500mm/minの条件で受容層部の背面から加熱してRC紙上の被転写層と中間転写シート上の受容層とを接着させた後、受容層を剥離層と共に基材上から剥離して画像形成物を得た。
【0047】
各実施例の熱転写シートと熱転写受像紙を用いて、上記の方法で形成した画像について、耐光性、白抜け、にじみについて下記の方法により評価して、下記の表に示す結果が得られた。
(耐光性の評価方法)
前記に述べた実施例および比較例で得られた画像の耐光性テストを、キセノンフェードメーター(アトラス社製、Ci4000)で実施し、次の条件(ブラックパネル温度45℃、90KLux、96時間)で変褪色の有無を確認した。記録濃度は米国マクベス社製のデンシトメーターRD−918で測定し、濃度1.0付近の残存率を表示した。
(白抜けの評価方法)
目視により、以下の評価基準にて評価した。
評価基準; ○:画像表面が平滑で、画像自体に普通紙の繊維目がみられない。×:画像に普通紙の繊維目が現れ、周囲と比較して濃度が高いスジ状の模様または、濃度が低いスジ状の模様がみられる。
(にじみの評価方法)
受容層転写時のにじみを、以下の評価基準にて、目視により評価した。
評価基準; ○:ドットのにじみが殆ど無く、画像のシャープさが殆ど失われない。×:ドットのにじみがみられ、画像のシャープさが失われた。
【0048】
【表1】
Figure 0004074108
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、基材の一方の面に、受容層を剥離可能に設けている為、その受容層に昇華画像を形成した後に、ホットスタンパーなどの手段により、基材の受像面とは反対の基材の他方の面より加熱することで、受容層中に存在するキレート化可能な熱拡散性色素が再び熱拡散することで被転写層に含有される金属イオン含有化合物とキレート化して、画像のにじみや画像の安定性、すなわち耐光性や定着性の優れた、白抜けやムラのない画像形成が可能となる。また、中間転写シート上の受容層に金属イオン含有化合物を添加しないことで離型性に優れ、受容層トラレのない中間転写シートを得ることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被転写体の例を示した概略図である。
【図2】本発明で使用する熱転写シートの例を示した概略図である。
【図3】本発明で使用する中間転写シートの例を示した概略図である
【符号の説明】
1:被転写体
2:熱転写シート
3:中間転写シート
4:基材
5:被転写層
6:中間層
7:背面層
8:離型層
9:保護層
10:受容層
11:剥離層
12:接着層

Claims (5)

  1. 基材表面に剥離可能に設けられた受容層を有する中間転写シートと、キレート化可能な熱移行性染料を含有する染料層を有する熱転写シートを重ね、画像情報に応じて加熱して受容層に画像を形成し、その後、画像形成された受容層を被転写体に転写して画像形成を行なう方法において、当該中間転写シートに剥離可能に設けられた受容層にはシリコーンオイルの離型剤を含有しているが、金属イオン含有化合物を含有しておらず、一方、使用する被転写体は被転写層が設けられており、該被転写層は、金属イオン含有化合物を含有しているが、離型剤を含有していないことを特徴とする被転写体。
  2. 前記の被転写層をバーコーター、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、押し出しコート法などの塗工方法で予め被転写体に設けたことを特徴とする請求項1に記載する被転写体。
  3. 前記の被転写層を熱転写方式で転写して被転写体に設けたことを特徴とする請求項1に記載する被転写体。
  4. 前記の被転写体と被転写層との間に少なくとも一層以上の中間層を設けたことを特徴とする請求項1乃至3に記載する被転写体。
  5. 基材表面に剥離可能に設けられた受容層を有する中間転写シートと、キレート化可能な熱移行性染料を含有する染料層を有する熱転写シートを重ね、画像情報に応じて加熱して受容層に画像を形成し、その後、画像形成された受容層を被転写体に転写する画像形成方法において、当該中間転写シートに剥離可能に設けられた受容層にはシリコーンオイルの離型剤を含有しているが、金属イオン含有化合物を含有しておらず、一方、使用する被転写体は被転写層が設けられており、該被転写層は、金属イオン含有化合物を含有しているが、離型剤を含有していないことを特徴とする画像形成方法。
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