JPH11198554A - 熱転写受像シート及びその作成方法 - Google Patents

熱転写受像シート及びその作成方法

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JPH11198554A
JPH11198554A JP1646198A JP1646198A JPH11198554A JP H11198554 A JPH11198554 A JP H11198554A JP 1646198 A JP1646198 A JP 1646198A JP 1646198 A JP1646198 A JP 1646198A JP H11198554 A JPH11198554 A JP H11198554A
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JP
Japan
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image
layer
sheet
concealing layer
thermal transfer
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Pending
Application number
JP1646198A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Kawabata
和博 川端
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隠蔽層の下の画像を、1枚ずつ任意の可変情
報にすることができるスクラッチシートを簡単に作成可
能な熱転写受像シート及びその作成方法を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 基材2の一方の面に画像14及び/また
は文字13が形成された受容層3を有する熱転写受像シ
ート1の該画像14及び/または文字13上に、スクラ
ッチ性を有する隠蔽層4が形成されている。したがっ
て、隠蔽層4の下の文字13、画像14を、熱転写方式
で1枚ずつ任意の可変情報にすることができ、スクラッ
チシートを簡単に作成することができる。また、基材シ
ート上に剥離可能にスクラッチ性を有する隠蔽層が形成
された隠蔽層転写シートを用いて、任意の情報に基づい
て、該隠蔽層転写シートから隠蔽層を画像及び/または
文字上に転写することが好ましく、スクラッチシートを
より簡単に作成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写方式におい
て使用される熱転写受像シートであって、受容層に形成
された画像上にスクラッチ性の隠蔽層を有する熱転写受
像シート及びその作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が知られている
が、この方法は、基材シート上に着色転写層を形成した
熱転写シートにおいて、その背面からサーマルヘッドな
どにより、画像状に加熱して、上記の着色転写層を熱転
写受像シートの表面に熱転写して、画像形成するもので
ある。この熱転写方法は、その着色転写層の構成によっ
て、昇華転写型と熱溶融転写型の二方式に大別される。
両方式ともに、フルカラー画像の形成が可能であり、例
えば、イエロー、マゼンタ、シアンさらに必要に応じ
て、ブラックの三色ないし四色の熱転写シートを用意
し、同一の熱転写受像シートの表面に各色の画像を重ね
て熱転写して、フルカラー画像を形成するものである。
マルチメディアに関連した様々なハードおよびソフトの
発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフ
ィックス、衛星通信による静止画像そしてCDROMそ
の他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナロ
グ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その
市場を拡大している。
【0003】この熱転写方法による熱転写受像シートの
具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものと
しては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAM
などの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや
内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出
力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分
証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード
類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンタ
ー、博物館、水族館などのアミューズメント施設におけ
る合成写真、記念写真としての用途などをあげることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の熱転写受像シー
トでは、任意の可変情報の画像を形成することができる
が、一旦形成した画像を簡単に隠蔽し、かつその隠蔽層
を簡単に擦り取って、また画像を見ることができるよう
なものが無いという問題がある。隠蔽層を擦り取って、
その隠蔽層の下にある画像を見ることができるようなシ
ートを、スクラッチシートという表現にするが、現在そ
のスクラッチシートはアミューズメント用等に、当たり
クジや、占いカード等で使用したいという要求が高い。
【0005】通常スクラッチシートは、印刷等により図
柄(画像)を形成したシートを大量に作成しておき、そ
のシートの図柄の上に隠蔽層(スクラッチ層)を印刷等
にて形成して作成している。しかし、この方法では、シ
ートへの図柄形成を印刷版を使用した印刷にて行ってい
るため、1枚ずつ図柄の異なるシートの作成は非常に困
難であった。すなわち、従来のスクラッチシートでは、
隠蔽層の下の画像を自由に任意のもの、可変情報にする
ことができなかった。したがって、上記の問題を解決す
るため、本発明は、隠蔽層の下の画像を、1枚ずつ任意
の可変情報にすることができるスクラッチシートを簡単
に作成可能な熱転写受像シート及びその作成方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の熱転写受像シートは、基材の一方の面に画
像及び/または文字が形成された受容層を有する熱転写
受像シートの該画像及び/または文字上に、スクラッチ
性を有する隠蔽層が形成されていることを特徴としてい
る。また、前記の形成された画像及び/または文字が昇
華転写方式にて形成されたことが好ましい。
【0007】また、前記の形成された画像及び/または
文字が溶融転写方式にて形成されたことが好ましい。ま
た、前記の隠蔽層が筆記性を有し、該隠蔽層上に筆記用
具にて画像及び/または文字が形成されていることが好
ましい。さらに前記の隠蔽層が染料染着性を有し、該隠
蔽層上に昇華転写方式にて画像及び/または文字が形成
されていることが好ましい。また、前記の隠蔽層上に溶
融転写方式にて画像及び/または文字が形成されている
ことが好ましい。また、前記の熱転写受像シートはカー
ド形状であることが好ましい。また、前記の隠蔽層が白
色であることが好ましい。
【0008】また、本発明の熱転写受像シートの作成方
法は、基材の一方の面に受容層を有する熱転写受像シー
トの受容層に任意の画像情報に基づいて画像及び/また
は文字の情報に基づいて画像及び/または文字を形成
し、該画像及び/または文字上にスクラッチ性の隠蔽層
を形成することを特徴としている。また、昇華転写方式
にて画像及び/または文字を形成することが好ましい。
さらに、溶融転写方式にて画像及び/または文字を形成
することが好ましい。また、基材シートの一方の面に、
剥離可能でスクラッチ性を有する隠蔽層が形成された隠
蔽層転写シートを用意し、任意の情報に基づいて該隠蔽
層転写シートから隠蔽層を画像及び/または文字上に転
写することによって隠蔽層を形成することが好ましい。
【0009】
【作用】本発明の熱転写受像シートは、基材の一方の面
に画像及び/または文字が形成された受容層を有する熱
転写受像シートの該画像及び/または文字上に、スクラ
ッチ性を有する隠蔽層が形成されている。したがって、
隠蔽層の下の画像、文字を、熱転写方式で1枚ずつ任意
の可変情報にすることができ、スクラッチシートを簡単
に作成することができる。また、基材シート上に剥離可
能にスクラッチ性を有する隠蔽層が形成された隠蔽層転
写シートを用いて、任意の情報に基づいて該隠蔽層転写
シートから隠蔽層を画像及び/または文字上に転写する
ことが好ましく、それによって、スクラッチシートをよ
り簡単に作成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。図1は、本発明の
熱転写受像シートの一つの実施形態を示す断面図であ
り、基材2の一方の面に受容層3を設け、該受容層に、
画像14及び文字13を形成したものである。熱転写受
像シートに形成するのは、画像のみでもかまわないし、
文字のみでも、両者を形成しても良い。形成の方法とし
ては、熱溶融方式、昇華転写方式どちらを利用しても良
い。これらの熱転写方式は、画像情報、文字情報等の情
報の入力、変更等が簡単なので、1枚ずつ異なった情報
を有するスクラッチ受像シートを簡便に作成することが
できる。そして、文字13情報の上に、スクラッチ性を
有する隠蔽層4が形成されている。
【0011】図2〜図7は、隠蔽層転写シートの例を示
し、図2の隠蔽層転写シート5は、基材シート6上の全
面に剥離可能でスクラッチ性を有する隠蔽層4が形成さ
れた構成である。図3の隠蔽層転写シート5は、基材シ
ート6上にパターン状に剥離可能でスクラッチ性を有す
る隠蔽層4が形成された構成であり、図3(a)にその
断面図、図3(b)に平面図を示す。図4の隠蔽層転写
シート5は、基材シート6上に剥離層7を介して隠蔽層
4が設けられた構成である。図5の隠蔽層転写シート5
は、基材シート6の一方の面に耐熱層9を設け、該基材
シート6の他方の面に隠蔽層4を設け、該隠蔽層4の上
に接着層8を設けた例である。
【0012】図6の隠蔽層転写シート5は、基材シート
6の一方の面に耐熱層9を設け、該基材シート6の他方
の面に剥離層7を介して隠蔽層4を設け、該隠蔽層4の
上に接着層8を設けた例である。図7の隠蔽層転写シー
ト5は、基材シート6の一方の面に耐熱層9を設け、該
基材シート6の他方の面に、隠蔽層4、イエロー染料層
10、マゼンタ染料層11、シアン染料層12を面順次
に設けた構成である。図8の熱転写受像シートは、隠蔽
層4上に筆記用具にて文字13を形成した例である。す
なわち、基材2の一方の面に受容層3を設け、該受容層
3に、画像14及び文字13を形成し、該文字13情報
の上に、スクラッチ性を有する隠蔽層4が形成されてい
て、さらに、隠蔽層4上に筆記用具にて形成した文字1
3がある。隠蔽層を、えんぴつ、ボールペン、水性ペ
ン、油性ペン、マジック等にて筆記できる材料から構成
したり、隠蔽層に表面処理を行っておけば、隠蔽層上に
任意の文字、画像を手書きできる。
【0013】(基材)本発明の熱転写受像シートで使用
する基材2としては、合成紙(ポリオレフィン系、ポリ
スチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャス
トコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジ
ョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添
紙、板紙等のセルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリ
スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート等の各種の
プラスチックフィルムまたはシート等が使用でき、ま
た、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜
した白色不透明フィルム、あるいは基材内部に微細空隙
(ミクロボイド)を有するフィルム等も使用でき、特に
限定されない。また、上記基材の任意の組合せによる積
層体も使用できる。
【0014】代表的な積層体の例としては、セルロース
繊維紙と合成紙、あるいはセルロース繊維紙とプラスチ
ックフィルム又はシートとの積層体が挙げられる。これ
らの基材2の厚みは任意でよく、例えば、10〜300
μm程度の厚みが一般的である。上記の如き基材は、そ
の表面に形成する受容層との密着力が乏しい場合には、
その表面にプライマー処理、コロナ放電処理あるいはプ
ラズマ処理等の易接着処理を施すのが好ましい。また、
本発明の熱転写受像シートは基材を適宜選択することに
より、熱転写記録可能な被熱転写シート、カード類、透
過型原稿作成シート等の各種用途に適用することが出来
る。本発明の受像シートの形状は、縦50mm〜60m
m、横60mm〜90mmのカード形状でもよいし、も
っと大きなA6、A5、A4、A3、B5、B4等のサ
イズでもよいし、特に限定されない。
【0015】(受容層)上記の基材の上に形成される受
容層3は、基材の上に直接または、プライマー層を介し
て、形成することができる。受容層3は、熱溶融転写記
録と昇華転写記録の各記録方式の違いにより、受容層の
構成が異なる。また、熱溶融転写記録では受容層を設け
ずに、基材に直接、熱転写シートから着色転写層を熱転
写することもできる。熱溶融転写記録と昇華転写記録の
受容層は、加熱により熱転写シートから転写される色材
を受容する働きを有するもので、特に昇華性染料の場合
には、それを受容し、発色させると同時に、一旦受容し
た染料を再昇華させないことが望まれる。
【0016】受容層3は、一般に熱可塑性樹脂を主体と
して構成される。受容層を形成する材料としては、例え
ば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステル
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチ
レンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマー
との共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセ
テート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂
等が挙げられ、中でも特に好ましいものはポリエステル
系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれら
の混合物である。
【0017】画像形成時において、着色転写層を有する
熱転写シートと、熱転写受像シートの受容層との融着若
しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、昇華転写記録で
は、受容層に離型剤を混合することができる。混合して
使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、
リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が
挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望ましい。そ
のシリコーンオイルとしては、エポキシ変性、ビニル変
性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、ア
ルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエ
ーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテ
ル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
【0018】離型剤は1種若しくは2種以上のものが使
用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂1
00重量部に対し、0.5〜30重量部が好ましい。こ
の添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シー
トと熱転写受像シートの受容層との融着若しくは印画感
度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型
剤を受容層に添加することによって、転写後の受容層の
表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成され
る。また、これらの離型剤は受容層に添加せず、受容層
上に別途塗工してもよい。
【0019】受容層は、基材の上に上記の如き樹脂に離
型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当な有機溶剤に
溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用い
たリバースロールコーティング法等の従来公知の塗工手
段により、塗布及び乾燥することによって形成すること
ができる。上記受容層の形成に際しては、受容層の白色
度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目的で、
白色顔料や蛍光増白剤等を添加することができる。以上
のように形成される受容層は任意の厚さでよいが、一般
的には乾燥状態で1〜50μmの厚さである。
【0020】また、このような受容層は連続被覆である
のが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性樹脂
や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成して
もよい。更に、熱転写プリンターの搬送安定化を図るた
めに受容層の上に帯電防止剤を塗工してもよい。更に、
受容層と反対側の裏面には熱転写プリンターの給紙時の
ダブルフィードを防ぐために、適当なスリップ層(不図
示)を設けることができる。スリップ層としては、ブチ
ラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリ
ウレタン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル等公知の
樹脂の単独又はブレンドしたものに、各種の微粒子やシ
リコーン等の滑剤を添加したものを用いることができ
る。
【0021】本発明の熱転写受像シートは、少なくとも
受容層、基材の構成であり、受像シートの受容層面もし
くは裏面、または両面の最表面に帯電防止層を設けても
よい。帯電防止層は、帯電防止剤である、脂肪酸エステ
ル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級ア
ンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹
脂、エチレンオキサイド付加物等を溶剤に溶解又は分散
させたものを塗工して、形成することができる。形成手
段は、上記受容層の場合と同様のものがあげられる。帯
電防止層の塗工量は、乾燥時0.001〜0.1g/m
2 が好ましい。
【0022】受像シートの基材と受容層の間に各種の樹
脂からなる中間層を設けることができる。この中間層に
様々な役割をもたせることで、受像シートに優れた機能
を付加させることができる。例えば、クッション性を付
与させる樹脂として、弾性変形や塑性変形の大きな樹
脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系共重合体
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを用
いて、受像シートの印字感度を向上させたり、画像のざ
らつきを防止することができる。さらに、中間層に、帯
電防止能力を付与させるために、上記のクッション性を
付与させる樹脂に、前記の帯電防止剤を添加し、溶剤に
溶解又は分散させたものを塗工して、中間層を形成する
ことができる。
【0023】本発明の熱転写受像シートにおいて、基材
上にスクラッチ性を有する隠蔽層が形成されている。そ
の隠蔽層の形成方法としては、基材上にグラビア印刷等
の印刷方法にて形成してもよいし、隠蔽層転写シートか
ら受像シートに転写することにより形成してもよい。但
し、グラビア印刷等の印刷で使用するインクがウェット
であり、印刷後の乾燥装置や、印刷用の版が必要とな
り、手間がかかるため、隠蔽層転写シートを使用して隠
蔽層を形成することが好ましい。
【0024】(基材シート)隠蔽層転写シート5の基材
シート6は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有す
るものであれば、いずれのものでもよく、例えば、0.
5〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の厚さの
紙、各種加工紙、ポリエステルフィルム、ポリスチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィ
ルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、
ポリビニルアルコールフィルム、セロファン等であり、
特に好ましいものは、ポリエステルフィルムである。
【0025】隠蔽層転写シート5は、図2、3に示すよ
うに、隠蔽層4を基材シート6上に直接設けたり、図
4、6に示すように、基材シート6と隠蔽層4との間
に、隠蔽層4が基材シート6から円滑に剥離するため
に、剥離層7を設けることができる。さらに、図5、6
に示すように、転写時に隠蔽層4と受像シート1の接着
性を向上させるために、接着層8を隠蔽層4の上に設け
ることができる。尚、隠蔽層転写シート5は、その裏面
に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングや印字し
わなどの悪影響を防止するため、耐熱層9を設けること
が好ましい。隠蔽層転写シート5は、少なくとも隠蔽層
4を必須とするが、剥離層7、接着層8、耐熱層9は適
宜省略することが可能である。
【0026】また、隠蔽層4は、図1、8のように熱転
写受像シートの部分的に形成しても良く、また熱転写受
像シートの全面に形成してもよい。隠蔽層4を熱転写受
像シートの部分的に形成する方法としては、図2のよう
に隠蔽層4が全面に形成された隠蔽層転写シート5を選
択的に加熱する方法と、図3のように隠蔽層4がパター
ン状に形成された隠蔽層転写シート5を用いる方法とが
ある。
【0027】(隠蔽層)隠蔽層4は、顔料または染料
と、バインダーを主成分として構成される。顔料として
は無機、有機の白色または有色の顔料、及び染料が使用
でき、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニ
ウム、二酸化チタン、二酸化珪素、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カ
オリン、ブロンズパウダー等の無機顔料、カーボンブラ
ック、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポ
リエチレンパウダー、フタロシアニン、フタロシアニン
の金属塩等の有機顔料や、メチルバイオレット等の染料
が挙げられる。
【0028】尚、白色の顔料としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、クレイ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム等の無機充填剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の白
色顔料が挙げられ、好ましく使用される。それは、隠蔽
層を白色にして、例えば隠蔽層の上に、画像を形成した
場合にコントラストで画像が目立つからである。すなわ
ち、隠蔽層の色を白色にしておけば、隠蔽層上に画像を
形成した際に、鮮明で再現性のある画像が得られる。ま
た、隠蔽層はえんぴつ、ボールペン、水性マジック、油
性マジック等の筆記用具により筆記可能な筆記性を有し
ていてもよい。隠蔽層に筆記性をもたせるには、上記の
顔料により、隠蔽層表面を凹凸にし、また親水性の顔料
粒子等を用いれば良い。
【0029】隠蔽層の色相は、白色、黄色、水色、銀色
等、何色でもかまわないが、その上にカラ一画像を形成
する場合には、白色であることが好ましい。色再現性の
良い、鮮明な画像を形成することができる。バインダー
樹脂は、いずれの樹脂を用いてもよく、好ましい樹脂と
しては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂等が挙げられる。隠蔽層4は、上記
の顔料または染料と、バインダーを主成分とし、その他
必要に応じて添加剤を加え、従来公知の方法、すなわ
ち、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロール
コート等の方法で、塗工量を、乾燥時で2〜30μm程
度にして、形成する。
【0030】(剥離層)隠蔽層転写シート5で設ける剥
離層7は、隠蔽層転写シート5から熱転写受像シート1
へサーマルヘッドあるいはその他の手段で加熱された時
に、両者が融着することを防止し、隠蔽層転写シート5
の基材シート6が受像シート1からスムーズに剥離し、
転写ムラをなくし、転写性を良好にするものである。剥
離層7は、ワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、メ
チルメタアクリレート等のアクリル樹脂等により形成す
ることができ、例えば、耐溶剤性の高いカルナバワック
スを使用することができる。剥離層7は、上記の隠蔽層
と同様な方法で形成することができ、その厚さは、塗布
乾燥後で、0.1〜2.0μmが好ましい。
【0031】(接着層)接着層8は、隠蔽層と熱転写受
像シートとの接着性が低い場合に用いることが好まし
い。接着層8は受像シートの受容層との接着性が良好で
ある材料が用いられる。接着層8は、一般的には熱可塑
性樹脂、天然樹脂、ゴム、ワックスなどを用いることが
できる。
【0032】例えば、エチルセルロース、酢酪酸セルロ
ースなどのセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−
メチルスチレンなどのスチレン共重合体、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチル
アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルブチラールなどのビニル系樹脂、ポリエステル
樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹
脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチ
レンアクリル酸エステルなどの合成樹脂や、粘着付与剤
としてのロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステル
ゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブ
タジエンゴム、ブタジエンアクリルニトリルゴム、ポリ
アミド樹脂、ポリ塩素化オレフィンなどがあげられ、前
記の材料の1種または2種以上よりなる組成物から接着
層を構成することができる。
【0033】また、接着層には、上記の材料の他に、隠
蔽層であげた顔料を添加して、巻き形態での保管上、ブ
ロッキング防止の処置を施してもよい。この接着層の厚
さは、受容層との接着性能が良好になるように決定され
るが、通常は、乾燥状態で0.1〜20μmが好まし
い。さらに、接着層は、前記の隠蔽層と同様な方法で塗
布、乾燥し、形成することができる。
【0034】(耐熱層)上記の如き隠蔽層転写シート
は、その裏面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキ
ングや印字しわなどの悪影響を防止するため、耐熱層9
を設けることが好ましい。上記の耐熱層9を形成する樹
脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール
樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレ
ン/ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウ
レタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリ
エーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタ
ン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹
脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプ
ロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹
脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹
脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフ
ィン樹脂等が挙げられる。また、より耐熱性向上のため
に、各種イソシアネート硬化剤や不飽和結合を有するモ
ノマー、オリゴマーとの反応生成物でもよく、硬化方法
は加熱、電離放射線の照射等、硬化手段は限定されな
い。
【0035】これらの樹脂からなる耐熱層に添加あるい
は上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シ
リコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系
グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリ
ルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、
アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられる
が、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール
高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸エス
テル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加する
ことがより好ましい。耐熱層は、上記に記載した樹脂、
滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解
又は分散させて、耐熱層形成用インキを調製し、これ
を、上記の基材シートの他方に面に、例えば、グラビア
印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバー
スコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して
形成することができる。
【0036】以上のような隠蔽層転写シートやグラビア
印刷等の印刷方法を用いて、熱転写受像シート上に隠蔽
層を形成する。そして、その隠蔽層は、スクラッチシー
トとして、削り落とされるもので、具体的には、爪やコ
イン等で隠蔽層を擦った際に、容易に削り取れるもので
ある。その意味で、隠蔽層はスクラッチ性を有してい
る。隠蔽層は、爪やコイン等で擦れば削り取れるが、取
扱上で物と擦れた程度では削られるものではない。した
がって、熱転写受像シートに形成された隠蔽層は、JI
S K 5400の手かき法で規定する鉛筆引っかき値
が、2H以上の範囲にすることが好ましく、それによ
り、基材との適度な密着性と、爪やコイン等で擦った際
の、削り落とされる適度な脆さの両者のバランスをもっ
たものである。
【0037】JIS K 5400の手かき法で規定す
る鉛筆引っかき値は、塗膜(今回は隠蔽層)の硬さを、
鉛筆のしんで塗膜を引っかいて調べ、鉛筆の濃度記号で
表したものである。具体的には、試験片を水平な台の上
に塗面を上向きに固定し、図9に示すように約45度の
角度で鉛筆を持ち、しんが折れない程度にできる限り強
く塗面に押し付けながら、試験者の前方に均一な速さで
約1cm押し出して塗面を引っかく。押し出す速度は約
1cm/sとする。1回引っかくごとに鉛筆のしんの先
端を新たに研いで、同一の濃度記号の鉛筆で5回ずつ試
験を繰り返す。5回の試験で2回以上試験片の素地又は
下塗塗膜に届く破れが認められないときは、上位の濃度
記号の鉛筆に取り替えて同様に試験を行い、塗膜の破れ
が2回以上になる鉛筆を見つけ、その鉛筆の濃度記号よ
り一段階下位の濃度記号を、その塗膜の鉛筆引っかき値
とする。
【0038】本発明の熱転写受像シートは、基材上や隠
蔽層上に、文字および/または画像を形成することがで
きる。その文字および/または画像を形成する手段は、
昇華転写方式や、熱溶融転写方式が好ましく用いられ、
具体的には基材シート上に昇華転写型や熱溶融転写型の
着色転写層を形成した熱転写シートを用いて、サーマル
ヘッドによる加熱や、レーザー等の光照射により着色転
写層を転写して、文字、画像を形成することができる。
尚、文字、画像を形成する方法は熱溶融転写方式、昇華
転写方式等の熱転写方式に限定されず、えんぴつ、ボー
ルペン、油性マジック、水性マジック等の筆記用具を用
いて書いてもよい。昇華転写方式を利用する場合には、
隠蔽層、基材も染料染着性を有する材料を用いる必要が
ある。
【0039】また、本発明では、熱転写受像シートの基
材上に受容層を形成し、該受容層及び/または隠蔽層上
に、文字及び/または画像を形成することが好ましく行
われる。基材として、染料染着性のない材料を使用する
場合には、基材上に染料染着性のある受容層を形成して
おけばよい。また、筆記用具を用いる場合には、用いる
道具にあわせて基材、隠蔽層の材料を選択したり表面処
理を行う等、筆記性を付与させておけばよい。上記の文
字、画像は、任意の文字、画像であり、フルカラーやモ
ノカラーでもよく、また階調画像でも、ベタ画像でも、
さらに文字、マーク等でも良い。
【0040】(熱転写受像シートの作成方法)本発明の
熱転写受像シートの作成方法は、基材の一方の面に受容
層を有する熱転写受像シートの受容層に任意の画像情報
に基づいて画像及び/または文字の情報に基づいて画像
及び/または文字を形成し、次に該画像及び/または文
字上にスクラッチ性の隠蔽層を形成するものである。そ
して、上記の画像及び/または文字の形成は、昇華転写
方式または溶融転写方式に行うことが好ましい。さら
に、基材シートの一方の面に、剥離可能でスクラッチ性
を有する隠蔽層が形成された隠蔽層転写シートを用意
し、任意の情報に基づいて該隠蔽層転写シートから隠蔽
層を画像及び/または文字上に転写することによって隠
蔽層を形成することが好ましい。
【0041】このような隠蔽層転写シートから隠蔽層を
転写する方法は、画像情報や文字情報に基づいて任意の
領域に隠蔽層を転写することが可能なので、1枚ごとに
異なった形状に隠蔽層を転写することもでき、大変便利
である。また、画像や文字を形成する熱転写プリンター
にて隠蔽層転写ができるので、非常に簡便にスクラッチ
受像シートを作成することができる。さらに、隠蔽層上
には、昇華転写方式、溶融転写方式、或いは手書きにて
画像、文字等を形成しても良い。図8は、隠蔽層4上に
筆記用具にて文字13を形成した例である。隠蔽層を、
えんぴつ、ボールペン、水性ペン、油性ペン、マジック
等にて筆記できる材料から構成したり、隠蔽層に表面処
理を行っておけば、隠蔽層上に任意の文字、画像を手書
きできる。また、隠蔽層構成材料を、染料染着性の材料
にて構成すれば、昇華転写方式により、文字や画像を形
成することができる。同様に、溶融転写方式にて印字し
うる材料にて隠蔽層を形成し、溶融転写にて文字や画像
を形成しても良い。
【0042】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて、本発明を
さらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるの
は重量基準である。 (実施例1)まず、基材として、白色ポリエチレンテレ
フタレートフィルム(厚み50μm)の一方の表面に下
記組成の受容層用塗工液を固形分で、4.5g/m2
割合で、塗工及び乾燥して受容層を形成した。
【0043】受容層用塗工液組成 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 40部 (電気化学工業株式会社製、#1000A) ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、バイロン600) 40部 塩化ビニル・スチレン・アクリル共重合体 20部 (電気化学工業株式会社製、デンカラック#400A) ビニル変性シリコーン 10部 (信越化学工業株式会社製 X−62−1212) 触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−PLR−5) 5部 触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−PL−50T) 6部 メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 400部
【0044】そして、前記受容層面に帯電防止剤とし
て、第4級アンモニウム塩化合物(松本油脂製薬株式会
社製、TB−34の1/1000希釈液)を塗布した。
次に、一方の面に易接着処理を施した厚さ6μmのPE
Tを基材シートとして、その基材シートの他方の面に
は、予め下記組成の耐熱層用塗工液を、グラビア印刷機
により、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚1μmの
耐熱層を設け、さらに60℃にて5日間オーブン中で加
熱熟成して、硬化処理を行っておく。その耐熱層塗布済
みの基材シートの易接着処理面の全面に、下記組成の剥
離層用塗工液をグラビア印刷機により、塗布、乾燥させ
て、乾燥状態で塗工厚0.6μmの剥離層を設け、さら
に剥離層上に、下記組成の隠蔽層用塗工液を、グラビア
印刷機により、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚
5.0μmの隠蔽層を設けた。さらに隠蔽層上に、下記
組成の接着層用塗工液を、グラビア印刷機により、塗
布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚1.0μmの接着層
を設け、隠蔽層転写シートを作製した。
【0045】耐熱層用塗工液 ポリビニルブチラール樹脂: 3.6部 積水化学工業株式会社製 エスレックBX−1 ポリイソシアネート: 8.6部 大日本インキ株式会社製 バーノックD750 燐酸エステル系界面滑性剤: 2.8部 第一工業製薬株式会社製 プライサーフA208S タルク:日本タルク株式会社製ミクロエースP−3 0.7部 メチルエチルケトン 32.0部 トルエン 32.0部
【0046】剥離層用塗工液 アイオノマー水分散液(固形分35%) 4部 カルナバワックスエマルジョン(固形分40%) 1部 エチルアルコール/水(2/1) 10部
【0047】隠蔽層用塗工液 変性アクリル樹脂: 20部 大日本インキ株式会社製 アクリディック BZ−1160 酸化チタン(アナターゼ型): 40部 トーケムプロダクツ株式会社製 TCA888 トルエン/イソプロピルアルコール(重量比1/1) 40部
【0048】接着層用塗工液 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂: 20部 電気化学工業株式会社製 #1000ALK シリカ 1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80部
【0049】上記の熱転写受像シートに、イエロー、マ
ゼンタ、シアンの染料層を面順次に設けた昇華型熱転写
シートを用いて、フルカラーの画像14を、図1に示す
ように転写形成した。さらに、上記の熱転写受像シート
の受容層に、ブラックの熱溶融性インキ層をもつ熱転写
シートにより、図1に示すように、文字13を転写形成
した。次に、上記の熱転写受像シートの受容層に、図1
に示すような配置で、文字13の上に、(画像14の上
には転写しないように)上記の隠蔽層転写シートから隠
蔽層をパターン状に部分転写して、スクラッチシートを
作成した。
【0050】(実施例2)実施例1で使用した隠蔽層転
写シートを、図3に示すように基材シート6上にパター
ン状に剥離可能でスクラッチ性を有する隠蔽層4を形成
した以外は、実施例1の条件と同様にして、隠蔽層転写
シートを作成した。また、熱転写受像シートは、実施例
1と同様にして、基材上に受容層を形成した。上記の熱
転写受像シートに、イエロー、マゼンタ、シアンの染料
層を面順次に設けた昇華型熱転写シートを用いて、フル
カラーの画像14を、図1に示すように転写形成した。
さらに、上記の熱転写受像シートの受容層に、ブラック
の熱溶融性インキ層をもつ熱転写シートにより、図1に
示すように、文字13を転写形成した。次に、上記の熱
転写受像シートの受容層に、図1に示すような配置で、
文字13の上に、図3で示すパターン化された隠蔽層4
の一つを、上記の隠蔽層転写シートから隠蔽層を全部転
写して、スクラッチシートを作成した。
【0051】(比較例1)基材として、白色ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(厚み50μm)を使用し、
その基材上に図1に示すような配置で、画像14と文字
13をオフセット印刷により形成した。さらに、図1に
示すような配置で、文字13の上に、隠蔽層4をグラビ
ア印刷にて形成して、スクラッチシートを作成した。
【0052】(評価結果)実施例1及び実施例2で作成
したスクラッチシートは、任意の可変情報である画像や
文字を簡単に形成でき、その画像や文字を簡単に隠蔽で
き、かつその隠蔽層を簡単に擦り取って、また画像、文
字を見ることができる。それに対し、比較例1で作成し
たスクラッチシートは、基材上に形成された画像、文字
が印刷版を使用して印刷したもので、固定情報であり、
画像、文字を自由に任意のものに変えることは困難であ
った。
【0053】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、基材の一
方の面に画像及び/または文字が形成された受容層を有
する熱転写受像シートの該画像及び/または文字上に、
スクラッチ性を有する隠蔽層が形成されている。したが
って、隠蔽層の下の画像ないし文字を、熱転写方式で1
枚ずつ任意の可変情報にすることができ、スクラッチシ
ートを簡単に作成することができる。また、基材シート
上に剥離可能にスクラッチ性を有する隠蔽層が形成され
た隠蔽層転写シートを用いて、任意の情報に基づいて該
隠蔽層転写シートから隠蔽層を画像及び/または文字上
に転写することが好ましく、それによってスクラッチシ
ートをより簡単に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受像シートの一つの実施形態を
示す断面図である。
【図2】本発明で使用する隠蔽層転写シートの例を示す
断面図である。
【図3】本発明で使用する隠蔽層転写シートの例を示す
断面図と平面図である。
【図4】本発明で使用する隠蔽層転写シートの例を示す
断面図である。
【図5】本発明で使用する隠蔽層転写シートの例を示す
断面図である。
【図6】本発明で使用する隠蔽層転写シートの例を示す
断面図である。
【図7】本発明で使用する隠蔽層転写シートの例を示す
断面図である。
【図8】本発明の熱転写受像シートの他の実施形態を示
す断面図である。
【図9】JIS K 5400の手かき法で規定する鉛
筆引っかき値を求めることを説明する概略図である。
【符号の説明】
1 熱転写受像シート 2 基材 3 受容層 4 隠蔽層 5 隠蔽層転写シート 6 基材シート 7 剥離層 8 接着層 9 耐熱層 10 イエロー染料層 11 マゼンタ染料層 12 シアン染料層 13 文字 14 画像

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に画像及び/または文字
    が形成された受容層を有する熱転写受像シートの該画像
    及び/または文字上に、スクラッチ性を有する隠蔽層が
    形成されていることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 前記の形成された画像及び/または文字
    が昇華転写方式にて形成されたことを特徴とする上記の
    請求項1に記載する熱転写受像シート。
  3. 【請求項3】 前記の形成された画像及び/または文字
    が溶融転写方式にて形成されたことを特徴とする上記の
    請求項1に記載する熱転写受像シート。
  4. 【請求項4】 前記の隠蔽層が筆記性を有し、該隠蔽層
    上に筆記用具にて画像及び/または文字が形成されてい
    ることを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写受
    像シート。
  5. 【請求項5】 前記の隠蔽層が染料染着性を有し、該隠
    蔽層上に昇華転写方式にて画像及び/または文字が形成
    されていることを特徴とする上記の請求項1に記載する
    熱転写受像シート。
  6. 【請求項6】 前記の隠蔽層上に溶融転写方式にて画像
    及び/または文字が形成されていることを特徴とする上
    記の請求項1に記載する熱転写受像シート。
  7. 【請求項7】 カード形状であることを特徴とする上記
    の請求項1に記載する熱転写受像シート。
  8. 【請求項8】 前記の隠蔽層が白色であることを特徴と
    する上記の請求項1に記載する熱転写受像シート。
  9. 【請求項9】 基材の一方の面に受容層を有する熱転写
    受像シートの受容層に任意の画像情報に基づいて画像及
    び/または文字の情報に基づいて画像及び/または文字
    を形成し、該画像及び/または文字上にスクラッチ性の
    隠蔽層を形成することを特徴とする熱転写受像シートの
    作成方法。
  10. 【請求項10】 昇華転写方式にて画像及び/または文
    字を形成することを特徴とする上記の請求項9に記載す
    る熱転写受像シートの作成方法。
  11. 【請求項11】 溶融転写方式にて画像及び/または文
    字を形成することを特徴とする上記の請求項9に記載す
    る熱転写受像シートの作成方法。
  12. 【請求項12】 基材シートの一方の面に、剥離可能で
    スクラッチ性を有する隠蔽層が形成された隠蔽層転写シ
    ートを用意し、任意の情報に基づいて該隠蔽層転写シー
    トから隠蔽層を画像及び/または文字上に転写すること
    によって隠蔽層を形成することを特徴とする上記の請求
    項9に記載する熱転写受像シートの作成方法。
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