JP4309599B2 - 熱転写受像シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材シート上に受容層を設けた熱転写受像シートに関し、特に受容層にメタルソース(金属イオン含有化合物)を含有し、熱転写シートからキレート化可能な染料が、受容層に転写され、キレート化され、定着する熱転写受像シートで、画像形成後の受容層に転写型保護層を設けた際に、受容層と保護層との接着性に優れた熱転写受像シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サーマルヘッド、あるいは、レーザー等の加熱印字手段を用いて、画像情報に応じて画像を形成する方法として、加熱により移行する性質を有する昇華性染料層が設けられた熱転写シートを熱転写受像シートとを組み合わせて用い、その昇華性染料をコントロールしながら、熱転写受像シート上に染料を移行させて階調のある写真のような画像を形成する方法が提案されている。この方法によれば、デジタルカメラやパソコン上のデジタル画像データやネットワークを介した画像データ及びテレビ信号から簡単な処理で連続的な階調を有する画像が得られ、しかもその際に用いられる装置が複雑でない等の利点を有している。
【0003】
ところで、このような感熱転写記録においては、熱転写シートに用いられる昇華性染料が重要な役割を有し、従来の昇華性染料では得られた画像の耐久性、即ち、耐光性や定着性が十分でないという欠点を有している。そこで、これらの点を改良するために、特開昭59−78893、特開昭59−109394、特開昭60−2398の各公報には、キレート化可能な熱拡散性の色素(染料)を使用し、熱転写受像シート上に、キレート化された色素(キレート色素)によって画像を形成する画像形成方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のキレート化色素による画像形成方法は、画像耐熱性や耐光性及び染料定着性を改良する方法としては有効であるが、印字後には未反応の色素が受容層表面近傍に存在し、転写画像の耐久性が十分でなく、形成された画像を指で触った場合や可塑材を含んだシートに触れ続けると色抜けを起こしたりするなど、画像品質を維持することが困難であった。そのような不具合を改善するために、熱転写性保護層を有する保護層転写シートを用いて、加熱により、画像上に保護層を形成することを試みたが、受容層に存在するメタルソース(金属イオン含有化合物)が保護層と受容層との接着を阻害し、保護層が簡単に受容層から剥離してしまうというという問題がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、キレート化された色素による画像の上に、熱転写により保護層を形成した際に、保護層の画像上での接着性に優れ、画像品質の良好な熱転写受像シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の如き課題を解決するために、本発明は、基材シートと、前記基材シート上に設けられた受容層とを含む熱転写受像シートであって、前記受容層が、メタルソース、保護層接着保持剤、離型剤およびバインダー樹脂を含有し、前記メタルソースが下記一般式(2)で表される遷移金属イオンの錯体化合物からなり、かつ前記保護層接着保持剤が、その構造中にポリオキシアルキレン基を有する界面活性剤またはその構造中にポリオキシアルキレン基を有するポリエーテル変性シリコーンを有することを特徴とする。
一般式(2): M 2+ (X − ) 2
(式中、M 2+ は2価の遷移金属イオンを表す。Xは下記一般式(3)で表される配位化合物を示す。)
【化2】
(式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボモイル基、ハロゲン原子または水素原子を表す。RおよびR’はアルキル基およびアリール基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよく、RとZまたはR’とZが結合して環を形成してもよいが、Zが水素原子となる時にR、R’がともにメチル基となることはない。)
【0007】
また、前記の保護層接着保持剤がポリオキシアルキレン基をもつ界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤やポリエーテル変性シリコーン構造であることが好ましい。
【0008】
フッ素系界面活性剤においては、直鎖のポリオキシアルキレン基を持つものが好ましく、ポリエーテル変性シリコーンにおいては、側鎖にポリオキシアルキレン基が変性されたシリコーンが好ましい。
【0009】
また、前記の受容層に離型剤が添加されていることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の好ましい態様においては、保護層接着保持剤が、受容層全体の固形分に対して、0.25〜7.5質量%の範囲で含有されており、さらに好ましくは、前記保護層接着保持剤が、HLB値5.0以上を有する成分からなる。
【0011】
上記のように、基材シート上に受容層を設けた熱転写受像シートにおいて、該受容層にメタルソースと保護層接着保持剤及びバインダー樹脂を組み合わせて含有することにより、保護層接着保持剤がメタルソースを含有した受容層と転写された保護層との接着性の低下を防止することができ、キレート化された色素による画像品質の優れた熱転写受像シートを得ることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0013】
本発明の熱転写受像シートは、基材シート上に受容層を設けた構成である。
【0014】
(基材シート)
基材シートは、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機械的強度を有することが好ましい。このような基材シートの材料は特に限定されず、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムあるいは発泡させた発泡シートも使用でき、特に限定されない。
【0015】
また、上記基材シートの任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙あるいはセルロール繊維紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。これらの基材シートの厚みは、任意でよく、通常10〜300μm程度である。また、上記基材シートとその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、基材シートの表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
【0016】
(受容層)
受容層は、基材シートの一方の面に、メタルソースと保護層接着保持剤及びバインダー樹脂と、必要に応じて、離型剤などの各種添加剤から構成されている。バインダー樹脂は、昇華染料が染着しやすいものを用いることが好ましく、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマーセルロース誘導体などを用いることができる。受容層は、染料層との熱融着を防止し、異常転写を防止する上において、離型剤を添加することが好ましい。
【0017】
離型剤としては、受容層の内部から表面にブリードして、受容層表面に容易に離型層を形成することから、シリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、フェニル変性、カルビノール変性、アミノ変性、アルキル変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性等の変性シリコーンオイルが好ましく用いられる。
【0018】
特に、下記化学式で示す変性シリコーンオイルが、メタルソースや保護層接着保持剤に影響を及ぼさず、また染料層からのキレート化可能な染料とメタルソースがキレート化する反応にも悪影響をせず、染料層との離型性に優れ、好ましく用いられる。
【0019】
【化1】
(式中、Aはフェニル基等のアリール基を表し、Bはエポキシ変性アルキル鎖を表す。また、1、mは1以上の整数を表す。)
また、ビニル変性シリコーンオイルとハイドロジェン変性シリコーンオイルとの反応物や、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルの反応硬化物等の、複数の変性シリコーンオイルを反応硬化させたり、活性水素を有する変性シリコーンオイルと活性水素と反応する硬化剤との反応硬化物も用いられる。
【0020】
以上のような離型剤の添加量は、受容層固形分に対し、0.5〜10質量%が好ましい。
【0021】
本発明の熱転写受像シートでは、メタルソースを受容層のバインダー樹脂に対し、50質量%以下、特に40質量%以下で添加することが、保護層接着保持剤と混合した場合、受容層と保護層との接着性に優れる等の理由で好ましい。
【0022】
本発明におけるメタルソースは、メタルソースとして、下記一般式(1)で表される化合物が、あげられる。
【0023】
一般式(1): M2+(X)n2Y−
(式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。Xは、遷移金属イオンM2+に配位結合して錯体を形成することが出来る配位化合物を表し、nは、2または3の整数を表す。複数の配位化合物Xは互いに同じであっても異なっていてもよい。また、Y−は遷移金属イオンM2+の対イオンを表す。)
前記一般式(1)で表される化合物において、M2+は2価の遷移金属イオンを表すが、この遷移金属イオンとしては例えばコバルト(2+)、ニッケル(2+)、銅(2+)、亜鉛(2+)、鉄(2+)、などをあげることができる。これらの中でも、とくにニッケル(2+)、銅(2+)、亜鉛(2+)が好ましい。前記一般式(1)で表される化合物において、(X)nは遷移金属に配位結合して、錯体を形成することができる2又は3の配位化合物を表すが、例えば「キレート化学(5)」(南雲堂編)に記載されている配位化合物から選択することができる。これらの中でもエチレンジアミン誘導体、ピコリンアミド誘導体、2−アミノメチルピペリジン誘導体、グリシンアミド誘導体が好ましく、特にエチレンジアミン誘導体、グリシンアミド誘導体が好ましい。
【0024】
前記一般式(1)で表される化合物において、Y−は遷移金属イオンM2+の対アニオンを表すが、この対アニオンは有機、または無機のアニオンであり、特に、遷移金属イオンM2+と配位化合物(X)nとにより形成される錯体を、例えばメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、などの有機溶媒に溶解可能にする化合物が好ましい。この対アニオンの具体例としては、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルリン酸、アリールリン酸、アリールホウ酸などの有機塩をあげることができる。これらの中でも特に、アリールホウ酸、アリールスルホン酸などの各塩が好ましい。
【0025】
また、本発明の受容層は下記一般式(2)で表されるメタルソースを含有することが、好ましい。
【0026】
一般式(2): M2+(X−)2
(式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。X−は、前記一般式(1)で表された配位化合物を表す。また、一般式(2)で表される化合物は中心金属に応じて中性の配位子を有してもよく、代表的な配位子としてはH2O、NH3などがあげられる。)
また、上記の一般式(2)のメタルソースにおいて、Xが下記の一般式(3)で表される配位化合物があげられる。
【0027】
【化2】
一般式(3)で表される化合物において、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボモイル基、ハロゲン原子または水素原子を表す。Zがアリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子などの電子吸引性基が金属イオン供給化合物を安定化させるため好ましいが、この中でもアリールオキシカルボニル基およびアルコキシカルボニル基が溶解性の点で更に好ましい。そのアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基があげられ、そのアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基などの炭素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルコキシカルボニル基をあげることができ、また、これらのアルコキシカルボニル基にはハロゲン原子、アリール基やアルコキシ基などが置換していてもよい。
【0028】
RおよびR’はアルキル基およびアリール基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよく、RとZまたはR’とZが結合して環を形成してもよいが、Zが水素原子となる時にR、R’がともにメチル基となることはない。また、Z、RおよびR’で表されるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル基などの炭素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルキル基をあげることができ、また、これらのアルキル基にはハロゲン原子、アリール基やアルコキシ基などが置換していてもよい。Z、RおよびR’で表されるアリール基としてはフェニル、ナフチル基があげられ、置換基を有していてもよい。Zで表されるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシなど炭素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルコキシ基をあげることができる。Zで表されるアシル基としては、アセチル、プロピオニル、クロロアセチル、フェナセチル、ベンゾイル基などをあげることができる。Zで表されるハロゲン原子として、好ましくは塩素原子をあげることができる。
【0029】
本発明に用いられるメタルソースの添加量は、受容層のバインダー樹脂に対し、20〜50質量%が好ましく、さらに30〜40質量%がより好ましい。本発明におけるメタルソースは、一般式(1)と一般式(2)に限定されるものではない。
【0030】
本発明の熱転写受像シートで使用する保護層接着保持剤は、フッ素系界面活性剤が好ましく、例えば、ポリエチレンオキサイドのパーフルオロアルキルスルホンアミドエステル[住友3M(株)製FC−430、同FC−431、同FC−170]、更に[三菱マテリアル(株)製EF−122A、同EF−122B、同EF−122C、同EF−122A3、同EF−501]等が挙げられる。
【0031】
また、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物[大日本インキ化学工業(株)製F−142D、同F−144D、同F−1405]、更に[セイミケミカル(株)KH−40]、更に[ダイキン工業(株)DS−401、同DS−403]等が挙げられる。
【0032】
また、ハイドロカーボンアクリレート−ペルフルオロカーボンアクリレートコポリマー[三菱マテリアル(株)製EF−351、同EF−352、同EF−801、同EF−802、同EF−6011等が挙げられる。
【0033】
また、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル[(株)ネオス製FTX−251、同FTX−22]等が挙げられる。
【0034】
また、ポリエーテル変性シリコーンとしては、側鎖にポリオキシアルキレン基が変性されたものが好ましく、且つ界面活性剤の性質を表す概念として用いられるHLB値(Hydrophile-Lipophile Balance)が5.0以上を示すものが好ましい。
【0035】
(式1)
【数1】
参考文献:あわの発生メカニズムと制御およびトラブル対策
(技術情報協会刊)
このような保護層接着保持剤は、受容層全体の固形分に対し、0.25〜7.5質量%の割合で添加されることが好ましく、受容層に存在する金属イオン含有化合物と離型剤が保護層との接着性能を阻害することに対して、保護層接着保持剤が受容層の表面で、それらの金属イオン含有化合物と離型剤を覆い、さらに保護層接着保持剤が濡れ性を向上させ、受容層と転写された保護層との接着性が高まるものと考えられる。保護層接着保持剤の含有量が受容層全体の固形分に対し、0.25質量%未満であると、受容層と転写された保護層との接着性が低下してきて、好ましくない。一方で、保護層接着保持剤の含有量が受容層全体の固形分に対し、7.5質量%より多くなると、受容層表面の濡れ性が高くなりすぎて、受容層と染料層との離型性が低下してきて、好ましくない。
【0036】
以上の受容層は、基材シート上に、バインダー樹脂にメタルソースと保護層接着保持剤と、必要に応じて離型剤などの添加剤を加え、水または、有機溶剤などの溶媒に溶解または分散させたインキを、バーコーター、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの通常の方法で塗布し、乾燥して形成することができる。また、受容層は、上記のように基材シート上に直接にインキを塗布し、乾燥して形成するだけでなく、別の基材シート上に受容層を予め形成してあるものから、基材シート上に、受容層を転写形成してもよい。なお、上記の別の基材シートは、基材シートと同様の条件の材料が使用できる。その受容層の厚さは、塗布乾燥後の膜厚で、0.1〜10μm程度が好ましい。
【0037】
上記の熱転写受像シートに画像形成する際に、使用する熱転写シートは、基材上に、キレート化可能な熱移行性染料とバインダー樹脂を主体とした染料層を設けたもので、熱移行性染料としては、前述のメタルソースと錯形成可能な基を有していれば、特に限定されるものではなく、公知のものが使用できる。
【0038】
また、本発明の熱転写受像シートの画像形成面(受容層面)に、保護層を熱転写して形成する際に、使用する保護層転写シートについて、以下に説明をする。
【0039】
(基材シート)
本発明の保護層転写シートに用いられている基材シートとしては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材シートをそのまま用いることができると共に、フィルムの表面に易接着処理のしてあるものや、その他のものも使用することができ、特に制限はされない。基材シートの厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更しているが、通常は3〜100μm程度が好ましい。
【0040】
(離型層)
通常、基材シートの一方の面に熱転写性樹脂層を設けて保護層転写シートを作製するが、基材シートと熱転写性樹脂層の材質の組合せによっては熱転写の際の離型性が良好でない場合がある。このような場合、基材シート面に予め離型層を設けることができる。
【0041】
離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂アクリル樹脂・ポリビニルアルコール、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体樹脂等を少なくとも1種以上含有する塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成でき、塗膜の厚さは、0.1〜2μm程度で十分である。離型層に使用する材料を選定する際に注意しなければならない点としては、熱転写性樹脂層と適切な離型性を有することは勿論のことであるが、更に熱転写性樹脂層との接着力よりも、基材シートとの接着力を高くすることが大切であり、もしも基材シートとの接着力が十分でない場合には、離型層ごと転写性樹脂層が転写される等の異常転写の原因となる。
【0042】
また、転写後の印画物において艶消し保護層が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、または離型層側表面をマット処理した基材シートを使用することにより、保護層を転写した印画物の表面をマット状にすることもできる。
【0043】
(熱転写性樹脂層)
保護層転写シートにおいて、熱転写性樹脂層は熱転写により被転写体の印画面に転写されて保護層を形成するものである。従って熱転写性樹脂層が具備すべき機能としては、熱転写の際、基材シートまたはその上に設けられた離型層から確実に箔切れ性よく剥がれること、被転写体に対する熱接着性がよいこと、印画面の保護層として耐摩擦性、耐スクラッチ性等の各種耐性を付与できること、また透明性がよく転写面の画像の鮮明さを損なわないことなどが挙げられる。この点から、熱転写性樹脂層を単層で設けることもできるが、基材シート側から透明性樹脂層、熱接着性樹脂層の順、あるいは透明性樹脂層、紫外線遮断層、熱接着性樹脂層の順のように2層または3層の多層構成で設けることも好ましい。このような場合の各層について以下に説明する。
【0044】
(透明性樹脂層)
前記基材シートまたは離型層の上に設ける透明性樹脂層、即ち熱転写性樹脂層の基材シート側の層は、耐摩擦性、透明性、硬さなどに優れた樹脂、例えばポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、及びこれらの樹脂のシリコーン変性樹脂、そしてこれら樹脂の混合物のほか、後述の如き重合性モノマー、オリゴマー、反応性重合体等の少なくとも1種を電子線等の電離放射線照射により架橋、硬化した樹脂等を用いることができる。またこの硬化性樹脂層には、可とう性及び接着性を向上させるために相溶性のよい熱可塑性樹脂を混合して用いてもよい。
【0045】
これらの樹脂は透明性に優れているが、比較的強靱な皮膜を形成する傾向があるので、転写時における箔切れが充分ではない。そこでこれらの透明性樹脂層の箔切れ性や、転写によって被覆される印画面の耐摩擦性、耐スクラッチ性などを向上させるために、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を樹脂の透明性を損なわない程度に添加することができる。尚、用いる微粒子の粒径は0.1〜10μm程度のものが好ましい。また、耐摩擦性、耐スクラッチ性を更に向上させるために、シリコーン変性樹脂、滑剤等の添加剤を含有させてもよい。
【0046】
このような透明性樹脂層を形成する方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、その他多くの手段が利用でき、上記の樹脂を含む塗工液を塗布・乾燥することによって形成することができる。この透明性樹脂層の厚さは乾燥時の皮膜で0.1〜50μm程度であり、好ましくは1〜10μm程度である。
【0047】
(紫外線遮断層)
保護層を転写する印画物に形成された画像が、太陽光等に含まれる紫外線によって、褪色や変色するのを抑制するために、熱転写性樹脂層に紫外線吸収剤を添加した紫外線遮断層を設けることが好ましい。使用する紫外線吸収剤としては、従来公知のベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリチレート系化合物等の有機系の紫外線吸収剤が使用可能であり、また亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄等の酸化物の如き無機系の紫外線吸収能を有する微粒子を樹脂層中に添加することができる。使用する樹脂としては、特に制限されず、あらゆる樹脂が使用可能であるが、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ハロゲン化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、ポリエチレン等の炭化水素系樹脂、ポリビニルアルコールや、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられ、また紫外線遮断層を特別に設けず、透明樹脂層中に添加してもよい。
【0048】
また、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂のモノマー、オリゴマー反応性重合体の少なくとも一種と反応結合させてなる樹脂を単独または混合して用いて、透明性樹脂層を構成するいずれかの層に含有させてもよい。反応性紫外線吸収剤を樹脂に反応固定する方法としては、種々の方法が利用可能であるが、例えば従来公知のモノマー、オリゴマー、又は反応性重合体の樹脂成分と下記の如き付加重合性二重結合を有する反応性紫外線吸収剤とラジカル重合することにより、共重合体を得ることができる。
【0049】
(熱接着性樹脂層)
熱接着性樹脂層は、熱転写性樹脂層の被転写体への転写を容易にし、かつ熱転写性樹脂層の被転写体への接着を強くする作用をなすものである。この熱接着性樹脂層を形成する接着剤としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱溶融性接着剤を使用することができる。熱接着性樹脂層の形成は、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート他の公知の手段により行うことができ、厚さは乾燥時の皮膜で0.1〜5μm程度が好ましい。
【0050】
上記の熱転写受像シートに、基材上にキレート化可能な熱移行性染料とバインダー樹脂を主体とした染料層を有する熱転写シートを用いて、熱転写記録を行うには、サーマルヘッドやレーザー光、赤外線フラッシュランプ、熱ペン等の公知の熱エネルギー印加手段により、画像情報に応じた熱エネルギーを与える。
【0051】
また、本発明の熱転写受像シートに熱転写記録を行い、画像形成後に、その画像上に保護層転写シートを用いて、保護層(熱転写性樹脂層)を熱転写して、保護層付きの印画物を得る。その際に、保護層転写の加熱手段としては、サーマルヘッドに限定されず、その他熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒータ、アイロン等が使用できる。また、保護層は形成された画像の受容層面の全面に転写してもよいし、特定の部分のみに転写してもよい。
【0052】
【実施例】
以下に具体例をあげて、説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
【0053】
[受容層塗工液の調整]
下記の受容層塗工液(R−1〜26)を調整した。
【0054】
各受容層塗工液;バインダー樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製、1000A)を用い、メタルソースとして、下記化学式に示す金属イオン含有化合物を使用し、保護層接着保持剤として、表1に記載の材料を用い、さらに離型剤としてエポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、X22−3000T)を下記表1に示す配合割合で受容層塗工液を調整した。
【0055】
【化3】
【表1】
(実施例1)
基材シート上に、L=92.26、a=−1.05、b=0.95である測色データを有する厚み150μmの合成紙(王子油化合成紙(株)製、Yupo−FPG−150)を用い、該基材シート上に上記の受容層塗工液R1をワイヤーバーコーティングにより、乾燥時の厚さが5μmとなるように、塗布して実施例1の熱転写受像シートを作製した。尚、受容層の乾燥はドライヤーで仮乾燥後に、温度130℃のオーブン中に1分間行った。
【0056】
(実施例2)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R2を用い、その他は実施例1と同様にして実施例2の熱転写受像シートを作製した。
【0057】
(実施例3)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R3を用い、その他は実施例1と同様にして実施例3の熱転写受像シートを作製した。
【0058】
(実施例4)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R4を用い、その他は実施例1と同様にして実施例4の熱転写受像シートを作製した。
【0059】
(実施例5)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R5を用い、その他は実施例1と同様にして実施例5の熱転写受像シートを作製した。
【0060】
(実施例6)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R6を用い、その他は実施例1と同様にして実施例6の熱転写受像シートを作製した。
【0061】
(実施例7)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R7を用い、その他は実施例1と同様にして実施例7の熱転写受像シートを作製した。
【0062】
(実施例8)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R8を用い、その他は実施例1と同様にして実施例8の熱転写受像シートを作製した。
【0063】
(実施例9)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R9を用い、その他は実施例1と同様にして実施例9の熱転写受像シートを作製した。
【0064】
(実施例10)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R10を用い、その他は実施例1と同様にして実施例10の熱転写受像シートを作製した。
【0065】
(実施例11)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R11を用い、その他は実施例1と同様にして実施例11の熱転写受像シートを作製した。
【0066】
(実施例12)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R12を用い、その他は実施例1と同様にして実施例12の熱転写受像シートを作製した。
【0067】
(実施例13)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R13を用い、その他は実施例1と同様にして実施例13の熱転写受像シートを作製した。
(KF352A;信越化学工業、側鎖変性型、HLB=7.0)
(実施例14)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R14を用い、その他は実施例1と同様にして実施例14の熱転写受像シートを作製した。
【0068】
(実施例15)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R15を用い、その他は実施例1と同様にして実施例15の熱転写受像シートを作製した。
【0069】
(実施例16)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R16を用い、その他は実施例1と同様にして実施例16の熱転写受像シートを作製した。
【0070】
(実施例17)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R17を用い、その他は実施例1と同様にして実施例17の熱転写受像シートを作製した。
【0071】
(実施例18)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R18を用い、その他は実施例1と同様にして実施例18の熱転写受像シートを作製した。
(FZ2101;日本ユニカー、側鎖変性型、HLB=9.0)
(実施例19)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R19を用い、その他は実施例1と同様にして実施例19の熱転写受像シートを作製した。
【0072】
(実施例20)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R20を用い、その他は実施例1と同様にして実施例20の熱転写受像シートを作製した。
【0073】
(実施例21)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R21を用い、その他は実施例1と同様にして実施例21の熱転写受像シートを作製した。
【0074】
(実施例22)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R22を用い、その他は実施例1と同様にして実施例22の熱転写受像シートを作製した。
【0075】
(実施例23)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R23を用い、その他は実施例1と同様にして実施例23の熱転写受像シートを作製した。
【0076】
(実施例24)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R24を用い、その他は実施例1と同様にして実施例24の熱転写受像シートを作製した。
【0077】
(実施例25)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R25を用い、その他は実施例1と同様にして実施例25の熱転写受像シートを作製した。
【0078】
(実施例26)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液R26を用い、その他は実施例1と同様にして実施例26の熱転写受像シートを作製した。
【0079】
[受容層塗工液の調整]
下記の受容層塗工液(r−1〜14)を調整した。
【0080】
各受容層塗工液;バインダー樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製、1000A)を用い、メタルソースとして、下記化学式に示す金属イオン含有化合物を使用し、表2に記載の材料を用い、下記表2に示す配合割合で受容層塗工液を調整した。
【0081】
【表2】
(比較例1)
上記の実施例1における受容層塗工液に代えて、上記表2の受容層塗工液r1を用い、その他は実施例1と同様にして比較例1の熱転写受像シートを作製した。
【0082】
(比較例2)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r2を用い、その他は実施例1と同様にして比較例2の熱転写受像シートを作製した。(SC−101;セイミケミカル、パーフルオロアルキル含有オリゴマー)
(比較例3)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r3を用い、その他は実施例1と同様にして比較例3の熱転写受像シートを作製した。
【0083】
(比較例4)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r4を用い、その他は実施例1と同様にして比較例4の熱転写受像シートを作製した。
【0084】
(比較例5)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r5を用い、その他は実施例1と同様にして比較例5の熱転写受像シートを作製した。
【0085】
(X22−3000T;信越化学工業、エポキシ変性シリコーン、側鎖変性型)
(比較例6)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r6を用い、その他は実施例1と同様にして比較例6の熱転写受像シートを作製した。
【0086】
(比較例7)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r7を用い、その他は実施例1と同様にして比較例7の熱転写受像シートを作製した。
【0087】
(比較例8)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r8を用い、その他は実施例1と同様にして比較例8の熱転写受像シートを作製した。
【0088】
(比較例9)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r9を用い、その他は実施例1と同様にして比較例9の熱転写受像シートを作製した。(X22−821;信越化学工業、フッ素変性シリコーン)
(比較例10)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r10を用い、その他は実施例1と同様にして比較例10の熱転写受像シートを作製した。
【0089】
(KF945;信越化学工業、側鎖変性型、HLB=4.5)
(比較例11)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r11を用い、その他は実施例1と同様にして比較例11の熱転写受像シートを作製した。
【0090】
(FZ2222;日本ユニカー、主鎖変性型、HLB=7.0)
ポリエーテル変性シリコーン主鎖変性型
【化4】
a,b,mは1以上の整数を表す。
(比較例12)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r12を用い、その他は実施例1と同様にして比較例12の熱転写受像シートを作製した。
【0091】
(比較例13)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r13を用い、その他は実施例1と同様にして比較例13の熱転写受像シートを作製した。
【0092】
(FZ2203;日本ユニカー、主鎖変性型、HLB=1.0)
(比較例14)
上記実施例1における受容層塗工液に代えて、上記受容層塗工液r14を用い、その他は実施例1と同様にして比較例14の熱転写受像シートを作製した。
【0093】
次に、背面処理の施された厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、ルミラー)を基材として、その背面と反対側に、キレート化可能な熱拡散性色素(Y−1、M−1、C−1)を含有する下記の塗工液を用いて、YMCの各染料層を面順次に設けて染料層を形成し、熱転写シートを作製した。各染料層の乾燥時の厚さが1.2μmになるように染料層を形成した。
【0094】
(イエロー染料層塗工液)
キレート色素(下記化合物Y−1) 4部
ポリビニルブチラール樹脂 70部
メチルエチルケトン 13部
トルエン 13部
【化5】
(マゼンタ染料層塗工液)
キレート色素(下記化合物M−1) 4部
ポリビニルブチラール樹脂 70部
メチルエチルケトン 13部
トルエン 13部
【化6】
(シアン染料層塗工液)
キレート色素(下記化合物C−1) 4部
ポリビニルブチラール樹脂 70部
メチルエチルケトン 13部
トルエン 13部
【化7】
さらに、以下の条件にて保護層転写シートを作製した。
【0095】
背面処理の施された厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、ルミラー)を基材として、その背面と反対側に、下記組成の離型層塗工液を用いて、乾燥時厚さが0.5μmとなるように、離型層を形成し、さらにその上に、下記組成の保護層塗工液で乾燥時厚さが2μmとなるように、保護層を設けて、保護層転写シートを用意した。
【0096】
(離型層塗工液)
アイオノマー樹脂(三井化学(株)製) 10部
水/エタノール(2/3;質量比) 100部
(保護層塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部
(デンカビニル1000ALK、電気化学工業(株)製)
反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂 20部
(BASFジャパン(株)製、UVA635L)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1;質量比) 100部
上記に作成した実施例及び比較例の熱転写受像シートについて、上述の保護層転写シートを用い、保護層面と熱転写受像シートの受容層面を対向させて重ね合わせ、下記の印字条件でサーマルヘッドにより受容層全面に保護層を転写した。尚、受容層に画像形成はしていない熱転写受像シートを使用した。
【0097】
(印字条件)
・サーマルヘッド:KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印字電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:5(msec.)
・印字開始温度:40(℃)
・印加パルス:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を60%固定、ライン周期あたりのパルス数を210個固定とし、ベタ印画を行い、受容層全面に保護層を転写。
【0098】
上記の保護層の転写された熱転写受像シートについて、下記条件にて、保護層接着性の評価を行った。
【0099】
(保護層接着性)(初期接着)
作成直後の熱転写受像シートを用いて、保護層転写を行い、保護層の転写された熱転写受像シートの表面に、住友3M社製メンディングテープを指で1往復擦って、接着させ、すぐに180°の剥離角度でテープを指で引張って剥離させて、保護層がテープ側にとられないかを、目視にて調べた。
【0100】
(保護層接着性)(60℃3日保存後)
シート作成後、60℃の環境下で3日間放置した後、室内に戻した熱転写受像シートを用いて、保護層転写を行い、保護層の転写された熱転写受像シートの表面に、住友3M社製メンディングテープを指で1往復擦って、接着させ、すぐに180°の剥離角度でテープを指で引張って剥離させて、保護層がテープ側にとられないかを、目視にて調べた。
【0101】
上記の保護層接着性の評価は以下の基準にて行った。
【0102】
○:保護層がテープ側にとられない。(保護層が熱転写受像シートから剥離しない。)
△:保護層の一部分がテープ側にとられる。(保護層の一部分が印画物から剥離する。)
×:保護層の大部分がテープ側にとられる。(保護層の大部分が印画物から剥離する。)
上記に作成した実施例及び比較例の熱転写受像シートと、熱転写シートを用いて、受容層部と染料層部を重ね合わせ、Y、M、Cの順番で熱転写シートの裏面から下記条件でサーマルヘッドを用いて熱転写記録を行い、グレーのベタ状の画像を形成し、受容層と染料層との剥離力の測定、及び異常転写について、以下の条件で評価した。
【0103】
(印字条件)
・サーマルヘッド:KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印字電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:5(msec.)
・印字開始温度:40(℃)
・印加パルス:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を60%固定とし、ライン周期あたりのパルス数を255個固定とし、Ye印画後、同じ部分にMg印画を行い、さらにCy印画を行い、印画面全面に染料層を転写し、黒ベタ画像を形成した。
【0104】
(異常転写)
実施例及び比較例の熱転写受像シートと熱転写シートを、受容層面と染料層面とを対向させて重ね合わせ、上記の印字条件でサーマルヘッドにより受容層面にYMCの順に黒ベタの画像を形成し、上記の実施例及び比較例の熱転写受像シートに画像形成する際の、熱転写シートの染料層から受容層への染料の転写性で、Cy剥離時に異常転写が生じないか、目視にて調べる。(画像形成時の染料層と受容層との剥離性を調べる。)
評価の判断は以下の基準による。
【0105】
○:染料層から染料が受容層へ正常に転写され、異常転写は認められない。
【0106】
×:3色目のCyで、染料層から染料が受容層へ正常に転写されず、バインダーごとの異常転写を起こすか、もしくはフィルムが貼り付く。
【0107】
××:一色目のYeで、正常に転写されず、バインダーごとの異常転写を起こすか、もしくはフィルムが貼り付く。
【0108】
実施例1〜26及び比較例1〜14について、上記の各評価結果は、以下の表3、4に示す通りである。
【0109】
【表3】
【表4】
【0110】
【発明の効果】
以上のように、基材シート上に受容層を設けた熱転写受像シートにおいて、該受容層にメタルソースと保護層接着保持剤及びバインダー樹脂を含有していることにより、転写された保護層と受容層との接着性が、メタルソースにより低下してしまうことを保護層接着保持剤で防止でき、キレート化された色素による画像品質の優れた熱転写受像シートを得ることができる。
【0111】
また、前記の保護層接着保持剤が受容層全体の固形分に対し、0.25〜7.5質量%添加することによって、受容層と保護層との接着性をさらに良好なものとすることができる。
Claims (1)
- 基材シートと、前記基材シート上に設けられた受容層とを含む熱転写受像シートであって、
前記受容層が、メタルソース、保護層接着保持剤、離型剤およびバインダー樹脂を含有し、
前記メタルソースが下記一般式(2)で表される遷移金属イオンの錯体化合物からなり、
かつ前記保護層接着保持剤が、ポリオキシアルキレン基を有するフッ素系界面活性剤であり、受容層全体の固形分に対して0.25から5.00質量%の範囲で含有されているもの、または側鎖にポリオキシアルキレン基が変成されたポリエーテル変成シリコーンであり、HLB値が5.0以上を示すものであることを特徴とする、熱転写受像シート。
一般式(2): M2+(X−)2
(式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。Xは下記一般式(3)で表される配位化合物を示す。)
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