JP3715753B2 - インクジェット記録用転写媒体及びこれを用いた画像転写物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、布帛やフイルム等の被転写材上に転写により画像を形成する際に使用される転写媒体に関する。更に詳しくは、転写層に画像を形成する際にインクジェット記録方法が用いられるインクジェット記録用転写媒体及びこれを用いた画像転写物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々のインク吐出方式、例えば、静電吸引方式、圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを加熱して発泡させ、その圧力を利用する方式等により、インクの微小液滴を発生及び飛翔させ、それらの一部若しくは全部を紙等の被記録材に付着させて画像や文字等の記録を行うものであり、騒音の発生が少なく、高速印字及びカラー印字が行える記録方式として注目されている。
【0003】
近年、このような手軽にフルカラー印刷が行えるインクジェットプリンタが普及したことにより、これを利用して様々なメディアへのカラープリントを行うことが要求されるようになっている。このような要求に対し、転写方式を利用したプリント技術は、メディア側の形態を選ばないこと、つまり、直接、プリンタでプリントすることが不可能なメディアへも画像形成が行えることから、特に注目されている。
【0004】
これまでにも、インクジェット記録方式を利用した転写媒体はいくつか提案されている。例えば、特開平8−207426号公報では、転写媒体のインク受容層を、熱可塑性樹脂、結晶性可塑剤及び粘着付与剤から構成することで、加熱のみで転写及び貼着可能としたインクジェット記録シートを提案している。又、特開平8−207450号公報では、熱転写層に粒状熱可塑性高分子樹脂、多孔質無機微粒子及びバインダを用いてインクジェット記録可能で、熱転写可能な転写層を有する転写媒体を提案している。更に、米国特許第5,501,902号明細書においても、上記構成に加え、転写層にカチオン性樹脂やインク粘度調整剤等を添加させた構成のインクジェット用転写媒体が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの従来技術においては、インクジェット記録による転写媒体への画像の形成、及び該転写媒体に形成された画像の転写に関しては十分な性能を持つものの、各種被転写材(被記録材)に転写された後の画像の堅牢性に対しての性能は、十分なものとはいえなかった。具体的には、上記のような転写媒体から布帛へ転写された画像を洗濯した場合に、画像を形成している色材が流出してしまったり、転写画像が形成された布帛の表面が毛羽立つ等の原因によって、画像濃度の低下が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、汎用のインクジェットプリント方法を利用して手軽に、布帛やフイルム等の各種被記録材に対して画像を形成することができ、インク吸収性が高く、高濃度、優れた鮮明性及び堅牢度(特に耐水性)を保持したまま、高温又は高湿度下に長期保存(或いは放置)しても、インクによる画像形成時に色むらが生じることがなく、高品位画像を形成することができるインクジェット記録用転写媒体、及びこれを用いた画像転写物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明により達成される。即ち、本発明は、支持体上に離型層と、熱によって転写される転写層とが設けられてなるインクジェット記録用転写媒体において、上記転写層が、非水溶性熱可塑性樹脂微粒子、非水溶性熱可塑性樹脂結着剤及びこれらの材料の少なくとも一方に対する可塑剤を含み、且つ転写層の構成材料中に1.0重量%〜5.0重量%の弗素系界面活性剤を含む(但し、転写層の構成材料中にカチオン性樹脂及び無機微粒子の両方を含む場合を除く)ことを特徴とするインクジェット記録用転写媒体、及びこれを用いた画像転写物の製造方法である。
【0008】
上記本発明によれば、可塑剤を含む転写層を有する転写媒体に、特定範囲の弗素系界面活性剤を包含させておくことにより、転写媒体を高温又は高湿度下に長期保存(或いは放置)しても、インクによる画像形成時に色むらが生じることがなく、高品位画像を形成することができるインクジェット記録用転写媒体が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用転写媒体は、支持体上に設けられた離型層と、該離型層の上に形成された転写層とからなる。この構成において、転写層には下記に挙げる4つの要件が要求される。
【0010】
第一に、インクジェット記録用のインクを良好に吸収して高品位の画像を形成し、形成された画像を良好に保持する機能。
第二に、布帛やフイルム等の被転写材(被記録材)に接着し、保持されていた画像が被転写材上に良好な状態で転写される機能。
第三に、布帛やフイルム等の被転写材上に転写された後に転写層内にある色材が層中に強固に固定されて、被転写材である布帛等を洗濯した場合や、画像が形成されている被転写材が水や汗で濡れた場合に生じる恐れのある画像劣化を防ぐ機能。
第四に、転写媒体を高温又は高湿度下に長期保存(或いは放置)た場合にも、インクによって転写画像を形成した際に、色むらを生じることなく、高品位画像が形成し得るような状態が良好に保持される機能。
【0011】
本発明によれば、上記した機能を全て満足する転写層を有するインクジェット記録用転写媒体が得られる。即ち、本発明においては、転写媒体の転写層を、熱可塑性樹脂微粒子、熱可塑性樹脂結着剤、及びこれらの少なくともいずれかの可塑剤、更に、これらに加えて特定量の弗素系界面活性剤を含むように構成することによって、上記した要求性能の全てを満足させることができる。以下、各材料の役割(機能)について具体的に述べる。
【0012】
本発明において使用する熱可塑性樹脂微粒子とは、非水溶性の熱可塑性樹脂からなる微粒子のことである。更に好ましくは、多孔性の熱可塑性樹脂微粒子を使用する。このような熱可塑性樹脂微粒子を転写層中に含有させておけば、転写画像を形成する前の状態においては、これら熱可塑性樹脂微粒子は、皮膜化されずに微粒子としての形状を残したままの状態で転写層中に存在して転写層は多孔質層となるので、インクジェット記録方式で転写層にインクを供給した場合に、微粒子同士の空隙にインクを良好に吸収し、且つ保持することができる。後述するが、この場合に、多孔性の熱可塑性樹脂微粒子を使用すれば、微粒子の有する空隙にもインクが吸収されるので、転写層のインク吸収性がより向上する。
以上の如き熱可塑性微粒子の使用量は、転写層の構成材料全体に対して、約 30重量%〜90重量%の範囲が好ましい。
【0013】
一方、画像を被転写材に接着させ、例えば、被転写材の支持体側から加熱及び加圧することによって画像を転写させる際には、転写層中の熱可塑性樹脂微粒子は溶融して被転写材に転写され、これら微粒子も被膜化するので、布帛やフイルム等の被転写材上に色材を良好な状態で固着し得る。又、この場合に、溶融前の転写層中においては、熱可塑性樹脂は微粒子状態で存在しているので、例えば、布帛に転写する際に、これら微粒子が繊維間に入り込み繊維の周囲を取り囲んだ状態で溶融され、その後に固着するので、布帛が伸縮しても下地の繊維の色が見えることなく美麗な転写画像が得られる。
【0014】
上記した熱可塑性樹脂微粒子と共に転写層の形成材料として用いる熱可塑性樹脂結着剤は、上記した熱可塑性樹脂微粒子同士を結着させて被膜を形成して転写層を構成する目的で、更には、転写時に、画像を形成した転写層を布帛に接着する目的で添加する。先に説明した熱可塑性樹脂微粒子と同様に、熱可塑性樹脂結着剤についても従来公知の非水溶性の熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、熱可塑性樹脂微粒子用の材料として先に列記したものと同様な熱可塑性樹脂を結着剤として用いることができる。
以上の如き熱可塑性樹脂結着剤の使用量は、転写層の構成材料全体に対して、約10重量%〜70重量%の範囲が好ましい。
【0015】
しかしながら、以上述べた2種類の材料のみで転写層を形成した場合、熱可塑性樹脂微粒子或いは熱可塑性樹脂結着剤の融点若しくは軟化点が比較的低い場合には問題がないものの、これらの融点若しくは軟化点が高い場合には転写層の転写が不十分になるので、本発明においては転写層の形成材料として上記熱可塑性樹脂微粒子の可塑剤、或いは熱可塑性樹脂結着剤の可塑剤を添加する。
【0016】
可塑剤の添加によって、形成された画像の転写時、つまり、加熱時に転写層の溶融粘度を低くすることができるとともに、より布帛への密着性を向上させて転写性を改良できる。更に可塑剤の使用によって転写画像に強度と柔軟性とをもたせることができ、布帛やフイルム等の被転写材上に風合いに優れた転写画像を形成することが可能となる。
以上の如き可塑剤の使用量は、転写層の構成材料全体に対して、約1重量%〜20重量%の範囲が好ましい。
【0017】
上記可塑剤の添加によって上記の効果が奏されるが、形成された転写媒体を高温或いは高湿度条件下に放置した後に画像形成を行うと、形成された画像に色むらが発生することがある。この色むらの発生原因について検討したところ、転写層中に存在している可塑剤が雰囲気条件の変化によって移行すること、この移行によって転写層表面におけるインクの濡れ性に変化が生じることによって上記の色むらが発生することを知見した。
【0018】
本発明においては、上記の色むらの発生は、転写層中に、転写層の構成材料中に1.0重量%〜5.0重量%の弗素系界面活性剤を含有させることによって防止し得る。弗素系界面活性剤の添加量が上記範囲未満であると色むらの発生を防止することができず、一方、弗素系界面活性剤の添加量が上記範囲を超える量では、熱可塑性樹脂の微粒子が転写時において互いに融着しにくくなって、結果として転写層の転写不良という問題が発生する。従って本発明においては、弗素系界面活性剤の添加量を上記の範囲とすることによって、高温或いは高湿度下における転写媒体の長期保存若しくは放置後における画像形成時の色むらの発生を良好に防止することができる。
【0019】
本発明の転写媒体の必須の形成材料は以上の通りであるが、本発明の転写媒体を用いて多孔質の被転写材、例えば、布帛等に転写する場合には、転写層の形成に際して、転写層中に無機粒子を添加することが好ましい。この無機粒子の添加によって、画像形成された転写層を布帛等に転写した場合、転写層が布帛に過度に浸透し、色材が沈み込んで画像濃度が低下するという問題や、同じ要因で、転写画像を有する布帛等を洗濯した際に、布帛表面が毛羽立ち及び画像濃度が低下するという問題を事前に防止することができる。つまり、熱に対し溶融性を持たない無機系の粒子を転写層中に添加することで、転写の際に、転写層を形成している熱可塑性樹脂が布帛に浸透し過ぎずることを防止し、布帛の表面に被膜を形成し、高濃度で鮮明な画像を得ることができる。更に、このようにすれば、布帛表面において繊維の接着が為され、洗濯によっても毛羽立つことがなく、高い堅牢性を持つ転写画像を有する布帛等が提供される。
以上の如き無機粒子の使用量は、転写層の構成材料全体に対して、約0.1重量%〜20重量%の範囲が好ましい。
【0020】
更に、本発明においては、転写層を形成するための材料中にカチオン性樹脂を添加することが好ましい。カチオン性樹脂の添加によってより高い堅牢性を有する転写画像を得ることができる。インクジェットプリンタにおいて一般的に使用されている色材はアニオン系染料であり、該色材は、転写時の熱により熱可塑性樹脂の微粒子及び結着剤が溶融した際に一緒に取り込まれて、布帛やフイルム等の被転写材上に固着される。
【0021】
しかしながら、このようにして形成された皮膜が完全には均一にならない場合があり、そのような場合には、例えば、洗濯時等に布帛を水に浸漬させた際に染料のしみ出しが生じる。これに対し、転写層中にカチオン性樹脂を添加しておけば、カチオン性樹脂が染料と反応して染料を不溶化するので、染料の溶出を防ぐことができる。
以上の如きカチオン性樹脂の使用量は、転写層全体中で約1重量%〜20重量%の範囲が好ましい。
【0022】
本発明においては、上記したような機能を有する無機粒子とカチオン性樹脂との転写層中における合計の添加量を、熱可塑性樹脂微粒子と熱可塑性結着剤との合計量に対して3重量%〜20重量%の範囲内にすることが好ましい。先にも述べた通り、無機粒子は熱に対し溶融せず、布帛に対しての接着性も有さない。又、カチオン性樹脂は、一般的に水溶性の樹脂が多いため、布帛に対しての接着性を有さない上に、必要以上に添加すると洗濯した際にカチオン性樹脂が水中に溶出し、逆に転写画像の洗濯堅牢性を低下させる原因となり得る。
【0023】
つまり、これら布帛に対し接着性を持たない材料は、接着性を有する熱可塑性樹脂等の材料中に取り込まれている状態でのみ、その効果を発揮し得るが、過度の添加は、転写層の布帛への接着性を阻害し、かえって転写画像の堅牢性に悪影響を与える要因ともなり得る。この理由より、布帛への接着性を持たない無機粒子及びカチオン性樹脂の転写層中への添加は、接着性のある熱可塑性樹脂の微粒子及び結着剤の合計量に対して前記範囲に留めることが好ましい。
【0024】
又、本発明のインクジェット記録用転写媒体は、上記したような構成の転写層と共に離型層を有するが、該離型層の存在によって、上記の優れた特性を有する転写層を効率よく容易に布帛やフイルム等の被転写材に転写させることができる。例えば、布帛上に加熱加圧して転写後、支持体を剥離して除去する際に、転写層が布帛から剥がれたり、転写層の1部が支持体上に残り画像が損なわれるといったことが防止される。
【0025】
更に、本発明の別の態様としては、上記で説明した転写層と離型層との間に、皮膜層を設け、転写層を2層構成としてもよい。この皮膜層を設けることによる利点としては、下記の2点が挙げられる。
【0026】
先ず第一に、離型層上への転写層の形成がより容易になる。本発明のインクジェット記録用転写媒体においては、先に述べたように、インクの吸収性をよくするために多孔質の転写層を設けることが好ましいが、離型層のような密着性の低い層の上に多孔質層を設けると、層同士の密着性が悪く、取扱い時に転写層が剥がれてしまう場合がある。従って、転写層を2層構成とし、転写層の離型層側に、皮膜層を設ければ、層同士の密着性が向上し、このような問題を生じにくくなる。
【0027】
第二に、上記した転写層と離型層との間に皮膜層を設ければ、布帛上等に転写された洗濯堅牢性を更に改良することができる。即ち、転写層を2層構成にした場合は、転写した後に皮膜層が最表層となって画像表面を覆うこととなるので、色材がより転写層内に隠蔽された状態で布帛に密着されるため、より堅牢性が高くなる。
【0028】
更に、この皮膜層の形成材料として、先に説明した転写層の形成材料に使用する熱可塑性樹脂結着剤と同一の種類のものを用いることが好ましい。即ち、これら2層の形成材料に同一の材料を用いることによって、2層間の密着性を高くすることができ、より堅牢性を高くし得、更に2層間での屈折率差が小さくなるため転写後の転写層が透明になり、鮮明な画像を得ることが可能となる。
【0029】
次に、本発明のインクジェット記録用転写媒体に用いられる、夫々に上記したような役割を有する材料について具体的な説明を行う。
先ず、転写層の形成材料である熱可塑性樹脂微粒子材料としては、非水溶性の熱可塑性樹脂からなる微粒子であればいずれのものも使用することができる。このような熱可塑性の樹脂としては、例えば、ポリエチエレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、非水溶性のポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリ(メタ)アクリル酸の共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリル酸アミド、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリイミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、チオコール、ポリスルフォン、ポリウレタン、ポリスチレン、その他これらの樹脂の単量体の共重合物等が挙げられる。中でも、ポリエチエレン、ポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリル酸の共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロン)及びこれらの単量体の共重合物等がより好ましく用いられる。
【0030】
本発明で使用する熱可塑性樹脂微粒子の粒径は、インク吸収性、画像の鮮明性の点から、0.05μm〜100μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは、0.2〜50μm、更に好ましくは5〜20μmの範囲のものが好適である。粒径が0.05μmよりも小さい樹脂粒子を使用した場合には、転写層を形成した際に粒子間の空隙が小さくなり過ぎるので、充分なインク吸収性が得られない場合がある。又、粒子が小さ過ぎると、転写層表面の平滑性が高くなって布帛の繊維間に入り込みにくくなるため、転写画像が布帛の表面で均一な連続被膜として形成され易くなり、転写画像が剥がれ易くなったり、布帛が伸縮した際に、転写層がひび割れて下地の繊維が見えてしまったりする等、良好な転写画像が得られ難い。一方、粒径が100μmよりも大きい熱可塑性樹脂微粒子を用いると、画像の解像度が低くなり鮮明な画像が得られ難い。
【0031】
本発明で使用する先に挙げた材料等からなる熱可塑性樹脂微粒子としては、多孔性の微粒子を用いることが好ましい。本発明において、転写層中に多孔性の熱可塑性樹脂微粒子を用いれば、転写層のインク吸収性をより向上させることができるので、薄い層厚でより多くのインクを吸収することが可能となり、鮮明な画像を形成し得る薄い転写層が得られる。更に、このように転写層厚を薄くすることは、画像の転写がより容易になるだけではなく、布帛等に転写した場合には、転写後における画像の風合いも柔らかくなるので、より好ましい転写物が得られる。本発明においては、特に、転写層の形成材料として、ナイロン6のモノマーとナイロン12のモノマーとの共重合体からなる熱可塑性樹脂微粒子を使用することが好ましい。該微粒子を用いた場合には、染料の発色が良好となり、より鮮明な画像を得ることができる。
【0032】
更に、本発明で用いる熱可塑性樹脂微粒子としては、汎用のインクジェットプリンタで画像を形成した後、家庭等において手軽に転写ができるように、家庭用のアイロン等で充分に溶融し、布帛上に転写することができるような材料を用いることが好ましい。この点から、本発明で使用する熱可塑性樹脂微粒子の融点は70℃〜200℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは80℃〜180℃の範囲のもの、更に好ましくは100℃〜150℃の範囲のものが好適である。即ち、70℃よりも融点が低いと、物流時又は保管時の条件によっては、微粒子が連続被膜化してしまう恐れがある。又、塗工後の乾燥温度は微粒子の融点以下で行う必要があるため、製造効率の点からも70℃以上の樹脂を使用することが好ましい。一方、融点が200℃よりも高いと、転写する際に高いエネルギーを必要とし、手軽に布帛やフイルム等の被転写材上に転写画像を形成することが困難となる。
【0033】
更に、本発明においては、転写層の布帛への密着性を考慮し、熱溶融粘度の低い熱可塑性樹脂微粒子を用いることが好ましい。熱溶融粘度の高い樹脂を用いると、転写層と布帛との密着性が悪くなり、被膜化した転写層が剥がれ易くなる。これに対し、熱溶融粘度が低い材料を用いると、転写層が布帛の繊維間に入り込み易くなり、布帛が伸縮しても下地の繊維の色が見えることがなく、良好な転写画像が得られる。
【0034】
本発明においては、転写層を形成する熱可塑性樹脂微粒子と熱可塑性樹脂結着剤との重量比率を、1/2〜50/1の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、1/2〜20/1の範囲、更に好ましくは、1/2〜15/1の範囲とする。即ち、熱可塑性樹脂微粒子の割合が多過ぎると、微粒子同士又は微粒子と離型層との接着が充分でなくなり、転写前において、充分な強度をもつ転写層を形成することが困難になる。一方、熱可塑性樹脂微粒子の割合が少な過ぎると、インク吸収性及び画像の鮮明性に優れた画像を形成し得る転写層が得られ難い。
【0035】
次に、上記した熱可塑性樹脂の微粒子及び結着剤に添加して転写層を転写後の布帛に強度と柔軟性を付与し、転写布帛等に優れた風合いを与える可塑剤について説明する。好ましい可塑剤としては、例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、燐酸トリブチル、燐酸トリフェニル等の燐酸エステル、アジピン酸オクチル、アジピン酸イソノニル等のアジピン酸エステル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸エステル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチルヘキシル、フマル酸ジブチル、トリメリット酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ステアリン系可塑剤、塩化パラフィン、トルエンスルホンアミド及びその誘導体、p−オキシ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
【0036】
次に、上記材料からなる転写層に加える弗素系界面活性剤について説明する。好ましい弗素系界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル(C2〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキル(C7〜C13)カルボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸塩(Li、K、Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル及びパーフルオロアルキルベタイン等が挙げられる。
【0037】
次に転写層に用いることが好ましいカチオン性樹脂について説明する。前述したように、カチオン性樹脂は、インク中の染料を水に不溶化する目的で添加する。カチオン性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の樹脂のカチオン化変性物、アリルアミン、ジアリルアミン、アリルスルホン、ジメチルアリルスルホン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等のアミン系モノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、メチルエチルアミノスチレン、N−メチルアクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリルアミド、及びその4級化化合物等、側鎖に1〜3級アミン、或いは4級アンモニウム塩基を有するアクリルモノマーの重合物及び共重合物、ジシアンアミド等、主鎖に1〜3級アミン或いは4級アンモニウム塩基を有する樹脂等が挙げられる。
【0038】
更に、上記したカチオン性樹脂と共に転写層中に用いることが好ましい無機粒子について説明する。本発明で使用する無機粒子としては、多孔性でインク吸収性を有するものであればよく、具体的には、シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシム、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレイ、タルク、(塩基性)炭酸マグネシウム等が挙げられる。
【0039】
これらの中で染着性の高い材料を用いれば、より布帛表面部分で染料が定着するので好ましい。又、この際に、より空隙率の高い材料を用いれば、転写層のインク吸収性も高くなり、より鮮明な画像を得ることができる。本発明において用いる無機粒子の粒径としては、先に説明した熱可塑性樹脂微粒子の粒径に、できるだけ近いものが好ましい。これは、粒径が異なる粒子を添加すると、大きい方の粒子の粒子間に小さい方の粒子が充填され、結果として転写層中の空隙率を下げる結果となるためである。
【0040】
上記のような形成材料によって形成される転写層の膜厚は、好ましくは10〜150μm、より好ましくは30〜120μm、更に好ましくは40〜100μmの範囲である。膜厚があまり厚過ぎると、布帛等の被転写材に転写した場合に、柔軟性を有する転写画像が得られない。一方、膜厚が薄過ぎると、形成される転写画像が、画像品位に劣るものであったり、堅牢性に劣るものとなる。
【0041】
本発明のインクジェット用熱転写媒体における転写層中には、インクの浸透性を改良する目的で、前記弗素系界面活性剤以外の界面活性剤を含有させることもできる。即ち、転写層中に界面活性剤を添加すると、粒子表面の濡れ性がよくなり、水系インクの浸透性が高くなる。本発明で使用する界面活性剤としては、一般に使用されているノニオン系の界面活性剤を使用することができ、より具体的には、エーテル型、エステル型、エーテル・エステル型、含窒素型等の界面活性剤を使用することができる。
【0042】
本発明のインクジェット記録用転写媒体の転写層の別の態様として、先に説明した転写層を2層構成とし、転写層と離型層との間に皮膜層を設ける場合について以下説明する。このような態様とすることにより、離型層と転写層の密着性を高くすることができるので、プリンタ内を搬送される場合等において生じる転写層が離型層から剥がれる等の問題が、より改良される。又、転写後においても、皮膜層が最表面に設けられるので、色材が露出することなく隠蔽された状態となり、更に、転写層を良好に布帛に固着させることができるため、より高い堅牢性が得られる。皮膜層の形成材料としては、熱可塑性樹脂結着剤として用いた材料と同一のものを用いるとよい。又、皮膜層の厚さは、転写層よりも薄くし、1〜50μm程度とすることが好ましい。
【0043】
上記した構成を有する転写層と共に本発明のインクジェット記録用転写媒体を構成する離型層は、布帛やフイルム等の被転写材へ転写層を転写する転写時に、転写層と支持体との剥離性を高める効果を持つ。
離型層の形成材料としては、熱溶融性材料として、例えば、カルナウバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カスターワックス等のワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、バルミチン酸亜鉛、メチルヒドロキシステアレート、グリセロールモノヒドロキシステアレート、グリセロールモノヒドロキシステアレート等の高級脂肪酸或いはその金属塩、エステル等の誘導体、ポリアミド系樹脂、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペン系樹脂、ノボラック系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、酸化ポリオレフィン等のオレフィン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等が挙げられる。又、この他に、シリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂、フルオロオレフィンビニルエーテルターポリマー、パーフルオロエポキシ樹脂、パーフルオロアルキル基を側鎖に持つ熱硬化型アクリル樹脂、フッ化ビニリデン系硬化型樹脂等も用いられる。
【0044】
本発明のインクジェット記録用転写媒体は、上記したような材料からなる離型層を支持体上に形成するが、本発明で使用する支持体としては、プリンタでの搬送が可能で、熱転写に対して必要な耐熱性を有していれば、いずれの支持体でも使用できる。具体的には、ポリエステル、ジアセテート、トリアセテート、アクリル系ポリマー、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、セロハン、セルロイド等のフイルム、紙、又、各種繊維からなる布帛や不織布が挙げられる。本発明のインクジェット記録用転写媒体は、布帛や不織布のように柔軟性のある支持体に対しても、或いは被転写体が曲面を有するフイルム状であっても、被転写体の形に転写媒体の形を適宜に合わせることができるので、これらの平面以外の形状のものへも良好な転写が可能となる。
【0045】
これらの支持体上に離型層及び転写層を形成する方法としては、上述の好適な離型層用及び転写層用材料を、適当な溶剤に溶解又は分散させて塗工液を調製し、該塗工液を支持体上に塗工する方法、これらの材料でフイルムを形成して支持体にラミネートする方法、押し出し成型する方法等が挙げられる。塗工方法としては、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、シムサイザー法、スプレーコート法、グラビアコート法、カーテンコーター法等がある。
【0046】
以上の様な本発明のインクジェット記録用転写媒体は、インクジェット記録装置に装填され、インクジェット記録方法により転写層に向けてインクが吐出・飛翔されて転写層にインク画像が形成され、この画像を布帛やフィルム等の被転写材に転写し、被転写材上に転写画像を形成する際の中間転写媒体として使用される。布帛への画像の転写方法としては、例えば、画像を形成した本発明の転写媒体の転写層側に布帛の被転写部分を重ね、布帛側又は基材側から、汎用の家庭用アイロン等を用いて加熱及び加圧することによって布帛に転写層を転写する。この結果、色むらのない鮮明な高品位画像が布帛上に形成される。又、布帛上に転写された画像は、洗濯した場合に転写層が剥れにくく、従来のものと比較して格段に洗濯堅牢性等の堅牢性に優れる。
【0047】
本発明において、転写の際の加熱及び加圧条件としては特に限定されないが、転写層の形成材料によって最適な条件を適宜選択するのが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂微粒子や熱可塑性樹脂結着剤の融点、布帛の耐熱性等を考慮して最適な条件を決定する。
又、インクジェットプリンタは市販の汎用プリンタをそのまま使用することができる。又、用いる色材も特に限定されるものではなく、従来公知のアニオン系の色材を用いることができ、特に布帛の材料に合わせて色材を変える必要はない。
【0048】
又、本発明のインクジェット記録用転写媒体を使用して画像を形成する対象となる材料としては、布帛やフィルム等が挙げられ、特に、布帛が好適に用いられる。その際、布帛を構成する材料としては、特に限定されるものではなく綿、麻、絹、羊毛、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリル、アセテート、トリアセテート、ポリウレタン等、及びこれらの混紡の繊維が挙げられる。又、この布帛は、織物、編物、不織布等のいずれの形態でも使用することができる。
【0049】
【実施例】
次に、実施例及び参考例を挙げて本発明を具体的に説明する。
以下の表1に、実施例及び参考例に使用した材料の詳細を示す。先ず、これらのうちのa〜eの材料を使用し、表2に示したように夫々組み合わせて、よく混合して塗工液A〜Eを作成した。表2中の部は、各材料の固形分比率を示す。
次に、この塗工液A〜Eを表3の条件にて支持体f上にバーコータ法でコーティングし、実施例1及び2、参考例1〜3の転写媒体を得た。表3中の厚さは、乾燥膜厚である。
【0050】
【0051】
表2:塗工液組成
【0052】
【0053】
以上のように作成した実施例及び参考例の転写媒体にインクジェットカラープリンタBJC−600J(商品名 キヤノン(株)製)を用いて、バックプリントフイルムモード(鏡像印字モード)で印刷を行った。画像は、200%デューティーのグリーンのベタパッチを用いた。ここで、200%デューティーとは、360dpi×360dpiの全てのドットにイエロー及びシアンのドットを1ドットずつ合計2ドット形成した場合をいう。又、上記で用いた転写媒体としては、作製した直後のものと、60℃/50%の環境下で10日間保存したものとを使用した。
上記のようにして転写層に画像を形成した後、綿100%のTシャツ地に、上記で印刷した転写媒体の転写層側をTシャツ地側に合わせて積層し、支持体側からホットプレス機を用いて190℃程度で転写を行った。次に、このようにして作成した転写画像の画質及び洗濯堅牢性について評価を行い、評価結果を表4に記した。
【0054】
「評価項目」
(1)画質
Tシャツ上に得られた夫々の転写画像について、目視で観察して下記の評価基準で評価した。評価結果を表4に示した。
○…ベタ部が均一で色むらがなかった。
×…ベタ部の色むらが目立った。
【0055】
(2)洗濯堅牢性
上記で作成した転写画像を有するTシャツを夫々洗濯機に入れて洗濯し、洗濯後の転写層の状態を目視で観察して下記の評価基準で評価した。評価結果を表4に示した。
○…転写層の剥れがなかった。
×…転写層の一部に剥れがあった。
【0056】
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、可塑剤を含む転写層を有する転写媒体に特定範囲の弗素系界面活性剤を包含させておくことにより、転写媒体を高温、高湿度下に長期保存(或いは放置)しても、インクによる画像形成時にむらが生じることがなく高品位画像の形成が可能なインクジェット記録用転写媒体を提供することができる。
又、本発明の好ましい実施の形態によれば、インク吸収性が高く、高濃度で鮮明性の高い転写画像を形成することが可能で、更に、布帛やフイルム等の各種被転写材上に、堅牢性に優れた転写画像を形成することが可能なインクジェット記録用転写媒体が提供される。
又、本発明によれば、汎用のインクジェットプリンタを利用して手軽に、布帛やフイルム等の各種被転写材に、洗濯堅牢性等の堅牢性に優れた高品位画像を形成することが可能なインクジェット記録用転写媒体が提供される。
Claims (7)
- 支持体上に離型層と、熱によって転写される転写層とが設けられてなるインクジェット記録用転写媒体において、上記転写層が、非水溶性熱可塑性樹脂微粒子、非水溶性熱可塑性樹脂結着剤及びこれらの材料の少なくとも一方に対する可塑剤を含み、且つ転写層の構成材料中に1.0重量%〜5.0重量%の弗素系界面活性剤を含む(但し、転写層の構成材料中にカチオン性樹脂及び無機微粒子の両方を含む場合を除く)ことを特徴とするインクジェット記録用転写媒体。
- 前記非水溶性熱可塑性樹脂微粒子が多孔性である請求項1に記載のインクジェット記録用転写媒体。
- 前記転写層が多孔質層である請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用転写媒体。
- 前記非水溶性熱可塑性樹脂微粒子が、ナイロン6のモノマーとナイロン12のモノマーとの共重合体である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用転写媒体。
- 前記転写層と前記離型層との間に皮膜層を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用転写媒体。
- 前記転写層と前記皮膜層に、同一の非水溶性熱可塑性樹脂が含まれている請求項5に記載のインクジェット記録用転写媒体。
- 離型層を介して支持体上に設けられた転写層を有してなるインクジェット記録用転写媒体の転写層にインクジェット記録方法によってインクを吐出させて画像を形成し、該画像が形成されている転写層側に布帛を積層して布帛側又は支持体側から加熱及び加圧することによって転写層を布帛に転写し、布帛上に画像を形成する画像転写物の製造方法において、上記インクジェット記録用転写媒体が、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用転写媒体であることを特徴とする画像転写物の製造方法。
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