JP7134840B2 - 樹脂組成物及び防曇フィルム - Google Patents
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Description
<1>ポリビニルピロリドンと、ポリオール樹脂と、メラミン系架橋剤とを含有する、樹脂組成物。
<2>上記ポリオール樹脂が、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群から選択される少なくとも1つのポリオール樹脂を含んでいる、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>上記ポリエステルポリオールが、ポリカプロラクトンポリオールである、<2>に記載の樹脂組成物。
<4>さらにイソシアネート系架橋剤を含有している、<1>~<3>の何れかに記載の樹脂組成物。
<5>上記イソシアネート系架橋剤が、脂環式イソシアネート由来の架橋剤である、<4>に記載の樹脂組成物。
<6>基材フィルムと、当該基材フィルムに形成されてなる防曇層とを備え、当該防曇層は、<1>~<5>の何れかに記載の樹脂組成物から形成されてなる、防曇フィルム。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、ポリビニルピロリドンと、メラミン系架橋剤とを含有する。
ポリビニルピロリドンは、樹脂組成物によって形成される被膜の防曇性に寄与する水溶性高分子である。
ポリオール樹脂は、後述する架橋剤と反応する樹脂であり、該架橋剤と反応する官能基として水酸基を有している。ポリオール樹脂1分子が有している水酸基の数は2~6個であることが好ましく、2~4個であることがより好ましい。ポリオール樹脂は、典型的には、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールからなる群から選択される少なくとも1つのポリオール樹脂である。ここで、ポリエステルポリオールは、ポリカプロラクトンポリオールであることがより好ましい。本発明の樹脂組成物は、ポリエステルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールと、ポリビニルピロリドンとを配合することによって、熱による防曇性の低下を抑制でき、ヘイズ値が低い被膜を形成できる。
架橋剤は、ポリオール樹脂が有している水酸基と反応する官能基を有している化合物である。
本発明に係る樹脂組成物には、典型的には、メラミン系架橋剤が用いられる。ポリビニルピロリドンの存在下、ポリオール樹脂とメラミン系架橋剤を反応させることによって、樹脂組成物により形成される被膜に高い防曇性と、高い耐水性とを付与できる。このような効果は、メラミン系架橋剤が、ポリオール樹脂と反応して架橋しつつ、メラミン系架橋剤同士も架橋し、さらにはメラミン系架橋剤がポリビニルピロリドンのカルボニル部分と疑似架橋することによってもたらされると推察される。
また、メラミン系架橋剤は、以下の一般式(IV)によっても表される。
また、メラミン系架橋剤は、以下の一般式(V)によっても表される。
一般式(I)~(V)によって表される化合物のうち、メラミン系架橋剤は、好ましくは、ニカラック(登録商標)MS-11、及びMS-001(共に日本カーバイド工業株式会社製)、並びに、マイコート715(日本サイテックインダストリーズ株式会社製)等が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物には、メラミン系架橋剤と併せて、イソシアネート系架橋剤を用いてもよい。イソシアネート系架橋剤を用いることによって、樹脂組成物によって形成される被膜の防曇性が熱により低下することを抑制できる。このような効果は、イソシアネート系架橋剤とポリオール樹脂とが反応して架橋しつつ、この架橋によって形成されたウレタン結合及びアロファネート結合等が、ポリビニルピロリドンのカルボニル部分に疑似架橋することによってもたらされると推察される。
本発明に係る樹脂組成物には、メラミン系架橋剤と併せて、ベンゾグアナミン系架橋剤を用いてもよい。ベンゾグアナミン系架橋剤としては、例えば、ベンゾグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化ベンゾグアナミン誘導体、メチロール化ベンゾグアナミンに低級アルコールを反応させて部分的もしくは完全にエーテル化した化合物、または、これらの混合物などを用いられる。また、ベンゾグアナミン系架橋剤としては単量体または2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでも良く、これらの混合物でもよい。より具体的にはブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物には、メラミン系架橋剤と併せて、尿素系架橋剤を用いてもよい。尿素系架橋剤としては、例えば、尿素とホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化尿素誘導体、メチロール化尿素に低級アルコールを反応させて部分的もしくは完全にエーテル化した化合物、または、これらの混合物などを用いられる。また、尿素系架橋剤としては単量体または2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでも良く、これらの混合物でもよい。より具体的にはブチル化尿素樹脂、メチロール化尿素樹脂等が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物には、メラミン系架橋剤と併せて、オルガノシラン系架橋剤を用いてもよい。オルガノシラン系架橋剤には、例えば、アルコキシ基、塩素などのハロゲン、及び水素等の加水分解性基と、アルキル基及びフェニル基などの置換基とを備えたオルガノシラン等が挙げられる。オルガノシラン系架橋剤には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルハイドロジェンシロキサン等のオルガノシラン、並びにこれらオルガノシランのアルコキシオリゴマー、ヘキサメチルジシラザンなどのシラザン、その他、シリコーン第4級アンモニウム塩などを挙げることがでる。また、オルガノシラン系架橋剤には、アルコキシ基、塩素などのハロゲン、及び水素等の加水分解性基と、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシキ基、アクリロキシ基、スチリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド、及びイソシアネート基などの官能基との両方を備えた、所謂シランカップリング剤を使用できる。このような、オルガノシラン系架橋剤は、例えば、信越化学工業株式会社などから入手できる。
本発明に係る樹脂組成物には、メラミン系架橋剤と併せて、金属キレート系架橋剤を用いてもよい。金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウムキレート系架橋剤、ジルコニウムキレート系架橋剤、チタンキレート系架橋剤、クロムキレート系架橋剤、コバルトキレート系架橋剤、銅キレート系架橋剤、鉄キレート系架橋剤、ニッケルキレート系架橋剤、バナジウムキレート系架橋剤、亜鉛キレート系架橋剤、インジウムキレート系架橋剤、カルシウムキレート系架橋剤、マグネシウムキレート系架橋剤、マンガンキレート系架橋剤、イットリウムキレート系架橋剤、セリウムキレート系架橋剤、ストロンチウムキレート系架橋剤、バリウムキレート系架橋剤、モリブデンキレート系架橋剤、ランタンキレート系架橋剤、スズキレート系架橋剤などが用いられ、好ましくはアルミニウムキレート系架橋剤、ジルコニウムキレート系架橋剤、チタンキレート系架橋剤である。さらに好ましくはアルミニウムキレート系架橋剤である。これら、金属キレート系架橋剤は、イソシアネート系架橋剤及びオルガノシラン系架橋剤の硬化促進剤としても作用し得る。
本発明に係る樹脂組成物には、メラミン系架橋剤と併せて、エポキシ系架橋剤を用いてもよい。エポキシ系架橋剤としては、トリグリシジルイソシアヌレート、フェノールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類および/またはα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換または非置換のビフェノールのグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類および/またはナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルとから合成されるフェノール・アラルキル樹脂やナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂等のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロロヒドリンとの反応より得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、硫黄原子を含むエポキシ樹脂、オレフィン結合を過酸化物で酸化して得られる脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、または、これらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物には、メラミン系架橋剤と併せて、酸無水物系架橋剤を用いてもよい。酸無水物系架橋剤としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3-メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸、4-メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸等が挙げられる。
樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤(触媒)を添加してもよい。硬化促進剤は、架橋剤の種類に応じて適宜選択すればよく、メラミン系架橋剤に対しては、例えば、イミダゾール類、4級アンモニウム塩類、リン化合物類、アミン類、ホスフィン類、ホスホニウム塩類、双環式アミジン類、及びそれらの塩類等が挙げられ、リン化合物類として、ポリリン酸エステルを好ましく用いられる。これら硬化促進剤のなかでも、リン化合物類を使用することで、熱、光に対する黄変を軽減できる。特にポリリン酸エステルは酸が残っているため、他リン化合物より縮合を促進できる。また、イソシアネート系架橋剤に対しては、ルイス酸が好ましく、特に金属アルコキシド、金属塩等が好ましい。具体的な例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、チタンテトライソプロポキシド、チタニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート等が用いられる。これら硬化促進剤は、2種以上を併用してもよい。その他、オルガノシラン系架橋剤やエポキシ系架橋剤には、例えば、上述のルイス酸、及び、酸、アミン類などのアルカリ等が硬化促進剤として用いられる。
樹脂組成物は、ポリビニルピロリドン、ポリオール樹脂及び架橋剤を始めとする材料を溶解する溶媒を含んでいることがより好ましい。溶媒は、これらの材料を溶解できれば特に限定されるものではなく、一般的なコーティング剤に用いられる溶媒であることがより好ましい。溶媒は、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、及びケトン系溶媒等が挙げられる。ここで、アルコール系溶媒には、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール(IPA)、1-ブタノール、2-ブタノール、1-アミルアルコール等のモノアルキルアルコールなどが挙げられる。また、エーテル系溶媒には、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサンなどが挙げられる。また、エステル系溶媒には、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-1-プロピル、酢酸-2-プロピル、酢酸ブチル、及び酢酸アミル等の酢酸エステル、γ-ブチロラクトン等の環状ポリエステル、及び、エチレングリコール、プロピレングリコール等の二価アルキルアルコールの単量体又は2量体のモノアルキルエステル、若しくは、二価アルキルアルコールの単量体又は2量体のモノアルキルエーテルのアルキルエステル等が挙げられる。また、ケトン系溶媒には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノン等が挙げられる。その他、溶媒には、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒、塩素系溶媒、ヘキサン及びシクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン及びキシレン等の芳香族系炭化水素、並びに石油系炭化水素等が挙げられる。これら溶媒は、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、及び粘度調整剤等の添加剤、並びに、着色剤、有機顔料及び無機顔料等を含んでいてもよい。
本発明の一態様に係る防曇フィルムは、フィルムと、当該フィルムに形成されてなる防曇層とを備え、当該防曇層は、本発明の一態様に係る樹脂組成物から形成されてなる。また、防曇フィルムにおける防曇層が形成されている面の裏面には、防曇フィルムを基材に貼り付けるための接着剤層が形成されていてもよい。
防曇層は、フィルムの表面上に形成されている。防曇層は、前述の樹脂組成物の架橋反応生成物で構成されている。当該架橋反応生成物は、架橋剤とポリオールとの化学結合による三次元網目構造の分子構造を有している。当該防曇層は、前述の樹脂組成物を、公知の方法によって塗膜とすることで製造できる。防曇層の膜厚は、2~60μmの範囲内であることが好ましく、10~50μmの範囲内であることがより好ましい。防曇層の膜厚は、2~60μmの範囲内において、厚くなるほどに防曇性が高くなり、薄くなるほどに透明性が高くなる。特に、10~50μmの範囲内であることによって、高い防曇性と、高い透明性とを備えた防曇層を形成できる。
フィルムは、限定されるものではないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、アクリルフィルム、塩ビフィルム、ポリカーボネートフィルム及びウレタンフィルム等が用いられる。なお、これらのフィルムの表面には、防曇層を形成するための樹脂組成物、及び接着剤層を形成するための接着剤組成物の濡れ性を高めるために、例えば、例えば、コロナ放電やプライマー層のコーティング等の易接着処理が施されていることが好ましい。
接着剤層は、防曇フィルムを基材に貼り付けるための層であって、接着剤組成物を塗工または接着剤層をラミネートすることによってフィルムの表面に形成される。
[樹脂組成物の調製]
実施例1の樹脂組成物を次のようにして調製した。まず、ピッツコール(登録商標)K-90(第一工業株式会社製,ポリビニルピロリドン(PVP))をPVPの濃度が25重量%になるようにイソプロピルアルコール(IPA)に溶解することでPVP溶液を得た。次いで、当該PVP溶液に含まれる60質量部のPVPに対し、40質量部になるようにプラクセル(登録商標)205(株式会社ダイセル製,ポリカプロラクトンジオール)を溶解した。引き続き、40質量部のプラクセル 205に対して、架橋剤として50.29重量部のニカラック(登録商標)MS-11(日本カーバイド工業株式会社製,メチロールメラミン)を溶解し、さらに触媒としCT-5(株式会社トクシキ製,ポリリン酸エステル,5%濃度品)を1.50質量部添加し、さらにテトラヒドロフラン(THF)を添加することで固形分濃度を30重量%に調製することで、実施例1のコーティング剤(樹脂組成物)を得た。
基材として両面易接着処理PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャインA4300」)上に、アプリケーターを用いて樹脂組成物を、防曇層の膜厚が22μmになるように塗工した。その後、熱風乾燥器を用いて150℃の環境で3分間の加熱乾燥を行い、25℃の環境下でコーティング塗膜に保護フィルム(フタムラ化学株式会社製、商品名「太閤ポリプロピレンFSM-020B」)をラミネートした。次に、ラミネートしたフィルムを、熱風乾燥器を用いて60℃の環境下で3日間養生した。
防曇フィルムにおける防曇層の膜厚は、ダイヤルゲージ(株式会社テクロック製、PG-02)で測定した。
全光線透過率(%)は、防曇フィルムを厚さ3mmのガラス板に貼付け、保護フィルムを剥離した状態で、ヘイズメーター(日本電飾工業株式会社製、NDH-2000)を用いて測定した。
ヘイズの測定は、全光線透過率(%)の測定と同じく、防曇フィルムを厚さ3mmのガラス板に貼付け、保護フィルムを剥離した状態で、ヘイズメーター(日本電飾工業株式会社製、NDH-2000)を用いて測定した。
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板の両面に貼付け、0℃の環境下に30分間放置した後、23℃/50%RHで呼気を吹きかけ、曇るか否かを評価した。曇りの有無の判断は、フォントサイズ6ポイントの文字を黒字印刷した白色紙面と、呼気を吹きかけた防曇フィルムの表面とが約1cm離れた位置にガラス板を保持し、目視にて6ポイントの「ひらがな」が読めないものを「曇りあり」と認定し、読めるものを「曇りなし」として評価した。
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板に貼付け、23℃/50%RHの環境下に24時間放置した後、23℃/50%RHの環境下、防曇フィルム側を40℃のお湯を張ったウォーターバスに向け、防曇フィルムの表面と水面とが約1cm離れた位置にガラス板を保持し、防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間を測定した。曇るまでの時間は、フォントサイズ6ポイントの文字を黒字印刷した白色フィルムを水中に沈め、白色フィルムと防曇フィルムとの距離が7cmの位置でガラス板を保持し、目視にて6ポイントの「ひらがな」が読めなくなるまでとした。
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板に貼付け、100℃の環境下に1000時間放置した後、23℃/50%RHの環境下に1週間放置した。その後、上述の高温防曇性の評価と同様に防曇性を評価し、耐熱試験後の防曇性の評価とした。
T1/T0×100 =変化率(%)
T0:高温防曇性の評価における防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間
T1:耐熱試験後の防曇性の評価における防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間
[耐熱性]
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板に貼付け、100℃の環境下に1000時間放置する前と放置後との色差Δb*値をコニカミノルタ製測色機CM-3600dで測色し、耐熱黄変性の評価とした。
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板に貼付け、40℃の温水に168時間浸漬させた後、23℃/50%RHにて1週間放置した。その後、上述の高温防曇性の評価と同様に防曇性を評価し、耐水試験後の防曇性の評価とした。
T2/T0×100 =変化率(%)
T0:高温防曇性の評価における防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間
T2:耐水性試験後の防曇性の評価における防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間
[耐摩耗性の評価]
防曇フィルムをガラス板に貼り付けた状態において、防曇フィルムの鉛筆引硬度を、鉛筆引っかき硬度試験機(株式会社安田精機製作所製,No.12944シリーズNo553)、三菱UNI鉛筆6B~9Hを用い、JIS K5600に準拠して測定した。
ピッツコール(登録商標)(第一工業製薬製)
ピッツコール K-30:Mw45000
ピッツコール K-50:Mw250000
ピッツコール K-90:Mw120万
(ポリオール樹脂)
プラクセル(登録商標)(株式会社ダイセル製)
プラクセル 205:ポリカプロラクトンジオール
Mn530,Tg10℃以下,水酸基価212KOHmg/g
プラクセル 320:ポリカプロラクトントリオール
Mn2000,Tg20℃以上,水酸基価85KOHmg/g
(架橋剤)
ニカラック(登録商標)MS-11:
メチロールメラミン(日本カーバイド工業株式会社製)
デュラネート(登録商標)D-201(旭化成株式会社製):
HDI系プレポリマー,2官能型,NCO% 16.1%
タケネート(登録商標)(三井化学株式会社製)
タケネート D120N:水添XDITMPアダクト,濃度75%,NCO% 11.0%
タケネート D140N:IPDIイソシアヌレート,濃度75%,NCO% 10.0%
KMB-22:ジメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)
(触媒)
CT-5:ポリリン酸エステル,濃度5%(株式会社トクシキ製)
表1に実施例1~9及び比較例1の樹脂組成物の組成、及び、各樹脂組成物を用いて作製された防曇フィルムの評価結果を示す。
Claims (6)
- ポリビニルピロリドンと
ポリオール樹脂と、
メラミン系架橋剤とを含有する、樹脂組成物であって、
上記樹脂組成物における上記ポリビニルピロリドンの含有量は、上記ポリビニルピロリドンと上記ポリオール樹脂との合計100質量部に対して、15~80質量部の範囲内であり、
上記ポリオール樹脂が有する水酸基に対し、上記メラミン系架橋剤が有するメチロール基が0.3~3.3当量の範囲内である、樹脂組成物。 - 上記ポリオール樹脂が、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群から選択される少なくとも1つのポリオール樹脂を含んでいる、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 上記ポリエステルポリオールが、ポリカプロラクトンポリオールである、請求項2に記載の樹脂組成物。
- さらにイソシアネート系架橋剤を含有している、請求項1~3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
- 上記イソシアネート系架橋剤が、脂環式イソシアネート由来の架橋剤である、請求項4に記載の樹脂組成物。
- フィルムと、当該フィルムに形成されてなる防曇層とを備え、当該防曇層は、請求項1~5の何れか1項に記載の樹脂組成物から形成されてなる、防曇フィルム。
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