JP4389314B2 - 被覆成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性、ガスバリア性、平滑性等に優れた硬化物層を有する被覆成形品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無機ガラス、金属又は不透明合成樹脂からなる基材の表面に新たな機能を付与するために、耐擦傷性膜、ガスバリア膜、アルカリバリア膜、紫外線吸収膜、帯電防止膜、防曇膜、平滑性付与膜、導電膜、防汚膜、防錆膜等の機能性を有する膜を積層することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記機能性を有する膜が有機系の膜の場合には、耐擦傷性能、耐薬品性、平滑性等が不充分であり、無機系の膜の場合には、耐擦傷性能、耐薬品性、平滑性等をある程度付与できるが、機能性を付与する機能性配合剤等の溶解性が不充分であり、膜厚によってはクラックが発生しやすい等の問題がある。
【0004】
したがって、本発明の目的は、無機ガラス表面の少なくとも一部に耐擦傷性、耐候性、耐薬品性、ガスバリア性、平滑性等に優れた硬化物層を有する被覆成形品及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、無機ガラス表面に、基材側から活性エネルギ線(特に紫外線)硬化性被覆組成物の硬化物からなる内層と、その内層に接するポリシラザンを含む硬化性被覆組成物の硬化物からなる最外層の2層以上からなる硬化物層を形成することにより、耐擦傷性、耐薬品性、平滑性等に優れ、クラックの発生しにくい被覆成形品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第1は、無機ガラスからなる基材と、基材表面の少なくとも一部に形成された2層以上の硬化物層を有する被覆成形品であって、硬化物層のうち、最外層に接する内層が下記被覆組成物(A)の硬化物である耐磨耗性の層であり、前記最外層が下記被覆組成物(B)の硬化物の層であることを特徴とする被覆成形品である。
【0007】
被覆組成物(A):活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)と、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤及び帯電防止剤及からなる群から選ばれる1種以上の機能性配合剤とを含む硬化性被覆組成物。
被覆組成物(B):ポリシラザン(b)を含む硬化性被覆組成物。
【0008】
本発明の第2は、上記被覆成形品を製造する方法において、前記基材の表面に前記被覆組成物(A)の未硬化物、部分硬化物もしくは硬化物の層を形成し、更にその表面に前記被覆組成物(B)の未硬化物もしくは部分硬化物の層を形成し、次いで活性エネルギ線を照射することにより前記被覆組成物(A)の硬化と前記被覆組成物(B)の硬化を任意の順で、又は同時に行うことを特徴とする被覆成形品の製造方法である。
【0009】
本発明の第3は、上記被覆成形品の製造方法において、前記被覆組成物(B)の硬化を、水又は硬化触媒溶液の蒸気雰囲気下に曝す、又は常温に放置することで行う被覆成形品の製造方法である。
【0010】
本発明によれば、無機ガラスからなる基材表面の少なくとも一部に2層以上の硬化物層が形成され、その硬化物層のうち、最外層に接する内層は、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)(以下、多官能性化合物(a)という)と、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤及び帯電防止剤及からなる群から選ばれる1種以上の機能性配合剤とを含む硬化性被覆組成物(被覆組成物(A))の硬化物の層からなるため、ポリシラザン(b)を含む硬化性被覆組成物(被覆組成物(B))の硬化物の層からなる最外層と高い密着性を有すると共に、基材とも高い密着性を有する。このため、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性、ガスバリア性、平滑性等に優れた硬化物層を有する被覆成形品が得られる。
【0011】
本発明の被覆成形品は、例えば、コピー機、印刷機等の紙送りロール等に好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
I)基材
本発明では基材として無機ガラスを用いる。
【0013】
無機ガラスとしては、例えば、表面にシランカップリング剤等のプライマが塗布されたものや、表面に導電性薄膜又は着色薄膜等の機能性薄膜が塗工されたものも含む。
【0016】
本発明においては、上記基材と内層との間には、基材と内層の密着性を向上させるために、熱可塑性樹脂の層や接着剤層等のプライマ層が存在していてもよい。上記プライマ層は、基材及び内層の両方に密着性を有するものが好ましく、このようなプライマ層が存在することにより、内層の耐磨耗性をさらに高めることができる。
【0017】
II)被覆組成物(A)
以下、本願明細書では、アクリロイル基及びメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリロイル基という。また、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート等の表現も同様とする。
【0018】
本発明の被覆成形品においては、最外層と基材の両方に高い密着性を有し、かつ、高い耐磨耗性を有する内層を得るために、被覆組成物(A)には以下に説明する多官能性化合物(a)が含まれる。
【0019】
(1)多官能性化合物(a)
多官能性化合物(a)における活性エネルギ線硬化性の重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のα,β−不飽和基及びそれらを有する基等が挙げられるが、中でも(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、紫外線によってより重合しやすいアクリロイル基であることが特に好ましい。
【0020】
また、多官能性化合物(a)は、1分子中に2種以上の重合性官能基を合計2個以上有する化合物であってもよく、同じ重合性官能基を合計2個以上有する化合物であってもよい。そして、多官能性化合物(a)1分子中における重合性官能基の数は2個以上であればよく、その上限は特に限定されないが、通常は2〜50個が好ましく、特に3〜30個が好ましい。
【0021】
さらに、多官能性化合物(a)は、上記重合性官能基以外に種々の官能基や結合を有していてもよく、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ジオルガノシロキサン結合等を有していてもよい。
【0022】
本発明において、多官能性化合物(a)としては、(メタ)アクリロイル基から選ばれる1種以上の重合性官能基をを2個以上有する化合物であることが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合物、すなわち多価アルコール等の2個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステルが好ましい。
【0023】
特に、ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(以下、アクリルウレタンという)と、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
【0024】
なお、被覆組成物(A)は、多官能性化合物(a)として、1種類の多官能性化合物を含んでいてもよく、複数の種類の多官能性化合物を含んでいてもよい。また、複数の場合、同一範疇の異なる化合物であってもよく、範疇の異なる化合物であってもよい。例えば、それぞれがアクリルウレタンである異なる化合物の組み合わせであってもよく、一方がアクリルウレタン、他方がウレタン結合を有しないアクリル酸エステル化合物である組み合わせであってもよい。
【0025】
(i)アクリルウレタン
アクリルウレタンとしては、例えば、以下の▲1▼〜▲3▼の反応生成物が挙げられる。下記反応生成物においては、イソシアネート基は存在しないことが好ましいが、水酸基は存在してもよい。したがって、これらの反応生成物の製造においては、全反応原料の水酸基の合計モル数はイソシアネート基の合計モル数と等しいか、それより多いことが好ましい。
【0026】
▲1▼(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(X1)(以下、化合物(X1)という)と、2個以上のイソシアネート基を有する化合物(以下、ポリイソシアネートという)との反応生成物。
【0027】
化合物(X1)としては、(メタ)アクリロイル基と水酸基をそれぞれ1個ずつ有する化合物であってもよく、(メタ)アクリロイル基2個以上と水酸基1個を有する化合物、(メタ)アクリロイル基1個と水酸基2個以上を有する化合物、(メタ)アクリロイル基と水酸基をそれぞれ2個以上有する化合物であってもよい。具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0025に記載された化合物が挙げられる。
【0028】
さらに、化合物(X1)としては、エポキシ基を1個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との開環反応生成物であってもよい。エポキシ基と(メタ)アクリル酸との反応によりエポキシ基が開環してエステル結合が生じるとともに水酸基が生じ、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物となる。また、エポキシ基を1個以上有する化合物のエポキシ基を開環させて水酸基含有化合物とし、それを(メタ)アクリル酸エステルに変換することもできる。
【0029】
上記エポキシ基を1個以上有する化合物としては、いわゆるエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシドが好ましい。ポリエポキシドとしては、例えば多価フェノール類−ポリグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル)等のグリシジル基を2個以上有する化合物や脂環族エポキシ化合物が好ましい。さらに、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートと水酸基やカルボキシル基を有する化合物との反応生成物も化合物(X1)として使用できる。エポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートがある。
【0030】
一方、上記ポリイソシアネートとしては、通常の単量体状のポリイソシアネートでもよく、ポリイソシアネートの多量体や変性体、又はイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー等のプレポリマー状の化合物であってもよい。
【0031】
ポリイソシアネートの多量体としては、3量体(イソシアヌレート変性体)、2量体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。また、ポリイソシアネートの変性体としては、トリメチロールプロパン等の多価アルコールで変性して得られるウレタン変性体、ビュレット変性体、アロハネート変性体、ウレア変性体等が挙げられる。さらに、プレポリマー状の化合物としては、後述するポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等のポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは2種以上併用して使用してもよい。
【0032】
単量体状のポリイソシアネートとしては、具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0031に記載された化合物が挙げられる。
【0033】
本発明において、ポリイソシアネートとしては、特に無黄変性ポリイソシアネート(芳香核に直接結合したイソシアネート基を有しないポリイソシアネート)が好ましく、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。また、上記のようにこれらポリイソシアネートの多量体や変性体等も好ましく用いられる。
【0034】
▲2▼前記化合物(X1)と、2個以上の水酸基を有する化合物(X2)(以下、化合物(X2)という)と、ポリイソシアネートとの反応生成物。
上記化合物(X2)としては、多価アルコールや多価アルコールに比較して高分子量のポリオール等が挙げられる。
【0035】
多価アルコールとしては、2〜20個の水酸基を有する多価アルコールが好ましく、特に2〜15個の水酸基を有する多価アルコールが好ましい。なお、多価アルコールは脂肪族の多価アルコールであってもよく、脂環族多価アルコールや芳香核を有する多価アルコールであってもよい。
【0036】
上記芳香核を有する多価アルコールとしては、例えば、多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物や多価フェノール類−ポリグリシジルエーテル等の芳香核を有するポリエポキシドの開環物等が挙げられる。多価アルコールとしては、具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0035に記載された化合物が挙げられる。
【0037】
また、高分子量のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等がある。また、ポリオールとして水酸基含有ビニルポリマーも使用できる。ポリオール及び水酸基含有ビニルポリマーとしては、具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0036〜0037に記載された化合物が挙げられる。
これら多価アルコールやポリオールは2種以上併用することができる。
【0038】
▲3▼(メタ)アクリロイル基とイソシアネートを有する化合物(X3)(以下、化合物(X3)という)と、前記化合物(X2)との反応生成物。
上記化合物(X3)としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】
(ii)ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物
ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、前記化合物(X2)と同様の2個以上の水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸とのポリエステルが好ましい。
【0040】
2個以上の水酸基を有する化合物としては、上述した多価アルコールやポリオールが好ましい。さらに、2個以上のエポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物である(メタ)アクリル酸エステル化合物も好ましい。
【0041】
上記2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、エポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシドがあり、例えば、グリシジルエーテル型ポリエポキシド、脂環型ポリエポキシド等のエポキシ樹脂として市販されているものが使用できる。
【0042】
ウレタン結合を含まない(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、以下の▲1▼〜▲3▼のような化合物が挙げられる。
【0043】
▲1▼脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリレート
具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0039に記載された化合物が挙げられる。
【0044】
▲2▼芳香核又はトリアジン環を有する多価アルコールや多価フェノールの(メタ)アクリレート
具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0040に記載された化合物が挙げられる。
【0045】
▲3▼水酸基含有化合物−アルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、水酸基含有化合物−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンポリオールの(メタ)アクリレート
具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0041に記載されたものが挙げられる。
【0046】
本発明において、被覆組成物(A)の硬化物が充分な耐磨耗性を発揮し得るために、多官能性化合物(a)としては、少なくともその一部、好ましくは30質量%以上、特に好ましくは50質量%以上が、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個以上有する多官能性化合物からなることが好ましい。
【0047】
そして、本発明において、上記多官能性化合物(a)としては、上記(i)の中では、ペンタエリスリトールやその多量体であるポリペンタエリスリトールとポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応生成物であるアクリルウレタン、又はペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートとの反応生成物であるアクリルウレタンであって、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個以上有する多官能性化合物が好ましく、特に活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を4〜20個有する多官能性化合物が好ましい。
【0048】
また、上記(ii)の中では、ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレート、及びイソシアヌレート系ポリ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。なお、ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレートとは、ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を4〜20個有する多官能性化合物)をいい、イソシアヌレート系ポリ(メタ)アクリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート、又はトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート1モルに1〜6モルのカプロラクトンやアルキレンオキシドを付加して得られる付加物と、(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2〜3個有する多官能性化合物)をいう。
【0049】
また、上記好ましい多官能性化合物と他の活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(特に多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート)とを併用してもよい。
【0050】
本発明においては、上記好ましい多官能性化合物を、全多官能性化合物(a)に対して30質量%以上、特に50質量%以上用いることが好ましい。
【0051】
(2)単官能性化合物
本発明において、被覆組成物(A)は、上記多官能性化合物(a)と共に、活性エネルギ線によって重合しうる重合性官能基を1個有する単官能性化合物が含まれていてもよい。この単官能性化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、特にアクリロイル基を有する化合物が好ましい。
【0052】
被覆組成物(A)において、上記単官能性化合物を使用する場合、多官能性化合物(a)とこの単官能性化合物との合計(以下、活性エネルギ線硬化性成分という)に対する該単官能性化合物の割合は、特に限定されないが、60質量%以下が好ましく、特に30質量%以下が好ましい。上記単官能性化合物の割合が多すぎると、硬化塗膜の硬さが低下して耐磨耗性が不充分となるおそれがある。
【0053】
上記単官能性化合物としては、例えば、分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、また、その他に水酸基、エポキシ基等の官能基を有していてもよい。本発明において、好ましく用いられる単官能性化合物は(メタ)アクリル酸エステル、すなわち(メタ)アクリレートであり、具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0049に記載されたものが挙げられる。
【0054】
(3)光重合開始剤
本発明においては、多官能性化合物(a)を活性エネルギ線(特に紫外線)で効率よく硬化させるために、被覆組成物(A)は光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、公知のものを使用できる。特に入手容易な市販のものが好ましい。なお、複数の光重合開始剤を使用してもよい。
【0055】
上記光重合開始剤としては、アリールケトン系光重合開始剤(例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類等)、含イオウ系光重合開始剤(例えば、スルフィド類、チオキサントン類等)、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ジアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始剤が挙げられる。特に、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、又はジアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤の使用が好ましい。具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0081〜0085に記載された化合物が挙げられる。特に、エチル2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、メチル2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、イソプロピル2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、ジメチル2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスホネート、ジエチル2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスホネートが好ましい。また、光重合開始剤はアミン類等の光増感剤と組み合わせて使用することもできる。
【0056】
被覆組成物(A)における上記光重合開始剤の量は、活性エネルギ線硬化性成分100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、特に0.1〜10質量部が好ましい。
【0057】
本発明において、被覆組成物(A)には、上記(1)〜(3)の基本的成分以外に溶剤や種々の機能性配合剤を添加することができる。
【0058】
(4)溶剤
溶剤は通常必須の成分であり、多官能性化合物(a)が特に低粘度の液体でない限り溶剤が使用される。溶剤としては、上記多官能性化合物(a)を硬化成分とする被覆用組成物(A)に通常使用される溶剤を使用できる。基材の種類により適切な溶剤を選択して用いることが好ましく、例えば、低級アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコールモノアセテート等のエステル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等が好ましく挙げられる。なお、基材が耐溶剤性の低い不透明合成樹脂の場合には、低級アルコール類、セロソルブ類、エステル類、又はそれらの混合物等が好ましい。
【0059】
また、溶剤の使用量は必要とする組成物の粘度、目的とする硬化物層の厚さ、乾燥温度条件等により適宜変更できる。
【0060】
本発明において、溶剤は、通常、被覆組成物(A)中の活性エネルギ線硬化性成分に対して質量で100倍以下、好ましくは0.1〜50倍用いられる。
【0061】
(5)機能性配合剤
さらに、本発明においては、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱重合防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、着色染料、顔料(有機着色顔料、無機顔料)、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、分散剤、防汚添加剤、防錆剤、導電性微粒子、コロイド状シリカ、帯電防止剤、防曇剤、カップリング剤、及び硬化触媒からなる群から選ばれる1種以上の機能性配合剤を用いることができる。これらの機能性配合剤を適宜配合することにより、各種機能を付与したり、耐久性の向上及び基材との密着性の向上を図ることができる。特に、被覆成形品を屋外で使用する場合は、硬化物層の劣化を防止するために紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが特に好ましい。
【0062】
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、市販されているような公知の紫外線吸収剤を使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、フェニルトリアジン系紫外線吸収剤等が好ましい。
【0063】
具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0093に記載された化合物のほか、2−{2−ヒドロキシ−5−(2−アクリロイルオキシエチル)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル3−(3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロピオネート等の分子内に光重合性の官能基を持つ化合物が挙げられる。
【0064】
本発明においては、被覆組成物(A)が活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)を含有することから、中でも上記分子内に光重合性の官能基を持つ化合物が特に好ましく用いられる。
【0065】
・光安定剤
光安定剤としては、合成樹脂用光安定剤として通常使用されているようなヒンダードアミン系光安定剤が好ましく用いられる。
【0066】
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0094に記載された化合物のほか、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−t−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等が挙げられる。
【0067】
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、2.6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、トリフェニルホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。
【0068】
・レベリング剤
レベリング剤としては、シリコン樹脂系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤等が挙げられる。
【0069】
・消泡剤
消泡剤としては、ポリジメチルシロキサン等のシリコン樹脂系消泡剤等が挙げられる。
【0070】
・着色染料
着色染料としては、有機溶剤可溶性アゾ系金属錯塩染料、有機溶剤可溶性フタロシアニン系染料等が挙げられる。
【0071】
・顔料
有機着色顔料としては、縮合多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料等が挙げられる。
【0072】
また、無機顔料としては、二酸化チタン、酸化コバルト、モリブデンレッド、チタンブラック等が挙げられる。
【0073】
・赤外線吸収剤
赤外線吸収剤としては、ポリメチン系、フタロシアニン系、金属錯体系、アミニウム系、ジイモニウム系、アントラキノン系、ジチオール金属錯体系、ナフトキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリアリールメタン系の化合物等が挙げられる。
【0074】
・蛍光増白剤
蛍光増白剤としては、クマリン系蛍光増白剤、2,5−ビス(5’−t−ブチルベンゾオキサゾリル−(2’))チオフェン等のオキサゾール系蛍光増白剤等が挙げられる。
【0075】
・防汚添加剤
防汚添加剤としては、シリコン樹脂系防汚添加剤、フッ素樹脂系防汚添加剤等が挙げられる。
【0076】
・防錆剤
防錆剤としては、シリカ、ポリリン酸、リン酸塩、モリブデン酸塩、リンモリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩等が挙げられる。
【0077】
・導電性微粒子
導電性微粒子としては、亜鉛、アルミニウム、ニッケル等の金属粉、リン化鉄、アンチモンドープ型酸化スズ等が挙げられる。
【0078】
・コロイド状シリカ
コロイド状シリカとしては、平均粒径200nm以下のコロイド状シリカ、分散安定性を向上させるために表面修飾されたコロイド状シリカ等が挙げられる。
【0079】
・カップリング剤
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
【0080】
・帯電防止剤
帯電防止剤としては、ノニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤等が挙げられる。
【0081】
・防曇剤
防曇剤としては、ノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0082】
本発明において、上記被覆組成物(A)により形成される内層の厚さは1〜50μmが好ましく、特に2〜30μmが好ましい。内層の厚さが50μm超では、活性エネルギ線による硬化が不充分になり基材との密着性が損なわれやすく、1μm未満では、この層の耐磨耗性が不充分となるおそれがあり、また、この層の表面に形成される最外層の耐磨耗性や耐擦傷性が充分発現できないおそれがあるため好ましくない。
【0083】
本発明において、上記内層は、後述するJIS−R3212における耐磨耗性試験による曇価が、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。
【0084】
III)被覆組成物(B)
本発明の被覆成形品において、最外層を形成する被覆組成物(B)に含まれるポリシラザン(b)としては、実質的に有機基を含まないポリシラザン(ペルヒドロポリシラザン)、アルコキシ基等の加水分解性基がケイ素原子に結合したポリシラザン、ケイ素原子にアルキル基等の有機基が結合しているポリシラザン等が挙げられる。特に、ペルヒドロポリシラザンは、その焼成温度の低さ及び焼成後の硬化物の緻密さの点で好ましい。なお、上記ポリシラザンが充分に硬化した硬化物は、窒素原子をほとんど含まないシリカとなる。
【0085】
また、上記ポリシラザンには、鎖状、環状あるいは架橋構造を有するもの、又は分子内にこれら複数の構造を同時に有するものがあり、これら単独でもあるいは混合物でも利用できる。
【0086】
さらに、ポリシラザン(b)の分子量としては、数平均分子量で200〜5万が好ましい。数平均分子量が200未満では焼成しても均一な硬化物層が得られにくく、また、数平均分子量が5万超では溶剤に溶解しにくくなり、また被覆組成物(B)が粘調になるおそれがあるため好ましくない。
【0087】
被覆組成物(B)には、上記基本成分以外に溶剤や種々の機能性配合剤を含みうる。
【0088】
溶剤としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類を使用することができる。具体的には、特開平11−240103号公報段落番号0106に記載されたものが挙げられる。特にキシレンが好ましい。
【0089】
これらの溶剤を使用する場合、ポリシラザン(b)の溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために複数の種類の溶剤を混合してもよい。
【0090】
また、溶剤の使用量は、採用される塗工方法及びポリシラザン(b)の構造や平均分子量等によって異なるが、固形分濃度で0.5〜80質量%の範囲で調製することが好ましい。
【0091】
機能性配合剤としては、上記II)(5)の機能性配合剤が好ましく挙げられる。
【0092】
本発明において、最外層の厚さは0.05〜10μmが好ましく、特に0.1〜3μmが好ましい。最外層の厚さが10μm超では、耐擦傷性等の表面特性の向上がそれ以上期待できないうえ、層が脆くなり、被覆成形品のわずかな変形によっても最外層にクラック等が生じやすくなるため好ましくない。また、0.05μm未満では、この最外層の耐磨耗性や耐擦傷性が充分発現できないおそれがあるため好ましくない。
【0093】
IV)被覆組成物(A)及び(B)の塗工、硬化方法
本発明において、上記のような2種類の被覆組成物(A)、(B)を用いて硬化物の層を形成する方法としては、通常の被覆手法を採用できる。例えば、基材の表面にまず被覆組成物(A)を塗工して硬化させ、次にその硬化物の表面に被覆組成物(B)を塗工して硬化させることにより目的とする被覆成形品が得られる。なお、被覆組成物が溶剤を含んでいる場合は、塗工後、乾燥して溶剤を除いてから硬化させることが好ましい。
【0094】
上記被覆組成物(A)及び(B)を塗工する手段としては特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、マイクログラビアコート法等を採用できる。
【0095】
本発明において、被覆組成物(A)を硬化させる活性エネルギ線としては特に限定されず、紫外線、電子線やその他の活性エネルギ線を使用できるが、紫外線が好ましい。紫外線源としては、キセノンランプ、パルスキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等を使用できる。
【0096】
一方、被覆組成物(B)に含まれるポリシラザン(b)を硬化させてシリカとするためには通常、焼成と呼ばれる加熱を行なう。基材として不透明合成樹脂基材を用いる場合には、ポリシラザンの焼成温度は180℃以下とすることが好ましい。このようにポリシラザンを低温で硬化させる場合は、通常、被覆組成物(B)に触媒を添加する。触媒の種類や量によっては、室温でも硬化できる。また、硬化を行う際には、例えば空気中等の酸素の存在する雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0097】
上記の触媒としては、より低温でポリシラザンを硬化させうる触媒を用いることが好ましい。そのような触媒としては、例えば、特開平7−196986号公報に提案されている金、銀、パラジウム、白金、ニッケル等の金属の微粒子、又は特開平5−93275号公報に提案されている上記金属のカルボン酸錯体が挙げられる。
【0098】
また、触媒を被覆組成物(B)に添加しておくのではなく、特開平9−31333号公報に提案されているように、水又は触媒溶液、具体的にはアミン水溶液等に直接接触させる、もしくはその蒸気に一定時間曝すことにより硬化を行なってもよい。
【0099】
また、ポリシラザンは光重合開始剤の存在下、活性エネルギ線の照射により硬化が促進されることが特願平9−355591号公報に記載されており、光重合開始剤や活性エネルギ線の照射条件を最適化して、活性エネルギ線でも硬化できる。
【0100】
なお、被覆組成物(A)の硬化と被覆組成物(B)の塗工〜硬化の組み合わせ(タイミング)としては、以下の3つが挙げられる。
【0101】
(1)前記したように、被覆組成物(A)を塗工した後に充分な量の活性エネルギ線を照射して充分に硬化を終了させた後、被覆組成物(B)をその表面に塗工する方法。
【0102】
(2)被覆組成物(A)を塗工して被覆組成物(A)の未硬化物の層を形成した後、その未硬化物層の表面に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物(B)の未硬化物の層を形成し、その後に被覆組成物(A)及び被覆組成物(B)の未硬化物の硬化を終了させる方法。
この場合、被覆組成物(B)の未硬化物は、水又は硬化触媒溶液の蒸気雰囲気下に曝す、常温に放置する、又は加熱することにより硬化する。
【0103】
(3)被覆組成物(A)を塗工した後、指触乾燥状態になる最低限の活性エネルギ線(通常、約300mJ/cm2までの照射量)を一旦照射して被覆組成物(A)の部分硬化物の層を形成した後、その部分硬化物の層の表面に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物(B)の未硬化物の層を形成し、その後充分な量の活性エネルギ線を照射して被覆組成物(A)の未硬化物の硬化を終了させる方法。なお、被覆組成物(B)の未硬化物の硬化は、上記(2)の場合と同様にして行なう。
【0104】
本発明においては、2つの硬化物層の層間密着力を上げるために、上記(2)又は(3)の方法を採用することがより好ましい。
【0105】
但し、(2)の方法の場合は、被覆組成物(B)を塗工する方法としてディッピング法を用いると、被覆組成物(A)の未硬化物の成分が被覆組成物(B)のディッピング液を汚染するおそれがあるため、ディッピング法による塗工は適さない等の制約がある。
【0106】
本発明の被覆成形品は、用途に応じて曲げ加工された成形品とすることもできる。曲げ加工された成形品とする場合は、基材の表面に被覆組成物(A)の未硬化物、部分硬化物、又は完全硬化物、及び被覆組成物(B)の未硬化物又は部分硬化物の層を形成した後、曲げ加工を施すのが好ましい。また、予め成形された基材を用いてもよく、例えば、平板や波板等のシート状基材、フィルム状基材、各種形状に成形された基材を用いてもよい。
【0107】
【実施例】
以下、例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、各例についての各種物性の測定及び評価は以下に示す方法で行ない、表1には、初期耐擦傷性及び密着性の結果を示した。
【0108】
[耐磨耗性]
無機ガラスや透明樹脂基材に被覆組成物(A)の硬化物の層(内層)を形成した試験片を用いてJIS−R3212における耐磨耗性試験を行ない、試験回数100回後の曇価(磨耗試験後の曇価と磨耗試験前の曇価との差)を測定した。
【0109】
[初期耐擦傷性]
JIS−R3212における耐磨耗試験法に準拠して行なった。2つのCS−10F磨耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせて500回転させたときの表面の傷の状態を3段階(○:ほとんど傷が付かない、△:部分的に若干傷が付く、×:はっきりと全面に傷が付く)で評価した。
【0110】
[密着性]
サンプルを剃刀の刃で1mm間隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁盤目を作る。そして、市販のセロハンテープをよく密着させた後、90度手前方向に急激にはがした際に、被膜が剥離せずに残存した碁盤目の数(m)をm/100で表し、サンプル作成後の初期密着性を測定した。
【0111】
例1
撹拌機及び冷却管を装着した100mLの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール15g、酢酸ブチル15g、1−メトキシ−2−プロパノール7.5g、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド150mg、2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン1000mg、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート200mgを加え溶解させ、続いて水酸基を有するジペンタエリスリトールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネートの反応生成物であるウレタンアクリレート(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含有)5.0g、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート5.0gを加え、常温で1時間撹拌して塗工液1を得た。
【0112】
厚さ3mmのガラス板の表面に、N−(アミノエチル)プロピルトリメトキシシランの5%イソプロピルアルコール溶液を塗工した後、80℃で5分間加熱乾燥を行なった。引き続きこの表面に、バーコータを用いて塗工液1を塗工(ウエット厚み16μm、以下同様)して、80℃の熱風循環オーブン中に5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2(波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギ量、以下同じ)の紫外線を照射し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。
【0113】
次に、この表面にさらにペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、東燃社製、商品名「V110」)をもう一度バーコートを用いて塗工(3μm)して、80℃の熱風循環オーブン中に10分間保持し、溶媒を除去した後、空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1500mJ/cm2の紫外線を照射した後、100℃の熱風循環オーブン中に120分間保持して、膜厚7.7μmの硬化物層を形成した。このサンプルは紫外線吸収機能を有する。
【0114】
一方、ポリカーボネート樹脂板に、上記塗工液1を用いて充分硬化させた硬化物層を形成した試験片を用い、その硬化物層表面の耐磨耗性を評価したところ、100回転後の耐磨耗性は3.3%であった。
【0115】
例2
サンプル調整方法を以下のように変更した以外は例1と同様にした。
最後に100℃の熱風循環オーブン中に120分間保持する代わりに、23℃、相対湿度55%の環境下で7日養生した。このサンプルを用いて上記物性の測定を行った。
【0116】
例3
サンプル調整方法を以下のように変更した以外は例1と同様にした。
塗工液1の2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの代わりに、Sb25ゾル(Sb25の平均粒径20nm、分散媒イソプロピルアルコール、固形分濃度30質量%)30gを添加した以外は同様な方法で硬化物層を得た。このサンプルは帯電防止機能を有する。
【0117】
例4
サンプル調整方法を以下のように変更した以外は例1と同様にした。
塗工液1の2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの代わりに、金属錯体系近赤外線吸収剤(三井東圧染料(株)製、商品名「SIR−159」)0.02gを添加した以外は同様な方法で硬化物層を得た。このサンプルは近赤外線吸収機能を有する。
【0118】
例5
塗工液1の2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの代わりに、ポリリン酸アルミニウム1gを添加して、塗工液2を得た。
【0119】
アルミニウム系めっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理後、水洗乾燥し、次いで塗工液2を塗工(16μm)して、80℃の熱風循環オーブン中に5分間保持した。空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。
【0120】
次に、この表面にさらにペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、東燃社製、商品名「V110」)をもう一度バーコートを用いて塗工(3μm)して、80℃の熱風循環オーブン中に10分間保持し、溶媒を除去した後、空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1500mJ/cm2の紫外線を照射した後、100℃の熱風循環オーブン中に120分間保持して、膜厚7.7μmの硬化物層を形成した。このサンプルは防錆機能を有する。
【0121】
例6
サンプル調整方法を以下のように変更した以外は例5と同様にした。
塗工液2のポリリン酸アルミニウムの代わりに、Sb25ゾル(Sb25の平均粒径20nm、分散媒イソプロピルアルコール、固形分濃度30質量%)30gを添加した以外は同様な方法で硬化物層を得た。このサンプルは帯電防止機能を有する。
【0122】
例7
無機顔料として酸化チタンを含有した厚さ3mmの乳白色の着色ポリカーボネート樹脂板に塗工液1を塗工(16μm)して、80℃の熱風循環オーブン中に5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。
【0123】
次に、この表面にさらにペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、東燃社製、商品名「V110」)をもう一度バーコートを用いて塗工(3μm)して、80℃の熱風循環オーブン中に10分間保持し、溶媒を除去した後、空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚7.7μmの硬化物層を形成した。このサンプルは優れた耐候性能を有する。
【0124】
例8
塗工液1の水酸基を有するジペンタエリスリトールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネートの反応生成物であるウレタンアクリレート(1分子当り平均15個のアクリロイル基を含有)5.0gとトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート5.0gの代わりに、アクリル酸2モルと4,8ビスヒドロキシメチルトリシクロデカン2モルとイソホロンジイソシアネート1モルとの反応生成物(1分子当りのアクリロイル基数2、分子量1100の2官能性ウレタンアクリレート)10.0gを添加した以外は同様にして塗工液3を得た。
【0125】
塗工液1の代わりに、塗工液3を用いる以外は例1と同様にして硬化物層を形成した。このサンプルを用いて物性の測定を行なったところ、耐擦傷性能は不充分であった。
【0126】
一方、ポリカーボネート樹脂板に、上記塗工液3を用いて充分硬化させた硬化物層を形成し、その硬化物層表面の耐磨耗性を評価したところ、100回転後の耐磨耗性は49.2%であった。
【0127】
例9
厚さ3mmのガラス板の表面にN−(アミノエチル)プロピルトリメトキシシランの5%イソプロピルアルコール溶液を塗工した後、80℃で5分間加熱乾燥を行った。
【0128】
引き続きこの表面に、バーコータを用いて塗工液1を塗工(16μm)して、80℃の熱風循環オーブン中に5分間保持した。これ空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1500mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚7μmの硬化物層を形成した。このサンプルは紫外線カット機能を有すものの、これを用いて上記物性の測定を行なったところ、耐擦傷性能は不充分であった。
【0129】
【表1】
Figure 0004389314
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、無機ガラスからなる基材表面の少なくとも一部に形成される硬化物層が2層以上からなり、その硬化物層うち、最外層に接する内層は、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)を含む被覆組成物の硬化物の層からなるため、ポリシラザン(b)を含む被覆組成物の硬化物の層からなる最外層と高い密着性を有すると共に、基材とも高い密着性を有し、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性、ガスバリア性、平滑性等に優れた硬化物層を有する被覆成形品を得ることができる。

Claims (10)

  1. 無機ガラスからなる基材と、基材表面の少なくとも一部に形成された2層以上の硬化物層を有する被覆成形品であって、硬化物層のうち、最外層に接する内層が下記被覆組成物(A)の硬化物である耐磨耗性の層であり、前記最外層が下記被覆組成物(B)の硬化物の層であることを特徴とする被覆成形品。
    被覆組成物(A):活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)と、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤及び帯電防止剤及からなる群から選ばれる1種以上の機能性配合剤とを含む硬化性被覆組成物。
    被覆組成物(B):ポリシラザン(b)を含む硬化性被覆組成物。
  2. 前記無機ガラスが、表面にシランカップリング剤が塗布されたものである、請求項1に記載の被覆成形品。
  3. 前記多官能性化合物(a)が、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有し、少なくともその50質量%以上が3官能以上の多官能性化合物である、請求項1又は2に記載の被覆成形品。
  4. 前記被覆組成物(A)の硬化物の層の厚さが1〜50μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆成形品。
  5. 前記ポリシラザン(b)が、数平均分子量200〜5万のペルヒドロポリシラザンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆成形品。
  6. 前記被覆組成物(B)の硬化物の層の厚さが0.05〜10μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆成形品。
  7. 請求項1〜6に記載の被覆成形品を製造する方法において、無機ガラスの表面に、前記被覆組成物(A)を塗工し、活性エネルギ線を照射して該被覆組成物(A)の硬化物層を形成した後、該硬化物層の表面に、前記被覆組成物(B)を塗工し、その後に前記被覆組成物(B)を硬化させることを特徴とする被覆成形品の製造方法。
  8. 請求項1〜6に記載の被覆成形品を製造する方法において、無機ガラスの表面に、前記被覆組成物(A)を塗工して該被覆組成物(A)の未硬化物層を形成した後、該未硬化物層の表面に、前記被覆組成物(B)を塗工し、その後に、前記被覆組成物(A)及び前記被覆組成物(B)をそれぞれ硬化させることを特徴とする被覆成形品の製造方法。
  9. 請求項1〜6に記載の被覆成形品を製造する方法において、無機ガラスの表面に、前記被覆組成物(A)を塗工した後、活性エネルギ線を照射して該被覆組成物(A)の部分硬化物層を形成し、該部分硬化物層の表面に、前記被覆組成物(B)を塗工し、その後に前記被覆組成物(A)及び前記被覆組成物(B)をそれぞれ硬化させることを特徴とする被覆成形品の製造方法。
  10. 前記被覆組成物(B)の硬化を、水又は硬化触媒溶液の蒸気雰囲気下に曝す、又は常温に放置することで行う請求項7〜9のいずれか1項に記載の被覆成形品の製造方法。
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