JP2007169551A - 着色被覆膜形成用塗布液、及び、この着色被覆膜形成用塗布液を塗布した成形体 - Google Patents

着色被覆膜形成用塗布液、及び、この着色被覆膜形成用塗布液を塗布した成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、均質性、透明性に優れ、所望する塗膜物性を備えた着色シリカ薄膜を形成でき、また、種々の用途、例えば着色ガラスボトルや住宅設備などの用途に使用できる着色被覆膜を形成できる着色被覆膜形成用塗布液、及び、この着色被覆膜形成用塗布液を塗布した成形品を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、ポリシラザンとラテントピグメントを含有する着色被覆膜形成用塗布液である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色被覆膜形成用塗布液、及び、この着色被覆膜形成用塗布液を塗布した成形体であり、低温度での着色ガラスコートに関する。
ポリシラザンを利用して得られたシリカ被覆膜は無色透明である。通常ガラス製品は、一般に着色して利用される場合が多く、具体的には、有機色素(染料、顔料等)をシリカゾルに配合してガラス表面に塗布、焼成してゲル化させる方法、いわゆるゾルゲル法で製造されている。
ゾルゲル法を用いる場合、焼成温度を高くすると、得られる着色薄膜が緻密となるが、着色剤として有機色素を用いると、熱により有機色素が分解される。そのため、焼成温度を高くできない問題がある。
特に染料を用いた場合は、染料が水に溶けやすく、染料の溶出が起こり、膜の劣化が急速に進行する。また、ガラスボトルの場合、耐水性、耐薬品性などが劣り、染料の溶出などの問題がある。
このような問題点を改善する方法は、引用文献1に記載されている。引用文献1には、金属アルコキシドと、3nm〜300nmの微粒子の有機顔料とを、アルコールに可溶性の分散剤を用いて分散させ、ガラス表面に塗布後、焼成して着色フィルターを得る方法が記載されている。
しかし、この方法にも多数問題点がある。
例えば、分散剤が、アルコール可溶性のものに限定される。
また、顔料と相容性があり、且つ、金属アルコキシドとも相容性のある分散剤を選択して、顔料分散液を調製しなければならず、これが適切に行われなければ、得られる薄膜の性能が劣悪なものとなる。
さらに、3nm〜300nmの微粒子を得るための粒径調整が困難で、顔料の均一な分散作業にも難点がある。
その上、これらの粒径調整および均一な分散が適切に行われなければ、透明な着色薄膜が得られない。
また別に、引用文献2には、ラテントピグメントの溶液または溶融物を基板に塗布して着色基板を得る方法が開示されている。
しかし、この方法で得られる着色薄膜は、顔料そのものの物性を有する薄膜であるため、用途が、その物性に適したものに限定される。
即ち、着色薄膜を種々の用途に用いるには、その用途、目的に応じた薄膜の強度、耐水性、耐候性などの物性が必要であるが、そのような物性が得られにくい。
特開平5−178623号公報 特開平9−3362号公報
本発明は、均質性、透明性に優れ、所望する塗膜物性を備えた着色シリカ薄膜を形成でき、また、種々の用途、例えば着色ガラスボトルや住宅設備などの用途に使用できる着色被覆膜を形成できる着色被覆膜形成用塗布液、及び、この着色被覆膜形成用塗布液を塗布した成形品を提供することを目的とする。
(1)本発明は、ポリシラザンとラテントピグメントを含有する着色被覆膜形成用塗布液である。
(2)項(1)において、ポリシラザンが、ペルヒドロポリシラザンである着色被覆膜形成用塗布液。
(3)項(1)又は(2)に記載される着色膜形成用塗布液が塗布された成形体。
(4)項(1)又は(2)に記載される着色膜形成用塗布液を塗布した後に、加熱処理を行った成形体。
ポリシラザンと、ラテントピグメントとを含有する本発明の着色被覆膜形成用塗布液は、分散剤を使用せず、任意の物性を得ることができる。
本発明は、ポリシラザンと、ラテントピグメントを溶解した溶液とが均一に混合できること、および得られた混合液(着色塗布液組成物)が、強固な、透明で、かつ耐候性に優れる着色薄膜を形成し得ることを見出して完成されたものであり、ラテントピグメントの溶解液を用いた本発明の着色塗料組成物は、分散剤を使用せず、ポリシラザンの種類および量を変えることにより、任意の物性を得ることができる。
本発明で用いるポリシラザン含有液は、ポリシラザンを含む液状物(ワニス)とする。ここで、ポリシラザンは、下記の一般式(1)の繰返し単位を有するオリゴマないしはポリマーであり、環状ポリシラザンでも、鎖状ポリシラザン、環状及び鎖状構造の両構造をもつポリシラザンでもよい。
Figure 2007169551
なお、一般式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基等を表し、3つのRは同じでも異なってもよい。
更に、上記ポリシラザンをトリアルキルアミンのような第3級アミン類、立体障害性置換基をもつ第2級アミン類、又はフォスフィン等の塩基性溶媒中、あるいは非塩基性の炭化水素類の溶媒中で、脱水素縮合反応を行わせることにより得られる分子量200〜500,000のものも使用できる。
あるいは、無機ポリシラザンの改質反応により得られるもので、架橋結合−NH−又は−NH−NH−を有し、N/Si比が0.8以上の分子量200〜50,000のものも使用できる。組成式が(RSiHNH)X[(RSiH)1.5N](但し、Rは一般式(1)中における意味と同じであり、Yは1−Xであり、0.4<X<1である。)で表されるポリオルガノヒドロシラザンも使用できる。
更には、酸素を含有させたポリシロキサザンや金属アルコキシド等を反応させたポリメタロシラザン、有機硼素化合物を反応させたポリボロシラザンも使用できる。以上の各種ポリシラザンは、通常は、室温で液体又は固体である。
また、本発明で使用するポリシラザンは、基材との密着性の点では、ケイ素や窒素に結合している活性水素原子数の割合の高いものが好ましい。ケイ素原子と窒素原子との合計原子数100に対し、活性水素原子数は好ましくは90以上、更に好ましくは100〜150(ペルヒドロポリシラザンは150)である。
ポリシラザンには、必要に応じて、シランカップリング剤、有機アミンやカルボン酸無水物、イソシアネート、チオール、カルボジイミド、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物等の硬化剤を添加することができる。低温でシリカ転化させるため、ニッケル、白金、パラジウム、アルミニウム、アミン類等の触媒を用いることもできる。また、必要に応じて、金属粉末、セラミック粉末、消泡剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、分散剤、チキソトロピー性付与剤等を添加してもよい。
ポリシラザンの希釈溶媒としては、脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒等があり、これを単独あるいは複数混合して用いる。
本発明に用いられるラテントピグメントは、顔料を構成する母体骨格に溶媒可溶性を促進させる保護基が導入された溶媒可溶性顔料誘導体(顔料前駆体)を意味する。この導入された保護基は、化学的処理、光分解的処理、熱処理などにより容易に脱離され、その結果、母体骨格が現れて顔料化が起こり、本来の顔料の色が発色する。ラテントピグメントについては、Nature 388巻、131頁(1997)に記載されており、例えば、特開平9−3362号公報、国際公開番号第98/32802号公報、国際公開番号第98/45757号公報、国際公開番号第98/58027号公報、国際公開番号第99/01511号公報、特開平11−92695号公報、特開平11−310726号公報に、様々な色、構造を有する顔料前駆体が挙げられている。
本発明に用いられるラテントピグメントは、下記一般式(2)で表される。Aはキナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、インダントロン、イソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、フタロシアニン、ジケトピロロピロールまたはアゾ系列の着色剤の残基である。この残基Aは、X個のヘテロ原子を含有しており、これらのヘテロ原子は少なくとも一つのカルボニル基と共役しているか、または隣接しており、そして、Bは下記一般式(3)の基であり、これは上記ヘテロ原子の一つに結合している。Rは、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基またはアラルキル基を表す。
Figure 2007169551
Figure 2007169551
アルキル基としては、C1〜C24のアルキル基が好ましい。アルケニル基としては、C3〜C24のアルケニル基が好ましい。アルキニル基としてはC3〜C24のアルキニル基が好ましい。シクロアルキル基としては、C4〜C12のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルケニル基としては、C4〜C12のシクロアルケニル基が好ましい。アラルキル基としては、C7〜C24のアラルキル基が好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、エーテル基、アミノ基、チオエーテル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。
以下、本発明に用いられるラテントピグメントを説明するが、構造式において、Eは、水素または基Bを表すが、少なくとも一つのEはBである。
キナクリドン残基を有するラテントピグメントとしては、下記一般式(Ia)の化合物の誘導体が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、R11およびR12は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C18アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはフェニル基を表す。好ましくは、水素、塩素、またはメチル基である。
また、キナクリドン残基を有するラテントピグメントとして、以下の化合物(Ib)、(Ic)または(Id)の誘導体も用いられる。
Figure 2007169551
アントラキノン残基を有するラテントピグメントとしては、以下の一般式(IIa)または(IIb)で表される化合物が用いられる。
Figure 2007169551
式中、R13およびR14は、それぞれ独立して、水素、C1〜C12のアルキル基、またはC6〜C12のアリール基であり、このアリール基は、ハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシル基、ニトロ基、アセチル、−SONHC1〜C6アルキル基または−SONHで置換されていてもよい。また、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシル基、ニトロ基、シアノ基、−CONH、−SONHC1〜C6アルキル基、−SONH、−SOH、−SONa、またはC6〜C12アリール基であり、このアリール基は、ハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシル基、ニトロ基、アセチル、−SONHC1〜C6アルキル基または−SONHで置換されていてもよい。R17は、水素、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ、またはC1〜C6アルコキシル基である。
アントラキノン残基を有するラテントピグメントとしては、さらに以下の一般式(IIc)または(IId)で表されるアントラキノノイド化合物の誘導体が用いられる。
Figure 2007169551
式中、R18は、水素またはハロゲンである。
ペリレン残基を有するラテントピグメントとしては、以下の一般式(IIIa)または(IIIb)で表されるペリレンカルボキシイミドの誘導体が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、R19は、水素、C1〜C6アルキル基、非置換の、またはハロゲンあるいはC1〜C4アルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基またはフェネチル基を表す。
インジゴ残基を有するラテントピグメントとしては、以下の一般式(IVa)で表されるインジゴ誘導体が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、R20は、水素、シアノ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシル基、またはハロゲンを表す。
キノフタロン残基を有するラテントピグメントとしては、以下の一般式(Va)および(Vb)で表される化合物の誘導体が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、R21は、HまたはO−Eであり、R22〜R25は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−COO−C1〜C6アルキル基または−CONH−C1〜C6アルキル基である。Eは前記と同じである。
インダントロン残基を有するラテントピグメントとしては、以下の式(VIa)で表される化合物の誘導体が挙げられる。
Figure 2007169551
イソインドリノン残基を有するラテントピグメントとしては、以下の一般式(VIIa)または(VIIb)の化合物の誘導体が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、R30およびR31は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC1〜C4アルキル基を表す。
イソインドリン残基を有するラテントピグメントとしては、以下の式(VIIIa)、(VIIIb)および、(VIIIc)が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、R33は、下記式(9)の基であり、R34は、水素、C1〜C24アルキル基、ベンジル基、または、下記式(10)の基であり、R35は、水素、EまたはR33であり、R36、R37、R38およびR39は、それぞれ互いに独立して、水素、C1〜24アルキル基、C1〜C6アルコキシル基、ハロゲン、またはトリフルオロメチル基である。
Figure 2007169551
Figure 2007169551
ジオキサジン残基を有するラテントピグメントとしては、以下の一般式(IXa)の誘導体が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、R41は、水素、ハロゲン、またはC1〜C24のアルキル基を表す。
さらに、ジオキサジン残基を有するラテントピグメントとして、以下の一般式(IXb)の誘導体が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、R42およびR43は、それぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基である。
フタロシアニン残基を有するラテントピグメントとしては、以下の一般式(X)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、Mは、Hまたは、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg(II)、Sn(II)、Co(II)、またはPb(II)であり、好ましくは、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Ni(II)、またはPd(II)からなる群から選択される二価の金属、または、V(O)、Mn(O)またはTi(O)からなる群から選択される二価の酸化金属であり、Tは、−CHR52−、−CO−または−SO−であり、R51は、水素、C1〜C6アルキル基、−N(E)R52、−N(E)、−NHCOR53、−COR53、または下記式(11)の基であり、R52は、水素、またはC1〜C6アルキル基であり、R53は、C1〜C6アルキル基であり、そして、R54は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシル基であり、zは、0または1であり、そして、yは、1〜8の整数である。
Figure 2007169551
ジケトピロロピロール残基を有するラテントピグメントとしては、以下の一般式(XIa)および(XIb)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007169551
式中、GおよびLは、それぞれ独立して、下記式(12)のいずれかの基である。
Figure 2007169551
式中、R61およびR62は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C24アルキル基、C1〜C6アルコキシル基、C1〜C18アルキルメルカプト基、C1〜C18アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、トリフルオロメチル基、C5〜C6シクロアルキル基、−C=N−(C1〜C24アルキル基)、下記式(13)の基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピペラジニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、ベンゾキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、またはピロロジニル基であり、Tは、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、または−NR67−であり、R63およびR64は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシル基、またはシアノ基であり、R65およびR66は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC1〜C6アルキル基であり、そして、R67は、水素またはC1〜C6アルキル基である。
Figure 2007169551
アゾ系列の残基を有するラテントピグメントとしては、以下のアゾ化合物(XIIa)〜(XIIf)が挙げられる。
Figure 2007169551
Figure 2007169551
Figure 2007169551
(XIIa)〜(XIIf)式中、R71〜R75は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシル基、ニトロ基、アセチル、またはSO2NHC1〜C6アルキル基であり、そして、R76は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシル基である。
これらのラテントピグメントは単独で用いてもよく、2以上組合せて用いてもよい。
ラテントピグメントは、適切な溶媒に溶解される。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、シクロヘキサノール、グリシドール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体類、o−キシレン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル、ブチロラクトンなどのエステル、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトンが挙げられる。
ラテントピグメントの濃度は特に制限されなく、要求される色調に応じて調整すればよい。
運搬、保存等を考慮すると、ポリシラザンおよびラテントピグメント溶液をそれぞれ別個に用意しておき、使用時にあるいは組成物製造時に、要求される色調となるように混合して本発明の着色被覆膜形成用塗布液を製造してもよい。
なお、本発明の着色被覆膜形成用塗布液には、必要に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤などの添加剤が含まれてもよい。また、塗膜物性を改良するために、ポリオール樹脂、ポリイソシアネート化合物、シリコーン樹脂などのポリマー類が含まれていてもよい。
このようにして得られた着色被覆膜形成用塗布液は、スプレーコーティング、ローラーコーティング、スピンコーティング、ディッピングなど、当業者が適宜用いる方法で、基板に塗布される。着色薄膜の厚さは、特に制限がなく、目的に合わせて決定すればよい。
塗布される基板には特に制限がないが、ラテントピグメントの顔料化のための加熱(100〜300℃)に耐え得る程度の耐熱性を有することが好ましい。
着色被覆膜形成用塗布液を塗布した基板を加熱する。加熱により、ラテントピグメントの保護基がはずれ、本来の顔料(ピグメント)の色が発色される。加熱温度は、用いるラテントピグメントの保護基が脱離する温度以上であれば、特に制限がないが、一般には、100〜300℃、好ましくは、150〜250℃である。温度が低すぎると保護基の脱離が不十分となり、高すぎると、顔料の熱分解が起こる。
このようにして得られた基板は、均一かつ透明な、そして強固な着色薄膜であり、例えば、装飾、カラーフィルター、光記録等の用途に用いられる。光透過性材料(例えば、ガラス)上に着色薄膜が形成された場合、得られた薄膜は、含まれる顔料により、特定の波長域の波長を選択的に吸収するので、光吸収性フィルターとして、表示装置に用いられる。
本発明の光吸収性フィルターが適用される表示装置としては、液晶表示装置、カラー受像管、白黒受像管、プラズマ表示装置、有機電界発光表示装置などが挙げられる。このような装置の光透過性表示部に本発明の着色薄膜基板がフィルターとして用いられる。また、投射型の液晶表示装置も用いられるが、この場合は、投射スクリーンに着色薄膜を設けてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、実施例に限定されない。
(実施例1)
10%のポリシラザンNL−110(ソルベッソ150希釈)10gにラテント化インジゴを0.2g混入した着色被覆膜形成用塗布液を調整した。
(実施例2)
10%のポリシラザンNL−110(ソルベッソ150希釈)10gにラテント化キナクリドンを0.1g混入した着色被覆膜形成用塗布液を調整した。
(実施例3)
10%のポリシラザンNL−110(ソルベッソ150希釈)10gにラテント化ピグメントイエロー93を0.2g混入した着色被覆膜形成用塗布液を調整した。
この塗布液をガラス基板にスプレーコートで塗布し、得られた塗膜を200℃でそれぞれ10分間加熱した。そして、実施例1〜3で得られた塗布液が被膜されたガラス基板の加熱処理後における最大吸収波長とその透過率を表1に示す。それぞれの温度で加熱して得られた薄膜は、それぞれ透明で均一であった。
(比較例1)
テトラエトキシシランのエタノール溶液に塩酸と、添加してアシッドレッドを混入し10時間攪拌した後、この溶液をステンレス基板上に塗布し、乾燥するゾルゲル法によってシリカの前駆体となる乾燥ゲル膜を作製し、200度10分で焼成した。膜の緻密性およびが得られなかったため、任意の物性を得ることができなかった。
(比較例2)
メタノール−シリカゾル(日産化学工業株式会社製)30%をメタノールで10%に希釈したものに染料であるアシッドレッドを混入し得られた塗布液をステンレス基板に塗布し乾燥させ、200℃10分焼成した。膜の緻密性および基材と密着性が得られなかったため、任意の物性を得ることができなかった。
(比較例3)
10%のポリシラザンNL−110(ソルベッソ150希釈)をステンレス基材に塗布し、200℃10分焼成した。緻密性があり色素が混入していなくても任意の物性を得られることが確認できた。
得られた着色ガラスについて下記の項目の試験を行った。結果を表1に示す。
1)耐水性試験:20℃の水に24時間浸漬した。
2)耐酸性:5%HCl水溶液に24時間浸漬した。
3)耐アルカリ性試験:5%水酸化ナトリウム水溶液に60分間浸漬した。
耐水性試験および耐アルカリ性試験結果の評価基準は、以下の通りである。
○:浸漬後、外観に変化が全くない(膜の剥がれ、白化、退色などがない)。
△:浸漬後、わずかに白化などが認められるが、実用上問題がない。
×:浸漬後、膜の剥がれ、白化、退色などが見られる。
4)テープ密着性は、JIS−K−5400の付着性で評価した。
5)新東科学(株)製 表面性測定機HEIDON−14Dを使用して、磨耗試験(スチールウール、500g、50往復)を実施し、擦った後の擦過傷の本数で評価した。○:0〜2本 △:3〜10本 ×:10本以上
6)耐光性試験:SENエンジニアリング(株)製 高圧UVランプ(HCR100T−2)を使用して促進耐光性試験を行った。照射時間30分で行い、30分後の概観で評価した。○:退色がなく問題がない。△退色があるが実用上問題がない。×:退色が見られる。
Figure 2007169551
この結果、密着性、ハードコート性、耐水性、耐アルカリ性、耐光性に優れた着色ガラスが得られた。
ポリシラザンと、ラテントピグメントとを含有する本発明の着色被覆膜形成用塗布液は、分散剤を使用せず、任意の物性を得ることができるという効果を有している。


Claims (4)

  1. ポリシラザンとラテントピグメントを含有する着色被覆膜形成用塗布液。
  2. 請求項1において、ポリシラザンが、ペルヒドロポリシラザンである着色被覆膜形成用塗布液。
  3. 請求項1又は2に記載される着色膜形成用塗布液が塗布された成形体。
  4. 請求項1又は2に記載される着色膜形成用塗布液を塗布した後に、加熱処理を行った成形体。



JP2005371977A 2005-12-26 2005-12-26 着色被覆膜形成用塗布液、及び、この着色被覆膜形成用塗布液を塗布した成形体 Pending JP2007169551A (ja)

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