JP4022294B2 - 熱転写シートおよびその製造方法 - Google Patents

熱転写シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写シートおよびその製造方法、さらに詳しくはインクジェット記録方式におけるインクの吸収性、記録画像の耐水性および耐洗濯性に優れ、記録画像を被転写体に転写して転写画像を形成するのに有用な熱転写シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、フルカラー化が容易であり、低騒音で印字品質に優れている。インクジェット記録には、安全性、記録適性の点から主に水系インクが使用され、ノズルから記録用シートにむけてインク小滴を飛翔させることにより記録が行われる。このため、記録用シートは、速やかにインクを吸収すること、及び高い定着性が要求される。また、衣類などの被転写体に記録画像を熱転写して転写画像を形成する場合、転写画像用シートには、熱転写性および接着性のみならず、高い耐水性および耐洗濯性が要求される。
【0003】
特開昭63−60784号公報には、支持体の表面に、インク(特に油性インク)中の溶剤に溶解又は膨潤する有機高分子微粒子を含有するインク吸収層を形成したインクジェット記録用シートが開示されている。特開平7−25133号公報には、ポリオレフィン樹脂被覆紙又はポリエステルフィルムで形成された支持体の少なくとも一方の面に、平均粒子径5〜15μmの球状微粒子ポリマーを、乾燥重量で5〜30mg/m2の割合で含み、かつ厚みが前記球状微粒子ポリマーの平均粒子径よりも小さなインク受理層が形成されたインクジェット記録シートが開示されている。
【0004】
特開昭63−115780号公報には、4級アンモニウム塩を含む重合体を支持体に塗布したインクジェット記録用シートが開示され、合成シリカを併用すること、バインダーとしてポリビニルアルコールなどを併用することも記載されている。
【0005】
しかし、これらの記録用シートでは、インクの定着性や耐水性を高いレベルに向上させることができない。特に、記録画像を被転写体へ熱転写するのが困難である。さらに、仮に、被転写体に転写画像を形成したとしても、耐洗濯性および耐久性が劣る。
【0006】
特開平8−324106号公報には、基材の一方の面に、ホットメルト樹脂(エチレン−酢酸ビニル系,ポリエステル系,ゴム系など)で構成された多孔質構造のインク受容層が形成されたインクジェット記録用シートが開示されている。特開平8−207425号公報には、基材の一方の面に、ホットメルト樹脂(ポリアミド系,ポリエステル系などのほか、飽和ポリエステル樹脂などの水溶性ホットメルト樹脂)と親水性樹脂(ポリアクリルアミド,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドンなど)とを含むインク受容層が形成されたインクジェット記録用シートが開示されている。この記録用シートは、加熱によりフィルムなどと貼合わせることができる。
【0007】
しかし、これらのインク受容層は、インクの定着性および耐水性が十分でない。特に耐洗濯性が十分でないため、衣類などへ記録画像を熱転写したとしても、長期間に亘り鮮明な転写画像を維持できなくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、熱転写性を有するとともに、転写画像を有効に保護できる熱転写シートとその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、耐洗濯性を大きく改善でき、衣類などの被転写体への熱転写により長期間に亘り鮮明な画像を維持できる熱転写シートおよびその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、耐水性、インク吸収性、及び耐洗濯性に優れているとともに、風合いに優れる転写画像を形成できる熱転写シートおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、被転写体を伸縮させても、ひび割れを生じない転写画像を形成できる熱転写シート及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討の結果、基材シートに対して剥離可能な特定の保護層と、ホットメルト接着性のインク受容層とを組み合わせると、熱転写性を向上でき、転写画像を有効に保護できることを見いだし、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明の熱転写シートは、基材に形成されたインク受容層にインクジェット記録方式により画像を形成し、この画像が形成されたインク受容層を熱転写するための熱転写シートであって、基材の少なくとも一方の面に、基材から剥離可能な保護層と、インク受容層とが順次形成されている。前記保護層は、熱硬化性ウレタン系樹脂で構成できる。前記インク受容層は、親水性重合体及びホットメルト接着性樹脂で構成できる。このインク受容層は、さらにカチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体を含んでもよい。
【0014】
本発明の熱転写シートは、基材の少なくとも一方の面に、剥離可能な保護層と、ホットメルト接着性のインク受容層とを順次形成する方法により製造できる。
【0015】
なお、本明細書において、「エラストマー」とは、天然ゴム、合成ゴムなどのゴム類などに限らず、ゴム状弾性を有するポリマーを意味する。「親水性重合体」とは、水に対して親和性を有する種々の高分子を意味し、吸水性高分子や水溶性高分子も含む意味に用いる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の熱転写シートは、基材と、この基材に対して順次形成され、且つ基材から剥離可能な保護層及びインク受容層とを備えている。このような熱転写シートは、飛翔するインク小滴により記録し、記録画像を被転写体に熱転写して転写画像を形成するインクジェット熱転写シートとして有用である。
【0017】
[基材]
基材としては、保護層に対して剥離可能である限り、不透明、半透明や透明な基材が使用できる。基材としては、通常、離型性基材、例えば、離型処理紙、離型処理していてもよいプラスチックフィルムなどが挙げられる。プラスチックフィルムを構成するポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレートなど)、ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド6/6など)などが挙げられる。これらのフィルムのうち、通常、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどが使用され、特に、機械的強度、耐熱性、作業性などの点からポリエステル(特にポリエチレンテレフタレートなど)が好ましい。
【0018】
基材の厚みは、用途に応じて選択でき、通常、10〜250μm、好ましくは15〜200μm程度である。離型性は、慣用の方法、例えば、離型剤(ワックス,高級脂肪酸塩,高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、シリコーンオイルなど)で基材を処理することにより付与できる。プラスチックフィルムには、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、顔料などの慣用の添加剤を添加してもよい。
【0019】
[保護層]
保護層には、基材から剥離可能で、且つインク受容層を保護するとともに、転写画像の品質を大きく妨げない限り、種々の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が使用できるが、本発明では、熱硬化性ウレタン系樹脂を用いる。
【0020】
このような保護層を形成すると、可撓性が大幅に改善できるとともに、耐水性、耐久性、耐洗濯性が著しく向上し、また、転写画像に伸縮によるひび割れ、クラックが生じることを著しく抑制できる。
【0021】
保護層の厚みは、例えば、1〜90μm程度、好ましくは3〜70μm程度であり、通常、5〜50μm程度(特に5〜30μm程度)である。
【0022】
[インク受容層]
本発明の熱転写シートにおいて、インク受容層は、親水性重合体及びホットメルト接着性樹脂で構成できる。
【0023】
親水性重合体
前記親水性重合体としては、例えば、親水性天然高分子又はその誘導体(アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン、デキストリンなど)、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、シアノエチルセルロースなどのセルロースエーテル類、セルローススルフェート、アセチルメチルセルロースなどのセルロースエステル類)、ビニルアルコール系重合体(ポリビニルアルコール,エチレン−ビニルアルコール共重合体,変性ポリビニルアルコールなど)、エチレン系重合体(エチレン−無水マレイン酸共重合体など)、酢酸ビニル系共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体、変性酢酸ビニル系重合体など)、ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイド,エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体など)、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する重合体又はその塩[アクリル系重合体(ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩(アンモニウム,ナトリウムなどのアルカリ金属塩),メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体,アクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体など)、ビニルエーテル系重合体(ポリビニルメチルエーテル,ポリビニルイソブチルエーテルなどのポリビニルアルキルエーテル,メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体などの変性ポリビニルエーテルなど)、スチレン系重合体(スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなど)、ポリビニルスルホン酸ナトリウムなど]、窒素含有重合体(又はカチオン性ポリマー)又はその塩(ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、変性ポリビニルピロリドンなど)などが挙げられる。これらの親水性重合体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0024】
これらの親水性重合体のうち、酢酸ビニル系共重合体、ビニルアルコール系重合体(ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールなど)、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、窒素含有重合体(ポリビニルピロリドン又は変性ポリビニルピロリドンなどのビニルピロリドン系重合体)などが好ましい。特に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体およびこれらの変性体から選択された少なくとも一種の親水性重合体が好ましい。
【0025】
前記酢酸ビニル系共重合体は、酢酸ビニルと他の共重合性モノマー(カルボキシル基、スルホン酸基やこれらの塩、ヒドロキシル基、エーテル基などの親水性基を有するモノマー)との共重合体であり、その部分ケン化物(例えば、ケン化度10〜90%程度の部分ケン化物)なども含まれる。好ましい共重合性モノマーには、エーテル基、なかでもオキシアルキレン単位(例えば、エチレンオキサイドの単位(付加モル)数が1〜100、好ましくは2〜80、さらに好ましくは5〜70(例えば、10〜50)程度)を有する(メタ)アクリレート又はアリルエーテルが含まれる。
【0026】
酢酸ビニル系共重合体において、共重合性モノマーの割合は、例えば、モノマー全体の0.1〜50モル%、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは2.5〜25モル%(例えば、3〜20モル%)程度である。
【0027】
変性ポリビニルアルコールや変性ポリビニルピロリドンとしては、前記のようなポリオキシアルキレンエーテル基を有する重合体のほか,アセトアセチル基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基などの変性基で変性された重合体が含まれる。より具体的には、ヒドロキシル基を有する親水性重合体とアセト酢酸エステルとの反応により生成するアセトアセチル基含有親水性重合体(例えば、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール,アセトアセチル基含有ポリビニルピロリドンなど)、ビニルエステル又はビニルピロリドンと、カルボキシル基,酸無水物基又はエポキシ基含有不飽和単量体との共重合体(例えば、ビニルエステルと上記変性基含有不飽和単量体との共重合体のケン化により生成するカルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルピロリドン、エポキシ変性ポリビニルアルコール、エポキシ基変性ポリビニルピロリドンなど)、活性水素原子(例えば、水酸基,アミノ基,カルボキシル基など)を有する親水性重合体とエピクロルヒドリンとの反応により生成するエポキシ基含有ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンなどが例示できる。変性基の含有量は、単量体全体に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%(例えば、0.2〜3モル%)程度である。
【0028】
ホットメルト接着性樹脂
ホットメルト接着性樹脂としては、種々の樹脂、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン,エチレン−プロピレン共重合体,アタクチックポリプロピレンなど)、エチレン共重合樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体,エチレン−アクリル酸エチル共重合体,アイオノマーなど)、ナイロン系樹脂,ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴムなどが例示できる。これらのホットメルト接着性樹脂は単独で又は二種以上組合わせて使用できる。ホットメルト接着性樹脂は、通常、水不溶性である。ホットメルト接着性樹脂は、末端に反応性基(カルボキシル基,ヒドロキシル基,アミノ基,イソシアネート基,シリル基など)を有する反応性ホットメルト接着性樹脂であってもよい。
【0029】
熱転写性および耐久性(耐洗濯性など)を付与するための好ましい樹脂はナイロン系樹脂,ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂である。特にナイロン系樹脂で構成されたホットメルト接着性樹脂は、被転写体が衣類などである場合、転写画像に優れた耐洗濯性および耐水性と、高い風合いを付与できる。
【0030】
ナイロン系ホットメルト接着性樹脂としては、ナイロン11およびナイロン12から選択された少なくとも一方の単位を有するポリアミド樹脂(例えば、ナイロン11,ナイロン12などのホモポリアミド,ナイロン6/11,ナイロン6/12,ナイロン66/12,ダイマー酸とジアミンとラウムラクタム又はアミノウンデカン酸との共重合体などのコポリアミド)、ダイマー酸とジアミンとの反応により生成するポリアミド樹脂などが含まれる。
【0031】
ポリエステル系ホットメルト接着性樹脂としては、少なくとも脂肪族ジオールを用いたホモポリエステル樹脂又はコポリエステル樹脂が含まれる。ホモポリエステル樹脂には、脂肪族ジオール(エチレングリコール,プロピレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオールなどのC2-10アルキレンシオール、ジエチレングリコールなどのポリオキシC2-4アルキレングリコール)と、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸,スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸など)と、必要によりラクトンとの反応により生成する飽和脂肪族ポリエステル樹脂が含まれる。コポリエステル樹脂には、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートの構成成分の一部を他のジオール(エチレングリコール,プロピレングリコール,1,4−ブタンジオールなどC2-6アルキレングリコールなど)又はジカルボン酸(前記脂肪族ジカルボン酸,フタル酸,イソフタル酸などの非対称型芳香族ジカルボン酸など)若しくは前記ラクトンで置換した飽和ポリエステル樹脂が含まれる。
【0032】
ポリウレタン系ホットメルト接着性樹脂としては、少なくとも一部のジオール成分として、前記ポリエステル系ホットメルト接着性樹脂に対応するポリエステルジオールを用いたポリエステル樹脂が含まれ、ジイソシアネート成分は、芳香族,芳香脂肪族,脂環族又は脂肪族ジイソシアネートが使用できる。
【0033】
ホットメルト接着性樹脂の融点は、通常、70〜250℃、好ましくは80〜200℃、さらに好ましくは100〜150℃程度の範囲から選択できる。
【0034】
ホットメルト接着性樹脂は粉粒体として使用される。ホットメルト接着性樹脂は、インク受容層の表面から突出させてホットメルト接着性を有効に発現させるため、通常、インク受容層の厚みよりも平均粒子径が大きな粉粒状樹脂で構成されている。ホットメルト接着性樹脂の平均粒径は、例えば、1〜100μm、好ましくは3〜80μm、さらに好ましくは5〜50μm程度である。
【0035】
インク吸収性や耐洗濯性などを向上させるため、ホットメルト接着性樹脂の粉粒体は多孔質体であってもよい。
【0036】
親水性重合体とホットメルト接着性樹脂との割合は、固形分換算で、前者/後者=20/80〜80/20(重量%)、好ましくは25/75〜75/25(重量%)、さらに好ましくは30/70〜70/30(重量%)、最も好ましくは35/65〜65/35(重量%)程度の範囲から選択できる。
【0037】
インク受容層は、さらに、カチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体を含むことができ、前記ウレタン系重合体は、前記カチオン性重合体を構成してもよい。インク受容層を、このような重合体と組合わせて構成すると、インク受容能を大幅に向上できる。さらに、このような組み合わせにおいて、前記親水性重合体は、カチオン性重合体又はウレタン系重合体に対する反応性基を有していてもよい。
【0038】
カチオン性重合体
カチオン性重合体には、カルボキシメチルセルロースの第4級アンモニウム塩などの他、カチオン性単量体(第3級アミノ基又はその塩基を有する単量体、第4級アンモニウム塩基を有する又は第4級アンモニウム塩基を形成可能な単量体)の単独又は共重合体が含まれる。カチオン性重合体は、通常、ビニル系重合体、特に、アクリル系重合体(アクリル系重合体水性エマルジョンなど)で構成できる。
【0039】
カチオン性単量体としては、例えば、ジC1-4アルキルアミノ−C2-3アルキル(メタ)アクリルアミド又はその塩[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど]、ジC1-4アルキルアミノ−C2-3アルキル(メタ)アクリレート又はその塩[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど]、ジC1-4アルキルアミノ−C2-3アルキル基置換芳香族ビニル又はその塩[4−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、4−(2−ジメチルアミノプロピル)スチレンなど]、窒素含有複素環式単量体又はその塩[ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドンなど]などが含まれる。塩としては、ハロゲン化水素酸塩(塩酸塩,臭化水素酸塩など)、硫酸塩、アルキル硫酸塩(メチル硫酸塩,エチル硫酸塩など)、アルキルスルホン酸塩,アリールスルホン酸塩、カルボン酸塩(酢酸塩など)などが例示できる。なお、第3級アミノ基にアルキル化剤(エピクロルヒドリンや塩化メチル,ベンジルクロライドなど)を反応させることにより第4級アンモニウム塩基を生成させてもよい。
【0040】
前記カチオン性重合体は架橋性単量体との共重合により架橋性基を有していてもよい。架橋性単量体には、自己架橋性又は反応性官能基を有する種々の単量体、例えば、カルボキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基又は酸無水物基を有する単量体、およびこれらの塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)]、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物とC1-10アルコールとのハーフエステル[マレイン酸モノエステルなど]、ヒドロキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2-6アルキルエステルなど]、スルホン酸基含有単量体[スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸など]、エポキシ基含有単量体[(メタ)メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなど]、メチロール基含有単量体又はその誘導体[N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−C1-4アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチロール(メタ)アクリルアミドなど]、シリル基などの加水分解縮合性基含有単量体[ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、ビニルエトキシジメチルシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(ビニルフェニルアミノプロピル)トリメトキシシラン、γ−(ビニルフェニルアミノプロピル)トリエトキシシラン、γ−(ビニルベンジルアミノプロピル)トリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルトリクロロシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなど]、アジリジニル基含有単量体[(メタ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)エチル、(メタ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(1−アジリジニル)プロピルなど]などが例示できる。これらの架橋性単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0041】
カチオン性重合体を構成するこれらの単量体は、通常、成膜性や被膜特性を調製するため共重合性単量体と組み合わせて使用される。
【0042】
共重合性単量体には、例えば、(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなど]、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、芳香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど]、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アミド基含有単量体[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなど]、エーテル基含有単量体[ビニルC1-4アルキルエーテル類など]、ポリオキシアルキレン基含有単量体[ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シアン化ビニル[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレンなど]などが挙げられる。これらの共重合性単量体も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0043】
共重合性単量体としては、通常、(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル(特にアクリル酸C2-10アルキルエステルやメタクリル酸C1-6アルキルエステル)、芳香族ビニル類(特にスチレン)、ビニルエステル類(特に酢酸ビニル)が使用される。
【0044】
前記カチオン性単量体,架橋性単量体および共重合性単量体の使用量は、耐水性およびインク定着性を損なわない範囲で選択でき、例えば、カチオン性単量体は、単量体全体の0.1〜50モル%、好ましくは0.5〜40モル%、さらに好ましくは1〜30モル%(例えば、2〜25モル%)程度である。また、架橋性単量体の量は、例えば、単量体全体の0〜25モル%、好ましくは0〜20モル%、さらに好ましくは0.5〜15モル%程度であり、通常、0.3〜10モル%程度である。単量体の残余は共重合性単量体で構成されている。
【0045】
カチオン性重合体のガラス転移温度は、成膜性などを損なわない範囲で選択でき、例えば、−60℃〜70℃、好ましくは−40℃〜50℃、さらに好ましくは−30℃〜40℃程度である。カチオン性重合体の重量平均分子量は、例えば、0.1×104〜100×104、好ましくは0.1×104〜10×104程度の範囲から選択できる。
【0046】
カチオン性重合体の形態は、有機溶媒溶液、水溶液などの溶液であってもよいが、通常、カチオン性エマルジョン(特に水性エマルジョン)の形態である。カチオン性エマルジョン中の重合体粒子の平均粒子径は、例えば、1〜200nm、好ましくは10〜100nm、さらに好ましくは15〜50nm程度である。
【0047】
このようなカチオン性重合体を含むエマルジョンは、慣用の方法、例えば、ノニオン系界面活性剤および/又はカチオン系界面活性剤を含む乳化重合系で前記単量体を乳化重合する方法、前記単量体を重合した後、第3級アミン塩又は第4級アンモニウム塩を形成して水性エマルジョンとする方法などにより得ることができる。
【0048】
ウレタン系重合体
ウレタン系重合体は、ジイソシアネート成分と、ジオール成分との反応により得ることができ、必要によりジアミン成分を鎖伸長剤として使用してもよい。ウレタン系重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0049】
ジイソシアネート成分には、例えば、芳香族ジイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、キシリレンジイソシアネートなど)、脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネートなど)、脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなど)などが含まれる。ジイソシアネート成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジイソシアネート成分は、アダクト体であってもよく、必要によりトリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート成分と併用してもよい。
【0050】
ジオール成分としては、例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。ポリオール成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0051】
ポリエステルジオールは、ジオール、ジカルボン酸又はその反応性誘導体(低級アルキルエステル,酸無水物)との反応に限らず、ラクトンから誘導してもよい。ジオールには、例えば、脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのC2-10アルキレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのポリオキシC2-4アルキレングリコールなど)、脂環式ジオール、芳香族ジオールなどが含まれる。ジオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジオールは、必要により、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールと併用してもよい。ジオールは、通常、脂肪族ジオールである。
【0052】
ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸など)、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)などが例示される。ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジカルボン酸は、必要により、トリメリット酸などの多価カルボン酸と併用してもよい。
【0053】
ラクトンには、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトンなどが含まれ、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0054】
ウレタン系重合体は、ジオール成分としてポリエーテルジオール(ポリオキシテトラメチレングリコールなど)を用いたポリエーテル型ウレタン系重合体であってもよいが、少なくともポリエステルジオール(特に、脂肪族成分を主たる反応成分とする脂肪族ポリエステルジオール)を用いたポリエステル型ウレタン系重合体(例えば、1,4−ブタンジオールなどのC2-6アルキレンジオールと、アジピン酸などのC4-12脂肪族ジカルボン酸、およびイソフタル酸又はフタル酸との反応により得られるポリエステルジオールや前記ラクトンから誘導されるポリエステルジオールを用い、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートと反応させたウレタン樹脂など)であるのが好ましい。
【0055】
ウレタン系重合体は、有機溶媒溶液、水溶液、水性エマルジョンとして用いてもよい。ウレタン系重合体の水溶液又は水性エマルジョンは、ウレタン系重合体を、乳化剤を用いて、溶解又は乳化分散させて調製してもよく、ウレタン系重合体の分子内に遊離のカルボキシル基や3級アミノ基などのイオン性官能基を導入し、アルカリや酸を用いて、ウレタン系重合体を溶解又は分散させることにより調製してもよい。このような分子内に遊離のカルボキシル基や3級アミノ基が導入されたウレタン系重合体は、ジイソシアネート成分と、遊離のカルボキシル基又は3級アミノを有するジオール(特に高分子ジオール)成分との反応により得られる。なお、前記遊離のカルボキシル基を有するジオール(特に高分子ジオール)は、例えば、ジオール成分と、3以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸又はその無水物(例えば、無水ピロメリット酸などの4塩基酸無水物など)や,スルホン酸基を有する多価カルボン酸(スルホイソフタル酸など)との反応、開始剤としてジメチロールプロピオン酸などを用い、ラクトンを開環重合する方法などにより得られる。また、3級アミノ基を有するジオール(特に高分子ジオール)は、開始剤としてN−メチルジエタノールアミンなどを用い、アルキレンオキサイドやラクトンを開環重合することにより調製できる。
【0056】
なお、前記カチオン性重合体とウレタン系重合体は混合などにより組合わせて使用してもよい。また、前記カチオン性重合体とウレタン系重合体は、ウレタン系重合体エマルジョンの存在下、アクリル系単量体(特にカチオン性単量体)を含む単量体を乳化重合する方法などにより複合化してもよい。
【0057】
カチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体と、親水性重合体との割合は、耐水性,インク定着性やインク吸収性を損なわない範囲、例えば、固形分換算で、前者/後者=10/90〜90/10(重量%)、好ましくは20/80〜80/20(重量%)、さらに好ましくは30/70〜70/30(重量%)程度の範囲から選択できる。
【0058】
ホットメルト接着性樹脂の使用量は、インク受容層を構成する重合体成分100重量部に対して、例えば、10〜300重量部、好ましくは15〜200重量部、さらに好ましくは20〜150重量部程度の範囲から選択できる。
【0059】
前記保護層と、前記親水性重合体、ホットメルト接着性樹脂、カチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体で構成された樹脂組成物を用いたインク受容層とを順次形成すると、インクジェット記録においては高いインク吸収性および耐水性を示し、鮮明な記録画像を形成できる。また、インク受容層は、高い熱転写性を示すとともに、保護層が存在するため、転写画像は耐水性(耐洗濯性)、耐久性などに優れる。特に、保護層をエラストマーで構成すると、熱転写後、被転写体を伸縮させても転写画像にひび割れを生じない。
【0060】
架橋剤
インク受容層に架橋剤を添加すると、耐水性および耐洗濯性を大きく向上できる。架橋剤としては、インク受容層を構成する重合体および樹脂成分(カチオン性重合体、ウレタン系重合体、親水性重合体やホットメルト接着性樹脂)の種類に応じて適当に選択でき、例えば、アミノ樹脂(尿素樹脂,グアナミン樹脂,メラミン樹脂など)、エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、多価カルボン酸又はその酸無水物、ポリアミン、シラン化合物などが例示できる。これらの架橋剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0061】
架橋剤の割合は、例えば、インク受容層を構成する重合体および樹脂成分(親水性重合体、ホットメルト接着性樹脂、カチオン性重合体,及びウレタン系重合体)の総量100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは5〜30重量部程度の範囲から選択できる。
【0062】
可塑剤,染料定着剤
インク受容層は、転写画像に高い柔軟性を付与するため、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤(フタル酸エチル,フタル酸ブチル,フタル酸ヘキシル,フタル酸オクチル,フタル酸2−エチルヘキシル,フタル酸ラウリルなど)、脂肪族ジカルボン酸系可塑剤(アジピン酸2−エチルヘキシル,セバシン酸ジブチル,セバシン酸2−エチルヘキシルなど)、グリコール系可塑剤(エチルフタリル・エチルグリコレート,ポリエチレングリコールエステルなど)、リン酸エステル系可塑剤(リン酸トリフェニル,リン酸トリクレジル,リン酸トリ2−エチルヘキシルなど)、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤(エポキシ脂肪酸エステルなど)などが例示できる。これらの可塑剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0063】
可塑剤の使用量は、例えば、インク受容層を構成する重合体および樹脂成分(親水性重合体、ホットメルト接着性樹脂、カチオン性重合体、及びウレタン系重合体樹脂)の総量100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度の範囲から選択できる。
【0064】
さらに、インク受容層は、独立して又は前記可塑剤とともに、着色剤(染料)の定着性を向上させるため、染料定着剤を含有していてもよい。なお、高分子染料定着剤は、前記親水性重合体として機能させることもできる。
【0065】
染料定着剤としては、例えば、ジシアン系化合物(ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物,ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物など)、ポリアミン系化合物(ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,ジプロピレントリアミン,ポリアリルアミンなどの脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミンなど)、ポリカチオン系化合物(エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩−二酸化イオウ共重合物,ジアリルジメチルアンモニウム塩−ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合物、ジアリルアミン塩−二酸化イオウ共重合物,ジアリルメチルアミン塩重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩重合物,アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合物など)などが例示できる。
【0066】
染料定着剤の使用量は、定着性を向上できる範囲、例えば、固形分換算で、インク受容層を構成する重合体および樹脂成分の総量100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜20重量部程度の範囲から選択できる。
【0067】
前記保護層を構成するポリマー、親水性重合体、カチオン性重合体、ウレタン系重合体は、必要により種々の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、充填剤、着色剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤などを含有していてもよい。ホットメルト接着性樹脂は、上記添加剤に加えて、粘着付与剤(ロジン又はその誘導体、炭化水素系樹脂など)、ワックス類などを含有していてもよい。
【0068】
インク受容層の厚みは、例えば、5〜90μm、好ましくは10〜70μm程度であり、通常、5〜60μm(特に5〜50μm)程度である。なお、インク受容層の厚みは、ホットメルト接着性樹脂を含まない塗布剤を用いて形成した膜厚、又はホットメルト接着性樹脂を含む塗布剤を用いて形成した塗膜の最小厚みを意味する。
【0069】
保護層とインク受容層との厚さの比は、前者/後者=1/1〜1/10程度、好ましくは1/2〜1/8程度、さらに好ましくは1/2〜1/7程度であり、通常、1/3〜1/6程度である。
【0070】
なお、インク受容層の上には、必要により、多孔質層、ブロッキング防止層、滑性層、帯電防止層などを形成してもよい。
【0071】
[製造方法]
本発明の熱転写シートは、離型性基材の少なくとも一方の面に、基材から剥離可能な保護層と、少なくとも親水性重合体及びホットメルト接着性樹脂を含むインク受容層とを順次形成することにより製造できる。前記保護層及びインク受容層は、基材の離型性面に、エラストマーなどで構成された保護層用塗布剤を塗布し、必要により乾燥させて、保護層を形成し、親水性重合体、ホットメルト接着性樹脂および必要により他の成分で構成された塗布剤をさらに重ねて塗布することによりインク受容層を形成できる。保護層用塗布剤は、ポリマーの種類に応じて、有機溶媒や水性溶媒を用いて調製でき、溶液又はエマルジョンの形態であってもよい。親水性重合体は、通常、水性溶液又はエマルジョンの形態で使用でき、ホットメルト接着性樹脂は粉粒体の形態で使用できる。そのため、親水性重合体を含む水性溶液又はエマルジョンと、ホットメルト接着性樹脂の粉粒体と、必要により他の成分とを混合することにより、インク受容層用塗布剤を調製できる。水性溶液又は水性エマルジョンの溶媒は、水単独であってもよく、必要によりアルコール類などの親水性有機溶媒を含んでいてもよい。また、他の成分として、カチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体を混合するとインク受容能が向上する。
【0072】
塗布剤は、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビアコーターなどにより基材の少なくとも一方の面に塗布できる。塗膜を、50〜150℃(好ましくは80〜120℃)程度の温度で乾燥させることにより保護層及びインク受容層を形成できる。
【0073】
このようにして形成されたインク受容層は、インク(特に水性インク)の小滴を飛翔させて記録するインクジェット方式により画像を形成するのに適している。記録画像は、インク受容層を被転写体と接触させた状態で、適当な温度(例えば、140〜250℃、好ましくは140〜200℃程度)および圧力(5〜500g/cm2程度)で適当な時間(例えば、5秒〜1分程度)加熱圧着し、基材から保護層及びインク受容層を剥離させることにより、被転写体に円滑に転写又は転移できる。転写画像を含む転写体は必要により加熱して架橋させてもよい。
【0074】
被転写体としては、繊維、紙、木材、プラスチック、セラミックス、金属などの種々の材料で形成された二次元又は三次元構造物が利用できる。通常、プラスチックフィルムやプラスチックシート、紙、又は布などが被転写体として利用される。
【0075】
【発明の効果】
本発明では、基材上に熱により剥離可能な保護層とホットメルト接着性インク受容層とを形成しているため、熱転写性を有するとともに、耐水性およびインク吸収性を高度に改善できる。また、熱転写後、インク受容層の上に保護層が存在することにより、耐久性及び耐洗濯性を大きく改善でき、衣類などの被転写体への熱転写により長期間に亘り鮮明な画像を維持できる。また、風合いに優れ、さらに熱転写後に被転写体を伸縮させてもひび割れやクラックを生じない転写画像を形成できる。
【0076】
【実施例】
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は重量部を示す。また、実施例及び比較例で得られた熱転写シートの各種特性の評価法は次の通りである。
【0077】
インクジェットプリンター(キヤノン(株)製、BJC−420J)を使用し、実施例及び比較例で得られた熱転写シートに、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックインクを用い、所定の絵柄を印字し、記録画像を形成した。
【0078】
(インク吸収性)
印字から30秒後に、熱転写シート上にPPCコピー用紙を載せ、コピー用紙の上から指で5回擦り、コピー用紙を剥し、インクの転写状態を観察し、下記の基準で評価した。
【0079】
○ インクの転写が殆どない
△ 若干インクの転写がある
× インクの転写が多い
【0080】
(耐洗濯性および耐水性)
Tシャツに熱転写シートの記録画像を当て、ハリロンプレス機を用い、温度160℃、圧力15g/cm2で20秒間圧着して、記録画像をTシャツに熱転写した。
【0081】
温度40℃の温水1リットルに市販の洗剤1gを添加し、熱転写画像部のTシャツの試料(サイズ5cm×10cm)を入れ、攪拌機(スリーワンモーター)を用い、回転数600rpmで20分間撹拌した。そして、洗濯後の試料を取り出し、水をよく切り乾燥した後、転写画像部を観察し、以下の基準で耐洗濯性を評価した。
【0082】
○ 転写画像部が完全に残っている
△ 転写画像部に滲みが認められる
× 転写画像部が残っていない
【0083】
合成例1[カチオン性アクリル系共重合体エマルジョンの調製]
撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管及び温度計を備えた2000mlの反応容器に、イソプロピルアルコール(IPA)219部とアゾイソブチロニトリル(AIBN)1.23部を入れて撹拌して溶解し、80℃に加温した。
【0084】
共重合成分として、メチルメタアクリレート(MMA)93.7部、n−ブチルアクリレート(BA)98.7部、ジエチルアミノエチルメタアクリレート(DEAEMA)49.3部及びトリメトキシシランプロピルメタアクリレート(日本ユニカー(株)製,A−174、以下、単にA−174という場合がある)4.93部を混合し、フラスコ中へ約4時間かけて滴下した。滴下終了後、追加触媒としてAIBN 0.25部とIPA 25部との溶液を滴下し、さらに2時間反応を継続して重合を完結させた。
【0085】
重合終了後、撹拌を継続しながら、酢酸16部をフラスコ内に加え、引き続き水705部を約2時間かけて滴下してエマルジョン化した。エマルジョン化した後、ロータリーエバポレータでIPAを蒸発させ、カチオン性アクリル系共重合体エマルジョン1を得た(固形分濃度34.7%)。
【0086】
実施例1
離型処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルムに、ウレタン系樹脂塗料を乾燥後の厚み10μmとなるように塗布した。合成例1で得られた共重合体エマルジョンと、ナイロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約50μm)とを、固形分換算で60重量部及び40重量部となる割合で混合し、調製した水性塗布液を前記ウレタン系樹脂層の上に、乾燥後の厚み40μmとなるように塗布し、乾燥することにより熱転写シートを得た。
【0087】
参考例1
ウレタン系樹脂塗料に代えてスチレン−ブタジエンゴムを使用する以外、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。
【0088】
実施例
離型処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルムに、ウレタン系樹脂塗料を乾燥後の厚み10μmとなるように塗布した。ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールとイソホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水性エマルジョンと、ナイロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約50μm)とを、固形分換算で50重量部及び50重量部となる割合で混合し、調製した水性塗布液を前記ウレタン系樹脂層の上に、乾燥後の厚み40μmとなるように塗布し、乾燥することにより熱転写シートを得た。
【0089】
比較例1
合成例1で得られた共重合体エマルジョンと、ナイロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約50μm)とを、固形分換算で60重量部及び40重量部となる割合で混合し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液を、離型処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥後の厚み40μmとなるように塗布し、乾燥することにより熱転写シートを得た。
【0090】
比較例2
離型処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルムに、ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールとイソホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水性エマルジョンと、ナイロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約50μm)とを含む水性塗布液を、乾燥後の厚み40μmとなるように塗布し、乾燥することにより熱転写シートを得た。
【0091】
実施例、参考例および比較例で得られた熱転写シートの評価結果を表に示す。
【0092】
【表1】
Figure 0004022294
【0093】
表から明らかなように、比較例に比べて実施例ではいずれもインク吸収性および耐水性(耐洗濯性)が高い。また、実施例の熱転写シートを用いて形成された転写画像は、粘着テープで剥離試験を行っても剥離が生じず、風合いにも優れていた。なお、実施例の熱転写シートを用いて形成された転写画像は被転写体を伸縮させても、ひび割れ、クラックが生じなかった。

Claims (16)

  1. 基材に形成されたインク受容層にインクジェット記録方式により画像を形成し、この画像が形成されたインク受容層を熱転写するための熱転写シートであって、基材の少なくとも一方の面に、熱硬化性ウレタン系樹脂で構成され、かつ前記基材から剥離可能な保護層と、少なくとも親水性重合体及びホットメルト接着性樹脂を含むインク受容層とが順次形成された熱転写シート。
  2. 保護層のヤング率が、0.1〜100MPaである請求項1記載の熱転写シート。
  3. 保護層の伸び率が、300〜1000%である請求項1記載の熱転写シート。
  4. 保護層とインク受容層との厚さの比が、前者/後者=1/1〜1/10である請求項1記載の熱転写シート。
  5. 親水性重合体が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体およびこれらの変性体から選択された少なくとも一種である請求項1記載の熱転写シート。
  6. ホットメルト接着性樹脂が、ナイロン系樹脂,ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂から選択された少なくとも一種である請求項1記載の熱転写シート。
  7. ホットメルト接着性樹脂が、インク受容層の厚みよりも平均粒子径が大きな粉粒状樹脂で構成されている請求項1記載の熱転写シート。
  8. 親水性重合体とホットメルト接着性樹脂との割合が、固形分換算で、前者/後者=20/80〜80/20(重量%)である請求項1記載の熱転写シート。
  9. インク受容層が、さらに、カチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体で構成されている請求項1記載の熱転写シート。
  10. カチオン性重合体がアクリル系重合体又はウレタン系重合体の水性エマルジョンで構成されている請求項9記載の熱転写シート。
  11. ウレタン系重合体が、ポリエステル型ウレタン系重合体である請求項9記載の熱転写シート。
  12. ホットメルト接着性樹脂の割合が、親水性重合体90〜10重量%並びにカチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体10〜90重量%で構成された樹脂組成物100重量部に対して、10〜300重量部である請求項9記載の熱転写シート。
  13. インク受容層が、架橋剤を含む請求項1記載の熱転写シート。
  14. 架橋剤の割合が、インク受容層を構成する重合体成分100重量部に対して0.1〜50重量部である請求項13記載の熱転写シート。
  15. インク受容層が、染料定着剤および可塑剤のうち少なくとも一方の成分を含む請求項1記載の熱転写シート。
  16. 基材の少なくとも一方の面に、熱硬化性ウレタン系樹脂で構成され、かつ前記基材から剥離可能な保護層と、少なくとも親水性重合体及びホットメルト樹脂を含むインク受容層とを順次形成する請求項1記載の熱転写シートの製造方法。
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